Coolier - 新生・東方創想話

光から生まれた闇

2008/04/05 02:12:51
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前回のそして始まる悪夢の続きなのでそちらを先に読むことをオススメします。
それと***で区切られると視点が他のキャラへと映ります。
たぶん多少読みづらいですがすいませんm(_ _)m
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いつも平和な人間の里、そこに飛来する無数の影・・・。
そしてその群れに向かって一人の半獣が飛んでいった。
「おい、お前たち・・・なんでそろいもそろってここに来るんだ」
半獣、上白沢 慧音は呆れ顔で言う。
「仕方ないだろう、紫様がここに集めろといったんだ」
「たとえ紫がいなくったって私がついているぜ」
ずんっと強気に出る藍。
「その本人からは何も聞いていしお前も信用できない。
それに、さっきの暴風で人間達が軽く混乱状態になっているんだ、そんな状態でお前たちが来たらどうなるか分からない」
「今はそんなこと言っている場合じゃないのよ」
慧音の後ろから声をかける紫、一瞬慧音はピクっと硬直したがだれにも気づかれなかったようだ。
「そんなこと言っている場合じゃないというと・・・さっきの暴風・・・いや、爆風が関係していそうだな」
「それは皆を集めた後で説明するわ、藍!集めた皆を広場へ!」
「はい!」
藍はかき集めた妖怪たちを引きつれ広場へ向かった。
「ちょっとまて!私はまだ!」
「これは里の人間の生死にも関わるの、だから貴女も参加してもらうわ」
「な、どういうことだ!?人間の生死に関わるだと!?」
「さっきも言ったとおり広場にきなさいな、そこで全員集まった後に説明するわ」
しばらく考え込む慧音。
「わかった・・・・と言いたい所だが生憎信用できない、一応里の人間を避難させてからいくことにする」
「疑り深いのね・・・わかったわ、私は先に行くわね」
ため息を吐き広場に向かう紫。
「さて、里の人間たちを広場に非難・・・・・あ、広場は妖怪の・・・しまった!何処へ避難させれば!」


*  *  *  *  *  *  *


「咲夜さ~ん・・・なんでこんな時間にぃ~」
「本当よ、こんなことするならお賽銭の一つでもいれてよ」
「黙ってなさい!」
咲夜と美鈴は紅魔郷付近の妖怪達を集め里に向かっていた。
(それにしてもあいつ・・・まるで私の心を見透かしているようだったわ・・・)
その時咲夜は飛びながら物思いにふけていた。
(そもそも目的は何なのかしら・・・私に接触したのも復活に邪魔で乗り移るためだけ?)
「咲夜さ~ん」
(多分違うわね・・・なにかしらあいつの術中にはまっているか、ただの揺さぶりか・・・)
「咲夜さ~ん?メイド長~?」
(・・・どちらにせよ警戒しなきゃまずいわね・・・・とくにお嬢様の身の安全は絶対に守らなきゃね)
「ろりこ~ん!怒りんぼー!給料ふやせー!」
(一番手っ取り早いのは紅魔館に奴を近づけないことね、でもお嬢様から外に出る確立のほうが高いわね・・・)
「PA「何かしら?美鈴?」ひぃ!?」
よほどの禁句だったのか両手にナイフを持ち美鈴の額に突きつける咲夜。
「ああああのあの!もう人間の里過ぎているんですけど・・・」
「え?あ、ごめんなさい、ちょっと考え事していたわ・・・」
「咲夜大丈夫?」
「えぇ、大丈夫よ」
そういい咲夜が引き返す、その後ろにまた美鈴達がついて行く。


*  *  *  *  *  *  *


「ふむ、昔とは大した変わりはないようだな・・・どれ」
空を飛んでいたアカオニ、突然下に降りて地面に手を当てる。
「いまの幻想郷の内容は如何変わっているのか・・・楽しみだな」
アカオニの地面につけた右手がうっすらと光りだす。
「・・・・く!」
幻想郷のすべての情報をそのまま頭に移し変えるという作業、人間の頭なら精神が壊れるかも知れないほどの情報の転送である。
「ぐぐ・・・・ふぅ」
右手の輝きが途絶える、同時にアカオニの表情も少し緩くなる。
「成る程、思ったとおりだ・・・このままでは幻想郷自体が内側から消えるな」
そう呟きまた飛ぼうとするが・・・。
「あれ?美羽?」
何者かに後ろから声をかけられた、アカオニが少しだけ顔を向けるとそこには黒い球体が。
「誰だ?貴様」
興味なさそうにアカオニが言う。
「ひどいよー、姿が見えないからって~声だけでも分かるでしょー?ルーミアだよー」
そして黒い球体が徐々に消え中が見えるようになった、そこにいたのはルーミアであった。
「あれ?なんか頭についているよ?それに喋り方も変だし」
ルーミアは指を口に当て頭を傾ける、しかしその時アカオニは信じられないといった表情をしていた。
「貴様、ルーミアといったな・・・まさかな、いや・・・しかしその目、その服・・・だがあいつが・・・」
アカオニは何かぶつぶつと呟いている。
「どーしたの?」
ルーミアはアカオニの顔を覗き込む。
そのままアカオニもルーミアの顔を見つめる。
「美羽ー?」
そして突然アカオニが不気味な笑みを浮かべた。
「それか!」
「何ー?」
アカオニの手がルーミアの赤いリボンに伸びる。
「あ、だめ!それは!」
しかし時すでに遅く、リボンは青い炎をまとって消え去った。
「美・・・羽・・・・・・」
そして、突然辺りが何も見えなくなり世界の色が反転していった。
「やはりそうか!貴様も封印されていたのか!」
突然現れた異質な闇はルーミアの体に吸い込まれ、そこで姿を現したのはすこし大人びた体格のルーミアだった。
そしてルーミアはゆっくりと目を開ける。
「貴方だれよ?折角の封印生活を台無しにしてくれちゃってぇ、でも一応感謝するわ」
腕を組み微笑むルーミア。
「私の名は・・・忘れたな、ただ周りの者からアカオニと呼ばれている」
同じく腕を組みククク・・・と笑うアカオニ。
「アカオニねぇ、で、それで?何の用?私の封印を解いたんだからそれなりの用事はあるんでしょう?」
すべてお見通しよ、といいたげなルーミア。
「無論、ちょっと協力してもらいたいことがある、今の幻想郷のことでな」
「今の幻想郷?そんなの一人でやって頂戴、今の幻想郷のことなんて知らないし・・・て、ちょっと!?」
突然ルーミアの頭につかみかかるアカオニ。
「はな、せ!何をする!・・・あぐ!?」
突然黙り込み力なく腕が垂れる。
そしてアカオニがゆっくりと手を離す。
「というわけだ」
「成る程ね、便利な能力を持っているのね」
関心しているのかしていないのかため息をつくルーミア。
「まぁ言いたいことはすべて分かったわ、でも今度からは何か一声かけてからやりなさい」
「む、それはすまなかった・・・それでだ、もう一度言うが協力してもらえるか?」
「わかってるわよ、私も貴方と同じ考えよ」
そしてまた微笑むルーミア。
「そうか、感謝する・・・まぁとりあえずこっちに来い」
アカオニが目の前に穴を開きそこへ入っていく。
「ずいぶんとまぁ万能なこと」
そしてルーミアも入っていった。


*  *  *  *  *  *  *


「今のは一体・・・僕の目がおかしくなったのか?」
先ほど森の近くで起きた異常現象の中心地に向かうべく歩く霖之助。
「このへんだけど・・・ん?あれは・・・」
霖之助が見つけたもの、それはアカオニが開いた穴だった。
「あれは美羽の穴・・・何故あんな所に?・・・もしや、中にあったマジックアイテム同士が反応して今の現象を引き起こしたのか?それに耐え切れなくなって不本意に穴が開いたのか?」
霖之助が仮説をあれやこれといろいろ立てる。
「あの穴の中にはそれほど大きなクラスのマジックアイテムが・・・ってああ!」
霖之助が気づいたときには穴がしまりかけていた。
「どうするか・・・多分中に入っても美羽が出してくれるだろう!」
そういいしまりかけの穴の中に入って行く霖之助。
それが運の尽きとも知らずに・・・。


*  *  *  *  *  *  *


「皆集まったかしら?」
広場で紫が大きな声をあげて言う。
しかしざわめいている中ではすこしも行き渡らずにかき消されてしまう。
そしてもう一度大きく言ったがそのあと大きくむせた。
仕方なく紫はスキマからメガホンを取り出した。
そして一言。
「黙りなさい」
若干声のトーンが下がり暗い笑顔を見せた紫、一瞬で静まり返った。
「こほん、しっての通り、今から2時間前ぐらいに暴風が起きたわね?」
すこしざわめく大衆。
「あれはアカオニと呼ばれる妖怪が復活したために起きた妖力の爆発なの、その辺に敏感なのはもう気づいているでしょ?」
また少しずつ騒がしくなる。
「質問よ、そのアカオニってやつは何者なのかしら?」
レミリアがつまらなそうに聞く。
「さっそくね、アカオニの事を簡単に言えば幻想郷を滅ぼそうとしている者よ」
紫が答えたがレミリアは納得いかない表情をしている。
「べたね、いや、べた過ぎるわよ・・・もっと何かあるんじゃないの?」
紫がため息をつく。
「そうね、少し長くなるけどいいかしら?」
「なるべく詳しく手短にお願いするわ」
「どっちよ」
「どっちもよ」
「・・・まぁいいわ、それじゃあまず昔幻想郷の博霊大結界を張る時妖怪同士で激しい戦があったのは知っているでしょう?」
紫が話を始めると周囲が少し静かになった。
「しっているわよ、確か有用性が伝わって反抗するのは居なくなったんでしょう?」
「ほとんどはね、ただごく一部だけど反発するのは居たの、そのうちの一人がアカオニだったのよ。
だけど反発する者は極少数だし散り散りだったから力のある者は皆封印されたのよ。」
「でもなんで今頃アカオニとやらが出てきたのかしら?」
「それは多分・・・同じ血族による共鳴ね、アカオニには元の血族が居るの、だけどその血族はもう誰にもわからなくなるほど昔のものだけどね」
「それなら同じ血族といっても殆ど言いがかりに近いんじゃないんですか?」
妖夢が首を傾げて言う。
「そうね、でもある事が起これば話は別よ、この辺は永琳が詳しいんじゃないのかしら?」
突然永琳に話を振る紫。
「えーりん!えーりん!教えてえーりん!」
何を考えているのか不可解な行動をする輝夜。
「急に話を振られてもね・・・貴女が言いたいのは多分覚醒遺伝のことね」
若干困惑気味に言う永琳。
「覚醒遺伝?なによそれ」
頭に?マークを今にでも浮かべそうな霊夢。
「覚醒遺伝っていうのはね、子々孫々変化していくDNAのなか突然眠っていた遠い先祖とかのDNAが覚醒することを言うのよ・・・たまに父にも母にも似ていないけど祖父や祖母にそっくりって言う子いるじゃない?」
「たしかに居るわねぇそんなのが、外見じゃなくて精神的に似てるのが」
幽々子が妖夢をジロジロ見ている。
「何故私を見るんですか幽々子様」
そこで咲夜が手を挙げる。
「ちょっと私からも質問、アカオニは何故私に乗り移れたのかしら?」
「ああ、アカオニはもともとの肉体はとっくの昔に果てているの、肉体を取り替えることによって永遠に近い命を得た転生の鬼よ。
だから一時的な移し変えも容易いことなのよ・・・たしか外の世界の吸血鬼にも似たのが居たわ、何とかの蛇って呼ばれているのがね・・・。
それで、今は共鳴した者に乗り移っているわ」
「私からも質問、そのアカオニっての聞いたことがないんだけど本当に鬼?」
萃香が突然現れて質問をする。
「実際は鬼じゃなくてただの妖怪よ、だけど頭から生える二本の真っ赤な角が鬼の角に見えることからそう呼ばれるようになったの」
その後も数々の質問が来たが紫は気にせず解説した。


*  *  *  *  *  *  *


僕は今大変な状況である。
「貴方、何処から来たのかしら?」
穴を入ったら真っ暗闇・・・ではなく知らない建物の中だったのだ、しかもルーミアらしきに妖怪に捕まってしまった。
「穴に入ったらここに来てしまったんだ」
嘘ではない。
「偶然迷い込んだのにとんだ災難ねぇ」
「ああ、物凄い災難だ・・・だからこの縄を解いてくれないか?」
「それはアカオニが決めることだから」
「アカオニ?それは誰だ?」
「私のことだ」
突然天井に穴が開き出てきたのは一人の少女。
「美羽!?いや、その角は・・・」
「美羽、それはこの体の名前で私はアカオニと呼ばれている者」
「この体の名前・・・・君は美羽を如何したんだ」
「如何も何も身体を貰っただけだ」
「貰った?」
「そうだ、今まで力を使わせていた対価だ」
「そんな身勝手な」
突然アカオニが霖之助に顔を近づける。
霖之助はすこし後ずさりをした。
「くくく・・・貴様もなかなか理性が強いようだな、巨大な本能を包み隠している」
「何のことだ!」
「そうだ、その理性・・・少し穴を開けてやろう」
「やめろ!」
アカオニが霖之助の頭を両手でつかんだ。
「大丈夫だ、理性が完全に飛ぶわけではない」
「が・・・」
そしてアカオニが手を離すと霖之助の頭がガクンっと前に倒れる。
「少し強すぎたか?」
「あらあら、妖力が湧き出てきているわよ?」
そして霖之助の体が突然縄を引きちぎって立ち上がり、顔が前を向く。
「ありがとう、最高の気分だ」
「そ・・・そうか、それは・・・よかったな」
アカオニは呆気にとられていた。
(ねぇ、アカオニ・・・これは予想の範囲内かしら?)
(予想外だ!これは本当に予想外だ!)
アイコンタクトを交わす二人。  
「お礼といっては何だが君達に従おうじゃないか・・・っと言うのが礼儀かな?」
笑顔でいう霖之助、その笑顔はとても清々しかった。
「そうね、なら人間の里に潜入していろいろと情報を集めてもらえないかしら?」
ルーミアが指示を出す。
「そうだな、確か今妖怪たちが私についての話をしているはずだ・・・そこにお前が混ざろうとも何の不自然もないはずだ」
「わかった、引き受けよう・・・ところで悪いけど里付近までの穴開いてもらえないかな?」
霖之助が困ったような表情をして言う。
「そうだったな」
アカオニが手を翳した先に穴が開く。
「それじゃあ、いってくるよ」
「戻るときは同じ穴に入るといい」
「帰ってくるときに何か食べる物持ってきて頂戴ね」
「・・・わかった」
そして霖之助は穴に入っていった。


*  *  *  *  *  *  *


「そこで、奴を再び封印するためにみんなの力を借りたいの」
紫が机をバンっと叩き拳を握った。
いつの間にか黒板まである。
しかしこの長い演説のなか妖怪達も半数ぐらいまで減っていた。
「でもその程度の能力なら紫一人で大丈夫なんじゃないの?」
幽々子の意見に賛同する者が多数いた。
「さっきも言ったとおりあいつの能力は書き写すこと、何かを触媒にすれば完璧な模造品、つまりドッペルゲンガーを作り出すことも出来るの。
その気になれば幻想郷そのものをコピーする事だって出来るわ、つまりアカオニと戦うことは幻想郷そのものと戦うことに等しいの・・・。
そして仮に美羽の能力で結界の外に出てしまったら・・・この全世界・・・いえ、この地球と戦うことになるかもしれないのよ」
紫が真剣な顔をして言う。
「地球・・・本気になったら月まで行けるんじゃないかしら?そのアカオニは・・・・・・・・あ」
幽々子がそういった途端紫と一部妖怪が青ざめた。
「だめね、月だけは絶対阻止よ!」
「あら、月に攻め込んできたのってあなた達だったのね」
「でも多分アカオニは月まで行こうなんて思ったりしないわ!」
幽々子がフォローっぽいものをする。
「あんたら月でなんかあったのか?」
「触らぬ神に祟り無しよ、魔理沙」
「でも本当に月に都があること自体余り知られていないはず、知らなければ当然行こうとしないわ」
輝夜がそう得意げに言った。
「スパイが居なければ・・・ね」
紫がそう言い一点睨み付ける。
「藍、そこのダンボール怪しくないかしら?」
紫が睨んでいたのは一つのダンボールであった。
「紫様、ダンボールの中でスパイ行動なんてそんな危険行為だれもしませんよ、ましてやこんな長時間じゃ体が持ちませんって」
藍が全面否定する、がしかし
「藍、よく考えなさい・・・そこに最初からダンボールってあったかしら?むしろこの里自体にダンボールは余り存在していない・・・」
「しかし、紫様を欺くなど出来るはずが」
「いいえ、藍・・・自然に隠れると見つけられるわ、簡単に・・・逆に不自然だと眼で見てわかるわ・・・
ただその境界線上だと無理に自然的に隠れるよりもより自然体となってしまうつまり、
誰の目にも入らなくなってしまい見つかる以前の問題になるのよ」
紫が熱く語る。
「さぁ、藍!解ったなら・・・そのダンボールをあけてみなさい」
「はぁ・・・」
(こんな中に入る人も妖怪もいたら気が知れないな・・・
そしてしぶしぶダンボールをあける藍。
そしてその中には・・・。
「やぁ」
パカン。
「紫様、以上無しです」
「嘘おっしゃい・・・もういいわ、私があける」
そして紫がダンボールに近づきふたを開ける。
「こんばんは」
パタン。
「藍」
「ハイ」
「ぶん投げなさい」
「ハイ」
「ちょっとまて、何があったんだ」
そこで魔理沙も開ける。
「やあ魔r」
パタン。
「・・・」
「・・・」
「・・・」
沈黙する三人、その様子を見て中にあるものが途轍もない物と思い込み見たくないけど気になる状態となってしまったその他大勢。
「かっ飛ばしていいか?」
「思いっきりやりなさい」
「マスタァァ・・・」
魔理沙がマスタースパークの発射体制に入る。
だが突然箱のふたが開いた。
「待て!待つんだ魔理沙!時に落ち着k」
「スパァァァァァック!」
ブォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオン!
独特の効果音を鳴らしまた一つ星を生み出した、はずだった。
「危ないじゃないか魔理沙」
瞬時に後ろに倒れこみギリギリ紙一重でかわしたのだ、この男は、この霖之助は。
「なんだ、霖之助さんだったのね」
「心臓にわるいわよ」
内心何考えているのかはわからないが安心する二人。
「・・・」
しかし魔理沙は何もしゃべらない。
「ごめんごめん、そんなつもりじゃなかったんだけどね」
右手を頭の後ろに当て笑う霖之助。
「皆離れろ、そいつは香霖じゃない」
しかし魔理沙は一歩下がり後ろでにミニ八卦を構える。
「何言っているのよ魔理沙」
「どうやら怒らせちゃったみたいだな・・・」
すこし悲しそうな表情をして魔理沙に近づく。
「よるな!」
しかし魔理沙は更に後ろに下がる。
「魔理沙?一体如何したんだ?霊夢も・・・なんで僕から離れるんだ?」
気がつけば霊夢たちも離れていた。
「多分魔理沙の言っている事は本当だと思うわ」
「恩にきるぜ、霊夢」
そして霊夢も札を構える。
「皆してひどいな、これは何かの冗談じゃないのか?」
霖之助が必死になる。
しかし誰も聞こうとする者は居ない。
「マスタァァーーーー!」
魔理沙が再び発射体制に入る。
「なぁ、魔理沙!これはなにかの悪い冗談にしては度が過ぎている!」
霖之助が必死に色々訴えるが魔理沙の手の中の輝きは増すばかりであった。
「魔理沙・・・いつから君はそんなに・・・」
「スパァァァァアアアアク!」
虹色の輝きが辺りを包み込む・・・。



「いつから君はそんなに・・・・」











「人の力量を読めなくなったんだ」




霖之助が両手を前に翳すとマスタースパークは霖之助を押しながら割れるように拡散した。
「な!」
「魔理沙、君は僕を怒らせてしまった・・・もう僕も容赦はできない、見ろ!これが僕の正体だ!」
突然まばゆい輝きが周囲の者を襲った。
「ちょっと!何よこれ!」
「解らない!やっぱりおかしいぜ!」
「あぁ・・・まぶしい」
「お嬢様ぁぁぁぁぁぁ!」




C A S T O F F!!



「くそっなんだったんだ・・・・・え」
「今の光は一体・・・へ?」
「危なかった・・・もう少しで灰になるところだったわ・・・・あぃ?」
「守りきった、咲夜!お嬢様を守りきりました!・・・・は?」
「紫様!大丈夫ですか!・・・いったいあいつは何を・・・おぉう!?」
「大丈夫よ藍・・・だけどあいつはどうなった・・・の・・・・あら?」
「もー何なのよー・・・真夜中にこんなフラッシュ目に悪いわよ・・・ブッ!?」
「姫・・・汚いですよ・・・あっちになにかあるのです・・・か・・・・あ?」
その場にいた全員が固まった。
「服が空を舞う奇跡・・・・・ウェルカム!!!」
その中心地にいたのは紛れもない霖之助・・・いや、こーりんであった。
その神々しい姿は・・・褌一丁であった。
「いやあああああああああああああああ!!!」
誰の叫びかは解らない、だがその叫びで全員が全員こーりんから離れるようにと大騒動が起きた。
しかしその中で一人だけ別の考えをしている者がいた。
「あの大胆さ・・・輝き・・・服の舞い方・・・勇ましい・・・」
鼻血をたらしている藍であった。




「あれ?皆居なくなるのかい?」
そこに取り残されたのはこーりんだけであった。


続く。

今回飛ばしすぎましたかね?('A`;
さて、Exルーミアとこーりんが出ましたが。
途轍もなくカオスにことが進みそうなのでちょっと温かい目で見守りながら辛口アドバイスをお願いしたいです。
小説とかを書く際でもっとも参考になるのは他人のアドバイスですからね。
ハチ
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コメント



0.360簡易評価
3.無評価名前が無い程度の能力削除
「覚醒遺伝」って「隔世遺伝」の間違いではないのですか?
わざとなら申し訳ありません。
4.-10名前が無い程度の能力削除
「今まで力を使わせていた対価」ですか。
今更ですけど、こういう展開にするのならオリキャラの美羽は使わず、アカオニを幻想郷住人の誰かに憑依させれば済んだように思います。
そうすれば、宴会参加や幻想郷探訪の場面も省くか纏めるかできた筈ですし。
初回から読ませていただいていますが、「この物語の主人公は美羽でなければ駄目なんだ!」という説得力が感じられません。
7.90名前が無い程度の能力削除
キタ――――――――――(゜▽゜)―――――――――――
前作から待ち焦がれていました。
それにしても暴走していますね。シリアスかと思ったらギャグになっていたりと・・・
個人的には美羽をもっと生かして進めて欲しいのですが作者さんなりの考えがあるのでしょう。

「覚醒遺伝」は明らかにわざとだと思います。「隔世遺伝」とは意味が違いますから。
8.30あらさん。削除
待ってました!・・・。
9.30名前が無い程度の能力削除
前作まではよかったんですけど・・・
何かびみょう
10.80名前が無い程度の能力削除
これは・・・なかなか乙だな
14.50IRUSU削除
誰か突っ込もう
何とかの蛇=アカシャの蛇