「・・・んぅ~・・・ヒック、あぁ~気持ちいい~~」
相も変わらず、博麗神社で酔っ払っている萃香。
朝っぱらから瓢箪を傾けて、グビグビを酒をあおっている。
「・・・あんたねー、朝からお酒なんか飲まないでよ。境内が酒臭くなるじゃない。」
朝起きてすぐに、プ~ンと漂ってくる酒の匂いですっかり嫌な気分な霊夢。
宴会でもないのに、よくこれだけ酒を飲みつつげられるなぁと感心するのと同時に・・・
「霊夢~、二日酔いしたら迎え酒は基本だよ~ぅ」
「それをするから、また二日酔いになるんじゃない。悪循環ってことに気付きなさい・・・って無理か。あんたじゃ。」
呆れる。
鬼だから、とか。瓢箪から酒が湧いてくるから、お酒代かかんない・・・とか。
そんなことはこの際、どうでもいい。
「ほら。いい加減にしなさい。」
ヒョイ、と萃香から瓢箪を奪いとる。
すっかり悦に入っていた、萃香は反応が遅れて、瓢箪をあっさりと放してしまった。
「え・・・あー!霊夢、瓢箪返してよー!!」
「うっさい。あんたが酒飲むのが我慢ならないのよ。・・・ま、あんたの体が心配だからってのもあるけど」
「お酒~、わたしのお酒返せー!!」
酒が無ければ生きていけないんだよぅ!とか叫びながら、瓢箪を求めて霊夢に詰めよる。
しかし、圧倒的差があった。
それは・・・
「ほーら、取れるものなら取ってみなさいよ」
「わーん、いじわるー」
身長差である。
悲しいかな、萃香はちっちゃいのである。
「むー、こうなれば・・・ミッシングパワー(弱)!」
たかが酒の瓢箪のためにスペルを使ってまで霊夢との身長差を埋める萃香。
そこまでして酒が飲みたいか・・・と霊夢が呆れ果てたその時・・・
萃香の背後にスキマが開いた。
「じゃ、そういうことで。」
「え?」
ぽいっ
「あー!瓢箪がっ!!」
スポッ・・・
(パコーン!・・・きゃぅ!!痛いわね・・・)
絶妙のコントロールで開きかけたスキマに瓢箪を投げ込む霊夢。
それをキャッチすることができずに、開いたスキマを呆然とみることしかできない萃香。
そして・・・
「うー・・・誰よ?こんな瓢箪投げてくるのは・・・」
額を押さえながら、スキマから顔を出す紫。
心なしか、タンコブのミニサイズが出来上がっているようにも見える。
「ゆ、紫ぃ・・・それ、あたしの~」
もう半泣きで瓢箪を求める萃香。
霊夢は、本気を出せば、力づくで奪い取るくらいできるはずでしょうが、とか思ってはいたが。
そして、助けを求めた相手が悪かった。
「ふーん・・・けど、アレなら私に当たった後、どこかへ行ったわよ?」
「えっ!?」
「紫、しばらくそのままでいいわ。酒の抜けたシラフの萃香が拝めるかもしれないし。」
「わーん!」
萃香は絶望した。
3度の食事より好きな酒を、霊夢によって奪われてしまった。
大切なものを失った反動で、泣き出してしまった。
「霊夢~、かわいそうよ。」
「・・・やりすぎだったかしらね。たかが酒で、とも思ったけど。」
「けど、瓢箪の行方が分からないのはホントよ。探すとしても1時間やそこらで見つかる広さじゃないわ。」
はぁ~、とため息をつき
苦肉の策をひねる霊夢。
「しかたない。紫、あんたの能力で『酔いとシラフの境界』をいじって、萃香を常に酔わせて。」
「・・・また変な境界を弄らせるのね。」
「うっさい。私だって、言ってて変だなとは思ってんのよ。」
「自分で蒔いた種でしょうに。」
「そう。スペルカードと夢想封印、どっちがいい?」
いつだったか、魔理沙は人間としては人並み外れた傍若無人っぷりがあると聞いたことがあるが
この霊夢にしても、なかなかのものがある。
結局、選択肢が無いまま、紫にカードを突き付ける。
「わかったわよ~。いつからそんな暴力に訴える子になんか・・・(よよよ」
扇で顔を隠しながら、怪しげな泣き声をあげる紫。
胡散臭さ、絶賛発散中。
「あ、あれ・・・なんか・・・酔いがひど・・・く・・・うぷ」
泣いていた萃香だったが、急に襲ってきた重度の酔いに困惑すると同時に
とてつもない吐き気に襲われた。
「れ、霊夢・・・気持ち・・・悪くな・・・っぷ」
「わー!ゆゆゆ、紫ぃ!!」
「ごめーん、やりすぎちゃった(テヘ☆」
「やりすぎ・・・ってか、わー!!萃香、我慢しなさいよぉ!!!!!」
「も・・・だめ・・・」
<見せられないよ!>
「・・・いいとこにスキマがあった。」
「ひどいわー」
なんとかスキマに<ピー>させた霊夢。
萃香は重度の酔いによって、半分意識が無いようだった。
「・・・境界は戻しておいたけど、酔いはすぐには醒めないわ。」
「仕方ないわねー・・・」
「・・・っく・・・うぇ~~~~」
いかにも気持悪そうに息をつく萃香。
顔色も悪く、あきらかに悪酔いしていた。
「紫、スキマ開いて。」
「え?」
「瓢箪探してくんのよ。・・・私の責任だし、それに萃香泣かせたままじゃ悪いでしょ。」
「そこにあるじゃない」
「えっ!?」
見ると、霊夢の背後には「萃香印」の瓢箪が転がって、お酒をドボドボと吐き出し続けていた。
おかげで畳はビショビショだ。
「ちょ・・・紫! 気づいてたんなら早く言いなさいよね!!」
「違うわよ~」
説明すると、こうだ。
霊夢、瓢箪を投げる
↓
紫に当たる
↓
瓢箪、スキマへ消える
↓
紫、スキマの中の瓢箪の気配を探りつつ霊夢と会話
↓
萃香の境界をいじる。
↓
瓢箪、スキマから自力(?)で脱出
↓
紫、発見
↓
今
らしい。
やはり、鬼の持ち物は不思議な力があるのか・・・?
「うぅ~~~・・・お酒の入った瓢箪~~~・・・・・・全員しゅーごー・・・」
ではなかった。
萃香の能力によって、引き寄せられていただけだったらしい。
それにしても、空間のスキマさえ超えてくる萃香と瓢箪の絆。
紫の眼尻に涙のような液体が。
「すごいわー・・・そこまでして自分の酒が飲みたいのね」
「単なるアル中じゃない」
しかし、紫の能力によって、とんでもなく深く酔っ払った萃香は
二日酔い所か、4日酔いくらいしたあとに、1週間は頭痛に悩まされた。
頭痛が収まる頃には、すっかりお酒が抜けていて・・・
「(ごくっ)・・・ん~~~~、やっぱコレでしょww」
「いっぺん懲りたらどう?」
?
三点リーダの多用は避けるべきとか、「」内文末には句読点を付けてはいけないとか
基本的な作法だけは先に身につけてから来るべきだったのではないかと…^^;
2>「」書きの文章に句読点はNGだったんですか。 すいません…
3>「…」ですね。わかりました。
なんかもう…いろいろとすいません。
これからに期待
内容そのものは特につっかかる部分もなくすんなりと読み進めて良かったです。
次回作に期待しています。頑張って下さい。
13>知識不足だったとは、お恥ずかしい限りです。 がんばります。
その場合かたっぽだけで無く、両方を何らかのスペカにした方がいいかとおもいます