しゃっしゃっという気持ちの良い音を遮るように、上空から陰が下りてきた。
そろそろ冥界の木々も枝を伸ばし始める。のんびり玄関先を掃いていられるのも今の内だろう。
妖夢は取り留めの無いことを考えながら、竹箒を振るっていた。
「やほー、おはよーさん」
「……おはようございます」
死神の小町が赤毛を朝陽に透かしつつ、笑顔を振る。妖夢にはそれが、酷く不吉なものに感じられた。
相手が死神だから、というのではない。それを言ったら妖夢も真人間とは言えず、屋敷の中で朝飯をぱくぱくやっているのに至っては亡霊である。
早朝から、笑顔で、麗らかに。これらの要素が小町個人に似合わなく思えるわけだ。
小町は玄関先に着地すると、大鎌を担ぎ直した。
「四季様なら来とらんよ?」
「来たら大変です」
「やははっ、違いない」
実は小町がほいほいとここまで出て来ること自体からして感心できないのだが、言って聞かない以上は是非もない。そこであえて言ってやる義理も、妖夢には無いのだから。
「で、用件は何ですか」
「ふむ」
何を納得したのか、妖夢の顔を見遣りながら自分の顎を手の平で撫でた。
「無い」
堂々と、爽やかささえ感じ取れる言い種だった。
「帰れ! お前の不真面目に付き合うと私までとばっちりを食うだろ」
「心配してもらわんでも、わたしゃ、今日はちゃんとした休みだよ」
「だとしても、私は休みじゃないんだ」
幽々子のことだから、言えばくれるかもしれない。が、それについては触れてやらず、掃除を再開する。
冥界は霜が降りやすいため、掃除や手入れを欠かせば、たちまち敷石や建材が黒ずんでしまう。だから庭仕事に追われる時期でなければ、午前中一杯は掃除などに費やすようにしていた。
まあ、それが終わったら付き合ってやらないでもないが。
「ん、どうかした?」
「……何でもない」
つい目を合わせてしまったので、さっさと玄関先での仕事を片付けた。
昼過ぎ、妖夢はようやく一息吐いていた。
掃除を片付けた勢いのまま幽々子の昼食を作り、自分は握り飯を頬張った。その最後の一つを囓りながら屋敷の周囲を歩いていると。
「あっ、終わったかい?」
玄関先で、小町が居座っていた。
口の中の梅干し以外のもので、妖夢は顔を顰める。
「折角の休みに、何をしているんですか」
「君を待っていた、とか言ってみる」
「はいはい……」
馬鹿な人だと思う反面、まんざらでもなかった。
ここの所は紫以外の客人は皆無だったし、それにしたって、あくまでも幽々子の客人である。
せめて休憩のときぐらいは一緒にいてやるか。
妖夢が小町の隣の置き石に腰掛けていると、やがて幽々子の呼ぶ声が聞こえた。
自分から行くまでもなく、幽々子は玄関先まで出て来た。小町には視線をくれただけで済ませる。
「これからちょっと出て来るわ」
引っかかる言い方だった。
付いて来いではなく、出て来ると言うのである。
それについて問い質すよりも早く、幽々子が懐から書状を出した。書体には見覚えがあり、紫の筆に相違なかった。スキマ越しにでも寄越せば、大した手間もかからなかった。
「失礼」
書状を受け取り、内容を確認する。
前略と前置きしてから、紫らしい飄々とした文体が続いている。アヤメが咲き始めたから見に来い、というのが大意である。
そして最後に、こう付け加えられていた。
『妖夢は風流の人でないから、連れて来てくれるな』
自覚していることを人から指摘されるのは、大変に腹の立つことだった。
臍を曲げて黙りこくった妖夢を笑い、幽々子は一人、出かけて行った。
「とはいえ、屋敷を空けて来て良かったのかねえ」
小町の今更の台詞に、妖夢は肩を竦めた。彼女らは既に顕界にいて、湖のある辺りまで来ていた。
「幽々子様が出かけるときには私も供をするんです。気にしなくて構いませんよ」
「それは普段の話だろー?」
細かいことを気にする性分でもない癖に、やたらと突っかかってくる。からかいたいのだろう。
少しばかり飛行を速め、湖の向こうへ。
久々に見る紅魔館の威容に、妖夢は目を細めた。
「……気を付けろ」
「あーいよ、っと」
そんな会話が交わされて、ほぼ同時に。
二人の視界を数本のナイフが掠めた。
あまり際どい角度ではなく、敵意というよりも警告、有り体に言えば挨拶代わりといった具合だった。
二人共に体を軽く捻っただけでやり過ごす。それから空中でゆっくりと停まり、軽く息を吐いた。
「顔を忘れられたかな?」
「そうじゃないんだけど……」
返事があったときには咲夜が現れていた。彼女の視線が小町に向けられる。
「流石に、剥き身の鎌なんて持って来られるとねえ」
もっともな話である。
しかし、
「言われてどうにかなるサイズでもない、な」
呟くように言った妖夢だったが、ふと視線が集まっているのに気付いた。
「どうした?」
「いや、今のもしかして、狙って言ったのかな、って」
「は?」
「こりゃあ、風流以前の問題だなあ」
左右から訳のわからないことを言われて、妖夢の眉間が狭まる。
小町が何事か咲夜に耳打ちすると、溜息を吐かれた。これまでの経緯を説明したのだろう。
「性格にも難があるわよ、この子の場合」
「だよねえ」
「たまに口調まで変わるし」
「ああ、そうなん?」
「そうなんですわよ」
小町よりも付き合いの長い咲夜まで、こう言うのである。妖夢の眉間は今や飛騨山脈みたくなっていた。
それを見た咲夜は門の方に振り返って、ちょちょいと手招きした。程なく、門番の美鈴がすっ飛んできた。
「私の出番は無いと思ってたんですが?」
「それは良かったわねえ、美味しいのがあるわよ」
言うのと同時に、どんっと美鈴の背中を叩く。
妖夢の至近に近付いた美鈴は、
「チェーーーーーーーっ!」
一刀の下に、
「そげぶっ!」
湖の底へと沈んだ。
「すっきりした?」
問われた妖夢は、顔を赤らめて刀をしまう。
今のは照れる所なのか。美鈴は助けなくて良いのか。そもそも生きているのだろうか。誰も気にしていなかった。
結局、小町の鎌については、門外でくつろげば問題無いという話になった。
木っ端のメイドにテーブルや茶器を用意させている間に、妖夢は咲夜に付き添ってもらい、門の中に入る。
「そう、アヤメを見に来たの」
「ああ」
紅魔館の庭園はよく手入れされていた覚えがあった。幽々子に笑われたことを根に持っているわけではなかったのだが、それがまたかえって、アヤメを見たいという気持ちを起こさせたのかもしれなかった。
言うなれば、
「素直じゃないわねえ」
そういうことだった。
妖夢は何も咲夜に言い返さず、走り回れるぐらいの広さがある庭園を眺める。
しかし、そこにアヤメの色形は見当たらなかった。
「あなた、草とか木はわかっても、花は不得手?」
「……爺様も私と似たようなものだったからな。教えてもらってない」
「ふうん、今まで気付かなかったわ。ま、アヤメは水っぽい所は嫌うのよ。これでおわかり?」
水っぽい所……。
妖夢は門外を見て、湖を目に留めた。花なんて水があればあっただけ喜ぶものだと考えていたのは、いくらなんでも認識不足だった。
「それでお屋敷では見たことが無いのか」
「あそこは湿っぽいもの。からっとしてるのも考え物だけど」
詮無いことを話ながら、庭園を回る。やがてメイドが、準備が整ったことを報せに来た。
「何だったら、アヤメ以外の花を見繕わせるけど?」
「いや、いい。どうせ、枯らせてしまうから」
「ずっと枯れない花も無いんだけどね」
「……そういう言い方は好きじゃない」
「わかったわ。お茶にしましょ」
さっぱりした口調に妖夢がはにかむ。この後に嗅ぐ紅茶の香り以上に、安らいでいた。
紅茶を二杯ほどもらっただけで、妖夢は紅魔館を辞した。
小町は滅多に来られないのだからゆっくりして行けば良い。そう言って飛び立ったのだが、彼女はすぐに後を付いてきた。
「折角来たのに、随分と早く退けるんだねえ」
「そろそろ夕方にかかる。あまり邪魔をしたくない」
「ふうん、仲の良いことで」
「かもしれないな」
否定しない妖夢に、小町が唇を窄める。
その彼女に振り返って。
妖夢は刀を抜き払った。
咲夜のナイフとは違う、渾身の居合いである。放られた鞘が宙を舞い、半霊が受け取る。
ギンとした快音が湖の上を広がり、波が立つ。太刀を大鎌で受け止めた小町は、冷や汗を一筋垂らした。
「おひょひょっ、危ない危ない。この距離で不意打ちは止めてくんないかなー」
「そうしたら、ズルをするだろう?」
小町の能力なら踏み込みの距離すら操れてしまう。半霊から鞘を受け取ると、何事も無かったかのように刀を収めた。
「安心しろ。もうしないから」
「ん、そりゃまたどういう……」
最後まで聞かず、妖夢は飛び去った。
小町なら引き留めることもできただろう。そうしなかったのは、意図を汲んでくれたからだと良いのだが。
つまり、また一緒に、と。
頭の中で反芻するだけで、妖夢はむずむずとしてきた。半霊が忙しなく周囲を飛ぶのを苦笑いしながら、家路を急いだ。
夕餉の後、片付けに立とうとしたときだった。
幽々子が声をかけた。
「アヤメ、綺麗だったわ」
「それは良かったですね」
「うん」
それから幽々子は、紫の話を始めた。それはしばらく終わらず、妖夢は困ってしまった。
風流でも、そうでなくても。
友達というのは大事らしかった。
そろそろ冥界の木々も枝を伸ばし始める。のんびり玄関先を掃いていられるのも今の内だろう。
妖夢は取り留めの無いことを考えながら、竹箒を振るっていた。
「やほー、おはよーさん」
「……おはようございます」
死神の小町が赤毛を朝陽に透かしつつ、笑顔を振る。妖夢にはそれが、酷く不吉なものに感じられた。
相手が死神だから、というのではない。それを言ったら妖夢も真人間とは言えず、屋敷の中で朝飯をぱくぱくやっているのに至っては亡霊である。
早朝から、笑顔で、麗らかに。これらの要素が小町個人に似合わなく思えるわけだ。
小町は玄関先に着地すると、大鎌を担ぎ直した。
「四季様なら来とらんよ?」
「来たら大変です」
「やははっ、違いない」
実は小町がほいほいとここまで出て来ること自体からして感心できないのだが、言って聞かない以上は是非もない。そこであえて言ってやる義理も、妖夢には無いのだから。
「で、用件は何ですか」
「ふむ」
何を納得したのか、妖夢の顔を見遣りながら自分の顎を手の平で撫でた。
「無い」
堂々と、爽やかささえ感じ取れる言い種だった。
「帰れ! お前の不真面目に付き合うと私までとばっちりを食うだろ」
「心配してもらわんでも、わたしゃ、今日はちゃんとした休みだよ」
「だとしても、私は休みじゃないんだ」
幽々子のことだから、言えばくれるかもしれない。が、それについては触れてやらず、掃除を再開する。
冥界は霜が降りやすいため、掃除や手入れを欠かせば、たちまち敷石や建材が黒ずんでしまう。だから庭仕事に追われる時期でなければ、午前中一杯は掃除などに費やすようにしていた。
まあ、それが終わったら付き合ってやらないでもないが。
「ん、どうかした?」
「……何でもない」
つい目を合わせてしまったので、さっさと玄関先での仕事を片付けた。
昼過ぎ、妖夢はようやく一息吐いていた。
掃除を片付けた勢いのまま幽々子の昼食を作り、自分は握り飯を頬張った。その最後の一つを囓りながら屋敷の周囲を歩いていると。
「あっ、終わったかい?」
玄関先で、小町が居座っていた。
口の中の梅干し以外のもので、妖夢は顔を顰める。
「折角の休みに、何をしているんですか」
「君を待っていた、とか言ってみる」
「はいはい……」
馬鹿な人だと思う反面、まんざらでもなかった。
ここの所は紫以外の客人は皆無だったし、それにしたって、あくまでも幽々子の客人である。
せめて休憩のときぐらいは一緒にいてやるか。
妖夢が小町の隣の置き石に腰掛けていると、やがて幽々子の呼ぶ声が聞こえた。
自分から行くまでもなく、幽々子は玄関先まで出て来た。小町には視線をくれただけで済ませる。
「これからちょっと出て来るわ」
引っかかる言い方だった。
付いて来いではなく、出て来ると言うのである。
それについて問い質すよりも早く、幽々子が懐から書状を出した。書体には見覚えがあり、紫の筆に相違なかった。スキマ越しにでも寄越せば、大した手間もかからなかった。
「失礼」
書状を受け取り、内容を確認する。
前略と前置きしてから、紫らしい飄々とした文体が続いている。アヤメが咲き始めたから見に来い、というのが大意である。
そして最後に、こう付け加えられていた。
『妖夢は風流の人でないから、連れて来てくれるな』
自覚していることを人から指摘されるのは、大変に腹の立つことだった。
臍を曲げて黙りこくった妖夢を笑い、幽々子は一人、出かけて行った。
「とはいえ、屋敷を空けて来て良かったのかねえ」
小町の今更の台詞に、妖夢は肩を竦めた。彼女らは既に顕界にいて、湖のある辺りまで来ていた。
「幽々子様が出かけるときには私も供をするんです。気にしなくて構いませんよ」
「それは普段の話だろー?」
細かいことを気にする性分でもない癖に、やたらと突っかかってくる。からかいたいのだろう。
少しばかり飛行を速め、湖の向こうへ。
久々に見る紅魔館の威容に、妖夢は目を細めた。
「……気を付けろ」
「あーいよ、っと」
そんな会話が交わされて、ほぼ同時に。
二人の視界を数本のナイフが掠めた。
あまり際どい角度ではなく、敵意というよりも警告、有り体に言えば挨拶代わりといった具合だった。
二人共に体を軽く捻っただけでやり過ごす。それから空中でゆっくりと停まり、軽く息を吐いた。
「顔を忘れられたかな?」
「そうじゃないんだけど……」
返事があったときには咲夜が現れていた。彼女の視線が小町に向けられる。
「流石に、剥き身の鎌なんて持って来られるとねえ」
もっともな話である。
しかし、
「言われてどうにかなるサイズでもない、な」
呟くように言った妖夢だったが、ふと視線が集まっているのに気付いた。
「どうした?」
「いや、今のもしかして、狙って言ったのかな、って」
「は?」
「こりゃあ、風流以前の問題だなあ」
左右から訳のわからないことを言われて、妖夢の眉間が狭まる。
小町が何事か咲夜に耳打ちすると、溜息を吐かれた。これまでの経緯を説明したのだろう。
「性格にも難があるわよ、この子の場合」
「だよねえ」
「たまに口調まで変わるし」
「ああ、そうなん?」
「そうなんですわよ」
小町よりも付き合いの長い咲夜まで、こう言うのである。妖夢の眉間は今や飛騨山脈みたくなっていた。
それを見た咲夜は門の方に振り返って、ちょちょいと手招きした。程なく、門番の美鈴がすっ飛んできた。
「私の出番は無いと思ってたんですが?」
「それは良かったわねえ、美味しいのがあるわよ」
言うのと同時に、どんっと美鈴の背中を叩く。
妖夢の至近に近付いた美鈴は、
「チェーーーーーーーっ!」
一刀の下に、
「そげぶっ!」
湖の底へと沈んだ。
「すっきりした?」
問われた妖夢は、顔を赤らめて刀をしまう。
今のは照れる所なのか。美鈴は助けなくて良いのか。そもそも生きているのだろうか。誰も気にしていなかった。
結局、小町の鎌については、門外でくつろげば問題無いという話になった。
木っ端のメイドにテーブルや茶器を用意させている間に、妖夢は咲夜に付き添ってもらい、門の中に入る。
「そう、アヤメを見に来たの」
「ああ」
紅魔館の庭園はよく手入れされていた覚えがあった。幽々子に笑われたことを根に持っているわけではなかったのだが、それがまたかえって、アヤメを見たいという気持ちを起こさせたのかもしれなかった。
言うなれば、
「素直じゃないわねえ」
そういうことだった。
妖夢は何も咲夜に言い返さず、走り回れるぐらいの広さがある庭園を眺める。
しかし、そこにアヤメの色形は見当たらなかった。
「あなた、草とか木はわかっても、花は不得手?」
「……爺様も私と似たようなものだったからな。教えてもらってない」
「ふうん、今まで気付かなかったわ。ま、アヤメは水っぽい所は嫌うのよ。これでおわかり?」
水っぽい所……。
妖夢は門外を見て、湖を目に留めた。花なんて水があればあっただけ喜ぶものだと考えていたのは、いくらなんでも認識不足だった。
「それでお屋敷では見たことが無いのか」
「あそこは湿っぽいもの。からっとしてるのも考え物だけど」
詮無いことを話ながら、庭園を回る。やがてメイドが、準備が整ったことを報せに来た。
「何だったら、アヤメ以外の花を見繕わせるけど?」
「いや、いい。どうせ、枯らせてしまうから」
「ずっと枯れない花も無いんだけどね」
「……そういう言い方は好きじゃない」
「わかったわ。お茶にしましょ」
さっぱりした口調に妖夢がはにかむ。この後に嗅ぐ紅茶の香り以上に、安らいでいた。
紅茶を二杯ほどもらっただけで、妖夢は紅魔館を辞した。
小町は滅多に来られないのだからゆっくりして行けば良い。そう言って飛び立ったのだが、彼女はすぐに後を付いてきた。
「折角来たのに、随分と早く退けるんだねえ」
「そろそろ夕方にかかる。あまり邪魔をしたくない」
「ふうん、仲の良いことで」
「かもしれないな」
否定しない妖夢に、小町が唇を窄める。
その彼女に振り返って。
妖夢は刀を抜き払った。
咲夜のナイフとは違う、渾身の居合いである。放られた鞘が宙を舞い、半霊が受け取る。
ギンとした快音が湖の上を広がり、波が立つ。太刀を大鎌で受け止めた小町は、冷や汗を一筋垂らした。
「おひょひょっ、危ない危ない。この距離で不意打ちは止めてくんないかなー」
「そうしたら、ズルをするだろう?」
小町の能力なら踏み込みの距離すら操れてしまう。半霊から鞘を受け取ると、何事も無かったかのように刀を収めた。
「安心しろ。もうしないから」
「ん、そりゃまたどういう……」
最後まで聞かず、妖夢は飛び去った。
小町なら引き留めることもできただろう。そうしなかったのは、意図を汲んでくれたからだと良いのだが。
つまり、また一緒に、と。
頭の中で反芻するだけで、妖夢はむずむずとしてきた。半霊が忙しなく周囲を飛ぶのを苦笑いしながら、家路を急いだ。
夕餉の後、片付けに立とうとしたときだった。
幽々子が声をかけた。
「アヤメ、綺麗だったわ」
「それは良かったですね」
「うん」
それから幽々子は、紫の話を始めた。それはしばらく終わらず、妖夢は困ってしまった。
風流でも、そうでなくても。
友達というのは大事らしかった。
彼女にはこういう感覚の近い(逆に遠い?)友人が必要かも…
なんて思うんです、いつも。御馳走様!
でもこういう妖夢と雰囲気は大好きです。わけわかめも。
ぽへ~
> 彼女にはこういう感覚の近い(逆に遠い?)友人が必要かも…
でこぼこですしね。
> いい妖夢でした。
そう言われると悪い妖夢も書きたくなります。イケナイ妖夢です。
……イケナイ!
> 司馬漬けさんらしい作品で安心して読めます
気を付けて! 映画だとそういうときこそ死んじゃうよ!
> かろうじてサイズの意味は分かったものの、この作品に書いてあることが完全には理解できない読解力のなさが恨めしい。
そこら辺についてはお互い歩み寄っていけたら嬉しいです。ガンバガンバ。