Coolier - 新生・東方創想話

その日、『魔理沙』が消えた~完結~

2008/02/23 16:10:36
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*あらすじ*

魔理沙つかまる
  ↓
アリス助けに来る
  ↓
超展開からハッピーエンド←いまここ







********************

「ぐぬぬ」

魔理沙は悩んでいた
いかに自分を縛り上げている縄を解き
この現状から抜け出すか考えていた

「(斬るにしても刃物は持ってないし…うーん)」

周囲を見渡すが使えそうなものはない
目立って見えるのは4人の人物のみ
なにか話しているようだが魔理沙にとっては迷惑な内容だろう

「(逃げないと絶対的にやばい…ここは八卦炉を何とか出して…)」

スカートのポケットに入っているミニ八卦炉を何とか出そうとモゾモゾする

「(もう少し…)」

あと少しで八卦炉が見えるというところで

「あ、そうだ」

胡散臭い笑い声で紫が魔理沙のほうを向く

「暴れられると困るから~」
「へ?」
「ちょっとお邪魔するわね」

そういうと紫はスキマを開き腕を突っ込む

「ひゃん?!」
「あら、ここじゃないのかしら」

紫がさらにスキマの中で探る

「ちょ、そこはちが…うひゃぁ!」
「あらあらら?」
「どこ触ってるんだ紫!ひぃい!」
「どこにあるのかしらー」
「ス、スカートの…!!?!?ポケッ…!??!いやぁ!」
「ああ、こっちね」

わざとらしい笑顔で腕をゴソゴソする紫

「はいコレ没収ね」

スキマから引き抜かれた紫の手の中にはミニ八卦炉とスペルカードが握られていた

「くっ…」
「さすがにぶっぱなされちゃ嫌ですからねぇ」

まさに悪人面といった感じの笑顔で紫が笑う

「くそぉ!返せー!」
「いやぁよぉ」
「ちくしょぉ…」

万策尽きた魔理沙

「ところで」

そこにアリスが口を挟む

「ん?どうかしたのか?」
「いえねちょっと」

アリスの頬が染まる

「どうしたの?」
「…魔理沙が悶える声って少女ぽくなかった?」
「…ああ、なるほど」
「たしかに」

言葉に納得したのか慧音と紫が魔理沙に振り向く
魔理沙は疲れきった顔で仰向けで天井を見ていた

「かわいらしい声だったわねぇ」
「でしょ?」
「ふむ…つまり今のままでも少女ぽいということか」
「お前ら変な基準で決めてないか?」

魔理沙が涙目で突っ込む

「ふむ…壱から鍛えなおすつもりでいたが考えすぎたようだな」
「そうね、今のままでもかわいらしいものね」

慧音と紫の会話を聞いて魔理沙の顔に光が灯る
これで開放されるという安心の表情



『魔理沙きゃる~ん☆大変身の巻き』完




「やっと分かってくれたか、なら縄を…」
「じゃあ服装とかだけでも変えてみましょうか」
「あ、それはいいな」
「賛成」
「ちょとまてぃおまえら」

危機が去ったかと思っていた矢先の路線変更

「今のままで十分だろ?!解いてくれー!!」
「中身がいいなら服装を変えればもっと良くなると思うぞ?」
「変えなくていい!私はこのままがいいんだー!!」
「人間諦めが肝心よ?」
「その台詞2回目だぞ紫いぃ!」
「そうだったかしらー?」

扇子で口元を隠しているがどう見ても笑いを必死にこらえている

「じゃあなんだ魔理沙は壱から鍛えなおしてもらいたいというわけか」
「いやなんでそうなるの?!」
「意外とまじめなのね」
「いや絶対いやです!変なコースとかやらなくていいから!」
「じゃあ服装だけにする?」
「ぐ…」
「どっちがいいの?」

紫が魔理沙に顔を近づけ質問する

「ううぅ…」
「さぁ~どっち?」
「…服装だけでいいです」
「了解~」

これ以上ひどい目にあわないための苦渋の決断だった
とにかく早くこいつ等を何とかしないと、と考えた結末であった

「くそぉ…」
「歴史いじられたり境界いじられたりするよりは幾分マシかと思うけど?」
「そりゃそうだが…屈辱だぜ」
「前向きにいこう魔理沙」
「ハクタク、お前本当に人間の味方か?!」
「では早速服装を変えてみよう」
「無視かよ!?」

縛られた状態で蓑虫みたいにウゴウゴする魔理沙

「人形遣いさんはやる気満々のようね」
「…アリス」
「なに?」

アリスの表情に曇りはなかった
むしろ子供のような笑顔でキラキラエフェクトがかかっている
その手にはいつの間にか洋服がいくつか握られていた

「…どこから出してきたんだそれ」
「企業秘密」
「ぬおぉぉおおお!!」

またもやウゴウゴと暴れる

「さてどれから着せようかしら…ぐへへへ」
「アリスさんキャラ違ってます」

アリスのあまりの禍々しいオーラに不安の表情を浮かべる魔理沙

「まぁまぁお待ちなさい人形遣いさん」
「ん?」
「見慣れた服で変えていくのがいいんじゃないかしら」
「ふむ、見慣れた服とは?」
「たとえば霊夢の巫女服や私の服、つまり見慣れている人物がよく着ている服を着せてみるのよ」
「なるほど」
「待て、それただの着せ替えじゃ…」
「あーあー聞こえないユカリンなーんにもきこえなーい」
「このスキマァアアアア!!」

ウゴウゴと暴れる魔理沙

「わかった!何でも着てやるからまず縄を解いてくれ!!」
「逃げたら分かってるわよね?」
「逃げないから解いてくれ!」
「はいはい」

そういうと紫は魔理沙を縛っている縄を解く

「窮屈だったぜ…」
「じゃあ早速」
「待て待て…心の準備が」
「誰の服がいいかしらね~」
「また無視かー!!」
「も、妹紅の服なんてどうだ?」
「竹林に帰れハクタク」
「手っ取り早く人形遣いさんの服にしてみましょう」
「え?私の服?」
「そそ」
「わ、わかったわ…じゃあ」

そういうとアリスは立ち上がりを脱ぎだす

「待て待てなんで脱ぐんだ?!」
「え?魔理沙が着るからじゃ?」
「そうじゃなくて!」
「いいぞもっとやれ」
「煽るなスキマァ!」
「まぁ冗談は置いといて、脱がなくていいわよ人形遣いさん」
「じゃあどうやって?」
「私がスキマであなたの家に繋ぐだけよ、あとは分かるわよね?」
「ああ、なるほど。もう靴下脱いじゃったじゃないの!」
「なに逆ギレしてるんだ…」
「も、妹紅の服は次で…」
「黙ってろハクタク」
「というわけでハイこれ」

紫はスキマからアリスと同じ服を取り出す

「スキマって便利ね」
「うふふ」
「さぁ魔理沙、着てみるんだ」
「まったく…わかったぜ」
「…」
「…」
「…」
「3人してじっくり見つめるなー!!!!」
「…板ね」
「…板だな」
「…板…」
「うるさぁぁいい!!」

いわれ放題な魔理沙

「さぁ着たぞ!」

どうだ!と魔理沙はもうヤケクソな表情で手を腰に当て胸を張る

「…」
「…」
「…」
「な、なんだよ黙り込んで」

着替えた魔理沙を見た3人だが表情はどうも納得がいかないような感じが漂う

「いったいどうしたんだよ?」
「いや、まぁそのね」
「予想以上に…なぁ」
「そうねぇ…」
「なんだよー?」
「並べば分かるかもね、人形遣いさん隣に立ってみて」
「わかったわ」
「?」

アリスは立ち上がり魔理沙の隣に立つ
すると紫はスキマから大きな鏡を出して魔理沙とアリスの前に置いた

「はい感想どうぞ」
「…」
「絶句?」
「いや…その…言葉に出来ないというか」

鏡に映る二人の姿
背丈は若干アリスが高い
髪の長さは魔理沙が長い
眼の色も違う

それ以外は全部同じ

「…特徴ないっていうか」
「あんまり変わり栄えしなかったわね」

魔理沙とアリスは互いを見つめる

「…へんな感じだなぁ」
「そうね…」
「…」
「魔理沙」
「ん?」
「お姉ちゃんって呼んでみて」
「断る」
「シクシク」

アリスの野望ここに終わる

「予想外だったな、ここまでとは」
「それは褒めているのか慧音先生よ」
「いやまぁ…はははは」
「このぉ…」
「となると他の服もダメかしらねぇ」
「そうね、特に似ている部分が多い人物なのはダメかもね」
「意外と難しいな着せ替え遊びって」
「今遊びっていった?!」
「奥が深いわね」
「遊びって言っただろ今!」
「あなどれないわ」
「おーい!!」





「…ん…」


そこに間が抜けた声が響いた

「あらお目覚め?霊夢」

声の主は途中から気絶していたのか寝ていたのか分からない巫女のものだった
寝ぼけているのか周囲を見渡す


















「…魔理沙どこ?」













周囲の時間が止まった
この瞬間
たったこの瞬間だけだが





魔理沙が消えた







「…博麗の巫女でも判断できないほど…」
「やっぱり奥が深いわね…着せ替え遊び」
「やっぱり遊びだったのかよ!?」
「大丈夫、私は満足だから」
「アリスの感想なんて聞いてないぃいぃ!!!」
「それで魔理沙は逃げたの?」
「それでも博麗の巫女かぁぁ?!」
「誰こいつ」
「ぬおおおおおおおおおおおお!!!」



結局いつもの服装に戻ったら霊夢に魔理沙と分かってもらえたとさ





めでたしめでたし





























「ぜんぜんめでたくないぜ…クスン」
という話をチルノから聞いたんだ








*本文*

ぬう、もう無理やりすぎた
るんるん気分で書いたけど正直すまんかった
ぽっかり何か穴が開いた物になってしまったションボリ

3部作とかいっておきながらリアル事情で詰め切り
申し訳ない
ではまたお会いするまでごきげんよう、幻想郷に幸あれ
幻想郷の牛乳
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コメント



0.420簡易評価
7.70名前が無い程度の能力削除
確かに魔理沙は消えた…のか?ってチルノかい!!
旧魔理沙は復活せずか、残念、でも安心した。