◇月○日
今日、メイドのバイトが増えた。
これが普通の人間とかならまだいいのだが妖怪だったりする。
しかもそれが自称最強の妖怪だったりするから困る。
まぁ普通に妖精メイドより働いてくれているからいいんだけど。
お嬢様からは「咲夜は本当に最近甘いわよねぇ」と言われた。
・・・・・・否定できない。
「は?雇って欲しい?」
また何か相談事かと思ったらバイトとして雇って欲しいと言われると誰が思うだろうか?
あの風見幽香が、だ。
「えぇ・・・ちょっと入り用でね・・・
でも普通の所じゃ如何せん雇ってもらえないでしょ?」
まぁ妖怪が門番していて館にいる大半が妖精メイドだけど・・・
「この前の相談事といい私を幻想郷の便利屋か相談屋と思ってない?」
前の月に名のある連中がこぞって私のところに相談事に来たがこの妖怪も来た。
内容はマンネリ化している料理のレパートリー増やしというまぁまともな内容だったが。
というかこいつが野菜好きだとは知らなかった、花の妖怪だからかしらね?
これでその時の相談事が苛め過ぎで友人ができないの、とかだったら今回は閉め出してたところだ。
「最近相談屋とは思ってるけどね。
・・・・・・冗談よ、ナイフを仕舞いなさい、喧嘩をしにきたわけじゃないわ。
真面目なお願いなのよ、本当に」
「はいはい、わかったわよ。
その入り用って何なのよ?
それ教えてくれたら考えてあげるわ」
「単なる気紛れなプレゼントの為、とでも思っておいて」
プレゼント・・・・・・
「それは相手を喜ばせる為の物でしょうね?
相手を不快にさせるプレゼントだったら私の言う事は一つよ?」
「安心なさい、本当に心からのプレゼントだから」
嘘をついているようには見えないわね、珍しく真面目な顔だし。
はぁっ、しょうがないわねぇ。
「わかったわよ、ただし、お嬢様に伺ってからよ」
「えぇ、よろしくね」
なんとも厄介な、という感じだ。
その後、お嬢様に尋ねると
「私は構わないわ、雇ってあげれば?」とかるーくおっしゃられたので雇う事に。
他のメイドと同じように屋敷の掃除をしてもらったが働きぶりは中々のものだった、
しかし誰に対するプレゼントなのか・・・少し気になるわね。
◇月×日
2日目、今日も風見幽香は真面目に働いていた。
やる事はやる、というのがモットーだそうだ、他の連中にも見習わしたいものね。
そうだ、お前のことだ美鈴、今日も居眠りするなんていい度胸だ。
今日くれたお仕置きはメイド式ローリングソバット。
次居眠りしているのを見つけたら簀巻きにして湖に沈めるぞと脅しておいた。
これで少しは真面目になるはず・・・・・・・・・・たぶん。
◇月△日
3日目、本日も風見幽香は真面目に職務をこなしていた。
むしろその姿勢は他の妖精メイドが見習うくらいだ、というかあんた達、今まで不真面目すぎよ。
魔理沙の襲撃時も私が行く前に仕留めていてくれた。
仕事が増えるのが面倒だったからというのはさすがというべきか。
それにしてもメイドじゃなくて門番やってもらえばよかったかしらねぇ、と美鈴にさりげなく
言ったら捨てないでくださぁいと泣かれた、ならば真面目に働けと何度も言っている。
◇月□日
もう心配なさそうなので風見幽香についてはバイト最終日まで書く事はないだろう、事実今日も問題無かったし。
今日はそのおかげか問題なく過ごせ・・・なかった。
久々にやってくれたパチュリー様の実験による被害。
被害は大したことは無かったのだけは幸いだ・・・
でもあのパチュリー様の悔しそうな顔はまだ何かやらかす気がする。
頼みますからこれ以上錠剤を噛み砕かせるような事はしないでくださいよ?
◇月☆日
念の為、ということで小悪魔とたまたま来たアリスにパチュリー様を監視してもらったが
やっぱりまた成功するかどうか本人にもわからない実験に手を出していた。
厄介な事になる前に二人に協力してもらって材料、資料諸々を灰にした。
パチュリー様は持ってかないでーと言っていたが紅魔館を持ってかれるほうが勘弁してほしい。
それと妹様、どこで覚えてきたのか知りませんが相手に中指を立てるのは止めてください。
意味をわかっていらっしゃらなかったのは本当に危険すぎである。
それとなくやらないようにと言っておいたが、誰だ、あんな事教えたのは。
お嬢様にやりでもしたら紅魔館が消滅じゃすまなくなるわよ。
一瞬風見幽香が教えたのかと思ったが違うそうだ。
教えた奴には問答無用でナイフを刺し込んでやろうと思う。
今日は本当に危ない日だった、あぁ、錠剤のラムネ味が美味しい。
◇月◎日
外では偉い奴は物の違いがわかってこそ偉いそうよ、と
どこぞのスキマ妖怪がいきなり来てお嬢様にニヤニヤしながら喧嘩をふっかけた。
毎度の事だが余計な事ばかりするスキマ妖怪だ。
ならばやってみせようとお嬢様が買うのが予測済みならば
スキマ妖怪がじゃあワインでどう?とかぬかしたのも予測済み。
あのスキマ妖怪ただ飲みたい為だけにお嬢様に吹っかけたのだ。
どう見ても昼間から飲みすぎな二人をまとめて説教した。
こんな事している事自体主としては如何なものかとか色々と。
最近どこぞの閻魔のように説教が多くなっている気がした、また自分が老け込んだ気がする。
まずい、私はまだ10代なのに・・・
今噛み砕いてる錠剤といい最近自分の在り方に疑問を感じた日だった。
◇月&日
妹様が買出しを一緒に行ってみたいとおっしゃってきた。
唐突だったので今回は遠慮してもらったが次にまた行きたいとおっしゃるのは目に見えている。
というか次行く時必ず連れて行ってとお願いされてしまった。
理由を聞いてもその時になったら教えてあげるとだけしかおっしゃらない。
どうしたものかとお嬢様に相談をしてみたら一度どうなるか見てみるいい機会かもしれないとおっしゃった。
ただし、備えは万全に、とのこと。
上白沢慧音、霊夢に魔理沙、後はスキマ妖怪辺りにも相談したほうがよさそうだ。
場合によっては風見幽香にバイト代上乗せすることになるかもしれない。
個人としては今回の件は嬉しい限りではあるのだが。
◇月$日
人間というか生き物誰しも追い込まれた時の力は凄いものだと実感した。
前に言っておいたのにも関わらずやっぱり居眠りしてくれちゃった駄目門番を
有言実行の名の下に簀巻きにして湖にほん投げた。
風見幽香に手伝ってもらって釣りの餌としてもほん投げたのだが、
かかったのはその湖に住んでる妖怪ガエルだった。
喰われても自力で出てきた美鈴をちょっと見直した、服はボロボロだったけど。
凄い目で睨んできたので睨み返したら自室に引き篭もり始めた、どこまで弱いのよ美鈴。
ドアぶち破って無理矢理連れ出すと仕事が増えるので仲直りということで少し豪勢な夕飯を用意してやった。
結局私が折れないといけないのは困ったものだ。
ちなみにその妖怪ガエルには鶏肉をあげて帰ってもらった。
味が似ているという意味では共食いになるのだろうか?
◇月#日
今日は買出しの日・・・・・・つまり妹様と二人で人の里やら少し回る事になる、無論昼間にだ。
根回しも済んでいた、後は何も無い事を祈っていただけだ。
行ったのは里に香霖堂、それから夜雀のところにも。
まぁ結論からいえば私達の心配していた事は起きなかった。
妹様が成長なさった証だと思う、従者が書いていい内容じゃないのは重々承知だけれども。
帰ってから楽しかった、と言ってくださっただけで私は嬉しい。
何だかお嬢様が嫉妬なさってしまったりちょっと言われたくない事2度言われたりと
私としてはちょっと苦笑いなことはあったけれども。
これで妹様も少しは外に出る事が出来る様になるかしら。
「それではお嬢様、行ってまいります」
「えぇ咲夜、フランをお願いね」
お嬢様は二人で、という妹様の意見を聞き入れ館で待っている、とのこと。
まぁ日傘2本持って買出しに行くのはさすがに無理だというのもあったんですが。
美鈴は昨日の一件でのせいか今日は休みだし、仕方あるまい。
風見幽香にやらせるのはお互いの為にもよろしくないだろうし。
というか門番も兼任してもらっているしね。
玄関には既に妹様の姿が。
「咲夜おーそーいー」
「申し訳ございません妹様、それでは参りましょう」
私は妹様に日傘を差しながら紅魔館の外へと出て行った。
妹様はそれこそ楽しみが抑えられないような感じだった。
「そういえば妹様、なぜ私の買出しに一緒に行きたいと?」
湖の横を歩きながら妹様に聞いてみた。
「見てみたかったんだ、咲夜が普段どうしてるのかーって。
私達の事ばかりで咲夜のいつもが私にはわからないんだもん。
だから見てみたかったの、紅魔館の外の咲夜を・・・・・・嫌だった?」
なるほど、純粋な興味、ということですか。
「いいえ、そんなことは。
それに、昼の外の世界も見てみたい、というのもあるんですね?」
うっ、と妹様がばつの悪そうな顔をなさり、咲夜のいじわるーとちょっといじけなさった。
「これが・・・昼間の外の世界・・・」
妹様は活気あふれる賑やかな里の光景を見て呆けてしまっていた。
自分の考えていたものとは全く違ったのだろうか、それとも他の理由からなのか。
私にはわからない。
「妹様、如何ですか?初めて見る人間の暮らしというのは」
そんな妹様を正気に戻す為に話しかけるとハッとした顔をした後、うーんと考え始めた。
「騒々しいね・・・でも、皆楽しそう・・・」
「そうかもしれませんね、ここはハクタクや霊夢のおかげで平和ですから。
妹様は紅魔館にいるのは暇でお嫌ですか?」
「え・・・?」
失言だった、と言ってから後悔した。
暇とかそういう問題じゃない。
妹様にとって紅魔館は昔は監獄のようなものだった。
今は違うのだろうけども、あまりいい感情は抱けるはずがない。
「い、いえ、忘れてください」
「咲夜・・・考えてる事、わかるよ。
私は紅魔館が好きじゃないとか思ってるんでしょ?」
うっ・・・
「前だったらそうだったよ、ずっと地下室にいたんだもの」
「妹様・・・」
「でもね・・・・・・今は違うよ。
地下室から出れたし、色んな奴に会えた。
お姉様への恨みも無くなったしこうして咲夜にも会えた。
紅魔館が嫌だなんて今じゃ全く思ってないよ?ちょっと壊れすぎとは思うけど」
「・・・・・・耳に痛い言葉です」
実際には私の責任だけでは無いのだけど。
妹様は笑みを浮かべてくださった。
お嬢様が聞いたら嬉し涙を流す事だろう。
お嬢様は妹様に常日頃から負い目を感じておられた。
最近ではそれも薄れてきているように思うがまだ残っているように見える。
運命を操れるお嬢様でも過去には縛られてしまう。
この事はお嬢様に告げておくべきだろうと思っていると
「あ、でもこれは内緒だよ。
ちょっと恥ずかしいもん、もちろんお姉さまになんて駄目なんだから」
釘を刺されてしまった。
私は笑みを浮かべてわかりました、と答えた。
「それでは、買い物をいたしましょう。
途中で美味しい茶屋があるので寄りましょう、きっと妹様も気に入っていただけるかと」
「うん!あ、咲夜これなぁにー?」
それ以後妹様は店先を見てはこれなーにー?と私に尋ねてきた。
その度に私がこれは〇〇でと説明をした。
妹様は見るもの全てが新鮮であるようにあれこれと見て回っていた。
当初、里の人間の反応が気になっていたのだが
上白沢慧音のおかげなのだろうか、常日頃私を見ているからだろうか
妹様を見ても恐れなかった、逆に友好的であるくらいに。
妹様が吸血鬼であることは見た目、そして私がいる時点で誰もがわかる。
それでなお恐れずにいるところにこの里は凄い人間の集まりだと思わざるをえない。
もしくは守護者の上白沢慧音や霊夢のおかげなのか。
どっちにしろ幻想郷の人間は本当に一味違うわ、と私は思う。
私も幻想郷の人間だけど。
そんな折、大体買い物を終えた頃に
「あ、紅魔館のメイドさんだ、この前はどうも」
「あーこの前激辛料理を私に食わせた極悪メイド!」
真面目なほうの巫女と蛙型神とばったり出会った。
「咲夜ー知り合い?」
「前の年に外から神社ごと妖怪の山に移り住んだ真面目な巫女とそれを虐げている神の片割れです」
「「名前で紹介してよ!」」
実は何て名前か覚えてない。
あんまり会わないもんだから・・・
「えーと、初めまして東風谷早苗です。
守矢神社で風祝・・・あぁいえ巫女でいいです、巫女をやらせてもらってます」
あ、何度言っても巫女としか呼ばれないから諦めたわね。
「んで私がその守矢神社で裏方の神様やってる洩矢諏訪子。
噂に聞く吸血鬼姉妹の妹ってあんたのこと?」
「そうだよーフランドールっていうの。
神なんて初めて見たけどちっちゃいんだね」
ちっちゃい神がむっとした。
どうやら結構気にしていたようだ。
心なしか帽子の目玉みたいなのも妹様を睨んでいるような気がする。
「なんだよーそっちもちっこいじゃない」
それにカチンときたのか妹様もむっとした表情になり、睨み合う形に。
暴れちゃ駄目ですよ、と言ってあるけど早めに止めたほうがよさそうだ。
「妹様、よろしいじゃありませんか。小さいほうが可愛らしいですよ?」
「そうですよ諏訪子様、ほらほら、そんな顔じゃ信仰は集まりませんよー」
「むぅ・・・咲夜がそういうんだったら・・・」
「あーうー・・・」
どうやら何事も起きなそうだ。
妹様は可愛らしいという言葉が恥ずかしかったのかちょっと頬が赤くなっていた。
「それで、あなた達も買い物?」
「それもありますがまぁ信仰集めも兼ねて」
「相変わらず真面目ねぇ・・・でももう一人の神も連れてきたほうがいいんじゃないの?」
「当番制なのよ、今日は私の番」
何か適当ね、本当に。
まだ色々と回るところがあるらしいとのことで私達とは逆のほうへ向かっていった。
「むぅ、あの帽子のせいで私より大きく見えるなぁ」
「まだ気にしてたんですか?妹様」
「帰ったらホットミルク作ってね、咲夜」
「畏まりました」
吸血鬼って背、伸びるのかしら?
里での買い物を終えて香霖堂へ。
頼んでいた品が出来ている頃だろう。
「ここが香霖堂です、妹様。
珍しい品がいっぱいありますよ、大体は外から流れてきた物です」
妹様はおーと言って興味津々のようだ。
戸を開けると相変わらず本を読んでいる主人がいた。
「いらっしゃい。
おや、珍しい連れだね」
さっそく妹様はキョロキョロと色んなものを見ていた。
「こんにちは御主人、頼んでいた品は出来ているかしら?」
「あぁ、しっかりと。
ちょっと待っててくれ、持って来る」
店主は奥に消えた。
妹様を見ると何時の間にかある一点を見ていた。
後ろから見てみるとそれはルビーの指輪だった。
「それが気に入ったのですか?妹様」
「え!?あ・・・ちょっとだけ」
話しかけるまで私の存在に気づかなかったようだ。
それほど集中して見ていた、ということかしら。
「はい、頼まれてた品、持ってきたよ」
店主の声に振り向くとテーブルの上には頼んでいた品、ナイフが数十本あった。
使っていると無くなったり欠けたりするものが出てくる為、どうしても補充しなくてはならない。
その為、ここの主人に頼んでいい品を取り寄せてもらったりしているのだ。
一つ一つ入念にチェックする。
「うん、どれもいい品ね、ありがとう御主人」
「いや、『しっかり』と買い物してくれるお客には当然さ」
しっかりが強調された、どう考えてもあの二人の事で未だ苦労しているのだろう。
心中察するわ。
「それと、御主人、これもいいかしら?」
妹様が見ていたルビーの指輪を持ってくる。
あ、と妹様が言ったが気にしないことに。
「あぁ、いいよ、それは安くしておくよ。
日頃世話になっているお礼に」
「ありがとう御主人、さ、妹様、手をおかしください」
おずおずと妹様が右手を出してきた。
私は指輪を妹様の中指に。
うん、少し緩いけど大丈夫のようだ。
妹様はマジマジとその手を見ていた。
「私からのプレゼントですわ、妹様」
「う、うん!ありがとう咲夜!大好き!」
妹様が抱きついてきた。
店主が微笑ましいという感じで見てたが気にしないことにした。
夕方、夜雀の屋台へ。
一度連れてこようと思っていたところなので丁度いいと思って連れてきてみる事に。
「いらっしゃーい、おっ、初めてだね、妹さんがこっちに来るの」
「咲夜ーこれなぁにー?」
「これは八目鰻ですよ、串焼きと天ぷらを少し妹様にお願いできるかしら」
お腹いっぱい食べてもらうと夕飯が食べられなくなってしまうので少しだけ。
味を知ってもらうためでもあるし。
「はいよ~」
さっそく調理を始める夜雀。
妹様はおーとその作業をじーっと見ている。
夜雀はちょっとやりづらそうではある、でも我慢してもらおう。
「どう?あれから天ぷらの評判は」
「んーやっぱり物珍しさってのが最初は大きいねぇー、よっと。
でも食べてくれたら皆おいしいおいしいって言ってくれて今じゃ大評判だよ。
その辺は本を見せてくれた魔女やあんたや狐さんには感謝してるよ・・・はい、天ぷら出来上がり」
妹様の前にしいたけとワカサギの天ぷらが置かれた。
「妹様、熱いですからねー」
「んー・・・あつっ!あ・・・おいしい!」
私と夜雀はよしっと小声で言った。
続いて串焼きも置かれた。
そっちもおいしいおいしいと頬張る妹様は見ていて本当に微笑ましいものだ。
「あら、妹様、タレがついてますよー」
頬についたタレを拭いてさしあげる。
「んーありがと、咲夜」
「いえいえ」
「こうしてみるとメイドと主人というよりお母さんと娘って感じに見えるね」
え?と二人で夜雀を見た。
母親?私が?妹様の?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えぇ!?
「ちょ、ちょっと、あなたね・・・」
「あーそうかもーあんまりわからないけど」
「ちょっ、妹様まで・・・」
あはははは、と夜雀には笑われ、妹様には同意され・・・私は顔を真っ赤にすることしかできなかった。
「今日はどうでした?妹様」
夜雀の屋台からまた歩きで帰っている最中妹様に今日の事を聞いてみた。
もう既に日は落ちて夜の訪れになっている。
今日は少し夕飯が遅れそうね。
「また色んなことを知ったし色んな奴にあった、こんな楽しかったのは久しぶりかな」
いい笑顔でくるっと妹様は回った。
本当に気分がいい、という感じかしら。
「それはそれは・・・」
紅魔館が見えてくる。
門番はおらず、メイド服着た花の妖怪が代わりに立っている。
そして・・・
「お帰りなさい二人とも」
お嬢様が出迎えてくれた。
「ただいまーお姉様ー」
「ただいま戻りました」
「楽しかった、また咲夜と一緒に行ってみたいな」
妹様は満面の笑顔で答えた。
それを見たお嬢様はよかったわね、と笑みで返した。
「今日は本当に楽しかった!ありがとう咲夜!」
妹様は私に一礼して中に入っていった。
「これはもう心配無いのかしら・・・ね」
「かもしれませんね」
「ところで咲夜、あの子の指にある指輪なんだけど・・・」
ん?なぜ空気が重くなるんでしょうか・・・?
「あの子にだけプレゼントして私には無いのかしら・・・?」
「・・・・・・・」
むぅ、とお嬢様がふくれっ面をなさった。
正直可愛いと思ってしまったが顔にも出さないのが完璧な従者だろう。
こら、そこの花の妖怪、笑いを抑えた顔でこっちを見るな。
笑うくらいならどっかいってろ。
「あの子だけの咲夜じゃないんだからね、私にも何かプレゼントをしなさいよ?」
「・・・それがお嬢様の御要望とあれば」
よろしい、とお嬢様も妹様の後を追うように館に入っていった。
館に入ったのを見るや花の妖怪は大笑いを始めた。
「ここで働いている時くらいはそういうのは控えてほしいのだけれど?」
はぁっ、と溜め息をついて睨む。
「ご、ごめんなさい、ふふっ、あ、あまりに可愛い事言うもんだから・・・・・・ふぅ、止まった止まった」
胸に手を当てる風見幽香。
「でもいいじゃないの。
あの姉妹、あなたにべったりで。まるで母親ね、あなた」
また言われた・・・そんなに老けて見えるのか私は・・・
とりあえず睨むとあら怖い、と紅魔館内に引っ込んだ。
ここぞという時の攻め方は相変わらずな奴だ。
ふぅ、と溜め息をついて私も紅魔館に入った。
願わくば、明日も何事も無く、錠剤を噛み抱くような日になりませんように。
次回も期待してます。
幽香さんのプレゼントの相手は誰なんでしょう・・
だんだん元気になってる?
次も楽しみにしています。
連続となるとプチでやった方が…
これほどの内容を速いペースで作り上げられるのを素直にうらやましく思います。
続き、楽しみにしてますね^^
あ、最後に
>あ、孔魔館のメイドさんだ~
紅魔館、かと
ただ妹様とケロちゃんの絡みは珍しいなぁとおもちゃった。
っていうか、この2人並べて見ると……。
やば、なんかすごい破壊力がwwww
でも、なんでだろうなぁ、妹様は純粋に可愛いのに、ケロちゃんは可愛いだけじゃなく妙な色気があるというかなんというか。
さすが人t(ウワァナニヲスル!
眠くなるw次回も期待しております^^
え?俺は喜びませんよ?
御指摘ありがとうございます、修正しました。
今回は咲夜さんの苦労が少なめで。
次回も楽しみにしております。
あと、咲夜さん過労には気を付けて下さいね。
>願わくば、明日も何事も無く、錠剤を噛み抱くような日になりませんように。
見事な死亡フラグですね~(笑)
いつもよりは気苦労がなさそうで何よりです、咲夜さん。
心配になってしまったりします。(苦笑
今回は結構ほのぼのとしたお話でしたね。
つまり次回は大波乱のお話が!(マテ
次回も気になるところですね。
幽香がいい感じでした
と悶えていたのは内緒です(笑)
咲夜さん、すごくいい人。
そして嫉妬するお嬢様かわええ。
この部分で思わず大笑いしてしまった(笑)
更にその姿を想像してまた爆笑www
このシリーズは素晴らしいな!