紫「さぁ、着いたわよ」
藍「ああ~、温泉というものに一度来てみたかったんだ♪」
橙「はやく行こうよ~」
紫「そんなに焦らなくても、お湯は逃げないわよ」
藍「しかし、あの白黒が私たちを招待してくれるなんて・・・」
藍「どういう風の吹き回しでしょうかね?」
紫「幽々子さんからお歳暮で「選べるギフト」なる物をもらったのよ」
紫「その中に「無料入湯券10GIL分」ってのがあったから」
紫「藍も前から行きたいって言ってたから、これにしよう と」
藍「紫様・・・私はうれしゅうございます」
藍「ところで、それなら別に白黒の所じゃなくてもいいんじゃないですか?」
紫「・・・他にどこに温泉があるのよ?」
藍「あ・・・・・・」
紫「実質、「霧雨邸招待券」ね」
橙「橙は、「猫まっしぐら一年分」にしようって言ったんだよ」
藍「はは・・・でも、10GIL分もあったら一生使ってもなくなりませんからいいじゃないですか」
―――――入湯料金・一人(匹・個) 1GIL(踏み倒しはマスタースパークだぜ♪by魔理沙)―――――
藍「暴利だ・・・」
紫「あいつらしいわね」
橙「わ~、お風呂がいっぱいある~♪」
紫「ふふ、藍、橙。好きな所に行ってきていいわよ」
藍「なんか想像してたのと違うが・・・健康ランドか、ここは?」
藍「滑り台まである・・・」
橙「藍様、はやく~」
藍「わわっ、じゃあ紫様、橙の面倒は見ますのでゆっくりなさってください」
紫「ありがたくそうさせてもらうわ。橙、あまり藍に迷惑かけちゃだめよ」
橙「は~い、わかってま~す」
藍「うううぅぅぅぇぇぇ~~~い」
橙「藍様、オヤジくさいよ・・・」
藍「いや~、風呂の中で手足が伸ばせるってすばらしい!」
藍「うちの五右衛門風呂じゃ、こうはいかないな」
橙「ねぇ、藍様。滑り台やってきていい?」
藍「ああ、ここにいるからやってきなさい」
橙「・・・・・・藍様」
藍「(ん、一緒に来てほしいのか?)」
橙「他の人に迷惑かけないようにね」
藍「それはこっちのセリフだ!」
橙「きゃっほ~~~~♪」
橙「ん~、そろそろ飽きてきたかな」
橙「藍様~、どこですか~?」
紫「あなたが私に勝とうなんて百年早いわよ」
紫「暑さと寒さの境界をいじればサウナごとき屁でもないわ」
藍「(きゅうぅぅ~~~~)」
橙「あはは~、藍様まっかっか~」
藍「やばい、目が霞んできた」
藍「ちぇん、どこかすずしい所まで連れて行ってくれ~」
橙「はいはい、了解♪」
紫「藍、今晩のおかず忘れないでね」
藍「ん、ここは・・・」
橙「あ、藍様気がついた?」
藍「ああ、橙。そうか紫様と今晩のおかずを賭けて我慢比べやっていて・・・」
橙「藍様、まっかになって倒れてたから涼しい所まで連れてきました」
藍「そうか、迷惑かけたな・・・って、え!?」
橙「お外ならとっても涼しいよ♪」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
藍「ぬ~~~~~~」
橙「ふにゃ~~~~」
藍「おい、橙。コタツで丸くなるのは迷信じゃなかったのか?」
橙「私は猫じゃないよ・・・式だよ~~」
藍「ったく、調子のいい奴だな」
藍「ところで、橙。ミカン食べたくないか?」
橙「あっ、たべるたべる~♪」
藍「じゃあ、勝手場に置いてあるから取ってきてくれ」
橙「やだよ~、藍様が行ってきてよ」
藍「私だって寒いのは嫌だ。親の言うことは素直に聞け」
橙「親ならもっと子に優しくしろ」
藍「こいつ・・・いっちょまえな口を聞きおって」
藍「ようし、どっちが取りにいくかジャンケンだ」
橙「どうせなら切り札にしようよ。楽しみながら決められるし」
紫「・・・・・・・・・・」
藍「なに?お主はジャンケンが楽しくないと申すか?」
橙「さっ、はやくババ抜きやろ」
藍「(聞けよ・・・・・)」
藍「私としては、七並べも捨て難いが・・・」
藍「で、札は誰が取ってくるんだ?」
橙「あ・・・藍様、お願い♪」
藍「自分で行ってきなさい。橙がやりたいって言い出したんだろ?」
橙「う~~~、じゃあどっちが切り札を取りにいくかジャンケンだ~」
藍「あ~もう、それなら初めからジャンケンで決めればいいだろ」
橙「あ、そっか。じゃあ、ジャ~ンケ~~ン」
藍「くそ、言いだしっぺが負けるという法則を唱えた奴をスキマ送りにしてやりたい・・・」
藍「ほれ、藍様が寒い中寒い思いをして冷えきったミカンを手を悴ませながら持ってきてやったぞ」
橙「藍様・・・嫌味連発だね・・・」
紫「じゃあ、遠慮なくいただこうかしら♪」
紫「ちょうど三個あるみたいだし」
藍「うわっ、紫様。いつの間に起きておられたんですか?」
橙「紫様、ずる~い。ジャンケンやってなかったですよ!」
紫「いただきま~す♪」
紫「ああ、甘くておいしいわ」
橙「ちぇ~、藍様が負けててよかった」
藍「おい・・・ま、気にせずたべるか」
橙「あま~い♪」
紫「本当、あのけちな巫女にしては上物をくれたわね」
藍「スッパ・・・・なんで私だけ(泣)」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
藍「今日のおかずは何かな~~、と♪」
藍「紫様、今日のおかずは・・・!!」
紫「あら、藍。ちょうどいいところに来たわね。実はこれを幽々子さんから」
藍「かかっかかかカニ!」
紫「しっ、橙に聞こえるでしょ!」
藍「あ・・・」
橙「藍様、今カニって」
藍「言ってない。今日のおかずがカニだなんて一言も言ってない」
紫「・・・・・・あちゃ~」
紫「じゃあ、頂きましょうか」
橙「いっただっきま~す♪」
藍「くぅ、私としたことが・・・自ら分け前を減らすような行為をしてしまった」
橙「藍様、他人を思いやれない人は嫌われるよ?」
藍「ぐ・・・そのとおりでごぜえます、だ」
紫「ふふ、やっぱりみんなで食べた方がおいしいわよ」
藍「紫様も橙には内緒にしようとしてたじゃないですか?」
紫「藍、あなたのカニがスキマに行きたがってるようだけど?」
藍「すいません、失言でした」
藍「ようし、何十年ぶりかのご馳走だ。心して食べるぞ、橙!」
橙「がってん承知!」
紫「・・・・・・・・・」
藍「・・・・・・・・・」
橙「・・・・・・・・・」
橙「ねえ、藍様?」
藍「ん、なんだ橙?」
橙「なんでいつもはお話しながら食べるのに、今日は静かなの?」
藍「え~と、それはだな・・・つまり・・・その・・・なんだ」
藍「カニという物が高級な食材であることもその理由だな」
藍「加えて、カニという物は硬い甲羅で覆われている。これが何故だか分かるか?」
橙「わかんな~い、おしえて~」
紫「(美味しいわね、これ・・・ぱくぱく)」
藍「私たちはカニの身を残さずきれいに食べたいと思っている」
藍「対してカニは、食べられまいと硬い甲羅で必死に身を守っている」
藍「言わばカニを食べるということは、一種の戦いなんだ」
藍「真剣勝負の最中に楽しくおしゃべりなどしていられないだろう?」
橙「う~ん、分かったような分からないような」
紫「(藍、戦いの最中によそ見してると獲物を逃すわよ・・・もぐもぐ)」
橙「わぁ、ねぇ藍様、紫様、みてみて♪」
橙「こんなにきれいに取れたよ」
紫「あら、さすがね。カニさんも橙に食べて貰いたがってるのよ♪」
藍「橙、やるな・・・。ようし私も」
橙「へへへ~♪」
―――――バキ――――
藍「げ・・・・・」
橙「あはは~、藍様へた~」
藍「何故・・・何故私ばっかり・・・」
紫「その中途半端に割れた蟹の足が、あなたの人生の縮図のようね・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
藍「あ~、たまの休みは二度寝に限るな♪」
橙「紫様~、あそぼ~」
紫「今朝ごはん作ってるから、藍に相手してもらってね」
橙「は~い・・・」
藍「(おいおい、そりゃないぜ ゆかり~ん)」
藍「少々惨めだが、押入れにでも隠れて寝るか」
橙「藍様、あそぼ~・・・あれ?」
藍「(橙、悪いがもうちょっと寝ていたいんだ)」
藍「(ししし、ここなら分かるまい)」
―――――ガラッ―――――
橙「あ、藍様みっけ♪」
藍「う・・・・・・」
橙「やっぱりここにいると思ったよ」
藍「(私の発想は、橙以下なのか・・・)」
橙「じゃあ、次は藍様のオニだよ。ちゃんと10数えてね」
藍「はぁ、しょうがないな。い~ち に~い ん?」
藍「・・・・・・しまった」
藍「こんなことだからいつまでも出世できないんだなぁ・・・」
藍「さ~ん し~い ご~ ・・・・・・」
藍「じゅ~う。と」
紫「藍、朝ごはんできたわよ」
藍「あ、すいません紫様。先に食べていてください」
紫「あら、何か探し物?」
藍「ええ、ちょっと・・・」
紫「そう、冷めちゃうからなるべく早くね」
藍「分かりました」
藍「くそぅ、ここにもいない・・・か」
紫「ら~ん、ご飯冷めるわよ~」
藍「はい、ただいま参ります。ここにもいないな」
橙「紫様、藍様何してるの?」
紫「さぁ、何か探し物みたいよ」
―――――十数分後―――――
藍「橙、ご飯食べてるなら先に言ってくれよ(泣」
橙「うぅ~~~~」
藍「う~~~~~、寒いな」
橙「そうだね」
紫「ふたりとも、晩御飯よ」
藍「おお、やっぱり寒い夜はソーメンに限りますね」
藍「って、何でソーメンなんですか!? 真夏じゃあるまいし」
紫「ふふふ・・・外と同じぐらいうちの貯えも寒いのよ」
藍「何故・・・私が毎日遅くまで一生懸命働いているのに」
藍「(ってか、あんたが働かないからだろ)」
橙「ねぇ、紫さま~」
紫「ん、何?」
橙「寒いから、この間紫様が買ってきたフットバスっていうの使っ」
紫「わーーーーーーっ」
藍「紫様、貯えが乏しいのではなかったのですか?」
紫「いや、そのね・・・ほらあれよ・・・・・・ごめん」
藍「はぁ、気をつけてくださいね。ただでさえ苦しいんですから」
橙「じゃあ、藍様の「身体が暖まる水」飲んでもい」
藍「あーーーっ、美味い。やっぱ冬はソーメ」
紫「藍、ちょっといいかしら♪」
藍「は・・・・い・・・」
橙「藍様、顔がみどり色だよ」
藍「あっ、やめてください。この寒さの中スッパで放り出されたら本気で死~~」
橙「(ずるるーーーっ)」
紫「さぁ、食事の続きにしましょうね 橙♪」
橙「藍様は?」
紫「お外で雪遊びしてくるって」
橙「ふぅん、ご飯食べないのかな」
藍「雪にも負けず、吹雪にも負けず・・・そんな式に、私はなりたい・・・・・・(ガクッ」
紫「どう、反省した?」
藍「はい、もうじばぜん」
紫「よろしい」
紫「さて、やっぱソーメンじゃ身体暖まらないから火鉢でも出すわよ」
藍「え~ど、どごでじだっげ?」
紫「確か押入れの奥に・・・」
藍「あの、もしかしてこの荷物の奥が押入れだったりしますか?」
紫「そうみたいね。大掃除は早めに終わらせるべきだったわ」
藍「出しているうちに夜が明けそうだな・・・」
橙「藍様、がんばって~♪」
藍「橙、お前も手伝いなさい!」
橙「ちぇ~」
紫「(ずずずーっ、お茶が美味しい)」
藍「紫様~っ、火鉢ありませんよ~」
紫「え~?そんなはずは・・・確かこのあたりに」
紫「無いわね」
藍「ありませんね」
橙「ね~ね~、もしかして火鉢ってこれ?」
藍「おお、それだ。でかしたぞ、橙」
藍「で、どこにあったんだ?」
橙「傘立てになってたよ」
藍「・・・・・・・・・私の苦労はいったい」
紫「さ、荷物戻すわよ」
橙「なんか身体がぽかぽか~♪」
藍「動いたから温まったんだな」
紫「暖まってるうちに寝ましょうか」
紫「おやすみなさい」
藍「おやすみなさ こら、橙。尻尾を触るな」
橙「へへ~、紫様と藍様といっしょ~♪」
紫&藍&橙「あったか~い♪」
藍「ああ~、温泉というものに一度来てみたかったんだ♪」
橙「はやく行こうよ~」
紫「そんなに焦らなくても、お湯は逃げないわよ」
藍「しかし、あの白黒が私たちを招待してくれるなんて・・・」
藍「どういう風の吹き回しでしょうかね?」
紫「幽々子さんからお歳暮で「選べるギフト」なる物をもらったのよ」
紫「その中に「無料入湯券10GIL分」ってのがあったから」
紫「藍も前から行きたいって言ってたから、これにしよう と」
藍「紫様・・・私はうれしゅうございます」
藍「ところで、それなら別に白黒の所じゃなくてもいいんじゃないですか?」
紫「・・・他にどこに温泉があるのよ?」
藍「あ・・・・・・」
紫「実質、「霧雨邸招待券」ね」
橙「橙は、「猫まっしぐら一年分」にしようって言ったんだよ」
藍「はは・・・でも、10GIL分もあったら一生使ってもなくなりませんからいいじゃないですか」
―――――入湯料金・一人(匹・個) 1GIL(踏み倒しはマスタースパークだぜ♪by魔理沙)―――――
藍「暴利だ・・・」
紫「あいつらしいわね」
橙「わ~、お風呂がいっぱいある~♪」
紫「ふふ、藍、橙。好きな所に行ってきていいわよ」
藍「なんか想像してたのと違うが・・・健康ランドか、ここは?」
藍「滑り台まである・・・」
橙「藍様、はやく~」
藍「わわっ、じゃあ紫様、橙の面倒は見ますのでゆっくりなさってください」
紫「ありがたくそうさせてもらうわ。橙、あまり藍に迷惑かけちゃだめよ」
橙「は~い、わかってま~す」
藍「うううぅぅぅぇぇぇ~~~い」
橙「藍様、オヤジくさいよ・・・」
藍「いや~、風呂の中で手足が伸ばせるってすばらしい!」
藍「うちの五右衛門風呂じゃ、こうはいかないな」
橙「ねぇ、藍様。滑り台やってきていい?」
藍「ああ、ここにいるからやってきなさい」
橙「・・・・・・藍様」
藍「(ん、一緒に来てほしいのか?)」
橙「他の人に迷惑かけないようにね」
藍「それはこっちのセリフだ!」
橙「きゃっほ~~~~♪」
橙「ん~、そろそろ飽きてきたかな」
橙「藍様~、どこですか~?」
紫「あなたが私に勝とうなんて百年早いわよ」
紫「暑さと寒さの境界をいじればサウナごとき屁でもないわ」
藍「(きゅうぅぅ~~~~)」
橙「あはは~、藍様まっかっか~」
藍「やばい、目が霞んできた」
藍「ちぇん、どこかすずしい所まで連れて行ってくれ~」
橙「はいはい、了解♪」
紫「藍、今晩のおかず忘れないでね」
藍「ん、ここは・・・」
橙「あ、藍様気がついた?」
藍「ああ、橙。そうか紫様と今晩のおかずを賭けて我慢比べやっていて・・・」
橙「藍様、まっかになって倒れてたから涼しい所まで連れてきました」
藍「そうか、迷惑かけたな・・・って、え!?」
橙「お外ならとっても涼しいよ♪」
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藍「ぬ~~~~~~」
橙「ふにゃ~~~~」
藍「おい、橙。コタツで丸くなるのは迷信じゃなかったのか?」
橙「私は猫じゃないよ・・・式だよ~~」
藍「ったく、調子のいい奴だな」
藍「ところで、橙。ミカン食べたくないか?」
橙「あっ、たべるたべる~♪」
藍「じゃあ、勝手場に置いてあるから取ってきてくれ」
橙「やだよ~、藍様が行ってきてよ」
藍「私だって寒いのは嫌だ。親の言うことは素直に聞け」
橙「親ならもっと子に優しくしろ」
藍「こいつ・・・いっちょまえな口を聞きおって」
藍「ようし、どっちが取りにいくかジャンケンだ」
橙「どうせなら切り札にしようよ。楽しみながら決められるし」
紫「・・・・・・・・・・」
藍「なに?お主はジャンケンが楽しくないと申すか?」
橙「さっ、はやくババ抜きやろ」
藍「(聞けよ・・・・・)」
藍「私としては、七並べも捨て難いが・・・」
藍「で、札は誰が取ってくるんだ?」
橙「あ・・・藍様、お願い♪」
藍「自分で行ってきなさい。橙がやりたいって言い出したんだろ?」
橙「う~~~、じゃあどっちが切り札を取りにいくかジャンケンだ~」
藍「あ~もう、それなら初めからジャンケンで決めればいいだろ」
橙「あ、そっか。じゃあ、ジャ~ンケ~~ン」
藍「くそ、言いだしっぺが負けるという法則を唱えた奴をスキマ送りにしてやりたい・・・」
藍「ほれ、藍様が寒い中寒い思いをして冷えきったミカンを手を悴ませながら持ってきてやったぞ」
橙「藍様・・・嫌味連発だね・・・」
紫「じゃあ、遠慮なくいただこうかしら♪」
紫「ちょうど三個あるみたいだし」
藍「うわっ、紫様。いつの間に起きておられたんですか?」
橙「紫様、ずる~い。ジャンケンやってなかったですよ!」
紫「いただきま~す♪」
紫「ああ、甘くておいしいわ」
橙「ちぇ~、藍様が負けててよかった」
藍「おい・・・ま、気にせずたべるか」
橙「あま~い♪」
紫「本当、あのけちな巫女にしては上物をくれたわね」
藍「スッパ・・・・なんで私だけ(泣)」
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藍「今日のおかずは何かな~~、と♪」
藍「紫様、今日のおかずは・・・!!」
紫「あら、藍。ちょうどいいところに来たわね。実はこれを幽々子さんから」
藍「かかっかかかカニ!」
紫「しっ、橙に聞こえるでしょ!」
藍「あ・・・」
橙「藍様、今カニって」
藍「言ってない。今日のおかずがカニだなんて一言も言ってない」
紫「・・・・・・あちゃ~」
紫「じゃあ、頂きましょうか」
橙「いっただっきま~す♪」
藍「くぅ、私としたことが・・・自ら分け前を減らすような行為をしてしまった」
橙「藍様、他人を思いやれない人は嫌われるよ?」
藍「ぐ・・・そのとおりでごぜえます、だ」
紫「ふふ、やっぱりみんなで食べた方がおいしいわよ」
藍「紫様も橙には内緒にしようとしてたじゃないですか?」
紫「藍、あなたのカニがスキマに行きたがってるようだけど?」
藍「すいません、失言でした」
藍「ようし、何十年ぶりかのご馳走だ。心して食べるぞ、橙!」
橙「がってん承知!」
紫「・・・・・・・・・」
藍「・・・・・・・・・」
橙「・・・・・・・・・」
橙「ねえ、藍様?」
藍「ん、なんだ橙?」
橙「なんでいつもはお話しながら食べるのに、今日は静かなの?」
藍「え~と、それはだな・・・つまり・・・その・・・なんだ」
藍「カニという物が高級な食材であることもその理由だな」
藍「加えて、カニという物は硬い甲羅で覆われている。これが何故だか分かるか?」
橙「わかんな~い、おしえて~」
紫「(美味しいわね、これ・・・ぱくぱく)」
藍「私たちはカニの身を残さずきれいに食べたいと思っている」
藍「対してカニは、食べられまいと硬い甲羅で必死に身を守っている」
藍「言わばカニを食べるということは、一種の戦いなんだ」
藍「真剣勝負の最中に楽しくおしゃべりなどしていられないだろう?」
橙「う~ん、分かったような分からないような」
紫「(藍、戦いの最中によそ見してると獲物を逃すわよ・・・もぐもぐ)」
橙「わぁ、ねぇ藍様、紫様、みてみて♪」
橙「こんなにきれいに取れたよ」
紫「あら、さすがね。カニさんも橙に食べて貰いたがってるのよ♪」
藍「橙、やるな・・・。ようし私も」
橙「へへへ~♪」
―――――バキ――――
藍「げ・・・・・」
橙「あはは~、藍様へた~」
藍「何故・・・何故私ばっかり・・・」
紫「その中途半端に割れた蟹の足が、あなたの人生の縮図のようね・・・」
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藍「あ~、たまの休みは二度寝に限るな♪」
橙「紫様~、あそぼ~」
紫「今朝ごはん作ってるから、藍に相手してもらってね」
橙「は~い・・・」
藍「(おいおい、そりゃないぜ ゆかり~ん)」
藍「少々惨めだが、押入れにでも隠れて寝るか」
橙「藍様、あそぼ~・・・あれ?」
藍「(橙、悪いがもうちょっと寝ていたいんだ)」
藍「(ししし、ここなら分かるまい)」
―――――ガラッ―――――
橙「あ、藍様みっけ♪」
藍「う・・・・・・」
橙「やっぱりここにいると思ったよ」
藍「(私の発想は、橙以下なのか・・・)」
橙「じゃあ、次は藍様のオニだよ。ちゃんと10数えてね」
藍「はぁ、しょうがないな。い~ち に~い ん?」
藍「・・・・・・しまった」
藍「こんなことだからいつまでも出世できないんだなぁ・・・」
藍「さ~ん し~い ご~ ・・・・・・」
藍「じゅ~う。と」
紫「藍、朝ごはんできたわよ」
藍「あ、すいません紫様。先に食べていてください」
紫「あら、何か探し物?」
藍「ええ、ちょっと・・・」
紫「そう、冷めちゃうからなるべく早くね」
藍「分かりました」
藍「くそぅ、ここにもいない・・・か」
紫「ら~ん、ご飯冷めるわよ~」
藍「はい、ただいま参ります。ここにもいないな」
橙「紫様、藍様何してるの?」
紫「さぁ、何か探し物みたいよ」
―――――十数分後―――――
藍「橙、ご飯食べてるなら先に言ってくれよ(泣」
橙「うぅ~~~~」
藍「う~~~~~、寒いな」
橙「そうだね」
紫「ふたりとも、晩御飯よ」
藍「おお、やっぱり寒い夜はソーメンに限りますね」
藍「って、何でソーメンなんですか!? 真夏じゃあるまいし」
紫「ふふふ・・・外と同じぐらいうちの貯えも寒いのよ」
藍「何故・・・私が毎日遅くまで一生懸命働いているのに」
藍「(ってか、あんたが働かないからだろ)」
橙「ねぇ、紫さま~」
紫「ん、何?」
橙「寒いから、この間紫様が買ってきたフットバスっていうの使っ」
紫「わーーーーーーっ」
藍「紫様、貯えが乏しいのではなかったのですか?」
紫「いや、そのね・・・ほらあれよ・・・・・・ごめん」
藍「はぁ、気をつけてくださいね。ただでさえ苦しいんですから」
橙「じゃあ、藍様の「身体が暖まる水」飲んでもい」
藍「あーーーっ、美味い。やっぱ冬はソーメ」
紫「藍、ちょっといいかしら♪」
藍「は・・・・い・・・」
橙「藍様、顔がみどり色だよ」
藍「あっ、やめてください。この寒さの中スッパで放り出されたら本気で死~~」
橙「(ずるるーーーっ)」
紫「さぁ、食事の続きにしましょうね 橙♪」
橙「藍様は?」
紫「お外で雪遊びしてくるって」
橙「ふぅん、ご飯食べないのかな」
藍「雪にも負けず、吹雪にも負けず・・・そんな式に、私はなりたい・・・・・・(ガクッ」
紫「どう、反省した?」
藍「はい、もうじばぜん」
紫「よろしい」
紫「さて、やっぱソーメンじゃ身体暖まらないから火鉢でも出すわよ」
藍「え~ど、どごでじだっげ?」
紫「確か押入れの奥に・・・」
藍「あの、もしかしてこの荷物の奥が押入れだったりしますか?」
紫「そうみたいね。大掃除は早めに終わらせるべきだったわ」
藍「出しているうちに夜が明けそうだな・・・」
橙「藍様、がんばって~♪」
藍「橙、お前も手伝いなさい!」
橙「ちぇ~」
紫「(ずずずーっ、お茶が美味しい)」
藍「紫様~っ、火鉢ありませんよ~」
紫「え~?そんなはずは・・・確かこのあたりに」
紫「無いわね」
藍「ありませんね」
橙「ね~ね~、もしかして火鉢ってこれ?」
藍「おお、それだ。でかしたぞ、橙」
藍「で、どこにあったんだ?」
橙「傘立てになってたよ」
藍「・・・・・・・・・私の苦労はいったい」
紫「さ、荷物戻すわよ」
橙「なんか身体がぽかぽか~♪」
藍「動いたから温まったんだな」
紫「暖まってるうちに寝ましょうか」
紫「おやすみなさい」
藍「おやすみなさ こら、橙。尻尾を触るな」
橙「へへ~、紫様と藍様といっしょ~♪」
紫&藍&橙「あったか~い♪」
これが「日常」かと思うと藍が不憫でなりません(大嘘)。
そういう、ネタの部分は良かったと思います。ほのぼのしてましたし。
しかし、正直「読みづらい」という感想が、第一に来てしまいます。
情景描写が一切ないため、「誰が喋っているか」をいちいち発言者を見て把握しなければならず、読むのに変に手間がかかってしまいました。
特にこの作品の場合、会話をしているのが3人もいるため、余計に複雑になってしまっています。
そのあたりを分かりやすくする工夫が、何か欲しかったですね。