Coolier - 新生・東方創想話

少女との馴れ初め

2008/05/20 16:31:42
最終更新
サイズ
9.92KB
ページ数
1
閲覧数
539
評価数
7/37
POINT
1810
Rate
9.66
#################このお話は作者の妄想です それでもよければ読んでみてね#################



























霧雨魔理沙が初めて森近霖之助と顔を合せたのは、まだ物心ついて間もないぐらいの歳頃だった。

ある日、偶々彼女は母が不在だったので父にくっついて仕事場まで遊びに行った。

彼女の父の仕事場である店はたくさんの客と店員で大きく賑わっていた。

まだ幼く何も知らなかった魔理沙にとって店の中や裏側を見ることは非常に興味深いことだった。

「魔理沙はこんなに小さいのに店に興味を示すなんてな」

何にでも興味を示す魔理沙に彼は喜んで何でも教えた。

魔理沙は幼い頃から賢く物覚えが良かった。

親から見ると何を教えてもよく噛んで飲み込んで吸収する理想的な賢い子供だったのだろう。

しばらく魔理沙に一通り店を案内すると彼は店先に行ってしまった。

「少しの間ここで大人しくしているんだよ」

魔理沙は素直に店の奥で待っていた。

家に帰ったら店のことを母にどのように話すかを考えていたとき、店の裏口を開け誰かが何も言わずに入ってきた。


僕がいつものように裏口からお邪魔させて貰うと、見知らぬ子が呆然とこちらを見ていた。

この子は誰だろうか、と記憶の扉を開くが生憎こんな子供は知らない。

おそらく従業員か何かの子供なのだろうと勝手に自己完結させてもらおう。

考え事を終え子供のほうを見るとまだこちらを見て動かない。

こんな子供に用が有る訳ではないが一応の挨拶はしておこうかと思った。

「僕の名は森近霖之助。霧雨氏に用が有って来たのだが、君は彼がどこにいるのか知らないかい」

霧雨という名前を出して彼女が反応したのを見るとやはり店の関係者の子供なのだろうと勝手に結論を付けた。

「お、お父さんのこと…」

予想していなかったことに彼女から言葉が返って来た。

それも意外な言葉と共にだった。

「お父さん…だって。君は彼の子供なのかい」

そういえば前に彼から子供も物心がついて可愛くなってきたと聞いたことがある。

「う、うん…。私は霧雨魔理沙ていうの」

なるほど、言われてみれば彼の奥さんに似ていないことも無いと感じてしまうあたり、僕は調子がいい人間なのだろう。

「そうかい。でだ、彼は店のほうにいるのかい」

店のほうに意識を傾けると忙しそうな様子が伝わってくる。

相変わらずの繁盛っぷりだ。羨ましいとは思わないが、懐かしい。

「そうだと…思います」

今気がついたのだがこの子は僕に怯えてるのかビクビクしている。

何か怖がられるようなことをしただろうか、と魔理沙を無視して延々と考えていた。

「おお、霖之助か。久しぶりだな」

気がつくと店のほうから彼が顔を出してきていた。

「上がらして貰ってますよ」

「待ってろ。すぐ行くからな」

すっかり僕の頭の中から魔理沙が怯えてた理由については消し飛び、彼との四方山話のネタを思い出し始めていた。


お父さんと彼が楽しそうに話しているのを何となく見ていた。

目つきは怖いが悪い人では無さそうだというのを肌で感じていた。

「魔理沙、ちょっとこっちに座りなさい」

どうやら挨拶でもさせられるようだ。

お父さんの隣に座り彼の表情を伺うように彼を見るとやっぱり目つきが怖かった。

「ああ、さっき彼女とは自己紹介を済ませているよ。よく出来たお嬢さんだね」

「そうだろうそうだろう」

どうやら声色や口元を見ると彼は機嫌がいいようだ。目つきは変わらないのに。

ただ目つきが悪いだけの人なのだろう。

「魔理沙、彼は昔ねここで修行していたことがあるんだよ」

意外だった。ただの年の離れた友達だと思っていた。

「君が生まれるぐらいまではここにいたんだがね」

どのぐらい昔からいたのだろうか。

「霖之助、お前は老けなくていいよな」

「そうでもないさ」

不思議な人だった。

見た目は若いお兄さんにしか見えないのに全然若い気がしない。

「お父さんとどっちが年上なの」

どう見ても自分の父親のほうが年上なのだがなんとなく聞いてしまった

「僕だよ」

「えっ」

「僕は半人半妖だからね。寿命が人とは違うのさ」

びっくりしてよくわからなかったがこの人が凄い年上だというのはわかった。

半妖ってことは妖怪なのかな。

「変わってるだろう、こいつは妖怪と人間のハーフなんだ。だから言うことも変わってるんだ」

「個性があると言ってもらいたいね」

二人とも私のことはそっちのけでなんだかよく分からない議論に入っていった。




霧雨魔理沙と森近霖之助の出会い自体は極めて普通のものであった。

その後もしばらくは普通に知人としての関係が続いていた。




ある日、霖之助が2ヶ月ぶりに魔理沙の家を尋ねに行くと、家には魔理沙しかいなかった。

土産を置いただけで帰るのも妙なので魔理沙の相手でもしながら主人を待つことにした。

「なあ、霖之助さん」

机にしな垂れて腕を枕にしながら魔理沙が切り出してきた

最初は可愛かったのだが、この家の人間の猫可愛がりはこの少女には毒だったようだ。

男言葉のようなものを交えて話すように成長してしまった。

自分の娘ではないが幼い頃よりちょくちょく面倒を見てやってきた霖之助としては複雑な気分だった。

「魔理沙、男言葉は女の子としてはどうかと思うよ」

「まあいいじゃないか。それより、霖之助さんも店をやってるんだよな」

人の話を昔は素直に聞いてくれたものだが、たったの数年でよくここまで変わるものだ

「まあやっているが、それがどうかしたのかい」

人の世の無常を嘆かずにはいられない。

「どんな店なのかと思ってさ、まだ話聞いたことがなかったからさ」

ふん、まあ店のことなら話してやってもいいか。

以前、薀蓄をたっぷりと聞かせてやったら彼女の父親に怒られたことがあった。

人の知識を馬鹿呼ばわりするほうが愚かな行為であると主張したが受け入れられなかった。

「僕の店は古道具専門の店だよ。外の世界の品を扱っている所が特別かな」

「ふーん。で、何て名前なんだ。どうせ森近古道具店とかなんだろ」

馬鹿にしたような態度だが、いつの間にか椅子にちゃんと座りなおしている。

親の教育にも一部感謝だ。

「店に自分の名前をつけれるほど大きくないんでね、香霖堂という名前をつけている」

「変な名前だな」

「失礼な。君にこの名前の由来をちゃんと教えてやろう」

しばらく魔理沙に店の名の由来と自分の名の由来をきっちり教えてやった。

決して薀蓄が語りたかったわけではないのを明言しておく。

「あー、話が長いぜ相変わらず」

「君が短絡的なんだ」

それからしばらく取り留めの無い話をしたり、マジックアイテムの講義をしたりの時間が続いた。

気がつくと日が暮れてそろそろ帰りが危険になる頃だった。

午後5時。窓ガラスから入り込む夕日のオレンジ色には半妖の僕でも妙な気分にさせられる。

肝心のこの家の主人と奥方もそろそろ帰ってくるだろうが、そろそろお暇させて頂こう。

そんな僕の様子に気がついたのか、魔理沙が僕の方をじっと見ていた。

少し前までは僕が帰ろうとするたびに寂しがって半べそをかいたものだ。

僕が忘れ物が無いか確認してもう一度魔理沙の方を見ると、珍しく魔理沙がもじもじしていた。

「魔理沙、どう…」

「なあ霖之助さん。これから香霖て呼んでもいいか」

唐突に何を言い出すのかと思った。

「あだ名だよ。私と香霖ぐらいの中の良さだったらあだ名で呼び合ってもいいだろ」

なるほど、子供らしい理屈だ。何故だかいつものような面倒臭さは無かった。付き合ってやるとするか。

「いいよ。そう呼ぶことを許すよ」

ちょっと恥ずかしい感じだが悪くない。不思議な気分だった。

「へへ、ちょっと呼ぶのも恥ずかしいな」

珍しく魔理沙も恥ずかしいのか顔が赤くなっていた。

「それじゃあまたね魔理沙」

暗くなりかけた道を少し早歩きで帰途につく僕の足取りは普段より少し軽くなっていた。





私の中で森近霖之助が香霖に姿を変えてから数年がたった。

最近は父親と上手くいっていない。

私は魔法についてもっと学びたいのに、女の子らしくないといってやめさせようとしてくる。

昔はなんでもやらせてくれたのに。

香霖が言うには、親子でよく似た頑固者同士だとか言うんだけども私は頑固じゃないんだぜ。

最近は前ほど香霖が遊びに来てくれなくなって自分の味方は誰もいない。

「魔法の森か…」

日に日に香霖堂への思いは強くなる。

あいつの近くなら家族にうるさいことも言われずに魔法の研究に没頭できる。

いつの日か私も魔法の森で魔法使いになってやる。

家族にも実力で自分のやることを認めさせてやるんだぜ。


その決意から数日後、魔理沙は実の親に勘当されることとなる。





ある日珍しく僕のほうに彼から呼び出しがあり、急いで霧雨邸に向かった。

彼の話では魔理沙を勘当することにした。

今後の娘の一切をお前に任せる、とのことだった。

彼が言い切るのだから文句を言ったり理由を聞いても無駄だろう。

それより気になるのは彼の横で下を向いて震えている魔理沙だった。

こういう魔理沙を見るのは初めてだった。

とりあえず、僕は彼女の手を引き自分の店に向かうことにした。

暗くなって妖怪に襲われると面倒なことになるからだ。

何があったのかは僕には分からないが、彼に魔理沙の保護を任されたのだから僕がついていてやらなければならない。

まずは僕の店まで連れて行って休ませてやらなければなるまい。

「魔理沙、まず僕の店に一緒に行こう。それから君の家を探しに行こう」

流石に元気の無い魔理沙の荷物を持ち手を引っ張って歩き出す。

「魔法使いになるってことは普通の人間とは一緒にいられなくなるのさ」

魔理沙はべそをかきながら黙って僕についてくる。

「君はもう家には帰れない」

魔理沙の肩がビクンと震えた。やっぱりいくら魔理沙でも勘当されるというのは応えたのだろう。

彼も自分の娘にこんなきつい仕置きをする気は無かったのだろう。

だが、彼の性格は頑固すぎた。ついカッとなって言ってしまってから後悔しただろう。

彼が一度言ったことを取り消さないことは僕は良く知っている。

奥方は悲しむだろうが、今は他の子の世話で精一杯だろう。

「出来る限り僕を頼ってくれていい。遠慮なんて必要ない」

「うう…こう…りん」

この子が独り立ちするまで、この子の親代わりになってやらなければならない。

しばらく歩いているうちに香霖堂が見えてきた。

こんなことならもっと店先を綺麗にしておけば良かった。

「香霖堂へようこそ。霧雨魔理沙」

魔理沙は泣くのも忘れて僕の店を見つめている。

魔理沙が今どんな気持ちで香霖堂を見ているのかは分からない。

僕らしくない感想だが、この店から彼女の新たな生き方の一歩となってくれれば嬉しいと思う。




それからいろんなことがあった。

博麗神社の次代の巫女と合せたり、ミニ八卦炉を作ってやったり、家を建ててやったり。

最後のは素直になれない親父殿から後で送られてきた迷惑料から何とかしてやった。

女の子だし、家族以外の男といつまでも暮らすわけにはいかないだろうし。

それから幾許かの日々が過ぎ去っていった。

よく博麗神社の霊夢とよく遊んでいるようだが、段々性格が捻くれていっている気がする。

手癖が悪くなったことも含め、今ではすっかり立派な幻想郷の女の子だ。

彼女もある程度魔法が使いこなせるようだし、もう僕が保護者である必要もないだろう。

今では彼女が物々交換で僕の店にマジックアイテムを入れてくれることもあるぐらいだ。

対等になったとでもいうのだろうか。

昔ほど彼女のすることに冷や冷やしたり口出ししたりすることもなくなった。

自分が信じられないが、僕は少し寂しいのかもしれない。

今なら娘を失う気持ちが良く分かる。

結婚も恋愛もしたことがない自分が、こんなことを分かったつもりになるのもおかしな話ではある。

だが、悪くない気分だった。

久しぶりに霧雨邸に行ってみるのもいいかもしれない。

立派に育って暴れまわっている彼と僕の娘のことを愚痴りに行くのだ。

どうも。

こんなものを書いてしまいましたがいかがでしょうか。



真面目に書くつもりがなく、もこたんInしたお的な話を書いてたはずが気がつくと妄想全開話に。





何故だろうか?

乙樽
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.1280簡易評価
1.70煉獄削除
魔理沙とこうりんの出会いって殆ど無いから面白かったです。

実際、この二人がどのようにして出会ったのかは解りませんからね・・・。

楽しめました。
2.90名無し妖怪削除
久しぶりな気もする魔理霖SS

とてもよかったです
18.70名前が無い程度の能力削除
なるほど…ありなんじゃないか、貴様。

自分の妄想と酷似したお話だったので、中々楽しめました。

目つき…確かに悪いなぁこーりん。



まさかこの名前をここで見るとは…。
19.70名前が無い程度の能力削除
前は文霖で騒いでいた俺ですが、なんだかんだ言っても、やっぱり香霖には基本的に、自分の知人達の中で一番大切に思っているのは、魔理沙であって欲しいねぇ。
21.70名前が無い程度の能力削除
いつのまにか俺の妄想が文章になってる…



魔理沙と香霖の関係は唯一のものじゃなくても特別なものであってほしいな。

22.70500削除
この2人組みはマイジャスティス。

魔理沙の「霖之助さん」ってイイw
25.90名前が無い程度の能力削除
このページ開いてからメインブースタイカれるの余裕でした



やはり魔理霖は良い…