◎月○日
永遠亭に錠剤を貰いに。
先月にどうも噛み砕きすぎたようだ。
ついでに館内の薬も補充をしなくてはならないのでそれも。
今日は永遠亭は休業中ではあったのだが八意永琳の許可が出ていたので
待つ事無く薬は貰えた。
その後急ぎの用が無ければ少しお茶でもしていかないかという誘いを受けた。
最近忙しかったので休憩も兼ねてその誘いに乗った。
月兎の事で働きすぎじゃないかと進言したが
私もなるべく倒れる前に休ませるようにしているけど・・・と苦笑いされた。
どうにも月兎は自主的にやり過ぎのようだ。
自分の師匠以外に頼れないからなのだろうか、次に会った時に私も言っておこう。
しばし色々と語りあってたら蓬莱山輝夜と藤原妹紅がまた殺し合いを始めた。
とりあえず色々と問題が起きたが藤原妹紅に同行していた上白沢慧音によって
あの殺し合いは無かった事になった。
覚えているけど無かった事なので日記には書かないでおく。
「永遠亭も大変なのねぇ・・・」
「そっちはもっとかかってるでしょ?」
「・・・否定できないわね、ほんと」
緑茶とイチゴ大福を頂きながら八意永琳とお互いの経費問題について語り合っていた。
住まいを何度直した事か、どれほど掛かったかなどなど。
この永遠亭も半壊とまではいかないが何度も修理の憂き目にあっているそうだ。
そりゃあの不死身連中二人が暴れたらそうなるわよねぇ・・・
「姫ももう少し優雅に大人になってもらえると嬉しいんだけどねぇ」
「その辺はまだ家のお嬢様達の方が「かぁぁぁぁぁぐぅぅぅぅぅやぁぁぁぁぁぁ!」・・・・・・嫌な予感」
チュドォォォォンという爆発音と共に永遠亭が揺れた。
おっと、危うく緑茶が零れるところだったわ。
完璧なメイド長はそのような失態はできないわ。
「あはははははは!!!妹紅!また無駄な事をしにきたのねぇぇぇぇ!?」
「ぬかせぇぇぇぇぇぇ!!!」
怒号と爆発音が響く。
八意永琳は慣れた手つきで薬品が落ちないようにしていた。
「・・・嫌な慣れね」
「止めなくていいの?」
「言っても聞かないのよ・・・今たぶんウドンゲが行ったから
上白沢慧音と一緒に被害が広がりすぎたら止めるでしょ」
疲れた顔で溜め息をついた。
酷い物ね・・・
「しょうがないわねぇ・・・」
飲み終わったら拳骨制裁で説教でもしてやろうかと思いながら緑茶を飲むと
注)幻想郷放送コードに引っかかりました、お見苦しい言葉には隙間が入りますがご了承下さい。
「この[ピー]で[パォォォォォン]で[この話はフィクションです]がぁぁぁぁ!」
「「ぶふぅぅぅぅぅぅ!!!」」
二人で緑茶を盛大に吹いてしまった。
なんてことだ、この十六夜咲夜、一生の不覚。
「なっ・・・あんたなんか[〇〇係の]の[いつもいつも邪魔する]で[〇山~?]な癖にぃぃぃぃ」
二人でテーブルに頭を思いっきりぶつけた。
テーブルが凹んだ。
「いった・・・なんて事言い合ってんのよあの馬鹿二人は!」
「姫・・・!はしたないの度を過ぎてますよ・・・!」
急いで馬鹿二人を止めに二人で庭に向かった。
その間にも
「うるせぇ![モルサァァァ!]な[エントリィィィィ!]が!」
「あ、あんたこそ[お仕置きだべぇ~]で[見せられないよ!]で[馬鹿ばっか]よ!」
「なっ・・・この[ロリコンどもめ!]が!」
「うるさい、この[これは私のお稲荷さんだ]!!!消し飛ばしてやるわ!!!」
「姫ぇぇぇぇ!せめてそういう言葉だけは止めてください!」
「妹紅!そんな言葉使ってはいかん!」
あいつら本当に脳味噌まで再生できてるのかしら?
復活する毎に劣化していってるんじゃないかと本気で思った。
庭に行くと馬鹿二人が言い争いしながら殴り合いになっていたので
八意永琳と共にダブル拳骨かまして上白沢慧音も合わせて説教した。
おかげで帰ったのは夕方だ、お嬢様と妹様を宥めるのに苦労した。
でもこんなの日記に書けないわよねぇ・・・
◎月×日
珍しい事に詐欺兎が紅魔館に来た。
昨日八意永琳が渡し忘れた薬を渡しに来たそうだ。
そして八意永琳の機嫌が昨日悪かったが何かあったのだろうかと呟いた。
無かった事にしても彼女の気は晴れなかったということか。
ついでにあそこの姫君は一週間おやつ禁止とされたそうだ。
何か軽いような気もしたが効果的らしい、紅魔館でも採用を考えようかしら?
◎月□日
耳と頭と胃が痛い・・・今日はこのくらいしか書けない・・・
◎月△日
紅魔館修理率95%
昨日の事を思い出すだけでも耳が痛くなる感じがする。
チルノたちからも文句がきたり頭も痛い。
とりあえずなぜ紅魔館が修理中なのか、それはガラスが全部割れてしまったからだ。
昨日はお嬢様と妹様のなんとなくによるパーティが催された。
通称暇だからパーティやるか、である。
用意する側としては大変ではあるのだがまぁお二人がとっても楽しそうだったのでよしとするべきだろう。
今回は突然のイベントだった為、招待客は少なかった。
それでも霊夢や魔理沙は参加してくる辺りさすが暇人という感じではあるが。
前座役としてプリズムリバー姉妹が来てくれたことは非常にありがたかった、問題が起こるまでは。
これからは皆に徹底させようと思う・・・・・・・・・・次女を酔わすな、と。
「ありがとうね、突然の誘いだったのに」
「いや、丁度練習していた曲をどこかで披露したいと思っていたところだ、こちらこそありがとう」
「いい曲だったわ、専属で雇ってしまいたいくらいよ」
ルナサ達の演奏はますます磨きがかかってきているような気がする。
やはり姉妹間の蟠りが消えたのが大きいのかしら?
既に演奏は終わり、今はもはや宴会騒ぎだ。
その光景を見ながら私、お嬢様、ルナサは少し離れたところに落ち着いている。
「専属は無理だけど、お誘いがあればしっかり参加して演奏するよ。
咲夜には凄い世話になったからね」
前の件で姉妹との蟠りは無くなった様だ。
それは彼女達のコンサートに感じる気がする。
前の時よりもなんというか・・・音が澄み渡るように広がっている気がする。
心に染み渡るというかなんというか・・・言葉に表現するのは難しいわ。
先月よりもさらに上手くなっている気がする、彼女達は日々姉妹3人で成長しているということかしらね。
「あらあら、咲夜のお節介のおかげかしらね?」
お節介と言われると苦笑せざるおえない。
各方面にお節介をしている私には痛い言葉だ。
「お嬢様・・・ご容赦を」
「ふふふ、この辺で許してあげるわ。
ほら、あなたも飲みなさい、ルナサ・プリズムリバー。
紅魔館の主自らがお酌をしてあげるわ、演奏の礼よ」
大層お嬢様も気に入った様子である。
「あぁ、すまない・・・おとと」
「それにフランも気に入ってるようだしね」
見れば妹様は末っ子のキーボード演奏にかなり夢中になっているようだ。
自分の知らない幻想となった音に興味津々のようだ。
まさに見た目通りの幼い目をして聞いている。
「喜んでもらえているようで・・・・・・・・あ」
急にルナサの顔が曇った。
?何かあったのだろうか?
どうしたのか、と私が聞くと、おずおずと指を指した。
指した先には美鈴と次女、仲良く酒を飲みあってるみたいだけど・・・
「うちの門番とあなたの妹がどうかしたの?」
お嬢様も不思議そうな顔をしている。
「しまった・・・実は・・・」
ルナサが何かを言いかけた時、
「よぉし!気分も乗ってきた事だし!ここで私の単独ライブよぉぉぉ!!!」
次女が立ち上がってラッパを構えた。
かなり酔ってるようね、あれは。
「ちょっと!メルラン!やめ・・・!」
「「え?」」
ルナサの静止が届く前に・・・
私とお嬢様がそれに気づく前に・・・
「いっくわよぉぉぉぉぉ!!!」
やかましいでは済まない凄い音量によって紅魔館中の窓ガラスと私達の意識が吹っ飛んだ。
曰く、次女はかなり酒癖が悪い。
曰く、酔った次女の演奏はもはや攻撃である。
曰く、今までそういう理由から酒をあまり飲ませなかった、などなど。
ルナサから聞いたのはそんな内容だった。
お嬢様や妹様ですら目を回して気絶するほどのものとは思わなかった。
メルラン・プリズムリバー・・・恐ろしい子。
ついでに聞いた話だが末っ子の幻想の音を演奏する能力もやり方によっては危険らしい。
幻想になった音はそれこそ数多ある、もちろん種類も数多だ。
聞いただけで人を殺める事ができるものもあるという。
・・・・・結構危険だったのねあの子達。
◎月&日
一昨日割れたガラスも全て元通りになった。
ガラス代見たらちょっと錠剤を噛み砕く量が増えた、反省。
しかし怒るに怒れないのが困ったものだ・・・
誰が悪い、というわけではないからね。
ルナサは謝りまくってたけど彼女のせいじゃないし・・・
ちょっと胃に堪えた。
◎月$日
霊夢が来た、何かやらかしてないか偵察だ、という理由で。
どう見ても紅茶とお菓子を貰いに来ました、という感じだったのだが
お嬢様も妹様も霊夢を気に入っているため、そして一応客人のため、何も言わないでおいた。
魔理沙も来たが玄関ぶっ壊して来たのでメイド式シャイニングウィザードを決めて早々に帰ってもらった。
案の定門と門番もボロボロである、あいつは毎回大人しく来れないのだろうか?
刺激的でいいじゃないか、とか言いだしそうだがその時は思いっきり目潰しをしてやろうと思う。
◎月#日
紅魔館の歴史でこれ程妙な状況は無いだろうし、これ以降も起きないだろう。
簡単にいえば幻想郷最強連中集結!(冬バージョン)とでもいうべきか。
スキマ妖怪、亡霊の姫、花の妖怪、月の薬師、閻魔、妖怪の山の神2匹
さらには冬限定の妖怪まで紅魔館に来るというもはや何が来ようが瞬殺できるという感じだ。
しかもこぞって私に相談事をしてくるという何が起きた、という状況だった。
従者やら友人やらに私なら相談に乗るだろうと言われたようだが
紅魔館は相談事務所ではないし、そもそも困り事は霊夢のところへ行って欲しいものだわ。
そう言ったら全員が門前払いにされるから無理と言ったが。
最近お節介が過ぎたからじゃないの?とお嬢様に笑われた。
最近言われ続けている事だが今日ほど勘弁してほしいと思った日は無かった。
おかげで相談相手の一人が作った錠剤を噛み砕く量が今日は多くなってしまった、反省。
「今日は確かに目が点になりましたねぇ・・・
あんな方々が相談しに来る咲夜さんも咲夜さんだと思いますけど」
読んでいた物を閉じた。
幸い、部屋の主はここにはいない。
お嬢様と妹様の突然の呼び鈴に今頃お嬢様の所にでも行っているのだろうか。
それでこの日記がテーブルに出しっぱなしになっていたのだろう。
届け物をした甲斐があったというものだ。
「いやはやー門に立ってるだけじゃ中々外の事ってわかりませんからねぇ」
「そう、それはよかったわね、でもあなただって非番の時は出ているでしょうに?」
・・・ここでは聞いてはいけない声がした。
後ろからの威圧感がその声の主を誰だかをさらに理解させる。
振り向くな、だが首がしろという。
捕まるな、だがあれは自分を捕まえるのに1秒もかからない。
震えるな、だが体は動いてしまう、悪寒と恐怖に。
泣くな、だが涙は自然と出てしまう。
肩に手を置かれた。
そして私は・・・・・・・・・・・・・振り向いた。
「さて、楽しい楽しいお仕置きタイムね。
困った門番には・・・・・・・・・・・・・・・・・・それ相応の罰を与えてあげないと、ね?」
私にとって最強の者がニコリと笑った。
「あれ?さく「許してください咲夜さぁぁぁぁぁぁぁん!!!」・・・・・・・・また何かやったのね美鈴」
◎月#日追記
またどこかの門番が人の日記を読んだ。
懲りない奴だ、そろそろ本気でお仕置きしてやったほうがいいようだ。
「許してください咲夜さぁぁぁぁぁぁぁん!!!」は美鈴として、「あれ?さく がよく分らんのですが
お嬢様です、咲夜さんが時を止めて行ったので
何時の間にかいなくなっていた、ということです。
日記と回想をきっちり分けてきた!
そして、錠剤!錠剤!美鈴!美鈴!珍しく霊夢が出てきたよ!
それにしても、◎月○日の回想シーンはやってくれましたね。
ほとんどネタが分かってしまう自分もあれなんですがw
いやいや・・・まさか放送禁止用語が出てくるとは。
しかもその台詞を埋める言葉も面白かった。w
それにしても最強クラスから相談を受けるとは・・・。
それほど咲夜さんは世話を焼くというかなんというか。
一体どんな相談を受けたんでしょうね?気になるところです。
では、次回も楽しみにしています。
死して屍拾うもの無し・・・南無。
しかし皆さんどんな相談しにきたんでしょ。特に花の妖怪とか亡霊嬢とか。
次のネタになるのならとても楽しみです。
ところで、放送禁止用語が解禁された完全版はどこで見れますかな?
メルランの酒癖の悪さがツボ。
相談内容を是非詳しく。
ちょwそれなんてトライガンマキシマムww
>せざるおえない
これは「せざるをえない」のよく使われる誤用ですね
そういえばトライガン完結しましたよね。全くもって関係ないですが。
ここで吹きましたww
しかし輝夜と妹紅・・・・自重してください。