Caution:
本作は作品集49「瀟洒な従者」の続編となっております。
そちらを先にお読みいただくことで、より一層楽しんでいただけることと思います。
では、本編をどうぞ。
※ ※ ※
風切る音と共に、一陣の黒い疾風が赤い館に飛来する。毎度毎度の襲来に備えて館の正門では防御シフトが敷かれるが、そんなものはこの「光の奔流」という暴力の前には意味を成さない。
「いくぜっ! 恋符『マスタースパーク』!」
「普通の魔法使い」こと霧雨魔理沙は、本日只今も絶好調であった。……そう、その時までは。
「ん?」
バチッ、ぷすん。
何やら箒から異音がしたと思うと、一筋の黒い煙が立ち上る。
「とおぉぉぉぉぉっ!?」
箒が突如制御を失う。魔理沙は弾幕をかわしながら飛び込んだその速度を保ったまま、前庭にダイブした。
※ ※ ※
どんがらがっしゃーん。
そんな使い古された表現がぴったりな様子で、見事に地面に突っ込んだ魔理沙。幸い、地面が柔らかかったので、思いのほか怪我は少なかったが。
……もっとも、この時「地面が柔らかい」理由に思いを馳せていれば、或いはこの後の事態は避けられたかもしれない。
「ぺっぺっ! うへー、服が泥だらけだぜ。最近きちんとメンテしてやってなかったからかなぁ。……ああ良かった、折れたりはしてないな」
愛用の箒を丹念にチェックしながら、最近の怠慢を反省する魔理沙。
「そうですか、それは良かった」
「ああ、良かったぜ。長い付き合いの相棒だからな」
「なるほど。それは大事ですよね。ところで、周りを見てもらえますか?」
「ん? 周り?」
良く見ると、そこは花壇だった。
ただし、魔理沙が勢いのまま突っ込んだせいで、魔理沙の周囲は見るも無残な様に成り果てている。
「私が毎日手入れして、ようやくサルビアが花をつけたところだったんですけどね……」
「……そ、そいつは……済まなかった……」
ニゲロニゲロと脳は警鐘を鳴らしている。だが、魔理沙にできたことはゆっくりと後ろを振り向くことだけだった。
「魔理沙? 私は言ったわよね? 『もう少し穏便な方法で入ってきて』って」
そこには、笑顔の美鈴がいた。
しかし、魔理沙にとってはその笑顔が怖かった。
ついでに、美鈴の口調が丁寧語でなくなってるのも怖かった。
「……あー、その……」
「悪い子には、おしおき。分かってるわね?」
いつの間に間合いに入ったのか、ひょい、と魔理沙を小脇に抱える美鈴。
「いや、あの、ごめんな……うにゃああああぁぁ!?」
……その日、紅魔館に珍しく魔理沙の悲鳴が響き渡ったという。
※ ※ ※
「ぉぉぉぉぉ……。ひ、酷い目にあったぜ」
「自業自得よ、諦めなさい」
紅魔館にある大図書館。
その主であるパチュリーの前で、魔理沙は椅子に腹這いになるという変な格好でいた。なんのことはない、お尻が痛くて椅子に座れないだけなのだが。
「それに、その程度で済んでよかったじゃない」
「いや、結構痛いんだが」
「そうね。例えば……永遠亭の薬師が栽培している薬草園に突っ込んでたら、どうなっていたと思う? 或いは、白玉楼の庭師が丹精込めて整えた庭木に突っ込んでいたら?」
想像してみた。
……とてもマッドでスプラッタな光景が脳内で再生された。
「……次に来るときは菓子折りでも持ってくるぜ」
「それがいいわ」
何やら想像だけで凹んだ魔理沙をパチュリーは一瞥し、ふと何事かを思い出したかのように中空に視線をさまよわせた。
「それにしても……ねぇ。レミィや咲夜も昔はよくやられてたけど」
「あのメイド長はともかく、レミリアもか?」
「昔は今以上に自由奔放にやってたからね。まあ、そのせいもあって、今もって二人とも美鈴には頭が上がらないわ」
「いや、普段を見てるととてもそうは思えないんだが……」
先日、実際にレミリアと咲夜の二人が美鈴に説教されているところを見ていなければ、できの悪い冗談と思ったことだろう。
「それはそうよ。実際の立場でいけば、レミィはこの館の主、咲夜は従者たちを統括するメイド長、美鈴の立ち位置はその下だもの。美鈴は性格的に、普段はきちんと上の者を立てようとするから」
「あー、納得したぜ……しかしなぁ」
「なに?」
パチュリーの問いかけに、魔理沙は少し考えるようなそぶりをした後、再び口を開いた。
「なんで『門番』なんだ?」
「……どういう意味かしら?」
「いやまあ、一番上があのメイド長なのは納得いくとしても、その下ぐらいがちょうどいいんじゃないか……って思ってさ」
それはただの思い付きだったが、それほど的外れではないように魔理沙には思えた。門番である姿しか知らない時分であれば別段違和感も抱かなかったが、昨今の聞いた話を鑑みれば、むしろ内部にいて色々と意見をする立場の方が相応しい気がする。
そう思った魔理沙の出した疑問にパチュリーは考えるように一拍を置くと、魔理沙の後ろに向かって声をかけた。
「なんでだったかしら、咲夜?」
「部外者に答える義理はございませんわ」
「ゲェッ、咲夜!?」
「『ゲェッ』とは失礼ね」
咲夜は魔理沙の反応を軽くいなすと、直前のやり取りを無視してパチュリーに挨拶をする。
「失礼いたします、パチュリー様。紅茶のお代わりをお持ちいたしました」
「ありがとう、咲夜。……それで、なんでだったかしら?」
だが、パチュリーは何故か先と同じ質問を繰り返す。パチュリーの瞳に悪戯なものを感じた咲夜は一瞬眉根を寄せたが、そこは「完璧で瀟洒な従者」を自認するプライドが勝ったのか、丁重な反応を返すことにした。
「主語を省いて質問されても、趣旨が理解できないのですが」
「だから、なぜ美鈴が門番をしているのか、という話よ」
「お嬢様がお決めになったことです。私の与り知ることではありません」
「へぇ、意外だぜ」
「何が意外なのよ」
下から声を出した(何しろ体勢上、頭の位置は机の下である)魔理沙に、咲夜はやや苛立ちを含めた声をぶつける。そんな咲夜の様子を見て、つい魔理沙は悪戯心をだした。
「いやいや、メイド長なら大好きな『姉さん』のことならなんでもよくしってうきょおぉっ!?」
からかい半分に口にした言葉は最後まで言われることはなかった。まあ顔面をナイフが掠ってなお喋り続けられる者がいれば、それだけで賞賛に値するだろうが。
「……さて、魔理沙。閻魔の所に行く前に言い残しておくことがあれば、聞いてあげるわよ?」
両手に三本ずつナイフを持ち、いつでも投擲できる体勢で咲夜は魔理沙に問いかける。光源の都合で影になって顔が良く見えないことが、かえって怖かった。
「い、いやまて!」
「そうよ、止めなさい咲夜」
「しかし、パチュリー様」
「血が付くと後の掃除が面倒なのよ」
「……それもそうですね」
パチュリーの言葉に、しぶしぶといった感じで咲夜はナイフを収めた。一方、命が助かったとはいえ、大分ぞんざいな扱いを受けた魔理沙は涙を流していたが。
「……なんか最近扱いが酷いぜ」
「繰り返すけど、自業自得よ」
多分友人のはずの七曜の魔女は、この状況でもにべもなかった。
※ ※ ※
「それはそれとして、美鈴が門番になった理由だけどね」
「ん? ひょっとしてパチュリー、知ってるのか?」
周囲が落ち着いたタイミングを見計らい、再びパチュリーが口を開く。
咲夜は僅かに身じろぎした程度だったが、明らかに魔理沙はくいついていた。
「ええ、レミィからも……咲夜からも聞かされたもの」
「え゛?」
紅茶を飲みながら、なんの気なしに言ってのけるパチュリーに、思わず変なうめき声を出す咲夜。
「そ……そんなこと、ありました、っけ?」
「あの頃の貴女は大分浮ついていたからね。誰彼構わず話して回ってたの、覚えてないの?」
その瞬間、魔理沙は他人ではなく自分の時だけを止めてしまったメイド長という、随分珍しいものを目撃したという。
そんな咲夜には目もくれず、パチュリーは語りだした。
「そうね、あれは何年前だったかしら……」
※ ※ ※
紅魔館のリビング。
紅魔館を統べる主、レミリア=スカーレットが日中……もとい、夜中を過ごす部屋の前で、一人の少女が深呼吸を繰り返していた。
少女の名は十六夜咲夜。紅魔館でレミリアに仕える者としては数少ない「人間」でありながら、メイド長補佐という高い地位にいた。
彼女は主やメイド長の「引き」があったとは言え、今の自分がこの地位にあるだけの実力は持っていると思っている。実際、戦闘能力ならば既にメイド長を凌いでいる自信はあったし、そのことではメイド長自身からもお墨付きをいただいていた。
もちろん、それで自惚れるつもりもない。日々貴人の世話をするというのは、ただナイフを上手く投げることよりも遥かに多くのことが要求されるものだ。
実際、今もって「お嬢様」の前に出ることは緊張する。今日のように、改めて呼び出された場合など尚更だ。
もう一度深呼吸。ようやく気を落ち着かせると、咲夜は扉を叩いた。
「お嬢様、咲夜です」
「入りなさい」
中からの応答を受けて、失礼します、と咲夜は扉をくぐる。そこにはレミリアと、メイド長――紅美鈴がいた。そして、二人の前には、何故か1ホール丸ごとのケーキが。
「お誕生日おめでとう、咲夜」
「おめでとう、咲夜」
美鈴と、レミリアから祝福の声がかかる。一瞬、咲夜は目をしばたかせると、小さく息を呑んだ。
「……あっ、ありがとうございます!」
慮外、深々とお辞儀をする。そんな畏まった様子の咲夜に、レミリアと美鈴は苦笑を浮かべた。
「ふぅ。主賓にそんなに畏まられては、ホスト失格ね。もっと砕けた雰囲気を演出すべきだったかしら?」
「いえいえ、そんなことはありませんよ、お嬢様。さ、咲夜。こっちに来て座りなさい」
「あ、はい」
おずおずとした様子で、咲夜は用意された席に座る。そして、改めてささやかな誕生パーティの始まりとなった。
※ ※ ※
暫くすると、咲夜の緊張も解けてきて、自然な笑顔を見せるようになった。その頃合いを見計らい、美鈴が咲夜に今日一番大事なことを告げる。
「咲夜、今日お嬢様に貴女をこの席に招いてもらったのは、もちろん貴女の誕生日のお祝いということもあるのだけれど。もう一つ、大事な話があったからなの」
「大事な、話?」
きょとんとした様子で問い返す咲夜を横目に、美鈴はレミリアを促す。
「ええ。これは美鈴と話し合った結果よ。咲夜、貴女には明日から、メイド長になってもらうわ」
がたん、と思わず立ち上がる咲夜。その顔にあるのは、喜びではなく、驚愕だった。
「そんな! まだ私には無理です!」
「……咲夜、私は美鈴の話を聞いて、貴女にならもう任せられると判断した。それなのに、貴女は私の判断を疑うのかしら?」
咲夜の反応に、レミリアは些か険のこもった視線で咲夜を見返す。
そんな両者の間に美鈴が入り、まあまあと双方をなだめた。
「お嬢様、咲夜も突然のことで驚いているんです。仕方のないことですよ」
「……ふぅ。まあ、それもそうね。ともあれ咲夜、これは決定事項よ。反論は聞かないわ」
「ですが……」
レミリアから強い口調で言われてもなお不安そうな様子の咲夜に、美鈴は優しく言葉を向ける。
「咲夜、貴女は何が不安なのかしら?」
「何が……って。全部です。私はまだまだ、何も姉さんに敵いません」
まるでいじけた子供のように、否、いじけた子供そのものの様子で呟く咲夜に、思わず美鈴は苦笑いをこぼす。
「そうかしら? 戦闘では、私はもう貴女に勝てないけれど?」
「……っ。そんなの、揚げ足取りです! それに、それだけじゃダメだって言ったのは姉さんじゃないですか!」
「ええ、そうね。でも、だからこそ。貴女はそれからもずっと、色々な面で努力してきたでしょう?」
「それは……そうですけど……」
「その努力は、私も、お嬢様も認めるところ。だから、私は貴女をメイド長に推したわ」
「……っでも! 私は、まだ自信がありません……」
うなだれ、きゅっと縮こまるように自らの胸元を掴む咲夜。その咲夜を、美鈴はいとおしむように抱きしめる。
「ええ、そうね。でも、だから今なの」
「どういう、ことですか?」
「咲夜、貴女は努力家よ。それに才能もある。いずれは私も越えて、何もかもを『完璧』にできるようになるでしょう」
買いかぶりだ。咲夜はそう思った。自分はそんなに凄くない、と。だが、美鈴はそんな咲夜の内心を知ってか知らずか、言葉を続ける。
「でも、だからこそ貴女は脆い。何もかも『完璧であらねばならない』と考え、それゆえに何もかもを自分の裡に抱えてしまう」
「それ……は……」
「だから、まだ未熟な今のうちに、もっと多くのことを経験して欲しいの。きっと、たくさんのことが思い通りにはいかないでしょう。自分の未熟さを痛感させられることもあるでしょう。でもそうした中で、人を使うことや……何より、人に頼ることを覚えていって欲しいの」
「頼る……ですか?」
問い返す咲夜に対して美鈴は肯くと、言葉を続けた。
「何でも自分独りでできなきゃいけないと思うのは、貴女の悪い癖。そうじゃなく、もう少し他人に任せられるようになって欲しいの。そうじゃなきゃ、いつか貴女が潰れちゃいそうでね。お姉さん、ちょっと心配なのよ?」
わしゃわしゃ、と頭を撫でながらそんなことを言う美鈴に、咲夜は俯いてされるがままになっていたが、やがて一呼吸すると一歩下がって姿勢を正し、改めてレミリアと美鈴の方を向いた。
「分かりました。身に余る光栄、謹んでお受けいたします」
そう言って、一礼する。顔を見ずとも、二人が笑顔を浮かべているだろう、そのことは咲夜にも分かった。
「さて、話も付いたわね。それじゃ、パーティを続けましょう」
「はい、お嬢様。……あれ? でもそうすると、姉さんはどうなるんですか?」
咲夜の疑問には、美鈴本人が答えた。
「私は門番長になることになってるわ。ちょうど人手も足りなかったことだしね」
「……今さっき、頼れとか言ってませんでした?」
拗ねたように咲夜は美鈴を睨むが、美鈴はそしらぬ顔で受け流す。
「大丈夫よ。貴女の補佐をする人はもう決めてあるし。ずっと私のサポートをしてきてくれた人だから、大抵のことは彼女に相談すれば何とかなるわ」
「でも……」
「いい、咲夜?」
なおも抗弁しようとする咲夜の唇に指を当て、美鈴は彼女を黙らせる。
「『頼る』と『甘える』は違うわ。私は貴女に人を頼れと言ったけど、決して甘えて、言い換えるなら依存して欲しくないの。それは、私でも同じことよ」
「……そんなこと、言われても」
「咲夜、これから貴女は私の上の立場になるわ。当然、公の場では私が貴女に敬語を使うことになる。それなのに、貴女が私に寄りかかってていいのかしら?」
「それは……そうです、けど」
「それに、ね。ずっと傍で面倒見るとなると、結局私も甘やかしちゃいそうだし」
そういって苦笑する美鈴に、ようやく咲夜も笑顔を見せた。
「嘘吐きですね、姉さん。私を甘やかしたことなんかなかった癖に」
「そうだったかしら?」
「そうね、そう思ってるのは咲夜だけよ。私もパチュリーも、美鈴は咲夜には甘いと思ってたわ」
そのレミリアの言葉に、三人は顔を見合わせ、笑い声を上げる。場には、ようやく暖かな空気が満ちていた。
「それでは、これからよろしくお願いします、咲夜『さん』」
「ええ、よろしくね、『美鈴』」
――これが、紅魔館に「完璧で瀟洒な従者」と「門番」がいることになったその所以である。
※ ※ ※
「……とまあ、大体こんなわけよ」
「ふーん。あの門番も色々考えてるんだなぁ」
相変わらず行儀の悪い姿勢で紅茶をすすりながら、魔理沙はそんな感想を漏らした。なお、咲夜は本棚に寄りかかって身もだえしている。やはり自分の過去話というのは恥ずかしいものなのだろう。
「ともあれ、それから数年。咲夜は立派なメイド長に成長した、というわけよ」
「……あの様子を見てると、あんまそうも思えないけどな」
魔理沙の視線の先では、「はーい、咲夜さん。そんなところに転がってられると邪魔ですよー」と言う小悪魔によって咲夜が本棚の前からどかされていた。
「そうかしら? 何もかも完璧で誰も近寄れないような人よりも、完璧の中に少し隙がある、その方が親しみやすいものよ。実際、今の紅魔館が上手く回ってるのが、何よりの証拠ね」
「そんなもんかねぇ」
紅茶を啜りながら、少し考える。
普段の咲夜はなるほど、「完璧で瀟洒な従者」だが、その姿があるからこそ、今の様子がギャップとなって親しみにつながるのだろう。終始アレではだらしないだけだ。
そう考えると、なるほど、パチュリーの言うこともその通りかもしれない。
「ところで、話にあったような遣り取りがあったんなら、なんで『完璧で瀟洒』の看板を揚げてるんだ?」
魔理沙の質問に、ようやく立ち直った咲夜が答える。
「……目標よ」
「目標?」
首を捻る魔理沙に小さく肯くと、咲夜は言葉をつなぐ。
「そう、目標。私がずっと追い続けた背中を、一言で表したらそうなった、それだけの話」
「……なるほどねぇ」
にやりと笑う(ただし姿勢のせいで全く様にならない)魔理沙に、咲夜は引きつった笑みを返す。
「なにかしら?」
「いやなに、メイド長はお姉さんが大好きなんだなーって思っただけだぜ」
魔理沙の揶揄するような言葉に、咲夜はより一層表情を引きつらせると、
「お褒めに預かり光栄です……わっ!」
と言うと共に、魔理沙のお尻を引っぱたいた。
「うにゃああああぁぁ!?」
「……三度目になるけど、自業自得よ」
学習しない友人に、図書館の主は深くため息をつくのだった。
本作は作品集49「瀟洒な従者」の続編となっております。
そちらを先にお読みいただくことで、より一層楽しんでいただけることと思います。
では、本編をどうぞ。
※ ※ ※
風切る音と共に、一陣の黒い疾風が赤い館に飛来する。毎度毎度の襲来に備えて館の正門では防御シフトが敷かれるが、そんなものはこの「光の奔流」という暴力の前には意味を成さない。
「いくぜっ! 恋符『マスタースパーク』!」
「普通の魔法使い」こと霧雨魔理沙は、本日只今も絶好調であった。……そう、その時までは。
「ん?」
バチッ、ぷすん。
何やら箒から異音がしたと思うと、一筋の黒い煙が立ち上る。
「とおぉぉぉぉぉっ!?」
箒が突如制御を失う。魔理沙は弾幕をかわしながら飛び込んだその速度を保ったまま、前庭にダイブした。
※ ※ ※
どんがらがっしゃーん。
そんな使い古された表現がぴったりな様子で、見事に地面に突っ込んだ魔理沙。幸い、地面が柔らかかったので、思いのほか怪我は少なかったが。
……もっとも、この時「地面が柔らかい」理由に思いを馳せていれば、或いはこの後の事態は避けられたかもしれない。
「ぺっぺっ! うへー、服が泥だらけだぜ。最近きちんとメンテしてやってなかったからかなぁ。……ああ良かった、折れたりはしてないな」
愛用の箒を丹念にチェックしながら、最近の怠慢を反省する魔理沙。
「そうですか、それは良かった」
「ああ、良かったぜ。長い付き合いの相棒だからな」
「なるほど。それは大事ですよね。ところで、周りを見てもらえますか?」
「ん? 周り?」
良く見ると、そこは花壇だった。
ただし、魔理沙が勢いのまま突っ込んだせいで、魔理沙の周囲は見るも無残な様に成り果てている。
「私が毎日手入れして、ようやくサルビアが花をつけたところだったんですけどね……」
「……そ、そいつは……済まなかった……」
ニゲロニゲロと脳は警鐘を鳴らしている。だが、魔理沙にできたことはゆっくりと後ろを振り向くことだけだった。
「魔理沙? 私は言ったわよね? 『もう少し穏便な方法で入ってきて』って」
そこには、笑顔の美鈴がいた。
しかし、魔理沙にとってはその笑顔が怖かった。
ついでに、美鈴の口調が丁寧語でなくなってるのも怖かった。
「……あー、その……」
「悪い子には、おしおき。分かってるわね?」
いつの間に間合いに入ったのか、ひょい、と魔理沙を小脇に抱える美鈴。
「いや、あの、ごめんな……うにゃああああぁぁ!?」
……その日、紅魔館に珍しく魔理沙の悲鳴が響き渡ったという。
※ ※ ※
「ぉぉぉぉぉ……。ひ、酷い目にあったぜ」
「自業自得よ、諦めなさい」
紅魔館にある大図書館。
その主であるパチュリーの前で、魔理沙は椅子に腹這いになるという変な格好でいた。なんのことはない、お尻が痛くて椅子に座れないだけなのだが。
「それに、その程度で済んでよかったじゃない」
「いや、結構痛いんだが」
「そうね。例えば……永遠亭の薬師が栽培している薬草園に突っ込んでたら、どうなっていたと思う? 或いは、白玉楼の庭師が丹精込めて整えた庭木に突っ込んでいたら?」
想像してみた。
……とてもマッドでスプラッタな光景が脳内で再生された。
「……次に来るときは菓子折りでも持ってくるぜ」
「それがいいわ」
何やら想像だけで凹んだ魔理沙をパチュリーは一瞥し、ふと何事かを思い出したかのように中空に視線をさまよわせた。
「それにしても……ねぇ。レミィや咲夜も昔はよくやられてたけど」
「あのメイド長はともかく、レミリアもか?」
「昔は今以上に自由奔放にやってたからね。まあ、そのせいもあって、今もって二人とも美鈴には頭が上がらないわ」
「いや、普段を見てるととてもそうは思えないんだが……」
先日、実際にレミリアと咲夜の二人が美鈴に説教されているところを見ていなければ、できの悪い冗談と思ったことだろう。
「それはそうよ。実際の立場でいけば、レミィはこの館の主、咲夜は従者たちを統括するメイド長、美鈴の立ち位置はその下だもの。美鈴は性格的に、普段はきちんと上の者を立てようとするから」
「あー、納得したぜ……しかしなぁ」
「なに?」
パチュリーの問いかけに、魔理沙は少し考えるようなそぶりをした後、再び口を開いた。
「なんで『門番』なんだ?」
「……どういう意味かしら?」
「いやまあ、一番上があのメイド長なのは納得いくとしても、その下ぐらいがちょうどいいんじゃないか……って思ってさ」
それはただの思い付きだったが、それほど的外れではないように魔理沙には思えた。門番である姿しか知らない時分であれば別段違和感も抱かなかったが、昨今の聞いた話を鑑みれば、むしろ内部にいて色々と意見をする立場の方が相応しい気がする。
そう思った魔理沙の出した疑問にパチュリーは考えるように一拍を置くと、魔理沙の後ろに向かって声をかけた。
「なんでだったかしら、咲夜?」
「部外者に答える義理はございませんわ」
「ゲェッ、咲夜!?」
「『ゲェッ』とは失礼ね」
咲夜は魔理沙の反応を軽くいなすと、直前のやり取りを無視してパチュリーに挨拶をする。
「失礼いたします、パチュリー様。紅茶のお代わりをお持ちいたしました」
「ありがとう、咲夜。……それで、なんでだったかしら?」
だが、パチュリーは何故か先と同じ質問を繰り返す。パチュリーの瞳に悪戯なものを感じた咲夜は一瞬眉根を寄せたが、そこは「完璧で瀟洒な従者」を自認するプライドが勝ったのか、丁重な反応を返すことにした。
「主語を省いて質問されても、趣旨が理解できないのですが」
「だから、なぜ美鈴が門番をしているのか、という話よ」
「お嬢様がお決めになったことです。私の与り知ることではありません」
「へぇ、意外だぜ」
「何が意外なのよ」
下から声を出した(何しろ体勢上、頭の位置は机の下である)魔理沙に、咲夜はやや苛立ちを含めた声をぶつける。そんな咲夜の様子を見て、つい魔理沙は悪戯心をだした。
「いやいや、メイド長なら大好きな『姉さん』のことならなんでもよくしってうきょおぉっ!?」
からかい半分に口にした言葉は最後まで言われることはなかった。まあ顔面をナイフが掠ってなお喋り続けられる者がいれば、それだけで賞賛に値するだろうが。
「……さて、魔理沙。閻魔の所に行く前に言い残しておくことがあれば、聞いてあげるわよ?」
両手に三本ずつナイフを持ち、いつでも投擲できる体勢で咲夜は魔理沙に問いかける。光源の都合で影になって顔が良く見えないことが、かえって怖かった。
「い、いやまて!」
「そうよ、止めなさい咲夜」
「しかし、パチュリー様」
「血が付くと後の掃除が面倒なのよ」
「……それもそうですね」
パチュリーの言葉に、しぶしぶといった感じで咲夜はナイフを収めた。一方、命が助かったとはいえ、大分ぞんざいな扱いを受けた魔理沙は涙を流していたが。
「……なんか最近扱いが酷いぜ」
「繰り返すけど、自業自得よ」
多分友人のはずの七曜の魔女は、この状況でもにべもなかった。
※ ※ ※
「それはそれとして、美鈴が門番になった理由だけどね」
「ん? ひょっとしてパチュリー、知ってるのか?」
周囲が落ち着いたタイミングを見計らい、再びパチュリーが口を開く。
咲夜は僅かに身じろぎした程度だったが、明らかに魔理沙はくいついていた。
「ええ、レミィからも……咲夜からも聞かされたもの」
「え゛?」
紅茶を飲みながら、なんの気なしに言ってのけるパチュリーに、思わず変なうめき声を出す咲夜。
「そ……そんなこと、ありました、っけ?」
「あの頃の貴女は大分浮ついていたからね。誰彼構わず話して回ってたの、覚えてないの?」
その瞬間、魔理沙は他人ではなく自分の時だけを止めてしまったメイド長という、随分珍しいものを目撃したという。
そんな咲夜には目もくれず、パチュリーは語りだした。
「そうね、あれは何年前だったかしら……」
※ ※ ※
紅魔館のリビング。
紅魔館を統べる主、レミリア=スカーレットが日中……もとい、夜中を過ごす部屋の前で、一人の少女が深呼吸を繰り返していた。
少女の名は十六夜咲夜。紅魔館でレミリアに仕える者としては数少ない「人間」でありながら、メイド長補佐という高い地位にいた。
彼女は主やメイド長の「引き」があったとは言え、今の自分がこの地位にあるだけの実力は持っていると思っている。実際、戦闘能力ならば既にメイド長を凌いでいる自信はあったし、そのことではメイド長自身からもお墨付きをいただいていた。
もちろん、それで自惚れるつもりもない。日々貴人の世話をするというのは、ただナイフを上手く投げることよりも遥かに多くのことが要求されるものだ。
実際、今もって「お嬢様」の前に出ることは緊張する。今日のように、改めて呼び出された場合など尚更だ。
もう一度深呼吸。ようやく気を落ち着かせると、咲夜は扉を叩いた。
「お嬢様、咲夜です」
「入りなさい」
中からの応答を受けて、失礼します、と咲夜は扉をくぐる。そこにはレミリアと、メイド長――紅美鈴がいた。そして、二人の前には、何故か1ホール丸ごとのケーキが。
「お誕生日おめでとう、咲夜」
「おめでとう、咲夜」
美鈴と、レミリアから祝福の声がかかる。一瞬、咲夜は目をしばたかせると、小さく息を呑んだ。
「……あっ、ありがとうございます!」
慮外、深々とお辞儀をする。そんな畏まった様子の咲夜に、レミリアと美鈴は苦笑を浮かべた。
「ふぅ。主賓にそんなに畏まられては、ホスト失格ね。もっと砕けた雰囲気を演出すべきだったかしら?」
「いえいえ、そんなことはありませんよ、お嬢様。さ、咲夜。こっちに来て座りなさい」
「あ、はい」
おずおずとした様子で、咲夜は用意された席に座る。そして、改めてささやかな誕生パーティの始まりとなった。
※ ※ ※
暫くすると、咲夜の緊張も解けてきて、自然な笑顔を見せるようになった。その頃合いを見計らい、美鈴が咲夜に今日一番大事なことを告げる。
「咲夜、今日お嬢様に貴女をこの席に招いてもらったのは、もちろん貴女の誕生日のお祝いということもあるのだけれど。もう一つ、大事な話があったからなの」
「大事な、話?」
きょとんとした様子で問い返す咲夜を横目に、美鈴はレミリアを促す。
「ええ。これは美鈴と話し合った結果よ。咲夜、貴女には明日から、メイド長になってもらうわ」
がたん、と思わず立ち上がる咲夜。その顔にあるのは、喜びではなく、驚愕だった。
「そんな! まだ私には無理です!」
「……咲夜、私は美鈴の話を聞いて、貴女にならもう任せられると判断した。それなのに、貴女は私の判断を疑うのかしら?」
咲夜の反応に、レミリアは些か険のこもった視線で咲夜を見返す。
そんな両者の間に美鈴が入り、まあまあと双方をなだめた。
「お嬢様、咲夜も突然のことで驚いているんです。仕方のないことですよ」
「……ふぅ。まあ、それもそうね。ともあれ咲夜、これは決定事項よ。反論は聞かないわ」
「ですが……」
レミリアから強い口調で言われてもなお不安そうな様子の咲夜に、美鈴は優しく言葉を向ける。
「咲夜、貴女は何が不安なのかしら?」
「何が……って。全部です。私はまだまだ、何も姉さんに敵いません」
まるでいじけた子供のように、否、いじけた子供そのものの様子で呟く咲夜に、思わず美鈴は苦笑いをこぼす。
「そうかしら? 戦闘では、私はもう貴女に勝てないけれど?」
「……っ。そんなの、揚げ足取りです! それに、それだけじゃダメだって言ったのは姉さんじゃないですか!」
「ええ、そうね。でも、だからこそ。貴女はそれからもずっと、色々な面で努力してきたでしょう?」
「それは……そうですけど……」
「その努力は、私も、お嬢様も認めるところ。だから、私は貴女をメイド長に推したわ」
「……っでも! 私は、まだ自信がありません……」
うなだれ、きゅっと縮こまるように自らの胸元を掴む咲夜。その咲夜を、美鈴はいとおしむように抱きしめる。
「ええ、そうね。でも、だから今なの」
「どういう、ことですか?」
「咲夜、貴女は努力家よ。それに才能もある。いずれは私も越えて、何もかもを『完璧』にできるようになるでしょう」
買いかぶりだ。咲夜はそう思った。自分はそんなに凄くない、と。だが、美鈴はそんな咲夜の内心を知ってか知らずか、言葉を続ける。
「でも、だからこそ貴女は脆い。何もかも『完璧であらねばならない』と考え、それゆえに何もかもを自分の裡に抱えてしまう」
「それ……は……」
「だから、まだ未熟な今のうちに、もっと多くのことを経験して欲しいの。きっと、たくさんのことが思い通りにはいかないでしょう。自分の未熟さを痛感させられることもあるでしょう。でもそうした中で、人を使うことや……何より、人に頼ることを覚えていって欲しいの」
「頼る……ですか?」
問い返す咲夜に対して美鈴は肯くと、言葉を続けた。
「何でも自分独りでできなきゃいけないと思うのは、貴女の悪い癖。そうじゃなく、もう少し他人に任せられるようになって欲しいの。そうじゃなきゃ、いつか貴女が潰れちゃいそうでね。お姉さん、ちょっと心配なのよ?」
わしゃわしゃ、と頭を撫でながらそんなことを言う美鈴に、咲夜は俯いてされるがままになっていたが、やがて一呼吸すると一歩下がって姿勢を正し、改めてレミリアと美鈴の方を向いた。
「分かりました。身に余る光栄、謹んでお受けいたします」
そう言って、一礼する。顔を見ずとも、二人が笑顔を浮かべているだろう、そのことは咲夜にも分かった。
「さて、話も付いたわね。それじゃ、パーティを続けましょう」
「はい、お嬢様。……あれ? でもそうすると、姉さんはどうなるんですか?」
咲夜の疑問には、美鈴本人が答えた。
「私は門番長になることになってるわ。ちょうど人手も足りなかったことだしね」
「……今さっき、頼れとか言ってませんでした?」
拗ねたように咲夜は美鈴を睨むが、美鈴はそしらぬ顔で受け流す。
「大丈夫よ。貴女の補佐をする人はもう決めてあるし。ずっと私のサポートをしてきてくれた人だから、大抵のことは彼女に相談すれば何とかなるわ」
「でも……」
「いい、咲夜?」
なおも抗弁しようとする咲夜の唇に指を当て、美鈴は彼女を黙らせる。
「『頼る』と『甘える』は違うわ。私は貴女に人を頼れと言ったけど、決して甘えて、言い換えるなら依存して欲しくないの。それは、私でも同じことよ」
「……そんなこと、言われても」
「咲夜、これから貴女は私の上の立場になるわ。当然、公の場では私が貴女に敬語を使うことになる。それなのに、貴女が私に寄りかかってていいのかしら?」
「それは……そうです、けど」
「それに、ね。ずっと傍で面倒見るとなると、結局私も甘やかしちゃいそうだし」
そういって苦笑する美鈴に、ようやく咲夜も笑顔を見せた。
「嘘吐きですね、姉さん。私を甘やかしたことなんかなかった癖に」
「そうだったかしら?」
「そうね、そう思ってるのは咲夜だけよ。私もパチュリーも、美鈴は咲夜には甘いと思ってたわ」
そのレミリアの言葉に、三人は顔を見合わせ、笑い声を上げる。場には、ようやく暖かな空気が満ちていた。
「それでは、これからよろしくお願いします、咲夜『さん』」
「ええ、よろしくね、『美鈴』」
――これが、紅魔館に「完璧で瀟洒な従者」と「門番」がいることになったその所以である。
※ ※ ※
「……とまあ、大体こんなわけよ」
「ふーん。あの門番も色々考えてるんだなぁ」
相変わらず行儀の悪い姿勢で紅茶をすすりながら、魔理沙はそんな感想を漏らした。なお、咲夜は本棚に寄りかかって身もだえしている。やはり自分の過去話というのは恥ずかしいものなのだろう。
「ともあれ、それから数年。咲夜は立派なメイド長に成長した、というわけよ」
「……あの様子を見てると、あんまそうも思えないけどな」
魔理沙の視線の先では、「はーい、咲夜さん。そんなところに転がってられると邪魔ですよー」と言う小悪魔によって咲夜が本棚の前からどかされていた。
「そうかしら? 何もかも完璧で誰も近寄れないような人よりも、完璧の中に少し隙がある、その方が親しみやすいものよ。実際、今の紅魔館が上手く回ってるのが、何よりの証拠ね」
「そんなもんかねぇ」
紅茶を啜りながら、少し考える。
普段の咲夜はなるほど、「完璧で瀟洒な従者」だが、その姿があるからこそ、今の様子がギャップとなって親しみにつながるのだろう。終始アレではだらしないだけだ。
そう考えると、なるほど、パチュリーの言うこともその通りかもしれない。
「ところで、話にあったような遣り取りがあったんなら、なんで『完璧で瀟洒』の看板を揚げてるんだ?」
魔理沙の質問に、ようやく立ち直った咲夜が答える。
「……目標よ」
「目標?」
首を捻る魔理沙に小さく肯くと、咲夜は言葉をつなぐ。
「そう、目標。私がずっと追い続けた背中を、一言で表したらそうなった、それだけの話」
「……なるほどねぇ」
にやりと笑う(ただし姿勢のせいで全く様にならない)魔理沙に、咲夜は引きつった笑みを返す。
「なにかしら?」
「いやなに、メイド長はお姉さんが大好きなんだなーって思っただけだぜ」
魔理沙の揶揄するような言葉に、咲夜はより一層表情を引きつらせると、
「お褒めに預かり光栄です……わっ!」
と言うと共に、魔理沙のお尻を引っぱたいた。
「うにゃああああぁぁ!?」
「……三度目になるけど、自業自得よ」
学習しない友人に、図書館の主は深くため息をつくのだった。
なかなか良かったです^^
誤字らしきものを見つけたので報告です
魔理沙が、「いやなに、メイド長はお姉さんが大好きなんだなーって思っただけだぜ」と言う前の咲夜さんの台詞が「ないかしら?」になってます。
長文失礼しました
冒頭に注意書きを入れておいたほうがいいんじゃないでしょうか?
話自体は素晴らしい出来だと思います。次回作も期待してますー。
ご忠告ありがとうございます。
早速注記の追加、及び誤字の修正をさせていただきました。
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今後も、益々精進していきたいと思います。ありがとうございました。
面白く読ませて頂きました。
一つ気になったんですが、強調や二つ名の意味をもたせる時に「」を使うのは、特別な事情が無いのであれば変えたほうが宜しいかと思います。
会話文と混乱しそうになるので……
それはそうと妹分の咲夜かわいいよ咲夜
元メイド長と、現メイド長の二人に乾杯
あと、魔理沙…頑張れ
なるほど、咲夜さんの成長を促すために美鈴は門番に・・・・・・
とても説得力のあるお話でした。身もだえしてるメイド長可愛いよメイド長
それにしても、魔理沙が紅魔館の軍門に下る日も近いな
いや、なんとなくそう感じただけだが
ついでに魔理沙の性格も直ってきてますね。
美鈴は本当に瀟洒だw
陰で悶絶してる咲夜に萌えましたw
ありがとうございました
レミリア以外のことで身悶えする咲夜は珍しい気がする
面白かったです。
流石は瀟洒な従者。
美鈴姉さん超瀟洒
でもタイトルにもあるように、門番になった訳というのが薄すぎる気もするんだよなあ(メイド長を譲ったからとっつけただけに見えるし
そこだけが残念だった