私……見てしまったんです。
ただし、このことを話すには、数日前にまで記憶を遡らなければなりません。
あの時はまだ、あの些細な出来事が、こんな恐ろしい結末を迎えるなんて思ってなかった……。
そう、あれは数日前の夕食の時のこと――――
☆
いつものように私、神奈子様、諏訪子様揃っての夕ご飯。
基本的に祀る側である私が作ることになっています。
今日の献立はみんな大好きカレーライス……と見せかけてハヤシライス♪
ちょっと赤ワインを効かせるのがポイントです。うちの神様は二人ともお酒好きですからね。
神奈子様は黙々と食べているけれど、それは美味しいっていう神奈子様なりの表現です。
対称的に諏訪子様は、美味しい美味しいって口にしながら食べてくれるんですけど、その日はなにやら様子が違っていました。
「あれ? 諏訪子様ったら、もう食べないんですか?」
見ると、諏訪子様のお皿には半分以上残ったハヤシライス。
味を変えたわけでもないし、嫌いな物をこっそり混ぜ込んだわけでもないんですが。
ちなみに諏訪子様が嫌いな物は……本人の尊厳が砕かれそうなので割愛させていただきます。
あんな巫山戯た……コホンッ! もとい、個性的な帽子を被ったようじ、ゴホンッ! 小柄な方でも、やはり神様ですからね。
「う、うん……。なんか、食欲無くって」
「いつも牛蛙みたいに暴食してるからよ」
「うっさい! どうせ私たちは神様なんだから、元から食べないのが当たり前でしょ」
「だったら食欲無いって言葉も矛盾してないかしら」
売り言葉に買い言葉。
食欲はなくても、喧嘩をする元気はある諏訪子様。
そうは言っても、普段からご飯の度にお変わり三杯は当たり前という、食生活を目の当たりにしているとどうしても心配してしまいます。
ですが、その日は本当に何も食べたくないらしく、諏訪子様はいつもより早い時間に床に就かれました。
この時は、私も神奈子様も、少し変だなとその程度にしか思っていませんでした。
でも、今にして考えると、これが全ての始まりだったんです。
☆
翌朝、朝食の用意をするために私は台所へとやってきました。
ただ、朝は大抵私しか食べないので大体は昨日の余り物ですませてしまいます。
だから今朝のメインは、昨日のハヤシライスの残りと、付け合わせに目玉焼きとサラダを少々。
……のはずだったんですが。
「あら?」
お櫃の中を見ると、朝食用に一杯分くらいは残してあったはずのご飯が、米粒一つ残らず無くなっていたのです。
ご飯だけではありません。
お鍋に残してあったハヤシライスのルーまで綺麗さっぱり。
誰かが夜中に起き出して食べてしまったのかしら。
そうなると一番に思い浮かぶのは、ろくに夕食を食べず、さっさと寝てしまった諏訪子様。
でも、神様は酔狂で食事をしているだけだから、お腹が空いて目が覚めるなんてことはまず無いはずだし……。
「おっはよー」
そこへ容疑者当人である諏訪子様が、愛用の目玉のような装飾が施されたバケツのような帽子を被ってやってきました。
昨日の変な様子はどこにも感じられず、いつもの諏訪子様に見えます。
でもでも、その何も無さが逆に怪しい気も……。
って、自分の神社の――しかも先祖の――神様を怪しんでどうするのよ!
「げ、元気になられたようで何よりです」
「うーん、いっぱい寝たからかしら。すこぶる調子が良いんだよねっ。今なら麓の巫女とか魔法使いもフルボッコできそうな気がするよ」
「面倒事になるのが目に見えてわかるのでやめてくださいね」
すかさず釘を刺しておくことを忘れはしません。
ノリが良ければ本当に行ってしまいかねない性格だということくらい、一緒に住んでいれば嫌でもわかります。
そんなことを考えていると、腹部から乙女らしからぬ音が聞こえてきて私はとっさにお腹を押さえました。
目の前でにやにやと薄ら笑いを浮かべているところを見ると、諏訪子様には確実に聞かれた様子。
……い、いくら現人神だって、体が人間ならお腹は空いて当然の生理現象! そう、聞かれたところで無問題!
私は気にしてない風を装って、また流し台と向かい合いました。ですが、すぐにある問題に直面します。
「あぁ、そうだった……朝ご飯どうしよう」
「んん? 朝ご飯がどうかしたの?」
「昨日の残りで済ませようと思ってたんですけど、それが残ってないんですよ」
「残ってない? 全部食べたんじゃないの?」
「いいえ、朝ご飯のために少し残しておいた夕飯がなくなっちゃってるんです」
「あぁ、それってきっと神奈子じゃない?」
「え?」
意外な――というほど意外でもないけど――名前が出てきて、私の意識はもう一人の家族へと移りました。
だけど昨日神奈子様は充分食べられたし、さっきも考えたけどお腹が空いて夜食……ということもあり得ない。
「昨日は深夜に宴会が開かれるって話だったからね。そこにつまみとして持っていたんじゃない?」
「あぁ、そういうことですか……って私は宴会の話なんて一言も聞いてませんよ!?」
「……早々に寝ちゃった私が言うのも何だけどさ。早苗ったら日付が変わる前には寝ちゃうでしょ」
だって、肌のこととか翌日の布教活動とかのことを考えると、やっぱり十二時よりも前には寝ておきたいし。
で、でも一言残しておいてくれたら、何か簡単な物でも用意しておいたのに。
「だからじゃないの?」
「えっと……何がですか?」
いつの間にか諏訪子様が私の顔をのぞき込むようにして、こっちを見ていました。
見た目は子供だけど、こうして一直線に見つめられるとその瞳に全てを見透かされてしまいそうです。
「だからさ、早苗に何も言わなかった理由よ。言ったら、何かと世話焼くでしょ」
「巫女として当然です」
「早苗がそんなだから、何もしなくて良いように何も言わずに出かけたんだと思うよ」
優しさを素直に出さない方だから、そう言われると凄く納得できてしまいます。
でも私は巫女なんだし、神様の方から気を遣われるってのは……巫女としてどうなのかしら。
「まぁ、気にしないで良いじゃない。というか考える前にご飯食べた方が良いよ。さっきからずっと自己主張してるお腹が可哀想だわ」
「んなっ!?」
わはははは、という陽気な笑い声と共に駆けていく目玉帽子。
追いかけようとしましたが、その前にさっさと燃料を入れろと再度お腹の虫が主張してくるので、私はひとまず朝食を摂ることにしました。
そんな怒濤の出来事にもまれてしまい、今朝の出来事は軽く流してしまったのです。
この時にもっと注意深く考えていたら、これ以上酷い事件に発展することはなかったのかもしれません。
☆
翌朝――
「あれええええええっ!?」
早朝の守矢神社に、なんの恥じらいもなく響き渡る大声は、勿論私が発したもの。
そもそもこんな山頂で聞いてる人なんか居ないんだし……ではなく、それだけの出来事が起こったんです。
昨日の朝と同じように、残しておいた夕飯の残りを朝食代わりにしようと台所にやってきました。
するとどうしたことでしょう。昨日の残りどころか、貯蔵しておいた食べ物までなくなっているのです。
いくら神奈子様でも、そんな卑しい行為をするとは考えられません。
諏訪子様だって、そんなことをすることはないでしょう。そもそも必要性がないのだし。
これは間違いなく――――
「泥棒が入ったんですよ」
「泥棒ねぇ」
私は神奈子様と諏訪子様をたたき起こして、守矢神社緊急会議を開くことを提言しました。
神様が二柱もおわすこの社に、よもやネズミのような浅ましい行為をするために忍び込むなんて不届き千万。
この由々しき事態を放っておいては、守矢神社の名折れです。
「別に食べ物くらい盗られたって、早苗の分だけでも確保できていれば問題ないんじゃないの?」
「諏訪子様はもっとご自分の矜持というものを考えてくださいっ!」
「うぅ、そんな怒ることないじゃない」
神奈子様のように、元の世界では信仰が得られないから幻想郷に来たわけじゃないにしても、諏訪子様は不謹慎すぎます。
こんな事があの口早い天狗達にでも知られてしまったら……
「そんなことになってしまったら、せっかく麓の神社に分社を立てたりして、地道に進めてきた守矢神社への信仰もパーですよ」
「まぁ、確かにこれは放っておけない事態ねぇ」
「さすが神奈子様。それで、一体どうしますか」
「……別に、何もしなくて良いんじゃない?」
「うぇ?」
思わず、うわずった返答をしてしまいましたが、それもそのはず。
神奈子様なら妙案を思いついてくれるものとばかり思っていた矢先のこの答え。
「下手に騒ぎ立てれば、それだけ事態も大きくなるというもの。ここは慌てず騒がず、どっしり構えるのが先決よ」
「そういうものですか」
「そういうものよ。それに諏訪子も言ったように、たかだか食料を漁られたくらいで動じていたら、それこそ神の名折れになるわ」
私はその言葉に心を打たれました。
食料泥棒ごときでみみっちく怒っていては、多くの人の依り所となる寛大な心など持てるはずがないのです。
さすがは神奈子様。
面倒くさいから何もしたくないんじゃないかと、一瞬でも思ってしまった自分が恥ずかしい。
「ということで、この会議は終わり。私は昼寝するけど邪魔しないでね。起こしたら脳天に御柱突き刺すわよ」
「わ、わかりました。ご、ごゆっくり……」
妙に迫力を滲ませながら、神奈子様は日当たり抜群の縁側へと姿を消していきました。
そしてもう一人の神様はと言うと……。
「諏訪子様はどうされますか?」
「私はその辺を散歩してくるよ。今日もなんだか元気いっぱいなのよね。天狗や河童相手でも余裕で勝てそうな感じだわ」
「だから面倒なことになるから、物騒なことだけはやめてくださいね」
鼻息荒く散歩に出かけていく諏訪子様を見送った私は、一人静けさの中に取り残されました。
神奈子様の言うとおり、騒ぐ必要は無いにしても、ただやっぱり泥棒に入られて良い気はしません。
もし味を占めて、また泥棒がやってきたら、今度はどうするつもりなのでしょうか。
家の食料が底尽きるまで見逃せと、いやいや、さすがに神奈子様もそうなる前には手を打つはず。
でも、そんなことで神奈子様の手を煩わせる必要があるのかしら。
むしろここは巫女であり、現人神である私自らが泥棒をとっつかまえて、守矢神社の威光を示すべきでは!?
「ふ、ふふふふ。そうよ、その通り。ここで私が一肌脱がずに誰が脱ぐというの」
脱ぐと言っても、無論性的な意味じゃありませんよ。
決意を固めたという意味での、いわゆる一つの慣用句です。
あくまでも騒がず何事も無いように日々を過ごしつつ、犯人を捕まえてみせるという決意を私は固めたのです。
その日の夕食時――――
「さぁ、たんと召し上がってください!」
「あら今日は気合いが入ってるのね。何かあったの?」
その日の夕食は、私自身に気合いを入れるために、奮発してすき焼きにしました。
ぐつぐつと醤油とみりんの香り漂う、お肉と野菜のオーケストラコンサート。
溶き卵を絡ませて食べれば、至福の時が――――
「あら、諏訪子。今日も食べないの? すき焼きって大好物でしょ」
「え? うん、好きなんだけどね。外ではしゃいで疲れてるからかな。あんまり食べたい気分じゃないのよね」
「あれだけ言ったのに、天狗とかにちゃちゃ入れてきたんですか?」
「えーっと……あははー」
どこか笑っている顔にも覇気がない諏訪子様。
確かに疲れているのは本当のようです。
私はお小言を言うのも程々にして、休むように伝えました。
諏訪子様は素直に頷くと自室へ向かわれ、結局せっかくのすき焼きを食べるのは私と神奈子様だけということに。
どことなく気まずい静寂の中、すき焼きの煮える音だけが無情に響いています。
「ど、どうぞ。諏訪子様の分は置いておくので、神奈子様は存分に味わってください」
「言われなくてもそのつもりよ。諏訪子の分まで食べてやろうかしら」
「そ、それはだめですよ」
「わかってるわ」
いつもの調子を取り戻した私達はしばらくの間、談笑を交えながら二人ですき焼きを堪能していました。
そしてすき焼きも終盤にさしかかり、締めのうどんを投入した時です。
神奈子様が、不意にこんな話を始めました。
「そういえば、早苗。今朝、またうちの食料が無くなっているって騒いでいたみたいけど?」
「え? えぇ、でも騒がないことにしましたので」
もしかして、勝手に犯人をとっつかまえてやろうと思っていることがばれてしまったのかしら。
「まぁ、犯人自体はどうでも良いわ」
「あ、そうなんですか?(ほっ……)」
「ただね、ちょっとした話を思い出したのよ」
「話? と、言いますと」
すると神奈子様は、にやりと口の端を上げて不適な笑みを浮かべてこう続けました。
「なんてことはない、ただの妖怪にまつわる昔話の一つだよ。昨日の宴会で天狗から聞いた小噺さ」
☆
むかーし、むかし。
ある村に、なかなか結婚のできない独り身の男がおりました。
別に容姿が醜いわけでも、殊更貧乏なわけでもありません。
むしろ顔立ちは整っており、一家族くらいなら食べきれないほどの米やら味噌やらを持っているくらいです。
それで言い寄ってこない女が居ない方が不思議というもの。
ただ、男が求める嫁の条件が厳しすぎたのです。
その条件とは“一切の食事を摂らないこと”。
ですが、そんな人間、この世に居るはずがありません。
そんなわけで、男の元に嫁ごうとする女は一人も現れなかったのです。
そんなある日のこと。
男の元に、見知らぬ女が訪ねてきます。
すると女は突然男に向かってこう言いました。
「食事は要一切要りません。だから貴方のお嫁にしてください」
男も、まさかそんな女が居るはずはないと、結婚は諦めていたものですから、女の言葉はいまひとつ信用なりません。
そこでしばらく一緒に暮らし、様子を見ることにしたのです。
一日目。
女は男のために食事を作りますが、自分の分は作らず、水以外は何も口にしませんでした。
ですが、一日何も食べないくらいは、我慢すれば誰にでもできること。
男はまだ女のことを疑っておりました。
しかし、二日目、三日目、そしてついに十日が過ぎても女は何も食べようとはしません。
それどころか、腹の虫の一つも鳴かせることなく、体がやつれる様子もないのです。
これは正真正銘理想の女だと、男はついに女の言葉を信用し、嫁に迎える決意を固めます。
そしてしばらくして婚礼の式を終え、二人は晴れて夫婦になったのです。
――と、ここで終わっていれば、ただの円満話。
しかし、その結婚を境に、男の家では妙な出来事が起こるようになったのです。
男一人しか飯を食べないのに、どんどんと食料が減っていくのです。
一体どうしたことかと、男は女に尋ねますが、女は知らないの一点張り。
仕方がないので男は、夜中土間を見張ることにしました。
もし泥棒が入っているのなら、捕まえてとっちめなければなりません。
意気込んで見張っていると、案の定土間に誰かが入ってきました。
様子をうかがい、犯人の姿を確かめると、そこにいたのはなんと妻ではありませんか。
しかし女は食事を摂らないはず。
もしかすると女も犯人を捕まえるために、様子を見に来たのかもしれないと男はそう考えます。
しかし女は隠れて様子を見ることはせず、突然大量の米を研ぎ炊き始めたのです。
男の朝餉を用意するにしても、時間はまだ夜更けだし、何より量が多すぎます。
これは何かあると、男は女の様子を見守り続けました。
女はそうとは知らず、炊きあがった大量の飯をどんどん握り飯にしていきます。
瞬く間に山のように盛られた握り飯ができあがりました。
まさか隠れて食事を摂っていたというのか!
そう怒鳴ろうとした男の言葉は、発せられる前に喉で潰されました。
男の目の前で、女は確かに食事を摂っていました。
しかし、口では何も食べておりません。
食べていたのは、女の頭にパックリと開いたもう一つの口だったのです。
握り飯を次々と放り込んでは、頭の口が大きく蠢き、飲み込んでいきます。
あれだけ沢山あった握り飯は、あっという間にその口の中へと消えてしまいました。
そう、女は、食料をため込んでいた男の家を狙って人間に化けた妖怪だったのです。
ごくんと大きな音を立てて、瞬く間に俵半俵の米を平らげてしまった女の口。
その口から、この世の物とは思えない鬼の唸り声のような声が聞こえてきました。
「見ぃ~たぁ~……なあああぁぁぁぁっ!!!!」
☆
「ごくり……」
「と、まあそういう話なんだけどね」
「そっ、それで続きは一体どうなったんですか、その妖怪は退治されたんですか、男は無事だったんですか!」
「うーん……よく覚えてないけど、その手の昔話ってたいてい妖怪が退治されて終わるじゃない?」
私は神奈子様が話している内に、どんどん嫌な予感が自分の中で大きくなっていくのを感じていました。
その妖怪“二口女”の話は、私も聞き覚えがありました。
ですが、それもずいぶん幼い頃の話です。結末がどうなったかなんて覚えているはずもなく。
「正体がばれて、男を食べてやろうとした妖怪が、退治されるみたいな話だったと思うわよ。たぶん」
「たぶんじゃなくて、そうだったんですよねっ。そうですよねっ」
「何焦ってるのよ。二口女くらい、出たところで不思議でもなんでもないでしょ」
……そう言われるとそうです。
ここは幻想郷。魑魅魍魎が跋扈する、人間と妖怪が混在する閉鎖された空間。
天狗も河童も、吸血鬼だっているっていうこの世界で、今更二口女の一人や二人、出たところで至極当然なんでしょう。
でも! そうだとしても!
怖い物は怖いんですっ!
だって、実際に想像してください?
頭がばっくり割れて、そこが口になんですよ?
ゾンビと戦うアクションゲームだって気持ちが悪いのに、それが現実に出るとなったら、その気持ちの悪さはどれくらいのものなのか……。
しかもそれが襲ってくるともなれば、恐怖を感じずに何を感じろって言うんですか!
「ちょっと早苗?」
「あ、う、え? 神奈子……様?」
「何さっきから、一人百面相やってるの。今度の宴会の一発芸の練習?」
「あ、えっと、いや……まぁそんなところです」
「うーん……あなたのキャラから考えると斬新だけど、インパクトに欠けるわね。やるならもっと潔く恥を捨てなさい」
神奈子様は的確なアドバイスをするだけすると、もうすき焼きは堪能し尽くしたのか、寝ると一言告げて居間を出て行きました。
昼間と同じように静寂の中に、一人取り残される私。
ですが、今は時間が時間で、状況も状況。
あれだけ犯人を捕まえる気概に燃えていた私の情熱は、食べ終えたすき焼きの鍋のように、すっかり冷え切ってしまっていたのです。
それもこれも神奈子様があんな話するから……。
で、でもででもっ、ここで私が恐怖に負けて退散してしまったら、私は私自身に負けてしまったことになる。
居るかどうかもわからない妖怪におびえて、姑息で卑しい食料泥棒を許すことになる。
「それはだめ!」
誰もいない居間に私の声が響き渡ります。
思ったよりも大きく響いた声が、逆に私の心に再び火を付けてくれました。
まだ私は屈していない。そのことを教えてくれた気がしたのです。
私は今夜、寝ずの番を決め込みました。
☆
「そして三日前の夜、それを決行しました! そこで、私……見てしまったんです」
「い、一体、何を見たって言うの」
「そうよ、こんな長話で引っ張っておいて、気になるじゃない!」
私の前には、一連の食料盗難事件のあらましを聞いている神奈子様と諏訪子様が座っています。
寝ずの番を決め込んだ夜から、今日でちょうど三日。
私が如何にもな面持ちで話すものだから、二人ともすっかり険しい表情に。
だけど、これから話す真実を考えると、それくらいの緊張感を持ってくれていた方が私としても助かるかも。
「思い出してください。ここ最近、食料盗難の他に何か変わったことはありませんでしたか?」
「変わったこと? 特に無かったと思うけど」
「諏訪子の言うとおり特に何も。変と言えば諏訪子の食べる量くらい……って、まさか!?」
私が先を続ける前に、神奈子様の視線が諏訪子様に注がれます。
しかし諏訪子様は心外なと言わんばかりに、立ち上がって抗議の言葉を口にしました。
「何言ってるのよ! 私は確かに食欲が無くて、あんまり食べなかったけど、でも元々食べなくて良いものをどうして食べなきゃいけないの。そもそも食べたいなら、盗み喰う必要なんてないんだし!」
「でもねぇ……」
「それに、最初に無くなったハヤシライスは、神奈子が持っていたんでしょ」
「いや、私は何も持って行ってないよ。あの日の宴会は天狗がご馳走用意してるって話だったからね」
「う……でも私だってずっと眠ってたし、さっきも言ったけど、盗み喰う必要なんかどこにもないんだから!」
「そう、諏訪子様は犯人じゃあありません」
私は、この目で犯人を見たのです。
だから諏訪子様が犯人ではないと断言できます。
でも、そうなると犯人は一体どこの誰なのか。
「まさか……早苗の狂言芝居!?」
「いくら神奈子様でも……ぶちますよ?」
冗談冗談と失笑する神奈子様。
まったく、それだったらこんな場を設ける訳が無いじゃないですか。
私は、一昨日の夜の出来事を一切合切端折ることなく、話して聞かせました。
☆
あの夜、台所の隣の部屋で息をひそめていた私は、怖い心を必死で抑えながら犯人が現れるのを待っていました。
正直なところ、出ないでくれたらとも考えていたのですが、そう言うときに限って淡い期待って砕かれるものなんですよね。
ちょうど時計の短針が2を指す、丑三つ時。
廊下の先からなにやら物音が聞こえてきたのです。
ぺたぺたと、聞こえてくるのはどう聞いても裸足で木の床の上を歩く足音。
私は息を殺して、台所ではなくその廊下へと視界を動かしました。
月明かりに照らされて、次第にはっきりとしてくる人影。
ぺたぺた……ぺたぺた……
足音が近づく度に、はっきりと見えてくる影。
ぺたぺた……ぺたぺた……
息を呑むことすら忘れて、私はわき上がっては外に出ようとする自分の恐怖と戦い続けていました。
その間にも足音はどんどんはっきりと聞こえ、これが幻聴ではないことを
ぺた……
そしてついに、私の目はその正体を捉えたのです。
あの目玉の付いた大きなバケツのような帽子は、どこからどう見ても諏訪子様でした。
☆
「やっぱりあんたじゃないのぉっ!!!!」
「ぐぇぇぇ、ちがううぅぅっっっっ」
私の話がそこに差し掛かると、やっぱりと言うかまぁ当然というか、神奈子様が隣に座っていた諏訪子様の首を絞めて怒り始めたのです。
これぞ蛙を締め付ける蛇の図……とか言ってる場合じゃなく。
「神奈子様、さっき私は諏訪子様ではないと、そう言ったはずです」
「でも、今の話を聞く限りどう考えても犯人はこいつじゃない」
「人の話は最後まで聞いてください。確かにそう聞こえるように話したのは私ですが」
「ひ、酷いっ! 早苗だけは私の味方だって信じてたのにっ」
諏訪子様の嘆きには後で謝るとして、まずは真相を明からにしなければなりません。
私は再び私の目が見た全てを語り始めました。
☆
こんな夜更けに現れた諏訪子様。
寝ぼけているようで、足取りはふらふらしています。
ただ、寝ぼけてトイレに行くにしては方向も違うし……。
そう考えている内に、諏訪子様は台所の前へとやってきました。
まさか……諏訪子様に限ってそんなこと……でも寝ぼけて知らずの内にとか……。
私の脳裏に諏訪子様を巡って、様々な考えが浮かびます。
そうしている間にも、諏訪子様は台所のドアを開け、残しておいたすき焼きの鍋の前に。
私の視線からは、体の半分くらいが物陰に隠れてしまっているので、手元などはよく見えません。
でもここまで現行証拠が揃ってしまったら、やっぱり諏訪子様が犯人と思わざるを得ないじゃないですか。
うぅ、諏訪子様はそんな卑しい神様じゃないと信じていたのに。
「え……?」
その最中、私は信じられない光景を目の当たりにしてしまったのです。
鍋を火に掛けて、すき焼きを温め直す諏訪子様。
確かに冷えたすき焼きなんて、あんまり美味しくないですからね……じゃなく。
充分に温め直されたすき焼き。隣の部屋にいる私にも甘辛い香りが漂ってきます。
さぁ食べるのか、と思っていると、なんと諏訪子様は鍋を両手で掴むと、それを頭に掲げて何の躊躇いもなくひっくり返したではありませんか!?
まるで湯船に浸かる前の掛湯の如き潔さ。
ですが、この状況では異様の二文字しか脳裏には浮かんできません。
しかし、混乱しながらも私の理性はまだ冷静を保っていました。
だってそれだけ熱い鍋を被ってなお、寝ぼけていられるなんてことがあるはずがないのです。
それに床だって溢れた音も聞こえてこないし、汚れた様子も見えません。
すき焼きはどこに消えてしまったのか!
私がもはや恐怖と好奇心がいり混ざった視線を送るのに夢中になっていました。
そこでその視線に気がついたのは、偶然だったのでしょうか。
私の視線とかち合うもう一対の視線。
諏訪子様は向こうを向いているから、諏訪子様がこちらに気づいて振り向いたわけではありません。
「見たなぁ?」
その声は、私の物でも、ましてや諏訪子様のものでもない。
しわがれた老人のような声がその視線の方から聞こえてきたのです。
「あ、あ、あぅ……」
私は言葉を失いました。
私に視線と言葉を向けてきたもの……それは……
☆
「ちょっと! どうしてそこで黙るのさ! それじゃあやっぱり私が犯人でしたってオチに聞こえなくもないじゃない!」
「やっぱりどこかの妖怪が忍び込んでいたの? まさか本当に二口女でも出たのかしら」
違います。
お二人とも近い答えにまでは来ているんです。
でも、まさか……今回の一連の犯人が“あんな奴”だったなんて。
「わかりました。今から犯人の正体を答えます」
私は意を決して、ついに犯人の正体を声色高々に暴露したのです。
「犯人は……おまえだっ」
推理ドラマやアニメの主人公よろしく、私は一度天に向かってのばした人差し指を犯人に向けて指さしました。
私の指の先が示す先、そこには目を白黒させて狼狽える諏訪子様のお姿。
「え!? ちょっ! さっき私は犯人じゃないって言ったじゃん!」
「えぇ、諏訪子様は犯人じゃありません」
「だったらその指はなんなの! まさか私の守護霊とか背後霊が犯人だったとか言わないでよ?」
ご自分が守護霊みたいな存在なのに……。
だけど諏訪子様の言葉はあながち言い得て妙とも言えなくはないですね。
諏訪子様に憑いている、という点では背後霊と似たような存在とも言えますし。
「よく見てください。私が指さしているのは、諏訪子様ではありません」
「……って、まさか」
「えぇ、そうです神奈子様。食料泥棒の正体、それは……」
「諏訪子様の帽子だったんですよ!!!!」
ここで、ノリが良い方なら「な、なんだってーっ」の一言でも入ったはず。
ですがお二人は呆気にとられて、それどころではないご様子です。
「さ、早苗? あんたが小さい頃、その帽子を怖がってよく泣いていたのは認めるわ。でもそれはちょっと無理が……」
「そんな昔の話を引き合いに出さないでください。ていうか、今度その話を出したら……割りますよ?」
ひとまず神奈子様を黙らせておいて、私は諏訪子様に近づきます。正確には被っている帽子に、ですが。
そしてきっと聞いているであろう帽子に向かって話しかけました。
「私がどうして三日という間を空けたかわかりますか」
「……早苗、夢だってことは」
「諏訪子様も黙ってください。私はあなたの帽子に話して居るんです」
「は、はい……」
そう、どうして衝撃の現場を見てから三日という猶予を与えたのか。
それは神奈子様も諏訪子様も、ただ言っただけでは納得してくれない、まさに今のようなことになると予想していたからです。
信じてもらうには、これしか方法は考えられませんでした。
「ここ数日、私はお夕飯を余らせませんでした。それに非常食や買い置き分もわかりにくい場所に移しておいたんです」
犯人は日の高い時間、誰かが起きている時間には現れていません。
つまり私達がいる前では食事ができなかったということです。
「三日も何も食べなければ、そろそろお腹が空いてきたんじゃないですか?」
あくまでもシラを切り通すつもりなのか、帽子は依然として何も喋りません。
それなら仕方がないですね。
私は二つの目玉をまっすぐに見据えながら、袖口に隠しておいた秘密兵器を取り出しました。
「おにぎりです。さっき炊いたばかりのご飯を、ふっくら仕立てに握りました。塩加減も大きさも言うことなしの特製です」
まだホカホカと湯気の立つおにぎりを、帽子の前にずいと差し出してみました。
お腹が空いたときに食べるおにぎりの破壊力は、信じられないくらい高いんです。
さあ、槍でも角でも目玉でも、とっとと本性を現したらどうですか! ……目玉は出してますね。
「さ、早苗? そろそろ見てるこっちが痛々しいんだけど」
まだそんなことを言う神奈子様達に、私が鋭い視線を向けたそのときでした。
帽子の目玉がぎょろりと動いたように見えたかと思うと、あのしわがれた声が聞こえてきました。
『まったく、しつこいったらありゃあしない』
刹那、帽子に裂け目が生まれ、そこからあの声が発せられています。
隠す気をなくした途端、目つきも変わってなんだか凄く偉そうになってるし。
信じられないという表情で唖然としているお二人は、ひとまず置いておくとして、私は改めて喋る帽子と向かい合いました。
『せっかく付喪神になれて美味い食事にありつけると思ったんだが……』
「そう巧くはいきません。それにしても、やっぱり付喪神の類でしたか。まさか諏訪子様の帽子がそうなるとは思いもしませんでしたけど」
『なんてったって神話の時代からの付き合いだからな。幻想郷の空気で、完全に目覚めることができたようだ』
「それでせっかく意思を持つことが出来たのに、やることが食料泥棒ですか」
諏訪子様の帽子なんだし、もっと荘厳な性格だったり、偉大な感じがしたり……は無理か。
帽子の下で涙を浮かべている諏訪子様を見ていると、その期待がどれだけ淡い物だったかがよく理解できます。
『まぁ、自由にって言っても、こいつが寝ている間に体を乗っ取ってしか動けないんだがな』
「だから夜中が犯行時間だったんですね」
『一応体を借りる礼として、喰ったモンの栄養やらなんやらの一部は分けてやっているんだ。諏訪子には感謝して欲しいくらいだな』
「……最低ですね」
私は何の躊躇もなく、おにぎりとは別の方の手に持っていた御幣を突き立てました。
驚いたのは帽子妖怪以上に諏訪子様。
「ちょ、ちょっと早苗!? いくら酷いからって、いきなりそれはないんじゃ……仮にも私の帽子なのよ?」
「帽子は帽子でもうちの食料を無断で拝借した挙げ句、謝罪の言葉一つ発しない不届き者ですよ」
「早苗、目が怖い……って、あれ? ねぇ帽子」
諏訪子様はそれまでの困惑がまるで嘘のように、突然平静を取り戻すと頭の上に向かって話しかけました。
「一つさ、気になることがあるんだけど」
『なんだ。一心同体のよしみで答えてやるよ』
「私がここ最近、何も食べたくなかったのって、もしかしてあんたが関係してたりする?」
『そうだな……たぶんそうなんじゃないか? 別に良いだろ、どうせ食べなくても平気みたいだし』
その一言を聞いて、それまで何かと口を開いていた諏訪子様が、黙りこくってしまいました。
同時に、私は何とも形容しがたい悪寒を全身に感じます。
いったい何事かと周囲を見ると、神奈子様も何故か顔を引きつらせているではありませんか。
神奈子様の視線を追っていくと、そこにはただならぬオーラを醸し出している諏訪子様が。
『おい、どうした。これから仲良くやっていこうって仲じゃないか。パーッと酒でも飲んで暴れようぜ』
「……そうだね。暴れようか」
諏訪子様のまるで地の底から聞こえてくるような低いつぶやきに、私も神奈子様も口を挟むことが出来ません。
もしここで下手なことを言おうものなら……ぶつとか割るとかそんなレベルではなく、それ以上に恐ろしいことになるに違いないでしょう。
実際に見なくてもそうなりそうなことがわかるくらい、諏訪子様を取り巻く空気は鋭利で冷たいものに変わっていたのです。
気づいていないのは、一番近くでその空気に触れているはずの帽子妖怪。
「……私ね、早苗のハヤシライス好きなんだよね。すき焼きもさ、そうそう食べられるものじゃないし……」
『ん、どうした?』
「おまえが……おまえが居なかったら、私は美味しいものを食べることが出来ていたのよね」
『うぉ、なんで俺をそんな強く掴むんだ。っていうか、引っ張るな! 裂ける裂ける裂けるっ!』
「こんな大きな裂け目が出来ちゃったんだから。今更引き裂いたところで惜しくもないわ」
こ、怖っ!
あれだけ帽子を庇っていた諏訪子様が、今は自分の手でまっぷたつに引き裂こうとしてるなんて……。
制裁を加えるのは私だったのに、いつの間にかその役目が入れ替わってしまっていますけど、そんなことは今更構いません。
「あんな諏訪子を見るのは、何百年ぶりだろうね」
「前にもあったんですか」
諏訪子様との付き合いの長い神奈子様だけあって、こういう一面を持っていたことは知っていたようです。
私は諏訪子様に聞こえない程度の小声で神奈子様に尋ねました。
「あいつはあれでも諏訪の土着神だ。畏れられない神が、そう長い間居着けるわけはない」
「……でも、あれは畏れられるとかそういう問題の話じゃないよう気が。それより諏訪子様を止めなくて良いんですか?」
「触らぬ神に祟りなし」
「誰が巧いことを言ってくださいと言いましたか」
「でも、ああなったらしばらくはほとぼりが冷めるのを待つしかないわよ。私だって止められる気がしないんだから」
確かに。
今の諏訪子様を止められる、いえ話しかけることの出来る勇気を持った方がいらっしゃったら是非助けてください。
ただその勇気はどう考えても蛮勇でしかありませんけど。
『やめろやめろやめろやめてやめてやめて、お願いしますなんでもするからやめてください。まじで千切れる!!』
「千切れちゃえば? 真っ二つになったらお腹も空かなくなると思うし」
完全にいつもの諏訪子様の面影はありません。
それからしばらく、守矢神社には哀れな妖怪の断末魔が響き続けたのでした。
☆
え? この話は結局どうなったのかって?
そうですね。少しだけ後日談でも付け加えておきましょうか。
あの後、落ち着きを取り戻した諏訪子様と神奈子様の手によって、せっかく付喪神になれた帽子は妖力を完全に封じられて、元の帽子に戻りました。
少しよれてしまって、諏訪子様は残念そうにしていますが、ご自分でやったことなので仕方がないですよね。
付喪神に関しても、自業自得ですし、そもそも悪行を繰り返していたのだし、因果応報って奴です。
おかげで守矢神社には、以前と同じ平穏な生活が戻ってきました。
諏訪子様の食欲もすっかり元に戻り、食料泥棒も出なくなって一件落着……のはずだったんですが……。
「また無くなってるーっ」
早朝の守矢神社に響く私の悲鳴。烏天狗に聞かれようとお構いなしです。
だって、もうないはずと思っていた矢先に、また夕飯の残りが消えているんですから!
昨日の煮付けは美味しくできていたから、朝ご飯に食べるのを楽しみにしていたのに……。
「あれ? 早苗、どうしたの」
「諏訪子様……また出たんですよぉ、食料泥棒が」
「え!? うっそ、帽子はもう妖怪にはならないわよ。なんてったって、私と神奈子が封印したんだから」
「ですよね……あら、諏訪子様? 口の端に何か付いてますよ」
手を伸ばしてそれを取ってみると、少しべたつく感触が。
って、これって……
「……諏訪子様。今日はずいぶんお早いお目覚めですけど、朝ご飯はどうします?」
「あ、うん、もらおうかな。おかずは何?」
「昨日も諏訪子様に好評だった“里芋の煮っ転がし”、ですよ……?」
それを聞いたときの諏訪子様の表情と来たら……。
この後の事は守矢神社の信用に関わる業務機密なので割愛させていただきます。
皆さんも、食べ物の恨みを買うような悪いことはしちゃいけませんよ。
風祝との約束です☆
《終幕》
いや、謎にしてるのは二次界隈の我々なんでしょうけど
ニヤニヤしながら読ませてもらいました。
面白かったですよ。
諏訪子様の恨みを買うとは・・・下に恐ろしきものは食べ物の恨みということでしょうか?
タイトルで魔里沙が頭をよぎったのでマスパ食らってきます。
この流れは想像できなかったのに、しっくり来るから凄い。
orz
>騒いでいたみたいけど?0
0←?
>そこへ容疑者当人である諏訪子様が、愛用の目玉のような装飾が施されたバケツのような帽子を被ってやってきました
ここではあえて帽子を描写しない方がいいかもしれませんね
読めましたが、スレッドにあった「キシャァー」とか言うモンスターな帽子を予想していましたので、予想外の性格と雰囲気で面白かったです。
キレた諏訪子様も楽しかったです。
それ以上に帽子が付喪神になってたという発想が面白かったです
あと読みやすかったですよ
犯人を分からせた上でなお話しに引き込める技術と展開がすばらしい
そしてさすがは土着神の頂点、恐ろしい。過去に切れたときは何があったんだろうか・・・?
カレーだったら俺でもそれくらいはキレる