Coolier - 新生・東方創想話

花の接し方

2008/03/04 00:29:37
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「こんにちわー」

空から声がしたので私は見上げた
そこにいるのは浮いてる巫女
霊夢じゃないわね…

「どちらさま?」
「初めまして、妖怪の山に引っ越してきた神社の巫女です。名前は東風谷 早苗と申します」
「あらそう」

興味ない、と感じたのであっけない返事で書物に眼を戻す

「そ、それでですね」

すこし話しづらそうな口調で早苗という巫女は私に語りかけてくる
まぁ話しづらいでしょうね
だってさっきから妖気を存分に出してるんですもの、いつもの倍くらい

「なにかしら?」

わざとらしく笑顔を作る

「あ、えーと…その…」

これはいじめがいがありそうな巫女だこと

「信仰しませんか?」
「綺麗に断わるわ」
「あぅ」

噂には聞いていたけど本当だったとわね

「あいにく私は自分しか信じないのよ、だから神なんていらないわ」
「そ、そんなこといわずに!」
「何度言われようが信仰するつもりはないわ」
「いまなら信仰シールが…!」
「余計いらない」

なかなか粘るわね
顔が今にも泣きそうでかわいいわ
そうだ

「ああ、どうせ信仰するなら博麗神社のほうがいいわね」
「な!なんであんなとこを!」
「どちらかーといわれれば霊夢のほうがいいもの」
「信仰がない神社に意味はありません!」
「そう思ってるだけじゃないの?」
「そ、そんなことはないです!」

いや感じているでしょうね
ここは幻想郷
あなたたちの「信仰」が通用するとは思えないし
もちろん博麗神社のほうを取るっていうのは嘘
霊夢だけなら取るけどね

「さぁ神社にお帰りなさい」
「も、もう少しお話を!」

そういうと巫女は降りてきた
…気分が変わった

この巫女を殺そう


「ですから神を…きゃッ!!」

私は目に見えないスピードで巫女の頭を鷲掴みする

「う…ぎ…な、なにを…!」
「神を信仰しろーと来た人物が神が与えたもうと云われる自然を壊していいものなのかしら?」
「え…?」
「分かってないようね、自分の目で見なさい」

私は鷲掴みにした巫女の頭を『そこ』に押し付ける

「…こ、これは」
「わざわざ歩ける道を作ってあるのにあなたは『ここ』に降りた」
「あ…あぁ…」
「あせっていたのかしらね、気がつかないなんて」
「そ、そんな」
「かわいそうに」

『そこ』にあったのは小さな花
数日前に咲いたといった感じだろう
周りの花に比べれば小さく劣るが
十分美しい素質をもっている

「小さくても命あるものよ、それをあなたは薄汚い草履の底で殺したのよ」
「あ…あ…」
「神につかさどる巫女が殺したのよ」
「や、やめて」
「殺したのよ?」
「やめてください…!」
「あーあ、殺しちゃった」
「やめてっ!言わないで!」
「殺した殺した殺した殺した」
「うあぁぁあああああ!!」

鷲掴みにされ地面に顔を押し付けられてる状態で泣き始めた

「この弔いどうしてくれようか、神の巫女よ」
「う…」
「その頭握りつぶしてやろうか
 いやこのまま地面に埋めてしまおうか
 花たちの糧にするのも悪くない」
「うぁ…」
「悔やめ苦しめ
 そして己がやったことをあの世で後悔しろ」
「ああああぁああ!!」

ようやく何をされるか理解したのか
暴れだした
けど所詮人間か
私の腕はびくともしない

「さぁ最後に言いたいことはある?」
「うっ…うっ…」
「ないのかしら」
「…ご…ごめんなさぃ…」
「ん?」
「ごめんなさい…!」
「謝罪で命が救えるなら安いものね」
「ごめんなさい…」
「わかった許す」
「…え」

そういうと私は鷲掴みにしていた手を離す
なんて顔しているのかしら
霊夢じゃまずお目にかかれない表情ね

「え?え?」
「面白い顔するのね、ほらこれで土拭きなさい」
「あ、はいどうも…ってええ?!」
「なによ」
「え、いやさっきまで殺すつもりじゃ」
「さっきはね、今は殺さないわ」
「ええぇ?」
「殺してほしかったの?」
「いえそんなことは」
「ならいいじゃない」
「????」

この子はいじりがいがあるリストに載せておこう
トップランカーになりそうだわ

「え、でも私、花を…」
「踏まれたくらいでへこたれるほど弱い存在じゃないわ花っていうのはね」

私は踏まれた花に手を乗せる
ほら元通り

「すごい…」
「私が手をかけなくても数日で元に戻るわ」
「そ、そうなんですか」
「だからといって粗末に扱わないことね、いい?」
「は、はい!」
「よろしい」
「ところで…」
「ん?神は信仰しないわよ」
「あ、いえそのことじゃなくて」
「なに?」
「その…どこまで本気だったんですか?」
「あぁ…そうね全部」
「う…」
「ま、私は気分屋だから」
「はぁ…」
「殺そうと思えば殺せたけど、殺しちゃ説教できないじゃない」
「そ、それはそうですけど」
「何か不満?」
「もっとやり方というのが…」
「私の趣味なの」
「ええぇ?!」

またかわいらしい顔しちゃって

「私と会うときは足元注意しなさい、とくにここではね」
「は、はい。すみません」
「またいらっしゃいな」
「え?」
「ゆっくり今度はお話しましょう」
「あ、はい。では失礼します」

そういうと巫女は空に浮かび山のほうに帰っていく
んーひさびさにいい働きしたわ
にしても…

「あれだけやられても最後すっきりしてたわね…まぁいいか」

私はまた書物を読み出す
今度きたらなにしていじろうかと考えながら
早苗「痛かったけど…優しい手だったなぁ。
   今度から気をつけないと…!」






あ、俺ゆうかりんに殺されてくる
通りすがりの幻想住人
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コメント



0.960簡易評価
2.80名前が無い程度の能力削除
なるほど…
作者が抱く ゆうかりんの狂気的な優しさ 確かに受け取った!
7.90名無し削除
ゆうかりんのドSっぷりが大好きです。虐めてください。
12.70三文字削除
まあ、いきなりゆうかりんに脅し掛けられたら泣くわなぁ・・・
にしても、早苗さんが虐められている姿が俺にはよく見えるぞお!
14.80SAM削除
いじめっ子ゆうかりん大好きです。
いじめられる早苗も。
24.100名前が無い程度の能力削除
何て優しいドSなんだ、ゆうかりん…!