「なあ、パチュリー」
「なによ、魔理沙」
紅魔館の大図書館。今日も黒白の魔法使いがお邪魔しています。
本を読むのに飽きたのか、それとも持って帰るものに目星がついたのか、
傍らでいつものごとく本を読んでいた紫魔女に話しかけます。
「ここの、紅魔館のメイドって、外と中だと中の奴らの方が強いだろ?
おかしくないか?普通は外に強いのを集めないか?
侵入者とかの出会う機会が多いから」
魔理沙は普段から疑問に思っていたのですが、いい機会だとばかりに質問します。
「侵入者の一人がいう事じゃないわね…。
でも、そうね。普通は外側と、‘玉’--ここの場合はレミィと妹様ね--の周りを強くするわね。
パチュリーも機嫌がいいのか、質問に答えます。
「そうだよな」
「でも、紅魔館は普通とちがうの。
メイド達のグループは五つに分かれているわ。
外勤、内勤、図書館、レミィの親衛隊、妹様の親衛隊。この五つね」
「ふむふむ、そんな感じだよな」
コクコク、腕を組みながら魔理沙は頷きます。
「この中でレミィと妹様の親衛隊は紅魔館の中でも選りすぐりの精鋭ね」
「紅霧のときは手こずったぜ」
「そして、図書館のメイド達。通称‘図書館隊’」
「そのまんまだぜ」
「図書館隊のメイド達は、変わり者が集まってくるのよ」
「へ?」
なんだそりゃ?魔理沙の顔が物語ってます。
「まあ、妖精だけど、本が好きな時点で変わり者なのよ」
「ああ、なるほど。妖精は基本的に本とか苦手そうだからな」
基本的に妖精は子供っぽいものが多いので、ジッとしているのが苦手なんです。
「だから、私の使い魔だけど、図書館で変わり者筆頭である小悪魔が図書館隊を統括しているの」
---こぁ~~~、ひどいです~~~。
何か聞こえましたが、スルーします。
「いや、変わり者筆頭といえばパチュr…いや何でもないですので、
ロイヤルフレアを至近距離で構えないでください」
「ふう、まあいいわ」
符をしまうパチュリーを見て、魔理沙は思いました。
「(ぜん息の調子が良さそうだから、余計なことは黙ってよう)」
「と言うわけで、レミィと妹様の親衛隊、図書館隊はちょっと特殊なの」
「そうだな。で、一般のメイド達が外勤と内勤に分かれるんだよな?」
「そうよ。外勤と内勤の分け方だけど…」
「ほうほう」
やっと本題に入った、と魔理沙が顔に出すと、
前置きが重要なの、パチュリーが顔に出して答えます。
「新しく紅魔館に働きに来たらまず回されるところ、それが外勤。
外勤である程度経験を積んだら、内勤に回されるの
つまり、外勤のメイド隊は教育機関でもあるのよ」
「へえ。そーなのか」
===●わは~~~
「…今、何か飛んでいったわね。」
「なんのことだ?それよりメイドへの教育なら内勤でもできるんじゃないか?」
「そうね。でも、外勤の方がむいているのよ。理由はいくつかあるわ。
まず、メイドとしての仕事が比較的簡単なの。草むしりや、水やり、庭掃除とかね」
指をピンと立てながら、パチュリーは一つずつ説明していきます。
「ああ、館の中の掃除とかよりは楽そうだな」
「つぎに、実戦が多いこと。紅魔館のメイドである以上、ある程度の弾幕を使えないといけない。
だけど、練習だけじゃ本物にならない。だから、侵入者などで実戦の機会が多い外勤が最適なの」
「けど、それじゃあ、外の守りがもろくならないか?」
「ええ、だから‘門番’がいるのよ」
「ああ、なるほど」
「最後に、これが一番の理由なんだけど、上司、というよりは指導者の資質の差、ね」
「ん?なんだそりゃ?」
魔理沙は小首をかしげます。
「外勤の指導者は美鈴。内勤の上司は咲夜。そう言う事よ」
「んんん?よくわからないぜ」
「全くの素人を教えるのは、美鈴の方が適任ってことよ」
「ああ、それだったら何となくわかるぜ。あのメイド長だったら指示だけ与えそうだからな」
「その通りよ。紅魔館のメイドとして、弾幕も含めてやっていけると美鈴が判断したら、
外勤から内勤に回されるの。
たまに、ずっと外勤を希望するメイドがいて‘門番隊’って自称しているわ
いつも美鈴のそばにいる子たちね」
「へぇぇぇ~。中国って、結構重要なポストにいるんだな」
感心したように魔理沙はため息をつきます。
「そうよ。肩書きは門番だけど、庭園の管理もしてるし、教師でもあるのよ」
「ということは、ここのメイド達は全部、中国の教え子って事になるのか?」
「そうね。咲夜もその一人よ。それにレミィと妹様の教育係でもあるらしいわ」
「中国先生か」
「…だから基本的に美鈴に逆らえる人物は紅魔館にはいないわ」
「え!レミリアやフランもか!?」
「お仕置きが怖いそうよ」
「実は中国、強かったんだな」
「純粋な強さはもちろん、レミィや妹様、咲夜の方が上だわ。
けど、‘美鈴先生’の持つ威圧感、というか存在感には勝てないのよ」
「何となくわかるぜ」
「まあ、私は別ね。美鈴に何も教わっていないし。特に怖がる理由は無いから」
「へぇぇぇ~。それは光栄ですね~」
突然聞こえた第三者の声にパチュリーはビクッと反応します。
噂をすれば影。美鈴先生の登場です。なにやら存在感全開です。
笑顔がとっても素敵に怖いです。
「めめめ美鈴!?ななななにかしら」
「あれ~、パチュリー様。私を怖がる理由は無いんですよね?」
「そそそそうよ。こここ怖がってなんか…」
あきらかに怖がってます。
「どうしたんだ中国。パチュリーがなにかやったのか?」
なんとなくニヤニヤした魔理沙が美鈴に質問します。
どうやら、パチュリーの怖がっている姿を見るのが楽しいみたいです。性格悪いです。
「ええ。小悪魔ちゃんから聞いたんですけど、朝の分のぜん息のお薬、捨てたみたいですね」
「え、おまえが調合しているのか!?」
「ええ、そうです。一応、医学薬学の知識もありますからね。長いこと生きていると。
…逃げないで、パチュリー様。
はい捕まえた。なんでお薬を捨てるんですか?」
魔理沙と話をしながらも、パチュリーを捕まえる美鈴。手慣れてます。
「だって苦いんだもの!」
「良薬口に苦しです。お仕置きですね」
「ごめんなさい美鈴!ゆるして!小悪魔の裏切り者ーーー!!
魔理沙たすけてーーー!!」
叫びながらパチュリーは美鈴に連れて行かれます。
助けを求められた魔理沙は
「無理なんだぜ」
あきらめました。
「パチュリーにとっては、医者としての‘美鈴先生’か。
パチュリー、強く生きろよ」
そう言いながら、魔理沙は本を物色します。いい性格しています。
そんな魔理沙に、どこからともなく小悪魔がやってきて忠告します。
「魔理沙さん、美鈴さんからの伝言です。
『あんまり‘おいた’が過ぎると、お仕置きしますよ』
ですって」
連れ去られた場所から響いてきた、パチュリーの“むきゅー”という涙声の叫びを聞いて、
魔理沙は持って帰ろうとした本を諦めたのでした。
そして、今度から穏便に紅魔館に来よう、と思ったのでした。
「なによ、魔理沙」
紅魔館の大図書館。今日も黒白の魔法使いがお邪魔しています。
本を読むのに飽きたのか、それとも持って帰るものに目星がついたのか、
傍らでいつものごとく本を読んでいた紫魔女に話しかけます。
「ここの、紅魔館のメイドって、外と中だと中の奴らの方が強いだろ?
おかしくないか?普通は外に強いのを集めないか?
侵入者とかの出会う機会が多いから」
魔理沙は普段から疑問に思っていたのですが、いい機会だとばかりに質問します。
「侵入者の一人がいう事じゃないわね…。
でも、そうね。普通は外側と、‘玉’--ここの場合はレミィと妹様ね--の周りを強くするわね。
パチュリーも機嫌がいいのか、質問に答えます。
「そうだよな」
「でも、紅魔館は普通とちがうの。
メイド達のグループは五つに分かれているわ。
外勤、内勤、図書館、レミィの親衛隊、妹様の親衛隊。この五つね」
「ふむふむ、そんな感じだよな」
コクコク、腕を組みながら魔理沙は頷きます。
「この中でレミィと妹様の親衛隊は紅魔館の中でも選りすぐりの精鋭ね」
「紅霧のときは手こずったぜ」
「そして、図書館のメイド達。通称‘図書館隊’」
「そのまんまだぜ」
「図書館隊のメイド達は、変わり者が集まってくるのよ」
「へ?」
なんだそりゃ?魔理沙の顔が物語ってます。
「まあ、妖精だけど、本が好きな時点で変わり者なのよ」
「ああ、なるほど。妖精は基本的に本とか苦手そうだからな」
基本的に妖精は子供っぽいものが多いので、ジッとしているのが苦手なんです。
「だから、私の使い魔だけど、図書館で変わり者筆頭である小悪魔が図書館隊を統括しているの」
---こぁ~~~、ひどいです~~~。
何か聞こえましたが、スルーします。
「いや、変わり者筆頭といえばパチュr…いや何でもないですので、
ロイヤルフレアを至近距離で構えないでください」
「ふう、まあいいわ」
符をしまうパチュリーを見て、魔理沙は思いました。
「(ぜん息の調子が良さそうだから、余計なことは黙ってよう)」
「と言うわけで、レミィと妹様の親衛隊、図書館隊はちょっと特殊なの」
「そうだな。で、一般のメイド達が外勤と内勤に分かれるんだよな?」
「そうよ。外勤と内勤の分け方だけど…」
「ほうほう」
やっと本題に入った、と魔理沙が顔に出すと、
前置きが重要なの、パチュリーが顔に出して答えます。
「新しく紅魔館に働きに来たらまず回されるところ、それが外勤。
外勤である程度経験を積んだら、内勤に回されるの
つまり、外勤のメイド隊は教育機関でもあるのよ」
「へえ。そーなのか」
===●わは~~~
「…今、何か飛んでいったわね。」
「なんのことだ?それよりメイドへの教育なら内勤でもできるんじゃないか?」
「そうね。でも、外勤の方がむいているのよ。理由はいくつかあるわ。
まず、メイドとしての仕事が比較的簡単なの。草むしりや、水やり、庭掃除とかね」
指をピンと立てながら、パチュリーは一つずつ説明していきます。
「ああ、館の中の掃除とかよりは楽そうだな」
「つぎに、実戦が多いこと。紅魔館のメイドである以上、ある程度の弾幕を使えないといけない。
だけど、練習だけじゃ本物にならない。だから、侵入者などで実戦の機会が多い外勤が最適なの」
「けど、それじゃあ、外の守りがもろくならないか?」
「ええ、だから‘門番’がいるのよ」
「ああ、なるほど」
「最後に、これが一番の理由なんだけど、上司、というよりは指導者の資質の差、ね」
「ん?なんだそりゃ?」
魔理沙は小首をかしげます。
「外勤の指導者は美鈴。内勤の上司は咲夜。そう言う事よ」
「んんん?よくわからないぜ」
「全くの素人を教えるのは、美鈴の方が適任ってことよ」
「ああ、それだったら何となくわかるぜ。あのメイド長だったら指示だけ与えそうだからな」
「その通りよ。紅魔館のメイドとして、弾幕も含めてやっていけると美鈴が判断したら、
外勤から内勤に回されるの。
たまに、ずっと外勤を希望するメイドがいて‘門番隊’って自称しているわ
いつも美鈴のそばにいる子たちね」
「へぇぇぇ~。中国って、結構重要なポストにいるんだな」
感心したように魔理沙はため息をつきます。
「そうよ。肩書きは門番だけど、庭園の管理もしてるし、教師でもあるのよ」
「ということは、ここのメイド達は全部、中国の教え子って事になるのか?」
「そうね。咲夜もその一人よ。それにレミィと妹様の教育係でもあるらしいわ」
「中国先生か」
「…だから基本的に美鈴に逆らえる人物は紅魔館にはいないわ」
「え!レミリアやフランもか!?」
「お仕置きが怖いそうよ」
「実は中国、強かったんだな」
「純粋な強さはもちろん、レミィや妹様、咲夜の方が上だわ。
けど、‘美鈴先生’の持つ威圧感、というか存在感には勝てないのよ」
「何となくわかるぜ」
「まあ、私は別ね。美鈴に何も教わっていないし。特に怖がる理由は無いから」
「へぇぇぇ~。それは光栄ですね~」
突然聞こえた第三者の声にパチュリーはビクッと反応します。
噂をすれば影。美鈴先生の登場です。なにやら存在感全開です。
笑顔がとっても素敵に怖いです。
「めめめ美鈴!?ななななにかしら」
「あれ~、パチュリー様。私を怖がる理由は無いんですよね?」
「そそそそうよ。こここ怖がってなんか…」
あきらかに怖がってます。
「どうしたんだ中国。パチュリーがなにかやったのか?」
なんとなくニヤニヤした魔理沙が美鈴に質問します。
どうやら、パチュリーの怖がっている姿を見るのが楽しいみたいです。性格悪いです。
「ええ。小悪魔ちゃんから聞いたんですけど、朝の分のぜん息のお薬、捨てたみたいですね」
「え、おまえが調合しているのか!?」
「ええ、そうです。一応、医学薬学の知識もありますからね。長いこと生きていると。
…逃げないで、パチュリー様。
はい捕まえた。なんでお薬を捨てるんですか?」
魔理沙と話をしながらも、パチュリーを捕まえる美鈴。手慣れてます。
「だって苦いんだもの!」
「良薬口に苦しです。お仕置きですね」
「ごめんなさい美鈴!ゆるして!小悪魔の裏切り者ーーー!!
魔理沙たすけてーーー!!」
叫びながらパチュリーは美鈴に連れて行かれます。
助けを求められた魔理沙は
「無理なんだぜ」
あきらめました。
「パチュリーにとっては、医者としての‘美鈴先生’か。
パチュリー、強く生きろよ」
そう言いながら、魔理沙は本を物色します。いい性格しています。
そんな魔理沙に、どこからともなく小悪魔がやってきて忠告します。
「魔理沙さん、美鈴さんからの伝言です。
『あんまり‘おいた’が過ぎると、お仕置きしますよ』
ですって」
連れ去られた場所から響いてきた、パチュリーの“むきゅー”という涙声の叫びを聞いて、
魔理沙は持って帰ろうとした本を諦めたのでした。
そして、今度から穏便に紅魔館に来よう、と思ったのでした。
私だったら、内勤に力をそそぎますね。
何故なら、一対一では最高クラスに強いはずの美鈴を倒して来たような奴には、
妖精では話になりません。
しかし、割と強めの妖精達による人海戦術には堪えるかも。
また、咲夜さんが来るまでの時間稼ぎにもなる。
ごちそうさまでしたwwwww
すいませんついついタイトルに反応してしまい。
美鈴先生に説教された後に甘えまくる七曜の娘さんを幻視しまくりで困ります。
美パチュは幻想郷のお宝さ!
小ネタも何気にクスっときた。
こういうのもたまにはいいかも。もちろんいぢめられる中国も好きだけどね