「また魔理沙の仕業ね。全くいつもいつも、いい加減にして欲しいわ」
ため息がでる。
また窓が割れている。それも石が当たってガラス割れたなんてレベルじゃない。窓枠から吹っ飛んでる。
まぁ今日は壁が破壊されていないだけましか。
目的地はどうせ図書館だろう。
ということはまた図書館もどっかしら壊れてるんだろうなぁ。
図書館なら小悪魔が手伝ってくれるけど、面倒には変わりない。
簡単に侵入を許した美鈴も叱らなきゃいけないし。
まぁ美鈴に魔理沙を止めろというのは少々酷な話ではあるけれど。
やることは山積みだ。
いつか魔理沙をとっちめなきゃいけないな。
「とは言え私だけじゃ厳しいわね…。お嬢様に相談してみようかしら」
「あれ?」
約束紅魔館に来たのに、門が閉まっている。
今日はパチュリーと遊びに行く約束をしてるんだが。
中国もいない。
紅魔館で週に何度か開かれるお茶会の時間でもないはずなのに。
「まぁいいや」
パチュリーは中にいるだろうし、別に門番に門を開けて貰わなくても、飛び越えればいいだけの話。
だいたい飛行能力が標準装備の幻想郷において、門なんて飾りでしかないぜ。
まぁセキュリティー的に大丈夫か?とは思うが私には関係ないし。
颯爽と箒に乗って門を飛び越え、
ガンッ!!
「イタッ!!」
られなかった。
見えない壁みたいなものに遮られた。
「これは……結界?」
紅魔館に結界?
それにこれは霊夢のものだ。
霊夢が紅魔館にいようと不思議じゃない。
だが、『霊夢が結界を張っている』ということがただ不思議だった。
「これは……」
考え得る可能性はいくつかある。
例えば、霊夢が紅魔館を奪い占拠したとかな。
だがまぁ結界とは本来何かを隠し、守るためにある。
つまり、
「お宝の予感だぜ」
今日は借り(盗み)にきたんじゃなく、遊びにきただけだったんだけどな。ついでだからお宝もいただくとしよう。
霊夢の結界は強力だが、全力のマスタースパークを放てば壊せないものじゃない。
しかし、そんな目立つことをしてしまえば一発で侵入がバレてしまう。もっとも既にバレている可能性が高いけれど。
待ち受ける敵は恐らく、中国、パッド長、霊夢にレミリア。場合によってはパチュリーも敵に回るだろう。
ここで魔力を消費するのは得策じゃない。
最悪の場合……。いや止めよう。一度否定したことを考えるのは無駄でしかない。な
でもまぁどっちにしろ策がないわけじゃないし、突入あるのみだ。
「いくぜ!マスタァースパァーク!!!!!」
とりあえず第一関門はクリアだな。
結界ごと門及び周辺を塵にして堂々と庭を渡る。
玄関の扉の前には予想通りの第二の関門、中国がいた。
なんか泣いてる。
「ううぅ、私の部屋が…。私は明日からどこで生活すればいいんですか?」
「咲夜の部屋にでも泊めてもらえばいいじゃないか」
「咲夜さんのお部屋にお泊まり……」
なんか考えてる。
きっとイメージトレーニングしてるんだろう。妄想とも言うが。
ブツブツ聞こえてくる内容は
『一緒に食事→お風呂で洗いっこ→胸の話とかしちゃう→
ベッドが一つしかないから、仕方ない一緒のベッドで→
○○○○→隣には咲夜さんの寝顔が』
みたいな流れのようだ。
「うん。むしろよく門を壊してくれたわ」
「それは良かったぜ」
バカは放っといて先に行こう。
とりあえず中国の様子からして緊急事態ではなさそうだ。安心したぜ。
「あ、ちょっと。待ちなさい魔理沙!!」
「なんだよ?」
「しばらく紅魔館への出入りは禁止なの。悪いけど帰ってくれない?」
「なんでさ?」
「秘密です」
「質問に答えてくれないならこっちも要求に応える義理はないな」
「お嬢様からの命令であなたをパチェリー様に会わせるな、と」
「あっさり答えたな。秘密じゃなかったのか?」
「だって答えたら応えてくれるんですよね?」
「今時義理と人情で動く輩はヤクザにだって少ないぜ」
「詐欺だ。仕方ない。先に進みたければ私を倒してから行くことね!!」
「予想通りの展開だな。」
「えぇ、予定通りです」
「この先も予想通りだと思うからやめとかないか?」
「確かに勝負の結果は見えてます。けど、命令だけじゃなくて個人的にもパチェリー様に会わせたくないのよ」
「そうか。じゃあせいぜいケガしない様に気をつけな」
…………少女戦闘中
中国をさくっと倒して屋敷に侵入する。
玄関先の廊下には第三の関門、霊夢が待ち構えていた。やっぱりバレてたんだな。
「遅かったわね。中国に8分もかけるなんて。秒殺しなさいよあれくらい」
「正確には480秒だから秒殺だぜ」
「一応聞くけどこのまま帰るつもりは?」
「せっかく来たんだ、パチュリーの顔くらい見ないとな」
「そう。残念だけどパチュリーに会わせるわけには行かないわ」
「お前もか」
「そうゆうわけだから先に進みたければ私達を倒してから行きなさい。ね、咲夜?」
霊夢が声をかけた先にはナイフを大量に持った咲夜が歩いてきてる。
「そういうこと。覚悟しなさい魔理沙」
殺る気まんまんだ
どうも始めから中国で時間稼ぎしてるうちに合流し、二人で仕留める作戦だったようだ。
「二対一、か。まったくどいつもこいつも、そんなに馬に蹴られたいのかね?」
霊夢と咲夜。
よくわからんがラッキーだな。
1人ずつだとキツいが二人同時ならスキができる。急増タッグなんてそんなもんだ。
レミリアと咲夜のコンビなら瞬殺されかねないけど。
「で、なんでパチュリーに会っちゃダメなんだよ?」
「お嬢様に頼まれたのよ。パチェを連れてかないでって」
パチェを連れてかないで?レミリアも勝手なことを言うもんだな。
「そのお嬢様のワガママを聞いてるってわけか。犬はともかくとして、なんで霊夢まで?」
「他ならぬレミリアの頼みだもの、無碍にはできないでしょ?」
「前金で豪華フルコース一週間。成功報酬でさらにもう一週間ってとこか?」
「成功報酬…その手があったか。咲夜、今からそうできない?」
「10日間って約束したんだから今更遅いわよ」
「いや霊夢、10日間で正解だぜ。失敗するんだから成功報酬なんてもらえないだろ?」
………少女逃走中
かっこつけて啖呵きってから速攻で咲夜と霊夢から逃げること五分。二人はしつこく追ってきてる。
このままじゃジリ貧だ。なんとか策を練らないと話にならない。
急増タッグだから楽というのは、二人との連戦に比べたらの話でしかない。ちなみに本気の二人と連戦の場合、十中八九負ける。
策があるとしたらパチュリーに会わせないのが目的ってことを利用するしかない。
その証拠に図書館を守るように動き、無理には追ってこない。逃げる分には楽勝ってことだ。
ここは一時撤退してこっちも協力者を探すべきなのだが、なんせ相手が相手だ。
並のヤツじゃ太刀打ちできないし、引き受けてもくれないだろう。
実力があって、見返りなしに協力してくれそうなのはアリスだが、パチュリーと会うため、なんて知ったら敵にまわりかねない。
ここは軟禁、いや封印されている化け物の力を借りよう。
「霊夢、魔理沙は?」
「見つからないわ。とりあえず一端引いたみたいだけど、屋敷からはでていない」
今紅魔館には結界が張ってあるから人の出入りは把握してる。
「仕方ない。図書館への廊下を守りましょう」
「そうね。このまま逃げ帰るとも思えないし」
かといって屋敷内じゃろくな準備もできないだろう。
それに時間をかければ中国が復活する可能性もある。
さぁどうするつもり魔理沙?お手並み拝見といったところね。
「多分奇襲奇策の類で来ると思うから周囲の警戒を怠らないようにね、霊夢」
「のんびり待てばいいのよ、咲夜。アイツは来るなら真っ正面から来るに決まってるんだから」
「よくわかってるじゃないか霊夢」
声がする方を見ると廊下の先に2つの影があった。
「待たせたな。リベンジマッチだぜ」
1つの影はもちろん魔理沙だ。そしてもう1つは、
「咲夜と紅白だー、今日は2人も遊んでくれるの?」
最凶の悪魔だった。
「フランお嬢様!?なぜ部屋の外に!?」
「閉じ込めてあるはずじゃないの?」
2人してわかりきったことを口にする。
状況から見て魔理沙が連れ出したのは間違いない。が、なんとかして現実から目を逸らしたかった。
フランの相手なんて、フルコース10日なんかじゃ割りに合わないにもほどがある。せめて15日はないと。
「あぁそうだぜフラン。今日はな、二対二のチーム戦での弾幕ごっこだ。思いっっっっっきり全力でやっていいぜ」
「いつもは口うるさい咲夜が遊んでくれるんだー。嬉しいな」
「だってよ咲夜。こんな嬉しそうな子供を前にしてまさか逃げるとは言わないよな?」
「う…」
ドンマイ咲夜。これで逃げるわけにもいかなくなった。無事ではすまないわね。
「じゃあえーと。私は帰…」
「契約違反(敵前逃亡)は『フルコースの二倍の料金を払う』だったわね。私は魔理沙を殺るからフランは任せたわ」
そんな金はないから私も逃げられない。でもフランの相手なんて死んでもイヤだ。だって死ぬから。
「イヤよ。フランはあなたと遊びたがってるんだから、あなたが相手してあげなさいよ」
「安心しろお前ら。2人共やられんだからどっちが先でも同じだぜ」
決着はあっさりついた。時間にして五分。
ジョーカーを取られた時点でこの勝負はついていた。
「じゃあなフランまた遊ぼうな」
「うん。またねー魔理沙ー」
フランと別れて先に進む。
この先にはまだラスボスレミリア残ってるから戦力的には連れていきたかったが、
あの2人の姉妹喧嘩はいろんな意味でシャレにならないので止めておいた。
「まぁフランのおかげで楽できたし、レミリアぐらい私一人でもなんとかなるだろ」
なんて考えながら図書館を目指す。
図書館の前には誰もいない。ってことはレミリアは中だな。
バンッ!!
「さぁレミリア!!パチュリーは私のものだ!観念して大人しく引き渡せ!!」
豪快に扉を開けて宣言する。
囚われの姫を助けに来た王子様をイメージしたのに、悪役っぽくなってしまったぜ。
「いいわよ」
優雅にパチュリーと紅茶を飲んでいるお嬢様はあっさりとそう答えた。
「あれ?えーっと
『よくここまでたどり着いたわね。でもあなたなんかにパチュリーは渡さないわ!!』
みたいな熱い展開は?」
そうゆう返しがないとカッコつけて入ってきたのがなんか恥ずかしいじゃないか。
「ないわ。あなたがここにたどり着いた時点で合格だから」
「どうゆうことだ?」
「あなたがパチュリーを任せるにたる人物かテストしたのよ。
ちょうど咲夜があなたを殺したがってたことだし」
なんか今さらっと危ない発言があったが無視しよう。
「じゃあ『パチェを連れてかないで』ってのは」
「嘘よ。どうせやるなら咲夜も中国も本気にさせた方がおもしろいでしょ?
だからちょっと演技してみたの。霊夢を雇うとは思わなかったけど、本気になりすぎたわね」
「なんか拍子抜けだぜ」
「いいじゃない。こうしてパチェと会えたのだから。今日は二人でお出かけなんでしょ?」
「それはそうなんだけど」
なんか釈然としない。
この試験とやらもそうだが、何よりレミリアの態度が。
「なぁレミリア。2つ質問いいか?」
「なに?」
「たどり着けなかったらどうなってたんだ?」
合格したからいいようなものの、失格したら何されたのやら。
「さぁ?考えてなかったわ」
「さぁってなんだよさぁって。適当だな」
「だってパチェが『約束したから、魔理沙は約束を破らない。絶対来るんだから必要ない』って譲らないんだもの」
「ちょ、ちょっとレミィそれは内緒って……」
そう言われると恥ずかしいぜ。恥ずかしそうにパチュリーが俯いてるのが余計に恥ずかしい。
それとも、信じてるから、返すと約束した本を返せという遠まわしな催促だろうか。
「そっか。じゃあ行こうぜパチュリー。準備してこいよ」
「うん少し待ってて」
パチュリーは準備をしに図書館の奥へと姿を消した。
「で、2つ目は何?わざわざ人払いして」
レミリアがパチュリーがいないのを確認してから催促してくる。うーん自信あったけど人払いってあっさりバレるあたり演技力ないのかね。
「お前はこれでいいのか?」
「どうゆう意味よ?」
「『パチェを連れてかないで』演技じゃなくて本音だろ?」
………………………………………………………。
永い沈黙の後ようやくレミリアは口を開いた。
「パチェ、あなたの前だとよく笑うでしょ?
私と話していてもあなたの話ばっか…って言ってもグチばかりだけど楽しそうに話すの。
あの子は変わったわ。館の外へでるのだって数百年ぶり。
すべてあなたのおかげね」
私に感謝してると言いながら、憎悪に近い感情がぶつかってくる。
「だから、だからね…これでいいのよ」
レミリアは笑顔だ。なのに泣きそうだった。
「わからないぜ。
どこかで誰かと笑ってるのなら、幸せにしてるならそれで構わない、なんて私には思えない。
私は、大切な人には私のそばで笑って欲しいし、私と一緒に幸せでいて欲しいぜ。
それが普通じゃないのかよ?」
「それは『理想』よ。私には届かない『理想』なのよ。だから理想に近い最善で我慢するしかないのよ」
「…『理想』だなんて届かないなんて勝手に決めるなよ」
「恋敵を応援してどうするのよ?パチェはあなたといた方が…」
「一ついいこと教えてやるよ。私といる時は私への文句が半分以上だけどな、他はほとんど紅魔館みんなの話なんだぜ」
「え?」
「それに、お前らとお茶してる時のあんな穏やかな顔、私の前では絶対にしてくれない。
私にはお前が少し羨ましいよ」
「………………」
………………………………………………………。
「お待たせ。じゃあ行きましょうか」
「あぁ」
そうして少女は密室から外にでる。
その背中に、声がかかる。
「パチェ……ちゃんとここに帰ってきてね」
「何言ってるのレミィ?当たり前じゃない。」
「そうね。久しぶりの外を楽しんできて。でも土産話も忘れないでね。特上の紅茶を用意して待ってるから」
「うん。いってきます」
ため息がでる。
また窓が割れている。それも石が当たってガラス割れたなんてレベルじゃない。窓枠から吹っ飛んでる。
まぁ今日は壁が破壊されていないだけましか。
目的地はどうせ図書館だろう。
ということはまた図書館もどっかしら壊れてるんだろうなぁ。
図書館なら小悪魔が手伝ってくれるけど、面倒には変わりない。
簡単に侵入を許した美鈴も叱らなきゃいけないし。
まぁ美鈴に魔理沙を止めろというのは少々酷な話ではあるけれど。
やることは山積みだ。
いつか魔理沙をとっちめなきゃいけないな。
「とは言え私だけじゃ厳しいわね…。お嬢様に相談してみようかしら」
「あれ?」
約束紅魔館に来たのに、門が閉まっている。
今日はパチュリーと遊びに行く約束をしてるんだが。
中国もいない。
紅魔館で週に何度か開かれるお茶会の時間でもないはずなのに。
「まぁいいや」
パチュリーは中にいるだろうし、別に門番に門を開けて貰わなくても、飛び越えればいいだけの話。
だいたい飛行能力が標準装備の幻想郷において、門なんて飾りでしかないぜ。
まぁセキュリティー的に大丈夫か?とは思うが私には関係ないし。
颯爽と箒に乗って門を飛び越え、
ガンッ!!
「イタッ!!」
られなかった。
見えない壁みたいなものに遮られた。
「これは……結界?」
紅魔館に結界?
それにこれは霊夢のものだ。
霊夢が紅魔館にいようと不思議じゃない。
だが、『霊夢が結界を張っている』ということがただ不思議だった。
「これは……」
考え得る可能性はいくつかある。
例えば、霊夢が紅魔館を奪い占拠したとかな。
だがまぁ結界とは本来何かを隠し、守るためにある。
つまり、
「お宝の予感だぜ」
今日は借り(盗み)にきたんじゃなく、遊びにきただけだったんだけどな。ついでだからお宝もいただくとしよう。
霊夢の結界は強力だが、全力のマスタースパークを放てば壊せないものじゃない。
しかし、そんな目立つことをしてしまえば一発で侵入がバレてしまう。もっとも既にバレている可能性が高いけれど。
待ち受ける敵は恐らく、中国、パッド長、霊夢にレミリア。場合によってはパチュリーも敵に回るだろう。
ここで魔力を消費するのは得策じゃない。
最悪の場合……。いや止めよう。一度否定したことを考えるのは無駄でしかない。な
でもまぁどっちにしろ策がないわけじゃないし、突入あるのみだ。
「いくぜ!マスタァースパァーク!!!!!」
とりあえず第一関門はクリアだな。
結界ごと門及び周辺を塵にして堂々と庭を渡る。
玄関の扉の前には予想通りの第二の関門、中国がいた。
なんか泣いてる。
「ううぅ、私の部屋が…。私は明日からどこで生活すればいいんですか?」
「咲夜の部屋にでも泊めてもらえばいいじゃないか」
「咲夜さんのお部屋にお泊まり……」
なんか考えてる。
きっとイメージトレーニングしてるんだろう。妄想とも言うが。
ブツブツ聞こえてくる内容は
『一緒に食事→お風呂で洗いっこ→胸の話とかしちゃう→
ベッドが一つしかないから、仕方ない一緒のベッドで→
○○○○→隣には咲夜さんの寝顔が』
みたいな流れのようだ。
「うん。むしろよく門を壊してくれたわ」
「それは良かったぜ」
バカは放っといて先に行こう。
とりあえず中国の様子からして緊急事態ではなさそうだ。安心したぜ。
「あ、ちょっと。待ちなさい魔理沙!!」
「なんだよ?」
「しばらく紅魔館への出入りは禁止なの。悪いけど帰ってくれない?」
「なんでさ?」
「秘密です」
「質問に答えてくれないならこっちも要求に応える義理はないな」
「お嬢様からの命令であなたをパチェリー様に会わせるな、と」
「あっさり答えたな。秘密じゃなかったのか?」
「だって答えたら応えてくれるんですよね?」
「今時義理と人情で動く輩はヤクザにだって少ないぜ」
「詐欺だ。仕方ない。先に進みたければ私を倒してから行くことね!!」
「予想通りの展開だな。」
「えぇ、予定通りです」
「この先も予想通りだと思うからやめとかないか?」
「確かに勝負の結果は見えてます。けど、命令だけじゃなくて個人的にもパチェリー様に会わせたくないのよ」
「そうか。じゃあせいぜいケガしない様に気をつけな」
…………少女戦闘中
中国をさくっと倒して屋敷に侵入する。
玄関先の廊下には第三の関門、霊夢が待ち構えていた。やっぱりバレてたんだな。
「遅かったわね。中国に8分もかけるなんて。秒殺しなさいよあれくらい」
「正確には480秒だから秒殺だぜ」
「一応聞くけどこのまま帰るつもりは?」
「せっかく来たんだ、パチュリーの顔くらい見ないとな」
「そう。残念だけどパチュリーに会わせるわけには行かないわ」
「お前もか」
「そうゆうわけだから先に進みたければ私達を倒してから行きなさい。ね、咲夜?」
霊夢が声をかけた先にはナイフを大量に持った咲夜が歩いてきてる。
「そういうこと。覚悟しなさい魔理沙」
殺る気まんまんだ
どうも始めから中国で時間稼ぎしてるうちに合流し、二人で仕留める作戦だったようだ。
「二対一、か。まったくどいつもこいつも、そんなに馬に蹴られたいのかね?」
霊夢と咲夜。
よくわからんがラッキーだな。
1人ずつだとキツいが二人同時ならスキができる。急増タッグなんてそんなもんだ。
レミリアと咲夜のコンビなら瞬殺されかねないけど。
「で、なんでパチュリーに会っちゃダメなんだよ?」
「お嬢様に頼まれたのよ。パチェを連れてかないでって」
パチェを連れてかないで?レミリアも勝手なことを言うもんだな。
「そのお嬢様のワガママを聞いてるってわけか。犬はともかくとして、なんで霊夢まで?」
「他ならぬレミリアの頼みだもの、無碍にはできないでしょ?」
「前金で豪華フルコース一週間。成功報酬でさらにもう一週間ってとこか?」
「成功報酬…その手があったか。咲夜、今からそうできない?」
「10日間って約束したんだから今更遅いわよ」
「いや霊夢、10日間で正解だぜ。失敗するんだから成功報酬なんてもらえないだろ?」
………少女逃走中
かっこつけて啖呵きってから速攻で咲夜と霊夢から逃げること五分。二人はしつこく追ってきてる。
このままじゃジリ貧だ。なんとか策を練らないと話にならない。
急増タッグだから楽というのは、二人との連戦に比べたらの話でしかない。ちなみに本気の二人と連戦の場合、十中八九負ける。
策があるとしたらパチュリーに会わせないのが目的ってことを利用するしかない。
その証拠に図書館を守るように動き、無理には追ってこない。逃げる分には楽勝ってことだ。
ここは一時撤退してこっちも協力者を探すべきなのだが、なんせ相手が相手だ。
並のヤツじゃ太刀打ちできないし、引き受けてもくれないだろう。
実力があって、見返りなしに協力してくれそうなのはアリスだが、パチュリーと会うため、なんて知ったら敵にまわりかねない。
ここは軟禁、いや封印されている化け物の力を借りよう。
「霊夢、魔理沙は?」
「見つからないわ。とりあえず一端引いたみたいだけど、屋敷からはでていない」
今紅魔館には結界が張ってあるから人の出入りは把握してる。
「仕方ない。図書館への廊下を守りましょう」
「そうね。このまま逃げ帰るとも思えないし」
かといって屋敷内じゃろくな準備もできないだろう。
それに時間をかければ中国が復活する可能性もある。
さぁどうするつもり魔理沙?お手並み拝見といったところね。
「多分奇襲奇策の類で来ると思うから周囲の警戒を怠らないようにね、霊夢」
「のんびり待てばいいのよ、咲夜。アイツは来るなら真っ正面から来るに決まってるんだから」
「よくわかってるじゃないか霊夢」
声がする方を見ると廊下の先に2つの影があった。
「待たせたな。リベンジマッチだぜ」
1つの影はもちろん魔理沙だ。そしてもう1つは、
「咲夜と紅白だー、今日は2人も遊んでくれるの?」
最凶の悪魔だった。
「フランお嬢様!?なぜ部屋の外に!?」
「閉じ込めてあるはずじゃないの?」
2人してわかりきったことを口にする。
状況から見て魔理沙が連れ出したのは間違いない。が、なんとかして現実から目を逸らしたかった。
フランの相手なんて、フルコース10日なんかじゃ割りに合わないにもほどがある。せめて15日はないと。
「あぁそうだぜフラン。今日はな、二対二のチーム戦での弾幕ごっこだ。思いっっっっっきり全力でやっていいぜ」
「いつもは口うるさい咲夜が遊んでくれるんだー。嬉しいな」
「だってよ咲夜。こんな嬉しそうな子供を前にしてまさか逃げるとは言わないよな?」
「う…」
ドンマイ咲夜。これで逃げるわけにもいかなくなった。無事ではすまないわね。
「じゃあえーと。私は帰…」
「契約違反(敵前逃亡)は『フルコースの二倍の料金を払う』だったわね。私は魔理沙を殺るからフランは任せたわ」
そんな金はないから私も逃げられない。でもフランの相手なんて死んでもイヤだ。だって死ぬから。
「イヤよ。フランはあなたと遊びたがってるんだから、あなたが相手してあげなさいよ」
「安心しろお前ら。2人共やられんだからどっちが先でも同じだぜ」
決着はあっさりついた。時間にして五分。
ジョーカーを取られた時点でこの勝負はついていた。
「じゃあなフランまた遊ぼうな」
「うん。またねー魔理沙ー」
フランと別れて先に進む。
この先にはまだラスボスレミリア残ってるから戦力的には連れていきたかったが、
あの2人の姉妹喧嘩はいろんな意味でシャレにならないので止めておいた。
「まぁフランのおかげで楽できたし、レミリアぐらい私一人でもなんとかなるだろ」
なんて考えながら図書館を目指す。
図書館の前には誰もいない。ってことはレミリアは中だな。
バンッ!!
「さぁレミリア!!パチュリーは私のものだ!観念して大人しく引き渡せ!!」
豪快に扉を開けて宣言する。
囚われの姫を助けに来た王子様をイメージしたのに、悪役っぽくなってしまったぜ。
「いいわよ」
優雅にパチュリーと紅茶を飲んでいるお嬢様はあっさりとそう答えた。
「あれ?えーっと
『よくここまでたどり着いたわね。でもあなたなんかにパチュリーは渡さないわ!!』
みたいな熱い展開は?」
そうゆう返しがないとカッコつけて入ってきたのがなんか恥ずかしいじゃないか。
「ないわ。あなたがここにたどり着いた時点で合格だから」
「どうゆうことだ?」
「あなたがパチュリーを任せるにたる人物かテストしたのよ。
ちょうど咲夜があなたを殺したがってたことだし」
なんか今さらっと危ない発言があったが無視しよう。
「じゃあ『パチェを連れてかないで』ってのは」
「嘘よ。どうせやるなら咲夜も中国も本気にさせた方がおもしろいでしょ?
だからちょっと演技してみたの。霊夢を雇うとは思わなかったけど、本気になりすぎたわね」
「なんか拍子抜けだぜ」
「いいじゃない。こうしてパチェと会えたのだから。今日は二人でお出かけなんでしょ?」
「それはそうなんだけど」
なんか釈然としない。
この試験とやらもそうだが、何よりレミリアの態度が。
「なぁレミリア。2つ質問いいか?」
「なに?」
「たどり着けなかったらどうなってたんだ?」
合格したからいいようなものの、失格したら何されたのやら。
「さぁ?考えてなかったわ」
「さぁってなんだよさぁって。適当だな」
「だってパチェが『約束したから、魔理沙は約束を破らない。絶対来るんだから必要ない』って譲らないんだもの」
「ちょ、ちょっとレミィそれは内緒って……」
そう言われると恥ずかしいぜ。恥ずかしそうにパチュリーが俯いてるのが余計に恥ずかしい。
それとも、信じてるから、返すと約束した本を返せという遠まわしな催促だろうか。
「そっか。じゃあ行こうぜパチュリー。準備してこいよ」
「うん少し待ってて」
パチュリーは準備をしに図書館の奥へと姿を消した。
「で、2つ目は何?わざわざ人払いして」
レミリアがパチュリーがいないのを確認してから催促してくる。うーん自信あったけど人払いってあっさりバレるあたり演技力ないのかね。
「お前はこれでいいのか?」
「どうゆう意味よ?」
「『パチェを連れてかないで』演技じゃなくて本音だろ?」
………………………………………………………。
永い沈黙の後ようやくレミリアは口を開いた。
「パチェ、あなたの前だとよく笑うでしょ?
私と話していてもあなたの話ばっか…って言ってもグチばかりだけど楽しそうに話すの。
あの子は変わったわ。館の外へでるのだって数百年ぶり。
すべてあなたのおかげね」
私に感謝してると言いながら、憎悪に近い感情がぶつかってくる。
「だから、だからね…これでいいのよ」
レミリアは笑顔だ。なのに泣きそうだった。
「わからないぜ。
どこかで誰かと笑ってるのなら、幸せにしてるならそれで構わない、なんて私には思えない。
私は、大切な人には私のそばで笑って欲しいし、私と一緒に幸せでいて欲しいぜ。
それが普通じゃないのかよ?」
「それは『理想』よ。私には届かない『理想』なのよ。だから理想に近い最善で我慢するしかないのよ」
「…『理想』だなんて届かないなんて勝手に決めるなよ」
「恋敵を応援してどうするのよ?パチェはあなたといた方が…」
「一ついいこと教えてやるよ。私といる時は私への文句が半分以上だけどな、他はほとんど紅魔館みんなの話なんだぜ」
「え?」
「それに、お前らとお茶してる時のあんな穏やかな顔、私の前では絶対にしてくれない。
私にはお前が少し羨ましいよ」
「………………」
………………………………………………………。
「お待たせ。じゃあ行きましょうか」
「あぁ」
そうして少女は密室から外にでる。
その背中に、声がかかる。
「パチェ……ちゃんとここに帰ってきてね」
「何言ってるのレミィ?当たり前じゃない。」
「そうね。久しぶりの外を楽しんできて。でも土産話も忘れないでね。特上の紅茶を用意して待ってるから」
「うん。いってきます」
もう少し推敲することをお勧めします。
内容は、事態が魔理沙の思惑通りに進みすぎて物足りなかったです。
霊夢と咲夜が無能すぎるのも気になりました。
パワーバランスが全然分んね
調べてみたら、本文でも2箇所「パチェリー」となっていますね。
それと、「奪い返せ」というタイトルからすると、「パチェは元々魔理沙のもの」という前提なのでしょうか?
魔理沙はただ面白がっているようにしか見えないのに、結果、レミリアの課したテストに合格した、というのも理解しかねます。
年については・・・百年ほど図書館からでてこなかったんだっけ?
>約束紅魔館に来たのに
約束通り紅魔館に来たのに・・・かな?
料理の食材を出されて、それを美味しく食べられるレシピを聞かされて、それで終わってしまった感じ。
もう少し練られた方が良かったのではないでしょうか?
それに各キャラの設定?がめちゃくちゃすぎる。
パワーバランスもさっぱりだし。それに題名と読みはじめからして最初は魔理沙からの思いなのか?って思ったら最後はレミリアっぽく感じる。それも違和感の一つ。
それにパチュリーの年は100年程度。もう少し原作どーぞ
パチュリーと愛称のパチェが混同してしまって………
パワーバランスの件については、え?むしろフラン最強じゃないの?
って感じなのでので勉強し直してきます
「奪い返せ」についてはタイトル悩んでる時に
PCの横にゲットバカーズがたまたまあったので
そこからとっただけで特に意味はなかったです なんかすいません
能力的には紫とかの方が・・・
まぁ取りあえず、原作読み返してから、ですね。
この程度のパワーバランス設定は問題ないと思います。
名前間違うのはいけませんけどね。
最初の台詞は誰のものか途中までわかりませんでした。
タイトルでもパチュを公言されているのでパチュの台詞かと…