Coolier - 新生・東方創想話

Alice - Doll's party afternoon

2008/07/05 14:08:52
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この作品は作者の妄想と公式設定を歪んだ解釈で織り交ぜた作品です。

必要以上に性格が悪くなっている魔理沙、強いアリスが見たくない方は戻ってください。

もしかしたら独自設定も入っているかもしれません。

それでも良ければ下へどうぞ

































────── その出来事は、彼女にとっては些細なことで、彼女にとっては大きなことだった。

ただ、それだけのことだった。 ──────






























梅雨も過ぎ、日差しが暑くなってきた頃。

魔法の森も初夏の日差しで暑くなってきていた。

もちろんそこに住む者にはたまったものではない。

魔法の森に住む魔法使いの一人、アリス・マーガトロイドもその暑さにやられていた。

「あっつぅ……」

誰に言うでもなく、自然と言葉が出た。

じめじめと纏わりつくような暑さの中、アリスは香霖堂から自宅へ帰る途中だった。

人形を作るための糸が切れたので、香霖堂に買いに行った次第である。

「こんなに暑いんだったら、涼しい夕方辺りにでも行けばよかったわ……」

そんなことを言いながら、とぼとぼと自宅への道のりを歩いていた。





……それは突然のことだった。

「アリスーーーー!」

名前を呼ばれた。

誰だろうと振り向いた瞬間、黒い物体がアリスに突っ込んできた。

「かっ……は……!」

黒い物体がアリスの腹に激突した。

アリスは10mほど吹っ飛ばされ、木にぶつかってやっと止まった。

人間より丈夫にできてる魔法使いとはいえ、不意打ちで勢いよく突っ込まれたらただでは済まない。

薄れゆく意識を何とか保ち、アリスは突っ込んできた物体を見た。

「派手に吹っ飛んだなぁ……余所見をしてるからぶつかるんだぜ。」

アリスと同じ、魔法の森に住む魔法使い、霧雨 魔理沙であった。

「あ……んたが……突っ込んで……」

痛みに耐えながらアリスは魔理沙を睨んだ。

「い~や、前に居るお前が悪い。お前が悪いんだから慰謝料としてこいつは貰っていくぜ。」

そう言うと魔理沙はアリスが常に所持してる魔道書をひったくった。

「そ、それは……ダメ……返して……」

喋るのも苦しそうにしながらアリスは止めようとする。

「グリモワールの一つや二つくらいいいだろ。とにかくコレは貰っていくぜー」

そう言い残すと魔理沙は箒に飛び乗り、あっという間に去っていった。

「ま、まって……」

アリスの意識は薄れていった。





アリスが目を覚ますと、そこは自宅の寝室だった。

体を起こそうとすると、腹に激痛が走った。

「……!いったぁ……!」

見ると、寝巻きに着替えさせられており、腹には包帯が巻かれていた。

「あら、気がついたの?」

寝室のドアに目をやると、一人の少女が立っていた。

博麗 霊夢である。

「何で霊夢がここに?」

アリスは不思議に思いながら聞く。

「香霖堂に行ったら、あんたと入れ違いになったって聞いてね。
あんたの名前を聞いたときになんとなく嫌な予感がしたから追いかけてみたのよ。」

相変わらず気持ち悪いほど的中する勘である。アリスはこの巫女の勘が恐ろしくなった。

「で、案の定あんたが倒れてたからここに運んだわけ。
おなかの痣が酷かったわよ。折れているかも。」

「そう……骨折ぐらい大丈夫よ。
とにかく運んでくれてありがとう。恩に着るわ。」

「どういたしまして。それで、何があったわけ?」

その言葉にアリスはハッとする。

「そうだ!私のグリモワール!」

「グリモワール?そういやいつも肌身離さず持っているのに今日は無いわね。」

「魔理沙に強奪されたのよ……」

魔理沙の名前を聞いて霊夢はウンザリした顔をする。

「また魔理沙なの?いい加減あいつも懲りないのかしら……」

「さっき盗られたグリモワールはとても大切なものなのに……取り返しに行かないと。」

「その怪我で大丈夫なの?」

「もう直したわ。」

その言葉に霊夢はビックリして包帯に目をやった。

アリスが包帯を外すと、何事も無かったかのように痕が消えていた。

「あれ?さっきまで痣が酷かったのに……」

「そこが魔法使いと人間の差よ。こっちは魔力さえあればなんとでもできるんだから。」

「それにしても早いわね……」

霊夢はアリスの実力を見直した。

今まで霊夢は、弾幕ごっこなどでしかアリスの実力を見ていなかったからである。

「それじゃあ私は行くわね。どうせすぐ戻ってくるし、自由にくつろいでて。」

「え、ああ。分かったわ。」

そう言い残すと、アリスは寝室を出て行った。





残された霊夢はふと先ほどのアリスの様子を振り返ってみた。

"普段はとても冷静に振舞っていたのに、さっきの取り乱した様子は初めてみたわ……
よほど大事なものなのかしら……?"

"そして、さっきの回復の早さ。アリスがあそこまでの実力の持ち主だとは思わなかったわ。
弾幕ごっこでは本気を出してないって聞いたけど、もし本気を出したら一体どうなるのかしら……"

霊夢はアリスの寝室で一人、思考を廻らせていた。





アリスは魔法の森を凄い勢いで飛んでいた。

"あのグリモワールは世界にひとつしか無いグリモワールなのに……
私にしか扱えないのに魔理沙が持っていても意味が無いわ。"

"私を魔法使いとして育ててくれたあの人が私のために書いてくれたんだもの。
絶対に取り返すわ。"

そう思考しているうちに、霧雨亭が見えてきた。

外に魔理沙の姿を見つけると、目の前に降り立った。

「さあ、魔理沙。私のグリモワールを返して。とても大事なものなの。」

「グリモワール?ああ、さっき私が貰ったやつか。」

「無理やり奪っていったんでしょう!」

アリスの剣幕に魔理沙は少したじろいだ。

「アレはお前が悪いんだから私が貰ったんだ。それを何故返さなければならん。」

「言いがかりはよして!それにあのグリモワールは私にしか扱えない代物よ!
私を魔法使いとして育ててくれた人が私のために書いてくれたのよ!」

「ああ、だから開こうと思っても開けなかったのか……
すまんな、あのグリモワールはもう無いんだ。」

「え……?」

アリスは耳を疑った。

「グリモワールがもう無い?どういうこと?」

「あのグリモワール、どんなことやっても開かなかったから、マスタースパークで消し飛ばした。」

「な……!」

アリスは愕然とした。魔理沙はそんなことをする人間だとは思っていなかったからだ。

「仕方が無いだろ。どうやっても開かなかったんだから。マスタースパークなら開くと思ったんだが……」

「ちょっと!どうしてくれるのよ!アレは大切なものだったのに!!」

「どうするもこうするも、私が貰ったものだ。どうしようと私の勝手だ。
そもそもアリスがあんなものを持っているのが悪い。」

「何言ってるのよ!あんたが無理やり奪っていったのによくもそんなことを……!」

「そうだ、全部アリスが悪いんだ。アリスなんかのためにそのグリモワールを書いた人ってのは
バカだよなぁ……アリスにゃ勿体無すぎる。」

「え……」

理不尽なことを平然と言ってのける魔理沙にアリスは言葉を失った。

更に魔理沙の言葉は続く。

「そうだよな!本気を出すのを怖がってるやつにあんなものは勿体無い!
お前に作られている人形もかわいそうだ!お前のような根暗で友だち居なくて
本気を出すことにビビッてる三流魔法使いに使われるよりは私のような一流の魔法使いに
使われるほうが道具も幸せだろう!」

どんどん魔理沙の理不尽な発言はエスカレートしていく。

「あのグリモワールもお前に使われるよりは焼かれたほうがいいって思っていたさ!
私はそれの手助けをしただけ。良いことをしたんだ!よって私は悪くない!アリスが悪い!」

既に言ってることは支離滅裂になり、魔理沙はアリスに責任を押し付けることで一杯だった。

アリスの雰囲気が変わったことにも気がつかずに。

「ほら!何か言ってみろよ!図星か?どうなんだよ!
悔しかったら本気で戦ってみろよ!根暗七色魔法莫迦!」

「そう……」

アリスの言葉を聞いた瞬間、魔理沙の背筋に冷たいものが走った。

そして、一気に体が冷えていく。

「そんなに本気で私と戦いたいなら、いいわよ。
相手をしてあげるわ。上に行きましょう。」

「あ、ああ……」

正直の所、魔理沙は自分の責任を認めたくないだけだった。

ちょっと言い過ぎたかな。とは思ったがアリスなら許してくれるだろうと思っていたのだ。

雰囲気の変化に嫌な予感がしながらも、魔理沙はアリスと上空で向かい合った。





アリスは失望していた。

魔理沙がこのような人間だとは思っていなかったからだ。

グリモワールが無くなってしまったことはショックだったが、実はまだ許容範囲内であった。

しかし、魔理沙の様子を見たとき考えが変わった。

"この人間はここまで愚かだったのだろうか。"

そんな考えがアリスの頭を駆け巡ったのだ。

そう考え始めると、今まで手加減してきたことがバカらしくなってしまった。

"そうだ、あいつが本気でかかってこい、と言っているんだから本気を出しましょう。
そのくらいのことをしないと気がおさまらないわ。"

"あいつはきっと後悔するわね。でももう遅いのよ。あいつがあんな人間だとは思わなかったわ……
今までの分もキッチリ返してあげるわよ。"

そのような思考を廻らせながら、アリスは魔理沙と対峙した。





「私から行くぜ!」

そう言うと魔理沙は星の弾幕を展開した。

昼の空に星が舞うのは奇妙な光景だったが、同時にそれは美しい光景でもあった。

不規則に放たれた星の弾幕は、アリスに向かって飛んでいく。

その弾幕をアリスは最小限の動作で避けていく。

そして、アリスは人形を召喚した。

1体、2体と増える人形から七色の弾幕が放たれる。

色彩に富んだその弾幕は、星の弾幕の合間を縫って進んでいく。

星と極彩が織り成す弾幕は、見ているだけならとても美しく華麗なものだった。

しかし、当の本人はそのような余裕を持たない。

先ほど人形から放たれた弾幕を魔理沙は避けていく。

「なんだ?アリスの本気とやらはそんなものか?いつもと変わらないぜ!」

そう言いながら魔理沙はスペルカードを発動する。


魔符「ミルキーウェイ」


天の川を描くような弾幕が魔理沙の周りに形成された。

大型の星弾が魔理沙から放たれ、左右からは小粒な星弾がアリスに襲いかかる。

しかし、アリスは涼しい顔をしながら避け、人形を召喚するだけだった。

それを見た魔理沙は苛立った。

"あいつ、私を舐めていやがる。スペルカードも発動しないで弾幕を撃っているだけだ。
そっちがその気ならこっちは速攻で終わらせてやる!"


魔符「スターダストレヴァリエ」


天の川のような弾幕が止み、今度は周りを取り囲むように星の弾幕が形成される。

そして、魔理沙を中心に星弾が放たれていく。

それでもアリスは避けながら人形を召喚していく。

当たらない。当たらない。当たらない。

普段のアリスなら相殺するか被弾してるであろう。

魔理沙はその程度の弾幕を展開してるつもりだったのだ。

"もしかしてコレが本気か?ただ避けてるだけじゃないか。あんな通常弾幕が私に当たるわけないのは
分かってるはずだろうに……"

"よし、それなら避けられないやつをかましてやるか。大口叩いていた割にはあっけなかったな。"

魔理沙は八卦炉を構え、魔力を溜め始めた。

「そこよ!」

突然アリスが大声を上げた。

その声にビクッとなり、魔理沙はアリスを見た。

しかし、アリスは涼しい顔をしたままだった。

ただ、人形はもう召喚していなかった。

思えば弾幕も来ない。

魔理沙は不審に思い、あたりを見渡した。





周りの光景を目にしたとたん、魔理沙は驚愕した。

魔理沙の正面以外の全ての方向が人形で埋め尽くされていたのだ。

その数は100を軽く越しているだろう。

上も下も横も後ろも斜めも、全部人形に囲まれていた。

「あんたが弾幕を張るのに夢中になってて良かったわ。
おかげで事が有利に進められるわ。」

そう言うとアリスは指を鳴らした。

すると、人形達が一斉にレーザーを放出した。

思わず魔理沙は目をつぶった。

しかし、何も衝撃が来ない。

目を開けてみると、人形達のレーザーは全く的外れの方向に放出されていた。

「なんだ、どこを狙って……!!」

気が付いてしまった。

人形達のレーザーは全く的外れの方向に伸びていたわけではなかった。

魔理沙の周りを囲むように放出されていたのだ。

とてもじゃないがこのレーザーの檻から出ることは無理であった。

「そうか……やってくれるじゃないか!」

そういうと魔理沙はアリスに八卦炉を向ける。

多少驚いてはいたが、八卦炉にはしっかり魔力が溜まっていた。

「消し飛べぇぇぇ!」


恋符「マスタースパーク」


八卦炉から魔力が爆発する。

周りの大気が震え始め、目の前がホワイトアウトするほどのレーザーが放出された。

それは一直線にアリスの居る方向へと伸びていく。

放出が終わったあと、正面には何も残っていなかった。

それを見た魔理沙は笑い出す。

「は、はは……なんだ、結局この程度だったのか。
本気を出すとか言って驚かせておきながら……笑わせるぜ!」

「本当ね。あんたのアホさ加減には笑っちゃうわ。」

魔理沙の表情が凍りつく。

"あれ?今アリスの声がしなかったか……?
確かに吹っ飛ばしたはずだったが……"

魔理沙はゆっくりと後ろを振り向く。

アリスが居た。

無傷のまま涼しそうな表情で魔理沙を見ていた。

それを見た魔理沙は叫ぶ。

「なんで無傷なんだよ!確かに当たったはずだろ?」

「バカね。あんな隙だらけの攻撃に当たるわけがないじゃない。
あんたが撃ったのは人形よ。」

「な……!」

「さて、次は私の番ね。あんたは私の人形劇を最後まで見ることは出来るかしら?」

そう言うとアリスは腕を振り上げた。


咒詛「魔彩光の上海人形」


咒詛「首吊り蓬莱人形」


魔理沙の左右に人形達が召喚される。

その光景に魔理沙は絶句した。

"スペルの多重詠唱だと……?そんなことありえるのか……?
でも現に2つのスペルが出てるじゃないか!"

"アリスはこんなことができたのか?"

そう思考しているうちに左右から緻密に計算された壁とも言うべき弾幕が魔理沙を襲う。

魔理沙は必死になって避ける。

普段は正面で避けるべき弾幕が左右から来ることに苦戦していた。

「ぐっ!」

弾が腕を掠った。

痛みで箒を放しそうになるが、何とか留まっていた。

「あら?さっきまでの大口はどうしたのかしら?」

アリスは平然と魔理沙を眺める。

しかし、言葉を返す余裕もない魔理沙はただ必死に弾幕を避けていた。

「つまらないわねぇ……人形劇はまだ始まったばかりよ?
もう一つキャストを追加しようかしら。」

アリスは指を鳴らした。


戦操「ドールズウォー」


先ほどまでレーザーを放出していた人形が刃物を出し、一気に襲い掛かってきた。

「くぅ!」

魔理沙は弾幕で人形を相殺していく。

しかし、人形の数が多すぎた。

それは傍から見たら恐ろしい光景だっただろう。

150体を超える人形が一人の少女に襲い掛かっていたからである。

それを一人で操るアリスは、何の苦も感じていなかった。

そう、余裕だったのである。

そうしているうちに、人形が1体魔理沙の横を通り過ぎた。

「うぐぁ!」

魔理沙の懐からは鮮血が滲み出ていた。

なおも魔理沙は諦めずに攻防を続けている。

その光景を見ていたアリスはつまらなそうに言った。

「もっと楽しませてくれるかと思ったのに、大したこと無かったわね。
あんたに最後まで人形劇を見る権利は無いわ。退場しなさい。」

そう言い、アリスは再び指を鳴らした。


魔符「アーティフルサクリファイス」


途端、先ほどまで魔理沙に襲い掛かっていた人形が一斉に爆発した。





魔理沙はなんとか意識を保っていた。

人形の爆風によって吹っ飛ばされたが、人形の爆風を直に食らわなかったことと、魔法障壁を張っていたこと。

そして、アリスが若干手加減をしていたために、命に別状はなかった。

しかし、全身が激痛に襲われていた。

そんなところへアリスが降りる。

「あら、死んでいなかったのね。」

激痛に耐えながら魔理沙は答える。

「て、手加減してくれたくせによく言うぜ……」

「あら、わかっちゃった?」

「当たり前だろ……」

そう言いながら魔理沙はアリスの顔を見る。

まず、アレだけのことをしたのにまったく苦に感じていない表情に驚かされた。

そのことについて魔理沙はアリスに聞いた。

「なぁ……あんな大それたことをしたのに全く息切れしてないのは何でだ?」

「大それたこと?あんなことが?笑わせるわね。」

その答えを聞いた途端、魔理沙の背筋に悪寒が走る。

"もしかして、まだまだ本気じゃなかったってことか……?"

"そうだとすると、こいつの実力は一体……"

「それで、何か言うことがあるんじゃないの?」

アリスは魔理沙に促した。

「あ、ああ……アリス、本当にすまなかった……
お前の大事なグリモワールをダメにして、散々お前を侮辱して……」

「分かればいいのよ。確かにあのグリモワールは大事なものだったけれど、ちゃんと謝ってくれれば
許してあげたのに……それでもあんたは理不尽だけれどね。」

その言葉に魔理沙は苦笑いする。

「は、はは……すまなかったな……」



「これに懲りて二度とあんな真似はしないでね。」



アリスはきわめて普通に言ったが、魔理沙には本当の意味が伝わってしまった。

"次はこんなものじゃ済まさないわよ。"

その意味に身震いしながらも、魔理沙はなんとか返答した。

「あ……ああ……もう二度としないぜ……」

「ならよかった。ほら、いつまでもそこに寝っ転がってるわけにはいかないでしょ。
あんたの家まで送るから、ほら、立って。」

アリスは手を差し出す。

ふらふらになりながらも魔理沙は立ち上がる

そして、魔理沙はアリスの肩を借り、霧雨亭まで送られていった。





魔理沙は自宅に送られながら、自分の失敗を振り返った。

"あの時は頭がどうかしてたんだ……実験が失敗ばかりで……"

"そこにたまたまアリスが居たから、冗談のつもりだったのにな……"

あの時、魔理沙はとても苛立っていた。

理由は実験が失敗続きだったためである。

気晴らしに飛んでいたら、たまたまアリスが居て、鬱憤晴らしに突っ込んだだけであった。

そこでアリスの魔道書を見つけ、屁理屈をこねて奪ったのである。

その後、魔理沙は自宅に帰って魔道書を読もうとしたが、どうしても鍵が外れなかった。

相変わらず苛立ったままの魔理沙は、マスタースパークなら開けるだろう、と安易な考えで
魔道書に撃ちこんだのであった。

当然魔道書は消し飛び、後には何も残らなかった。

我に返った魔理沙は、アリスへの言い訳を考えていたが、自分が責任を持ちたくないが為に
言い過ぎてしまったのだ。

"まぁ、今回だってアリスは何とか許してくれたんだし、今後そんなことが無ければいいか。"

魔理沙がそう考えているうちに、アリスと魔理沙は霧雨亭へたどり着いた。





実は、アリスは魔理沙を許したわけではなかった。

ただ、なす術も無くやられていく魔理沙が不憫だったのだ。

"これだから本気を出すのは嫌なのよ。皆あっさりと負けちゃうから……"

それは自負でも何でもなく、単純な事実であった。

アリスは、不用意に本気を出して圧勝するよりは緊迫した駆け引きの勝負のほうが好きだったのだ。

無論相手への優しさも含まれている。

ただ、今回のことで魔理沙はアリスの信用を失ったのだ。

魔理沙はそのことに気が付かないまま、今後も過ごしていくだろう。





アリスが自宅へ帰ると、霊夢が帰ろうとしていた。

「あら、お帰りなさい。」

「ただいま。自分で言っといてなんだけど、まだ居るとは思わなかったわ。」

「ああ、今から帰るところよ。」

そう言うと霊夢は神社へと去っていった。





霊夢は困惑していた。

"てっきり、弾幕ごっこになると思ったのに……なんで無傷なのかしら?"

"上手く話をつけた?でもそれはありえないわ。一体どういうことかしら……"

様々な思考をしながら、霊夢は神社へと飛んでいく。





それはアリスにとっては大きな変化だった。

しかし、魔理沙は変化に気が付かないだろう。

ただそれだけのことだったのだ。
初投稿です。
物書きではないのですが、なんとなく思いついたので投稿してみました。
アリスは実は強いんだよ!を表現するのに蛇足蛇足の形に……
創想話の作品は面白いものが多いです。
自分もそこまでは行かなくても、誰かに評価されたいなぁという願望はありますが
果たしてどうなることやら……

実は、「アリスって実は強い」には一応裏付け解釈があります。

アリスは本気を出さない=「グランギニョル座の怪人」は本気じゃない。
相手の力量を見て、それより少し上の力を出して戦う≒自分より強い相手が居ない。

そんな独自解釈で書いたのでした。
もしかしたら続けるかもしれませんが、あまり期待しないほうが吉のようです。
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コメント



0.500簡易評価
2.10名前が無い程度の能力削除
「七色のアルペジオ」の劣化版に見えました。
8.無評価名前が無い程度の能力削除
表現がつたないです。
10.40名前が無い程度の能力削除
アリス強いんじゃね?説を信じる自分にとっては嬉しいテーマでした。
表現やテンポは書き慣れていくうちに洗練されていく…はずですので、これからの作品に期待しています。
11.40煉獄削除
なんだか余りにも直進しすぎてるように感じました。
直ぐに弾幕に移行するのもそうですが霊夢が登場したのに置いてけぼり。
話らしい話もしないままですし、アリスを介抱する以外に登場する理由がなかったのが残念です。
続くのであれば今後どうなっていくのか見たいです。

追記:私も「七色のアルペジオ」の劣化版に感じてしまった・・・。
    何気にそう感じた私自身、反省・・・。
12.50名前が無い程度の能力削除
こういう話は嫌いではない(むしろ好き)のですが、まだスケッチの状態に見えます。メモの状態ですね。
これを整理して行くうちに、足らないところや余計なところが見えてきます。
今回の場合、一つのお話を形成する上で不足している部分が沢山あると思います。
貴方の次回に期待させて頂きますので、がんばって下さい。
13.30名前が無い程度の能力削除
うん、まあ。
私も「七色のアルペジオ」の劣化版に見えた口です。

少し書かせてもらうなら、霊夢の登場する必要性が感じられない事。
魔法使いにとって重要かつ貴重な魔道書をぞんざいに扱ったり、それを消し飛ばす事。
アリスがその事を許せる事です。

この話であれば自然に目覚めても変わりませんし、魔理沙が魔道書をこんな扱いをするのであればパチュリーが紅魔館の全員を動員してでも奪還してそうです。
さらにアリスにとってあのグリモワールはとても貴重で大切なもののはず、それを奪われて、壊されればいくら妖怪と言えど……

最後に、魔理沙が強奪したり、言い訳して弾幕ごっこに発展する辺りはらしいと思います。
次回に期待します。
17.30名前が無い程度の能力削除
まさに注意書きの通り、アリスを立てるためだけに、魔理沙を必要以上悪人にしてますね。
こういう作風で好きな人は受け入れられるでしょうし、魔理沙が好きな人、公式が好きな人は受け入れがたいかもしれません。

これもひとつの作品なので、方向性としてはそれはそれでいいのですが、全体的に話を急ぎすぎているようにかんじます。
場面場面を丁寧に描写していけば、もっといい作品になったのかもしれません。

私的にはアリスが実は強い設定は大好きなのですが(もとEXボスだし)、それをもっと公式に近い雰囲気でやってくれると嬉しかったです。次は誰も犠牲(引き立て役・悪人)にせず、アリス最強設定でお願いしたいです。
18.20無刃削除
他の物品ならいざ知らず、魔道書(グリモワール)を破壊してしまうのは幾らなんでも不自然。
というかこの場合、魔理沙ならパチュリーに聞きに行くか山積み行きの筈です。
本気のアリスと戦闘させるのが目的なら他に幾らでも方法があるはずです。
19.無評価名前が無い程度の能力削除
裏付け解釈については
アリスは本気出して負けると嫌だから本気ださないのですが・・・
まあ、そんなのは野暮としときましょう
20.無評価名前が無い程度の能力削除
魔理沙を踏み台にしてアリスを上にあげようという作者の意図が見えすぎていて、正直醜い
アリスも魔理沙も好きなキャラクターなので、2人がこういう扱いを受けるのがショックでした
私情が大部分を占めているので、評価は致しません
21.90名前が無い程度の能力削除
私は結構楽しめました
22.無評価灰色削除
たくさんのごありがとうございます。
自分の構想が浅かったことに気が付かされました。
魔理沙の扱いは今思いなおすと酷すぎたなぁと思います。
そもそも、もっと別の方法もあったのにこのような内容になってしまったのも、自分が事を急ぎすぎたからでした。
もっと物語の構成を練ってから投稿したいと思います。
29.90名前が無い程度の能力削除
強いアリスも好き