Coolier - 新生・東方創想話

幻想郷のとある一日・妖夢編

2008/03/16 05:47:56
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午前6時・白玉楼

「ん………」
起床時間になったので私は体を起こす。
「んん~~~………!!!」
そして、伸びを一つ。
………まだ少し眠い……顔を洗って目を覚まして来よう。


ふぅ………冷たい水で顔を洗って漸(ようや)く目が覚めた。
さて、朝ごはんの準備をしてないと。



午前7時

よし、朝食の準備もあらかた済んだし、幽々子様を起こしに行こう。

トントンッ………
「幽々子様、朝ですよ」
襖を叩いて中で寝ている幽々子様に声をかける。
行き成り襖を開けるなどと言う無礼な真似は当然しない。
「幽々子様、起床のお時間ですよ」
私は再び中の幽々子様に声をかける。
「ん~………朝ぁ?」
中からゴソゴソと言う衣(きぬ)ずれの音と共に幽々子様の声が返ってきた。
「はい、朝です。もうすぐ朝食が出来ますので、目を覚ましてから居間の方へお越しください」
「解ったわ~………」
まだ眠そうな幽々子様の返事を聞いてから私は再び台所へ戻る。

それから程なくして朝食が出来上がり、居間へと持って行く。
「妖夢、遅いわよ」
そこには完全に目を覚ました幽々子様が、待ちわびた様子で座っていた。
「普通ですよ」
本当に幽々子様は食が絡むと凄いなぁ………
あれだけ眠そうな感じだったのに、既に完全に覚醒している。
私だって起きて顔を洗っても、まだ少しは体に淀(よど)みのような物が残るのに。
私と幽々子様、二人分の朝食を食卓に並べ、私達は朝食にする。
他愛もない雑談を交わしながら、私と幽々子様は朝食を済ませた。



午前10時

朝食後、食器を洗い、洗濯物も洗い終えて既に干している。
次は庭の掃除だ。
私は箒で庭の掃き掃除をする。
因みに幽々子様は縁側でお茶を啜っている。
その仕草一つ一つが優雅なのは流石だと思う。
そんな時

「お邪魔するわよ~」

聞きなれた声が何処からともなく聞こえてきた。
誰かなど解りきっている。
「あら、いらっしゃい紫」
幽々子様のご親友で、この幻想郷屈指の実力を持つ妖怪、八雲紫様だ。
別段陽が強い訳でもないが、この方はいつも日傘を持っている。
が、何故かその様がとても優雅で、素晴らしく絵になる。
「いらっしゃいませ、紫様。今日は藍さんと橙も一緒なんですね」
私は紫様と共に隙間から出てきた藍さんと橙を見て声を掛けた。
「ああ、お邪魔するよ妖夢。それから幽々子様も、お邪魔いたします」
藍さんは私に軽く挨拶した後、幽々子様に深々と頭を下げてそう言う。
橙も藍さんに倣(なら)って頭を下げていた。
「紫様、今日はどう言ったご用件で?」
聞かなくても解ってるんですけど、一応、形式上尋ねてみる。
「あら?友人の所に遊びに来るのに理由なんて必要かしら?」
まぁ、そうだと思いましたけどね。
「いえ、特別なご用件があるかもしれないと思い、尋ねてみただけです。失礼いたしました」
そう言って私は頭を下げる。
「相変わらず固いわねぇ妖夢は」
紫様が呆れとも愉快とも取れるような表情でそう仰(おっしゃ)る。
「それが妖夢の良い所では?」
藍さんがそう言ってくれた。
「でも、もうちょっと融通利いても良いと思うわよぉ」
が、幽々子様もそう仰った。
「あ、そうだ。橙、幽々子にアレ言ってみなさいな」
ふと、紫様が橙にそう言った。
「あ、はい!」
橙は元気に返事をすると、トテトテと幽々子様の所に近づいて、そして

「Trick Or Treat!」

そう言った。
トリックオアトリート?
何の呪文だろうか?
幽々子様も私同様きょとんとしていたが
「外の世界の風習で、お菓子くれないといたずらするわよ、って意味よ」
紫様が微笑(ほほえ)みながらそう教えてくれた。
「あらあら、それは困っちゃうわね~。はい、お菓子よ、橙」
意味を察した幽々子様は微笑みながら橙にお茶請けに置いてあったお菓子を橙に渡す。
「ありがとうございます!」
橙は満面の笑みでそう言った。
幽々子様もその様子を見て微笑みながら橙の頭を撫(な)でる。
「ありがとうございます、幽々子様。橙、良かったな」
藍さんが二人に近づいてそう言う。
「はい!」
橙はやはり満面の笑みで藍さんの方を向き直って返事をする。
やはり、藍さんも微笑みながら頭を撫でている。
「あ、妖夢」
「はい?」
突然、幽々子様が私に声をかけられた。

「Trick Or Treat♪」

そして、今度は幽々子様が私にそう言った。
「何を突然………」
私は呆れて返そうとしたが
「お菓子くれないと摘み食い(いたずら)しちゃうわよ♪」
「お菓子持ってきますから、本気で勘弁して下さい」
幽々子様に摘み食いなんてされたらどうなる事か…………考えただけでも恐ろしい。
「妖夢」
今度は紫様から声をかけられた。

「Trick Or Treat♪」

紫様までそう仰った。
「お菓子くれないといたずらしちゃうわよ♪」
「本気で勘弁して下さい」
この方にいたずらなんてされたら本気で洒落(しゃれ)にならない。
やろうと思えば簡単に幻想郷全土を手玉に取れるようなお方だ。
敵う訳がない。
「今お菓子を持ってきますから、少々お待ち下さい」
どの道、来客用のお菓子を持ってこようと思っていた所だし。
まぁ、紫様の事だからその事も見越してちょっとした冗談で言ったのでしょうけど。
…………幽々子様はそれに乗じて要求して来たのでしょうけどね。


30分後


う~ん………いつもの場所にお菓子が無かった…………
幽々子様、お菓子あげてもあげなくても結局摘み食い(いたずら)してるんじゃないですか。
お陰で離れにある食糧庫から取って来る羽目になって時間かかっちゃいましたよ。
って、あれ?
「幽々子様。紫様方はどちらへ?」
戻って来てみると紫様や藍さん、橙の姿が見えなかった。
「紫なら霊夢で遊んでくるわね~って出かけたわよぉ」
霊夢「と」でなく、「で」である辺りが紫様らしい。
幻想郷広と言えど、博麗の巫女、博麗霊夢「で」遊べる者はそう多くない。
下手な事すると吹っ飛ばされるからなぁ………あの巫女は。
「藍さん達は?」
紫様の式と言えど、藍さんがそんな事に参加する訳はない。
命令されてしまえば話は別だろうけど………
「ああ、藍なら連日の仕事の疲れが溜まったみたいだから寝てるわ。橙も一緒よ」
「そうでしたか」
藍さんは紫様の役目を代わって行っている。
幻想郷を回って結界の綻びの調査など楽な仕事ではないだろう。
疲れが溜まって当然か………
「そうでしたか。取り敢えず、お菓子はここに置いておきますね」
「ありがと」
私は幽々子様の隣に茶菓子を置いて、再び庭の掃除を再開する。
そして、掃除を再開してからややして

「ただいま~」

紫様がお戻りになられた。
「おかえりなさい、紫」
「おかえりなさいませ、紫様。お菓子の方は幽々子様の所に置いてあります」
「あら、ありがと。でも悪いわね。そろそろ帰ろうと思ってたのよ」
「あら?もう帰るの?」
幽々子様が問いかける。
「ええ。また気が向いたら来るわ」
「いつでもいらっしゃいな。こっちから呼ぶかもしれないけどね」
幽々子様は袖口で口を隠しながら楽しそうに笑う。
「ふふ……それも悪くないわね。あ、そうそう。藍は置いていくわ。ご飯でも作らせておいて」
「え?藍さんは疲れて寝てるのでは?」
流石に疲れてる人に料理をさせるのは………
「あら?妖夢。ウチの藍がそんなに柔(やわ)だと思ってるの?」
「いえ、ですが疲れが溜まっているとの話でしたので………」
「安心なさい、腐っても九尾の妖孤。少し寝ればすぐに回復するわよ」
う~ん………流石最強級の妖怪……回復力も普通じゃないのか…………
「そう言う訳だから、こき使っておいて良いわよ」
「じゃあ、そうさせて貰うわね」
許可が有るとはいえ、容赦ないですね幽々子様も。
「またね、幽々子」
「ええ」
そう言って紫様は隙間へと消えた。
「さて、紫様はああ言われてましたけど、やはり私がお昼の準備を致します」
「妖夢」
「はい、なんでしょう?」
箒を置いて台所へ向かおうとした処で幽々子様に呼び止められた。
「藍に作らせるから貴女(あなた)は作らないでいいわ」
「い、いえ、しかし…………」
流石に疲れてる藍さんに作らせるのは気が引けますよ。
「言う通りになさい。貴女も偶には料理しないで里で食事でもしてらっしゃい」
「え?里で?」
何故?
「これは命令よ。今日のお昼は里で済ませて来なさい。ついでに夕方過ぎまで戻る事を禁ずるわ」
「いえ、ですが…………」
やはり今の藍さんを働かせる訳には………
「私の心配なら無用だぞ、妖夢」
藍さんが部屋の一室から出てきてそう言った。
「藍さん。体の方は大丈夫なんですか?」
「何、これでも紫様の式。おいそれとは地に伏さんよ」
本当に何でもなさそうに藍さんは軽く笑う。
「それに、偶には里の人間の作った料理と言うのも食べてみてはどうだ?新しい発見があるかもしれないぞ」
それは確かに………普段から幽々子様のは勿論、自分自身の食事も自分で作ってる訳で。
比較対象が無いので、自然、味の方も発展しなくなってくる。
「屋敷の事なら心配しなくて良いわ。他の幽霊達にやらせるから」
元々、この凄まじく広い白玉楼の管理を私一人でできる訳はなく、掃除等は幽霊に手伝ってもらっていたりする。
幽霊はいっぱいいるので、確かに一日くらい私が不在でもどうにでもなるだろう。
「解りました。では、里の方に行って参りますね」
「ええ。あ、それから今日の夕飯は鳥でお願いね」
「鳥、ですか?」
「ええ。さっき鳥鳥言ってたら食べたくなっちゃったから♪」
「はい?」
そんな事言ってましたっけ?
「ほら、さっきの「鳥食う Or 鳥Eat」って言うのよ」
幽々子様、Trick Or Treatです。
大体、Eatも「食べる」って意味なんですから、「もしくは」の意味を持つOrの意味が全然ないじゃ無いですか。
因みに外の世界で言う「英語」と呼ばれるものの簡単なものは、前に紫様に教えて頂いた。
なんで教えてくれたのかは今一不明だけど、まぁ、あのお方の思考を読むのはまず不可能なので深く考えない方が良いだろう。
「ま、まぁ、今晩は鳥料理ですね?」
「ええ、お願いね」
「畏まりました」
では、帰りに里で鶏肉でも買おうかな。
さて、幽々子様にご命令された事だし、里に下りて昼食を摂る事にしよう。



正午・人の里

流石にお昼時の食事処は何処も混んでいて、何店か見て回り、何とか座れる店を見つけた。
お品書きに目を通し、店員を呼ぼうと店内を見回すと、見知った姿を見つけた。
「あれ?鈴仙さん」
迷いの竹林の永遠亭に住む月の兎、鈴仙・優曇華院・イナバさんだ。
「妖夢?珍しいわね、こんな時間にこんな所で」
確かにその通りかもしれない。
「それもそうですね。所で、鈴仙さんもここで食事を?」
「ええ。でも、席がいっぱいでねぇ………」
私も何とか席を取れたと言った感じでしたしね。
「でしたら、合席しますか?」
知らない仲でもないし、私はそう提案した。
「お邪魔して良いかしら?」
鈴仙さんはもう一度店内を見回した後にそう言った。
「どうぞどうぞ」
鈴仙さんが座ってから、私達はそろって注文をとった。
「それにしても、貴女が一人でこんな所に居るなんて珍しいわね」
確かに、私一人でこういう場所に居るのは珍しいでしょう。
幽々子様の命令がなければ一人で外食などしてないし。
「ええ、今日は藍さんが来てまして、お昼は藍さんが作ってくださるそうなので、私は一人で外出して来いと言われました」
私は鈴仙さんに簡単に説明した。
「なるほどね~」
すると、鈴仙さんは何か納得したような面持で頷いていた。
鈴仙さんは幽々子様の考えが解っている?
だとしたら凄いな………私なんて全然解らないのに…………
「時に、鈴仙さんは何をしにこちらへ?」
私ほどじゃ無いにせよ、鈴仙さんも頻繁に里に来てる訳じゃない。
「私?私は薬売りよ」
「なるほど。そう言えば、定期的に里に売りに来てるんでしたね」
今日がその日だと言う事か。
「昔はこんな事無かったけど、私達の事が知れてからは定期的にこうしてるわね」
永遠亭自体は随分前から存在していたようだけど、その存在が知れ渡ったのはつい最近だ。
そして存在が知れてからは特に隠そうともせず、それどころか鈴仙さんの薬売りを始め、色々とやっている。
永遠亭に住んでいる鈴仙さんの師匠こと、八意永琳さんは訪れた者の診察と言う医者の様な事をしている。
前なんて、あそこのお姫様が月の博覧会「月都万象展」なる物を開いていたし。
「妖夢は昼済ませたらどうするの?」
「う~ん………それが、考えてないんですよねぇ……半ば放り出される形で出てきましたから」
そう言えば、この後の事全然考えてなかった………
「私はこの後薬売りの為に稗田家を訪問するんだけど、貴女も来る?」
「稗田家?御阿礼の子の?」
「ええ」
御阿礼の子と言えば、幻想郷の妖怪に関する幻想郷縁起をまとめている一族だ。
その中でも名前に「阿」のつく御阿礼の子は特別で、何でも転生を繰り返して縁起を綴(つづ)っていると言う。
現在は九代目で名前は阿求という女の子だ。
「そうですね………幻想郷縁起も完全に読んでませんし、それも良いかもしれませんね」
一度現在書かれている妖怪に関して目を通しておくのも良いかもしれない。
「じゃあ、そうしましょう」
「はい」
その後、やって来た食事を食べながら話を続けた。
主に、お互いの主の愚痴の話を。



午後1時・稗田家

「こんにちわ~」
「はい、どなたでしょう?」
鈴仙さんが戸を叩いて声をかける。
すると、使用人の人がやって来た。
まぁ、流石に幻想郷でも有数の名家だけあっていきなり家人が来る事はないか。
「あら、貴女は薬売りの………」
どうやら鈴仙さんは薬売りで面識があるようだ。
「悪いんだけど、ここのお嬢様は居るかしら?」
「阿求様ですか?少々お待ち下さい。」
そう言って使用人の方は奥へと下がっていった。
「居ますかね?」
「どうかしら?」
一応、私達は大雑把になら「妖怪」に分類されているから、警戒される事もあるかもしれない。
しかし、それは杞憂だったようで、すぐに当の本人が姿を現した。
「やはり鈴仙さんでしたか。それに妖夢さんも」
子供らしからぬ落ち着いた様子で私達に声を掛ける。
「こんにちわ」
「こんにちわ」
私達は順に挨拶をする。
「はい、こんにちわ。それえ、何か御用でしょうか?」
「用って程の物じゃないけど、今日は入用な人があまり居なかったから午前中であらかた回り終わっちゃってね」
鈴仙さんがそう説明する。
「なるほど、暇つぶし、と言う訳ですね?」
「まぁ、そうとも言うわね」
そうとしか言わない気もしますが。
「お邪魔でしたか?」
御阿礼の子は寿命が長くない。
生きて30前後との事だ。
その短い人生の中の更に大半を幻想郷縁起を綴る事に費やすと言う。
私達の暇潰しに付き合わせるのは悪いかもしれない。
「いえ、丁度私も少し時間を持て余してた所ですよ。良ければ上がって行きますか?」
が、意外にも色よい返事をもらえた。
「ええ、お言葉に甘えさせてもらうわ」
「お邪魔します」
私と鈴仙さんはお邪魔する事にした。


稗田家・縁側

ひとまず、私達は差し出されたお茶を啜っていた。
「あ、そうだ。良ければ幻想郷縁起を見せていただけますか?」
私は自分の目的を思い出して阿求さんに尋ねた。
「解りました。少々お待ち下さい」
阿求さんはそう言うと、自分の部屋と思(おぼ)しき部屋に入り幻想郷縁起を持ってきた。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
私は幻想郷縁起を受け取って読み始める。
隣では鈴仙さんと阿求さんが話をしている。
縁起をパラパラとめくり、幽々子様の項を見つけた。
…………う~ん………危険度極高かぁ………別に、幽々子様はそんなに危険な方じゃないんだけどなぁ…………
そりゃまぁ、「死を操る程度の能力」は特定の者以外は抗えない能力だから、怖いのは解るけど………
その能力を無闇(むやみ)やたらに使うお方では無い。
それだけは断言できる。
まぁ、脅しで使うと言う事はあるけど………
しかし、人間友好度は高か………人間友好度が高ければ危険度は低いと思うのは私だけかな?
幻想郷縁起自体、人間の為に書いてあるような物だし。
まぁ、怒らせたら洒落(しゃれ)じゃ済まないぞ。って事なのかな?
それについては激しく同意するけど。
って、あれ?私の解説はどこだろう?
っとと、かなり最初の方にあった。
う……むぅ………迫力が無い……かぁ…………しかも可哀相(かわいそう)って…………
それに、あの世からの御迎えって………私はそんな役目は負ってませんよ。
「もしかしたら、この縁起に妖怪の山の妖怪を載せる事が出来るかもしれません」
ふと、阿求さんのそんな言葉が耳に入って来た。
「でも、妖怪の山の妖怪が他者を排除するような閉鎖的な者なら、こういった物に載せられるのも嫌うのでは?」
妖怪の山の妖怪はかなり排他的と聞いている。
私はそれを思い出して、そう言った。
「かもしれませんね。その辺りはやってみないと解りませんが」
「なるほどね~」
鈴仙さんが納得したように相槌を打つ。
確かに、やってみないと解らないな。
一応、妖怪の山の鴉天狗、射命丸文さんは載ってる訳だし。
まぁ、あの人は妖怪の山の中では珍しく社交的なんでしょうけど。
単に新聞の為だけかもしれませんが。
「時に、改編するに当たり、お二人のご自身の説明の希望などはありますか?」
ん?話をよく聞いてなかったけど、改編するのか………
けど
「う~ん………私は手を加えなくて良いですよ。あまり捻じ曲げるのは好きじゃないですから」
事実を誇張しても虚しいだけ。
どうせなら、今は納得いかない文面も、いずれはしっかりとした内容に変えていきたい。
勿論、私自身の成長によって。
「私は今まで通りで良いわ」
鈴仙さんもそう言った。
「良いんですか?」
阿求さんは鈴仙さんにそう聞き返した。
「良いのよ」
鈴仙さんはぶっきらぼうにそう返す。
「そうですか。こんなに話しやすいのに、あんな説明では危険な存在としか認識されませんよ?」
それは確かに。
さっきチラッと鈴仙さんの項を見たけど、まるで危険妖怪のような書かれ方をしていた。
「良いのよ、それで。貴女や巫女、魔理沙や十六夜咲夜はともかく、他の人間とまで馴れ合おうとは思わないわ」
が、鈴仙さんはやはりそう言いきった。
う~ん………こうして居るととても良い人なんだけどなぁ…………
「そうですか」
「ええ」
鈴仙さんはお茶を啜りながらそう返した。
「それにしても絵付とは……作るのに時間掛かりませんか?」
説明と一緒に書かれている挿絵はとても適当に描いたようには見えない。
これだけの絵も一緒に書くのは相当時間がかかるはずだ。
「そうですね。でも、文字だけで風貌を説明されるのと、姿を見れるのとでは、理解度が全然違うと思いますしね」
「それはそうね」
確かに。
絵が有ると無いとでは自然、理解度も変わってくる。
「それに、妖怪は人間と違って短い期間でそんなに容姿が変わりませんからね。私が生まれ変わる頃までにその中に容姿の改編をする必要がある方がどれだけ居る事やら」
確かに………
少なくとも、幽々子様、紫様、藍さん何かは絶対に変わってないだろうし。
変わってたとしても精々服装や髪型といった程度だろう。
私は………変わっているのかな?
そんな事を考えながら、その後暫く、私達は縁起の事を交えながら話をした。



午後2時30分・刀剣屋

2時少しくらいに稗田家を出て、出た所で鈴仙さんと別れた。
その後、偶々目に入った刀剣屋に足を運んで見た。
里の中では安全でも、街道などには妖怪が出る為、その護身用として売られているのだろう。
まぁ、最も、しっかりと扱えないと下級の妖怪でもない限り追い払う事すら不可能だろうけど。
しかして、まぁ………昔と比べて妖怪の動きが活発でなくなったせいだろうか?
売られている刀もあまりいい物が無い。
無駄足だったか?
と思った時、ふと視界に何かが目に入った。
何だ?
菊紋の鍔(つば)?
へぇ………良く出来た紋だ…………これは刀も良いのかな?
私はそれを手に取って抜き放ってみた。

スラッ…………

「…………っ!」
思わず息を飲んだ。
よもや、人の里にこれほどの刀が有るなんて…………
綺麗に伸びた直刃(すぐは)はまるで吸い込まれるような感じがする。
重量も重すぎず、軽すぎず…………
「お?お譲ちゃん、それに目が行ったかい。中々いい目をしてるねぇ」
店主と思しきおじさんが声を掛けてきた。
「これは何と言う刀ですか?」
私は訪ねてみた。
「それかい?実を言うとね、名が無いらしいんだ」
「無銘………!?」
これ程の刀が!?
「ああ、でも霖之介さんが言ってたな………正式な名前はないが、「菊一文字」と人の世では呼ばれてたって」
霖之介………人里離れた所にある道具屋、香霖堂の店主だ。
確か、見た物の名前と用途が解る能力だったっけ………
その店主が名前が無いと言ってたなら本当にそうなんだろう………
「しかし、何故「一文字」なんですか?」
「刀身の鍔元を見てみな。「一」の字が刻まれてるだろう?」
本当だ、良く見ると「一」と言う字が彫られている。
「その一の字と鍔の菊の紋から「菊一文字」って呼ばれてたそうだ」
「菊一文字…………」
私は暫く見てから菊一文字を鞘に納めて元に戻す。
と、同時にその横にある刀にも目が行った。
「おいおい、お譲ちゃん何者だい?なんだって他の凡百の刀には目を向けず、名刀ばかりに目が行くんだい?」
「幼い頃より刀を見て来てますから」
刀の目利きくらいは出来る。
「へぇ………幼い頃か……ら……………?」
店主の声が突然不自然に途切れた。
「ま、まさか………お譲ちゃん、あの冥界の………なんて事は……ない…よな?」
「いえ、私が冥界の庭師。魂魄妖夢ですよ」
嘘を吐(つ)いても何にもならないので私は正直に答えた。
「かぁ~……!!こりゃ魂消(たまげ)た!!まさか、冥界の剣士様がウチに来るなんてな………」
「ご迷惑でしたか?」
やはり、あの世からの御迎えと思われるのかな?
「ああ、いやいや、そんな事ぁねぇよ。ただ、まぁ、最近は妖怪も頻繁に出なくなってか、ウチに来る客が少なくなってねぇ」
やはりそうなのか。
「まさか、幻想郷縁起で見た魂魄家の剣士様が来るとは思わなかったよ」
「まだまだ半人前ですがね」
剣士様、と呼ばれるほどではない。
それは自覚している。
「それはそうと、そいつに目が行ったかい?」
店主に声をかけられると同時に私は刀を抜き放つ。
「ええ………先ほどの菊一文字と違ってずっしりと重量感がありますが…………これも名刀ですね」
先ほどの菊一文字の美しさとは対象に、見る者を圧倒するような威圧感がこの刀にはある。
しかし、無暗やたらに牙を振るう野良犬のような荒々しさではなく、何やら荘厳な気配のある威圧感だ。
「そいつはちゃんと名が有るんだぜ」
「この刀の名は?」
「本庄正宗。何でも外の世界のお偉いさんの所にあった刀だそうだ」
「本庄正宗…………」
重量がかなりあるな………今の私の腕ではまだ持て余すかもしれないな。
だが、これを片腕で振るえたなら、大抵の敵を打ち負かす自信がある。
まぁ、私には白楼剣と楼観剣があるから問題ないけど。
けど、出来るなら手元に置いてみたい刀ではある。
二本とも。
その後も隠れた名刀はないかと探して回ったが、目ぼしいのは見つからなかった。
そうこうしている間に、いつの間にか3時半になっていた。
今から買い物して帰れば夕方過ぎくらいにはなるだろう。
そろそろ白玉楼に帰る準備をしなくては。
「ご主人、お邪魔しました」
「何、気が向いたらまた来てかまないよ。あの冥界の剣士様が訪れた店となれば泊も付くってもんさ」
店主は人の良さそうな笑顔でそう言った。
「ええ、暇があったらまた寄らせて貰います」
もしかしたら、次来る時までに新しい物が入っているかもしれない。
そうでなくても、あの二振りを鑑賞するだけでも悪くない。
私はそう思いながら店を後にした。



午後4時・人の里・往来

買い物も済ませ、帰ろうとした時に何やら前の方が騒がしくなった。
「何だ?」
私は気になってそちらの方に向かってみる。
里で妖怪が暴れる事はまず無いはずだし………喧嘩にしては悲鳴だけが聞こえてくる。
人間同士の喧嘩の場合は悲鳴の外にも囃(はや)し立てる野次馬も居る筈だ。
しかも、人が散り散りに、さながら蜘蛛(くも)の子を散らすように逃げている。
そして、人が散って漸く事態が把握できた。
牛だ。
恐らくは農耕用のであろう牛が暴走している。
今はまだ怪我人などは見受けられないが、放っておけば怪我人や建物に損壊が出る。
この里の守護者の上白沢慧音さんとは知らない仲じゃないし………当の本人も居ないみたいだ。
なら、私がなんとかしよう。
「おや、妖夢さん。奇遇ですね」
ふと横から声を掛けられてそちらを向くと、紅魔館の門番、紅美鈴さんが居た。
「美鈴さん。ちょうど良かった」
私一人では無被害と言う訳には行かなかった所だ。
「皆まで言わなくても解りますよ。朋友(ポンヨウ)の為でもありますしね」
「ですね」
私、美鈴さん、藍さん、鈴仙さん、慧音さん、そして閻魔様の6人はみょんな事から「苦労人同盟」なる同盟を結んでいた。
そして、大っぴらに「同志よ」みたいに言うのも何なので、美鈴さんの提案で「朋友」と呼び合う事になった。
何でも、外の世界の美鈴さんに所縁(ゆかり)のある土地の言葉だそうだ。
「なんか、片方が私に向かって猛進してるんで、もう一頭をお願いしますね」
確かに、暴れ牛の一頭は美鈴さん目掛けて猛進している。
そう言えば、牛は赤い物を見ると興奮すると聞いた事があったな………と言う事は、美鈴さんの髪が目に入って、突進して来たのかな?
まぁ、ともあれ、あれは美鈴さんに任せて私はもう一頭を相手にしよう。
残った方に近づいたは良いけど、どうやって気を引こうかと考えてる所に、足もとに暖簾(のれん)と思しき赤い布が飛んで来た。
私は荷物を置いてから、試しにそれを拾って牛の方にヒラつかせてみる。
すると、見事に牛は私の方めがけて突進してきた。
どうやら、赤い物に興奮して突進すると言うのは本当らしい。
私は刀を抜き放ち、ギリギリまで布をヒラつかせて牛を引きつけ、寸での所で体をくるりと回転させて突進を避ける。
そして、その回転の勢いを利用して、そのまま牛の後頭部に刀の峰(みね)を強く打ち付けた。


ガゴッ!!


手応えあり。

ズザアァ………

牛は気を失ってそのまま滑るように倒れた。
よし、片付いた。
さて、美鈴さんは………っと。
…………………な……に………?
私は目を疑った。
美鈴さんの方も牛は気絶させられていた。
別にそれくらい驚く事じゃあない。
美鈴さんは妖怪だし、更には武術の達人と来ている。
牛くらいに後れを取る訳がない。
それは解っている。
問題は倒し方だ。
美鈴さんは先ほどの場所から動いていない。
つまり、あの場で真正面から迎撃したのだ。
どんなに軽く見積もったって、牛は軽く百貫(約375Kg)を超えている筈だ。
それを、真正面から、しかも牛の頭部を見る限り、眉間に拳の一撃をお見舞いしている。
私が似たような事をすれば間違いなく弾き飛ばされるだろう。
それなのに、あの人は真正面から…………
「お互い無事に片付いたようですね」
「………ええ」
その時の私はどんな顔をしていただろうか………
少なくとも笑顔でない事は間違いない。
「荷物、後ろに置きっぱなしですよ?」
「え?あ……」
私は言われて荷物の事を思い出し、拾い上げる。
「さて、騒がしくなる前に撤収しましょうか」
「そうですね」
礼を言われたりするのも面倒だし、私と美鈴さんは早々に現場を後にした。


林道


私と美鈴さんは並んで歩いていた。
途中まで道が同じだからだ。
だが、お互い一言も喋ろうとしなかった。
そして、やがて道が開け、分かれ道に辿り着いた。
ここで私と美鈴さんは別の道を行く事になる。
二人同時に道の分岐の前で立ち止まる。
どちらからともなく、足が止まったのだ。
「ふふ………若いですねぇ……妖夢さんは」
帰路に付いて初めて、美鈴さんが笑いながら私に声を掛けた。
「若い………ですか?」
そりゃまぁ、美鈴さんと比べればそうでしょうけど…………
「私の言ってるのは年齢の事じゃないですよ?」
あれ?否定された。
と言う事は………
「帰り道に入ってから凄いですよ?「この人と戦ってみたい」と言う「気」が思いっきり溢れてますもん」
やはり………か。
抑えよう、抑えよう、と思ってたけど、全然抑えられてなかったみたいだ。
しょうがない。
あんなものを見せつけられたらしょうがない。
興味が湧いてしまう。
この人の強さに………!!
「ふふ………さらに強くなりましたね……私としても偶には腕の立つ人と仕合たいですし…………ね」
途端、突き刺さるような「気」が美鈴さんから放たれる。
「ちょうどここ広いですし、一手、手合わせ致しましょうか」
「………ええ」
恐らく、その時の私は笑っていた事だろう。
「荷物、置いて良いですよ」
「はい」
私は近くの木の根元に荷物を置くと、やや間合いをとって白楼剣と楼観剣を抜き放って構えた。
「あ、スペルカードは無しでいいですか?流石に弾幕張られると私に勝ち目無いので………」
「ええ、勿論です」
私が知りたいのはこの人の「武」の強さ。
悪いけど、弾幕勝負になれば私が確実に勝つだろう。
しかし、そんな物は私の望む勝利では無い。
今の私の望む勝利。
それは、この人の「武」を打ち負かす事。
「…………行きます」
「何処からでも」
そう言った美鈴さんは笑顔だった。
余裕?
何だろうと構わない。
まずは、これで見極める!!


ダンッ!!


私は地面を蹴って一気に踏み込んだ。
まだ美鈴さんは動かない。
相手がどう出ようが知った事じゃない。
これで終わるなら見込み違いと言うだけだ!!
「せぇっ!!」
私は先に左の楼観剣で斬り掛かり、少し遅れて右の白楼剣も振るった。
当たる!
この間合いなら避けれない!!
私の思惑通り、楼観剣は美鈴さんの体を斬り裂いて


ガッ!!ゴッ!!


………ない!?
楼観剣も、白楼剣も弾かれた!?
ば、馬鹿な!!
鎧も何も付けてない生身の体に弾かれるなんて…………そんな馬鹿な!!!
「硬気功………」
美鈴さんがボソッと呟き、そして


ドッ!!


「ぐっ!!!」
私の鳩尾(みぞおち)目掛けて鋭い蹴りを放ってきた。
一瞬早く気づいて飛び退(の)いていたから衝撃はそれ程ない。
し、しかし…………今のは!?
「私の能力をお忘れですか?」
美鈴さんの能力…………?
確か………
「気を使う程度の能力………ですよ」
気………確か、使いようによっては体内に直接衝撃を与えたり、体を硬くしたり出来るとか………
では、今のは………
「硬気功。これを使った私の体は、さながら鉄の様に硬くなります」
鉄………
確かに、私は斬鉄は出来る。
が、それは両手持ちの時に限る。
まだ片手で斬鉄は出来ない。
くそ………無手と言う、射程は短いが手数の多い型が相手だから、こちらも手数で応酬しようとしたのに………
ダメだ、あんなのを使われたんじゃ片手じゃどうにもならない。
寧ろ、相手に隙を与えるだけだ。
仕方ない………
私は白楼剣を鞘に納め、楼観剣一本を両手持ちに切り替えた。
まだ、射程だけなら私の方が上なんだ。
潜り込ませないように気をつければ…………
「流石に………隙の無い構えですね」
美鈴さんと私はジリジリと間合いを詰める。
あともう半歩で私の間合いと言うところで美鈴さんが止まった。
流石に心得ている。
暫く睨み合った後、私は軽く踏み込む振りを仕掛ける。
瞬間、美鈴さんが素早く私から見て左斜め前方に動いた。
私は急いでそちらに顔を向けて、踏み込む

振りをする。

案の定、美鈴さんは再び私の正面に戻って来た。
読み通り。
「いやあぁぁぁ!!!」
私は今度こそ、本当に踏み込んで袈裟(けさ)掛けに斬り付けた。


ザゥッ!!


浅い!!………が、手応えあり!!
今度は斬れたか!?
「……っく!!」
美鈴さんも咄嗟(とっさ)に気づいて、後ろに下がると同時に防御したのだろう。
左腕の部分が切れて血が流れている。
よし、斬れた!
問題ない。
踏み込んで斬りつければちゃんと斬れる。
なら問題ない。
今度は深く斬りつければ良いだけだ。
向こうの方が間合いが短い以上、攻撃するのに踏み込まざるをえまい。
そこを相打ち覚悟で斬りつける!!
相打ちになっても殺傷力の高い刀を持つ私の方が有利の筈だ。
後は、焦って相手に隙を与えない事だ。
よし、落ち着いていこう。
落ち着いていけば勝てる!!


数分後


「く………つぅ……!!」
あ、甘かった………
なんて甘い読み………!!
自分の未熟さがとことん嫌になる!!
踏み込む必要なんてなかった。
美鈴さんは踏み込む必要なんてなかった。
いきなり私の腹や頭と言った一撃で大打撃を与えられる場所を狙う必要なんてなかった。
それよりも、攻撃する時に必然的に前に出る私の腕や足を蹴っていれば良かったのだ。
確かに、それでも刀の長さが有る分、大きな痛手は負わない。
が、何度も何度も私の攻撃を避けては腕、あるいは足を蹴る。
それを繰り返されては、流石に私の腕と足にも損傷は溜まる。
事実、既に蹴り続けられている腕や足に痺れが発生し始めた。
大振りさえしなければ蹴られる隙も無いけど、力を込めて斬りこまないと美鈴さんの硬気功の前に私の攻撃は弾かれる。
そんな事になれば、思いっきり踏み込まれて急所を狙われる。
だから、私は常にほぼ全力で斬りこまないといけない。
美鈴さんは直ぐに踏み込む必要なんてなかったんだ…………私の腕と足を壊してからゆっくりと料理すればいいのだから………!!
「そろそろその足と腕も限界そうですね」
変わらない笑顔で美鈴さんは言う。
くそ……こうなれば突きを使うか!?
突きは殺傷能力は斬りの比では無い。
命中すれば必ず深手を負わせられる。
が、外した時の隙の大きさも斬りの比では無い。
万一外せば、間違いなく負ける。
だからこそ、今の今まで使わずにいたのだが…………
「突き………ですか?」
っ!!
気づいている………!!
「刀を持つ人とやるのは初めてじゃありませんからね。と言うか、人間は大抵刀出来ますから。思考が読みやすいんですよ、慣れてるので」
なんて事だ………
つまりは、過去に美鈴さんと戦った者達は私と同じ事をしてきたと言う事か………
なら、この後の結果も知れている………!!
「既に痛めつけられて機能が落ちているその腕と足で、私を捉えられる突きを放てますか?」
その通りだ………
悔しいけど、その通り。
人間より身体能力が高いとはいえ、型が変わるわけじゃない。
初動を見切られれば、そのまま軌道を読まれて避けられても不思議じゃない。
ならば……………

後はこれしかない!!


「居合………抜刀術ですね」


私は楼観剣を鞘に納めて、今度は白楼剣の方で抜刀の構えに入る。
楼観剣では長すぎて抜刀術には向かないからだ。
「片手でも、抜刀術なら斬鉄は出来ます」
これなら決められる。
だが、この抜刀術も突き同様、外せば隙だらけだ。
確実に決める………!!!
「良いですね………ビリビリと突き刺さるような剣気…………やはり、人間とは違いますね」
美鈴さんの顔から笑顔が消え、真剣な面持ちで構え、そして私達は互いにジリジリと間合いを詰める。
ある程度まで近づけば、一足飛びに踏み込んで抜刀術を放てる。
その間合いまで我慢だ。
少しでも遠すぎれば避けられる。
が、逆に踏み込み過ぎれば、今度はこちらが踏み込まれる。
交差法で踏み込み合いをしたら、確実にこちらが一方的に間合いを潰されて負ける。
後少し………あと一歩……………あと半歩……………………




今っ!!!




私は一気に踏み込んだ。




と同時に、ちょうど私と美鈴さんが対峙するであろう場所の右側から、突然荷台が飛び出してきた。
馬鹿な!?
いくら集中していたとはいえ、荷台が転がってくる音に気付かない訳が無い!!
なぜ突然飛び出してきた!?
いや、それよりも、このままだと間違いなく私達に直撃する!!
見ると、美鈴さんは既に荷台の迎撃に入っている。
当り前か。
このままでは勝負どころでは無い。
私も荷台を切り捨てようかと思った所で、重大な点に気づく。
私は抜刀術を放とうとしていた為、刀を鞘に納めている。
そして、荷台は私の右側から来ている。
つまり、このままでは私は荷台に向かって刀を振れない。
仕方がない、着地をして多少強引にでも抜刀術を放とう。
変な斬り方になるが、荷台ぐらいは斬れるだろう。
そして、私は着地し、前に出ていた右足を支点に左足を荷台の方に踏み込み、同時に抜刀術を放つ。


「はいやあぁぁぁぁぁぁ!!!」

「せえぇっっっっ!!!!」


バガンッ!!!

スパンッッッ!!!!


美鈴さんの攻撃した方の荷台は砕け、私の斬った荷台は真っ二つに切り裂けた。
何とか、直撃する事態は避けれた…………
だが、い、今のは何だ?
「ふぅ………邪魔が入りましたね」
「え?ええ…………」
私は生返事(なまへんじ)を返す。
正直、それどころではなかった。
「まぁ、命拾いした訳ですが……………私が」
違う!
あれは狙ってやったんじゃない!!
あれは………
「何ですか?先ほどの抜刀術は。驚きましたよ、あんな隠し技を持ってたなんて…………危うく、私が真っ二つになる所でした」
「い、いえ…………」
私だって解らない。
無理な体勢で無理に出した抜刀術。
の筈だった。
しかし、放たれた一撃は恐るべき威力を持っていた。
無理な体勢で放ったはずにもかかわらず、鉄の持ち手ごと荷台を綺麗に真っ二つにしたのだから。
何故あんな事が…………
「仕切り直し………と、行きたい所ですが、私もそろそろ帰りませんと、咲夜さんに怒られてしまいますからね」
帽子を押さえながら、笑顔で美鈴さんはそう言った。
「……そうですね。私もそろそろ帰らないとまずいですし」
負け………だな、今回の勝負は。
「機会が有れば、またやりましょう」
「そうですね…………次は負けません」
「邪魔が入りましたから勝ちも負けもありませんよ」
美鈴さんはそう言う。
が、どうみても私の負けだ。
恐らく、あのまま勝負してても私の抜刀術は破られていただろう。
人間にだって抜刀術は使える。
経験で、それがどういう物かの予測を付けるのは容易だろう。
ならば、あの後の結果は知れている。
避けられるなり出鼻を潰されるなりして、私が地に伏していた事だろう。
「気分的に負けですよ。完全に手玉に取られてましたから」
「まぁ、その辺りは経験の差、ですね。いずれ直ぐに私じゃ敵わなくなりますよ。では」
美鈴さんはそう言うと紅魔館の方へと帰って行った。
経験の差………か。
思い知ったなぁ…………私はやっぱりまだまだ未熟だ。
結局攻撃の殆どは服を斬り裂く程度でしかなかったし………まぁ、何回かは当たったけど、殆ど軽傷だ。
これではお師匠様に近づくなど夢のまた夢だ。
もっと精進しなければ………!!
でも、今はとりあえず帰ろう。
あまり遅くなりすぎる訳にはいかない。



午後5時・白玉楼への帰路

もう戻っても良い頃合いだろう。
私は白玉楼へと帰還していた。
「こんにちわ、可愛い剣士さん」
が、帰路の途中で厄介なのに声を掛けられてしまった。
「風見幽香………」
最強の妖怪を自負し、事実、否定出来ないほどの実力を有する妖怪。
その上、性格はお世辞にも良いとは言えず、なんでも相手を弄(いじ)るのが好きだとか…………
「そんなに嫌そうな顔で見なくても良いじゃない」
そう言う台詞(せりふ)は普段の行いを省(かえり)みて言ってほしい物だ。
「何か用ですか?私は今から帰るんですけど」
「あら?でも夕方過ぎまで帰るなって言われてるんでしょ?まだ少し早いわよ」
っ!!
何処でそんな情報を!?
「私は花の妖怪。花達から色々な情報を聞く事も出来るのよ?」
初めて聞いた………
そんな能力まで?
「ま、そう言う訳だから、少しお話しましょうよ」
「話?」
「ええ、お話」
「何の?」
「そうねぇ…………貴女は幽霊の住む白玉楼の庭師なんだから…………こんな話なんてどうかしら?」
「どんな?」






「怪談」






「そんな話なら聞く意味ありませんから帰りますよ」
じょ、冗談じゃない。
確かに幽霊は怪談が好きで、怪談を始めると集まりたがる。
が、私は苦手なのだ!!
普段幽霊と一緒に居るのにとか、そんな事は関係ない!!
ダメなものはダメなのだ!!
私は急いで踵(きびす)を返して白玉楼へと向かおうとする。
「あら?つれないじゃない」


ガシッ!!!


いっ!?
は、羽交い絞めにされた!!
「じゃあ、最初はぁ…………」
「は、離せ!!」
な、何て力だ!!
紫様といいこの風見幽香といい、なんでこんなに力が有るんだ!?
私とて半霊、見た目以上に力はある。
が、全っ然敵わない!!!
もがいてもまるで無意味だ。
「ほら、じっとしてなさいな。楽しい話を聞きそびれるわよ?」
「良いから離せ!!」
「言われなくてもちゃんと「話す」わよ」
「そっちの話すじゃない!!私を解放しろぉぉぉ!!!」
「まずは、何が良いかしらねぇ?」
「人の話を聞けぇぇ!!!」
だ、ダメだ。
暴れてもまるで動じない…………
せ、せめて耳がふさげれば………!!
「じゃあ、第一話………」
「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
私の抵抗むなしく、風見幽香の怪談が幕を開けた……………



午後6時・白玉楼

う……うぅぅ…………
結局一時間近くも怪談を聞かされた…………

ギシィッ

!?
…………家鳴り……か
うぅぅ………何が悲しくて自分の家で怯えなきゃならないんだ………
正確には幽々子様の家、ではあるけど。
そう言えば、幽々子様は何処だろう?
一人だと怖いから、早く会いたい…………



「わっ!!!」



「ひああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」



「び、びっくりしたぁ…………驚かせた私の方が驚いたじゃないのぉ妖夢~」
ゆ、幽々子様?
「ふ……ふええぇぇぇぇ……………」
「よ、妖夢!?どうしたの妖夢!?」
「幽々子様……幽々子様ぁぁ…………」
私はとうとう我慢できずに幽々子様に泣きついてしまった。


「そう………そんな事が」
私は先ほど風見幽香にあった事の件(くだり)を幽々子様に話した。
「うぅぅ………すみません…………」
こんな事ではますます一人前から遠ざかってしまう………
けど、苦手なものは苦手なんだ………うぅぅ…………
「良いのよぉ妖夢。誰にだって苦手な物の一つくらいあるわよ~」
「は、はい…………」
「けど、ごめんなさいね妖夢。私、これから少し出かけるのよ」
「あ、でしたら私もお供いたします」
主を一人歩きさせる訳にはいかないし、何より今はあまり一人になりたくない……昼ならいざ知らず、もう暗くなってきてるし。
「残念だけど、私一人じゃないとダメなのよ」
「そ、そうですか………」
どうせ理由を聞いても教えてくれないだろう。
それに、私も夕飯を用意しなければならない。
「そんな顔しないの。紫~」
幽々子様は顔をあげて突然紫様の名前を呼んだ。
「呼んだ~?幽々子」
すると、空間を引き裂いて紫様が現れた。
幽々子様は紫様に近づくと、何やら話をし始めた。
「そう言う事。解ったわ、任せていいわよ」
「悪いわね~」
「気にしないで良いわよ」
「それじゃあ、私は行くわね~」
「はいは~い。いってらっしゃ~い」
そして幽々子様は白玉楼を出て行き、紫様が隙間からこちらへと出てきた。
「それじゃ、妖夢。行きましょうか」
そして、私に向かって唐突(とうとつ)にそう仰った。
「え?行くって何処へですか?」
「台所に決まってるじゃない。夕飯の準備するんでしょ?」
「え?あ、はい。って、何で紫様が?」
「細かい事は気にしないの。ほら、置いてくわよ」
そう言うと、紫様は台所の方へと向かって行かれた。
「あ、ま、待って下さい!」
私は慌てて紫様に追いすがった。



午後7時

紫様に手伝っていただき、夕飯の準備は殆ど終わった。
後は幽々子様が戻られてから鶏肉を焼けば直ぐに用意が出来る。
今は私と紫様は居間に居る。
「あ、お茶持ってきますね」
私はそう言って立ち上がった。
「別に良いわ」
けど、紫様はそう仰った。
「そうですか?」
「ええ。それより妖夢。こっちにいらっしゃい」
視線も向けずに紫様はそう仰った。
「え?あ、はい」
うぅ………幽々子様から事の次第を聞いて、不甲斐(ふがい)ないとお叱りをするのかな…………
私は紫様の近くに立った。
「座りなさい」
紫様は命令するように、否、そう私に命令した。
「はい」
私は正座をした。
何を言われても仕方あるまい。
確かに、私が不甲斐ないのだから………
「妖夢」
「はい」
紫様は私の方を向き直って私の名を呼び、私も返事をする。
すると



グイッ!



「わっ!?」
突然、紫様に引き寄せられた。
「ゆ、紫様?」
そして、紫様はそのまま私を抱きしめた。
い、いったい何を?
「ふふふ~………怪談で怯えちゃうなんて、本当、可愛いわねぇ貴女」
「う………」
顔がみるみる赤くなっていくのが解る。
「こんなんじゃ、白玉楼の庭師、失格かしらねぇ?」
「あ…あうぅぅ…………」
「ふふふ………」
紫様は私の頭を優しく撫でる。
……あれ?
何だろう?
何か、不思議な感じが…………
この感じは………
「懐かしいわねぇ………」
そう、懐かしい、だ。
でもおかしいな……私は紫様にこんな事をしていただいた覚えはないんだけど…………
「貴女をこう言う風に抱くのは、貴女が赤ん坊の時以来ねぇ…………」
「え?」
私が赤ん坊の時?
「覚えて無いのも無理無いわ。恐らく物心(ものごころ)付く前だったでしょうしね」
そうか………だから、私は覚えて無くても懐かしいと感じたのか。
「私が赤ん坊………と言う事は、お師匠様もこう言う風にして下さったんでしょうか?」
私は顔をあげて紫様に尋ねてみた。
すると、キョトンとしたような顔をした後(のち)



「ぶっ!!!」



吹いた。
突然紫様が横を向いて吹いた。
「く………ふふふふふふふ…………!!!」
紫様は袖で口を押さえながら愉快そうに笑っている。
「え?わ、私何かおかしい事言いました?」
ただお師匠様の事を聞いただけなんだけど…………
「くくく…………あははははははは!!!もうダメ!!我慢できないわ!!あはははははははは!!!!」
紫様はとうとう大爆笑なさった。
何かおかしい事言ったのだろうか?
「あははははは………あ~……もう、ダメじゃない妖夢。愉快なこと思い出させるような事言っちゃ」
「え?えぇ?」
何の事だかさっぱりだ………
その後、紫様は私を抱きしめながら昔話をして下さった。
最も、何処までが本当で何処までが嘘かは解らないけど。



午後8時30分

「さて、そろそろ幽々子も戻ってくる頃ね」
紫様はそう言うと、ようやく私を離した。
まぁ、紫様に抱きしめられてるのは嫌じゃなかったけど。
「あの……ありがとうございました」
私とて馬鹿じゃない。
紫様が幽々子様に頼まれて私の傍に居てくれたのだ。
「気にしなくて良いわよ。好きでやった事だしね」
そうとだけ言うと、紫様は隙間を開いて帰られた。
そして、それから程なくして幽々子様が戻られ、直ぐに夕飯にした。



午後11時

さて、後は見回りをして寝るだけだ。
そう、見回りをして寝るだけだ。
そう、見回りをして…………
見回り…………
こ、怖くなんてない。
怖くなんてないぞ!!


「妖夢~」


「ひああぁぁぁぁぁ!!!」
「もう、肩に手を置いたくらいで大仰(おおぎょう)に驚かないの。今度のは予想できたから驚かなかったけど」
よ、予想できてるのなら声だけ普通に掛けてくださいよ、幽々子様………
「そ、それで何か御用でしょうか?」
私は気を取り直して幽々子様に尋ねてみた。
「そうそう、忘れる所だったわ。今日は見回りは良いから、私と一緒に寝なさい」
「え?いえ、しかし………」
「どうせウチに侵入者なんて来ないわよ。それとも何?この冥界が誰でも彼でもホイホイ来れるような場所だと思ってるの?」
「いえ、それはないですけど………」
霊夢や魔理沙は簡単に来たりするけど、普通の人間、いや、妖怪であってもおいそれと来れるような場所では無い。
「じゃあ、言う事聞きなさい。これは命令よ」
「は、はい」


寝室


幽々子様に命じられた事もあり、私は今幽々子様と同じ布団の中に居る。
「それにしても、貴女もまだまだ子供ね~」
「う………」
幽々子様が天井を向いたままそう仰った。
「小さい頃も周りに誰も居なくなると直ぐに泣いてたわねぇ」
「あ、赤子なら無理もないのでは?」
「あら?赤ん坊と呼べないくらいには成長しても、まだそうだったわよぉ?」
「あうぅ…………」
「ふふふ………」
幽々子様はこっちを向いて軽く笑われた。
そして

「わっ!?」

紫様の様に私を抱き寄せた。
「まぁ、どんなに大きくなっても私にとっては貴女は子供のような物なんだけどね~」
幽々子様はそう言うと、やはり紫様の様に頭を撫でた。
懐かしいと思うのは、やはり赤ん坊の頃にこうして貰って居たのだろう。
「幽々子様………」
「さ、寝るわよ、妖夢。明日からまた頑張ってもらうから覚悟なさい」
「は、はい!」
そうして私は幽々子様に抱かれたまま眠りに付いた。
いや、まぁ、幽々子様が先に眠られて離して下さらなかったのだけれど。
しかし、今回の事でまた幽々子様に要らぬ心配を掛けてしまった。
もっともっと精進して、早く一人前にならないと!!
…………でも、怪談はなぁ…………どうにか出来ないものかなぁ……………はぁ………
お久しぶりです、華月です。
仕事の方が鬼の様に忙しくて執筆が完全に止まってしまいました。
このシリーズの話、忘れられてるんじゃなかろうか…………
さて、ちょっと今回のあとがきは長いです。
恐らくは突っ込まれるであろう「美鈴強すぎ」とか「普通に美鈴じゃ妖夢に勝てなくね?」とか言われる前に説明をいたします。
まず、美鈴の硬気功ですが、これは実は動きながら使う事はできません。
正確には使えはしますが、当然、動くこと或(ある)いは攻撃する事にウェイトを置いていると、当然防御がおろそかになります。
我々一般人で考えるなら、突っ立っている状態なら腹筋を強く固められますが、動きながらだと立っている時と同じくらいには出来ないでしょう。
それと同じです。
ですが、妖夢は刀を弾かれた時のインパクトが強かったのと、美鈴の余裕の表情に惑わされ、常に硬気功が出来ると勘違いしています。
実際はカウンターを合わせれば片手でも斬る事は出来ます。
そして、両手持ちにした後、一回腕を斬ってますが、これは美鈴がわざと斬らせてます。
そうする事で、両手持ちなら斬る事が出来ると思いこませます。
美鈴が警戒したのは突きで、相打ち狙いで突きを放たれれば流石に美鈴の方が圧倒的にダメージでかいですから。
しかし、妖夢は斬れた事により、隙が大きく、当てられる範囲も小さい突きよりも、隙も小さく当てられる範囲も大きい斬りの方を選んでしまいます。
更に、常時硬気功中と思い込んでるので、常に大振りになります。
結果、尺の長い楼観剣相手でも美鈴はコツコツと手足にダメージを蓄積させることが出来、結果、妖夢を追い詰めます。
因みに、最後の勝負は、あのまま続行してた場合は、妖夢は負けていました。
美鈴は居合に対して全力の硬気功を切られる部位に集中させて被害を最小限にとどめ、その後渾身の一撃を食らわしていました。
相手も達人にして攻撃が居合ですから、最悪腕の一本を持って行かれたかもしれませんが、妖夢も負傷して身体能力が低下している為、致命傷には届かず、妖夢は負けていました。
こんな所です。
まぁ、これでも納得のいかない方がいるかもしれませんが…………

さて、あとは幽香が妖夢への命令を知っていた理由や紫の爆笑理由は他ので書きます。
それから、難しそうな読みには振り仮名のような物を書いてましたが、余計でしたかね?
あと、東方三月精(漫画・比良坂氏Ver)を見て無い方へ。
妖夢が怪談苦手なのは、三月精にて本人の口から語られています。
あそこまで苦手かどうかは知りませんが^^;
あ、最後に。
気づいてる方が居られるとは思いますが、妖夢が最後に出した抜刀術は飛天な流派の奥義です(´・ω・`)

それでは、好評不評問わず、待ってます。
華月
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コメント



0.1210簡易評価
1.無評価朝夜削除
ちょっと気になったことがあるので読み終える前に一言を。

>紫様までそう仰られた。
「お菓子くれないといたずらしちゃうわよ♪」
「本気で勘弁して下さい」

ここのことなのですが、『仰られた』というのは二重敬語になるのではないでしょうか?
もし間違えていたらすみません。

感想は後ほど読み終えてから書きます。
2.90名前が無い程度の能力削除
めーりんがリアルファイトなら普通に妖夢より強くてもいいじゃないとか思ってる俺がいる。
心待ちにしてました!しかし妖夢可愛いなぁww
3.90名前が無い程度の能力削除
強い美鈴歓迎ですよ。というか弾幕戦じゃなければ強いと思う。
実質武術を習っているのは彼女だけですし、年期も違うでしょうし。

やっぱりあの抜刀術でしたかw読んだ瞬間おいって思いましたw
このシリーズは好きなので、再開してくれてうれしいです。
4.100朝夜削除
読み終えたので感想です。

強い妖夢と美鈴というのははじめてみたような気がします。
やっぱり二人とも強いんですよね、なんか新鮮でした。
あとがきには驚かされました、武術には疎いのでそこまで考えてあるとは思いませんでした。
奥が深いです。

後で書かれることになっている紫の爆笑ですが、非常に気になります。
続編(?)楽しみにしています。
7.100名前が無い程度の能力削除
待ってました~

実力では同等(?)な妖夢を心理戦だけで翻弄するあたり、
総合力では美鈴の方がまだまだ上って感じですね。

飛天な抜刀術を放てるって事は、その内あの奥義の方も出来るようになるのかな…


それにしても怪談で泣かされただけで、あそこまで怒る幽々子様は
妖夢の事を大切に思っているんですね。
10.90名前が無い程度の能力削除
強い美鈴は好きですよ。てか、格闘戦なら結構上位に食い込むと思うんだ。
まあ成長したら、妖夢≧美鈴にはなると思いますけど。
14.無評価華月削除
>『仰られた』というのは二重敬語になるのではないでしょうか?
ご指摘ありがとうございます、修正いたしました。
調べてみましたら、「仰る」と「られる」が共に敬語で、確かに二重敬語でした。
文法って難しい………○| ̄|_
16.90名前が無い程度の能力削除
中国四千年の歴史は伊達じゃない、ですよね。
19.90#15削除
VS美鈴のときはカッコよかったのに、VS幽香は…ww
>怪談が苦手
確かにオフィシャルですが、変な話ですよねぇ。幽々子様は、まんま亡霊だし、そもそも冥界に住んでいて、三途の川にだって行ってるのに。
まぁそれが良いのかも知れませんがww
20.70イスピン削除
おや、お久しぶりですね。

強い美鈴好きですよ。スイ夢想(スイの字でなかった・サーセン)でも美鈴よく使うもん!
今回はこの辺で。続きも期待してます
22.100時空や空間を翔る程度の能力削除
あぁ~・・・刀好きな私にとって名刀が幻想郷入りしている・・・
菊一文字と言ったら正しく名刀の一振りですよ。
そのうち「あの」刀も幻想入りしそうな予感・・・。
華月さんならお分かりですよね。
24.80三文字削除
ちょwあの抜刀術かww
言われるまで分らなかったw
美鈴は格闘だけなら、お嬢様辺りともガチでいけるというのが俺の持論。
にしても、ゆゆ様が幽香に殴り込みに行くにしては、ちょっとインパクトが足らなかったかな?
36.80名前が無い程度の能力削除
あっきゅんとうどんGain、みょんが会ってるときの会話で誤字ハケーン
「それえ」ではなく「それで」だと思います