「咲夜、白玉楼から人が来ているそうね。」
紅魔館の一室。
親友のパチュリー・ノーレッジとお茶の一時である。
向かいに座る少女は只今読書中だ。
「はい、3日後の親睦会の打ち合わせです。」
お茶菓子のクッキーを盛った皿をテーブルに乗せてから答える。
「そう、後の事はお願いね、咲夜。」
「はい、畏まりました。」
失礼します。
と部屋を出る。
さて、この後は打ち合わせだ。と客間に向かおうとした時
「あぁ、そういえば・・・・」
読書中だった少女の声が聞こえた。
普段なら聞かずに立ち去ってしまうが、この時はなぜか耳に入ってしまった。
「あぁ、咲夜が・・・」
ん、私の話?
「最近・・で弱くて・・」
「なら、仕方な・・・」
よく聞き取れない・・・
「そうね、替える時期かも・・」
最後だけ、はっきりと聞こえた。
!!!
変える、何を?
考えちゃ駄目だ、今は3日後の親睦会の打ち合わせが先決だ。
彼女はそう、自分に言い聞かせると客間に急いだ。
客間では、魂魄 妖夢が待っていた。
冥界との親睦を深めるために企画されたイベントだった。
場所は紅魔館。
ここならレミリアの妹、フランドールも出席できる。
「えっと、親睦会に出席する人のリストは・・・はい、どうぞ。」
「あ、ありがとう。」
先ほどの事が頭の中をグルグルと回っている。
咲夜、最近、弱い、替える
そういえば最近、紅白、黒い魔に負けて唯一勝ってるのは庭師くらいか・・・
2勝1敗、どうにかしなければ・・・
招かれている人数は少ないが、好き嫌いなどが解っていれば持て成す方としては楽だ。
「幽々子様は好き嫌い無しっと・・・あら、貴女辛いの駄目なの?」
「は、はい、どうも苦手で・・・」
妖夢が恥ずかしそうにそう言う。
「ふふっ、お嬢様と妹様は血が入ってればOKっと・・・パチュリー様は欠席と・・・」
次の人は・・・・
「え!?」
「どうかしました?」
「いや、こんな有名人が出席するとは思わなかったから・・・へぇ~」
「幽々子お嬢様とは知り合いなんです。」
「あ、冥界だったっけ。なるほど・・・」
・・・この人物ならば最近、よく話に出るあの人を・・・
「それじゃあ、後はお任せしますね。」
そう言って立ち上がる。
「妖夢、」
相手の手を握って
「お願いがあるの・・・一生のお願い!」
そう、私の今後の一生がかかったお願い
そう思うと、目が潤んできた。
急に手を握られ、さらに涙目で懇願された。
「え、ええ?」
トクン、トクン、トクン、
な、なんで動悸が?
確かに咲夜さんは綺麗だけど、そんな趣味は・・・・
「駄目、なの?」
さらに見つめられる。
ドクン、
「(!!?)わ、私にできる事なら・・・」
「ありがとう、妖夢!」
そう言いながら咲夜は抱きしめてきた。
「(うわわわ、あ、当たってますよ、む、胸)!!!」
そして、親睦会当日
門番である、美鈴が招待された客を招き入れる。
「ようこそ、紅魔館へ。」
「美鈴さん、こんばんわ。」
「あら、妖夢さん、楽しんでくださいね。」
知り合いの娘の後に
背の高い老紳士が立っていた。
「ようこそ、紅魔館へ。」
見知らぬ人である。
リストに目を通す、と
「!?ほ、本物?」
つい口から漏れてしまった。
「ふふっ本物だよ、お嬢ちゃん」
と優しく笑う。
門の奥から幽々子の声が聞こえる。
「小父様、はやく行きましょう」
「じゃあね、お嬢ちゃん」
そう言うと老紳士は奥に入っていった。
「ようこそ、西行寺 幽々子様、魂魄 妖夢様、閻魔天・夜摩様。」
メイド長、咲夜が挨拶をする。
「私、メイド長を勤めています、十六夜 咲夜と申します。
御用があれば何なりとお申し付け下さい。」
「私、紅魔館の主、レミリア・スカーレットです。
今宵は招きに応じてもらい感謝しています。
楽しい一夜になるのを願って、乾杯。」
そして、親睦会が始まった。
なぜか妖夢の顔が赤い。
まずは、紅魔館のシェフが腕によりをかけた食事が振舞われる。
そのお礼とばかりに、プリズムリバー三姉妹による演奏が披露される。
演奏が終わり、咲夜が入ってきた。
「ここで、ちょっとした余興でもどうでしょうか?」
「あら?何かしら」
「さくやー、やれー」
「フラン、はしゃがないの」
「うぅ・・・」
「当、紅魔館のメイド長は、強くなくては勤まりません。
そこで、大変恐縮ですが、夜摩様、ここの元メイド長、ファラ・シェプスト
を呼び出してもらえないでしょうか?
元メイド長と現メイド長、どちらが強いでしょうか?」
「まぁ、咲夜!」
怒るレミリアを老紳士の言葉がさえぎる。
「ほっほ、なるほど、ファラか、それで妖夢のお嬢ちゃんが頼みにきたのか。了解した。」
「ありがとうございます。」
そう言うと、夜摩は小さな旛を取り出した。
「それは何?」
と興味津々のフランドール
「これは、招霊幡といって、幽霊を呼び出せるんだよ。」
「ふ~ん、おじいさん偉いの?それになんでそんな道具持ってるの?」
「こら、フラン」
「はははっ、確かに私は地獄という場所を司ってはいるが、それは私に裁く程度の能力があるからなんだよ。
それに冥界も人数が多いからね、探し出すより、呼び出した方が早いだろ?」
さっと旛を振る。
シュルルルっとなにやら煙のようなものが渦巻くと、そこに人影が現れた。
レミリアがガタッと椅子ごと一歩下がる。
「ファラ・シェプスト、参上しました・・・・・あぁ!!」
「ひ!?」
「お嬢様ーーー!」
がしぃぃ!
夜摩に参上報告を終えた直後に、主であったレミリアを発見し、抱きつく元メイド長。
「もう、離れなさい!」
しぶしぶ離れるファラ。
「お久しぶりですお嬢様。」
「はぁ、ひさしぶり」
「妹様も、成長なさって」
「もぐもぐ・・ん?・・・あぁ、前のメイド長だー」
レミリアが以前、無能なメイドと評していたが
ファラが過保護すぎて、レミリアが自分でやりたい事も、勝手にファラがやってしまうからであった。
さらに、自分で率先して動けるのに、わざわざレミリアの指図を受けに来るところが我慢できなかった。
「これ、ファラ」
フランに食べさせているファラを呼ぶ
「は、夜摩様、すみません。何事でしょうか?」
「このメイド長の相手をしてあげなさい。」
「へ?」
理解できていない彼女に幽々子が
「余興だそうよ?」
「わかりました。」
庭で対峙する二人のメイド長。
「そういえば、夜摩の小父様」
「なんですかな?レミリア嬢」
「ファラを知ってらしたんですね」
「あぁ、彼女には私の秘書をしてもらっているんでね。」
「ふぅん、今のメイド長か・・・あの、私を殺した魔女の方が強そうなんだけど」
「さぁ、どうでしょう。私は古風な魔女じゃないので」
「ふふ、まぁいいわ、楽しみましょう」
「えぇ、楽しみましょう」
そして、両者は中空に飛び上がった。
ファラが力量を測るように弾幕を張る。
「その程度!」
咲夜も負けじと弾幕で対抗する。
「ふむ、これはどうだ!」
「剣符・百剣操舞!!」
何も無い場所から100本の剣が現れる。
「!!」
「ゆけ!」
100本全てが剣舞を繰り広げる。
そのうちの2本が咲夜めがけて斬りかかる!
「ちぃ!」
両手のナイフで弾き落す。
「後98本~」
「あら?後0本よ」
その言葉の後、残り全ての剣が同じ数のナイフによって弾かれていた。
「むむ・・・何をした?」
「手品よ、種も無いけどね」
「奇術・ミスディレクション!!」
弾幕を展開する。
「その程度・・・うわぁ!?」
なんともう一方向からナイフの束が降って来た!
「・・・なんてね」
当たったはずのナイフが全て柄だけになっていた。
「金属を使うのね・・・」
「そういう貴女はさっきのはテレポートかなにかかしら?
まぁいいわ、あの魔女対策だったんだけど、貴女に披露してあげる。」
溶かした金属の塊を咲夜に投げつける。
これを魔力弾で打ち抜こうとする咲夜。
が、
「拡散した!?」
巨大な鉄塊が小さな散弾の様に咲夜に向けて飛び出す。
「止まれ!」
そして、散弾の後ろへ回り込み
「動け!」
そして弾幕を張る。
「いい間合いだ」
弾幕を回避するファラ
「金陣・金鎖結界!!」
ファラの周囲から無数の鎖が伸びる。
「これが魔女対策?パチュリー様なら簡単に焼き溶かすわよ!」
鎖の中心部にいるファラに魔力弾を放つ
鎖が邪魔で何発かが鎖に当たる。
ビュッ
当たった箇所からナイフが生み出され、咲夜に向かって撃ちだされる!
「撃ち返し弾!?」
「これならテレポートも安易にできまい!」
と見当違いな場所に妖力弾を放つ。
鎖に当たって、ナイフが生み出され、咲夜に向かって撃ちだされる!
なんとかこれを回避する。
「どんな衝撃でも鎖に与えれば反撃するわ!」
「それなら・・・」
時間が止まる。
全ての鎖を切断し、時を動かす。
「え?・・・」
「全ての鎖を断ち切ったわ!
とどめ!
「メイド秘技・殺人ドール!!」
時間を止めて、理不尽な数のナイフを全方位に並べる
「無尽製造・万刃の鍛冶!!」
その全てのナイフを無数の刀剣で撃ち落す。
「(まさか!?時間を止めて並べたのに、追いつくだなんて・・・・)」
次の攻撃を警戒する咲夜だが
「?」
相手の様子がおかしい。
「え?」
なんと、そのまま地上に降りたのだ。
「時間を止めれるなんて、勝負になるはずないじゃない。私の負けよ・・・」
そういいながら夜摩の元に戻る。
「ほっほ、おめでとう、咲夜さん。」
すーっと地上に降りる咲夜。
「おめでとう、面白かったわ、咲夜。」
と出迎えるレミリア。
納得いかない勝利だが、今がチャンスだ。
「お嬢様、お願いがございます。」
「何かしら?」
頭を下げ
「どうか捨てないでください、お願いします・・・」
鼻声になりながら、そう懇願した。
「・・・そこまで言うなら、そこの貴女、アレを持ってきて。」
と他のメイドに命ずる。
「(?アレってなにかしら???)」
メイド4人がかりで持ってきた物は、なんと柱時計だった。
「とけい?」
「古いものだから色々痛んで弱くなってて交換しようと思ってたけど、
咲夜気に入ってるって言ってたから迷ってて・・・そこまで言うなら咲夜にあげるわ。」
「あ、ありがとうございます。」
・・・・勘違いだったの?
その後、何の問題も無く親睦会は終了した。
後日
紅魔館の応接室
「咲夜さん、お客様です。」
「私に?分かったわ。」
掃除中だったが、後を任せて応接室に急ぐ。
「あら、お客って西行寺の姫さんじゃない?どうかしたの」
「えぇ、最近妖夢の様子がおかしいのよ」
「どう変なんです?」
「なんか、ぼんやりと紅魔館の方角を見てため息を吐くのよ。何事にも上の空で・・・」
所変わって白玉楼
妖夢の自室
「・・・はぁ、咲夜さん・・・・」
未だに動悸が収まらない妖夢であった。
紅魔館の一室。
親友のパチュリー・ノーレッジとお茶の一時である。
向かいに座る少女は只今読書中だ。
「はい、3日後の親睦会の打ち合わせです。」
お茶菓子のクッキーを盛った皿をテーブルに乗せてから答える。
「そう、後の事はお願いね、咲夜。」
「はい、畏まりました。」
失礼します。
と部屋を出る。
さて、この後は打ち合わせだ。と客間に向かおうとした時
「あぁ、そういえば・・・・」
読書中だった少女の声が聞こえた。
普段なら聞かずに立ち去ってしまうが、この時はなぜか耳に入ってしまった。
「あぁ、咲夜が・・・」
ん、私の話?
「最近・・で弱くて・・」
「なら、仕方な・・・」
よく聞き取れない・・・
「そうね、替える時期かも・・」
最後だけ、はっきりと聞こえた。
!!!
変える、何を?
考えちゃ駄目だ、今は3日後の親睦会の打ち合わせが先決だ。
彼女はそう、自分に言い聞かせると客間に急いだ。
客間では、魂魄 妖夢が待っていた。
冥界との親睦を深めるために企画されたイベントだった。
場所は紅魔館。
ここならレミリアの妹、フランドールも出席できる。
「えっと、親睦会に出席する人のリストは・・・はい、どうぞ。」
「あ、ありがとう。」
先ほどの事が頭の中をグルグルと回っている。
咲夜、最近、弱い、替える
そういえば最近、紅白、黒い魔に負けて唯一勝ってるのは庭師くらいか・・・
2勝1敗、どうにかしなければ・・・
招かれている人数は少ないが、好き嫌いなどが解っていれば持て成す方としては楽だ。
「幽々子様は好き嫌い無しっと・・・あら、貴女辛いの駄目なの?」
「は、はい、どうも苦手で・・・」
妖夢が恥ずかしそうにそう言う。
「ふふっ、お嬢様と妹様は血が入ってればOKっと・・・パチュリー様は欠席と・・・」
次の人は・・・・
「え!?」
「どうかしました?」
「いや、こんな有名人が出席するとは思わなかったから・・・へぇ~」
「幽々子お嬢様とは知り合いなんです。」
「あ、冥界だったっけ。なるほど・・・」
・・・この人物ならば最近、よく話に出るあの人を・・・
「それじゃあ、後はお任せしますね。」
そう言って立ち上がる。
「妖夢、」
相手の手を握って
「お願いがあるの・・・一生のお願い!」
そう、私の今後の一生がかかったお願い
そう思うと、目が潤んできた。
急に手を握られ、さらに涙目で懇願された。
「え、ええ?」
トクン、トクン、トクン、
な、なんで動悸が?
確かに咲夜さんは綺麗だけど、そんな趣味は・・・・
「駄目、なの?」
さらに見つめられる。
ドクン、
「(!!?)わ、私にできる事なら・・・」
「ありがとう、妖夢!」
そう言いながら咲夜は抱きしめてきた。
「(うわわわ、あ、当たってますよ、む、胸)!!!」
そして、親睦会当日
門番である、美鈴が招待された客を招き入れる。
「ようこそ、紅魔館へ。」
「美鈴さん、こんばんわ。」
「あら、妖夢さん、楽しんでくださいね。」
知り合いの娘の後に
背の高い老紳士が立っていた。
「ようこそ、紅魔館へ。」
見知らぬ人である。
リストに目を通す、と
「!?ほ、本物?」
つい口から漏れてしまった。
「ふふっ本物だよ、お嬢ちゃん」
と優しく笑う。
門の奥から幽々子の声が聞こえる。
「小父様、はやく行きましょう」
「じゃあね、お嬢ちゃん」
そう言うと老紳士は奥に入っていった。
「ようこそ、西行寺 幽々子様、魂魄 妖夢様、閻魔天・夜摩様。」
メイド長、咲夜が挨拶をする。
「私、メイド長を勤めています、十六夜 咲夜と申します。
御用があれば何なりとお申し付け下さい。」
「私、紅魔館の主、レミリア・スカーレットです。
今宵は招きに応じてもらい感謝しています。
楽しい一夜になるのを願って、乾杯。」
そして、親睦会が始まった。
なぜか妖夢の顔が赤い。
まずは、紅魔館のシェフが腕によりをかけた食事が振舞われる。
そのお礼とばかりに、プリズムリバー三姉妹による演奏が披露される。
演奏が終わり、咲夜が入ってきた。
「ここで、ちょっとした余興でもどうでしょうか?」
「あら?何かしら」
「さくやー、やれー」
「フラン、はしゃがないの」
「うぅ・・・」
「当、紅魔館のメイド長は、強くなくては勤まりません。
そこで、大変恐縮ですが、夜摩様、ここの元メイド長、ファラ・シェプスト
を呼び出してもらえないでしょうか?
元メイド長と現メイド長、どちらが強いでしょうか?」
「まぁ、咲夜!」
怒るレミリアを老紳士の言葉がさえぎる。
「ほっほ、なるほど、ファラか、それで妖夢のお嬢ちゃんが頼みにきたのか。了解した。」
「ありがとうございます。」
そう言うと、夜摩は小さな旛を取り出した。
「それは何?」
と興味津々のフランドール
「これは、招霊幡といって、幽霊を呼び出せるんだよ。」
「ふ~ん、おじいさん偉いの?それになんでそんな道具持ってるの?」
「こら、フラン」
「はははっ、確かに私は地獄という場所を司ってはいるが、それは私に裁く程度の能力があるからなんだよ。
それに冥界も人数が多いからね、探し出すより、呼び出した方が早いだろ?」
さっと旛を振る。
シュルルルっとなにやら煙のようなものが渦巻くと、そこに人影が現れた。
レミリアがガタッと椅子ごと一歩下がる。
「ファラ・シェプスト、参上しました・・・・・あぁ!!」
「ひ!?」
「お嬢様ーーー!」
がしぃぃ!
夜摩に参上報告を終えた直後に、主であったレミリアを発見し、抱きつく元メイド長。
「もう、離れなさい!」
しぶしぶ離れるファラ。
「お久しぶりですお嬢様。」
「はぁ、ひさしぶり」
「妹様も、成長なさって」
「もぐもぐ・・ん?・・・あぁ、前のメイド長だー」
レミリアが以前、無能なメイドと評していたが
ファラが過保護すぎて、レミリアが自分でやりたい事も、勝手にファラがやってしまうからであった。
さらに、自分で率先して動けるのに、わざわざレミリアの指図を受けに来るところが我慢できなかった。
「これ、ファラ」
フランに食べさせているファラを呼ぶ
「は、夜摩様、すみません。何事でしょうか?」
「このメイド長の相手をしてあげなさい。」
「へ?」
理解できていない彼女に幽々子が
「余興だそうよ?」
「わかりました。」
庭で対峙する二人のメイド長。
「そういえば、夜摩の小父様」
「なんですかな?レミリア嬢」
「ファラを知ってらしたんですね」
「あぁ、彼女には私の秘書をしてもらっているんでね。」
「ふぅん、今のメイド長か・・・あの、私を殺した魔女の方が強そうなんだけど」
「さぁ、どうでしょう。私は古風な魔女じゃないので」
「ふふ、まぁいいわ、楽しみましょう」
「えぇ、楽しみましょう」
そして、両者は中空に飛び上がった。
ファラが力量を測るように弾幕を張る。
「その程度!」
咲夜も負けじと弾幕で対抗する。
「ふむ、これはどうだ!」
「剣符・百剣操舞!!」
何も無い場所から100本の剣が現れる。
「!!」
「ゆけ!」
100本全てが剣舞を繰り広げる。
そのうちの2本が咲夜めがけて斬りかかる!
「ちぃ!」
両手のナイフで弾き落す。
「後98本~」
「あら?後0本よ」
その言葉の後、残り全ての剣が同じ数のナイフによって弾かれていた。
「むむ・・・何をした?」
「手品よ、種も無いけどね」
「奇術・ミスディレクション!!」
弾幕を展開する。
「その程度・・・うわぁ!?」
なんともう一方向からナイフの束が降って来た!
「・・・なんてね」
当たったはずのナイフが全て柄だけになっていた。
「金属を使うのね・・・」
「そういう貴女はさっきのはテレポートかなにかかしら?
まぁいいわ、あの魔女対策だったんだけど、貴女に披露してあげる。」
溶かした金属の塊を咲夜に投げつける。
これを魔力弾で打ち抜こうとする咲夜。
が、
「拡散した!?」
巨大な鉄塊が小さな散弾の様に咲夜に向けて飛び出す。
「止まれ!」
そして、散弾の後ろへ回り込み
「動け!」
そして弾幕を張る。
「いい間合いだ」
弾幕を回避するファラ
「金陣・金鎖結界!!」
ファラの周囲から無数の鎖が伸びる。
「これが魔女対策?パチュリー様なら簡単に焼き溶かすわよ!」
鎖の中心部にいるファラに魔力弾を放つ
鎖が邪魔で何発かが鎖に当たる。
ビュッ
当たった箇所からナイフが生み出され、咲夜に向かって撃ちだされる!
「撃ち返し弾!?」
「これならテレポートも安易にできまい!」
と見当違いな場所に妖力弾を放つ。
鎖に当たって、ナイフが生み出され、咲夜に向かって撃ちだされる!
なんとかこれを回避する。
「どんな衝撃でも鎖に与えれば反撃するわ!」
「それなら・・・」
時間が止まる。
全ての鎖を切断し、時を動かす。
「え?・・・」
「全ての鎖を断ち切ったわ!
とどめ!
「メイド秘技・殺人ドール!!」
時間を止めて、理不尽な数のナイフを全方位に並べる
「無尽製造・万刃の鍛冶!!」
その全てのナイフを無数の刀剣で撃ち落す。
「(まさか!?時間を止めて並べたのに、追いつくだなんて・・・・)」
次の攻撃を警戒する咲夜だが
「?」
相手の様子がおかしい。
「え?」
なんと、そのまま地上に降りたのだ。
「時間を止めれるなんて、勝負になるはずないじゃない。私の負けよ・・・」
そういいながら夜摩の元に戻る。
「ほっほ、おめでとう、咲夜さん。」
すーっと地上に降りる咲夜。
「おめでとう、面白かったわ、咲夜。」
と出迎えるレミリア。
納得いかない勝利だが、今がチャンスだ。
「お嬢様、お願いがございます。」
「何かしら?」
頭を下げ
「どうか捨てないでください、お願いします・・・」
鼻声になりながら、そう懇願した。
「・・・そこまで言うなら、そこの貴女、アレを持ってきて。」
と他のメイドに命ずる。
「(?アレってなにかしら???)」
メイド4人がかりで持ってきた物は、なんと柱時計だった。
「とけい?」
「古いものだから色々痛んで弱くなってて交換しようと思ってたけど、
咲夜気に入ってるって言ってたから迷ってて・・・そこまで言うなら咲夜にあげるわ。」
「あ、ありがとうございます。」
・・・・勘違いだったの?
その後、何の問題も無く親睦会は終了した。
後日
紅魔館の応接室
「咲夜さん、お客様です。」
「私に?分かったわ。」
掃除中だったが、後を任せて応接室に急ぐ。
「あら、お客って西行寺の姫さんじゃない?どうかしたの」
「えぇ、最近妖夢の様子がおかしいのよ」
「どう変なんです?」
「なんか、ぼんやりと紅魔館の方角を見てため息を吐くのよ。何事にも上の空で・・・」
所変わって白玉楼
妖夢の自室
「・・・はぁ、咲夜さん・・・・」
未だに動悸が収まらない妖夢であった。
咲夜の勘違いのせいで、冥界から元メイド長が引っ張り出されるわ、妖夢が禁断の道(?)に足を踏み入れてしまうわ、なんつーか、咲夜さんモチツケって感じです(笑)。
妖夢は、「ごきげんよう」なネタに使いやすいですね。
以前に書いた話の中でも幽々子の寝癖(抱きつくなど)で使わせてもらいましたしw
-------↓は独り言?です------
本当は、この話にルーミア(夜摩との過去の関係で)を登場させたかったのですが話の内容から登場は無しにしました。(パチェが親睦会キャンセルしたのも、ルーミア登場の為だったりしました)
そのうち、その話も書ければいいなぁ
あと、1カ所霊夢と魔理沙に負けてのところが2勝1敗になってます