Coolier - 新生・東方創想話

Blazing Star Dust

2008/04/14 10:16:06
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 飛翔。青空の中を突き進み、時折には雲の中を泳ぐ。
 今日は大漁だと、腕に提げた袋の重みに満足げな笑みを浮かべながら、霧雨魔理沙は家路を急いでいた。攻めるならば火の如く、とんずらこくなら風の如く、である。
 しかし、まだまだ遅い。
 そう思って魔理沙は、愛用の庭箒に送り込む魔力を強めた。そしてそれに答えるかのように、頬を打つ風は強くなって行く。
 それでもまだ遅い。
 目指すのは、流星だった。
 たとえ一瞬で燃え尽きようと、人の心を動かす光を放ち、そして音よりも速く駆け抜ける。
「そう言えば……」
 ふと唐突に。
 魔力ってのはその人の願望の体現みたいなものだと、誰かが言っていたのを思い出した。
 友達の少ないその誰かは、魔力で沢山の人形を操っていた。つまりそれが彼女の願望を体現しているのだろう。
 ならば、
 ――私はどうなんだ? ……たぶんあいつとあんまり変わらないな。
 笑みが消える。
 結局は、誰かに自分の努力を認めて欲しかったのだろう。たった一回でもいい……。今まで一度も、誰からも、認められたことなんてなかった。
 だからこそ、流星のように派手で、流星のよう儚い魔法を好んでしまうんだろう。
「はあ、センチになるなんて私らしくないぜ……」
 呟いて自嘲。
 本当にらしくない。
 自分はただハジけるだけだ。結果なんて、評価なんて糞食らえ――結局はそういうことなんだ。
 そうだ、頭を空っぽにして、今は速くなることだけを求めればいい。
 速度を上げる。
 どんどん上げてゆく。
 いよいよと強くなる空気の抵抗に、帽子は浮力を持ち始め、自由を求めてばたつき始める。それをむりやり手で押さえつけ、さらに魔力を箒につぎ込んで行く。
 制御もへったくれもなく、ただ乱暴に。心赴くまま。
 速く、速く、
 流れる星に追いつけと。
 今はただ、追いつきたい――
 そして壁を突き破る。
 白熱。
 眩い尾を引き、駆け……





 白昼の青空に一筋の光。
 その一瞬、幻想郷の時の流れが、
 ぴたりと
どうも、初投稿です。
最初はグヒグヒ笑いながら今日の収穫(ご想像にお任せ)を喜びつつ飛ぶ魔理沙を、いきなり幽香が撃ち落とし、「暇だから」と弾幕ごっこを初めてしまうような話を考えていました。
でもなんだか魔理沙の内面描写してるうちに、こんな話しが書きたくなってしまい……
夢枕獏の「神々の山嶺」みたいになればいいなと思ったんですが、高望みしすぎました。
まあしかし、短さも相まって、スッキリ読めたんではないかなあと思うんですが、どうでしょう。
何も残らなかったら意味ないんですけど ;・o・)
後日談としては、せっかくの今日の収穫が灰になっていたという……
文月万智
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コメント



0.240簡易評価
6.30名前が無い程度の能力削除
いい感じだとは思いますが長さや雰囲気からプチの方が向いている気がします
8.50名前が無い程度の能力削除
ある日ある時の魔理沙の思い、って感じですね

↓のひとはトップの注意書きを読むよろし
9.70名前が無い程度の能力削除
認められたい相手って誰なんでしょうね。霊夢? 勘当されたっていう親父さん? もしかして魅魔かも。
短い中にも充分に魔理沙らしさが出ていたんじゃないでしょうか(後書きのオチも含めてw) 面白かったです。
10.60名前が無い程度の能力削除
短いながらまとまっていていいSSかと。
ただ惜しむらくは短すぎて評価に困る点ですね。正直何点をつけていいか相当悩みました。
短すぎる! と評してしまえば40点。あっさりしてるね、で評してしまえば70点だったので、間を取って55点。+αで60点ということで。

魔理沙らしくていいと思いますよ。
12.60三文字削除
むう、もう少し色々と見てみたいかも。
でも、雰囲気は良かったです。
13.無評価文月万智削除
今読み直すと、だいぶ稚拙さが目立つSSですね、だめだこりゃ。
いつしかリライトするとして、
次回作にご期待ください!! かな。GW辺りにはなんとか……