七月。
この季節は、毎年恒例の、あの行事があるものだが。
魔理沙「よう。」
霊夢「あ~?」
博麗神社には、ほぼ例によって、魔理沙が遊びに来ていた。
霊夢「今日は何?」
魔理沙「おいおい。今日が何の日か、忘れたとは言わせないぜ。」
霊夢「・・・・・・?」
魔理沙「ほれ、織姫と彦星がどうこうって話。」
霊夢「・・・・・あ~、あの日ね。そんなの、すっかり忘れてたわ。」
魔理沙「そういうことだ。そんなわけで、ちょっと上がらせてもらうぜ。」
そう言うなり魔理沙は、家の中に上がりこんだ。
いつもながら勝手な奴だと、自分のことを棚に上げて霊夢は思う。
魔理沙「よっこいしょ。は~、やれやれだぜ。」
霊夢「で、どういうわけで、ここまで上がりこんだのよ?」
魔理沙「無論、あの日だからだ。ここに居れば、間違いないだろ?」
住居の一角の炊事場。
調理器具があり、食料庫があり、食器棚がある。
魔理沙がこんなところに居ると、どうにも台所に出現しやすい黒いアレを思い出すなあと、霊夢は思う。
霊夢「何が間違いないのかは知らないけど。」
魔理沙「何と、知らないと言うか。頭が春から梅雨になって、カビでも湧いたか?」
霊夢「失礼ね!」
魔理沙「ところで、何も起きないじゃないか。どういうことだ?」
霊夢「どうもこうも、ここで何かが起こる日じゃないでしょ?」
魔理沙「あ~?それじゃ、あそこか?」
そう言うと魔理沙は、立ち上がって別の場所に移動する。
何か、からかわれているんじゃないかと、霊夢は思う。
魔理沙「ここなら大丈夫だろ。」
霊夢「何が?」
魔理沙「だから、あの日だろ?神棚の前に鎮座してれば、間違いないんじゃないかと思うぜ。」
霊夢「そも、あんたの思ってること自体が間違いじゃないかと思うんだけど。」
魔理沙「間違いかどうかは、私が決める。部外者は黙ってな。」
霊夢「ここは私の家なんだけどね。」
神棚の前に座り込む魔理沙。
やっぱ、からかわれてるのかなあと、霊夢は思う。
霊夢「まぁいいけど。」
魔理沙「ああ、お茶は別にいいぜ。」
お茶を所望していることは明白である。
霊夢はとりあえず、お茶を一杯淹れて魔理沙のところに置いておくことにする。
霊夢「さて、準備した方がいいのかしらね。」
こういう騒ぎに敏感な連中が、こぞって神社にやってくる恐れがある。
準備してないのかと騒がれるよりはと思い、霊夢は色々と用意する。
数刻後。
霊夢「さ~さ~の~は~さ~らさら~・・・と。」
笹を準備し、神社の庭先に置く。
短冊に願い事を書き、他の連中より一足先に飾っておくことにする。
別に早い者勝ちというわけでは無いのだが。
霊夢「これでよし。」
準備を終えた霊夢は、ふと魔理沙の方を見る。
一足先に来たくせに手伝う様子も無く、ただボ~っとしてるだけである。
魔理沙「ぼ~・・・。」
霊夢「何惚けてるのよ。手伝いもしないで。」
魔理沙「・・・あ~?私は正常だし、夕食の準備を手伝う義理も無い。」
霊夢「夕食じゃなくて、七夕。騒がしいのが多数、来る恐れがあるから、準備してたのよ。」
魔理沙「何だと?そりゃ困る。餅が食えんじゃないか。」
霊夢「餅?」
魔理沙「何だ?まだ理解できてなかったのか?」
霊夢「ああ?」
魔理沙「仕方の無い。一から説明してやる。」
魔理沙は語り始めた。
魔理沙「いいか。『棚から牡丹餅』、という言葉があるよな。」
霊夢「待って。よくわかった。」
魔理沙「最後まで聞け。むかーしある所に、織姫と彦星がだな・・・・。」
霊夢「もういい。やめて。」
魔理沙「働きもせず、楽~な生活をしようと思って・・・・・。」
霊夢「『たなばた』じゃなくて、『たなぼた』でしょ!!」
『棚から牡丹餅』。
『たなからぼたもち』。
略して『たなぼた』である。
魔理沙「あ~もう!人の話を聞け!」
霊夢「聞かなくてもわかるわよ!!そんな迷信、どっから仕入れたのよ!?」
魔理沙「いろいろだ。本とか本とか本とか。」
霊夢「絶対だまされてるわよ、それ・・・・。」
霊夢はもう、あきれるしかなかった。
霊夢「とにかくそんな行事、この世界何処を探しても存在しないわよ。」
魔理沙「ああ何てことだ。軽く一日無駄にしてしまったわけか。」
魔理沙は空を仰ぎ、嘆息する。
真剣なのかわざとなのか、魔理沙の真意がさっぱりわからないなあと、霊夢は思う。
霊夢「そういうことよ。ま、七夕の準備しておいたから、短冊に何か書いておきなさい。」
魔理沙「?あ~、何言ってるんだ?」
霊夢「何よ?」
魔理沙「七夕は、来週だろ?」
霊夢「・・・・・・・・・はい?」
魔理沙「だから、七夕は来週だろう。」
霊夢「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
魔理沙「ひょっとして、準備とか何とか、わけのわからんことを言ってたのは、七夕のことだったのか?」
霊夢「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
魔理沙の発言に、霊夢は沈黙した。
魔理沙「気の早い奴だな。一日前ならともかく、一週間も前に準備するなんて。」
霊夢「・・・・・・・・。」
魔理沙「ああ、ひょっとして短冊に書く願い事は、先に飾った奴のが優先的に叶うって思ってるか?」
霊夢「・・・・・・・・・・・・。」
魔理沙「馬鹿だな~。そんなこと、あるわけないだろ。」
霊夢「・・・・・・・・・・・・・・・。」
魔理沙「大体、ロクに神を信じてないくせに、そんなんばっか信じようなんておこがましいと・・・・。」
霊夢「魔理沙ぁぁ~~~~~!!!!!!」
そしてブチ切れた。
どか~ん!
魔理沙「うわ!?何するんだ!?」
霊夢「そんな下らないことのために、私を振り回すな~!!」
魔理沙「おいおい、勝手に勘違いしたのは、そっちだぜ?」
霊夢「うるさ~い!!」
七夕の、一週間前の出来事。
神社では、『たなばた』祭りでもなく『たなぼた』でもなく、『弾幕(たままく)』祭りが開催されたとか。
この季節は、毎年恒例の、あの行事があるものだが。
魔理沙「よう。」
霊夢「あ~?」
博麗神社には、ほぼ例によって、魔理沙が遊びに来ていた。
霊夢「今日は何?」
魔理沙「おいおい。今日が何の日か、忘れたとは言わせないぜ。」
霊夢「・・・・・・?」
魔理沙「ほれ、織姫と彦星がどうこうって話。」
霊夢「・・・・・あ~、あの日ね。そんなの、すっかり忘れてたわ。」
魔理沙「そういうことだ。そんなわけで、ちょっと上がらせてもらうぜ。」
そう言うなり魔理沙は、家の中に上がりこんだ。
いつもながら勝手な奴だと、自分のことを棚に上げて霊夢は思う。
魔理沙「よっこいしょ。は~、やれやれだぜ。」
霊夢「で、どういうわけで、ここまで上がりこんだのよ?」
魔理沙「無論、あの日だからだ。ここに居れば、間違いないだろ?」
住居の一角の炊事場。
調理器具があり、食料庫があり、食器棚がある。
魔理沙がこんなところに居ると、どうにも台所に出現しやすい黒いアレを思い出すなあと、霊夢は思う。
霊夢「何が間違いないのかは知らないけど。」
魔理沙「何と、知らないと言うか。頭が春から梅雨になって、カビでも湧いたか?」
霊夢「失礼ね!」
魔理沙「ところで、何も起きないじゃないか。どういうことだ?」
霊夢「どうもこうも、ここで何かが起こる日じゃないでしょ?」
魔理沙「あ~?それじゃ、あそこか?」
そう言うと魔理沙は、立ち上がって別の場所に移動する。
何か、からかわれているんじゃないかと、霊夢は思う。
魔理沙「ここなら大丈夫だろ。」
霊夢「何が?」
魔理沙「だから、あの日だろ?神棚の前に鎮座してれば、間違いないんじゃないかと思うぜ。」
霊夢「そも、あんたの思ってること自体が間違いじゃないかと思うんだけど。」
魔理沙「間違いかどうかは、私が決める。部外者は黙ってな。」
霊夢「ここは私の家なんだけどね。」
神棚の前に座り込む魔理沙。
やっぱ、からかわれてるのかなあと、霊夢は思う。
霊夢「まぁいいけど。」
魔理沙「ああ、お茶は別にいいぜ。」
お茶を所望していることは明白である。
霊夢はとりあえず、お茶を一杯淹れて魔理沙のところに置いておくことにする。
霊夢「さて、準備した方がいいのかしらね。」
こういう騒ぎに敏感な連中が、こぞって神社にやってくる恐れがある。
準備してないのかと騒がれるよりはと思い、霊夢は色々と用意する。
数刻後。
霊夢「さ~さ~の~は~さ~らさら~・・・と。」
笹を準備し、神社の庭先に置く。
短冊に願い事を書き、他の連中より一足先に飾っておくことにする。
別に早い者勝ちというわけでは無いのだが。
霊夢「これでよし。」
準備を終えた霊夢は、ふと魔理沙の方を見る。
一足先に来たくせに手伝う様子も無く、ただボ~っとしてるだけである。
魔理沙「ぼ~・・・。」
霊夢「何惚けてるのよ。手伝いもしないで。」
魔理沙「・・・あ~?私は正常だし、夕食の準備を手伝う義理も無い。」
霊夢「夕食じゃなくて、七夕。騒がしいのが多数、来る恐れがあるから、準備してたのよ。」
魔理沙「何だと?そりゃ困る。餅が食えんじゃないか。」
霊夢「餅?」
魔理沙「何だ?まだ理解できてなかったのか?」
霊夢「ああ?」
魔理沙「仕方の無い。一から説明してやる。」
魔理沙は語り始めた。
魔理沙「いいか。『棚から牡丹餅』、という言葉があるよな。」
霊夢「待って。よくわかった。」
魔理沙「最後まで聞け。むかーしある所に、織姫と彦星がだな・・・・。」
霊夢「もういい。やめて。」
魔理沙「働きもせず、楽~な生活をしようと思って・・・・・。」
霊夢「『たなばた』じゃなくて、『たなぼた』でしょ!!」
『棚から牡丹餅』。
『たなからぼたもち』。
略して『たなぼた』である。
魔理沙「あ~もう!人の話を聞け!」
霊夢「聞かなくてもわかるわよ!!そんな迷信、どっから仕入れたのよ!?」
魔理沙「いろいろだ。本とか本とか本とか。」
霊夢「絶対だまされてるわよ、それ・・・・。」
霊夢はもう、あきれるしかなかった。
霊夢「とにかくそんな行事、この世界何処を探しても存在しないわよ。」
魔理沙「ああ何てことだ。軽く一日無駄にしてしまったわけか。」
魔理沙は空を仰ぎ、嘆息する。
真剣なのかわざとなのか、魔理沙の真意がさっぱりわからないなあと、霊夢は思う。
霊夢「そういうことよ。ま、七夕の準備しておいたから、短冊に何か書いておきなさい。」
魔理沙「?あ~、何言ってるんだ?」
霊夢「何よ?」
魔理沙「七夕は、来週だろ?」
霊夢「・・・・・・・・・はい?」
魔理沙「だから、七夕は来週だろう。」
霊夢「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
魔理沙「ひょっとして、準備とか何とか、わけのわからんことを言ってたのは、七夕のことだったのか?」
霊夢「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
魔理沙の発言に、霊夢は沈黙した。
魔理沙「気の早い奴だな。一日前ならともかく、一週間も前に準備するなんて。」
霊夢「・・・・・・・・。」
魔理沙「ああ、ひょっとして短冊に書く願い事は、先に飾った奴のが優先的に叶うって思ってるか?」
霊夢「・・・・・・・・・・・・。」
魔理沙「馬鹿だな~。そんなこと、あるわけないだろ。」
霊夢「・・・・・・・・・・・・・・・。」
魔理沙「大体、ロクに神を信じてないくせに、そんなんばっか信じようなんておこがましいと・・・・。」
霊夢「魔理沙ぁぁ~~~~~!!!!!!」
そしてブチ切れた。
どか~ん!
魔理沙「うわ!?何するんだ!?」
霊夢「そんな下らないことのために、私を振り回すな~!!」
魔理沙「おいおい、勝手に勘違いしたのは、そっちだぜ?」
霊夢「うるさ~い!!」
七夕の、一週間前の出来事。
神社では、『たなばた』祭りでもなく『たなぼた』でもなく、『弾幕(たままく)』祭りが開催されたとか。
日本語弱い私を許してください orz
んで、季節柄七夕かなぁとか思ってたら・・・、最終的には「たままく」かよ!
ってな気分です。駄文失礼。
文中ではお互いにまるで連携が取れていないような・・・・汗