幻想郷上空
日が沈み、今夜も月が昇る、だがそれは偽りの月だった。
いち早く異変を察知したレミリアは、親友のパチュリーと共に、異変解決に乗り出すのだった。
少々寸劇はあったが、月の異変を解決すべく、レミリア、パチュリー、小悪魔は、急ぎ異変の元凶へと向かう。
「小悪魔、お茶」
「はい、ただいまー」
向かう。
「お茶請けにクッキーでも欲しいところよね」
「あ、そう仰られると思って、クッキー、持ってきてますよ」
「あら、気が利くじゃない、咲夜に負けてないぐらい瀟洒よ、今の貴女」
向か・・・・。
「・・・・・二人とも」(怒)
「レミィにもあげるわ、咲夜と美鈴から教わってるだけあって、なかなか美味しいわよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いただくわ」
すいません、まじめにお願いします。
~永夜抄IF パチュリー・レミリア編~ 第2話 謎のGボウィ
「・・・ところでパチェ」
手に付いたクッキーの粉を払いながら、ふと疑問に思ったことをパチュリーに聞く。
「何?」
「今回の異変の元凶、どこに居るのか判ってる?」
「・・・・・・」
沈黙。
長い沈黙。
その後、あー、とかうーとかこあーとか聞こえ、やがて意を決したように、口を開く。
「・・・・・・・・・・・・もちろん」
「何で!?、何でそこで嘘をつくの!?三点リーダー4個分の後の言葉のどこに真実があるって言うの!?」
胸倉掴んでガックンガックン、ああー肩こりに効くわー、お嬢様ー殿中でござるー、ええいうるさいここは紅魔館の外だ。
そんなやり取りが10分程続いた所で、パチュリーが反撃。
ラストワード「じゃあレミィは知ってるの?」
「う!」
手痛い反撃!れみりあ は 9998の ダメージを うけた!
恐らく、メッセージにするとこんな感じだった、と後に小悪魔は語る。
そして、一瞬見せたレミリアの動揺、それを見逃す程、紅魔館の魔女は甘くなく、更なる追撃を行う。
「う?・・・・う、の後に続く言葉は何かしら?」
「う・・・(う、うの後が、続かない!)」
ああサ○レスですね、判ります、あれを食らうと魔法が詠唱できませんよねー、と小悪魔はレミリアに同情しながら思ったとか思わなかったとか。
「さあ、どうしたのかしらレミィ?、う、の続き、なんて言おうとしたの?」
「うう」
「咲夜が夜を止めてるいんでしょう?なら咲夜の負担を軽くするためにも、早く異変を解決しないといけないんじゃない?」
「ううう」
「さあ」
「うううう」
「さあ」
「ううううう」
徐々に、さらに徐々に、レミリアを追い詰めるパチュリー。
もうだめか、そう思い小悪魔が、レミリアのフォローをしようと口を開きかけたその時。
「・・・・・・うん、知ってるわ」
なんと、長い膠着を破ったのはレミリア本人だった。
「ん?」
「うん、知ってるわ、って言ったの!、この私を誰だか忘れたの!?永遠に幼き赤い月のレミリア・スカーレットよ!!元凶くらい何よ!そのぐらい知ってるわよ!」
逆切れだ、物の見事に逆切れした。
そして言ってから後悔した。
つい勢いで言ってしまったが本当に知らない、判る分けない。
だが、親友の魔女は追撃の手を緩めない。
「あらそう、私はついさっき何となくの目標を推測してみたけど、さすがレミィね、もう元凶の居所を掴んでるなんて」
「そ、そうよ、私に任せておけば万事解決よ!・・・お、おほほほほほほほほ」
だが止まらない、止まれない、まるでブレーキを壊したかのように口から言葉が飛び出てくる。
それを見るパチュリーは、どことなく、してやったりといった表情をしていた。
後に小悪魔はこう語る。
「悪魔よりも悪魔らしい魔女って滅茶苦茶タチが悪いです」と。
「さて、じゃあ元凶の居場所も判ったところで、どの方角に向かえばいいのかしら?レミィ?」
「へぇ!?、え、ええーとね・・・・・あっち!そう、あっちの方角ね!もうバシバシ感じるわ!」
そう言って指した方角は、幸運にも竹林の方角であったという。
この事に対して、後にR.S氏はこう語る。
「あそこで間違えてたらと思うと、100年寿命が縮む気がするわ」
なんともスケールの大きな話である。
「ふぅん・・・寄寓ね、私もあっちの方角かな?とは思ったけど、これで確証が持てたわ」
「そ、そうなのかー、パチェもあっちが怪しいと思ってたのかー、ホント寄寓だなーあははー」
もしパチェが推測していた方角とは見当違いの方角を指していたら、というIFに背筋を凍らせながら、表面上は自身満々、意気揚揚と進む。
そして、その背中を見つめながら、小悪魔が。
「お嬢様 かりすまオーラが 駄々漏れDEATH」
と、一句読み上げたのはここに居る皆とパッチェさんとの秘密だ。
閑話休題。
レミリア達が、見当をつけた方角をしばらく進むと、まるで今まで待たせられた怨みをぶつけるかのごとく、激しい弾幕が襲ってきた。
「・・・・ねえレミィ」
弾幕を回避しながら、敵機を落しつつ、自分の親友に問い掛ける。
「何?」
「これ、難易度何?」
「え?、Lunaticだけど?」
「・・・やっぱり」
思わず額に手を当て、ため息をつく。
「せめてHardにしない?」
「えー?なんで?」
「そうしないと作者がクリアできないそうよ」
「しょうがない、感謝しろ、作者」
うるさいやい。
~少女リセット中~
Hardモードになりました。
「パチュリー様?」
「どうしたの?小悪魔」
「敵、いなくなりましたよ?」
「は?」
「あら、本当」
あたりを見回すと、本当に敵が居ない。
周りにはその名残ともいえるPアイテムが、墓標のように浮かんでいるだけだった。
「小悪魔が全部落としてくれたの?よくやったわ」
「へ?え、あのちが・・・」
小悪魔をねぎらいながら点アイテムを集める。
その後姿を見ながら、レミリアはいぶかしむ。
「・・・変ねぇ」
「え?」
「こういう場合って、リーダーみたいな奴が現れるものじゃない?」
「そうでしょうか?失礼ですが、お考え過ぎでは?」
「貴方達はウチのメイドたちしか殆ど目にしないから判らないけど、妖怪や妖精たちなんて殆どは人の言うことを聞かない勝手な奴らばかりよ?」
「はあ」
「そんな奴らが統率の取れた動きをする、つまり、そこから導き出される答えは?」
「・・・少なくとも、そこらの妖精や妖怪よりも強い者がいる・・・」
「そういうこと、まあ、あくまで推測、妄想の域は出ないけど、注意するに越したことはない・・・」
とはいえ、気配も無く、辺りには虫の鳴き声しかしない。
「レミィ?どうしたの」
遠くでパチュリーの声がする。
点アイテムを取りに少々遠くまで行ってしまったようだ。
合流しなければ、そう思い、パチュリーの方を見やる。
「!?」
瞬間、驚愕した。
パチュリーに目掛けて飛んで来る人影。
そう認識した瞬間、自身のもてる最大速度で飛びながらパチュリーに向かって叫ぶ。
「後ろだ!、避けろ、パチェ!」
「え?」
だがパチュリーはその声に反応し避けるどころか振り返ってしまった。
「アイテム欲しさに前に出たのが運のつきだ!くらえ!!」
叫びながらそこに飛び込む人影、そして。
「不意打ち、リグル・キイィィック!!」
見事に直撃した。
「ムキュルゥ!?」
「ぱ、パチェ-!!」
落ちていく、当たり所が悪かったのか、パチュリーは体制を立て直さない。
すぐにパチュリーを追って急降下する。
「間に・・・合えぇぇぇ!」
その想いは届き、何とかパチュリーの下に回りこみ、受け止めることが出来た。
すぐに羽ばたき、体制を整える。
パチュリーには目立った外傷もなく、ただ衝撃で意識が飛んだだけのようだ。
その事に安堵することもつかの間。
「へえ、よく間に合ったね・・・でも、これで終わり」
その声にハッとし、声のする方向を見上げる。
そして。
パチュリーを受け止めながら見た光景は。
全弾自分狙いの弾幕の一斉射撃だった。
「お嬢様!!パチュリー様ぁ!!」
「ざーんねん!!ここでゲームオーバー!!」
早くも勝利したかのように勝ち誇る。
あんな下級相手に油断した自分に恥じる。
いや、違う。
相手は下級だからこそ自分達を仕留められる方法で挑んできた。
恐らくは自分達のほうが格下だと理解しているのだろう。
それでもなお挑んできた。
ならばどうする?
ならば受けて立とう。
下級の相手に上下関係を理解させる。
そのためならばボムの一つや二つ失っても惜しくは無い。
スカーレット・デビルの力、骨の髄まで味合わせる。
紅魔「スカーレットデビル」
宣言した瞬間、立ち上る。
どこまでも赤く、何よりも紅い炎の十字架。
それは、弾幕の壁を容易く食い千切り、天に昇った。
「あれだけの弾幕が!?そんなっ!」
驚愕の声が上がる。
当然だ、自分の名を冠する上級スペル、この程度の弾幕なら、例えこの百倍来ようとも消せるものではない。
驚愕から抜け出せない妖怪を尻目に悠然と同じ高度まで上昇する。
「・・・さて」
ビクリと震える妖怪、ようやく我に返ったようだ。
「私の親友を足蹴にしてくれたんだ、それ相応の覚悟はしているな?このムシケラ?」
最大限の殺気の篭った脅しをかける。
「ひっ!」
さらに縮こまる。
そうして、レミリアがどう料理しようか、と考えていると。
「・・・レミィ?」
「ん?・・・ああ、パチェ、起きたのか?」
パチュリーが目を覚ました。
そして、何を思ったのか、辺りを見回す。
「どうしたの?パチェ?」
そして、涙目で震え上がっている妖怪を見レミリアに問う。
「レミィ」
「何?」
何気なく聞いたその一言、何気なく返したのは間違いだったか、と数秒後に後悔することになる。
「アレが、私を蹴ったの?」
「え?ああ、だから、どう料理しようかと・・・考えて・・・いた・・・けど・・・」
瞬間、発生した怒気は、レミリアの放つ殺気を容易く飲み込んだ。
「むきゅ、むきゅ、むきゅ、むきゅむきゅむきゅむきゅ・・・・・・・・」
「ち、ちょっと、パチェ?」
「むきゅむきゅむきゅむきゅむきゅむきゅむきゅむきゅ・・・・・・・・・」
押されている、夜の王たるレミリア・スカーレットが。
自分の友人の発する変な音に。
ひとしきり笑った(!?)後にパチュリーが妖怪に問い掛ける。
「・・・貴女、名前は?」
そのあまりにも感情の起伏も感じさせないような声は、相手に余計に恐怖心を与えたようで。
「・・・り、リグル・な、ナイトバグです・・・」
と、声まで涙交じりになってしまった。
「そう、いい名前ね・・・墓石にはちゃんと名前を刻んであげるわ」
「ひ、ひええ」
名前を聞いておいて、即死亡フラグにつなげる、これほど残酷な事は無い、と、後にR・Nは語る。
「レミィ?」
「は、はい!?」
「・・・少しここで待ってなさい」
「い、イエス、サー!!」
親友の発する殺意の波動のせいで、さっきまでのカリスマもどこへやら、すっかり、へたレミリアになってしまっていた。
「さ、行くわよ、時間はそんなに取らせないから」
と、昆虫少女捕まって、物陰にまで後僅か。
いやいややだやだ助けてと、願いもむなしく引きずり込まれ。
メガリス!クロムレク!ウォーターエルフ!まだまだこれからフォレストブレイズ!ついでにくらえマーキュリーポイズン!最後は一体何がいい?こいつでとどめだロイヤルフレア!
やめてください残機はゼロです、駆け寄る小悪魔振り払い、まだまだいくぜ、賢者の石だ!・・・・・・・・・・・・。
あまりにも過激な弾幕描写なので、ただいま音声のみでお送りしております。
数分後、妙にスッキリした表情のパチュリーと、それとは対照的に憔悴しきった表情の小悪魔が、物陰から姿を表した。
そして、何事も無かったかのように。
「さて、先を急ぐわよ、レミィ」
と、言ったそうな。
ちなみにこの後数ヶ月に渡り、この光景がレミリア、小悪魔の夢に出てきたそうだが、全くの余談である。
リグルはどうなったかって?聞かない方が身のためだ。
次回予告
数名にトラウマを残し、パチュリーは突き進む。
そこでフライドチキ・・・・・もとい夜雀と出会う。
パチュリー「ちょうどお腹もすいた頃だし・・・・・」
レミリア「本気で食べる気!?」
火符を片手ににじり寄るパチュリーを相手に夜雀の明日はあるのか!?
次回、~永夜抄IF パチュリー・レミリア編~ 第三話 貴女は食べられる鳥類? お楽しみに!
「あなたも鳥目にしてあげる!」
今日のNG
「不意打ち、リグル・キイィィック!!」
見事に直撃した。
「ムキュルゥ!?」
「ぱ、パチェ-!!」
落ちていく、当たり所が悪かったのか、パチュリーは体制を立て直さない。
すぐにパチュリーを追って急降下する。
「間に・・・合えぇぇぇ!」
・・・・・・・・・・・・・
「無理でした」
地面に人の形のクレーターが出来上がりました。
日が沈み、今夜も月が昇る、だがそれは偽りの月だった。
いち早く異変を察知したレミリアは、親友のパチュリーと共に、異変解決に乗り出すのだった。
少々寸劇はあったが、月の異変を解決すべく、レミリア、パチュリー、小悪魔は、急ぎ異変の元凶へと向かう。
「小悪魔、お茶」
「はい、ただいまー」
向かう。
「お茶請けにクッキーでも欲しいところよね」
「あ、そう仰られると思って、クッキー、持ってきてますよ」
「あら、気が利くじゃない、咲夜に負けてないぐらい瀟洒よ、今の貴女」
向か・・・・。
「・・・・・二人とも」(怒)
「レミィにもあげるわ、咲夜と美鈴から教わってるだけあって、なかなか美味しいわよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いただくわ」
すいません、まじめにお願いします。
~永夜抄IF パチュリー・レミリア編~ 第2話 謎のGボウィ
「・・・ところでパチェ」
手に付いたクッキーの粉を払いながら、ふと疑問に思ったことをパチュリーに聞く。
「何?」
「今回の異変の元凶、どこに居るのか判ってる?」
「・・・・・・」
沈黙。
長い沈黙。
その後、あー、とかうーとかこあーとか聞こえ、やがて意を決したように、口を開く。
「・・・・・・・・・・・・もちろん」
「何で!?、何でそこで嘘をつくの!?三点リーダー4個分の後の言葉のどこに真実があるって言うの!?」
胸倉掴んでガックンガックン、ああー肩こりに効くわー、お嬢様ー殿中でござるー、ええいうるさいここは紅魔館の外だ。
そんなやり取りが10分程続いた所で、パチュリーが反撃。
ラストワード「じゃあレミィは知ってるの?」
「う!」
手痛い反撃!れみりあ は 9998の ダメージを うけた!
恐らく、メッセージにするとこんな感じだった、と後に小悪魔は語る。
そして、一瞬見せたレミリアの動揺、それを見逃す程、紅魔館の魔女は甘くなく、更なる追撃を行う。
「う?・・・・う、の後に続く言葉は何かしら?」
「う・・・(う、うの後が、続かない!)」
ああサ○レスですね、判ります、あれを食らうと魔法が詠唱できませんよねー、と小悪魔はレミリアに同情しながら思ったとか思わなかったとか。
「さあ、どうしたのかしらレミィ?、う、の続き、なんて言おうとしたの?」
「うう」
「咲夜が夜を止めてるいんでしょう?なら咲夜の負担を軽くするためにも、早く異変を解決しないといけないんじゃない?」
「ううう」
「さあ」
「うううう」
「さあ」
「ううううう」
徐々に、さらに徐々に、レミリアを追い詰めるパチュリー。
もうだめか、そう思い小悪魔が、レミリアのフォローをしようと口を開きかけたその時。
「・・・・・・うん、知ってるわ」
なんと、長い膠着を破ったのはレミリア本人だった。
「ん?」
「うん、知ってるわ、って言ったの!、この私を誰だか忘れたの!?永遠に幼き赤い月のレミリア・スカーレットよ!!元凶くらい何よ!そのぐらい知ってるわよ!」
逆切れだ、物の見事に逆切れした。
そして言ってから後悔した。
つい勢いで言ってしまったが本当に知らない、判る分けない。
だが、親友の魔女は追撃の手を緩めない。
「あらそう、私はついさっき何となくの目標を推測してみたけど、さすがレミィね、もう元凶の居所を掴んでるなんて」
「そ、そうよ、私に任せておけば万事解決よ!・・・お、おほほほほほほほほ」
だが止まらない、止まれない、まるでブレーキを壊したかのように口から言葉が飛び出てくる。
それを見るパチュリーは、どことなく、してやったりといった表情をしていた。
後に小悪魔はこう語る。
「悪魔よりも悪魔らしい魔女って滅茶苦茶タチが悪いです」と。
「さて、じゃあ元凶の居場所も判ったところで、どの方角に向かえばいいのかしら?レミィ?」
「へぇ!?、え、ええーとね・・・・・あっち!そう、あっちの方角ね!もうバシバシ感じるわ!」
そう言って指した方角は、幸運にも竹林の方角であったという。
この事に対して、後にR.S氏はこう語る。
「あそこで間違えてたらと思うと、100年寿命が縮む気がするわ」
なんともスケールの大きな話である。
「ふぅん・・・寄寓ね、私もあっちの方角かな?とは思ったけど、これで確証が持てたわ」
「そ、そうなのかー、パチェもあっちが怪しいと思ってたのかー、ホント寄寓だなーあははー」
もしパチェが推測していた方角とは見当違いの方角を指していたら、というIFに背筋を凍らせながら、表面上は自身満々、意気揚揚と進む。
そして、その背中を見つめながら、小悪魔が。
「お嬢様 かりすまオーラが 駄々漏れDEATH」
と、一句読み上げたのはここに居る皆とパッチェさんとの秘密だ。
閑話休題。
レミリア達が、見当をつけた方角をしばらく進むと、まるで今まで待たせられた怨みをぶつけるかのごとく、激しい弾幕が襲ってきた。
「・・・・ねえレミィ」
弾幕を回避しながら、敵機を落しつつ、自分の親友に問い掛ける。
「何?」
「これ、難易度何?」
「え?、Lunaticだけど?」
「・・・やっぱり」
思わず額に手を当て、ため息をつく。
「せめてHardにしない?」
「えー?なんで?」
「そうしないと作者がクリアできないそうよ」
「しょうがない、感謝しろ、作者」
うるさいやい。
~少女リセット中~
Hardモードになりました。
「パチュリー様?」
「どうしたの?小悪魔」
「敵、いなくなりましたよ?」
「は?」
「あら、本当」
あたりを見回すと、本当に敵が居ない。
周りにはその名残ともいえるPアイテムが、墓標のように浮かんでいるだけだった。
「小悪魔が全部落としてくれたの?よくやったわ」
「へ?え、あのちが・・・」
小悪魔をねぎらいながら点アイテムを集める。
その後姿を見ながら、レミリアはいぶかしむ。
「・・・変ねぇ」
「え?」
「こういう場合って、リーダーみたいな奴が現れるものじゃない?」
「そうでしょうか?失礼ですが、お考え過ぎでは?」
「貴方達はウチのメイドたちしか殆ど目にしないから判らないけど、妖怪や妖精たちなんて殆どは人の言うことを聞かない勝手な奴らばかりよ?」
「はあ」
「そんな奴らが統率の取れた動きをする、つまり、そこから導き出される答えは?」
「・・・少なくとも、そこらの妖精や妖怪よりも強い者がいる・・・」
「そういうこと、まあ、あくまで推測、妄想の域は出ないけど、注意するに越したことはない・・・」
とはいえ、気配も無く、辺りには虫の鳴き声しかしない。
「レミィ?どうしたの」
遠くでパチュリーの声がする。
点アイテムを取りに少々遠くまで行ってしまったようだ。
合流しなければ、そう思い、パチュリーの方を見やる。
「!?」
瞬間、驚愕した。
パチュリーに目掛けて飛んで来る人影。
そう認識した瞬間、自身のもてる最大速度で飛びながらパチュリーに向かって叫ぶ。
「後ろだ!、避けろ、パチェ!」
「え?」
だがパチュリーはその声に反応し避けるどころか振り返ってしまった。
「アイテム欲しさに前に出たのが運のつきだ!くらえ!!」
叫びながらそこに飛び込む人影、そして。
「不意打ち、リグル・キイィィック!!」
見事に直撃した。
「ムキュルゥ!?」
「ぱ、パチェ-!!」
落ちていく、当たり所が悪かったのか、パチュリーは体制を立て直さない。
すぐにパチュリーを追って急降下する。
「間に・・・合えぇぇぇ!」
その想いは届き、何とかパチュリーの下に回りこみ、受け止めることが出来た。
すぐに羽ばたき、体制を整える。
パチュリーには目立った外傷もなく、ただ衝撃で意識が飛んだだけのようだ。
その事に安堵することもつかの間。
「へえ、よく間に合ったね・・・でも、これで終わり」
その声にハッとし、声のする方向を見上げる。
そして。
パチュリーを受け止めながら見た光景は。
全弾自分狙いの弾幕の一斉射撃だった。
「お嬢様!!パチュリー様ぁ!!」
「ざーんねん!!ここでゲームオーバー!!」
早くも勝利したかのように勝ち誇る。
あんな下級相手に油断した自分に恥じる。
いや、違う。
相手は下級だからこそ自分達を仕留められる方法で挑んできた。
恐らくは自分達のほうが格下だと理解しているのだろう。
それでもなお挑んできた。
ならばどうする?
ならば受けて立とう。
下級の相手に上下関係を理解させる。
そのためならばボムの一つや二つ失っても惜しくは無い。
スカーレット・デビルの力、骨の髄まで味合わせる。
紅魔「スカーレットデビル」
宣言した瞬間、立ち上る。
どこまでも赤く、何よりも紅い炎の十字架。
それは、弾幕の壁を容易く食い千切り、天に昇った。
「あれだけの弾幕が!?そんなっ!」
驚愕の声が上がる。
当然だ、自分の名を冠する上級スペル、この程度の弾幕なら、例えこの百倍来ようとも消せるものではない。
驚愕から抜け出せない妖怪を尻目に悠然と同じ高度まで上昇する。
「・・・さて」
ビクリと震える妖怪、ようやく我に返ったようだ。
「私の親友を足蹴にしてくれたんだ、それ相応の覚悟はしているな?このムシケラ?」
最大限の殺気の篭った脅しをかける。
「ひっ!」
さらに縮こまる。
そうして、レミリアがどう料理しようか、と考えていると。
「・・・レミィ?」
「ん?・・・ああ、パチェ、起きたのか?」
パチュリーが目を覚ました。
そして、何を思ったのか、辺りを見回す。
「どうしたの?パチェ?」
そして、涙目で震え上がっている妖怪を見レミリアに問う。
「レミィ」
「何?」
何気なく聞いたその一言、何気なく返したのは間違いだったか、と数秒後に後悔することになる。
「アレが、私を蹴ったの?」
「え?ああ、だから、どう料理しようかと・・・考えて・・・いた・・・けど・・・」
瞬間、発生した怒気は、レミリアの放つ殺気を容易く飲み込んだ。
「むきゅ、むきゅ、むきゅ、むきゅむきゅむきゅむきゅ・・・・・・・・」
「ち、ちょっと、パチェ?」
「むきゅむきゅむきゅむきゅむきゅむきゅむきゅむきゅ・・・・・・・・・」
押されている、夜の王たるレミリア・スカーレットが。
自分の友人の発する変な音に。
ひとしきり笑った(!?)後にパチュリーが妖怪に問い掛ける。
「・・・貴女、名前は?」
そのあまりにも感情の起伏も感じさせないような声は、相手に余計に恐怖心を与えたようで。
「・・・り、リグル・な、ナイトバグです・・・」
と、声まで涙交じりになってしまった。
「そう、いい名前ね・・・墓石にはちゃんと名前を刻んであげるわ」
「ひ、ひええ」
名前を聞いておいて、即死亡フラグにつなげる、これほど残酷な事は無い、と、後にR・Nは語る。
「レミィ?」
「は、はい!?」
「・・・少しここで待ってなさい」
「い、イエス、サー!!」
親友の発する殺意の波動のせいで、さっきまでのカリスマもどこへやら、すっかり、へたレミリアになってしまっていた。
「さ、行くわよ、時間はそんなに取らせないから」
と、昆虫少女捕まって、物陰にまで後僅か。
いやいややだやだ助けてと、願いもむなしく引きずり込まれ。
メガリス!クロムレク!ウォーターエルフ!まだまだこれからフォレストブレイズ!ついでにくらえマーキュリーポイズン!最後は一体何がいい?こいつでとどめだロイヤルフレア!
やめてください残機はゼロです、駆け寄る小悪魔振り払い、まだまだいくぜ、賢者の石だ!・・・・・・・・・・・・。
あまりにも過激な弾幕描写なので、ただいま音声のみでお送りしております。
数分後、妙にスッキリした表情のパチュリーと、それとは対照的に憔悴しきった表情の小悪魔が、物陰から姿を表した。
そして、何事も無かったかのように。
「さて、先を急ぐわよ、レミィ」
と、言ったそうな。
ちなみにこの後数ヶ月に渡り、この光景がレミリア、小悪魔の夢に出てきたそうだが、全くの余談である。
リグルはどうなったかって?聞かない方が身のためだ。
次回予告
数名にトラウマを残し、パチュリーは突き進む。
そこでフライドチキ・・・・・もとい夜雀と出会う。
パチュリー「ちょうどお腹もすいた頃だし・・・・・」
レミリア「本気で食べる気!?」
火符を片手ににじり寄るパチュリーを相手に夜雀の明日はあるのか!?
次回、~永夜抄IF パチュリー・レミリア編~ 第三話 貴女は食べられる鳥類? お楽しみに!
「あなたも鳥目にしてあげる!」
今日のNG
「不意打ち、リグル・キイィィック!!」
見事に直撃した。
「ムキュルゥ!?」
「ぱ、パチェ-!!」
落ちていく、当たり所が悪かったのか、パチュリーは体制を立て直さない。
すぐにパチュリーを追って急降下する。
「間に・・・合えぇぇぇ!」
・・・・・・・・・・・・・
「無理でした」
地面に人の形のクレーターが出来上がりました。
とりあえず完結まで楽しみにさせていただきます。
おぜうさまかわいいよおぜうさま
お嬢様助けてあげてよww