Coolier - 新生・東方創想話

東方苦労伝 ~瀟洒編~

2008/02/11 02:38:06
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『拝啓 お父様 お母様
 一度もお姿を拝見した事の無い両親へ手紙を書くのもなんですが
 今日限りで死にます、本当にありがとうございました。
                    十六夜咲夜(偽名)より』





腕の中にある一つの衣服、お嬢様が特にお気に入りにしているドレス、
それをねじり、ねじり、ねじりねじって一つの輪にする、
目の前にはお嬢様がよく座っていた椅子、台にするには丁度いい、
紐の片方に輪を、もう片方を天井のフックにくくりつけ、首をかける。

「さらばっ、我が人生!!」
「やめぇぇい!!」
「へもっ!」

そしていざ椅子を蹴って飛び立とうとした瞬間、後ろから見事なスラッシュキック、
蹴られた当人はぐるりと視界が回りまわって、安物のカーペットの上に仰向けに着地。

「はぁはぁ……何で人の部屋で首を吊るかな!」
「いーたーいー!」

腰に手を当てたまま左右にごろごろ転げまわる咲夜を冷ややかな目で見つめるのは、
この部屋の主こと紅美鈴、つい先程までご就寝中だったので、ネグリジェ姿で非常にグラマー。

「くぅぅ~、何で止めるのよ!」
「自分の部屋で首吊ろうとしてる輩が見えたら誰だって止めるって!」

涙目で見上げる咲夜を仁王立ちで睨み付ける美鈴。

「はぁ~……というか首を吊るならおたくの部屋でやってくださいません?」
「それは嫌よ、誰も止めなかったら死んじゃうじゃない」
「死んでいいから! もう止めないから!」
「止めてよ! あなただけが頼りなのよ!」
「勝手に頼りにするなー!」

怒りが頂点に達した美鈴は、咲夜を正座させて説教タイムへと突入した、
命の尊さやら生きることのすばらしさやらを、こんこんと説き続けること数十分、
言いたいことを言い尽くしてやれ終わろうかとした時、ふと美鈴があることに気づく。

「あれ? なんか服装がいつもと違わない?」
「ようやく気づいてくれたのね、長かったわ」
「いつもなら絶対領域とか言ってミニスカートよね? なんで普通のメイド服なの?」
「ここで私とあなたにとっての重大発表があります」
「え、何よ、いきなりかしこまっちゃって」

すっと咲夜が立ち上がり、姿勢を正す、
対する美鈴は突然のことに戸惑ったままだ。

「本日付けで門番隊に配属されました、十六夜咲夜と申します」
「帰れ」

だがその戸惑いも束の間、咲夜から発せられた言葉を聞くと同時に
美鈴の脳は一瞬で冷静の極みへと戻され、口から出るは冷淡な一言。

「お嬢様の命です、宜しくお願いします、門番長」

それでも動じずに咲夜は笑顔で一礼。

「ふざけんな」

しかしそこは紅魔館の門番である美鈴、満面の笑みでさらに一言返し。

「…………」
「…………」

そして十分後、そこにはパチュリーの書斎に息を切らしながら走りこむ副メイド長の姿が!

「パチュリー様! 急患です!」
「何? また妖精が家具の下敷きになったの?」
「咲夜様があばら骨を五本折る重傷! 美鈴様も胸部に五十本近い刃物が刺さって重傷です!」
「いつものことじゃない」


 ―――――


「お嬢様はどうしてあんなやつにメイド長なんかさせるのよ……」
「ぐちぐちうるさいわ……黙って立てないの?」
「申し訳ございませんわ門番長」

本日の紅魔館門前は右側に美鈴、左側に咲夜と戦力は二倍増し、
互いの間にある仲悪オーラのようなもので妖精一匹近づかない鉄壁の守りだった、
しかし一時間もすると咲夜がもじもじと体をくねらせ始める。

「うう、スカートが脚に触れて気持ち悪い……」
「……ミニにすればいいじゃない」
「生足を晒していいのはメイド長と門番長だけの特権なのよ」
「えっ、私のこれって特権?」

美鈴がちょっとスカートをめくりあげると、スリットから見える艶々とした
太ももとふくらはぎ、当然これらを見せびらかすにはそれなりの資格が要る、故に特権なのだ。

「羨ましい……妬ましい……転がしたい……」
「だー、もう、最近の人間は愚痴っぽくて嫌ねぇ」
「あなたに私の気持ちの何が分かるって言うのよ!」
「分かるわけないでしょ、で、行かないの?」
「……え?」

やれやれ、といった表情を浮かべながら咲夜を見つめる美鈴。

「メイド長を奪い返さないのかって聞いてるの、門番なんか一人で足りるんだから」
「で、でも……」
「でも? じゃないでしょ、あんたの暗い顔見てるとこっちの気が滅入ってくるのよ、
 新米にメイド長を奪われただの何だの聞かされる身にもなってほしいわ、
 門番の業務にも支障が出たら困るし……あーもう! ほらさっさと行く!」
「……中国」
「何よ?」
「か、感謝なんかしないんだから!!」
「だからなんでナイフを投ぎぇっ――」


 ―――――


バルコニーにあるのは、一人で月を見上げる少女の姿、紅魔館の主である
レミリア・スカーレットは、今まさに正念場を迎えていた。

「(カリスマの無い私でどこまで太刀打ちできるか……)」

勢いとはいえ、メイド長に輝夜を据えてしまった事実、
永遠亭の主が傍にいる、それすなわち喉にナイフを突きつけられたも同然。

「(無様なところは見せられない、まさに背水の陣ね)」

もし無様なところを見られてしまえば、それは紅魔館が永遠亭に敗北したことを示す、
己にのしかかる重圧を再確認し、レミリアは戦場である自室へと踏み出した。

「輝夜!」
「はい、ディナーの準備は整っております」
「ワイン!」
「アンリ・ジャイエでございます」
「メインディッシュ!」
「レアブラッディチーズケーキでございます」
「デザート!」
「納豆でございます」
「(なんだとっ!?)」

レミリアは驚愕した、輝夜がワインとメインディッシュに自分が満足するものを選ぶことは
既に予想の範囲内、あえてそこでの勝負を避け、選んだのはデザートに納豆を食べる事だった、
しかし用意されていたものは見事に納豆、もし納豆以外のものが出てくれば輝夜を叱責罵倒する
ことが出来たのに、それすら輝夜は読みきったのだ。

「(しかも……掻き混ぜてない!!)」

以前に咲夜が納豆を持ってきた時、すでに醤油とからしをかけ、混ぜた状態だった事がある、
納豆は自分で混ぜてこそ真の価値が生まれるもの、その時のレミリアの怒りはあまりにも
すさまじく、あの咲夜ですら涙目になってしまったほどだった。

「くぅぅ……やるじゃない」
「ありがとうございます」

レミリアは戸惑いを隠せない、他人の好み、性格、嗜好はどれだけ情報を集めても、
完璧に得ることは難しい、だがそれを蓬莱山輝夜はやってのけたのだ。

「お嬢様、替えの納豆です」
「え? あっ!」

その同様からか、椀の中の納豆は掻き混ぜすぎて流体になっていた事にも気づけないレミリア。

「うー……」
「お嬢様、海苔です」
「ううー……」

海苔をかけたい気分まで見抜かれてしまっては、もはやレミリアになす術は無い、
夜の王に出来ることは、納豆を頬張ることしかなかった。

「(お嬢様……)」

そんな状況を咲夜は物陰から悲しげな瞳で見つめていた。

「……そこで何やってるの?」
「お嬢様の今日の下着をご拝見しております」

例えばレミリアが食事をしているテーブルの下などが物陰にあたる。

「咲夜さん!? 何でそんな所に!?」
「あー、輝夜、ちょっと下がっててくれる?」
「え……あ、はい……」

微妙な表情を浮かべる輝夜を、レミリアは手振りを交えて部屋の外へ追いやる、
今この部屋残ってるのはレミリアと、スカートの中にまで頭を突っ込んでいる元メイド長のみ。

「お嬢様には紫のショーツこそがお似合いですわ」
「いいから早く頭をどけろ」
「……あと五分だけこのままでいさせてください」
「そうかそうか、そんなにどける気が無いのなら……」

ぷにん、と咲夜の両頬にレミリアのぷにぷにとした太ももが触れる。

「我が生足の感触、とくと味わえぇぇぇ!!」
「あだだだだだだだだ!! ギブ! ギバーップ!!」

吸血鬼の脚力で頭を挟まれると、常人なら悶絶、変態なら鼻血を出しながら悶絶。

「はぁ……落ち込んでるかと思ったら変態にバージョンアップ?」
「違いますわ、最初から痴女です」
「それも駄目すぎる!」
「こんな体にしたのはお嬢様ですよ?」
「そ、そんなこと言われても……否定はしないけど……」

詳細は人工呼吸事件を参照。

「ですからお嬢様」

はっきりとした口調、そして歴然とした態度で咲夜が主の下へと歩み寄る、
そっとレミリアの前に跪くと、その両手をレミリアの腰に添え、
ぷにぷにとした太ももの間に自らの頭を差し込んだ。

「先程の太ももの感触をもう一度!」
「…………」

対するレミリアもやれやれといった表情を浮かべながら、咲夜の肩に手を添えて頭を引き抜く、
そのまま自らの体を反転させると、咲夜の背に座るようにもう一度頭を股に挟んだ、
傍から見れば、咲夜がレミリアを肩車で持ち上げる直前のような体勢である。

「リバースフランケンシュタイナァァァァ!!」
「ぐふぅっ!!」

この日、新たな犬神家の一族が誕生した。


 ―――――


「というわけで失敗したわ」
「当たり前よ」

一夜明け、本日の門前には呆れ返る美鈴と、首に巻いたギプスが痛々しい咲夜の姿。

「というか何? 自分の性欲晴らしにいっただけ?」
「お嬢様も溜まってると思ってたのよ」
「なわけないでしょ」
「なわけあるわよ、いつもなら私にされるがままだもの」
「……おいたわしや」

溜まってなくてもされるがままです。

「でもどうして昨日のお嬢様は私を拒絶したのかしら?」
「知りたいならこの私が教えてあげるわ!」
「はっ、この声は!」
「紅魔館の黒幕!」
「失礼ね、ふとましくなんか無いわよ」

二人の後方に突然現れたのは、曰く知識と日陰の少女、曰く紅魔館の黒幕、
曰く、ツンだけど一度デレるとそれはもう凄い、などと呼ばれる魔女ことパチュリー。

「レミリアがあなたを拒絶した理由は一つ、たった一つだけの単純な答えよ」
「てめーは俺を怒らせた、ですか?」
「カリスマが戻りつつあるのよ」
「振っておいてスルーですか」

カリスマ、それはこの星に住む者達の格を決める物、
多ければ多いほどカリスマピラミッドの上へと立ち、他の者を従えるようになる。

「しかし何故カリスマが?」
「優秀な従者がいるからよ」
「照れますわ」
「輝夜のことよ」
「分かってました、分かってましたけど……!」

ハンカチを噛み締めながら悔しがる咲夜、
隣では美鈴が私は優秀じゃなかったのかと一人で落ち込んでいた。

「優秀な従者は主の名声を高める、傍にいるだけでもカリスマを増幅させる」
「……では私は優秀ではないと?」

パチュリーの言葉に咲夜の眉がつりあがった、同時に場の空気が重くなる
完全なメイドを自称する彼女にとって、優秀ではない事は許されない。

「これは本に書いてあっただけだから、私にはそれ以上のことはわからないわ」
「…………」
「百聞は一見にしかず、輝夜があなたより優秀かどうか、自分の目で確かめてみたら?」
「……そうさせてもらうわ」

返事をした次の瞬間には姿を消した咲夜、
残されたパチュリーは重い空気から解き放たれてため息を付く。

「……あー怖かった、本気で怒った咲夜を見たのは初めてよ」
「私は優秀じゃなかったの……」
「いつまで落ち込んでるのよ」


 ―――――


「さて、張り切っていくわよ!」

紅魔館の大廊下で掃除用具を両手に気合を入れる輝夜、
そしてその後方、曲がり角の影にはその様子を伺い続ける咲夜がいた。

「メイド長の三大職務の一つ、清掃……その腕前、見せてもらうわよ……」

ぎらぎらと目を輝かせて、輝夜の背中へ熱烈な視線を送り続ける、
ミスあらばそれを最大限に叩こうとも考えているかもしれない。

「……蓬莱流清掃術が奥義!!」
「何か叫んでる!?」

と同時に輝夜が足元のバケツを蹴り上げ、中の水を盛大に中空へとぶちまけた。

「はぁぁぁぁ!!」
「こ、今度は回り始めた!?」

両手にモップを抱えて高速回転する輝夜、
やがて降り注ぐ水が巻き込まれ、周囲に水の竜巻を作り出す。

「ファイナルサイコウォッシャーーー!!」
「飛んだぁーーー!!」

大廊下を右に左に手前に奥に、縦横無尽に水の竜巻が駆け巡り、
瞬く間に一切の汚れを洗い流してゆく、後には水気一つ残さずに。

「っと、こんなものかしら?」

輝夜の回転が徐々に遅くなり、停止と共に廊下に降り立つと、
水の竜巻もまるで何かに導かれたかのようにバケツの中へと降り注ぐ。

「(あ、ありえない……)」

目の前で起きた奇跡のような所業に、咲夜はただ驚愕することしか出来なかった、
優秀なメイドの優秀とはこれほどのレベルなのかと膝から崩れ落ちる。

「……まだよ、三大職務を全てこなしてこそ真に優秀なメイドなんだから!」

続いて輝夜が取り掛かったのは洗濯であった、
紅魔館の一室に山のように聳え立つ衣類の山、その高さは5mにも達していた、
これは紅魔館に棲む全妖精メイド一日分の洗濯物である。

「この難題、あなたはどう取り組むかしら?」

妖精達は放っておけば何日でも同じ服を着るので、
それではいけないと咲夜が洗濯を一手に引き受けていた、
普通の人間であらば丸一日かけても終わらない量である。

「時を止めれる私にしか出来ない仕事……あなたはどう取り組むかしら?」
「彼女は時を操れますよ、でなければ推薦しません」
「山田!?」
「では私はこれで」
「え、山田? 山田さん? 山田ー?」

さすがは正体不明神出鬼没のミス山田、いきなり現れてすたすたと去る。

「はー終わったー、永遠亭の因幡達の量に比べたらさすがに楽ね」
「洗濯も今のやり取りの間に終わっちゃってる! しかも楽って!?」

因幡達の洗濯物の山は一日に8mの山を積み上げると言われています。

「次はお嬢様に紅茶を淹れる時間ね」

そしてメイド長三大職務の最後の一つの時間である。

「お嬢様、紅茶の用意が出来ました」

主、レミリア・スカーレットの食事は全てメイド長の手作り、
仕える者として最も重要な職務である。

「(お嬢様の紅茶の好みは私にしか分からないっ!)」

ちなみに咲夜の今回の隠れ場所はベッドの下、
輝夜はそれに気づくことなく、着々と紅茶の準備を進めていく。

「輝夜」
「はい、何でしょう?」
「咲夜みたいにパッと出さないの?」
「待つ時間を楽しむ、それも風情というものですよ」
「……成る程ね」

そして輝夜の手付きを見つめながら、紅茶の味はどんなものだろうかと
思いにふける自分に気づき、軽い微笑を浮かべる。

「どうぞ」
「ありがとう」

ぴろりろりーん

「(今の効果音は何!?)」
「お嬢様のカリスマがアップした音ですね」
「(山田!? いつの間に隣に!?)」
「では私はこの辺で……」
「(お嬢様のベッドの下に隠し通路が!?)」

ここまで来るともはや隙間妖怪並のミス山田。

「ふぅ、美味しいわ」
「ありがとうございます」
「あなたは咲夜と違って優秀ね」
「(はうっ!)」
「いえ、咲夜さんも優秀な方ですよ」

レミリアからも飛び出た優秀という一言が咲夜の心に突き刺さる、
しかし次に輝夜の口から出たのは、それを否定する言葉だった。

「そう? 確かに使えるけど……あれとかあれが無かったらねぇ」
「どのような行為かは存じませんが、それもお嬢様への愛ゆえにでしょう」
「その愛の度が過ぎ過ぎてるのよ」
「もし本当の愛であれば、いつしか自らの欲よりお嬢様を優先するようになるはずですよ」
「そのいつがいつになるやら……」
「それを分かっているからこそ、今もこの館に置いているのでしょう?」
「……ばればれねぇ」
「長生きしてますから」

こうして二人が咲夜の話題で盛り上がっている頃、
当の咲夜はどうしていたかというと。

「うわぁぁぁぁぁぁん!!」

隠し通路を号泣しながら全速力で走っていた。

「私は優秀じゃない、無能、無能なのよ、無能無能無能!!」

そしてどこかへ続く出口を開け、飛び出した先にいた人物に飛び掛った。

「メェイリィィィィィン!!」
「うわぁ! 何で地面の下から!?」

飛び出してきた咲夜の時速は120kmにも達していたが、
そこは美鈴の巨乳、見事なエアバッグとなり衝撃を全て受け止めた。

「め、めいりん、私、わたっ、私、むのっ、無能、無能ー!!」
「ちょ、ちょっと落ち着いて!」
「ふぇぇぇぇぇぇん!!」
「あーほらよしよしよしよし……」

さすがに普段のように蹴り返すわけにもいかず、しっかりと抱きとめてあげる美鈴、
咲夜はその胸の中で数十分、涙が枯れるほどに流し続けてようやく泣き止んだ。

「美鈴、私って無能なのね、役に立たないクズなのね」
「えーと……無能じゃないんじゃないかな?」
「気休めはよして!」
「じゃあ無能」
「うわぁぁぁぁぁぁん!!」
「ああっ! いい加減離して!! というか血が! 血涙が!!」

さらに数分、ようやく血涙も止まったかと思えば、
今度は美鈴の胸の中ですさまじい形相を浮かべる咲夜。

「ふ……ふふふ、ふふふふふふふふふふふふふ……」
「さ、咲夜?」
「解せないわ、理解できない、何であいつが優秀になれて私がなれないのよ!」
「うわ、マイナスのベクトルが変わった」
「美鈴! あいつにあって私に無いものは何!?」
「え? あ……あ~、胸?」
「ぐはぁぁぁぁっ!!」
「独りでに吹っ飛んだー!?」

咲夜の胸はAぐらい、輝夜の胸はCぐらい、美鈴の胸は規格外。

「そうよ……そうだったわ、忘れるところだった、完璧なメイドを自称する私が
 唯一つ足りなかった物、どうしても克服できなかったがゆえにいつの日かそれを
 記憶から消し、忘れ去っていた事を……この忌まわしき我が胸の事を!!」
「そこまで悩んでたの!?」

次の瞬間には消え去っていた咲夜の姿、
一人ぽつんと残された美鈴はぽかんと咲夜がいたところを見つめ続ける。

「まずいこと……言っちゃったかなぁ」

とりあえず美鈴が先ほどの出来事全てを忘れる事にした頃、
パチュリーの書斎からは悲鳴が上がっていた。

「パチュリィィィィィ!!」
「ひっ! ひーーー!!」

パチュリーは何がなんだか分からなかった、のんびりと本を読んでいたら
いきなり読んでいた本が血まみれの小悪魔になっていたのだから、
そして自らを呼ぶ声に振り向けば、そこには修羅の如く聳え立つ咲夜の姿。

「ななな何何何!?」
「ふっ」
「ひゃっ!!」

椅子から引き落とされ、仰向けにされたかと思えば
頬を掠めるように地面に突き立てられる銀のナイフ。

「あなたの選択は二つ」
「な、何をすればいいの……?」
「豊胸薬を作るか、ここで死ぬか」
「ほ、豊胸薬!? あれは過去に何度も作ってあげたじゃない!」
「……訂正するわ、100%の効果を発揮する豊胸薬を、よ」
「む、むきゅ……」

レミリア以上に紅く輝く瞳を前に、パチュリーに拒否の二文字はなかった。


 ―――――


「これであなたともお別れね」
「はい、短い間でしたが、色々と勉強になりました」

輝夜が紅魔館に来てから一週間が過ぎた、
紅魔館の屋上で月を見上げるレミリアと、その背で深々と頭を下げる輝夜、
すでに輝夜はメイド服を着ておらず、いつもの着物姿で佇んでいた。

「分かってた事だけど、いざ永遠亭に返すとなると名残惜しいわ」
「私もいつまでも逃げ続けるわけにもいきませんから、それに……」
「それに?」
「お嬢様には、既に優秀なメイドがいるじゃないですか」
「そうね、ちょっとおかしなところがあるけど」
「そのほうが、共に歩むには楽しいですよ」
「長生きしてるあなたが言うのだから、間違いなさそうね」

ふわり、と輝夜の体が宙に浮く、その背には月を携えて、
レミリアも合わせて振り向き、互いに顔を見合わせる。

「今度は客人として遊びに来なさい、蓬莱山輝夜」
「ええ、その時は美味しい紅茶をお願いね、レミリア・スカーレット」

そして輝夜は満月に消え、二人の主の運命の交差は終わりを告げた。

「咲夜ー」

後はメイド長に咲夜を戻して全てが元通り……の筈だった。

「あれ? 咲夜?」

名を呼んでも咲夜が出てこない、数分待っても出てくる気配も無い、
一週間も放っておけば当然かと考え、館の中へと咲夜を探しに戻る。

「美鈴、咲夜を見なかった?」
「いえ、ここ数日は一切見かけておりませんが……」

その同時刻、パチュリーの書斎――。

「で、出来たわ……これこそが完璧なる豊胸薬よ!」

試験管の中でこぽこぽと音を立てるピンク色の液体、
パチュリーがそれを掲げると、すぐさま咲夜が奪い取る。

「ふふ、これで完璧を超えた究極のメイドになれる……!」
「胸の大きさって関係ないんじゃない?」
「さらば! 貧乳なる私よ!」

左手を腰に当て、豊胸薬をぐぐいっと一気に飲み干す。

「ぷはっ……はぁはぁ……ううっ!!」

そしてすぐに異変は現れた。

「む、胸が熱い……!」
「今度の薬は生命エネルギーを増幅させるタイプ、
 この量ならCカップどころかFカップまでいける筈……」
「ううう……」

胸元を押さえながらうずくまる咲夜、
パチュリーの目論見通りなら、そろそろ胸が大きくなり始める筈なのだが。

「ま、まだ大きくならないわ……」
「どうして!? 実験でも確実に成功していたわよ!?」
「はぁはぁ……熱さが……引いていく?」
「ちょっと見せてみて!」

メイド服の上から手を当てて、生命エネルギーの流れを確認する、
しかし何度もぺたぺたと触り続けるうちに、パチュリーの顔が青ざめ始める。

「……嘘よ、こんな事が……」
「一体何? 私の胸に何が起きたの!?」
「あなたの胸が……大きくなる事を拒否しているのよ!」
「な、何ですってぇーーー!?」

驚愕の新事実の発覚である。

「ここまで来ると巨乳アレルギーと名づけるべきね」
「嘘……嘘よ……そんなの……あああああああああ!!」
「咲夜っ!?」

途端に咲夜の全身から煙が湧き上がり始めた。

「こ、これは……生命エネルギーの暴走!?」
「お……おじょ、お嬢様ぁぁぁぁ!!」
「……百計逃げるにしかず!」


 ―――――


「何だこの揺れは!?」
「地震!?」

それは突如の事だった、レミリアと美鈴を襲う揺れ、
紅魔館には窓が殆ど無いため、二人とも急いで屋上への階段を駆け上がる。

「いや、地震の揺れ方じゃない、もっと人為的な揺れだ!」
「……お、お嬢様、あれ、西館が崩れてい……ふ、膨らんでる!?」

今レミリアたちが居る東館と、間に中庭を挟んで向かいに見える西館、
その外壁は段々崩れ落ち、しかしそれでもなお膨張し続ける。

「お姉さま!」
「レミィ!!」
「フラン、パチェ!!」

遅れて駆け付けてきた二人と共に、崩れ落ちてゆく西館を見続けるレミリア、
だがここで一人足りない事に気づく。

「パチェ、咲夜は!? 咲夜を見なかった!?」
「あ……えーと、その……咲夜なら……あそこに」

そういってパチュリーが指差したのは西館。

「まだあそこに居るの!?」
「違うの、違うのよ……あれが咲夜なの」
「な、何が言いたいの?」

そしてとうとう西館が完全に崩壊し、
世にも恐ろしい光景が全員の視界を覆った。

「オオオジョオオオサマァァァァァァ……」
「……あれが、咲夜」
「…………わお」

西館から出てきたのはとてつもなく大きな咲夜だった、
その身長はゆうに50mを超えるだろう。

「豊胸薬を飲ませたら胸が拒否して行き場の無い生命エネルギーが暴走してあんな風に」
「もっとわけがわからないわ!」
「というか何でメイド服まで巨大化してるんです?」

みょみょーん、みょみょーん、みょみょーん。

「な、何!? 今の効果音は!?」
「レミリア様のカリスマがダウンした音ですね、それも三回」
「ほわっつ?!」

いつの間にか五人目の登場です。

「オジョオオサマァァァ!!」
「あっ、やばい、こっちに気づきましたよ!」
「狙いはレミィみたいだし、捧げる?」
「私を見捨てる気!? あなたも道連れよ!」
「は、離してー、今対策を考えるからー」
「早く考えなさい! 咲夜がこっちに来る前に!」

レミリアに持ち上げられたまま数秒、ぴこんと豆電球がパチュリーの頭の上に浮かぶ。

「卵よ!」
「卵?」
「生命エネルギーはその源である卵で相殺できると書いてあったわ!」
「卵、卵はどこ!?」
「えーと、確か調理場は西館に…………」

駄目だ、といった感じでその場に膝をつくレミリア達、
しかしその中、ただ一人だけスカートの中に手を突っ込む山田の姿が。

「こんな事もあろうかと卵ならここに用意してあります!!」
『何で!?』

まさしく何でである。

「まあいいわ、これをぶつければいいのね?!」
「ええ、この距離を遠投でぶつけれるのは槍投げの名手のレミィだけよ!」
「いっけぇぇぇ! エッグングニル!!」

ぺしゃり、と咲夜の胸で10個入りのパック入り卵が砕け散った、
しかし咲夜は一切怯むことなく近づいてくる。

「オジョオオオオオサマァァァァァ!!」
「何も効果が無いんだけど!?」
「あら? えーと……あ、ごめんなさい、直径2mの卵じゃないと駄目らしいわ」
「それなんてでっていう!?」

すでに咲夜は中庭の三分の一の距離を詰めてきていた、
もしあれに捕まったらどんな事になるのか、考えただけでもレミリアの背に悪寒が走る。

「パチェ! 次の手を早く!」
「卵で駄目なら、直接生命エネルギーをぶつけるという手があるわ、お勧めしないけど」
「そ、それで!? そのぶつけるものは!?」
「……ここに五人」

途端、場の空気が固まった。

「もしかして」
「神風特攻って」
「やつ~?」

恐る恐る美鈴と山田とフランドールが口を開く。

「違うわよ、妖怪投擲」

帰ってきたのは辛辣な答えだった。

「……美鈴!」
「……はい、覚悟は出来ました」

もう問答をしている時間は無かった、
その場に直立した美鈴を抱え上げ、咲夜へと照準を合わせる。

「生きてたら有給、死んだら二階級特進だっ!!」
「紅美鈴、逝きまーーーす!!」
「でぇぇぇいりゃぁ!!」

綺麗な線を描いて美鈴が飛ぶ、
まっすぐに巨悪を打ち倒さんとその胸元にめがけて。

「フンッ!!」
「出たぁー!! 十六夜咲夜のハエ叩き!!」
「解説してる場合か山田っ!!」

紅美鈴、中庭に散る。

「レミィ、胸元じゃなく額を狙うのよ、そこなら撃墜されない……気がするわ!」
「気がするだけ!?」
「というわけで山田、準備しなさい」
「……はい」

第二弾、装填完了である。

「そぉいっ!!」
「や、やまー! やままー! やまーーーー……ぁぁぁぁぁぁ……」

しかし運命とは残酷なものだ、投擲された山田は咲夜に命中するどころか、
その頭上を飛び越えて遥か彼方にまで飛び去っていったのだから。

「……てへっ」
「照れてる場合じゃないでしょ、もう残った弾は……」

残った弾は、レミリアの妹であるフランドールと、友人のパチュリーのみ。

「あなた達を投げろと神は私に命じるのかしら?」
「大丈夫よお姉様、弾は増やせるもの!」
「増やせる?」

フランドールが一枚のスペルカードを掲げる、
フォーオブアカインド、三体の分身体を作り上げるスペルだ。

「これなら……!」

そして煌く羽を持った少女が天高く放り投げられる、
一発、二発と的確に咲夜の額を捕らえ、その体を後方へと揺り動かす。

「三発目、いっけぇぇぇぇ!!」

さらにもう一撃が咲夜にあたえられる、
さすがにダメージが蓄積したか、その大きな足がふらつくが、まだ倒れない。

「オジョオオオオサマァァァァァ!!」
「くっ、後は……」

振り向けば、残るはオリジナルのフランドールのみ、
さすがのレミリアにも、躊躇いが浮かぶ。

「フラン……」
「お姉様……」

見つめ合う姉妹、レミリアはもう何も言い出せなかった、
フランドールの自分を見つめる瞳が怖かったのだ、
だが、そんなレミリアをフランドールはぎゅっと抱きしめた。

「あのねお姉様、私ね、輝夜といっぱい勉強したの」
「……輝夜と?」
「お姉様と仲良くなるにはどうすればいいの、とか、どうしたら良い子になれるの、とか」
「フラン……」
「それではっきりと分かったの、私はお姉様のことが本当に好きだって事、
 だから私はお姉様の役に立ちたい、だから……お願い、お姉様」

フランドールはレミリアの左手を掴み、自らの腰へと当てる、
その瞳には何よりも強い決意がみなぎっていた。

「この一週間、ずっと静かにしてたと思ったらそういうことだったのね」
「うん」
「分かったわ……あなたと輝夜の思い、無駄にはしない!」

腰に左手を当てて持ち上げ、足の裏に右手を添えて装填は完了する、
この一発だけは外す事は許されない、そしてレミリアも外す気は微塵も無い。

「い……っけぇぇぇぇぇ!!」

そして煌く羽の最後の一発は、完璧なまでに額の中央を射抜いた。

「オジョォ……」
「よし、倒れる!」
「これで私達の勝利……」
「サマァァァァァ!!」

しかし咲夜は倒れない、最後の力を振り絞って足で地面を掴む。

「そんな!」
「大丈夫よ、あの状態ならあと一発で確実に倒れるわ!」
「あと一発……」
「そうよ、あとい……」

最後の弾が装填されました。

「ね、ねぇレミィ」
「何よ」
「今気づいたんだけど」
「うん」
「最初から弾幕撃ってたら普通に倒せたと思うのよ、そしてこれからも」
「ほう」

ここまで来て明らかになる驚愕の新事実。

「美鈴、山田、そしてフランドール、あなた達の為にもこの一撃……絶対に当てる!」
「やめてー、投げないでー!!」
「責任取って飛んでこぉぉぉい!!」
「悲しいけどこれって戦争なのよねーーー!!」

こうして紅魔館の危機は去った、
後に残るは満月を見上げながら感傷に浸る紅魔の主と、
瓦礫の上で安らかに眠り続ける従者や妹や友の姿だった。


 ―――――


「で、咲夜はまだ目を覚まさないの?」
「おかしいわね、もうとっくに目を覚ましてもいい頃なんだけど」

ベッドの中で静かに眠り続ける咲夜と、それを見守るレミリア達、
あの大事件から三日、未だに目覚める気配は無い。

「そもそもなんであんな事になったの?」
「咲夜が修羅の如く駆け込んできて豊胸薬を作れって言ってたのよ」

パチュリーが思い返すあの日の出来事、
それを聞いた美鈴が冷や汗を垂らすが、誰も気づく事は無い。

「まるで悪霊にでも取り付かれてるみたいだったわ」
「悪霊ねぇ……」
「悪霊には塩だよっ!」
「こんな事もあろうかと塩をお持ちしました」
「どーん!」
「こらフラン! 何やってるの!」

山田から受け取った塩をフランドールがふざけて咲夜の額に盛る、
見事にクレーター上の痣があれば盛りたくなる気持ちも分からなくもない。

「まったく、塩なんて盛っても意味なんかないわよ」

あたしゃまだここにいるよ――。

「……今何か成仏しなかった?」
「気のせいよ、きっと」

何か緑色の髪の小さな女性が天に昇っていった気がしないでもなかった。

「しかし目覚めないわね」
「そうだわレミィ、こういう時はあれよ」
「あれ?」
「ほら、あれよあれ」

首をかしげるレミリアに、パチュリーは自分の口を指差した。

「ああ、あれね!」
「そうよ、あれ」

あれに気づいたレミリアがささっと咲夜の上にまたがる。

「よし、いくわよ!」
「(……あれ、お嬢様……)」
「はむっ」



そして皆が見つめる中、濃厚で熱い熱いキスシーンがお披露目された。


※クライマックスシーンはこんな感じ。

         ,-r⌒L⌒」⌒yヽ、     ○(月)
      _r─ノヽヽ,_ _,ノヽヽイゝ、、
     rヽ,/ /       `ヽイヽヽ,
     r` /  /λ   入、ヽ、 ヽyi
     'y r イ____,ヽ,  ノ.,____ヽ、  ヽ, |
    ノ  ハ/ _____i レ' レ ______!i  ', ハ _人__.
     /、 / .}.T'ヒ_i´  ´ヒ_,!ア!!ヘi、  ゝ '、  (_
    ´ .!イ ハ/    ,         {ハ ハ ! /´゙〉 Y´
     /V !.人   ー─,-   ,イハ,-'、ヘ.,' /i  
    ,' / (Y.ノヽ..、 ̄  ,イインハ. ',./ / ハ    
    レ^iヽ/iY)´`7`T 7´ (y´ γ! ` /´〉ヽ_
      〉イ〈}>イ>.〈ハ / i Yノ、 .l !  -!_/ / ) 
    ,.イ 〈ハ7   Lムヽ」 }>イ」、 ゙ゝ-、_`フ´
    〈 r`ーハ!   レヘ__」    ,,.7`゙'ー─'´
   / __ ./l、   ⌒    _,,イ/  ___
  〈   `ヽ、!,-、        !、イ´- 7
   `ヽ、 ,'、ヽ、).ハ、___,,,,,....イ´ゝ、 <
    ,!イ、!、ヽ)-'----─=r'rイヽ、\「ヽ
  -''/  !7´      ノト-(  ヽ、`ヽ、
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
|        人人人人人(レミリア一行)       |
|____________________|
|                                  |
|           紅魔館東館             |
|                                  |
幻想と空想の混ぜ人
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コメント



0.2220簡易評価
4.80名前が無い程度の能力削除
つっこみどころが山ほどあってつっこみきれんわーwww
おもろすぎて腹筋割れました
とりあえずスカートから出す山田GJ
(さすがにパンツからじゃないんスね)
5.90SAM削除
おもしろすぎてつっこみが入れられません。
紅魔館唯一の人間は唯一の変態とはこれいかに。
6.80名前が無い程度の能力削除
偽名より、仮名の方がいいかも。
7.80名前が無い程度の能力削除
小悪魔の扱いに涙が止まりません
10.90名前が無い程度の能力削除
つっこみどころがありすぎてw
山田は今回も本職で登場ならずw
11.90名前が無い程度の能力削除
色々と有るけどとりあえず…
偽名で遺書書くなや
12.90bobu削除
面白かったです。
ありがとうございました。
15.70三文字削除
カオス過ぎるww
にしても、輝夜スゲエ!そしてツッコミが追いつかねぇ!!
17.100時空や空間を翔る程度の能力削除
ギャク満載の紅魔館は大好きです。
20.90名前が無い程度の能力削除
ちょwヨッ○ーアイラ○ドw
盛大に笑わさせてもらいましたw
そして小悪魔(涙
22.90名無し妖怪削除
どこからつっこめばいいんだwww
23.無評価名前が削除
個人的には、
主宰「評価に値せず。作り直し」
25.100名前が無い程度の能力削除
輝夜恐るべし!
で、おぜう様のカリスマは、結局戻らんかった訳ね。
26.70名前が無い程度の能力削除
いろいろカオスだwww
27.100名前が無い程度の能力削除
そうか!ヨッシーアイ○ンドか!
弾数に制限ありとは、原作より難しいな
33.100名前が無い程度の能力削除
笑わせていただきました! GOOD!
34.90名前が無い程度の能力削除
>「あら? えーと……あ、ごめんなさい、直径2mの卵じゃないと駄目らしい>わ」
>「それなんてでっていう!?」

腹筋壊れたw
まさかのヨッ○ーアイラ○ドwww
本当にフリーダムだw
38.100名前が無い程度の能力削除
貴方のギャグセンスは秀逸すぎる!
突っ込みを入れる隙がないほど笑ったwww
49.60やまびこ削除
なんて瀟洒な輝夜様www
咲夜に対してこうまでウザったそうに接する美鈴は貴重ですな(笑)
50.無評価名前が無い程度の能力削除
エッグングニルwwwwwwww
52.50名前が無い程度の能力削除
ネタが勢いだけじゃないか
53.100名前が無い程度の能力削除
いや~ワロタ
59.100名前が無い程度の能力削除
こいつはひでーや