Coolier - 新生・東方創想話

アリスの幸福な日常

2008/06/09 01:24:28
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*鬱展開です。嫌な方はリターンしてください。














「こら、動いちゃ駄目よ。綺麗に出来ないでしょう」
「だって、もう飽きたんだもん。髪型なんてどうでもいいよ」
ある日の日常、アリスの家の一室、二人の少女の声が響いていた。
一人はこの家の持ち主、アリス・マーガトロイド。
もう一人はアリスより幼い声で、アリスが髪を弄るのをぐずっている。

「駄目よ、せっかくこんなに綺麗な髪なんだから。女の子は可愛くしないと」
そう言って、アリスは金色の柔らかな髪を丁寧に櫛でといていく。
「今日は何のドレスがいい?リボンのついたやつ?あれなら髪飾りは服に合わせて、ピンク色のものにしましょうか」
「動きやすいのがいい」
鏡の前に座らされた少女は頬を膨らませ、己の好みを主張する。可愛らしい外見とは違い、勝気で男勝りな声だった。
「あんまり動きやすいのにしたら、貴方家を抜け出すでしょ?」
アリスはこの少女を家の外に出したくはなかった。
誰かに見つかったら一大事だ。博麗の巫女に見つかったりしたら、目も当てられない。
しかし外の世界に興味のある彼女は、ことある事に窓からよじ登り、外に出ようとする。

(一度強く言い聞かせる必要があるわね)
軽くため息をつくアリスの元に、蓬莱がいくつもの髪飾りを持ってきた。
「ありがとう、蓬莱」
少女の髪を片手で括りあげ、どれにしようか思案する。
「ほら、大人しくする。今日のおやつは貴方の好きな、チェリーパイにするから」
「ほんとっ!?」
今までのふくれっつらと違い、満面の笑みを浮かべる少女にアリスも自然と笑顔が浮かんだ。
そんな二人の様子はまるで、母娘か年の離れた姉妹のようだった。
母娘と言う表現は有る意味あっているかもしれない。彼女はアリスに生み出された「人形」なのだから。



******



アリスは魔女であり、人形遣いだ。彼女自身としては『魔女』よりも、こちらの方に主体を置いているが。
人形遣いである彼女が目指すのは、より精巧な人形を作ること。

腕を動かせること。足で歩けること。指で物を掴むこと。首を傾げられること。言葉を発すること。
質感を感じられること。ミートパイが食べられること。舌で味わうこと。紅茶を飲めること。
体内で消化できること。それを活力へと変える事。夜眠ることが出来ること。表情が現れること。
心があること。知性があること。そして『己』があること。
つまり、アリスの人形師としての究極の目的は、人間と違わない「自律人形」を造り出す事だ。
造りだした後のことは考えていない。その目的を達すること自体が大事なのだ。
それを達すれば、彼女は人形遣いとして、魔女として、人として、偉業を成し遂げたと言える。


「・・・・・また失敗ね」
アリスは目の前に散らばる人形の残骸を、疲れた顔で見下ろしていた。

途中までは良かったのだ。魔法を動力として動く人の内臓と変わらぬ動きをする器官を生み出し、骨格を組み立て、人工皮膚を張り、外見上人とあまり変わらぬ姿を持たせた。
食事、排泄、睡眠、質感・・・・人間の持つあらゆる機能がきちんと働いているかどうか、何度もテストを繰り返し、まだまだ拙い動きではあるものの、人形はどうにかその一通りをやって見せた。これだけでも周りから見れば驚くべきことだ。
しかしこれでは命じられたことを、もしくは予め設定されたことを模範どおりに行うロボットと何ら変わらない。
加えて、内臓を動かすために用いる魔力の消費が殊のほか大きかった。
だが改良を加えていけば、アリスの目指す自律人形へと近づく筈だ。
この人形はそのための第一歩である。
更なるテストとして、試しに感情の元となる魂をほんの少し宿らせてみた途端、人形は内から弾けた。

人形の粘ついた透明な体液を頭からかぶって、内臓になりそこなった赤褐色の痙攣する物体を眺めながら、アリスはぼんやりとした顔で、散らばった肉片や腕を見ていた。
疲れきっていて、ショックで座り込んでしまいたいのに、頭はやけに冷静な思考を働かせていた。
何がいけなかったのか。
内臓に宿った魔力と魂が反発しあったのか。いや、魂という「モノ」に人形の器自体が持たなかったのかもしれない。
あるいは、もっと別の・・・・。

当然のことだが、魂を持つ自律人形を作り上げるのは非常に困難なことであり、その失敗例をあげれば二桁を超えるほどだ。もちろん、これはアリスのみの失敗数であり、紅魔館の図書館の書を開けば、その失敗例は数え切れない。
入手困難な材料集め、その過程に至るまでの研究の積み重ね、消費される莫大な体力と時間。
その全てがまた無に戻ってしまった。
こうなってはしばらく何もやる気は起きないだろう。
いつもこうだ。自律人形の作成に失敗した後は、しばらく何もせずだらだらと怠惰に過ごす。失った分の気力を取り戻そうとしているとも取れる。

――今回の研究は次にどこまで応用できるのだろう。
もしかすれば、全て白紙に戻してまた一から考え直さなければならないかもしれない。
頭が痛い。がんがんと鈍く響く頭痛を堪えて、アリスはふらついた足取りでソファーに向かうとそのまま座り込んだ。
もう丸四日寝てなかった。そんな主の元へ、上海人形が紅茶を持って飛んできた。
精神を落ち着かせる効果のあるハーブティーだ。カップを小さな両手で持つ人形の顔は、心配そうな表情が浮かんでいた。
「ありがとう、上海」
アリスはその心遣いに、小さな笑みを浮かべた。

上海人形は自律人形ではない。
一見上海本人が気を利かせたかに見えるこの行動も、アリスが最初に上海にインプットしたものに過ぎない。
浮かべられたその表情すらアリスが造り上げたものだ。
紅茶を一口、口に含むと、ほろ苦い香りと甘酸っぱい味が広がった。紅茶にマーマレードジャムを入れてくれたらしい。
ぼんやりとした目つきでカップをテーブルに置くと、アリスはそのままソファに横になり目を瞑った。暖かなまどろみにアリスは抵抗なく、その意識を明渡した。


翌日、アリスはいまだ悶々とした思いを抱えて、蓬莱が用意してくれた遅い朝食を口に運んでいた。

別にすぐに自律人形を作り上げる必要があるわけでもないし、一朝一夕で作れるほど甘いものでもない。
そのことを彼女はよく理解している。
アリスは魔女と言う種族の妖怪で、不死である。時間は無限にある。
失敗しても何度でもやり直すことが出来る。

しかし、いつもなら研究に失敗しても一晩寝ればそれなりに気も晴れたが、今回はそうはいかなかった。
自分でもしつこいとは思うが、今回は途中までは驚くほど順調だったのだ。
ひょっとしたら、これが私が作り上げる初めての自律人形になるかもしれない。
可能性が薄いとはいえ、アリスにほんの少しそんな期待を抱かせてしまうくらいに。
ゆえに中々諦めきれなかった。

その時ドンドンと少々乱暴なノックの音が聞こえた。
「おーい、アリスーーー!」
こんな森の奥に住む自分を訪ねてくる人物は限られている。男勝りの口調の人物も限られている。
一瞬居留守を使おうかとも思ったが、玄関の前にいるのがアリスの予想通りの人物なら、無視しても勝手に入ってくるに違いない。
以前など「居ないなら魔法ぶっ放すぞ」と問答無用でスペルカードを扉に構えていたことがあった。
もちろんすぐに飛び出してきたアリスにこてんぱに殴られたが。本当に居なかったらどうする気だったのか。
気が沈んでいる今は出来ればあまり人に会いたくないが、人懐っこい魔理沙と話せば多少気も紛れるかもしれない。

「開いてるから、勝手に上がってきていいわよ」
席を立つこともなく、アリスは玄関に向かって呼びかける。
「邪魔するぜ」
言いながら、やはり予想通りの黒白魔法使いが、帽子を脱ぎながら上がりこんできた。
「自覚があるならこないでよ」
アリスは憎まれ口を叩く。が、蓬莱はアリスの座っているテーブルの向かい側に、紅茶をもう一つ用意した。
「サンキュー、蓬莱。全く主人に似ずよく出来た人形だぜ」
笑いながらアリスの向かい側に断りもなく座り、紅茶のカップを手に取る。
「言っとくけど、蓬莱も上海も使役してるのは私よ」
「それにしても随分と遅い朝食だな、寝坊でもしたか?珍しい」
アリスの言葉をさらりと流し、魔理沙はテーブルにそろえられた朝食を指摘した。
確かに今は太陽も高く上り、朝というより昼に近い時間帯だ。
「研究が長引いたのよ」
「ああ、それでここ数ヶ月姿が見えなかったんだな。パチュリーから三週間前に図書館の本を借りていったっていう話は聞いたけど・・・・・・研究に失敗したとか?」
「放っといてよ!」
出来ればそのことにあまり触れられたくなかった。アリスは眉を顰め、ふいとそっぽを向く。

「大丈夫だよ」
むかむかと嫌な気持ちを堪えるアリスに、魔理沙は笑って言った。
「お前が目指してるのはとても難しいことだし、辿り着くのはすごく困難だろうけど、可能性はゼロじゃないんだから。知ってるか?どれだけ難しいことでも可能性がゼロでないなら、時間があって、諦めない限りは必ず達成できるんだぜ」
千、それで無理なら万、それで無理なら億。
諦めず、試行錯誤を重ね続ければ、いつかは必ず成功する。
そしてアリスにはその材料が揃っている。無限の時間と、知識と技術。
何度もリトライできる状況では、例え可能性がどれほど低くても、諦めければ必ず勝利できるようになっている。
つまり確立の問題だな。魔理沙はそういって紅茶を口に含む。
「そうね・・・・・・・ありがとう、魔理沙」
アリスは少しだけ微笑んだ。心のもやもやがゆっくりと晴れていく。
自律人形の作成はきっと不可能ではない、アリスはそう思う。
人の身でありながらその努力と根性で数多の妖怪をなぎ倒してきた魔理沙の言葉は、アリスにそう思わせるだけの力があった。
―――――ひょっとして、心配してくれたのだろうか。何ヶ月も姿が見えないと、様子を見に来てくれたのかもしれない。
そう考えるとますます自分の顔が笑みになるのがわかった。

「べ、別に・・・・」
あまり見られないアリスの柔らかな表情に恥ずかしくなったのか、今度は魔理沙がそっぽを向いた。
そんな魔理沙を小さな声で笑うと、アリスは「で?」と顔を上げる。
「何か用事があって来たんじゃないの?」
「そうそう!今度見つけたキノコがな、二、三日前に、湖の近くで見つけたんだけどさぁ・・・・」
魔理沙は本来の目的を思い出し、毎度お馴染みとなっているキノコ自慢をはじめた。
アリスはその声に耳を傾けながら瞳を閉じた。
心地よい声が耳をくすぐっていく。先ほどとは打って変わって、アリスはとても穏やかな気持ちだった。


「じゃ、そろそろお暇するぜ」
「何よ、もう行くの?」
あれからしばらく談笑して、魔理沙はお茶菓子を平らげると、箒を持って立ち上がる。
「ああ、今日はこのあと、パチュリーと一緒に共同研究する予定なんだ」
彼女は紅茶が少し残っているのに気づくと、カップを傾けて綺麗に飲み干し、今度こそ玄関へと向かった。
「そうだ、お前も来ないか?今回の研究はお前も結構、興味有る内容だと思うんだが」
「―――――遠慮するわ」
にべもないアリスの返事に、魔理沙はそっか、と少し眉を顰めたが、もう何も言わずに箒に跨り、アリスの家を後にした。
だから気づかなかった。アリスがどんな顔をしていたかを。



******



霧雨魔理沙は破天荒で、人に迷惑をかけて、トラブルメーカーで・・・。
それでも彼女が慕われるのは、情に厚く、他人への思いやりが強いからだろう。また、本人が寂しがり屋で人懐っこいのも関係しているに違いない。
アリスとしては、しょっちゅう人の家に押しかけては、勝手に魔道書や貴重なマジックアイテムを持っていく魔理沙を迷惑に思う反面、その慎の強さや屈託のなさを非常に好ましく思っていた。

少なくとも、アリスの中で一番大事な人はと問われれば、その顔がすぐに頭に浮かぶぐらいには。
そして、彼女の存在が自分の中で大きくなっていくにつれ、それに伴う負の感情も少しずつ大きくなっていった。それは「独占欲」と「別離」の恐れ。
霧雨魔理沙はアリスの中では一番大事に思える人だが、じゃあ魔理沙本人はどうだろうか。
恐らく魔理沙の中で一番大事だと思えるのは、数年来の親友であり無二の相棒である博麗霊夢その人だろう。アリスのことは友人でしかない。
それに例え彼女の一番を勝ち取ったとしても、今度は種族の差がアリスを苛むだろう。
人間と妖怪、老いる人間、変わらない妖怪。いつか必ず「寿命」という別れの時がくるのだ。

普段は意識しないその事を考え始めると、アリスの胸は酷く苦しくなるのだ。



******



自律人形の製作の失敗から、一週間後、アリスは紅魔館の図書館へと訪れていた。あの失敗の原因を探り出し、次の実験へ生かすためである。
奥では子悪魔が積み上げた本の整理をしていた。パチュリーは席について、いつも通りただ黙々と本を読みつづける。
アリスは子悪魔が用意してくれた紅茶に少し口をつけた後、自分の目当ての本を探すために、本棚の間を歩く。
図書館には静寂が保たれていた。
アリスが閲覧する本棚はいつも決まっていた。今回もその本棚を探り、自分の求める書を探す。
ぱらり、ぱらりと本を捲る音。
アリスは今日、この図書館にきて十数冊目になる本を開いた。
分厚いそれを途中まで注意深く読み進めたが、やがてこの本が自分の目的から逸れることが分かり、本棚に戻す。
戻そうとして、ふとあるページで手が止まった。

そのページには人間を元に作り上げるホムンクルスの作り方、および理論が記してあった。
単に人造人間を作り出そうというのではない。
学び、思考し、学習するホムンクルスの作り方である。
つまりこの本の理論にのっとれば、このホムンクルスはやり様によってはいくらでも自身の能力を高めていくことが出来るのだ。
そして製作者には絶対服従。感情があるわけではないから、反抗することもない。
アリスが作りたいのは自律人形であり、一見このホムンクルスと同じように思えるが、実質全く違うものだ。
成長することが出来る自分の手下ではなく、感情を持つ人形を作りたいのだ。
根底からしてその意義が違う。
ただ―――――ただ、この人間をベースにするというやり方は、ひょっとして応用できるのではないだろうか?

馬鹿な、とアリスは自分の考えに首を振った。
自分が作り出したいのはあくまで「人形」だ。
人間をベースに人間とほとんど変わらない存在を生み出すのに、果たしてどれほどの意味があるのだろう。
それでは本末転倒である。
そう思うのにアリスの手はその本を離さない。その方法が書かれたページに目が吸い寄せられる。

パチュリーが本を捲る音、子悪魔が本を整理し終え、新たに紅茶を入れる音。
図書館の静寂は保たれている。

アリスは震える手でページを捲りつづける。思考とは裏腹に、頭はしっかりとその文字の意味を拾っていく。

カチ、カチ、と時計が秒針を刻む音。ページを捲りつづける音。
やがて一冊の本を読み終えたパチュリーが、本を閉じると子悪魔の入れた冷めた紅茶に口をつけた。
そしてふと思い出したかのように、アリスのいる方へ顔を向ける。

「そういえばアリス、探し物は見つかったの?」
パチュリーのその小さな声が、アリスの意識を現実へと引き戻した。
「え、ええ。おかげ様で」
言って少し笑みを浮かべると、あらかじめ決めていた本数冊と、今読んでいた本をパチュリー見せた。
「ところで、この本借りていっていいかしら」
「・・・ちゃんと戻すのなら構わないけど」
パチュリーはそう呟くと、司書の子悪魔を呼んだ。
アリスは子悪魔から渡された紙に、自分が借りる本の題名と冊数を記入して、図書館を後にした。
参考にするだけよ、と胸の内で呟きながら。


自宅に帰るとアリスは猛烈な勢いで本を読破し始めた。
本を一通り読み終え、その全てが頭に入ると、次は自分が持てる限りの知識を使って理論を組み立て始める。
どうせ実行したりはしないのだからと、本気半分冗談半分で、軽い気持ちで作り始めたその理論は、内容が具体的になるにつれ、自然とアリスは真剣になっていった。
こうでもない、ああでもないと紙を破り捨て、新たな紙に再び書き始める。
書きつづけるうちにインクが切れた。引出しを乱暴に開け、インクを引っ張り出す。
空のインク容器が邪魔だった。手で払いのけ、インク瓶が床で砕ける。
途中まで書き進め、新たな矛盾に気づく。
打開する方法はないかと、部屋中の本を探り、見つかればまた書き込む。
そして書き込んだその方法が、別の新たな矛盾を生むことに気づき、苛立たしげに紙を破り捨てる。
上海が置いてくれた紅茶のカップが肘にあたって零れる。お気に入りのカップが欠ける。
しかしそんなことに構ってはいられない。

アリスはその日、部屋に篭って不眠不休で理論を組み立てつづけた。



******



「―――――完璧だわ」
アリスは荒々しい文字で書かれた自律人形を生み出すための理論を、机に置いた。
三日間部屋に篭りきりで、これを書き上げた。
食事どころか水一杯口にすることなく、この三日間全てをこのために費やした。
これもアリスが妖怪だからこそ出来たことである。
しかし妖怪にして見ても、この時のアリスは正気の沙汰ではなかった。

―――一体何をやっていたのか。
この方法は理論上は可能でも、現実では普通に考えれば不可能なことである。
道徳的にも世間的にも人形師としても。
もちろん手段を選ばぬのなら不可能ではないだろうが。

アリスはこの理論を異常な熱心さで組み立てた自分に苦笑する。
第三者があの自分の姿を見れば、さぞ不気味だったろう。
ただ、身体的には酷く疲労しているが、何かやり遂げた達成感というか、充足感のようなものがアリスにあった。
憑き物が落ちた、とでも言おうか。一仕事終えた満足な疲れだ。

とにかく、理論上では可能なことが証明できた。後は機会があればいつでも実行に移せる。
そう考えて、アリスは立ち上がる。軽く湯を浴びてベッドで横になりたかった。
食事は起きてからでいい。そこまで考えて、ひやりと背筋に寒気が走った。

・・・・自分は今何を考えた?
最初は単にその方法が理論上可能かどうか、軽く確かめるだけのつもりだった。
しかし今のアリスは無意識にそれを実行に移すことを前提にしていた。
「・・・・少し疲れてるわね、私ってば」
無理に苦笑して、アリスは思考を振り払うように、扉を開けた。



******



「アリスー、邪魔するぜー」
いつものように金髪白黒の魔法使いがアリスの家を訪ねたのは、その二日後だった。
「よ、また研究に失敗してへこんでるんじゃないかと思って来てやったぜ」
「余計なお世話よ」
いつもの軽口に、やはり自分も軽口で返す。ただ、もしその言葉が本当ならそれはとても嬉しいことなので、今回は特別に高価な紅茶を出してやった。

「どうだ、前回の研究の成果は上がったか?・・・・と言っても、そんなに簡単に出来るものじゃないか・・・・」
自分の言葉に苦笑する魔理沙に、アリスは得意げに言ってやる。
「できたわよ」
「そうだよな、そんなにすぐに出来たら苦労しない・・・・・・・って、できたのか!?本当に?」
驚愕の声をあげる魔理沙に、アリスは気分が良くなった。
今の自分はさぞ満面の笑みを浮かべているに違いないと思いつつ、口にする。
「本当よ」
「自律人形・・・だよな?別の研究じゃないよな?」
「間違いないく、自律人形についてよ。と言っても理論上だけど・・・・」
それ以上は言葉が続かず、アリスは僅かに俯いた。

「どうしたんだよ?理論上でもできたんだろ?なら、後は実行に移すだけじゃないか」
「できたはできたんだけど・・・・・」
アリスの声が暗くなる。
「何だよ、材料が入手困難とか?現実的に不可能とか?」
「いや、材料は手近にごろごろしてるし、やろうと思えばできないこともないんだけど・・・・」

そう、自分がその気になれば不可能ではない。
少し離れた里に行って人間を攫ってくればいいし、それを行えるだけの技術もあるつもりだ。
ただ、アリスに足りないのは覚悟だ。
もし失敗すれば自分はその人間を殺したことになるのだ。いや、成功したとしてもその人間は失われてしまうのだ。それに成功すればまだいいほうで、失敗した場合はアリスはその人間を無駄死にさせたことになる。
いや、そもそも人間を解体して、その魂を抽出するという行為がアリスに出来るかどうかだ。
実力や論理ではなく、気持ちの上での問題なのだ。

あの理論を組み立てた後。
アリスは少し眠って体を休めた。
疲れているからこんなことを考え付くのであって、眠ればこんな考えは吹き飛んでいるに違いないと。
しかし、起きてもその考えはアリスの頭の片隅にひっそりと残っており、ふとした瞬間に顔を覗かせる。

あの本が正しいならば、魂を抽出することは可能だ。
やり方次第では失敗するかもしれないが、可能なはずだ。でも魂を失った肉体はどうする。生きるための原動力を失った体は、ゆっくりと生命活動を停止し、やがて死体になるだろう。
―――庭の裏に埋めれば。そう、そしてその上に花を埋めて花壇にしてしまえばいい。

博麗の巫女、霊夢に気づかれたらどうする。霊夢は調停者だ。人間を襲う妖怪には容赦しない。恐らく自分でも。霊夢は悲しい表情を浮かべながら、それでもアリスを粛清するだろう。

―――バレなければ問題ない。里の人間がいなくなっても、それとアリスを結びつけることは困難なはずだ。そもそも人間が一人行方不明になったぐらいで、気にはしないだろう。

いや、しかし一度で成功するとは限らない。魂の抽出だけでも、数人の人間でテストする必要がある。しかし数人の人間が立て続けに行方不明になったら霊夢はどう出るだろう?面倒くさがりながらも、犯人探しをするのではないか?妖怪の仕業ではないかと見当をつけるだろうか?
―――これも、アリスの仕業と知られなければ問題ないはずだ。つまり人を攫った痕跡を残さなければいいのだ。アリスに疑いが掛からなければ構うものか。

思考はまとまらず、アリスの頭を巡りつづける。
ただ、アリスの考えはどうすれば「それ」が実現可能か、という方向に向かっていた。
アリス自身、気づかぬうちに。
時折我に返り、何を馬鹿なことを、と首を振った次の瞬間には、でもこうすれば可能ではないかと、自問自答している。
もうアリスは、自分がどうしたのかわからなかった。
いや、分からない振りをしているだけでもう答えは出ている。
アリスの机の上にはくしゃくしゃになった自律人形組み立ての理論が、しっかりと置いてあるのだから。
この二日間の間何度も破り捨てようとした。これがあるからこんな恐ろしいことを考えるのだと。
しかし、アリスには結局出来なかった。丸めてくずかごに投げ入れては、しばらくしてまた取り出すということを繰り返していた。



「―――なんか理論が完成したってのにあまり嬉しそうじゃないな。前失敗した時よりも憂鬱そうに見えるぜ」
「・・・私も色々あるのよ」
「色々、ねぇ。私なら理論的に出来ることが証明されて、実際試してみることが可能なら即効試すけどな」
おどけてそう口にした魔理沙にも、アリスは反応しない。
魔理沙はそんなアリスを見て、眉を顰めた。これは相当深刻だ。いつもの強気な彼女らしくないその様子に魔理沙は戸惑う。
そんな友人を元気付けたくて、魔理沙は口を開いた。

「元気出せって、アリス。必要なことがあれば、私も協力してやるから」
あくまでそれは好意であり、友情から出た言葉であり、故にその言葉が後に己にどういう影響を及ぼすか等とは、露ほどにも考えなかった。

アリスががばりと顔を上げた。目が見開き、魔理沙を凝視していた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・おい、アリス?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
魔理沙の声が聞こえているのかいないのか、アリスは愕然とした顔で、魔理沙の顔を穴が開くほど見つめている。
「・・・・・・・・・・・な、なぁ、どうしたんだ。私、何かやばいことでも言ったか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・いいえ」
ようやく、小さく返答が返ってきた。アリスは目を瞑って、軽く頭を振る。
次に目を開いた時には、もういつものアリスに戻っていた。
「ごめん、今日は疲れたからもう帰ってくれないかしら」
アリスは苦笑して魔理沙に告げる。その様子に、魔理沙は内心ほっと息を吐いた。
「あ、ああ。わかったぜ」

アリスが心配な気持ちもあったが、魔理沙の中にはそれと同時に、ここをすぐに離れた方が良いという奇妙な確信があった。
多分、そうしないと大変なことになる気がする。自分は大きな地雷に触れたのではないか。
魔理沙はそそくさと立ち上がると、箒を手に玄関まで向かった。
「魔理沙」
見送りに来たアリスが後ろから声をかけた。
「・・・・ん、何だ?」
「――――――――ありがとう。私、魔理沙のこと大好きよ」
それは心からの想いが篭った言葉だった。
魔理沙はしばらくぽかんとしていたが、やがてにっこりと笑った。
「おう、この魔理沙さんに感謝しろよ」
いって魔理沙は箒にまたがると、自分の家を目指して飛んでいった。
アリスのあの笑顔を見た瞬間から、魔理沙の中の奇妙な不安感は綺麗さっぱり姿を消していた。
今日のアリスは少し不安定なだけだったのだ。
でも自分がきたことで、少しでも不安を取り除けたのだろう。だからあんな風に言ってくれたのだ、と。


「ありがとう、魔理沙・・・・・・」
アリスは遥か上空に消えた大切な人間をいつまでも見つめていた。
「私に決心をつけさせてくれて―――――」
その言葉の通り、今のアリスには迷いを断ち切った確固たる決心が胸の中にあった。

そして、魔理沙がもたらしたのは不安を断ち切る決心だけではなかった。
一番の材料がすぐ傍にあることにも気づかせてくれた。
そう、彼女は素材として申し分ない。
彼女を使えばきっと私は人形師至上、最高の人形を作り上げることが出来るだろう。
必ず成功するに違いない。失敗は許されないのだから。

もう私は迷わない。
私は、私の望みをかなえよう。
長年の夢と、果て無き愛情に終着を迎えるのだ。
人形を造ろう。
己の意思を宿す自律人形を。



******



アリスの目の前には、一人の少女と一体の人形が眠っている。
ゆるくウェーブのかかった長い金髪と、白い肌、幼い顔立ち。
外見も出来る限り似せて造った。ただし、人形の方は魔理沙より少し小さな身体をしていたが。
構造上、外見年齢を二、三歳下げざるをえなかったのだ。
でなければ体が大きすぎて、食物と魔力のみで上手く循環のバランスを取れない。

何度も何度も造っては壊し、造っては壊し、何一つ異常がないか確認しながら造りあげた。
里から人を攫っては魂を抽出し、誤作動を起こさないかテストを繰り返し、ようやくここまで来たのだ。
それはまさにアリスが精魂込めて造った人形。

―――ようやく、このときが来た。
アリスは待ちわびる。新しい命の目覚めを。



******



その日。
何時ものようにアリスの自宅を訪ねた魔理沙を、アリスは笑顔で迎え入れた。
その時のアリスはいつもと異なり、目の下には隈が出来、髪はほつれ、顔は少しやつれていた。
ただ、その美しい蒼い瞳だけは、異様なほどにぎらぎらと輝いていた。
何時にないその態度に、魔理沙は違和感を覚えたが、しかしその理由はすぐにわかった。
アリスから満面の笑みで告げられたのだ。
「自律人形が出来上がった」と。

「見たい、見たいでしょ?」
アリスは、見たがるのが当然と言わんばかりの態度で問い掛けてきた。
出来上がった長年の夢の結晶に、浮かれているのだろう。
自慢したくて、披露したくてしょうがないのだ。
しかし魔理沙の方も、魔法使いとして、今まで応援しつづけた友人として、そして純粋な興味として、お目にかかれるものなら是非見せてもらいたかった。
二つ返事で頷いた魔理沙を、アリスは「来て」と別の部屋へ誘った。
魔理沙は出されたやけに甘ったるい紅茶を飲み干すと、アリスの後に続いた。


アリスに連れてこられたのは暗い部屋だった。
カーテンは全て締め切られ、中には日の光が入らない。
代わりに火の灯った蝋燭が数本、部屋の中を照らし出していた。

「何、これ・・・・・・・・・・」
魔理沙は目の前に横たわる人形を呆然と眺めている。
それもそうだろう。
横たわる人形は肌の質感、瞼にかかる睫毛、金色の細い産毛まで、恐ろしいほどに精巧に出来ていた。
何も言われずに部屋に入ったなら、子供が寝ていると勘違いしたことだろう。
しかし、眠っているにしては微動出すらしないことが、この少女が人間でないことを物語っている。

だが、魔理沙が驚いたのはそのことではない。確かにこの人形の出来栄えは驚嘆に値するが、驚いたのはむしろ・・・・・・・・・・・。
「――――――――なんで私と同じ顔をしているんだ」

人形は魔理沙が非常に見慣れた顔立ちをしていた。自分がいつも鏡で見ている顔だ。
つまり魔理沙と瓜二つの顔立ちだった。
正確には人形の方が少し幼い姿ではあったが。しかし一目で魔理沙だと見分けがつく顔だった。

「素敵でしょ?―――すごく、頑張ったのよ。何度も何度も造り直したんだから・・・。でも、ようやく出来上がったわ」
アリスは扉を後ろ手に閉めると、にっこりと笑顔を浮かべた。
「あ・・・・・・・悪趣味にも、ほどがあるだろう・・・・・」
魔理沙は震える声で呟く。
他人をモデルに人形を作る。おまけにその本人に対して断り無しとくれば、不気味なことこの上ない。
しかも単なる人形ではない。感情を持ち、自我を持つ、人間と人形の境界が非常に曖昧な自律人形だ。

背筋から寒気が這い上がる。アリスは今まで家に篭りきりで、これを作っていたのだろうか。
アリスが自分そっくりの人形の首を持ち、眼球を埋め込む様子を想像して、戦慄が走った。
足がよろめき座り込みそうになる魔理沙を、アリスが背後から肩を掴んで支えた。

「魔理沙・・・・どうして、貴方をモデルにしたか分かる?」
アリスは背後から魔理沙の耳元で、囁いた。うっとりと上気したその表情で、睦言のように甘く囁く。
「あなたが・・・・私にとって一番大切な人だからよ。私、魔理沙と離れたくないの。ずっと一緒にいたいの。
―――でも、貴方は私以外にもたくさんの友人がいるし、一つの所に留まってはくれないわ」
吐息が首筋にかかった。魔理沙は動けない。
「それに、私は妖怪で魔理沙は人間・・・・・・・・。私たちは、同じ時を生きることは出来ない。
―――――――でも、この人形が完成すれば、全ての問題が解決するのよ。私の夢の実現とともに、ね」

「こ、この人形は・・・・」
魔理沙が唇を震わせながら呟いた。黙っているのが怖かった。沈黙が恐ろしかった。
しゃべっている間はまだ安全ではないかと、その気分に突き動かされて話す。
肩にかかったアリスの手が、とても不気味なものに思えた。
「もう・・・完成、してるんだろ・・・・・・・?」
ゆっくりと吐き出されたその疑問に、アリスは首を横に振る。
「いいえ、器は出来上がったけど、完成じゃないの。―――――完成じゃないのよ。まだ仕上げをしていないから」

魔理沙は咄嗟にアリスを突き飛ばし、扉に向かって走り出す。
アリスが尻餅をついたのが視界の端に移るが、謝る気は起きなかった。
しかし踏み出した魔理沙の足は、何故か力が入らずそのまま横に転倒した。
「なっ・・・・」
慌てて起き上がろうとするも、腕が動かない。
いや、それだけではなく、首を動かすことすら酷く困難だった。
全身が痺れたかのように力が入らない。

アリスはスカートの埃を払うと、ゆっくりと立ち上がる。
そして、倒れている魔理沙を見てにんまりと口の端を歪めた。
予め逃げることを予想して、紅茶に薬を混ぜておいたのである。
アリスを微塵も疑わなかった時点で、そもそも魔理沙の負けだったのだ。
「魔理沙」
ひたり、ひたりとアリスが近寄ってくる足音が響く。
魔理沙は恐怖に駆られて悲鳴をあげようとしたが、声すらも出ない。
「魔理沙」
アリスは愛しい人の名前を呟く。
ゆっくりと魔理沙の頬に手を這わせるその顔は、慈愛に満ちていた。
「大丈夫。痛くないし、怖くない。眠っている間に全て終わるわ」
鼻先が触れそうなほどに、アリスは顔を近づける。
魔理沙は悲鳴を上げることも、暴れることも出来ず、ただ震えながらアリスを凝視している。
「上海」
アリスの呼びかけに上海人形が、透明の液体の入った小瓶を持ってくる。
よく見ればすぐ傍には蓬莱、その他魔理沙が名前を知らない人形達が、揃って二人を見守っていた。
(ああ、そういえば今日は、今まで上海の姿が見えなかった)なんて場違いなことが魔理沙の頭をよぎった。
いつも紅茶を入れてもてなしてくれるこの人形も、主の命令には忠実だった。
恐怖に震える魔理沙には見向きもせず、無情にもアリスに小瓶を手渡す。
アリスは受け取った小瓶の蓋を開けた。
「おやすみ、魔理沙」
小瓶を傾け、零れる薬を自分の口に含む。

『そして、少しの間だけさようなら』

紡がれなかった言葉は、魔理沙の唇と重なって消えた。



******



アリスは待っていた。
この小さな人形が起き上がる瞬間を。
人形が瞳を開き、呼吸し始めたその瞬間から、アリスはこの世の誰よりもこの人形を愛せると確信していた。
周りに集まった人形達も、新しい妹の誕生を今か今かと待ちわびている。
やがて、人形の金色の睫毛が微かに震えるのが見えた。
アリスは、胸の中で歓喜が溢れるのを感じた。



******



「ワタシ」はゆっくりと目を開いた。
その瞬間瞳につんとした痛みを感じ、透明な液体が頬を伝った。

それは、生まれて初めて空気に触れた眼球を保護するための涙だったが、彼女自身に分かりえることではなかった。

頬に生暖かい液体を伝わせたまま、ゆっくりと首を動かした。
ぎこちなく動いた首のおかげで、「ワタシ」はここが薄暗い部屋の中であることを知る。
蝋燭の光がちらちらと揺れ、壁にぼんやりとした影を作り出していた。

「目が覚めた?」

優しい気遣うような声が、ふいに耳に飛び込んできた。
またぎこちなく首を動かし正面を向くと、一人の少女がゆっくりと歩み寄ってくるところだった。

美しい少女だった。
金色の髪は蝋燭の火を照り返し、煌めいて見える。肌は眩しいほどに白く、瞳は底が見えない深い蒼をしていた。
そして、彼女の顔には紛れもない歓喜と、愛情が浮かんでいた。
「私はアリス。貴方の誕生を待っていたわ、貴方のお姉ちゃん達と一緒に」
――――おねえちゃん?
ふと気づけば、その数は数百にのぼろうかという幾多の人形が宙に浮かび、二人を見つめていた。

アリス、は手を伸ばし「ワタシ」を優しく抱き起こした。
愛しくて堪らない、そういった表情で髪を梳き、壊れ物でも扱うかのようにやんわりと「ワタシ」を抱きしめてくれた。
「ワタシ」はそっと瞳を閉じ、体を縮めてその腕に身を預けた。
・・・それはとても暖かな、慈愛の篭った腕だったので。





******


アリスは喜びのあまり、胸が弾けそうだった。
彼女の腕の中には、幼い姿をした人形が、気持ちよさそうに目を閉じて丸まっている。
愛しいあの人の魂を持つ、自律人形が。
アリスは万感の思いを込めていった。
「―――――――誕生おめでとう、魔理沙」
・・・・・やってしまいました。ものすごく反応が怖いです(泣
語彙が貧弱なのと書き慣れていないのとで、随分見苦しい文章になってしまいましたが、よろしければ感想お願いします。
誤字脱字、文章的におかしいところも教えていただけるとありがたいです。
暇人A
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コメント



0.1700簡易評価
5.80脇役削除
怖いけど、あながちありえそうでないのがアリスの凄い所
いや~楽しかった…
9.70名前が無い程度の能力削除
最後、喜びのあまり、本当に胸というか心臓が弾けても面白かった(?)かな
な~んて思ってしまう私って
18.90名前が無い程度の能力削除
面白かったです。
ダークなはずなのに綺麗だと感じましたよ
19.無評価名前が無い程度の能力削除
たぶん誤字だとおもうので
子悪魔→小悪魔
20.無評価名前が無い程度の能力削除
「え? これで終わりなの?」
というのが、読み終えてまず感じたことでした。
オチていないというか、長編の序章だけを読んだみたいというか・・・。
また、『魂』という重要な要素を他から持ってきておいて「アリスが自律人形を
作った」と言えるのかどうかも微妙なところかと。
自律人形の『器』を作っただけじゃないですか?
文章や描写は上手だと思います。
今後に期待という意味で、評価はあえてフリーレスを。
21.無評価名前が無い程度の能力削除
霊夢に事が知れたら恐ろしいことになる予感がしますね。。。
24.無評価名前が無い程度の能力削除
魔女じゃなくて、魔法使いですよ?アリスは。
25.80名前が無い程度の能力削除
慎の強さ→芯の強さ だと思います
26.80名前が無い程度の能力削除
もっと読みたいって気になりました。
続きがあったら俺がよろこびます。
27.無評価名前が無い程度の能力削除
ちょっと気になったんだが
 花を埋める→植える
じゃないかなと