「くっ……」
藍の口元からは苦痛の声が漏れる。
確信を得た影の一撃は彼女の胸に穴を穿いたかに見えた。
その一撃により彼女の左手の甲には穴がぽっかりと口を開け、循環する血液の流れにより噴き出る血は、血管の脈動まで伝えてくるようだ。
彼女は片膝を突き、息絶え絶えと言った様子である。
ほとんど条件反射と言ってよかった。彼女は影から放たれた一撃が心の臓を捉えているのを判断すると避けるのを止め、左手を犠牲に致命傷を防いでいた。
だが彼女は既に肺をやられ口元からは呼吸と同時に血が溢れ、体のいたる所には抉られた傷、ひどい箇所では骨まで見えている。
視界には不敵な笑みを浮かべる影が見下していた。
「その体で今の攻撃を凌いだ事には関心する……だがそれも終わりだ」
その抑揚の無い声は彼女の耳に届いてはいなかった。
影が揺らめき、辺りを無音が支配していく。
そして彼女の後方にはもう一つの影が迫っていた。
ここで数刻ほど遡る。
「紫様は数日家を空けると言ったきり帰ってこない。どこで何をしていらっしゃるのか……」
八雲藍は用事があると言い残し出て行った主の事を考えていた。
今まで急にいなくなる事はあってもわざわざ言伝を残して行く人ではなかった。
何か異変が起こっているのだろうか――彼女には知る由も無かった。
「藍さま?」
橙の一言で我に返り、ふと見下ろすと、不安そうな目で見つめてくるその瞳は今にも崩れそうだった。
「すまないな橙、心配しなくても何れ元の生活に戻る……」
しかし発した言葉は自分自身へ言い聞かせようとする暗示のようにも聞こえた。
「とりあえず中に入ろうか」
俯いている橙の様子を直視できずに空を仰ぐ藍。
お昼まではあれほど晴れていたのに何時の間にか灰色の雲が一面にかかっており雲行きが怪しくなっていた。
彼女は焦っていたのかも知れない。
「橙、私は博麗の巫女の所に行ってくる。しばらく留守番を頼んだぞ」
頷く橙は逞しく思える反面、内面では不安で仕方ないのだと思うとやるせなくなる。
だが彼女は胸のざわめきを隠せないでいた。
この胸のざわめきを解決するには巫女の所に行くしかないと。
神社へ向かう彼女の足取りは自然と早くなっていた。
過ぎ去る景色にまとわりつかれている気がして、苛立ちばかりが募る。
「博麗の巫女はいるか!」
彼女は着くやいなや大声を張り上げ障子を壊しかねない勢いで開ける。すると彼女の背中へ聞き覚えのある声がかけられた。
「紫の式がここに何のようかしら? あと障子は優しく扱ってね」
焦る彼女は漂々とした巫女に捲くし立てる。
「紫様が出て行ったきり戻ってこない……それだけじゃない。
最近の幻想郷の空気に違和感もある。
博麗の巫女なら何か事情を知っているんじゃないのか?」
さきほどまでの漂々としていた面影は消え、急に険しくなる巫女。
「紫がいなくなったのはそれのせいでしょう」
巫女が札を投げるとそれの正体が現になった。
ゾッとした。今までに幻想郷では見た事のないその醜悪な姿は魑魅魍魎とでも呼ぶべき姿だった。
押し寄せる魑魅魍魎の群れが今にも結界を破壊しかねない勢いで迫る。そういえば先ほどまでは必死で気づかなかったが巫女の額には汗が滲んでいる。
「外の世界で何かあったのよ……それと同時に大きな力が幻想郷に生まれた。
でもこの有様じゃ私はここで結界を張っていないといけない。だから紫はこの異変の元凶を叩きにいった。それ以上でもそれ以下でもない。
それよりもあなたは何でここにいるの? この妖怪達は今までこの幻想郷にいた類の者とは違う。
あなたも少なからず普段の生活でこの異変に気づいていたという事は既にそこまで侵食している……」
聞き終わる前に彼女は走り出していた。
「橙!」
叫ぶと同時に玄関の扉に手をかける。
開かれた扉の奥からは普段嗅ぎなれている匂いと一緒に嫌な臭いが鼻をついた。それは瞬時に肺を満たし軽く眩暈を起こさせた。
彼女の細胞の一つ一つが警告していた。
「この奥には行くな」
と、しかしすでに彼女の理性は働いてはいなかった。
嫌な臭いの元へと向かった彼女は立ち尽くしていた。
そこには無残に転がる子供の体が一つあった。
肢体には無数の傷が刻み込まれ致命傷ではないにしろこのままでは何れ出血で手遅れになる。
駆け寄るとすでに意識を無くしているかと思われた小さな体から、言葉が発せられた。
「ごめ……な……さい……」
この子は何に対して謝っているのだろう。
謝らなければいけないのはこの子ではないのに。
そんな事を考えながら、簡単な応急処置を済ませた彼女の瞳には八雲の姓を享けてからは灯る事のなかった色が映りこんでいた。
彼女は気づいていた。この奥にいるそれを倒さない限り解決しないのだと。
「狐は犬のように嗅覚ですぐさま飛んでくるかと思ったんだが……見当違いだったか。あれだけ血なまぐさい臭いがしたら気づくと思ったんだが」
と、奥のほうから低い声が響いてきた。
さきほどの傷は明らかに殺す為の物ではなかった。
ただ誘き出す為だけに――あんなひどい目にあったのだとそういう事だった。
彼女に出来る事は限られていた。
喋っていたそれは影だった。人間のような形状はしているが光を全て飲み込んでしまうような深く黒い影。
しかし彼女は迷う事なく右足を踏み込み地面を歪ませると飛び込んでいた。地を蹴り、浮いた右足は影の右前方に近づく為の引き金となっていた。
浮いていた足が地につくと左足を軸に体を捻り回転力を加えた右足の踵を影の後頭部に打ち込んだ。
怯んだ影の口からは形容しがたい獣の声が聞き取れた。
確かに手ごたえがある影。
影は地面に叩きつけられると毬のように良く跳ねた。 跳ねた所に追い討ちをかけるように彼女の拳が打ちこめられる。
成す術も無く、影は壁に叩きつけられそのまま地面に崩れ落ちた。
彼女がそこにさらに追い討ちをかけようと走りよる、と一方的にやられていた影に変化があった。
影はさきほどまでのダメージを感じさせない様子で起き上がる。
同時に彼女の足は止まりしばらく睨み合いが続いた。
最初に動いたのは影だった。
影の肢体が歪み今までの人間の形は無く、無機質な幾つかの物体に独立していた。
その一つは先が尖り一突きで致命傷を与えそうな形状をし、二つ目はシャープな見た目とは裏腹に重厚そうな厚みを帯びていた。
三つ目は見た瞬間に対象を叩き潰す事にのみ重点をおいた物だと分かった。
彼女は動けずにいた。次の行動が予想できずにいたからだ。
そんな彼女を他所に一突きを浴びせようと影の一つが飛んできた。
とはいえ明らかに狙いが見えているそれを避けられない彼女ではない。右後方へ飛び退り、迫る影にタイミングを合わせ払い落した。
払い落した余韻で動けない彼女に、畳み掛けるようにもう一つの影が彼女の背中を叩くと鈍い音が響いた。
彼女はすぐさま受身を取り体制を立て直そうとした。しかし思うように体が動かない。
ふと体を見ると所々肉は抉れ、流血をし、骨にまで達している箇所もある。
抉られた部分の多さからして一目でそれは機動力を奪う為に足を狙ったのだと分かるほどの状況だった。
一瞬理解が出来なかった彼女は気づいた。
二つの影の後ろで動く事無くこちらを見据えている影がいる事に。
彼女がそちらに視線を移した瞬間その影の先からは高速で何かが打ち出されていた。
痛みで思ったように動けない彼女は、それでも耐えると避ける為に飛び退っていた。と同時にさきほどの傷はこれによるものだと理解した。
だが気づくのが少し遅かった。
高速で打ち出されたそれはあくまで誘導する為の物であり、本命はその先で待っていた二つの影だった。
刹那でも避ける為に飛び退り、足が宙に浮いてしまった事が仇となった。浮いた事で彼女の肢体は完全に無防備となっていた。
鋭利な影は右ふとももを後方から前方へ肉を裂き裂くと、血を滴らせた切っ先が顔を見せていた。
そのまま前方へ倒れ込む彼女に追い討ちをかけるように正面から影の鉄槌が叩きつけられ、鈍い音がすると彼女の体は後方へ吹き飛ばされていた。
正面からの一撃は胸を強打し外傷を与えること無く内部へ直接ダメージを与える物だった。
折れた肋骨は肺に刺さり呼吸をすると、どす黒い血がゴポリと音を立てながら口元から止め処なく溢れでてくる。
それでも彼女は気力で立ち上がると両足で大地を踏みしめていた。
依然として立ち上がる彼女に狂気を感じつつも勝利を確信した影は最後の一撃を放った。
尖った切っ先は彼女の心の臓を一直線に狙う。
終わった、と影は思った。
一撃は寸分違わず狙った場所を穿つはずだった。
しかし穴が開いていたのは心の臓ではなく彼女の左手。
冷やりとした。
その瞬間体制を崩し彼女は片膝を突く。
勝敗は決した。
人の形に戻った影の腕が刃の形へと変わり、力ない彼女へと振り下ろされた。
既に彼女の意識は途切れようとしている。
目の前には振り下ろされようとしている刃。
逃げるだけの余力は彼女には残されていない。
彼女に迫る刃。
すると不思議な事が起きた。
目前にあるはずの刃の空間が綺麗に切り取られたように無くなってしまったのだ。
今起きた出来事がどういう事を意味するのか彼女は気づいていた。
そして――彼女の記憶はここで途切れる。
藍の口元からは苦痛の声が漏れる。
確信を得た影の一撃は彼女の胸に穴を穿いたかに見えた。
その一撃により彼女の左手の甲には穴がぽっかりと口を開け、循環する血液の流れにより噴き出る血は、血管の脈動まで伝えてくるようだ。
彼女は片膝を突き、息絶え絶えと言った様子である。
ほとんど条件反射と言ってよかった。彼女は影から放たれた一撃が心の臓を捉えているのを判断すると避けるのを止め、左手を犠牲に致命傷を防いでいた。
だが彼女は既に肺をやられ口元からは呼吸と同時に血が溢れ、体のいたる所には抉られた傷、ひどい箇所では骨まで見えている。
視界には不敵な笑みを浮かべる影が見下していた。
「その体で今の攻撃を凌いだ事には関心する……だがそれも終わりだ」
その抑揚の無い声は彼女の耳に届いてはいなかった。
影が揺らめき、辺りを無音が支配していく。
そして彼女の後方にはもう一つの影が迫っていた。
ここで数刻ほど遡る。
「紫様は数日家を空けると言ったきり帰ってこない。どこで何をしていらっしゃるのか……」
八雲藍は用事があると言い残し出て行った主の事を考えていた。
今まで急にいなくなる事はあってもわざわざ言伝を残して行く人ではなかった。
何か異変が起こっているのだろうか――彼女には知る由も無かった。
「藍さま?」
橙の一言で我に返り、ふと見下ろすと、不安そうな目で見つめてくるその瞳は今にも崩れそうだった。
「すまないな橙、心配しなくても何れ元の生活に戻る……」
しかし発した言葉は自分自身へ言い聞かせようとする暗示のようにも聞こえた。
「とりあえず中に入ろうか」
俯いている橙の様子を直視できずに空を仰ぐ藍。
お昼まではあれほど晴れていたのに何時の間にか灰色の雲が一面にかかっており雲行きが怪しくなっていた。
彼女は焦っていたのかも知れない。
「橙、私は博麗の巫女の所に行ってくる。しばらく留守番を頼んだぞ」
頷く橙は逞しく思える反面、内面では不安で仕方ないのだと思うとやるせなくなる。
だが彼女は胸のざわめきを隠せないでいた。
この胸のざわめきを解決するには巫女の所に行くしかないと。
神社へ向かう彼女の足取りは自然と早くなっていた。
過ぎ去る景色にまとわりつかれている気がして、苛立ちばかりが募る。
「博麗の巫女はいるか!」
彼女は着くやいなや大声を張り上げ障子を壊しかねない勢いで開ける。すると彼女の背中へ聞き覚えのある声がかけられた。
「紫の式がここに何のようかしら? あと障子は優しく扱ってね」
焦る彼女は漂々とした巫女に捲くし立てる。
「紫様が出て行ったきり戻ってこない……それだけじゃない。
最近の幻想郷の空気に違和感もある。
博麗の巫女なら何か事情を知っているんじゃないのか?」
さきほどまでの漂々としていた面影は消え、急に険しくなる巫女。
「紫がいなくなったのはそれのせいでしょう」
巫女が札を投げるとそれの正体が現になった。
ゾッとした。今までに幻想郷では見た事のないその醜悪な姿は魑魅魍魎とでも呼ぶべき姿だった。
押し寄せる魑魅魍魎の群れが今にも結界を破壊しかねない勢いで迫る。そういえば先ほどまでは必死で気づかなかったが巫女の額には汗が滲んでいる。
「外の世界で何かあったのよ……それと同時に大きな力が幻想郷に生まれた。
でもこの有様じゃ私はここで結界を張っていないといけない。だから紫はこの異変の元凶を叩きにいった。それ以上でもそれ以下でもない。
それよりもあなたは何でここにいるの? この妖怪達は今までこの幻想郷にいた類の者とは違う。
あなたも少なからず普段の生活でこの異変に気づいていたという事は既にそこまで侵食している……」
聞き終わる前に彼女は走り出していた。
「橙!」
叫ぶと同時に玄関の扉に手をかける。
開かれた扉の奥からは普段嗅ぎなれている匂いと一緒に嫌な臭いが鼻をついた。それは瞬時に肺を満たし軽く眩暈を起こさせた。
彼女の細胞の一つ一つが警告していた。
「この奥には行くな」
と、しかしすでに彼女の理性は働いてはいなかった。
嫌な臭いの元へと向かった彼女は立ち尽くしていた。
そこには無残に転がる子供の体が一つあった。
肢体には無数の傷が刻み込まれ致命傷ではないにしろこのままでは何れ出血で手遅れになる。
駆け寄るとすでに意識を無くしているかと思われた小さな体から、言葉が発せられた。
「ごめ……な……さい……」
この子は何に対して謝っているのだろう。
謝らなければいけないのはこの子ではないのに。
そんな事を考えながら、簡単な応急処置を済ませた彼女の瞳には八雲の姓を享けてからは灯る事のなかった色が映りこんでいた。
彼女は気づいていた。この奥にいるそれを倒さない限り解決しないのだと。
「狐は犬のように嗅覚ですぐさま飛んでくるかと思ったんだが……見当違いだったか。あれだけ血なまぐさい臭いがしたら気づくと思ったんだが」
と、奥のほうから低い声が響いてきた。
さきほどの傷は明らかに殺す為の物ではなかった。
ただ誘き出す為だけに――あんなひどい目にあったのだとそういう事だった。
彼女に出来る事は限られていた。
喋っていたそれは影だった。人間のような形状はしているが光を全て飲み込んでしまうような深く黒い影。
しかし彼女は迷う事なく右足を踏み込み地面を歪ませると飛び込んでいた。地を蹴り、浮いた右足は影の右前方に近づく為の引き金となっていた。
浮いていた足が地につくと左足を軸に体を捻り回転力を加えた右足の踵を影の後頭部に打ち込んだ。
怯んだ影の口からは形容しがたい獣の声が聞き取れた。
確かに手ごたえがある影。
影は地面に叩きつけられると毬のように良く跳ねた。 跳ねた所に追い討ちをかけるように彼女の拳が打ちこめられる。
成す術も無く、影は壁に叩きつけられそのまま地面に崩れ落ちた。
彼女がそこにさらに追い討ちをかけようと走りよる、と一方的にやられていた影に変化があった。
影はさきほどまでのダメージを感じさせない様子で起き上がる。
同時に彼女の足は止まりしばらく睨み合いが続いた。
最初に動いたのは影だった。
影の肢体が歪み今までの人間の形は無く、無機質な幾つかの物体に独立していた。
その一つは先が尖り一突きで致命傷を与えそうな形状をし、二つ目はシャープな見た目とは裏腹に重厚そうな厚みを帯びていた。
三つ目は見た瞬間に対象を叩き潰す事にのみ重点をおいた物だと分かった。
彼女は動けずにいた。次の行動が予想できずにいたからだ。
そんな彼女を他所に一突きを浴びせようと影の一つが飛んできた。
とはいえ明らかに狙いが見えているそれを避けられない彼女ではない。右後方へ飛び退り、迫る影にタイミングを合わせ払い落した。
払い落した余韻で動けない彼女に、畳み掛けるようにもう一つの影が彼女の背中を叩くと鈍い音が響いた。
彼女はすぐさま受身を取り体制を立て直そうとした。しかし思うように体が動かない。
ふと体を見ると所々肉は抉れ、流血をし、骨にまで達している箇所もある。
抉られた部分の多さからして一目でそれは機動力を奪う為に足を狙ったのだと分かるほどの状況だった。
一瞬理解が出来なかった彼女は気づいた。
二つの影の後ろで動く事無くこちらを見据えている影がいる事に。
彼女がそちらに視線を移した瞬間その影の先からは高速で何かが打ち出されていた。
痛みで思ったように動けない彼女は、それでも耐えると避ける為に飛び退っていた。と同時にさきほどの傷はこれによるものだと理解した。
だが気づくのが少し遅かった。
高速で打ち出されたそれはあくまで誘導する為の物であり、本命はその先で待っていた二つの影だった。
刹那でも避ける為に飛び退り、足が宙に浮いてしまった事が仇となった。浮いた事で彼女の肢体は完全に無防備となっていた。
鋭利な影は右ふとももを後方から前方へ肉を裂き裂くと、血を滴らせた切っ先が顔を見せていた。
そのまま前方へ倒れ込む彼女に追い討ちをかけるように正面から影の鉄槌が叩きつけられ、鈍い音がすると彼女の体は後方へ吹き飛ばされていた。
正面からの一撃は胸を強打し外傷を与えること無く内部へ直接ダメージを与える物だった。
折れた肋骨は肺に刺さり呼吸をすると、どす黒い血がゴポリと音を立てながら口元から止め処なく溢れでてくる。
それでも彼女は気力で立ち上がると両足で大地を踏みしめていた。
依然として立ち上がる彼女に狂気を感じつつも勝利を確信した影は最後の一撃を放った。
尖った切っ先は彼女の心の臓を一直線に狙う。
終わった、と影は思った。
一撃は寸分違わず狙った場所を穿つはずだった。
しかし穴が開いていたのは心の臓ではなく彼女の左手。
冷やりとした。
その瞬間体制を崩し彼女は片膝を突く。
勝敗は決した。
人の形に戻った影の腕が刃の形へと変わり、力ない彼女へと振り下ろされた。
既に彼女の意識は途切れようとしている。
目の前には振り下ろされようとしている刃。
逃げるだけの余力は彼女には残されていない。
彼女に迫る刃。
すると不思議な事が起きた。
目前にあるはずの刃の空間が綺麗に切り取られたように無くなってしまったのだ。
今起きた出来事がどういう事を意味するのか彼女は気づいていた。
そして――彼女の記憶はここで途切れる。
ですので評価はできないです。でも処女作ということでこれから期待という意味で得点を付けました。
連載作品の一編だけというか、起承転結の「承」のみのような作品でした。
読み手に与えるべき情報が圧倒的に不足しており、残念ながら自己満足の
域を出ていません。
それと、きちんと推敲しているのなら、この文章量でここまで誤字がある
とは思えないのですが。
どのように今の結果となったのかという「経緯」を加えてはどうでしょうか
この文章だと、まだまだ肉付けできそうな感じがします
骨組みは問題ないと思いますが、やはり他のコメントでもあるように誤字が気になります
自分で何回も読み直すことも大事だと思います
幻想郷の危機というか外の世界による妖怪の侵食で、紫が大変ということなんだろうな。
前半は好きだぜ、もっと磨いてくれよ。Lvupで良作品を作れる人だと俺は思っている。
起承転結の転結がないってことで50
これは続くのでしょうか?
もし続くのだとしたら楽しみです。
なんだか肝心な部分が抜け落ちてるような感じがします。
影の正体や外の世界がどのように影響しているのかなどが欠けているように思えます。