ツキ、カクシタツキ、カクシタツキヲカエセ。
ワレワレハ、イヤシキニンゲントサイゴノゼンメンセンソウヲカイシスル。ワレワレニキョウリョクヲシテクレ。
永い夜が始まった。それから、月が返ってきた。いずれにせよ、一晩だけの戯れに誰が気付くだろうか。不審に思ったのは、幻想郷の住人だった。多分、向こうの人間たちには見えないのだろうか。いや、見える。偽りの月が。
レイセンはいつぞやに起こった幾分古い記憶を頭の中でひっくり返した。突然思い出しかと思うと、それが中々箱の中に戻らない。記憶は忘れるものじゃない。古くなった玩具が下に行くように埋もれるだけだ。埋まっているのだからばら撒けば古いものが出てくる。たまにふと思い出すのだ。本当に蓬莱山輝夜様、八意永琳師匠が行なったことが正しかったのだろうか、と。確かに人間との戦いは防がれたかもしれない、その時は。それから、月はどうなったのだろうか。天井に昇る明るく照らす蛍光灯はいつか壊れてしまうのだろうか。けれど、一切以前に掛かった連絡は無い。それとも、壊滅させられたのだろうか。
レイセンも月から逃げてきた兔であるから、その恐怖も抉られるように解る。それでも、レイセンは仲間を捨てて此処で生きている。生きることに固執した、愚かな、兔。だが、レイセンにとって、今の居場所が永遠亭であり、それ以外には存在しない。月は、捨てたのだ。月の民であることには変わらないが、それは二人も同じはずだ。月の民であれ、その兔であれ、今のレイセンたちにとってその事実はいらないはずだった。けれども、埋め込まれるように残っていることに変わりはなかった。このことを悔いるなら、それがどういうことなのかをレイセンは解っている。解っているから、思い返すのだ。思い返すから、解るのだ。
結局の答えはレイセンたち本人の頭の中で作られているのだ。他の答えにはたどり着かない。初めから出されている回答なのだから。それを覆すにはそれなりの根拠が必要だ。そうなのだ、彼女達の答えは少しずつ改変されている。ただ、それが『月』と関係があるかといえば三途の川ほどだろうか。ただ変わってきたのは正しい。彼女達の答えは数式でもなんでもない、生物としての結論なのだ。だから、覆した結果がその裏になるかといえば、違う。彼女達は結局自分達を選んだのだ。それが幻想郷のやったことなのだ。些細な回答がそれを変えてしまう。どこかで木の葉が散れば、全てが変わってしまうのと同じかもしれない。
満月は、今日もひっそりと昇っている。そこで起きているのは何かとは知らずに地上に気持ちいい光を振り撒いている。幻想郷は今日も騒いでいる。彼女達もその他の此処にいる人間、妖怪、幽霊たちも。
まぁ作者様の判断次第なのですが。
感じ入りました。ただ、私程度の頭だとなかなか難解で、
もう少し読者に歩み寄って欲しかったなぁ……と思いました。
ていうかあっちは、信仰を集める姿勢を別にしても
諏訪子が加奈子と良好に暮らして早苗が真実を知ってそれでも思いが変わらなければ、それだけで大きな改変な気がしないでもない
>この量だとプチの方が向いてる気が…
相変わらず、注意書きを読まないやつが減らない
正直、どちらにしようか迷ったのですが、こちらにさせていただきました。
>6様
ありがとうございます><
そうですね……読み返してみると、ちょっと解り辛いので、次の作品はもう少し意識をして描いていきたいと想います。ありがとうございました。
>7様
そうですね。どちらにしても、妥協と運命、そして関係は必須ですよね。やはり、早苗さんや、可奈子様に諏訪子様の態度が幾分変われば、それこそ山々の方々と楽しくやっていけるわけなんですが、どちらかというと可奈子様が真面目すぎる感じがして私はなりませんね。