はらり、はらりと紅葉が散る。
名も知らぬ鮮やかな黄色や茶の落ち葉の上に、艶やかな紅を描く。
くるくる、くるくると、円を描きながら、踊るように落ちる葉。
「秋、ねぇ……」
日々が過ぎて往くのは早くて。季節が過ぎて往くのも、早くて。
偶に、今がいつなのか忘れそうになる。
倦み飽きる程の歳月を過ごし、幾度となく観てきた情景。
紅く、黄色く、茶色く。染まった葉が全て落ちると、冬が来て、雪が降る。
雪が融けると、花が咲き誇る春が来て、緑が萌え、多くの生命が燃える夏が来る。
季節の移り変わり、繰り返す様は、いきものの輪廻転生にも似て。
人にあはれを感じさせ、私の様に輪廻の輪から外れたものの目には、一抹の寂しさを伴って映る。
下らない感傷ではある。
私は、永遠を生きる意味を、朧ではあるが知って、禁忌に手を出した。
流れ往く四季を見て疎外感を感じるなどと。私が自ら選択した事なのに。
けれど……
「姫、ここにいらっしゃいましたか。
優曇華がお茶を点てました。宜しければ、姫も飲んであげてくれませんか?」
「永琳」
永遠を共に生きる、私の従者。
月の頭脳と謳われた彼女には、私の感傷など、本当に瑣末なものに映るのだろう。
それでも……
「もう紅葉が散っているわ。今は、秋なのね」
「えぇ。裏の畑でも、美味しいサツマイモが収穫されています。今日のおやつは大学芋ですよ」
これは予想外。
「ぷっ……、そうね。季節にあった旬のものを頂くのはよい事だわ」
くすくす。
手を口元にあて、思わず笑ってしまう。
そう、下らぬ感傷でしかない。
四季を愛で、もの思う事は、粋人としては当然の嗜みなのだ。
永琳は、弟子の鈴仙を教育し、薬剤の開発、研究をこなし、永遠亭の財政も管理している。
彼女が粋を解さぬ訳ではない。単純に環境の問題なのだろう。
時間を持て余し過ぎると、碌な事にはならない。感傷で済むうちは良い。
倦んで、膿んで、飽きて、厭きて、疲れて。疲れ果てて。
そうなれば、気が違ってしまうだろう。
「偶には私も畑を手伝うわ。鈴仙の点てたお茶を頂いたら、畑に出る。
する事が無いなら、新しい作物を育ててみるのも良いわね。畑を管理してるイナバを呼んで頂戴。」
なんだか少し楽しくなって、私は永琳に笑顔を向けた。
唐突な発言のせいだろう、永琳は怪訝な表情で、分かりました、と返事を返した。
「さ、鈴仙を待たせるのも可哀想だし、お茶を頂きに行きましょう!」
声をかけ、永琳の前を歩く。私の足取りは軽い。
今日は何をしよう。
明日は何をしよう。
予定を立てる事がこんなに心浮き立つ、楽しい事であったのも久しく忘れていた。
竹林に住む彼女は、自分の永遠をどう捉えているのだろう。明日にでも行って、訊いてみようか。
私の関心は既に、庭の落葉からおやつの大学芋に移っていた。
名も知らぬ鮮やかな黄色や茶の落ち葉の上に、艶やかな紅を描く。
くるくる、くるくると、円を描きながら、踊るように落ちる葉。
「秋、ねぇ……」
日々が過ぎて往くのは早くて。季節が過ぎて往くのも、早くて。
偶に、今がいつなのか忘れそうになる。
倦み飽きる程の歳月を過ごし、幾度となく観てきた情景。
紅く、黄色く、茶色く。染まった葉が全て落ちると、冬が来て、雪が降る。
雪が融けると、花が咲き誇る春が来て、緑が萌え、多くの生命が燃える夏が来る。
季節の移り変わり、繰り返す様は、いきものの輪廻転生にも似て。
人にあはれを感じさせ、私の様に輪廻の輪から外れたものの目には、一抹の寂しさを伴って映る。
下らない感傷ではある。
私は、永遠を生きる意味を、朧ではあるが知って、禁忌に手を出した。
流れ往く四季を見て疎外感を感じるなどと。私が自ら選択した事なのに。
けれど……
「姫、ここにいらっしゃいましたか。
優曇華がお茶を点てました。宜しければ、姫も飲んであげてくれませんか?」
「永琳」
永遠を共に生きる、私の従者。
月の頭脳と謳われた彼女には、私の感傷など、本当に瑣末なものに映るのだろう。
それでも……
「もう紅葉が散っているわ。今は、秋なのね」
「えぇ。裏の畑でも、美味しいサツマイモが収穫されています。今日のおやつは大学芋ですよ」
これは予想外。
「ぷっ……、そうね。季節にあった旬のものを頂くのはよい事だわ」
くすくす。
手を口元にあて、思わず笑ってしまう。
そう、下らぬ感傷でしかない。
四季を愛で、もの思う事は、粋人としては当然の嗜みなのだ。
永琳は、弟子の鈴仙を教育し、薬剤の開発、研究をこなし、永遠亭の財政も管理している。
彼女が粋を解さぬ訳ではない。単純に環境の問題なのだろう。
時間を持て余し過ぎると、碌な事にはならない。感傷で済むうちは良い。
倦んで、膿んで、飽きて、厭きて、疲れて。疲れ果てて。
そうなれば、気が違ってしまうだろう。
「偶には私も畑を手伝うわ。鈴仙の点てたお茶を頂いたら、畑に出る。
する事が無いなら、新しい作物を育ててみるのも良いわね。畑を管理してるイナバを呼んで頂戴。」
なんだか少し楽しくなって、私は永琳に笑顔を向けた。
唐突な発言のせいだろう、永琳は怪訝な表情で、分かりました、と返事を返した。
「さ、鈴仙を待たせるのも可哀想だし、お茶を頂きに行きましょう!」
声をかけ、永琳の前を歩く。私の足取りは軽い。
今日は何をしよう。
明日は何をしよう。
予定を立てる事がこんなに心浮き立つ、楽しい事であったのも久しく忘れていた。
竹林に住む彼女は、自分の永遠をどう捉えているのだろう。明日にでも行って、訊いてみようか。
私の関心は既に、庭の落葉からおやつの大学芋に移っていた。
秋は夕暮、の言葉通り夕あたりの情景まで書いてあれば、尚いいです
ありません。
文章は上手いように見えますけど、ここまで短いと「自分の得意な部分
だけを書き出したな」とも受け取れますし。
よって評価はフリーレス。
> 自分の現在の力を認識したく、こちらに投稿させて頂きます。
そうおっしゃるのでしたら尚のこと、ご自分の力を最大限に発揮したと
胸を張って言える作品を投稿してください。
酷い言い方をさせていただくと「東方のSS」ではなく「登場人物が東方なだけの散文」。
他の方と丸かぶりですが、自ら初SSと言うからにはもうちょっと話的な物を……。
ただ、もう少し作品に厚みを持たせれば良かったように感じます。
物足りなさを感じたので、この点数です。
次回作に期待します
ほのぼのとした雰囲気の中にも悲しみあり。しかし、悲しい中にも温かみがある。
「もののあはれ」を感じさせる良作でした。
以下、作者様にはマッタク関係が無い、ツマラン独り言↓
まるで減る気配がありませんね、注意書きを読まない/理解しない人…
呆れを通り越して、虚しくなります。
皆さん、一度Wikipediaで「SS」と打ち込んで検索してみて下さい。
一般名詞・その他の部分、何と書かれているでしょうか?
今回に限らず、作品の「長短」のみで評価される方々。
あなた方は、例えば星 新一を知らないのですか?
「ショート・ショート」もしくは「掌編小説」という立派な文芸ジャンルの存在を、あなた方は知らないのですか?
以上、お目汚し大変失礼。
今までびびって見る事が出来ませんでした(笑)
精進致します。
今、新しいお話を書いています。また輝夜の話なのですが、割と暗い話になりそうです。そして切る場所がなく、長くなりそうな感じです。
また読んで頂ければ幸いです。感想も頂けるともっと嬉しいです。
有難うございました。