※この話は「風祝と寺子屋」(作品集56)の続きの話となります。
※一応続きの話ですが、「早苗とパチュリーは仲が良い」と言う事を理解していただければ読めなくはないと思います。
※どちらかと言うと「風祝と紅魔館・二日目 ~風祝と図書館~」(作品集51)の続編です。
※かなり二次設定が含まれていますので、そういうのが苦手な方はお戻りください。
紅魔館でアルバイトをしてから大体1ヶ月ほど。
現在季節は冬に入って、そろそろ新しい年になるなー、というくらい。12月中旬?
私は今日も、朝一番から守矢神社で…。
「…ううっ…。…さささ寒いです…、…特に腋が…。」
…朝一番から、守矢神社で自室に引き篭っていた…。
外の世界にいた頃から、守矢神社はそこそこ山奥にあったとは言え、私は寒さに強いわけではありません。
しかも幻想郷は元々山奥なのに、此処はさらにその妖怪の山奥ですから…。
…寒い。半端ないです。布団被ったり、今手に持っているホッカイロとかでは足りた物ではありません。
しかもこのホッカイロ、去年の買い溜めた奴の余りだし…。
…幻想郷に売ってるかどうかは知りませんけど、買いに行きたくはないです…。
「早苗~…、…ご飯はまだぁ~…?」
と、私の部屋の襖を、今にも倒れそうな表情の洩矢様が開ける。
…そう言えば朝ごはん作ってなかったなぁ…。…今日部屋から一歩も出てませんし。
なのになんで私は腋空いた巫女服に着替えちゃったんだろ…。寝巻きの方がまだ良かった気が…。
「…す、すすすすみませんももも洩矢様…。
で、でで出来れば今日は御自分でででで…。」
あまりの寒さに舌が回らない。て言うか洩矢様襖閉めてください。外の空気が入ってきます。ああ寒い!!
て言うか外はもう雪景色ですよ。流石山奥、雪が降るのも早いですね。
「…早苗、それは私が料理下手な事に対する嫌味?」
それは自分で作らないからです。数千年生きてて私より料理スキルが低いとか有り得ませんよ。
そもそもなんで神様が食事なんてするんですか?今更ですけど。
「で、では八坂様にににに…。」
「神奈子が私のために料理作るわけないじゃん!!今だって料理自分用のしか作ってないし!!」
ああ、八坂様は料理中ですか。八坂様は料理そこそこ出来ますからね、特に粥は絶品です。神の粥です。
…そう言えば洩矢様は普通に喋ってるけど、寒くないのかな…。
「わ、わわわ判りましたたたた…。と、ととととりあえずもう少し暖まってから…。」
私はもう一度布団を身体に巻きなおし、とりあえず移動できるだけの体温を溜めようとする…。
…と、その瞬間…。
どんがらがっしゃ~ん!!!!
うっわぁ、なんて微妙な擬音効果だろう…。
…と、そんな事はどうでもいい。今の音は…?
「今のは本殿の方だね…。侵入者かな?」
何故かやたらと落ち着いてる洩矢様。本殿はあなたの本来の寝所でもあるんじゃないんですか?
幻想郷に来てから、と言うか霊夢さん達に敗れて以降は、何故か布団で寝るようになりましたけど。
別に部屋は余ってるからいいですけどね。
「と、とにかく様子を見に行きましょう。洩矢様、八坂様を呼んできてください。」
私は布団を放り投げ、急いで部屋から縁側へと出る。
外の美しい雪景色を堪能したいと思いながらも、今は本殿の様子を確かめる方が先。
八坂様は洩矢様に任せて、私は守矢神社奥の本殿へと走った…。
* * * * * *
「いたたたたっ…。…これは到着するまで気を抜かないほうがいいわね…。」
私が本殿に着くと、そこには崩れた守矢神社の祭壇が…。
そして、その崩れた祭壇に埋もれる、一つの影…。
…姿はよく確認出来ないけれど…。…あれ?この声は何処かで聞き覚えが…。
「此処が守矢神社かしら?座標的には間違ってないはずだけれど…。」
むくりと起き上がる人影。
「…あっ!!」
その姿に、私は思わず声を上げてしまう。
守矢神社に侵入してきた者とは、薄紫色のローブを纏い、同じ色の帽子にリボンをつけた、紫色の長髪を持った少女…。
こんな容貌から既に不健康オーラを醸し出してるような人物は、私は一人しか知らない。
「…あら、早苗、久しぶりね。紅魔館に何度か足は運んでるみたいだけれど、私には逢いに来なかったみたいね。」
いえ、それは私が訪ねても、貴女が実験中で手が離せないと言っていたからです。
私に逢わなかったのはそっちなんですから、私に文句を言わないで欲しいですね。
まあ、貴女らしいといえば貴女らしいですけれど。
「お久しぶりです、パチュリーさん。そちらは相変わらずみたいですね。」
そう、侵入者とは私が紅魔館でアルバイトをした際、2日目の司書に仕事をした時の…。
私と同じ心を持っていた、紅魔館図書館の主、パチュリー=ノーレッジ。
「そっちも変わりないようで安心したわ。それと、此処は守矢神社で間違いないみたいね。」
あっと、久しぶりの再会にちょっと忘れそうだったけれど…。
「えっと、そうですけど…。…パチュリーさん、何でそんな所に…?」
しかも神社の祭壇ぶっ壊して。
ああ、後で修理するのが面倒だなぁ…。…洩矢様にやらせますか。
「ああ、あなたが紅魔館に来た後から研究してたものの実験よ。
以前あなたの所の神様から、神は神社の祭壇から分社へ移動できるって話を聞いたことがあってね…。」
そう言えばパチュリーさんと八坂様は面識があったんでしたっけ。
それでレミリアさんに余計な事を教えたから、咲夜さんが暴走して…。
…うん、これ以上は咲夜さんの名誉のために思い出さないでおこう。
「で、その瞬間移動を私達でも出来ないかと実験してみたわけよ。
神が通れるって事は、分社と祭壇は何らかの形で結びついてるって事だから…。
詳しい理論はつまり、私達妖怪と神との違いをそれぞれxとyとして…。」
「ああすみません、詳しい理論は結構です。どうせ聞いたって判らないと思いますので。
要するに、パチュリーさんは八坂様や洩矢様が使う道を使って此処に来たのですね。」
「そういう事。ただ最後の着地の時にちょっと気を抜いてしまったから、この有様よ。」
成る程、その崩れた祭壇は着地に失敗したためですか。
うん、祭壇を壊すとか大分罰当たりな気がしなくもないですけど、守矢神社は神様が神様だから考えなくていいか…。
「ん、早苗、何かフレンドリーに会話してるけど、その妖怪と知り合いなの?」
「…あれっ?あんたは何時ぞやの…。」
と、今更本殿へやってきた洩矢様と八坂様が、揃ってそんな事を言う。
…わりとのんびりしてましたね。ホントに危ない侵入者だったらどうする気だったんですか…。
「あら、そっちの蛙は初めてね。ちょっとお邪魔してるわ。
それとそちらの神様は久しぶりね。あの時は外の世界の情報を色々とありがとう。」
…流石はパチュリーさん。神様相手にも不遜な態度ですね。
まあ、パチュリーさんが敬語で話してたら不気味なだけですが。
「…八坂様、そう言えばパチュリーさんとは何時知り合ったんですか…?」
そのことを聞いてなかったのを思い出す。
パチュリーさんと八坂様が知り合いだと聞いたのは、アルバイト生活の3日目の話ですし…。
「ああ、人間の里に布教に行ってる時に、菓子屋の前で偶然逢ってね…。
なんか不思議な雰囲気だったから、ちょっと話し掛けてみたんだよ。
私が外の世界から来た神だって教えたら、逆に色々と質問されてねぇ…。」
はぁ、とため息を吐く八坂様。
…ああ、あれか。咲夜さんとレミリアさんに渡したお菓子を買いに行ってる時か。
結局あのお菓子は何に使う心算だったんだろう。自分で食べる心算だったのか、それとも実験に使う予定だったのか…。
…饅頭使った実験って何だ…。
…まあ、今のパチュリーさんなら何だったとしても問題はないと思いますけどね。
「そうでしたか。あ、パチュリーさん。折角来たのですからお茶でも出しますよ。」
今紅魔館の皆さんはどうしてるのかとか、色々聞きたいですし。
「あらそう、じゃあお言葉に甘えさせてもらうわ。私もちょっとあなたに聞きたい事があったから。」
…私に聞きたい事?なんだろう?外の世界での事かな…?
まあいいや、後になれば判るんですし。
「八坂様、パチュリーさんを客間に通しておいて頂けますか?
それと洩矢様、祭壇の修理をお願いします。」
「はいよ。さ、付いておいで。」
「はーい…。…って、えっ…?」
八坂様にパチュリーさんを任せ、私は本殿を後にする。
そう言えば以前パチュリーさんは玉露を飲みたがっていましたっけ…。
玉露の買い置きなんてないだろうなぁ…。…普通のでいいか。パチュリーさんにお茶の拘りがあるとも思えませんし。
まあ、しっかりしたものは淹れないと。今日のパチュリーさんはお客様なんですから。
「…早苗ー…、…何で私が修理するのー…。…お腹すいたよー…。」
* * * * * *
「はいどうぞ、パチュリーさん。」
「…玉露じゃないのね。」
…ああ、パチュリーさんも覚えてたんですか…。
残念ながら玉露の買い置きはなかったです。そもそも抹茶を点てるのは面倒だからやりたくないです…。
「んじゃ私はこれで失礼するよ。折角だから諏訪子の手伝いでもしてくるわ。」
と、今までパチュリーさんと話をしていた八坂様が、ゆっくりと腰を浮かす。
「おや、珍しいですね。八坂様が洩矢様の手伝いをするなんて。」
「祭壇がないと私も困るからね。それに他にやることもないし。」
そう言い残して部屋を出る八坂様。
何時までも立ってるわけにはいかないので、私もパチュリーさんの向かいに腰を下ろす。
因みにコタツ。電気がまだ通ってないので火は点きませんが、無いよりは遥かにマシです。そこそこ暖かいですし。
電気の設置については現在にとりさんと交渉中です。
「パチュリーさん、美鈴さんや咲夜さんはお元気ですか?」
私もお茶を傾ける。まだちょっと熱いけれど、外の寒さで冷えた身体にはちょうどいい。
「そうね、相変わらずよ。美鈴が雪でかまくら作ってたら咲夜にナイフの山に、そんな感じ。
妹様も館の中で暴れまわってるし、レミィはまだ引き篭もってるし…。」
ああ、本当に何も変わってませんね。
レミリアさんはまだ引き篭もってるんですか。咲夜さんに色々されて、精神的大打撃を受けて部屋に篭もってるとは聞きましたけど…。
もうあれから一ヶ月も経ってるのになぁ…。
「そうですか、それは何よりです。」
ナイフの山になってる美鈴さんが心配じゃないとは言わないけれど、私が紅魔館を訪ねるたび見ている光景ではありますし…。
逆にもう、心配するのが失礼なんじゃないかと最近では思っています。
「今回の実験が上手くいったから、今度は咲夜や美鈴も連れてきてみるわ。
尤も、咲夜は人間だからさっきの術が上手くいくかは判らないし、美鈴はそもそも休暇が取れるかどうかも判らないけれど…。」
う~ん…。美鈴さんも大変だなぁ…。まあ、週に2~3回は魔理沙さんの相手をしているみたいですからねぇ…。
私が紅魔館を訪ねてる日には一度も魔理沙さんが来た事はありませんけど…。
「そうですか…。まあ、私は基本何時でも神社にいますから。
機会があったらでいいですよ。私の方から逢いに行くことも出来るんですから。」
それに守矢神社にはまだ電気が通ってませんから。簡単な自家発電(電池による)は出来ますけど…。
うん、これはにとりさんとの交渉を急いだ方がいいかもしれませんね…。
「そう。まあ、年が明けたら流石に少しくらいは休みも取れると思うわ。
美鈴も此処にずっと来たがってるみたいだから、年明けの休みにはちょうどいいわ。」
確かに私の方からは結構訪ねますけど、美鈴さんのほうからこっちに来た事は一度も無いですから。お仕事忙しいらしいので。
それにしても美鈴さん、そんなに私の事を気に掛けていてくださるとは…。
やっぱり持つべきは素晴らしき親友です。
「判りました。ひょっとしたら妖怪の山でも年始の宴会か何かあるかもしれませんが、その日を楽しみにしていますよ。」
射命丸さんとかにとりさんとか、そういうの好きそうだもんなぁ…。
最も、射命丸さんは未だ引き篭もりモードらしいですけど。レミリアさんと一緒で。
「妖怪の山はどうかは知らないけど、とりあえず博麗神社では確実に年始の宴会はあるわね。」
いえ、あそこは年始に限らずしょっちゅう宴会開いてるじゃないですか。
私は守矢神社での仕事が忙しかったり、いちいち下山するのが少し面倒だったりであまり参加はしませんけど。
…参加したら参加したらで、アリスさんには相変わらず冷たい目で見られてますし…。
「そう言えば、霊夢さんのところの宴会でパチュリーさんを見かけた事がないんですけど、パチュリーさんって宴会に参加してるんですか?」
私はふと思った疑問をぶつける。
時々参加する博麗神社の宴会で、思い出してみればパチュリーさんを見かけた記憶が無い…。
咲夜さんとかはちょくちょく見かけたことも有ったんですけど。紅魔館でのアルバイト以前の、まだ咲夜さんの事を知らなかった時ですが。
今はレミリアさんが引き篭もりだから、自動的に咲夜さんも宴会に出席しないんでしょうね。
「ああ、私は基本的には外出しないから、滅多な事じゃ参加しないわ。見てなくて当然だから安心しなさい。」
…パチュリーさんはレミリアさん以上の引き篭もりでした。合掌。
「まあ、幾ら引き篭もってるとは言え、レミィが年始の宴会に参加しないはずはないと思うし…。
…私も、実験がちょうど良く終わったら参加してみようかしら…。」
…と、頬を軽く掻きながら、恥ずかしそうに小さくそう言うパチュリーさん。
これも、きっと今までのパチュリーさんから比べれば、大きな変化なんだろうなぁ…。
咲夜さんや小悪魔さんが聞いたら驚いてひっくり返るかもしれませんね。
「そうですよ、宴会に参加すると言うのも、輪を広げる手段の一つです。
パチュリーさんも、もっともっと人との繋がりを広げてみてもいいと思いますよ。」
パチュリーさんは孤独を何よりも恐れている。それを私はよく知っている。
だけど、今のパチュリーさんなら、もうその恐れはないはずだ。
紅魔館からだいぶ離れた守矢神社に一人で来たと言うのが、何よりの証拠。
だったら、これを期にパチュリーさんも引き篭もってないで、もっともっと外に出て行けばいいと、私は素直にそう思う。
人との繋がりを持つことは、生きる者全てにとって、とても重要なことだから。
「…そうね、考えておくわ…。」
…全く、口の端を緩めてるくせに、言う事だけは素直じゃないんですから…。
まあ、それがパチュリーさんなんでしょうけどね。そうでないと寧ろ違和感感じますし。
パチュリーさんらしいその態度に、私は少しだけ、くすっと笑みを零した…。
* * * * * *
「…そう言えばパチュリーさん、私に聞きたいことって何なんですか?」
他愛も無い世間話をした後、私はふとその事を思い出す。
パチュリーさんが神社に来た時に言っていた、「あなたに聞きたいことがあったから」と言うセリフ。
…何となく、明るい話題ではなさそうな雰囲気でしたけど…。
「…ああ、その事ね。忘れるところだったわ。」
…途端に、パチュリーさんの表情が真剣な物に変わる。
やっぱり、明るい話題ではないみたいだなぁ…。
「早苗、あなたが図書館でバイトをしている時、あなたは私の中の心の闇を探り当てたわよね…。」
…何だかやけに遠まわしに言っていますが、言わんとする事は判ります。
パチュリーさんが持っていた、心の底の闇…。…孤独を恐れる心…。
「あなたのおかげで、私はようやくその闇から開放されたわ。まずはそのお礼が言いたいって事。あの時はろくにお礼も返せなかったから…。」
表情がそのままだから本当に感謝しているのかが良く判りませんけど、まあパチュリーさんですし。
表情には表れないけれど、その心が本心であることを私は信じています。
「いえいえ、そんなたいそうな事ではありませんよ。
私はただ思った事を口にしただけです。闇を打ち払ったのは、私ではなくあなた自身ですから。」
そう、私はただパチュリーさんに質問をしただけ。どうしてフランドールの相手を私にさせなかったのか、と言う事を。
私はただその闇を言い当てただけ。その後闇を打ち払ったのは他の誰でもありません。パチュリーさん自身です。
「それでも、あなたがあの事を言わなければ、私はただ孤独に震えるだけの存在になっていたわ。
…何時どんな事があって、レミィや小悪魔、妹様に咲夜に美鈴もいなくなってしまうかも判らないから…。」
…極端ですねぇ。今の幻想郷を見る限りは、そんな大それた異変が起きそうにも思えませんが…。
まあ、パチュリーさんは知識を求める魔女。ありとあらゆる事態を想像してしまうのかもしれませんが。
「話が逸れたわね。あなたは私の闇を言い当てた。本当に小さなヒントから。
そして、あなたはこう言っていたわね。「嘗ては自分も一緒だったから」と…。」
…ああ、そう言えば言いましたね。私は無言で首肯する。
「…つい気になってしまったのよ。あなたには、いったいどんな事があったのかと…。
勿論話したくなければ構わないわ。だけど聞くだけ聞いておく。
…あなたには、昔
だけど、それを救ってくれたのが、あの二柱の神…。
だからあなたは、今でもあの二人に付き従っている。だから、あなたは外の世界を捨てて、幻想郷にまでやってきた。
…あなたのセリフじゃないけれど、私のこの推理はあっているかしら?」
とても静かで、とても鋭いパチュリーさんの言葉が、私の心に染み渡る。
…素直に思う。パチュリーさんは、やっぱり天才だ…。
「…素晴らしい名推理ですよ、パチュリーさん。完全にピッタリです。
どうして其処までの推理が出来たのか、聞かせてもらってもよろしいでしょうか?」
パチュリーさんの推理は、完全に私の過去を言い当てている。
私が八坂様と洩矢様の下にいる理由。私が外の世界を捨ててまで幻想郷に来た理由。
…その根源になる、私の過去のことまで…。
「半分は想像の域を出なかったんだけどね。如何せん、ヒントが少なすぎたから…。
美鈴からあなたの事は詳しく聞かせてもらったけれど、あなたはどちらかと言うと、人間より妖怪に対して積極的に関わっている。
紅魔館には咲夜という前例が既にいるからね。あなたが妖怪の山に住んでいると言うことを考えても、妖怪との繋がりは、それこそ霊夢並よ。」
…其処まで凄くなってたんですか、私と妖怪との関わりって。
まあ、確かに人間での顔見知り以上なのは霊夢さん、魔理沙さん、咲夜さん、妹紅さんの四人。
方や人間以外サイドは八坂様、洩矢様を抜いて考えても、射命丸さんに椛さんににとりさんに、アリスさん。
霖之助さん、美鈴さん、パチュリーさん、小悪魔さんにレミリアさんにフランドールに慧音さんに…。
…考え始めるとキリが無いのでこの辺で止めておこう。
確かにまあ、人間以外サイドのほうが圧倒的に多い。ただ…。
「…それは妖怪が多いと言うより、人間側が少なすぎるんじゃないのですか…?」
私のその問いかけに対し、パチュリーさんはゆっくりと首を横に振る。
「いいえ、確かに人間は少ないけれど、寧ろそれが問題なのよ。
私が人間の里であの神(神奈子)に出会ったと言う事は、つまりあなたは里に布教活動に出ていなかった事になる。
いい意味でも悪い意味でも、あなたはあの神に特別な意識を持っている。
そんなあなたが、人間の里で神と別々に行動するのは、考えにくいわ。」
…確かに、そうかもしれませんね。
尤も、パチュリーさんが八坂様と出会った時は、恐らく八坂様が長期に渡って一人で布教活動をしていた時、即ち私が紅魔館に行く少し前なんだろうけど。
まあ、此処は素直に認めよう。
私は人間の里には滅多に行かない。それこそ、慧音さんにお店の場所とかを教えてもらわなくてはならなかったほどに。
慧音さんの寺子屋で授業をやってからは、買い込みと寺子達と遊ぶ目的で、何度か足は運んでいますけど…。
…幻想郷に住む人間としては、やっぱり人間と関わっていないほうなんだろうな…。
「それで、あなたが妖怪と積極的に関わっているというより、人間との関わりを避けているんじゃないか、と思ったわけ。
極めつけは、あなたの例の言葉よ。「嘗ては自分も同じだった」と言うね…。
外の世界には妖怪は殆ど存在しないから、あなたが孤独になるには、人間を避ける以外の理由は考えられない。
それと同時に、あなたの過去に何があったのかも…。
…人間は集団で生きる者。その本能と呼べる部分さえ覆してしまうような出来事もあった、と言うことまで、私は考えた…。」
そこまで言って、パチュリーさんは言葉を区切った。
…決定。パチュリーさんには見抜かれているみたいだ。ほぼ完全に。
「だけど、その内容までは流石に推理できなかった。
だからあなたに聞くわ。あなたには、いったいどんな過去があったのかと…。
…勿論、言いたくなければ構わないわ。ただの戯言として聞き流して。」
大事な事なので二回言いました、ってトコですかね…。
どうもパチュリーさんにとっては、想像している私の過去と言うのは明るい話ではないみたいだ。
…まあ、確かに実際明るい話ではない。
奇跡を起こす風祝。その身でありながら、人との関わりを持ちたかった私…。
しかし、人間は自分達と違う特別な人間を恐れる。私も、当然だがその畏怖の対象となる。
それなのに、その時幼かった私は、孤独を恐れ、人と関わろうと、繋がりを持とうとし続けた。
…それが、逆に自分を孤独に追いやることになるなんて、微塵も気付かずに…。
「…くす、あはははははは。」
突然、パチュリーさんがぽかんとする。
私が急に笑ったのが、理解できなかったのだろうか。
…確かに、私が一人になってしまった時、他の人に避けられていた時の事は、辛い事だったと思う。
何度自暴自棄になりかけたなんて、数えるのも馬鹿馬鹿しいくらいに。
だけど、そんなのはもうただの昔話なんだ。
「ああ、ごめんなさい。パチュリーさんが真剣に質問してくるから、ちょっと可笑しくなっちゃって…。」
私にとっては、もうどうでもいい話。と言うより、気にするべきでもない話。
そんな神妙になる必要はありませんよ、パチュリーさん。
「聞きたいのであれば幾らでもお話しますよ。
寧ろ、パチュリーさんには聞いて欲しいくらいです。同じ心をもっていた、あなたには。
…尤も、面白い話ではありませんけどね。」
とりあえず、私の過去は少なくとも面白い話ではない。
簡単に言うなら、幼かった私がこの奇跡の力のせいで人に忌み嫌われ、一人自暴自棄になりかけた話。l
…そんな私を救ってくれた、二柱の神様との出会いの話だから…。
「…面白くない話には慣れているわ。図書館の本はみんな楽しい話ではないから。
あなたが私に話したいと言うのならば、私はそれを喜んで聞かせてもらうわ。」
図書館の本はそんなに面白くないんですか。まあ、私には読む事すら出来ませんでしたが。
…まあいいや。パチュリーさんには話しておこう。
もっと、パチュリーさんとの繋がりを深めるためにも…。
…私はもう、どんな繋がりも断ち切りたくはないから…。
* * * * * *
「…もう10年以上前の話ですね。
私はその時からこの奇跡の力を使いこなし、守矢神社のみんなが、私を新たな風祝だと言って、褒めていてくれました…。」
お茶を傾けつつ、私は静かに語り始める。
幼少の頃から、本来口伝で伝えられるべき秘術を使いこなしていた私。
守矢神社の全ての人が、私の力を認めてくれたし、私はそうしてくれるのが嬉しかった。
「ただ、今思うとそれがいけなかったのかもしれません。
守矢神社のみんなが、私の力を認めてくれた。
だけど、それは同時に私の中に、他の全員が私の能力の事を知っている、と言う、不確かな決まりを作ってしまった…。」
…そう、幼かった私にとって、その時はまだ守矢神社が世界の全てだった。
私の中では、世界のみんなが私の能力を知っている。みんなが私の事を認めてくれる。
その間違った常識が、その時の私には定着してしまっていた…。
「私が他の人との違いを感じ始めたのは、私が守矢神社の外の世界を見るようになってからです。
外の世界では一定の年齢になると、同年代の子供達と交流したり、一緒に勉強したりするようになるんです。」
勿論それは学校とかそういう場所のこと。
義務教育と言うものが存在する以上、幾ら風祝だからって、当然学校にも行く。
…ただ、本来なら新たな世界を見れるようになるその事も、私にとっては、孤独への第一歩でしかなかった…。
「最初は、何の問題も無かったんですよ。私は普通に人として、他のみんなと一緒に過ごしていました。
…だけど、他の人たちとの繋がりを深めていくうちに、私は一つの疑問を抱きました。
「みんなは、私と同じように術を使うことは出来るのかな?」と…。」
そう、それが幼かった私の最大の過ちだった…。
それまで守矢神社が世界の全てだった私にとって、この秘術は特別な物ではなかった。
勿論、誰もが秘術を使えるわけではないとは判っていただろうけど…。
…それでも、何人かは…。…そう思ってしまった事が、孤独への引き金になるなんて…当時の私は、思いもしなかった。
「…パチュリーさんなら判りますよね。
自分と違う、特別な能力をもつ者を、人間はまずどんな目で見るか…。」
黙って私の話を聞いてくれていたパチュリーさんに、私はそんな謎掛けをしてみる。
ただ、流石はパチュリーさん。5秒と掛からずに、その口を静かに開いた。
「…憧れの対象と見る人間もいるでしょうね。ただ、それは本当に一握りの人間。
たいていの人間は、自分と違う存在を恐れ、妬み、畏怖の対象とする…。
それは人間に限った話ではないわ。意思を持つ生物である以上は、妖怪だって自分とまるで別の能力を持つほかの妖怪を恐れることもある。
尤も、固有の能力を持つ者が多い妖怪なら、そう大きな問題になる事はないと思うけれど…。」
パチュリーさんの回答はそこで終わる。
後の事は言わなくても判るだろう、という事ですか…。
そう、普通の人間は特別な能力を持たない。私のように、昔から秘術を操るような血筋の者か、あるいは天性的に能力を持つ者か…。
…とにかく、特別な能力をもつ人間は、最初から私一人だけだった
なのに私は、その事を理解できずに、ふとした事から人前でも力を使ってしまう。
…たとえそれがどんな小さな“奇跡”でも、子供の純粋な心や、幼き子を危険から遠ざけたいと思う親達には…。
「…ええ、その通りです。それは、生きる者全てが思うこと…。
周りの人たちから見て、私の能力は畏怖の対象でしかなかった。
勿論、誰もがそうしていた訳じゃありません。その能力を知った上で、それでも私を友達だと言ってくれる子もいました。
…ですが…。」
「人間は集団で生きる者。そんな関係が、長続きするはずも無いわね。」
私が言葉を一瞬区切ったところに、パチュリーさんが鋭い声でそう言ってくる。
…本当に、この人は何でもお見通しですね。
「…はい。流石です。そんな能力を使えたのは、私ただ一人…。
そんな中で、私の能力を認めてもらおうと言う事は、正直無理な話だったんですよ。」
私の事を友達だと言ってくれた子も、周りの目を気にして、私を避けるようになる。
それは仕方がない事。人間がそういう生き物でないというのであれば、じゃあどういう生き物なのかと寧ろ教えて欲しい。
別にそれが悪い事だとは思っていない。
今だから判る。みんなと一緒にいられる事は凄く素敵な事だと思うし、私の心も満たしてくれる。
…だけど、当時の私は…。
…私から離れていくみんなに、もう一度声を掛ける事が出来なかった。
「みんなと私は違う」、そう思ってしまった事で、私はみんなから、無意識の内に遠ざかっていた…。
「…それからですね。私が人と関わるのを避けるようになったのは…。
どんなに仲良くしていたって、結局みんな私から離れていってしまう。
…どうせ見捨てられてしまうなら、最初から誰とも関わらなければ良いと…。」
それもまた、私の過ちの一つ。
あの時もっと前を向いて生きていれば、私は人間を避けることはなかったかもしれない。
どんなに見捨てられても挫けずに、立って前に進み続けていれば…。
…私は、一人孤独になる事はなかったのかも…。
…尤も、今言ってもしょうがない事ですが…。
「何度も思いましたね。「私は本当に人間なの?」と。この能力を持つ私は、本当にみんなと同じ人間なのかと。
…ですが、私が一人になってしまったのは、他の誰のせいでもありません。
私の心が弱かったから。誰にも相談せず、誰とも打ち解けないと塞ぎ込んでしまったからです。
…それが自分のせいだと、その時の私は気付けなかったんでしょうね…。」
私は、そうしてずっと一人で泣いていた時の事を思い出す。
一人になってしまったのが悲しくて、悔しくて、惨めで…。
本当に自分はみんなと一緒なのか、そればかり考えていた私…。
…自分の事さえ信じられなくなった私は、さらに深い闇へと追い込まれていた…。
「…そして、そうして闇に落とされたあなたを拾い上げてくれたのが…。」
パチュリーさんはそれだけ言って、言葉を区切る。
そこは私に言わせたいのだろうか、それともその続きにいまいち自信がもてないのか…。
…パチュリーさんに限って、判らないなんて事はないか。ありがとうございます、パチュリーさん。
「…はい、八坂様と洩矢様です。
そうして一人になってしまった私の前に、始めて八坂様達が姿を見せてくれた時が…。」
私は天井を見上げてみる。
…別に何かあるわけではない。ただ何となく、上を見上げてみただけ。
電気がまだ無い守矢神社では、その機能を果たしたことが無い電灯が、ただあるだけだったけれど…。
…ああ、あの方達に初めて出会った私も、こうして空を見上げていたっけ…。
どうして神様は、こんな仕打ちを私に与えるのか…
…そう思って、私は神を憎んだ…。
「…あなたは、最初からあの二人を知っていたわけではないの?」
と、パチュリーさんはそんな疑問を私にぶつける。
…まあ、そう思うのも無理はないかもしれない。
今の八坂様たちを見れば、最初から姿を現すことが出来たと思うのが普通だ。
…だけど、それは神を信仰する事が出来る幻想郷ならでわの事。
信仰心が薄れてしまった外の世界では、私に力があったところで、八坂様たちの方に力がなかった…。
「…ええ、最初からではありません。
確かに私は、歴代の風祝でも特別力が強かったみたいですが…。
…神様は、元々姿が見えない存在。神が姿を現したいと思う事で、その姿を具現化することが出来ます。
ですが、信仰心を失った外の世界では、八坂様も洩矢様も、それだけの事をする力すら失われていたんです。」
つまり、私はずっと見えない神を信仰していた。
幼かった私には、神様はいると言われたら、いるんだとしか思えなかった。
私の奇跡の力も、神の存在がある故の事だと教えられていたし、今なら実際にそうだと言う事も判る。
「…私は、神を憎みました。
なんで、神は私にこんな辛い思いをさせるのか。
なんで、神は私を助けてくれないのか。
…そもそも、本当に神様なんて者が、存在するのかと…。」
もう一度天井を見上げて、私は静かに語る。
私が神を本気で憎んだ時の事を。
私が自分の力を憎んだ時の事を。
私が人間でありたいと、強く願った時の事を。
…そして、私が初めて、八坂様と洩矢様に出会った時の事を…。
* * * * * *
「…何で…何でなの…。
何でこんなに嫌な思いをしなくちゃいけないの…。」
その日、守矢神社の裏手の森で、私は一人で泣いていた。
私には泣く事しか出来なかった。だって、誰も私を助けてくれなかったから。
私は風祝…。…なのに、何で神様は私を助けてくれないの…?
私は神様を信じてるのに…。…なのに、何で…?
「…何でなの、神様…。」
空を見上げて、神様に語りかけてみる。
しかし、何も言葉は返ってこない。
何で神様は私を助けてくれないの?私の神様を信じる心が足りないから?
…そもそも、神様なんて本当にいるの…?
「…あ、あはははは…。あははははははっ!!!!」
…そう思ったとき、私は何故か笑みを零した。
ああ、そうか、そういう事か…。
神様なんていないんだ。いないものが助けてくれるはずもない。
私は今まで何て馬鹿なことをしてたんだろう。
存在しない物を信じて、存在しない物にすがって…。
みんな言ってたじゃない。神様なんていやしないんだって。
神様を信じてたのは、守矢神社の人たちだけじゃないか。他の人たちは、みんな信じてなかったのに。
そして、つまり、私はやっぱり人間じゃないんだな。
だって、人間だったらこんな秘術なんて使えるはずがない。
こんな秘術を使える人間、私以外の人達の誰にいただろうか?
答えは、いない。私だけが、人間が使うことが出来ない秘術を使える。
だったら、それを使える私は人間なのか?そんなの簡単だ。
私は人間じゃないんだ…。
そう思うと、無性に今までの自分が馬鹿らしく思えて…。
「…あはは…はは…。…うっ…ううぅ…ッ!!」
…無性に、悲しかった…。
「…ううッ…うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」
私は結局、人間じゃなかったんだ。
人間じゃない存在を、みんなが人間だと認めてくれるはずが無い。
「神様なんていない!!神様なんていなかったのに!!
私は人間じゃないんだ!!私はみんなと違うんだ!!」
みんなと違う…。…それはずっとそう思ってたことだったのに…。
…なんで、みんなと違う事が、こんなにも悲しいのか…。
私は、人間でいたかった。みんなに人間と認めて欲しかった。
…だけど、この秘術を持っている私は…。
「…だったら…。」
…私は、自分の右腕を左手で精一杯殴りつけた…。
「だったら!!こんな秘術なんていらなかったのに!!
私は人間でいたかったのに!!みんなと一緒にいたかっただけなのに!!
こんな…こんなののせいで!!こんな術のせいで!!私は!!!!」
幼い頃は、秘術を使える事が嬉しかったのに…。
…その時の私は、ただただ自分の能力を憎み、秘術を使うたびに翳していた右手を殴り続けた。
そんな事をしても、また人間に戻れるわけじゃない。だって、私は人間じゃないんだから…。
「私は…私はぁ…!!うわあああぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」
殴られる右手と、殴る左手が痛かった。
だけどそれ以上に、私の心が痛かった。
私は神に裏切られて、自分にも裏切られて…。
そう思ってしまった私に、泣き叫び自分を傷つける事以外が出来ただろうか…?
だけど、私はそのとき一瞬だけ願った。
神なんていない、そう思った直後だったのに、私は神に願った。
それは、思えば私が初めて、神に本当に願った、最初で最後の本気の願いだったのかもしれない…。
― …神様、私を人間にして…。 ―
…その願いが、私と“あの方達”の架け橋だった…。
「…ごめんね、早苗…。…私たちに、あなたを助けるだけの力がなくて…。」
耳から聞こえたのではなく、まるで頭の中に直接響いてきたような、そんな声が…。
私は泣き顔のまま、ほとんど無意識に顔をあげる。
そして、涙で滲んだ視界の中に…。
…朧気に映る、
「…早苗…あなたに私の声はまだ届かないと思うけど…。
…ごめんね。あなたの事は、神奈子よりも先に私が助けなきゃいけないのに…。」
「…仕方がないさ。今の私たちに力が無いのは本当の事。
どんなに早苗が苦しんでいても、今の私達には見守る事しか出来ないんだよ…。」
私の視界が少しだけ晴れて、何か会話をする二つの影が、はっきりと見えてくる。
片方は、赤紫のローブを着て、紫色のなんだかちょっとおかしな髪形をした大人の女性。
片方は、蛙の絵がプリントされた青い服で、蛙みたいな帽子を被った、金髪の…女の子。
全くと言ってもいいほど別々の容姿の二人が、今私の目の前にいる。
さっきまでは誰もいなかったはずなのに、今の私には確かに、二人の存在をこの眼で見ることが出来た…。
「…お姉さんたち、誰…?私の事、知ってるの…?」
私はその二人に問いかける。
むこうは私の事を知っているみたいだけれど、私は二人の事を初めて見たから…。
すると、二人は私の言葉に、ハッと眼を見開いて…。
「…早苗、私たちが見えるのかい…?」
紫色の髪の女性が、私にそう問いかける。二人とも、何かに驚いているようだけれど…。
見えるって…当たり前じゃない。私は別に盲目なわけじゃないんだから。
特別な人にしか見えないなんて、そんな神様みたいな…。
「…ぷぷっ…!!あっはっはっはははははは!!!!」
と、急に蛙帽子の女の子がお腹を抱えて笑い出す。
「あははははははっ!!!!か、神奈子がお姉さんだって!!あはははははっ!!!!
そんなオバサンにお姉さんだなんてっ!!!!ああもう最高だよ早苗!!!!あっはっはっはっはっは!!!!」
…女の子のそんな姿を見て、私の涙が完全に止まってしまう。
「くぉら諏訪子ぉ!!!!誰がオバサンだ誰がぁ!!!!
あんたも年齢的には大して変わらないでしょうがこの数千年ロリが!!!!」
「いやいや神奈子、だからってオバサンの姿じゃそりゃ信仰得られないよねー。
私みたいに何時までも若くて綺麗な方が良いに決まってるよねー。」
「んなっ…!!どうせ誰も私たちの姿は見えないんだからどうでもいいでしょ!!!!
第一あんたのは若いとは言わないわ!!若いというより幼稚なんだよゼロ歳児!!!!」
「なにをーっ!!幾ら年寄りだからって姿まで年増を保ってる奴に言われたくないモンねっ!!!!
どんな人だってババアを信仰するよりは私を信じた方がいいに決まってるじゃん!!!!」
「頭の中まで幼稚な奴がよく言うわね!!!!こっちは外見と精神年齢が釣りあってるからいいのよ!!
…あー、ごめんねー。そう言えばあんたも釣りあってるわねー。何時までも精神年齢はお子ちゃまだものねー。」
「お子…ッ!!ああもう怒った!!久々にやる!?今此処で諏訪大戦おっ始めてもこっちは良いんだよ!?」
「あらあら、私に負けて神社を明け渡した奴が威勢が良いねぇ。またやられないと気がすまないのかしら?」
「ええいうっさいわぁ!!今度こそ私の真の力を見せてやるぅ!!!!」
…えっと、なんなんだろうこの状況は…。
急に目の前にどうも噛み合わない女性二人が現れたかと思ったら、いきなり喧嘩を始めて…。
しかも言ってる事がだいぶ意味不明で…。
…そして…。
「…くすっ…。…あははははは…!!」
…とても、面白かった…。
突然笑い始めた私に驚いたのか、二人が一斉に私のほうを見て…。
…二人とも、同時に顔を真っ赤に染めた。
「あ…っ!!さ、早苗違うのよこれは!子供は構ってあげないと死んじゃうからつい…!」
「なにさーっ!!マジで私に突っかかってきたくせにーっ!全く大人気ないったらありゃしない!」
二人とも慌てて弁解するのだから面白い。
ああ、何時以来だろう。こんなに笑ったのは。
周りに誰もいなくなってしまってから、私は一度だってこうして笑えた事があったかな…。
「あははは…、…お二人とも、仲がいいんですね。」
私の、二人を見た率直な感想がそれだった。
だけど二人は、いきなり眼の端を吊り上げて…。
「「だ、誰がこんな奴とッ!!!!」」
見事にピッタリのタイミングで、全く同じ風に怒鳴り二人。
これが仲良く見えなくて、一体何が仲良く見えるというのだろう。
「…あはは、ごめんなさい。」
だけど、形の上では謝っておく。尤も、全然悪い事言ったとなんて思っていなかったけれど。
…あれ、なんだろう。何でこんなに心が落ち着いてるんだろう。
さっきまであんなに辛くて、悲しくて、惨めな思いをしていたのに…。
「…早苗、本当に私たちの事が見えるんだね?」
今度は蛙帽子の女の子の方が、私にそう訊ねてくる。
質問の意図が全く読めない。見えるって、当たり前じゃない…。
「うん、見える…。…って、何でそんな事を聞くの?」
私がそう答えると、紫髪の女性の顔が少しだけ歪む。
「…ふふっ、やっぱり自分より年下に見られてるわね、諏訪子。」
…ああ、そうだった。確かさっき2人はお互いに「神奈子」「諏訪子」と呼び合っていた。
紫髪のほうが神奈子さん、蛙帽子の女の子は諏訪子という名前なのか…。
…あれ?「諏訪」子…?それって、ここら辺の地名…?
「んなっ…!!…さ、早苗?私はこう見えてもあなたよりもずっと年上なんだからね?」
…えっ?そうなの?
どう見ても私より年下か、最低限私と同年代にしか…。
「…でも、私たちが見えるんだね。私たちの声が届くんだね。
これでやっと言ってあげられる。ずっとあなたの事を見てきて、ずっと言ってあげたかった事を…。」
…何となく、諏訪子さんのその時の声が、とても偉大な何かの…。
…そう、それこそ神のような、あるいは母のような、何者をも包んでくれる暖かさを含んでいた気がする…。
「…早苗、あなたは人間だよ。例え誰が認めなくても、私たちが、神がそれを認める。」
…私にそう言ってきたのは、神奈子さんのほう。
その声もまた、私を優しく包んでくれるような心地よさを持っていた…。
「早苗は他の人間と何も変わらないよ。だから、もっと前を向いて生きよ?私たちと一緒に。」
…それは、本当の神の言葉…。
私を人間だと認めてくれた、そして私を絶望の淵から救い出してくれた…。
…その言葉で、私はこの二人…いや、この二柱が何者なのかを理解する。
「あなた達は…。…まさか…。」
言葉が続かなくなってしまう。
だって、2人は私よりも崇高な存在だから。
昔から人間がその存在を信じていた。だけど、今では廃れてしまって…。
…それでも、ずっと私たちを見守っていてくれた、尊い存在…。
「…ああ、そう言えば自己紹介が遅れたね。私は八坂神奈子。」
守矢神社に住む、八坂刀女神…。
「私は洩矢諏訪子。うふふっ、やってる事は…。」
かつて諏訪地方を統べていた土着神…。
「「私たちは神様だよ。」」
* * * * * *
「…そうして、私は八坂様と洩矢様に従う事を、真に風祝になる事を決めたんです。
私を孤独の内から救ってくれた、二柱の神様に、一生この身を捧げよう、と…。」
全てを話し終えて、私は残っていた御茶を一気に飲み干す。
「…いい話ね。あなたがどうしてあの2人をあれだけ熱心に信仰しているか、判った気がするわ。」
それは何よりです。
…八坂様と洩矢様が、私を人間だと認めてくれた事…。
神様は、私の願いを叶えてくれた。2人が私を人間だと言ってくれた事で、私はもう一度人間に戻る事が出来た。
「…それからは洩矢様が言ったように、私は前を向いてい来るようにしました。
私の能力を見て、化け物だとか言ってくる子もいましたが、そういう子たちにも、私は正面からぶつかりました。」
それまでの私には、誰かと正面からぶつかり合うなんて事は無かった。
だけど、八坂様と洩矢様は、私にみんなと正面からぶつかる勇気もくれた。
「私を化け物だと言いたいならそれでもいい。だけど、私はこの自分の力に誇りを持ち続ける。
私を救ってくれた神様のために、この力を使い続ける」と…。
「…そうしたら「早苗ちゃんカッコいい!!」とか言う子も出てきまして…。
何か間違った関係だった気もしなくもないですが、次第に私も、みんなの中へと戻っていけました。
自分の力に自信を持てたから。自分の事を信じられるようになったから、私は孤独の悲しみを消し去る事が出来たんです。」
…と、パチュリーさんは何故かくっくと喉を鳴らして笑う。おかしな事でも言ったかな…?
「…いいえ、間違ってないわ。早苗、あなたはカッコいいわよ。」
パチュリーさんのパチュリーさんらしからぬ言葉に、私は固まってしまう。
「私がそうやって前を向き続ける事が出来るようになったのは、つい最近の事。
私が100年近い年月を掛けてようやく出来るようになった事を、あなたはほんの少しの時間でやってのけた。
…カッコいいわ、早苗。本当に、羨ましいくらいに。」
パチュリーさんは静かに私を見る。
…なんか、とてもくすぐったい。まさかパチュリーさんがこんな事を言うなんて…。
でも、悪い気はしない。パチュリーさんもまた、私の事を認めてくれている気がして…。
「…そうですか。ありがとうございます。
だけど、パチュリーさんがそんな事言うのも、ちょっと意外でしたね。」
素直にそんな感想を述べてみる。
…すると、パチュリーさんの顔が見る見るうちに赤くなっていって。
「…えっと…。…その…。…へ、変な意味で言った訳じゃ…。」
半分意識しないでいったんでしょうかね。どうも自分のセリフを思い出して恥ずかしいみたいです。
ああでも、可愛いですねパチュリーさん。
「くすっ、でも恋人にするなら美鈴さんのほうがちょっと上かな?」
「…ううっ…。…美鈴に負け…、…って、だ、だから、そ、そんな意味じゃ…。」
「パチュリーさんがもっと、頼れるような力強さを持ってくれれば考えなくもないですけどね。」
「…だ、だから…。」
「うふふっ、頑張ってくださいね~、パチュリーさん。」
「…むきゅ~…。」
ばたりと仰向けに倒れてしまうパチュリーさん。
やっぱり慧音さんと一緒で、こういう事には強くないみたいですね。
…でも、私はパチュリーさんとはそういう関係にはなりたくないな。美鈴さんとも。
勿論女同士、っていう意味もあるけれど。
…だって、パチュリーさんや美鈴さん、咲夜さんとか慧音さんとかもと…。
「…ずっと“友達”でいたいですから…。」
私はそう呟く。
その声がパチュリーさんに届いたかは判らないけれど…。
…私は、ずっとみんなと友達でいたい。
幻想郷に来る事で、私は外の世界の友達との繋がりを手放してしまった。
だから、もう私は失いたくない。ずっと、みんなと友達でいたい。
例え、どんな障害がこの先にあったとしても…。
繋いだ手を、二度と手放さないために…。
* * * * * *
「八坂様、お話ってなんですか?」
それは幻想郷に来る前夜、外の世界での話…。
私は急に八坂様に呼び出されて、夜の守矢神社で、八坂様と2人で話しをする事になった。
「…早苗、今から言う事を、真剣な気持ちで聞いて欲しい。」
…八坂様は洩矢様に比べれば真面目な方だけれど、それでも此処まで真剣な表情をすることは滅多にない。
今から八坂様が話すことは、相当重要な事なんだと…。…私は、認識せざるを得なかった。
「…はい、かしこまりました。」
八坂様の前に正座し、私は真剣にその話を聞く準備をする。
…一体、八坂様は何の話しをする気なのか…。
「…早苗、私たちは、この地を離れる事に決めた。」
…一瞬、言葉の意味を飲み込む事が出来なかった。
この地を、離れる…?…それって、一体どういうこと…?
「この国には「幻想郷」と呼ばれる地が存在するらしい。
そこは私たちの世界とは隔離された、この世界で幻想となった、即ち廃れた物が集まる場所なんだそうだ。」
私の混乱を他所に、八坂様は話を進めていく。
まるで夢物語のようだけれど、目の前に神様がいるのに、今更夢物語だとかは言わない。
八坂様があるというのであれば、それは本当に存在するのだろう。
「…外の世界では、私たちを…神を信仰する者は少なくなった。
だけど、それはつまり、その幻想郷という場所では信仰心が逆に溢れていると言う事。
…今の私達には、その信仰心が必要なの。信仰心が失われると言う事は、それは私達の死に等しいから…。」
…少しずつ、八坂様が言いたいことが判って来る。
八坂様はこの地を離れてでも、信仰心が集まる場所に行くべきなのだと考えている。
神様とて、自分が死ぬのは嫌だろう。神様が死んだらどうなるかなんて、想像も出来ないし…。
…だけど、八坂様がこの地を離れると言う事は…。
…私は、どうすれば…。
「…八坂様、何時この地を発たれるのですか?」
とにかく、それを知らなくてはいけない。
幾らなんでも、そんなすぐに此処を離れると言う事はないはず。
出来るだけはっきりした時間を聞いて、それまでに私の考えを纏めないと…。
「…明日だ。」
…そんな私の期待は、脆くも崩れ去った…。
「なっ!!!!」
思わず八坂様に掴みかかりそうになるが、何とかその気持ちを抑える。
明日…?…明日には、八坂様はこの地を発つというのですか…?
「…何で、何でもっと早く言ってくださらなかったのですか…!!」
涙が出そうになる。
何でそんな急に…。…それじゃあ、私は八坂様に付いて行く事が…。
「…早苗、もう私達に付いて来なくてもいいんだよ…?」
…その時の八坂様の声は、あの時私を絶望から救ってくれた、暖かさを孕んだ声だった…。
「幻想郷はこの世界から切り離された場所。そこに行けば、この世界に帰って来る事は出来ないかもしれない。
…折角、友達もたくさん出来て、生きる喜びも早苗は知ってくれた。だからもう、あなたに私たちは必要ない。
私たちがこの世界からいなくなれば、あなたのその力もなくなるはず…。
…これからも、一人の人間として、ずっと生きていって頂戴、早苗…。」
八坂様が私の頭をゆっくりと、そして優しくなでる。
…八坂様、洩矢様…。…本当に、いなくなってしまうのですか…?
…嫌だ。そんなの嫌だ…。
でも、八坂様のその言葉を、私は無碍にするわけには…。
「…早苗、お別れだ。諏訪子は本殿にいると思うから、何か言いたいことがあったら…!!」
八坂様がその言葉を言い切る前に、私はその部屋から飛び出した。
…お別れなんて、何でそんな事言うんですか…。
私はもう、あなたの傍にいてはいけないと言うのですか…。
八坂様と洩矢様がいない世界で、これからもずっと生きて行けと言うのですか…。
…私は…。…私は、どうすれば…。
* * * * * *
…翌日、私は学校を休んで、守矢神社の前にずっと立っていた。
八坂様と洩矢様がが幻想郷に旅立つ日。私は、この場にいなくてはいけない。
…最後まで、私は八坂様たちの傍にいなくては…。
「…早苗。」
そうしていると、八坂様の静かな声が聞こえた。
声のした方に目を向ければ、神社の正面口に、八坂様がいつの間にか立っていた。
「今日は学校もあるはずだろうに…。…見送りに来てくれたのかい?」
その問に私は答えず、一歩、また一歩と私は八坂様の下へ徒歩を進める。
…私は、言わなくてはならない。私の意思を。
たった数時間しか考える事は出来なかった。だけど、私はその中で答えを出した。
軽率な考えかもしれないけれど…。…私は、この選択が間違いでない事を信じるしかない…。
私は、真っ直ぐに八坂様の目を見つめ…。
「…八坂様、私もお供します。幻想郷まで。」
…八坂様の目が、大きく見開かれるのが見えた。
「…早苗、気持ちはありがたいけれど…。」
それでも、八坂様は私を連れて行ってはくれなさそうだった。
だけど、私はもう決めた。八坂様と共にあることを。
八坂様と洩矢様に、例え裏次元まででもついて行く事を…。
「八坂様、私は本気です。連れて行ってくださらないのでしたら、無理矢理にでも付いていきます。
私は守矢神社を離れません。私はお2人の傍を離れません。」
八坂様の目を見続け、私は自分の意思をただ述べる。
だが、八坂様も私の目を睨み返して…。
「…東風谷早苗、私に仕えた風祝よ。
私はこう言っている。お前に“付いて来るな”と…。
私は神、お前は人間。妖怪のすむ幻想郷に、お前がいては足手まといだ!」
八坂様は、いつもとは違う口調で私を怒鳴りつける。
…ああ、幻想郷には妖怪も住んでいるのですか。確かに外の世界では幻想のものでしょうしね。
でも、だからどうしたと言うのですか?私には奇跡の力がある。私には八坂様と洩矢様がいる。
「八坂神奈子、私が仕えた神よ。
あなたがそう言うのであれば…、…私は、その言葉に反逆します!!」
…この時、私は初めて八坂様に大声で怒鳴った気がする。
私のその行動に驚いたのか、八坂様は一瞬だけ身を捩じらせた。
「八坂様、かつて、洩矢様が私にこういいました。「一緒に前を向いて生きよう。」と。
私はもう後ろを振り返りません。私は過去と共に、前を見続けて生きていきます。
…私のその目の先には、八坂様と洩矢様の姿が何時でもありました。
あなた様がこの世界からいなくなってしまっては、私は前を見続ける事が出来るか判りません。」
私は自分の意思をただただ述べる。
これで八坂様が納得してくれるかは判らないけれど…。
…納得してくださらないなら、納得してくださるまで私は言い続けます。
「私にとって、あなたと洩矢様は全てです!!この身を賭して仕えるべき存在です!!
例えどんな事があろうと、私はあなた様に付いて行きます。友達を、この世界を捨ててでも!!」
「早苗、いい加減にしなさい!!」
八坂様が声を張り上げる。
…まだ、まだ判って下さらないのですか。
だけど、私だって引き下がらない。引き下がりたくない。
私はもう、下も後ろも横も見ないで、前だけを見続けると決めたのだから。
「…八坂様、これは風祝として言ってるんじゃありません!!」
…八坂様の表情が、一瞬だけ虚を付かれたようにハッとしたのが見えた…。
「私は、東風谷早苗として、一人の人間として、あなたに付いて行くと言っているんです!!!!」
…もし、これで八坂様が納得してくださらないのであれば、私にもう反撃する言葉は残っていない。
後はもう、八坂様と戦いでもして、無理矢理にでも認めさせない限りは…。
「…早苗、後悔はしない…?」
…八坂様の表情が、いつもの優しさを含んだ顔に戻っていく…。
「…正直、判りません。ひょっとしたら、後悔する事もあるかもしれません。
しかし、あなたと洩矢様が傍にいてくださるのであれば…。…私は、ずっと前を見ていられます。」
私は今も昔も、私の先を歩く八坂様と洩矢様を見ていた。
それはこれからも変わらない。私は、八坂様と洩矢様についていく。
お2人が私の前にいてくれる限り、私は後ろを振り返ることは、もう決してない…。
「…本当に、頑固なところは
…えっ?八坂様、今なんと…?よく聞き取れなかった…。
「…東風谷早苗、さっきの命令は取り消すわ。
そして、新たに命令する。…付いて来なさい、私達に。あなたがそう言うのであれば、私は何時までもあなたの傍にいるわ。」
八坂様…!!
「…はい、命令せずとも…、…言われなくとも…!!」
私は八坂様の元へ駆け寄り、その身体を抱きしめる。
嬉しかった。その言葉が。八坂様が、私の気持ちを判ってくれた事が…。
確かに、私はもうこの世界に戻って来れないかもしれない。
友達にだって挨拶一つしていない。これで、永遠の別れになるかもしれないのに…。
…だけど、いいんだ。別れを告げれば、心が変わってしまうかもしれない。
私はもう、前に進むしかないんだ。
八坂様と洩矢様に付いて行く、そう決めたのは、誰でもない。
…東風谷早苗、私自身の意思なのだから…。
…さようなら、私の世界…。
早苗の気持ちは良くわかりますね。
そもそも同じ人間ですら苛めやら何やらで隔離してしまうのが人間の性。
ましてや自分に無い、自分が持たない力を振るうものがいれば……こうなるのも当然か。
なんとも罪深いものですね。
……後早苗の前でいきなり夫婦漫才おっぱじめた神様二柱バンジャーイw
く いりませんね
とりあえずGJでした。ご馳走様でした。
>片方は、蛙の絵がプリントされた青い服で、蛙みたいな帽子を被った、金髪の…女の子。
あのケロケロ衣装は自前だったのか!?てっきり早苗の趣味かと…
>雨四光さん
>私に使えた→私に仕えた、かな?
報告ありがとうございます。
>早苗の前でいきなり夫婦漫才おっぱじめた神様二柱バンジャーイw
神奈子と諏訪子は仲良しです。幻想郷トップクラスの凸凹コンビです。
>11:01:40の名無しさん
>く いりませんね
報告ありがとうございましたー。
>無刃さん
>あのケロケロ衣装は自前だったのか!?てっきり早苗の趣味かと…
諏訪子自身の趣味でないとしたら、あの姿は神奈子がさせてるんじゃないかと思っています。
蛇を模している自分に対して、自分に負けた存在である諏訪子に蛙のアピールをさせているんじゃないかと。
尤もその辺公式設定が無いので良く判りませんが~…。