この作品は恐らくとても読者を選びます。
具体的に書きますと。
・ティーンエイジャーの方
・テレビゲームをあまりプレイしない方
・むしろスー○ァミって何?
上記のいずれかに該当する方は、読んでてサッパリかもしれません。
また、該当するものが一つもないのに読んでいてサッパリの危険性もあります。
それらを踏まえてお楽しみ……いただけたら幸いです。
「アリス。夜が長いぜ」
寝間着姿で大きめの熊のぬいぐるみの手をギュッと握った眠そうな目をしたアリスが、呼び鈴で8ビートかましやがった魔理沙の面にナックル付きの拳を一センチ近くめり込ませた後の魔理沙の第一声がそれだった。
乙女を自称する白黒の魔女の鼻から溢れる鼻血は、魔女の口から漏れ続ける言葉同様に留まることをしらない。そしてその鼻腔から溢れ続ける鉄臭い水を塞がないものだから、滝のように溢れるそれが服の白い部分がどんどんと朱に染めていく。
「……突然家に来て、何それ?」
「異変だぜ」
「……うん」
「だから行こう」
「……どこに?」
「異変解決に!」
欠片も要領を得ないまま、ネグリジェ姿にナイトキャップを被った状態のアリスは、血まみれの魔理沙に強引に手を引かれて連れて行かれる。
「あのさ、魔理沙。できれば着替えさせて欲しかったんだけど」
「時間がないぜ!」
「手持ちの人形が、抱き枕代わりの熊ちゃんしかいないんだけど」
「弾幕はパワーだぜ!」
「……もう好きにして」
人間相手でありながらこんなにも意思疎通が困難な存在がいるとは思っていなかったと、後にアリスは述懐する。それはまるで、人生も終わりが近付いた仙人じみた雰囲気を纏いつつ。ただし、その発言は翌日博麗神社で霊夢に対しての愚痴なので、この苦悩を持って解脱したとかそんな高尚なものでは決してない。
ちなみに、結局そのままでは何かと(主に戦力的に)問題があると言うことで、人形だけは充分に装備させて連れて行くことになった。でも着替えさせてはもらえなかった。
空を飛ぶ泥棒こと黒衣の魔女と、空飛ぶクラゲの異名をほしいままにする白一色の人形遣い。見事に個性を奪われている。あとすごく寒そう。
「ところで、なんで異変解決なんてしようと思ったの?」
「夜が明けないとゲームできないだろ!」
「……逆じゃない?」
「私は寝起きの早朝にゲームをする派なんだ」
「何よその派閥」
夜遅くまでゲームをしないと胸を張る胸の控えめな少女。その見事なまでに色気のない自己主張は少しだけ涙を誘った。また、そんな理由で叩き起こされたアリスも涙を流した。
「あー、早くハローパッ○マンの続きをしたいんだ」
「なんでまたそんな古いゲームを……しかも微妙」
「ワンダープ○ジェクトJに感動したから」
「似ても似つかないゲームだと思うわよ。素直にJ2やりなさいよ」
「色んな意味でCMに泣いたからやらない。ていうか64持ってない」
このまま行くと、次にプレイするゲームはがんばれ森○君2号あたりかもしれない。それはプレ○テになるが。
「まぁ、それとは別にパチュリーに新しい魔法の薬品を作ってもらったから、その試験も兼ねてるんだ」
「……どんな薬なの?」
このまま延々と付き合うと思うと、まだ魔法関係に意識を向けた方が賢明だろうと思ったようで、面倒そうに話題に食いつく。
「言った言葉を固める、コエカ○マリンっていう道具」
「○○○○○!?」
「こら、全部伏せたら判らないだろうが」
「判るわよ! じゃなくて判らなくていいのよ!」
空でギャーギャーと二人が騒いでいると、前方からウジャウジャとザコが現れた。
「我が輩はザコである! 名前はこれからもない!」
しかも自らザコと言い切った。
「よっし、そんじゃこの魔法の薬を試してやるぜ!」
「……どうぞ」
薬を一気に呷り、向かい来る自称にして他称にして通称ザコたちをキッと睨む。
「ギャー」
「ワギャン!?」
咄嗟に反応するアリス。その素速すぎる反応もどうかと思う。
「あ、これやりたいが為だけに作ってもらったんだ」
「あ、頭痛い」
比喩ではなく本格的に頭痛を覚えたアリスであった。
と、敵が何かを落っことした。刻符である。
「お、このアイテムを取ると」
「ん?」
「不思議な力が、加わる加わる」
「それスー○ァミじゃない。○ァミコン」
ツッコミが雑になる。魔理沙が小ネタを出しまくりたいのだとは気付いたが、それに一々反応するのは疲れるだけだと思ったのだ。
けれど、そんな些細な小ネタにもしっかりとツッコめるアリスにもなんだか問題があるのではないかというような淡くほろ苦い疑問を抱いてはいけない。彼女は都会派であり、排他的であり、要するに準引き籠もりなのだ。しかも長寿だからゲームをする時間は余っているんだ。だから仕方ない。
「こう良い月だと、家に帰って寝たくなるな」
「それ絶対に月関係ないわよね」
「あるぜ。月明かりが明るいと、むしろ寝たくなる」
「あんたの思考回路が判らない」
「そこの二人、せめて月見を楽しんでよ! 風情を大事にしろよ! 今日はこんなに鮮明に月が見えるんだから!」
そんな二人に、蛍娘のリグルが物申す。
「あ、蛍」
「へっ、あんな虫っころ一匹を退治することは、ゼ○ヨンチャンプのゴキブリパニック全百面をクリアすることに比べれば赤子の手を捻るようなもんだぜ!」
「そんな例えが誰に通じるのよ!」
「ていうか誰がゴキブリか!」
と、吼えてるリグルに魔理沙は急接近して、怯んでいる隙に殺虫剤を顔面にほぼゼロ距離噴射する。
「ががぐぁ!? お、鬼ぃぃぃぃぃぃ!」
奇声を上げつつ、一面ボスらしく虫らしい、リグルは短い出番を終えた。
ありがとうリグル。さようならリグル。もう間違っても魔理沙には関わるな。
「お前は強かった……だが相手(殺虫剤)が悪かった」
「……外道」
爽やかな笑顔で満足げな外道は、何事もなかったように道を進む。それに付き合う、友達がいない……もとい、友達甲斐のあるアリスであった。
蛍を撃墜してから、異変の元凶を求めて二人は夜の旅を続けていた。
しばらく飛んでいると、前方で歌を歌う夜雀と遭遇すり。歌は、ラップ調にアレンジされた「およげタイ○キくん」であった。
「……なんか魚雷みたいなタイヤキが海中を闊歩して最終的に屋台に突撃するみたいな歌に聞こえるんだけど」
「きっとこれが奴の攻撃なんだ」
推定、名曲を勝手なリズムで歌ってイメージを破壊する程度の能力。
えーっと、と口にしながら、魔理沙は考える。
「歌で攻撃って言うと、カブキ○ックス?」
「魔理沙。それ、多分誰にも通じない」
「む……冗談はさておいて、鳥撃ちにはこいつだろう」
「あれ、武器なんて珍しいわね?」
「これこれ、格好良いだろ。スーパース○ープ」
突如アリスは落下して、地面に人の形をした穴を掘った。
そんなアリスの奇行を唖然と見下ろしていると、自らが描いた卍にも似た形の穴から素速く脱出し、次の瞬間には土まみれのまま魔理沙の横まで飛び上がって怒鳴った。
「そんな古代遺跡どこから発掘したのよ!」
「馬鹿だなぁ、香霖堂に決まってるだろ。見ろよ、先端にミニ八卦炉を埋め込めるよう改造もしてあるんだぜ」
「何なのその無駄な力の入れようわ!」
そんなことを二人の魔法使いが話していると、歌を歌っていた夜雀、ミスティアが二人の目の前まで飛んできた。
「さっきから何なのようるさいわね。こんな時間に騒がないでよ、私の歌の邪魔じゃない。それとも、私に喧嘩でも売ってるの?」
「なんだと! うるさいのはお前だ、私は私の為に異変を解決しないといけないんだ!」
「晴れ晴れするほど自己中心的よね、あんたら」
黒い魔法使いと騒音鳥は、お互いに珍妙な中国拳法もどきの姿勢をとってお互いを威嚇し合う。
「戦うか魔法使い!」
「戦ってやるぜ、でもちょっと待ってろ雀!」
そう言うと、魔理沙はスーパース○ープを構え、準備を整えた。
「よし。おい、そこの夜雀。一発目は当てないからしっかりと見ておけよ。これを見て、まだ戦いたいっていうなら存分に相手してやるぜ」
「いいわよ、見ててあげる」
自信満々に腕を組み、不敵に笑うミスティア。そのミスティアを擦るように照準を合わせる魔理沙。
準備万全整うと、魔理沙は引き金に指をかけた。
「ファイアー!」
次の瞬間、打ち出されたマスタースパークの反動で後に下がろうとするスーパース○ープのスコープ部分が右目にメキュンという音を立ててすごい勢いで食い込んだ。スコープ部分が魔理沙の頭に埋もれるまでに掛かった時間は一秒未満。
なお、発射されたマスタースパークは、スーパース○ープの標準が僅かにずれており、見事一直線にミスティアを捉えていた。
「う、嘘吐きぃぃぃぃ!」
哀愁漂う切ない絶叫が一瞬響き、その後には平穏が残った。
あまりのことに声が出ないアリスと、人としての造型を大きく失った衝撃の顔面を本人的には苦笑いのつもりでグニャリと歪める魔理沙。トラウマものだ。
だが、次の瞬間にはポンという音と共に本来の顔を取り戻し、魔理沙はアリスに対してサムズアップをする。
「うん、結果オーライ」
「あんた悪魔か」
ちなみに、今の顔面攻撃で魔理沙は残機を一機失った。自爆である。
騒がしく進んでいると、二人の前に見知らぬ女性が立ちはだかった。その女性は、二人が里に対して安眠妨害をおこなっていると説教を開始した。
この女性は人里の守護者にして、満月になって顔がキモイと言われて家の中で一人涙をこぼしている自称ガラスのハートを持つ歴史教師、慧音である。
「いいか、こんな時間だというのに、お前たちは騒ぎすぎている」
「いや、そんなご飯は食べたことがない」
「何の話をしている!」
「じゃあ何の話だ!」
「うるさいと言っている!」
「いやぁゲームは楽しいぜ!」
「話を聞け!」
「だよな、ゴ○モンは面白いよな」
神経逆撫でまくる意味不明トークで、魔理沙は慧音とアリスの精神力をグングンと低下させていった。
慧音はこのままでは思うつぼだと思い、深呼吸をしてから説教を始める。
「……いいか、ゲームなどというものに現を抜かしているより、歴史を学ぶ方が万倍も有用だぞ」
その説教がゲーム関係に飛び火した瞬間、魔理沙の眼光が怪しく光る。
「ふ、ゲームといえど、原始時代から未来までの歴史を記した超重厚なRPGだってあるんだぜ。それを知らず、私に説教などおこがましい!」
「な、何ぃ!」
そういう問題じゃないだろう。思わず喉まで出てきたそのツッコミをアリスが呑み込むまでに、実に十秒掛かった。
「それって、あの超名作よね」
「あぁ、あの超名作だ」
「……まさか、あのゲームか」
心当たりがある慧音もどうかと思うが、そんなのお構いなしで会話は進む。
その名作の名を、拳を強く握り締め、魔理沙は天に向かって叫ぶ。
「ライ○・ア・ライブだ!」
「「ク○ノトリガーじゃないのか!?」」
まさかのダブルツッコミ。
「まぁ、そんなことはどうでもいい」
「自分で言っておいてサラッと流すわね」
「そんなことより、私たちは異変を解決しないといけない。だから、怪しいのは倒す!」
第三者から見れば魔理沙たちの方が格段怪しく映るであろうことを気にしてはいけない。
「ま、まぁいい。ならばスペルカードいくぞ! 国符『三種の神器 剣』」
「え、これイージーだったの?」
メタ発言が飛ぶ。
スペルカード宣言をする慧音とアリスの間に魔理沙が割り込み、魔理沙もまたスペルカード宣言を始めた。
「私と競り合う気か、面白い!」
「へ、お前のその剣がなんだってんだ。こっちが使うのはそんな剣を真っ二つにへし折るような、最強の攻撃魔法なんだぜ」
「さ、最強……?」
ゲームを始めるとまず裏技を探して無敵モードでプレイしようとするアリスにとって限りなく魅力的で蠱惑的な単語の出現に、思わずアリスは食いつく。
魔理沙は懐から本を取り出すと、それをパラパラとめくりながら呪文を詠唱する。
「喰らえ……聖剣『エクスカリバー』!」
まるで空間が裂けたように、横に広がる風の刃。その刃は高速で慧音に向かい、触れるもの全てを切り裂いて飛ぶ。
「う、うわぁ!」
見知らぬ、そして強力な攻撃魔法の前に反応が遅れ、慧音はボスとは思えぬほど呆気なく倒されてしまった。
「……い、今の何?」
「あ、これ? これは、マルス王子の親友、マリク専用の攻撃魔法」
「ファ○アーエムブレム!?」
コピー能力全開である。
「お前が犯人はヤス!」
「意味が判らない」
魔理沙の科白が文章としておかしかった。
ちなみに魔理沙の科白が崩れたのは、言っている最中に魔理沙の脳内にネタが浮かんでしまったからである。
と、次の瞬間アリスが魔理沙の口内に人形を五体頭から突っ込んで口を封じた。
「で、霊夢。あなたがこの時間を止めている犯人なの?」
「ん? あぁ、夜を止めてるのは私たちね」
「たち?」
「紫と私」
「……なんでそんなことしてんのよ」
「あんたたち、この月見てなんか思わないわけ?」
「……気にはなってたんだけど、問題はないかなって」
「そうかもしれないけど、紫に言われてとりあえず異変解決にね」
「難儀ね」
「あんたほどじゃないわ」
「……同情ありがとう」
そんな会話が終わる頃に、強引に人形を一体ずつ引き抜いた魔理沙が叫ぶ。
「戦う巫女……小夜ちゃんだな!」
「……えっと、式○の城?」
「ううん、奇々○界」
「判るか!」
「式○の城と言えるお前も凄いと思うが……っていうかそれを正解っていってもいいのかな?」
「……魔女二人のトークが濃すぎて判らないわ」
「それで何、あんたらが異変解決してくれるの?」
「おう、任せとけ!」
「あぁ、またそんな安請け合いを」
「そう。それじゃ頼むわね、私はこれから神社に帰ってねむ」
言いかけた所で、霊夢はスキマに呑まれて消えていった。
「……バグ?」
「ゲームと現実をごっちゃにしない。どう考えても紫でしょうが」
それはそれで、現実世界のバグであるような気がしないでもない魔理沙であった。
異変の解決を請け負った魔女は、眠そうにアクビをする。
竹林は無音で、実に寂しげであった。
「こんな辛気くさい時は、あの騒霊でもいいから居て欲しいぜ」
「騒霊って、あの三姉妹?」
「そう。サジ、マジ、バーツ」
「紋章の謎はどうでもいい」
「いや、これはどっちかっていうと暗黒竜と光の」
「どっちでもいいから」
そこまで言って、あの三姉妹の名前が出てこないことにアリスは気付いた。
「あれ、騒音幽霊三姉妹の名前なんだっけ? えっと確か、長女がルナ」
「パオラ、カチュア、エスト」
「だーっ! 紋章の謎はもういい!」
「んじゃメング、ブレグ、メイベル」
「より一層判らないから聖戦の系譜に行くな!」
「失礼な、聖戦の系譜の方が好きな人もいるぞ!」
「ファ○アーエムブレムから離れなさいと言っているの!」
なお、この雑談中に二人は永遠亭に突入し、マリス砲によって二匹の兎が轟沈したのだがその辺りは割愛される。
「あら、お客様かしら」
突如、そこに銀髪の女性、永琳が現れた。見た目には医者である。どの辺がと言えば、主に帽子に描かれた赤十字ら辺が。
「なんか出たぞ! ドクター・デビルみたいなのが!」
「まだワギャンを引っ張るか! っていうかそれ医者じゃなくて博士!」
「……それじゃサトミタダシ?」
「メガテン!? ってそれも医者じゃない!」
「なんでどっちも男なのかしら」
言い合う魔理沙とアリス。ほろほろと涙を流す永琳。そんな三人の耳に浮かぶのは、軽快なリズムで流れる薬の効能学習歌だった。
「ところで、あんたが黒幕なのか?」
永琳の顔面に向けて指を突き出し、永琳の鼻をぷにぷにする魔理沙。
「そうね、黒幕よ」
鼻をぷにぷにされながら平然としている永琳。
光景としては異様であった。
「おーい、いつまで見知らぬ人の鼻先を指で愛撫し続けるのよ」
「存外柔らかくてハマっちまった」
「あら嬉しい」
「そんなことしてるといつまでもゲームできないわよ」
「よし、一気に決着を付けるぜ!」
魔理沙が単純で仕方ない。
「アリス、少し離れてろよ」
「何するか判ったからそうするわ」
アリスは魔理沙たちとは逆の方向へ歩いて随分と遠くで振り返り二人を眺める。
対して魔理沙はスタスタと永琳に近付き、永琳をギュッと抱き締めた。密着状態である。
「え、何?」
「行くぜ、恋符「ノンディレクショナルレーザー」」
ゼロ距離ノンディレクショナルレーザー。
「え、きゃぁぁぁぁぁ!」
絹を裂くような絶叫が、グルグルと回る閃光に掻き消される。
憐れ永琳。
「異変解決したか?」
「まだみたいよ」
「よっし、やっぱりまだ他にボスがいるのか」
「なんか察しがついてたみたいな言い方ね」
「ボスが廊下に来るわけないだろ」
「……そんな勘か」
そんなわけで、二人は真のボスを探索するために縦横無尽に屋敷を荒らし回った。
その二人の略奪者が、ある部屋の前で立ち止まる。
「魔理沙。ほら、あそこ……」
「判ってるぜ。あの扉だけが、少し開いている。それにしても、あんなに強い妖気は初めてだ」
と、魔理沙がウズウズとし始めた。
『また何か言う気だこの病気ゲーマー』
アリスの思考がやさぐれる一方である。
「せっかくだから、私はこの赤い扉を選ぶぜ!」
「扉一個しかない! そして赤くない! あとそれセガ○ターン!」
「お前もお前でよく判るな」
「……都会派乙女の嗜みよ」
嫌な嗜みであった。
軽薄なトークを浮ついた頭で繰り広げつつ、二人は扉を開けて中へと進んでいく。するとそこには、日本人形のような可愛らしい少女、輝夜が鎮座していた。
以下本編の会話に添うので一部の科白を抜き出す感じでダイジェスト。
魔「満月が危ない?」
ア「大量に満月光線が降り注いでいるわ」
輝「穢れのない月は、穢れのない地上を妖しく照らす」
魔「つまり満月光線だな」
ア「これじゃぁ、普通の人間は5分と持たず発狂するわ」
魔「狂うのには慣れているぜ」
輝「退屈過ぎて死にそうだわ」
以上。なお、要点をまとめると『満月光線こぇ』となる。
一連の会話を終え、魔理沙は輝夜の放った退屈という言葉に過剰な反応を見せる。
「そんな暇ならエ○トポリス伝記2でもやれよ。名作だから。今なら香霖堂で百円で売ってるから」
「それ機種なに?」
「スー○ァミ」
「うちプレ○テ3とW○iしかないから」
「………!?」
濃ゆい顔で硬直する魔理沙。
「うわっ、ビックリした! ガ○スの仮面みたいな顔して驚かないでよ!」
魔理沙の顔が少女漫画補正を受けてやたらキラキラとしていた。
しかし、その顔はあっという間に元の魔理沙に戻る。また残機が一つ減った。
「メッサラ! ゆるさぁ~~ん!」
「誰よ!?」
「ワンダープ○ジェクトJ!?」
輝夜は判らなかったが、やっぱりアリスには通じた。
真剣に怒っているはずなのに、ネタを止められない魔理沙。
「初代プレ○テかドリ○ャスならまだしも、最新英姫二台だと! そんなの許されるか!」
怒りのあまり山田の名前が混じった。
「え、ちょっとそれって逆恨みじゃない!?」
「絶対に逆恨みだけど、こうなった魔理沙は止められない」
「そこの保護者、しっかり手綱握ってなさい!」
「アリス、あとは私一人でやるぜ」
「お好きに」
「話聞きなさいよ!」
これより、苛烈にして熾烈なバトルが開始される。
空中で暴れ回る魔理沙。同じく暴れ回る輝夜。時折人形を投げ込んでは大爆発させるアリス。やってることとしてはアリスが最も病んでいる。
だが、そんなバトルの最中に、魔理沙は輝夜の攻撃で墜落をしてしまう。
「やった」
ガッツポーズを決める輝夜。
すると、地面にへばり付いた状態で魔理沙が何かを口にし始める。
「……アリス……読者さん……あんなにいろんなこと教えてくれたのに……私……なんにも、できなかった……みんなを……たすけられなくて……ゴメンね……」
「まだ続いてたのね、このワンダープ○ジェクトJごっこ」
『……魔理沙』
「……だあれ?」
『……私はルーミアなのか?』
「……初っ端から台無しかい」
何か無性に泣きたくなった魔理沙。さっきからずっと泣きたいアリス。そのどちらの涙も、感動のそれとはおよそ180度ほど方向が異なる。
『えっと、魔理沙、儂じゃアッドじゃ。おまえの人間も妖怪も妖精も区別なく、みんなを助けたいという心しかと感じたぞ……こんなんでいいかしら?』
「パッド……」
『殺すわよ?』
素の殺意。
『やるじゃん、魔法使い! あたい、最強の妖精よ!』
「私じゃなくてお前がか……」
ちなみに、魔理沙の書いた台本では「あんた最高の魔法使いだよ」だった。
『図書館から持ってった本、早く返してよ』
「……死んだら返す」
もはや台本無視どころではない。
『魔理沙……魔理沙一人だけに、つらい思いはさせないから! みんながついてる!』
「……まともなのはお前だけだぜ、中国」
『ならせめて名前で呼んで……』
今度はちゅうご美鈴が泣いた。
『……聞こえる? 魔理沙。えーっと……ほんとうに、よかったね……』
「ああ、霊夢……科白を略しすぎだ」
一番肝心な科白が流された。感動ゲームが跡形もない。
「わあ……幻想郷のみんなの心が……みんな……ありがとう……」
「もうヤケクソね」
魔理沙の体が、ゆっくりと光に包まれていく。
「な、何、あのヒカリは?」
突如、カッと魔理沙が目を見開く。
「判るまい、殺しを遊びにしている輝夜には。この、私の体を通して出る力が!」
「違うの混ざったわよ!? っていうかそれゲームじゃないし!」
「体を通して出る力? そんなもので、蓬莱人を倒せるものか!」
「わー、輝夜も乗るし……」
突っ込むことが馬鹿らしくなってきたアリスである。
『魔理沙は、その力を表現してくれる武器を持っている』
『ミニ八卦炉じゃ』
「男の声?」
友情出演・森近霖之助と魂魄妖忌。
あまりの事態について行けず、呼吸困難を起こすアリス。
「まだ、抵抗するのなら!」
懐から勢いよくミニ八卦炉を取り出すと、輝夜目掛けて構える。ミニ八卦炉は、強烈な光を宿し、発射を今か今かと心待ちしているようであった。
「これが私の、回炉『J』だぁぁぁ!」
「ひっ……う、わぁぁぁぁ! そっちのネタは判らないのにぃ!」
最大出力のファイナルスパークの直撃を受け、輝夜は月へと昇っていった。
しかし、天に昇る程の強力な魔法の反動か、魔理沙はガクリと膝を折ると、地面に倒れ込んでしまう。
「魔理沙っ!」
駆け寄って抱き起こす。すると、魔理沙は息も絶え絶え……かと思ったら元気そうだった。それを見て、アリスは悟る。『こいつまだごっこ遊び続けてやがる』……と。
「……なぁアリス。「ま、魔理沙……! いやぁーーーーー!」って叫んでくれない?」
「絶対に嫌」
「ちぇっ」
「魔理沙……おまえ、回炉『J』を、みんなの為に」
倒れている魔理沙を見下ろす霖之助。
「わぁ!? どっから湧いたのよ!」
「あぁ、さっきこの一言を言わせる為だけに呼んでおいた」
「人使い荒い! そして来る方もおかしい!」
「いや、なに。暇だったからな」
「あんたらおかしい!」
こうして、ゲームにハマった魔理沙の永夜抄は、読者置き去りのまま終わるのであった。
というか、その魔理沙の科白ほとんどにツッコミを入れたアリスもおかしい。
ちなみに、輝夜には罰としてシャド○ゲイトとデ○クリムゾンのクリアが科されたとか。
それから、途中で魔理沙に負けた霊夢は、マヨイガの屋敷で紫と藍と橙の四人で、延々と桃太○電鉄をやっていた。PCエ○ジンで。
三日月
一応事件解決に乗り出したけど途中でゲームやりたくなって帰ったお嬢様ご一行。
「咲夜。それじゃ、最強の槍を投げるわよ」
「スピア・ザ・グングニルですね」
「何を言っているの。最強の槍と言ったら、エイユウのヤリに決まっているでしょ」
「て、天○創造ですか?」
「そうよ」
「……美鈴がそのままメイリンの立ち位置に収まるのでぐうの音も出ません」
「さしずめあなたはヨミかしら」
「あの、できることならばエルが良いのですが……」
「アークは私、エルは霊夢♪」
「しくしくしく」
ちなみに、パチュリーはグリーンランドのペンギンだってレミリアが言ってた。
上つ弓張
夜の散歩をしていた白玉楼コンビ。
「あ、そうだ。新しい刀を用意したの。どうかしら?」
「え? ですが、私にはこの二振りの刀がありますので」
「あ、そうだ。新しい刀を用意したの。どうかしら?」
「えっと……ありがとうございます……ところで幽々子様。これはなんて刀ですか?」
「マスターソード・レベル4と秘剣カブラステギだけど」
「ひぃ、伝説の剣と幻の刀!?」
「さぁ、妖夢。二刀流」
「無理です、いくらなんでもそれは無理です!」
あまりの畏れ多さに震え上がってしまう、ゲーマーな妖夢であった。
待宵
ある意味で拷問を受けている輝夜。
「あぁ! また死んだ!」
「そんな血相を変えてまでプレイしなくても」
「なんでこの真の勇者、剣を自分の胸に当てて自殺するのよ!」
「あぁ、姫……」
「くっそ……っていうか、突然泳いでサメに食われて死んだり急に落下して死んだり、果ては自分で毒薬呷って死んだり! この自殺狂の誇大妄想ポエマーはなんなのよぉ!」
「姫、詩人は英語はポエットです」
「どっちでもいい! あぁ、苛々する! しかもセーブした場所からはどう足掻いてもクリアできないハマりってどうなのよ!? 難題にも程があるでしょう!」
「それを姫が言いますか」
そんな永琳を、血走った目でキッと睨む。
「そっちはどうなの!」
「もう無理ですよ。何度直しても照準が合いません。私、もうあの恐いメーカーロゴを見たくありませんよ」
「弱音は聞いていないわ! なんとしてもクリアして、魔理沙を見返すのよ!」
「そんなぁ……」
ゲームで体重が二千ミリグラムほど失われ現在はめそめそと泣く従者と、孤高なプライドの炎を残り少ないカリスマの薪で無意味やたらに燃焼させてゲームにのめり込む輝夜。
この間に永遠亭の支配を目論み実行に移しかけたてゐが、ウドンゲの44マグナム(四本指)によって色んな意味で轟沈されるという珍事があったが、それは伝えられていない。
後にウドンゲは語る。
「……いくら私でも、さすがにあんなにも深くまで決めるつもりはなかったんです。あれは、悲しい事故でした」
何がどこにどの程度決まったのかは永遠の秘密。
―――――――――――――――
これより一週間の後、駄ゲーマニアとしての資質を覚醒させた輝夜が香霖堂の常連となってゲーマーとしての冥府魔道を歩み始めるわけだが、それは触れちゃいけない歴史だって慧音と阿求が言ってた。
自分も好きなように書いて書いて書きまくって暴走することありますから。
後書きでも、これがどういう作品なのかは分かってるっぽいですし。
こっそり自分の胸のうちに残すか、自分のHPで掲載してほうがよかったかもしれませんね。
プチなら、まだやわらかな感想がきてたかも?
しかし、あれだ。
自分はまだソソワデビューしてませんが、適当な作品はUPできそうにないなぁw
ちなみに、ファミコン世代なのにほとんど分からなかったわ……。
FEは面白いらしいって聞いてるけどしてないしなぁ。
そういえばあのころのソフトって、一本1万円前後…
どんだけwww
あとカ○キロックスは私的には名作ですw
ネタが分かってしまうやつは思わず爆笑しそうになりました。
夜中なので我慢しましたが。
でもネタが分からないときついですね
こういう魔理沙とアリスも良いですね
大変面白かったです。
ワ ギャ ン ガ
うん、自分はまだガラスのティーンエイジャーというわけか。
クロトリと見せかけて、ライブを持って来たのには吹いた
と、何故か9割がたのネタが理解できてしまったゲーマーな17歳の私が言ってたってけーねが言ってた。
本気で分からないネタに走るなら、原始云々のトコで46億○という手もありましたね。
イデ○やマカマ○など強烈なネタはまだまだありまっせw
後、カブ○のネタやるならええからだ四天王を出さないとw
紋章と聖戦はガチ。
エストポリス伝記3マダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
ほとんど持ってるから困るだろwwww
ちくしょーwwwwwwww
今度、久々にスー○ァミを引きずりだして遊ぼう。
かなりのニッチものになってしまった思っていたのですが、皆さん随分と博識なようで驚きです。嬉しかったので、長文ながら返信おば。
>>00:01:32さん >>01:58:13さん >>02:35:10さん >>09:28:20さん
まとめて失礼しますが、ですよね!
スー○ァミ引っ張り出したくなりましたとも。
>>00:24:36さん >>00:38:41さん
お目汚し申し訳ないです。
>>☆月柳☆さん
お心遣い痛み入ります。本当はホームページだけにするつもりだったのですが……我慢ができなくなってしまい。
>>01:42:14さん >>08:14:25さん
大丈夫です。書きながら私も時間の流れを痛感しました。
>>02:12:52さん >>06:39:56さん
わぁ、その割合で理解されましたか。それは凄いですw
>>三文字さん
あははは……申し訳ないです、元ネタ判らない人に優しくない内容で。
それでも読んでくれてありがとうございます。
>>欠片の屑さん
「46億○物語」は未プレイなんですよ……ってその辺りを入れたら本格的に誰も判らなくなってしまうw
>>たぁさん
「時空○旅人」は未プレイで入れられませんでしたが、慧音との会話に東方繋がりで「東方○聞録」を入れようとは思いました。断念しましたが。
>>10:59:24さん
出ますよ。きっと。でも言わせてください。
エ○トポリス伝記3マダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
>>11:08:53さん
それは凄い! 品揃えが似てますねぇw
……返信を書いていたら1000点近くなったことにビックリしました。
それでは、読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
文章にやや難があり ところどころ暴走している為場の様子が今一掴み難いのが痛いです
年かな自分も(19歳)
ネタを並べただけのものはパロディでもなんでもないと思うんだ。
みょんはいつの間にやら遠距離戦も可能になったんですかwww
MSlv4(略すと何がなんだかww)はHP満タンじゃないとビームは出せませんよww
それならやっぱりカブラ(ryにも火の印をフルにつけるんでしょうかwww
とりあえず一言言うなら・・・
「私がルーm(ry
せっかくだから蒐集ネタってことで「ころしてでもうばいとる」「なにをするきさまらー!」はほしかったですが。
作品としてはちと保留のフリーレスにしておきますね…
>「初代プレ○テかドリ○ャスならまだしも、最新英姫二台だとい!
「い」がよけいじゃないですか?
もうどれも過去の遺物……でもW○iでできるのもいくつか。
>>君には感謝しているさん
戦闘法が(精神的に)一番危険なのって彼女だと思う。
>>12:10:33さん
状況説明不足ですか。以後気をつけます。
Live ○ Live万歳。
>>13:45:52さん
お若いのに!?
>>13:59:13さん
そうですね。まだまだネタの扱いが生かせなかったかもしれません。以後精進します。
>>15:13:16さん
私はサテ○ビューが欲しかった小学生時代。
>>てるるさん
すごい十代が多いですねぇw
遠距離武器装備だと強くなるのか弱るのか。ちょっと気になったり。
>>イスピンさん
あ、そのネタ忘れてた!
文章自体については、以後精進します。
>>19:13:16さん
あ、本当ですね。直します。
パネルのめくりあいにすると、それだけで延々とネタが続きそうなので自重しました。
あと難題として出すのならゲイトはファミコン版ではなく64版だと思うのですよ
私的に一番受けたのはファイ○ーエムブレムの三姉妹のとこですね。
普通でもあんなにも覚えてませんよwwwww
なかなかヨカタと思います。
といっても理解できたのは7割くらいですがw
>時折人形を投げ込んでは大爆発させるアリス。
なぜかスーファミ版ボン○ーマン思い出した
データ消えてるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!??????
ベヒーモスは、いまだにトラウマですw
シャキン、シャキン
OK、ボタン連打してくる
エバーグリーン=冥界(ラーは西行妖)
サンクチュアリ=妖怪の山
結構できますね。
私は熊のぬいぐるみ(あ、もしかしてマザー2?)を抱いたアリスを愛でときますね。
ネオジオもあったな~過渡期に買った3DOは果てしなく無駄だったw
持っているのに
LALしかやってねぇw
いつの間にか繰り返し
遊んでいたなぁ
懐かしい気持ちになりました