以下の点にご注意をば
・リリーのホワイトとブラックは別人という前提です。
・リリーの性格付けがものすごく適当です。
・一部本編で接点のないキャラ同士が知り合い関係にあります。
・if話の類です。
◇◆◇
「死神さんよぉ、俺は――俺はさ、なんちゅうかこう、情けねぇことだがよ、寂しいんだわ。腹にぽっかり穴でも空いちまったみてぇなんだ」
「そうかい」
「だぁれも俺のこと知らねぇの。覚えてねぇんだわな。これじゃあまるでさ、ハナっから俺なんざいなかったみてぇだよ」
「んなことはない」
「桜よぉ、咲かねぇなぁ。俺は桜にまで愛想尽かされちまったのかい」
「桜は必ず咲く。そして必ず散る。まぁ、アレだ。誰も急かしたり叱咤したりはしないからさ、今は好きなだけ迷うといいよ」
◇◆◇
「――それでね、少々厄介なことに首を突っ込んでしまっているようなの」
「冬が長引いてるのと関係ありかしら? で、私にどうしろと?」
「万が一、ということもあるから連れ戻しに行ってもらえないかしら? 場所は冥界」
「面倒だわ~。冥界、遠い」
「春が来ないのは貴女だって困るでしょう?」
「それは貴女が線を『引き直せば』いいんじゃないの?」
「異変の解決は巫女が行い当局は極力異変に介入せず、が上の基本方針なの。ただ当代の巫女はどうにも動き出すのが遅くて――だからこれは私個人の頼み事。どうか、お願いします」
「む~、仕方ないわね~」
◇◆◇
桜色の冥界に彼女は足を踏み入れた。
満開の桜である。
どこまでも桜色が広がり、どちらを向こうとそれが視界に押し入ってくる。色は幾重にも重なり合い、冥界を染めている。
その海のような桜の群を割るようにして、大仰な石段がそびえていた。彼女の目的地はその石段を上った先にあったのだが、見上げれば上が見えないほど高いし、全体何段あるのか見当もつかない。
ため息を一つき、彼女は石段を上り始めた。
石段の左右にも絶え間なく桜が立ち並んでいる。その花がはらはら散るから一段一段がいちいち桜色だ。この場所はすでに春を迎えている。
けれどもちっとも暖かくはない。かといって寒いということでもなく、では適温なのかといえばそうでもないし、どうにも半端で据わりが悪い。強いて言うなら温い。
桜に切り取られた空は灰色に淀んでいて、鳥や虫の囀りなどはない。風景そのものに生気が欠落している。
代わりに場を満たしているのはどことなく柔らかで湿り気を帯びた陰の気だ。だから普通の花ならばたちどころに風景との間に齟齬を生じていたのだろうが、しかし桜は違和感なく溶け込んでいた。
この花自体が陰の気をまとっているからかもしれない――そんなことを彼女は考えていた。
彼女は名をリリーといった。春を伝えることを役割とする妖精、いわゆる春告精の類である。
例年であれば彼女がこうして冥界を訪れる理由など一切ない。春告精にはいわゆる管轄地のようなものがあり、ここは別の妖精の担当だからだ。
ただ今年はいつになっても一向に桜の咲く気配がなかった。彼女の知り合いの死神が言うことには、冥界の住人らが春を奪っているのだそうで、だからリリーはこうしてここを訪れたのだった。
その表情はどことなく陰りを帯びていて、別段下を向いているということでもないのに、少しうつむいて見える。身にまとった服は、全体は喪衣を思わせる墨染め色で、そのところどころに死人花のような赤の服地が織り込まれている。アクセントのリボンも赤い。
背中の羽根は白鼠、髪は質素な茶色で、肌は血色が薄く透けるように白い。
春を伝えるという華々しい役割に反し、彼女もまたこの冥界にさしたる違和感なく溶け込んでいた。
それは容姿のせいだけではなく、彼女が春を伝えるべき場所にも一因がある。
無縁塚。
それが彼女の春を伝えるべき場所である。リリーはそこに留まる死者たちに、一刻も早く桜を見せてやりたかった。
無縁塚の桜が散るとき、死者たちは迷いを断ち切って中有の道へと進んでいく。無縁塚の桜にはそういう役割がある。
ただそれは裏を返せば、桜が咲いて散らぬ限り彼らは先へと進めないということだ。
誰に知られることなく死んで、かつて彼らが生きていたという事実もまた、誰も知らない。孤独なのだ。そしてその孤独を抱えたまま延々と顕界に留まり、惑い、苛まれている。
――そんなの
放ってはおけない――そうリリーは思っている。
石段の頂上には三門のような門が構えられていた。戸は固く閉ざされている。
警邏やら門番やら、そういったものが配備されていてもおかしくはないはずなのだが、ここに到るまでそうしたものには一切遭遇してはいなかった。
多少不審には思ったが、同時に好機でもある。背中の羽根を広げ、門を飛び越える。
降り立った先には広々とした庭園が広がっていて、そして石段や門前同様、やはり誰もいなかった。
先には濃緑色の水をたたえた池があって、そこが庭の中心のようである。
そこに架けられた橋をリリーは渡る。
橋の中ほどで、ふと門の方を振り返った。
この橋を渡ればもう戻れない。
そんな気がしたからだ。無論気のせいである。
橋の上からは庭が一望できた。黒石の敷き詰められた州浜、淡い光を放つ石燈篭、茅葺屋根の茶室。
そして無数の桜。
本来は枯れた色感の主たる庭なのだろうし、また注視すれば杜若だ何だと他の花々も生えているのだが、今は桜の独壇場だ。舞い落ちた花びらは庭土や池の水面までもを桜色に染め上げている。
散った花は死んだ花、過去の花だ――いつだったか死神はリリーにそう言った。なら今この庭を舞い、埋め尽くしているのは桜の亡骸ということだろうか。
ただ、普通の花は萎びて散ってそこまでなのだろうが、桜の花はそうなる前に散って、散った後も色鮮やかに己を主張する。
だから少し杜若が哀れだった。
亡骸を踏みしめ、彼女は歩いていく。
桜の果てには入母屋の屋敷が静かに佇んでいた。白玉楼、というのだそうだ。
屋敷へと近付く。
さすがにそろそろ見咎められるかと思ったが、やはり誰も出ては来ない。ひょっとすると単に春を告げに来ただけだと思われているのかもしれない。それならそれで好都合である。
冥界の主は割と話の分かる人なのだとリリーは聞いていた。だから故を話し、無縁塚分の春だけでも返してもらおうと考えていた。
「あらあら~」
突然背後で声がした。それは間延びしたような穏やかな声音だったのだが、リリーは他者の気配など微塵も感じていなかったから驚いた。
振り返る。
――桜?
そう見えた。
そこに一人の女が立っていた。
桜だと思ったのはその髪の毛で、それは周囲の桜と同じ色をしていた。
「冥界に妖精とは、珍しいわね」
澄んだ声である。女の、桜色をした髪が冥界の風になびく。
「西行寺幽々子さん、ですか?」
「ええ、そうだけど――春を伝えに来た、というわけではないようね」
何の前触れもなくリリーは目的の人物との邂逅を果たしていた。
古の名門、西行寺家の当主。冥界の管理人。
そういう仰々しい肩書きに反し、目の前の女性のまとう雰囲気はひどく穏やかだ。浮かべた笑みは春日のように暖かだし、自分よりもよっぽど春らしいとリリーは思った。
身を包む着物は淡い藤色で、蝶のように結ばれた腰帯がそれを引き締めている。なだらかな曲線を描いた身体が強調され、いかにも女性的である。
まあお上がりなさいと言って楼主は手招きをした。
◇◆◇
「死神さんよ、あのお譲ちゃん――リリーっつったか? 大丈夫なのかい?」
「妖精はちょっとやそっとじゃ死なないよ」
「でもよぉ、俺生きてた頃にさ、稗田さまんとこの本で読んだんよ。冥界のヌシ様の力はそりゃあ、やべぇんだって」
「大丈夫さ……大丈夫」
◇◆◇
「迷った~」
「わからなかったら人に、って寒っ!」
「あ、ねこだ」
「ちょ、来ないでっ! 寒い!」
「ねこねこ~」
「いにゃぁーー! 来ないでってばー!」
◇◆◇
板張りの廊下の左右には、壁のように襖戸が立ち並んでいる。リリーは前を行く幽々子に従いその廊下を進んでいた。
古い建物である。別段傷んでいるとか朽ちているとかいうわけではないが、そう感じる。
それは前を行く幽々子についても同様で、容貌はうら若い婦人然としているのに、どことなく昔めいている。その所作はゆったりとしているが、反面無駄な動作がなく流れるように動くから、あたかも体重がないかのようだ。
――どこまで行くの?
やたらと長い廊下である。
随分と歩いたような気がするし角もいくつも折れたのだが、歩の止まる兆しが一向にない。外から見た以上に大きな屋敷のようだ。
代わり映えのない光景にリリーは少し退屈していた。だから何となく道中やり過ごした襖の枚数を数えたりなどしていたが、あんまり枚数がかさんだから途中で数えるのをやめた。
幽々子は普通に歩いているように見えるが、不思議と足音が聴こえない。またこれだけの規模の屋敷だというのに誰かとすれ違うということもない。屋敷の中はしんと静まり返って、リリーの足音ばかりが妙に響き渡っていた。
その後更に進むと、変化に乏しかった廊下はようやく終わりを告げ、屋敷の外のりに沿って設けられた回廊式の廊下へと出た。
回廊は中庭に面していて、その庭は白色をしている。
一面に白砂が敷き詰められているのだ。白砂には流水を表す砂紋が描かれていて、その流れの中にいくつかの黒い塊が見える。庭石が数個ずつ集められて配されたものだった。
庭全体はコの字を描いた建物と一枚の油土塀により囲まれるような形となっている。塀の向こうにはまたしても桜が見えた。
――桜の幽霊みたい
塀に隠れて根元が見えないからか、あるいはここが冥界だからか、そんなふうに感じられる。
ただそれらはあくまで塀の外側にあって、庭そのものには桜は一切生えていなかった。
松。苔。
中庭にある植物はその程度だ。
そして石。
風にそよぐ桜に対し、目の前の庭は静止していた。
リリーの前を行く幽々子は立ち止まり振り返る。そして歌うように語りだす。
「栄枯盛衰のサクラ」
――桜はあっと言う間に散って
「イワは動かない。揺るがない」
――石はずっと、今のまま
「白玉楼自慢の石庭よ」
まったく対象的な二つのものが向かい合っていると感じた。
もっとも桜の花びらは境を越えてこちら側にも入り込んでいたし、また石も時とともに磨り減ったりはするのだろうから、それは単なる印象に過ぎないのだろうが。
幽々子は近間の部屋から二人分の座布団を持ってきて、それを廊下に敷いた。
「廊下でもいいかしら? ここが一番眺めがいいの」
障子は見飽きていたから、むしろ外の方がありがたかった。
厨に行くと言って幽々子はその場を後にする。
そうして一人残された。
妙に静かで、少し漫ろになる。
とりあえず座ろうとは思った。ただいかんせん普段床に腰を下ろす機会があまりないので、作法が分からなかった。
物は試しと、見よう見真似で正座をしてみる。
――いたい……
すこぶる足が痛かった。
とても堪えられそうになかったので、結局ひざを三角に折り曲げて座る。すると足の痛みは消えた。快適である。
ただこれでは座布団の意味がないような気がするし、またひざを鋭角に曲げているからスカートがぴんと張ってしまう。裾丈が足りず普段隠れている足先が露出して、どうにも落ち着かない。
それに全体に黒で統一した服を着ているというのに靴下だけが妙に白かったから、変に思われはしないだろうかと心配にもなった。
それを紛らわすようにして庭へと目をやる。
いたって様相に変わりはなく、瑣末なことであたふたしている自分が何だかひどく小さく感じられた。
しばらくすると幽々子が盆を手にして戻ってきた。盆には二人分の湯飲みが乗せられている。
幽々子はリリーの前に茶を供すると、自分の座布団に正座し茶を一すすりした。
足は痛くないのだろうかと感心しつつ、リリーも茶を口にしてみる。煎茶のようだが猫舌のリリーには熱かったので、味のほどは分からなかった。それでふうふうと吹いて茶を冷まそうとしたが、うっかり湯気を吸い込んでしまいむせてしまう。それを幽々子はおかしそうに眺めている。
しばらくは二人とも何も話さず、茶を飲んでいた。目の前の庭のせいか、妙にゆっくりと時間が流れていくような気がした。
「ところで」
庭石はいくつに見えるかしら――リリーが茶を飲み終えたところで、幽々子は問うた。
「14個です」
問いの意図は汲めなかったがとりあえず見たままを答えた。
「外れ。15個ね」
確かに14個だと思ったが数え間違えただろうか。
そう思ってリリーはもう一度石の数を数え直してみたが、やはり14個に見えた。
「どの角度から見ても必ず一つ見えない石ができてしまう。そういう造りになっているの」
場所を移してご覧なさいと幽々子は言った。
言われた通りにしてみると、確かに先ほどは死角になっていた場所にもう一つ石があるのが見て取れた。
小さな、丸みを帯びた石だった。
そうして代わりに別の石が消えた。
「十五夜の満月はその翌日には欠け始めてしまうでしょう? だから十五は完全な数と言ってね、その先はないの。何かが完全になったとき、その何かにとっての終わりが始まる……だからこの庭は石を一つ隠して完成を拒む。不完全たらんとするのよ」
終わりのない箱庭。
それはこの屋敷からにじみ出る気配に良く似ていた。
「まあ、先代の庭師の受け売りだけどね。この屋敷が傷まないのもこの庭のおかげなんだとかなんとか。庭が守っている、ということなのかしら? 本当かどうかは知らないのだけど」
そこまで言うと、幽々子はその居住まいを正した。
「さてと、それで本題は何かしら?」
少し空気がひんやりとして、緊張感を孕んだような気がした。
「冥界のどこかに春が集められています」
「そうね」
風に乗った花びらが数枚、通り過ぎる。
「あなたの差し金ですか」
「そうね」
幽々子は特に悪びれた様子もない。
「返してはもらえませんか」
「ん~、悪いけどお断りね」
「なぜ」
「どうしても咲かせたい桜があるの。そのためには大量の春が要る」
そんなことは――
「理由になっていません。それはただの――道楽です」
「道楽、ねぇ」
幽々子はすっと扇を開き、それを口許へあてた。
「否定はしないけれど、それでも咲かせたいのよ」
「無縁塚の人々だって春を待っているんです」
無縁塚に限ったことではない。どこからだろうと、誰からであろうと、訪れるべき春を奪って良いなどという道理はない。
「無縁塚? 貴女、無縁塚の?」
幽々子意外そうな表情をした。そしてそれは、しまったとでも言いたげな面へと変わる。
「そう……まったく、妖夢ったら」
「ようむ?」
聞きなれない単語である。人名だろうか。
「こちらのことよ。まぁ納得もいかないでしょうし、付いていらっしゃいな。見せてあげるわ、その桜をね。そうすればきっと分かってくれる。貴女だって絶対に――」
咲かせてみたくなる――そう言って幽々子は立ち上がった。
あの桜とやらの下に春が集まっているのだろうか。とりあえずまだ幽々子を説得できていないのだから付き従うしかないのだが。
「ところで庭石はいくつだったかしら?」
幽々子は何を思ったのか先ほどと同じ問いを投げかけてきた。
「15個です」
「正解。ところで庭石はいくつだったかしら?」
不可解に問いが繰り返された。
「15個です」
「外れ。14個ね」
幽々子は飄々とそう言った。
◇◆◇
「浮かない顔ね。小町、何を考えてる?」
「……」
「彼女のこと?」
「迂闊でしたよ……四季様、西行寺のお嬢の力は――」
「妖精にも及ぶわね」
「……あたい、ちょっとサボリますんで」
「待ちなさい。私たちは六十年周期の異変以外への介入は許されていません。異変解決は、巫女の役目です」
「ですが」
「念のため助っ人は頼みましたし、『ルール』だってある。その辺りは西行寺幽々子も弁えているでしょうから、安心なさいな」
「……四季様がそう言うなら」
「ただ」
「ただ、なんです?」
「富士見の娘は……いえ、何でもないわ」
◇◆◇
「テンションが……おや? メルランたら、ちょっと見ない間に背が伸びたわね」
「私はそんな名前じゃないわ」
「貴女、冬の音がする」
「冬の音?」
「……雪の降る音よ。しんしんと降り積もる雪の音。それは今にも消え入りそうな音楽、ここでは――」
「よくわかんないわ。それよりこれ、どうやって開ければいいの?」
「それは開かないよ。ちなみに私たちは飛び越える」
「へえ」
◇◆◇
満開の桜の行き路を二人の人影が歩んでいる。
墨色の少女と桜色の女。
二人が歩を進めるたび、地に積もった花の亡骸が踊る。頭上にあるべき仄暗い空は、しかし花の天蓋に覆われてその姿を隠してしまっている。乾も坤も桜に蹂躙され、その境界は失われてしまったかのようである。
――春だ
むせ返るような春の奔流をリリーは感じる。
中心は近い。宙を舞う無数の花弁がリリーの身体に触れ、流れていく。
二人が歩いているのは白玉楼の裏手から通じた道である。その白玉楼もすでに桜に覆われ見えなくなっていた。
リリーは前を行く幽々子の背に目をやる。風景が桜色だからその髪と周囲の境は曖昧だ。まるで着物だけがゆらゆらと一人歩きしているように見える。
「見えてきたわ、西行妖が」
そう言って幽々子が前方を指差した。
そちらを見やると一際太い桜の幹が見えた。周囲の桜に阻まれて全容は知れないが、幹を見るに相当の大きさだろう。
――なんだろう
不吉な感じがする。
何か良くないモノが辺りを漂っている。じわりとリリーの背中に冷や汗が浮いた。
これ以上進んではならない。
リリーの中の何かがそう警告している。だというのに何かに引き寄せられているのか、あるいは単なる惰性なのか、歩は止まらずに進んで行ってしまう。
やがて空を隠していた桜の天幕が途切れる。
西行妖はその全容を露にした。
――大きい……
古く、そして巨大な桜。太い幹は重ねた歳月を物語り、分かれた枝は蜘蛛の巣のように広がり空に亀裂を描いている。生えるというよりも、そびえるといった方が相応しい威容である。
その前に二人は並び立った。
五分咲きほどと思しきその花は少し紫がかっている。無縁塚のものと同じ、妖怪桜である。
だがそこから放たれる気配は全く異なっていた。
――これは
陰の気、狂いの気。
そして忌まわしいまでに濃密な
――死だ
目の前の桜には大量の死が宿っていた。そしてそれは、自然に宿ったものではない。
――この桜が殺した
禍々しい。
桜は確かに死を想わせる花だが、しかしそれは同時に再生や再会をも意味している。
年が一廻りした暁にまた桜が咲くように、再び相見え微笑む。
そういう願いが桜にはこめられているのだ。
だが目の前の古桜には死しかない。
死で終わってその先が、無い。
それは、幽雅に咲いた――
――墨染めの桜……
辺りが屍の気に満ちているからだろうか。花の色は紫だというのにそう見えた。
「素敵でしょう?」
「え?」
鈴を転がすような声がした。
桜の花開くのが待ち遠しくて待ち遠しくて仕方がない、そういったふうな声。
その声音はとても朗らかで優しく、その言い方はまるで幼子のように楽しげだったから
かえってぞっとした。
桜髪の女が嗤っている。
見るんじゃなかった――リリーは後悔した。西行妖よりも目の前の幽々子の笑顔の方が、ずっと怖かった。
こんな禍々しいものを前にして、なぜそんなに嬉々としていられるのか。
こんな穢れ果てた空間で、どうしてそんなふうに微笑むことが出来るのか。
それがリリーには理解できない。その笑顔は先刻のものと変わらないはずなのに、奇妙に歪んで見えた。
そしてぴたりとその笑みが止み、両の眼がリリーを凝視する。穴が穿たれたように冥く、無機質な眼。
――ああ、死んでる
己は亡霊と話をしていたのだ。
急にそう意識した。途端に全身が粟立つ。
背中はぐっしょりと濡れて冷え、歯の根はとうに違ってかちかちと音を立てている。
これ以上その眼は見たくない。ただただ怖い。しかし頭蓋は万力で固定されたかのように動かず、目線は何かに囚われたかのようにその眼へと吸い寄せられてしまう。視線を逸らすことは、叶わない。
「は、春を返してください」
「どうして? こんなに綺麗なのに」
震えながら必死に発した言葉は、しかしどこかへと流れていってしまう。
亡霊は、どうにも不思議だ、理解できないといったふうに首を傾げている。
すぐ近くにいるのに、その姿はどこまでも、百由旬も二百由旬も遠ざかっているように感じられた。
通じ合えない。
隔絶している。
「これは――良くないものです。咲かない方がいい」
そう言うのが精一杯だった。辺りの空気は鉛のように重く淀んでいる。西行妖から溢れだした死が澱のように沈殿しているからだ。それが幾百の百足のようにリリーに絡み付いてくるから、気が違いそうになる。
だから気を落ち着かせるべく、深呼吸をしようとした。
それがいけなかった。
鼻から、口から、這入り込まれた。
くぐもった嗚咽を漏らしながらリリーはその場にうずくまり、激しく咳き込んだ。目から涙が溢れる。肺は痙攣し、呼吸がままならない。それを抑えてやっとのことで空気を吸ってもまた同じものが流れ込んでくる。肺胞が死でいっぱいになる。それはぬめぬめと体の中を這いずり回って、じわじわとリリーを冒した。
そのとき涙で濡れた彼女の瞳に青いものが映った。
――蝶?
いつのまにか無数の蝶々が妖しく、青白く輝きながらリリーの周囲をひらひらと飛んでいた。
「さっきも言ったのだけど」
幽々子は先ほどと変わらぬ、楽しげな調子でいる。涙ぐみながらリリーが見上げると、ひずんだ笑顔が見下ろしていた。
「満開になるには大量の春が必要なの」
何が言いたいのだろうか――怪訝に思ったリリーの右袖を一頭の蝶がかすめた。ほんの一触、それだけで途端に袖の服地は砂のようになり、さらさらと虚空へ消えていった。
白く、華奢な腕が露になる。
「春告精というだけあって、なかなかいい春を持っているじゃない」
幽々子が舞うようにして扇をくるり返す。すると蝶々の数が膨れ上がり、網のようにリリーを包囲した。
――まさか?
「いいわ――とても良い供物になるわ」
――殺される
「ま、待っ――」
「さようなら」
言葉は無下にされ、大量の蝶々がリリーへと迫る。
リリーは思わず眼を閉じた。
――だめだ……
春を持ち帰ることは出来ない。
だから無縁塚の桜は咲かない。
死者たちは先へと進めない。
――ごめんなさい
「冬符『フラワーウィザラウェイ』」
――え?
涼やかな声が響き渡った。
――誰?
恐る恐る眼を開くと、リリーに迫っていた蝶々たちは消えていた。
声のした方を見る。
無数の光の帯が回転している。そしてそれらが広がり戻り、広がり戻りして五弁の白花を象形する。
次の瞬間光の帯は迸り、残っていた蝶々を薙ぎ払った。
光の通った跡には桜が舞う。
それがリリーの掌の上に落ちてきた。
――冷たい?
ほろりと溶けて小さな雫になる。
桜と思ったそれは、銀色の雪のかけらだった。
「仏には」
天津水が如き桜の只中を、一人の女が歩いてくる。
「桜の花を奉れ」
空気が凛と冴え渡り、ひどく清浄な冷たさが辺りを覆った。
女の周りでは桜を拒むかのように粉雪が舞う。
風でふわりと膨らむ髪は、冬の薄明の空と同じ色をしていて、それが雪のように白い相貌に僅かな彩りを添えている。
身を包む服地は冷たい白と、突き刺す青。背には薄氷のように透けた外套が翻る。
冬を纏った女――
「レティ――さん?」
レティ・ホワイトロックがそこにいた。
「久しぶり~、リリー」
場違いなほどに穏やかな、しかし不思議とよく通る声である。それはなぜだか妙にリリーを安堵させた。
緩やかな動きでレティはリリーの方へと歩み寄り、そして幽々子の方へと向き直る。
「こんにちは、亡霊姫」
「こんにちは、雪女郎」
二人は朗らかに挨拶を交わした。どちらも物怖じる様なく、泰然としている。
「春、返しなさいな」
「いきなり闖入しておいて、一番がそれなの?」
「一番じゃないわ。三番くらい」
「どうして冬の妖怪が春の到来を望むのかしら?」
「冬の妖怪だからに決まっているでしょう。明けない冬はない。冬はやがて必ず春になるから、冬というのよ」
「季節、と言ったところかしら? でもね――」
忘我の果ての、純粋な精神が語る。
「返すわけにはいかない。私はなんとしてでも満開の西行妖が見たいの。邪魔はさせない」
「そう言われてもねぇ――このまま夏と接続してしまったら冬が冬ではなくなってしまうのよ。それはちょっとばかり困る」
「それに、これを見てみなさい。これが満開になるのよ? それはそれは美しいに違いないのよ。ねぇ、貴女も見てみたいとは思わない?」
小袖から伸びる手で古桜を指し示し、冥界の女は情熱的に、そして誇るかのように捲し立てた。
「話を聞かない人ねぇ……枯れ木は枯れているから美しいのよ。亡骸を焼いた灰なんて、必要ないわ」
冬の女は、少しも揺るがずにそう返した。
そしてしげしげと幽々子を見る。
「貴女は元人間?」
「そのときのことは忘れてしまったわ」
「根は人間」
「何が言いたいの?」
「人間にこの花は毒なのよ。狂おしいほどに魅せられて囚われて、そのまま寂滅~……そういう道を辿った奴はわんさといるわ」
諭すような口調である。怖くはないのだろうかとリリーは思う。
「あら、私は至って平静よ? まあ仮に貴女が言うように私が狂っていたとして――それはそれでまた本懐というものよ。第一、もう死んでいるのだし」
「ん~、それもそうね。まあ、確かに貴女が狂おうがどうしようが、そんなことはまったくどうでもいいわ。ただ――」
春は返しなさいとレティは言った。
そしてその言葉を境にして沈黙が辺りを包む。
さざめく桜の音と、自身の乱れた呼吸音だけが、妙にはっきりとリリーの耳を侵す。
天地を繋ぎ貫く化生の桜の下、春色の女と冬色の女は互いを見詰め合う。かたや死を纏い、かたや冬を纏う、陰の極致の女達。
情景は静止している。桜と雪だけが自在だ。
そのときリリーは、その二つが擦れ合う幽かな音色を聞いたような気がした。
そして幽々子が静やかに口火を切る。
「雪女に桜の魅力は伝わらず、と」
「果てた魂に枯れ木の美しさは伝わらず、と」
レティも幽々子ももう笑ってはいなかった。
「決闘かしら?」
「決闘でしょうね。リリー」
「は、はい」
「あなたも手伝いなさいな。春、取り戻すわよ」
そう言うとレティは一枚の符を取り出した。
◇◆◇
「くろまく~」
◇◆◇
無縁塚の桜はわずか数本ばかりで、白玉楼や博麗神社のそれに比べて随分と数が少ない。
だからその様はいたく慎ましやかであり、満開を迎えてもあくまで春の風景の一部としてひっそり咲くばかりだった。
花の色は少し紫がかっている。
その花陰にはいくつかの石が、同じようにひっそりと佇んでいた。どれもこれも雨風と歳月に洗われている。無縁塚の死者たちのために設けられた墓石だ。
ただどうにも朽ちているから自然の石と見分けがつかない。知らぬ者が見ても、それが墓石なのだとは気が付かないだろう。
墓石の周りには捧げられるようにして杜若が植えられていた。
すでに花目当てに人や妖精、妖怪までもが集まってきている。花曇の下、ほどよい風の吹く桜日和だ。寝転がる者、ござを敷いて座る者、みな思い思いの格好で桜を愛でていた。
「で、結局二人とも追い出されちまったと」
小野塚小町はそう言うと、どっかと草の上にあぐらをかき、そして盛大なあくびを一つした。普段身に着けている髪留めは今日は見当たらず、特徴的な赤い髪はすべて下ろされて風になびいている。また仕事道具の鎌も見当たらなかった。
リリーが冥界から戻ってきて一週間ほどが経過していた。
その際、リリーは随分と小町からその短慮をたしなめられた。彼女の性格からするとそれは珍しいことだったから、彼女は彼女なりにリリーのことを心配していたのだろう。
今は小町からせがまれ、ことの成り行きを話していたところである。
ただ冥界での出来事はひどく昔のことのように感じられ、あのとき感じた恐怖も忌避感も何もかもが、まるで春霞の彼方に押しやられたようにぼんやりとしか思い出せなかったから、語るのには少し難儀した。
「レティさん、かなり無理してたみたいです」
あのときレティは余裕綽々として見えたのだが、実際には眠くて眠くて仕方がなかったらしい。冥界を追い出された後で当人が語っていた。
「あれだ、涅槃雪ってやつだ。冥界だけに」
うまいこと言った――と小町は一人ごちる。
レティはわずかな量の春が手に入ればそれで良かったらしく、また実際戦いに紛れて西行妖からいくらか春をくすねていた。そもそも端から勝とうとは思っていなかったのだそうだ。
そうして手に入れたなけなしの春を――
「お前さんと巫女に託したってわけかい。でもって、お前さんはここの桜をちょいと咲かせて、巫女は託された春を武器に冥界に殴りこみか」
事の顛末はそういったふうである。ただレティは巫女に痛めつけられたようではあった。妖怪が手放しで巫女に協力することはあまり良しとはされないから、戦いの果てに春を奪われたという体裁が必要だったのだろう。
「西行寺のお嬢は海千山千だからねぇ。直接どうこうするよりかは巫女を支援した方が早い」
急がば回れだねと小町は言う。
実際その通りで、リリーがレティから受け取って持ち帰った春だけでは、無縁塚の桜は五分咲き程度にしかならなかったのだが、結局すぐさま巫女が異変を解決したので、数日のうちに桜は満開となったのだった。
「まあその海千山千も四季様にたっぷりこってりしぼられたわけだけど」
「え? まさか冥界までお説教に?」
「熱心だからねぇ、あの人。でさ、四季様が言ってたけど、結局まあ西行妖とやらは満開にはならなかったんだとさ」
「そう――なんですか」
リリーはぼんやりと石庭でのやり取りを思い出す。
完全になったとき、終わりが訪れる。
ならばあの桜が満開になっていたら、一体どうなっていたのか。何かが終わっていたのか、それとも何も変わらなかったのか。
今となっては分からないことである。
なぜか幽々子の、最初に出会ったときに見せた春のような笑顔が頭の片隅をよぎった。
「それにしても……結局私はなにもできませんでした」
「んなことはない。わざわざ冥界に突っ込んでったじゃあないか」
「それだけです」
「それで十分さ。ここの連中だって感謝してたよ」
屈託のない笑顔で小町は笑った。
「それと、これも四季様から聞いたんだが、もともと無縁塚には手を出さないつもりだったらしい。従者の手違いだそうだ」
「ひょっとして、ようむ、という名前ですか? その従者さん」
「あ~、そう、確かそんな名前だ。あの屋敷の庭師らしいよ。それと、幽々子から直接あんた宛に言伝があってね――」
脅かしてすまなかっただとさ、と小町は言った。
「やっぱり……ふざけてたんですね」
「なんだい、気付いてたのかい?」
「レティさんとの命名決闘にきちんと応じてましたから」
レティはそれに気が付いていたから無理を押して戦いを挑んだのだろう。スペルカード制に従う限りにおいて、おおよその戦いは戯れと等しくなる。
要するに自分一人だけが過剰に怯えていたということだ。
何だかばかばかしくなってリリーは笑った。
「あんたがあんなにもあの桜に感応しちまうとは思ってもみなかった、ってさ」
「そう思ったなら早く助けてほしかったですけど」
「ま、亡霊のさがってヤツだろうねぇ」
ただ、たとえあのとき幽々子はふざけていたのだとしても、西行妖が死に塗れたモノだったということには変わりない。そして彼女がそれを満開にしようとしていたことも。
――けれど
それは詰まるところ生者と死者の感覚の違いに過ぎないのであって、別に幽々子が狂っていたということではないのだろう。
ただ単に違っていただけだ。
幽と明。その決して交わらぬはずの二本の線がひょんなことから交差した、それだけのことだ。
そこに垣間見えたのは、生きては見えぬ――
「咎重き、黄泉路の桜……どうだったい、春告精?」
芝居がかった口調で小町がたずねた。
「この世のものではない美しさ、でしたよ。でもいかんせん数が多すぎでした。自己主張ばっかりで、ここの桜たちのような慎ましさがない」
「手厳しいね」
「春告精ですもの」
同じく芝居がかった調子でリリーは微笑んだ。
やはり彼女は無縁塚の桜が一番好きだった。
「……ここの桜はさ、見てると無性に哀しくなるんだ。なんでなんだろうね」
すっくと小町は立ち上がり、一本の桜の下に歩み寄った。
一陣の風に赤々とした髪の毛がそよぎ、一瞬彼女の顔を覆い隠す。
「色見えで うつろふものは 世の中の
人の心の 花にぞありける」
静かに小町が呟いた。
「誰の歌ですか?」
「さぁてね。詠み人知らず、だ。昔のことさ」
「なんです?」
「なんでもないよ」
そう言って小町は桜をなぜる。
その表情は哀しそうでもあり、愛おしそうでもあり、そして何だかひどく美しかった。
「春なんだねぇ」
しみじみと小町は言った。
その言葉に呼応するかのように一際強い東風が吹き、紫の桜がほろほろと散った。
枝から別れた花は、濃い紫色から透けるような薄紫へとその色を変じ、淡い陽光の中をほのかに光りながら舞う。その輝きは、一たび目を離せば宙へと溶けていってしまいそうなほど、弱々しい。
――無縁塚が泣いている
情景はどこまでも儚い。
しかし同時にそこには約束された円環がある。
桜の理は栄枯盛衰。人も結局は桜と同じで、いつか衰え滅び、そして廻り巡る。
その桜の芳葩が、朽ちた墓石の上にはらりと舞い落ちた。
「……時間だね」
小町の手に、奇妙な形に湾曲した鎌が現れる。
「さて、逝こうか」
とても優しい声だった。
彷徨っていた魂たちが死神の下へと集まってくる。もう迷いはないようだった。そうしたものは桜が持っていってしまったのだろう。
赤い髪の死神にいざなわれ、魂たちは中有の道へと進んでいく。
人も妖怪も妖精も、誰も彼もが立ち上がり、静かにそれを見送る。
誰かが教えたわけではない。作法があるわけでもない。それでもそうあるべきだと、そうしなければならないのだと、皆が感じていた。
それはさながら葬送の儀式のようだった。
故に今この瞬間に言葉は要らないのだろう。何を言っても、きっと蛇足にしかならないに違いない。桜の、淡く儚い彩りだけでこの場は十分だ。
だから聞こえるか聞こえないかの小さな声で、リリーは言う。
「春ですよ」
彼岸に近き地は、少し遅れて紫に輝いた。
純粋に面白かったです。
次回もあるなら読んでみたいですよ。
レティかっこよかったのに涅槃雪は酷いw
レティの黒幕っぷりも面白かったです。こういう裏話的な事を書けるのが二次創作のいいところですね。久しぶりに目が覚めた。
つまり何が言いたいのかと言えば、もっと作品を!!ROM結界に戻るなんてとんでもない!!
気が向いたらまた、SS書いてください。楽しみにしてます。
まさに黒幕、白岩さんたらふとまs・・・恐ろしい子!
現実世界ではいつリリーが春をつげにやって来るのでしょうか。
白岩さんちょっと自重してくださいw
なによりも嬉しいのは、貴方の幻想郷と私の幻想郷はとても近い。そのことが嬉しいです。
あとレティ最高ー。
でも良いw
二人の役割を再確認できたのと、雰囲気が伝わってきてよかったです。
こういう言葉選びも文章のテイストとしては重要だなあと改めて思いました。
話の合間に巫女達の様子も書かれているのがよかったです。
ゆゆさまの怖さに惚れ直したぜ
黒リリーとこまっちゃんとレティとは、珍しいとりあわせながら面白いものでした。
他人のフンドシを無断で借りるなら「妖々の頃、彼岸編」みたいな。
ところで黒幕さん今冬はちょっと張りきり過ぎじゃないですか。
格好いいレティさんに可憐な小町、上手く表現できていたと思いました。
もし次回作があるなら必ず読ませて頂きます!
いやー、面白かった。
カッコいいレティ!このレティは自分のイメージぴったりですわ~。
お話は原作のストーリーに上手く合わせられていたと思います。
このレティの春に対する認識は面白いですね。ちょっと考えさせられました。
それと幽々子とレティのやり取りもすごくキャラのイメージ通りで良かったです。
レティと黒リリーの共闘……ごんじりさんGJ!!
こんな素晴らしいSSを書くあなたがROM結界の彼方に戻る?
……これはSS界の異変だ!お~い巫女さん出番だよ~!
今年の黒幕はこのSSぐらいカッコイイに違いないw
ありがとうございました
レティも幽々様もかっこいい!!
レティは意外でしたが,幽々様がハマりすぎ。
こまっちゃんの雰囲気もいいなぁ…。
>では、ひとまずROM結界の彼方へと帰ります。
『ひとまず』ってことは,次回作期待していいんでしょうか?w
むしろ,するなと言ってもお待ちしてます
お見事の一言
本編のほうにも無理なく繋げてしまったその手腕は、まさに圧巻といった感じでした。
そしてなんとも幻想的な幻想郷をありがとうございます。
投稿してから何度か修正をかけましたので、早い段階で読んで下さった方は、ごめんなさいでした。
>>いい二次創作です。
これは……初投稿冥利に尽きます。
>>話の合間に巫女達の様子も書かれているのがよかったです。
実は合間で猫を追い回しているのはレティさんだったのですが、言われて読み返してみるとそれを示す手がかりが全然なかったので、修正かけました。分かりにくい書き方で申し訳なかったです。
>>次回作があるなら
あることにはあるのですが、書くのが異常に遅い orz
>>多量のネタ
気付かれましたか……ありがとうございます。
改めて、お読みいただきありがとうございました。
「くろまく~」以降で本編に繋げたとこが凄いです。
いいですねレティ。
次回作も楽しみです。
初作品からこれとは……