Coolier - 新生・東方創想話

思い出と理由

2004/07/15 06:08:03
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迷い家の夜。
「さて、そろそろ寝るぞ。橙」
夕飯、入浴を済ませた八雲一家。
時間も深夜になろうとしている。
藍は何気なく橙を誘った。
別に橙の布団が無いわけでもないのだが
まだまだ過保護である。
「あら、今日は私と寝るのよね?橙ちゃん」
そこに主である八雲紫が待ったをかける。
「(紫さまがあんな事言うなんて何かあるのかな?)うん、ごめんね藍さま。」
「そう、か・・・おやすみなさい」
「おやすみなさーい」
「はい、おやすみ。」
力なく部屋を後にする。
「じゃあ、お布団にいきましょうか」
「はい」

「ふふ~橙は暖かいから寒い日はいいわね~♪」
布団に入るなりそう言いながら抱きしめる。
「(くるしい・・)紫さま、何で誘ってくれたんですか?」
「んー、寒いから。」
「それなら、藍さまには「借りてくわね」っていつも言うじゃないですか」
「(むむ・・・藍を困らせたいだけなんて言ったら一緒に寝てくれなくなりそうね・・・)あ、そうだった。」
「昔話をしてあげるわ。」
「昔話?」
「そうよ。
とっても昔。
まだ、ヒトが火を手にする前。
最初のヒト、夜摩が現れた頃だったかな?
一人の妖怪が現れたの。
彼女程長く存在したモノは無かったから、彼女が最初にヒトの姿を真似て現れたの。
それから暫くたって、もう2人現れたわ。
その一人が私。」
「最初の人ともう1人は?」
「最初は夜でもう1人は昼よ。
その頃は3人とも名前なんて無かったから夜昼境界なんて呼びあってたわ。
夜は金髪のロングに紅い瞳。昼は銀髪のショートに蒼い瞳。
3人ともとっても仲が良かったのよ」
「夜と昼は分かるけど、何で紫さまも現れたの?」
「昼と夜があるならば、その境目もあるでしょ?
だから、昼と私は同い年なのよ。」
「ふ~ん」
「それから、季節や自然の妖怪が現れていたわ。
私達3人は彼らに崇められたわ。
山の上に城も造って貰って。
あの頃は力も今ほど無かったから、一緒に住まわせてもらってたの。
結構快適だったわ~。
あ、その頃名前も自分達で着けたわ。
でもね、一つ困った事があったの。」
「どんな事?」
「妖怪たちは困らないんだけど、大地と人間が困ってたの。
当時、最も強かったのが夜なの
そのせいで、日光の当たる昼間の時間は、夜が眠っている間しかなかったの。
これでは、夜を恐怖する人間や、日光で育つ草花は困るでしょ?」
「うん」
「さらに、草を食べる動物も困るわね。
草が生えなければ大地も枯れる。
この事に夜も気を使って、力を抑えて生活し、早く、長く寝るようにしてたの。
それでも、昼間は曇りの日みたいに薄暗かったわ。
人間達は昼に願ったわ。もっと明るくして下さいてね。」
「それでどうしたの?」
「私と昼は夜にプレゼントをしたの。」
「プレゼント?」
「そう、赤いリボンを。
このリボンには昼と私、二人の力が込められていたの。
そして、彼女は疑いも無くそれを身につけたわ。」
「どうなったの?」
「彼女の力は封印されたわ。
そして、そのショックで眠ってしまったの。
それが、今から四千年程前かな?
その後、夜を騙した形になった私達は罪悪感で一杯になったの。
昼は夜の封印が解けるまで眠る事に決めたし、
私は封印の解けた時に、いち早く理由を説明し、謝罪する為に隠棲したわ。」
「そうなんだぁ」
「あ、藍が悪さしだしたのは封印から九百年後位からで、私の元に来たのは・・・封印後、約二千四百年位後だったかな?」
「それから、二百年前に夜が目を覚まして、その少し前に幽々子とも知り合ったわね。」
「2人ともこっちにきてるの?」
「百年程度前から人間世界と幻想郷が別れ出したのは知ってる?
その時に私と夜は幻想郷へ来たけど、昼は人間世界に残ったらしいわ
ちなみに、現在では唯一、博麗神社がその境界になってるわ。」
「2人の名前はなんていうんですか?」
「昼はアマテラス、夜はルーミアよ。」
「(ルーミア?どこかで聞いたような?)・・・・あの」
「なにかしら?」
「紫さま、1人で寂しくない?」
「・・・寂しいわ、でも、藍も橙も傍にいるから大丈夫よ」
そういって橙を抱きしめる。
「(くるしー)ゆ、紫さま、最後に聞いて良いですか?」
主を気遣ってくれた優しい従者に笑顔で答える。
「なにかしら?」
「歳は幾つなんですか?」
笑顔を崩さずに
「・・・・・・あぁ橙ちゃん、私忘れてた事があったわ。」
そう言うと橙の首根っこを掴んで立ち上がる。
「な、何んですか?」
笑顔を崩さずに
顔を向けて
「お・風・呂♪」
橙の血の気が引いてゆく。
「は、入りましたよ?」
笑顔を崩さずに
「私と入ってないじゃない♪」
「遠慮したいんですが・・・」
満面の笑みで
「駄ぁ目♪」
「やだーーーーーーーーーーーーーーー」
逃げようと暴れ出す
「うるさいわよ、橙
藍が起きるじゃない」
「うわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」



ちなみに、その頃の藍は
枕で声を押し殺して号泣してたりしなかったり
以前書いたルーミア話と藍話の続き?です。

ルーミアを封印した理由です。
えーと、ゆかりん何歳だろ
・・・・数えるとスキマ逝きな気がするので止めときましょう。

自分のHPにて、過去の作品を修正したものをUPしております。
読んだ方も、読んでない方も、暇があれば是非お越しください。
感想あれば嬉しいです。
EXAM
http://homepage3.nifty.com/exam-library/
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コメント



0.1170簡易評価
14.無評価いち読者削除
ゆかりんとルーミアとはまた珍しい。
ゆかりんが直々に封印をするとは、EXAMさんの書くルーミアはどこまで強くなっていくんだろ。

>「歳は幾つなんですか?」
こんな問いを発してスキマ送りにされずに済むのは橙くらいだろうなあ。無邪気さゆえの暴言(笑)。

あと、1か所ミスが。
>それが、今か4ら千年程前かな?
15.無評価EXAM削除
感想+ミスの指摘ありがとうございます。
今回の話で過去を書いたのでこれ以上は強くならないと思います(多分)
>こんな問いを発してスキマ送りにされずに済む
そうか、スキマ送りがあったんだ。
水嫌いって事でお風呂にしたけど、スキマもありですね