Coolier - 新生・東方創想話

風邪

2008/02/05 10:13:45
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注意
このSSは文×霊夢というマイナーCPです。
前半と後半でかなりの差があります。
作者の自己満足作品です。




「けほっけほっ・・・」

頭痛い・・・喉痛い・・・
寒気がするのに身体は熱く、視界はぼやけて脳が上手く動いてくれない・・・
うん、かんっぺきに風邪引いた・・・
数日前から予兆はあったけど、全く気にしてなかったなぁ・・・
たかが風邪と侮る物じゃないわね・・・

「薬・・・あったかなぁ・・・」

まるで自分のものじゃないみたいに動きにくい自分の足に力を入れ、立ち上がる。
立つだけだというのに、どうしてこんなにも力がいるのか。

「あ・・・れ・・・?」

立ち上がろうとした瞬間、バランスを崩して尻餅をついた。
何回か試してみても、結果は変わらず。

「参った・・・こりゃ重症だわ・・・」

諦めて、背中から布団に倒れこむ。
立つという単純な動作をしようとしただけなのに、呼吸が乱れていた。

「は・・・ぁ・・・はふ・・・」

何とか呼吸を落ち着けて、溜息を吐いた。
風邪なんてここしばらく引いてなかったけど・・・こんなにもシンドイものだったっけ・・・
それにしても・・・参ったなぁ・・・
こんな状態じゃ薬を探せない。
永遠邸に薬を貰いに行くなんてもっての他。
この神社には私以外に誰もいないから、誰かに頼むこともできない。
こういう時に限って、紫や萃香は覗いてないし・・・

「誰か・・・来ないかな・・・」

いつもなら、呼ばなくても来る連中。
普段鬱陶しく感じる事もあったが、今だけは、来て欲しいと思った。
首を動かし、障子の方を向く。
いつもなら空から縁側に誰かが飛んできて―――

「こんにちはーーー!スクープの為なら例え火の中水の中、毎度お馴染み文々。新聞でーす!♪」

声と共に勢いよく開かれた障子。
そこに立っていたのは、烏天狗の射命丸文であった。

「巫女あるところにスクープあり!ってなわけで取材しに来ましたー♪・・・って・・・あやや?なんだかこれ以上に無いってくらい調子悪そうなんだけど・・・大丈夫?」

私がいつもと違うことに気づいた文は、記者モードからオフへと変わったようだ。
中に入ってくると、私の布団の隣に腰を下ろす。

「は・・・ぁ・・・今日は取材なんかに付き合ってる余裕無いわよ・・・」
「いやまぁ・・・それは見れば分かるんだけど・・・」

文は私の言葉に苦笑し、それから私の額に手を伸ばしてきた。
冷たい手のひらが、熱い身体には気持ちが良い。

「うわ・・・すっごい熱じゃない。大丈夫なの?」
「は・・・ふ・・・大丈夫・・・と言いたいところだけど、はぁ・・・正直キツイ・・・」

少し話しただけなのに、息が乱れてくる。
なんかさっきよりも酷くなってるかもしれない。
文はそんな私を見て、少し焦ったような表情をしていた。
そんな表情をするほど、今の私は酷い状態なのだろうか。

「あのさ・・・そこの棚に薬箱がある筈だから・・・取ってくれない・・・?」
「それは良いけど・・・何か食べてからの方が良いんじゃない?胃が空の状態で飲むのは良くないと思うけど?」
「じゃあ戸棚に御菓子入ってるからソレとって・・・」
「あのねぇ・・・もっと栄養あるもの食べないと治るものも治らないわよ・・・」

文は呆れたように溜息を吐いた。
それから立ち上がると、台所の襖の方へ歩いて行く。
襖を開けたところで振り返り、仕方なさげな顔を向けてきた。

「台所と食材借りるわよ。なんか体力つくような物作ってくるから、大人しく待ってなさい」

それだけ言うと、文は台所へと消えていった。
襖を閉められたから、文の様子は見れない。
特にすることもないから、私はぼーっと襖を眺めている。
しばらくすると、中から小気味の良い包丁の音が聞こえてきた。

「そういえば・・・文の料理って食べたことないなぁ・・・」

ちゃんと作れるのかしら・・・
まぁ作れなかったら作るなんて言い出さないだろうけど。
そんなことを考えていると、食欲をそそる様な、そんな匂いがした。
この匂いは・・・味噌だろうか。

「これなら・・・期待できそうかな」

文の料理・・・か。
うん、結構楽しみかも。
あの子は意外とマジメだから・・・魔理沙みたいに変な茸入れたりなんかしないと思うし。
まだかまだかと期待しながら待っていると、程なくして襖が開いた。

「お待たせ。体の調子はどう?」

一人用の土鍋と茶碗の乗ったお盆を持った文は、こちらを気遣いながら布団まで歩いてくる。

「うーん・・・さっきと変わらず・・・かな」
「まぁそりゃそうよね・・・ほら、支えてるから体起しなさい」

苦笑しながら文は布団の側に座ると、私の背中を支えながら半身を起してくれた。
さすが天狗・・・私が力入れなくても軽々と起してくれるとは。

「はい、文さん特製の雑炊を召し上がれ♪」

そう良いながら文が土鍋の蓋を開けた瞬間、美味しそうな香りが部屋に広がった。
中を見てみると、どうやらカボチャをメインとした味噌風味の雑炊らしい。
カボチャの他にも、人参や大根などの野菜がたっぷりと入っている。
へぇ・・・料理上手いのねぇ・・・
私が少し驚いている間に、文は手際よく茶碗に雑炊を盛り付けていた。

「ありがと。いただくわ」

私は文から茶碗を受け取るために手を伸ばす。
しかし、文は茶碗を持っていない方の手でそれを制した。

「・・・・・・?」

何がしたいんだろうコイツは・・・
そんな文の顔を見ると、何やら楽しそうな笑顔。
絶対何か企んでそうな・・・
そして文はレンゲで雑炊を掬うとこちらに差し出してきた。

「はい、あーん♪」
「断る」

何となく想像していた文のセリフに、私は即答した。
そんなこっ恥ずかしいこと誰がするか。
そんな私に、明らか不満げな表情を浮かべる文。

「人が折角作ってあげたってのに、食べないって言うの?」
「食べさせてもらわなくても自分で食べれる」

そう言ってまた手を伸ばすが、断固茶碗を渡そうとしない文。
楽しそうな笑みを浮かべながら、レンゲをずいっと口元に運んでくる。

「アンタは・・・病人で遊んで楽しいか?」
「失礼ねー。私はただ親切心で食べさせてあげようと思ってるのに♪」

なんだその♪マークは。
絶対楽しんでるなコイツ。
私は無言で講義の視線を送る。
文は全く気にしてないような・・・むしろ更に楽しそうな表情でレンゲを差し出してくる。
コイツ・・・一度食べさせるまで絶対やめる気無いわね。
まったく・・・仕方ないわね・・・

「・・・分かったわよ・・・」
「あやや。意外と聞き分けが良いのね」
「了承するまで止めるつもりなかったくせに・・・」

文は玩具を手に入れた子供のような表情をしながら、改めてレンゲを向けてきた。
そして改めて、あのセリフを言う。

「はい、あーん♪」
「ぅぅ・・・あー・・・ん・・・」

おずおずと開いた口に、レンゲが差し入れられた。
うわぁ・・・目茶苦茶恥ずかしい・・・
そんなことを考えながら、口内に入れられた雑炊を咀嚼する。
口の中にカボチャの甘さと出汁の香りが広がった。

「ぁ・・・美味しい・・・」


そんな私の呟きに、文は嬉しそうに微笑んだ。
さっきま楽しそうな笑みとは違った、もっと別の笑顔。

「口に合ったようで良かったわ。ほら、冷めないうちに食べなさい」

そう言うと、再びレンゲを差し出してきた。
またか・・・と思ったが、こんなに嬉しそうな表情向けられたら、何も言えない。
・・・まぁ、いっか・・・
別に誰かに見られてるわけでもないし。
ここは文が満足するまで従うとしよう。
私は文に食べさせてもらいながら、食事を続けた。
・・・結局、最後まで食べさせられた。

「・・・ごちそうさま・・・」
「お粗末さまでした。食欲はあるようだから、これなら安心かしらね」

食事の最中、文は終始笑顔だった。
食事を褒められて嬉しかったのか、私をからかってそんなに楽しかったのか。
・・・おそらく両方だろう・・・

「さて、あとは薬飲んで大人しく寝ていれば大丈夫ね」

そう言いながら、棚から薬箱を取り出してきた文。
そこから風邪薬を取り出して、水の入ったコップと一緒に手渡して・・・はこなかった。

「コレも飲ませてあげようか?♪」
「断る!」

即答。
文はちぇっと残念そうに舌打ち。

「大体・・・薬なんてどうやって飲ますってのよ・・・」

まさか薬までレンゲで飲ますわけにはいかないだろうが。
けれど文はそんな私の質問に、怪しげな笑みを浮かべた。

「そんなの簡単じゃないの」
「は・・・?」

何言ってるんだコイツは。
そんな簡単な方法・・・あるわけ・・・

「ほら、こうするのよ・・・」
「え・・・ちょっと待っ・・・」

私の制止の声も聞かず文は薬と水を自分の口に含み・・・

「ん・・・ぅ・・・」

何の躊躇もせず唇を重ねてきた。
冷たい液体が、口の中に流れてくる。

「ん・・・ちゅ・・・」

苦い・・・
けれどほんのりと・・・微かな甘さを感じるのは何故だろうか・・・
抵抗しようにも、腕をガッチリと固定されていて動かせない。
さすが天狗・・・
私はゆっくりと、液体を嚥下していくしかなかった。

「ん・・・ちゅ・・・はふ・・・」

私が全て嚥下したのを確認してから、文はようやく唇を離した。
顔が熱い・・・
あぁもう・・・絶対熱上がった・・・

「・・・何すんのよ・・・」
「薬飲ませてあげたのよ」

あんな飲ませ方があるか!!
ってか何で頬染めてんのよ・・・
恥ずかしいのは私の方だ。

「あやや・・・顔が赤いですよ?」
「熱のせいよ・・・ていうかアンタ、風邪うつっても知らないわよ・・・?」

・・・自分で言っといてなんだけど、天狗が人間の風邪を引くのだろうか・・・
私の言葉に、文はキョトンとした顔をする。
それから少し言葉を迷った後、ポツリとつぶやいた。
頬を紅く染めながら。

「それで貴女の風邪が治るなら、私は全然構わないわよ」
「え・・・?」
「貴女が苦しんでるのを見続けるよりは、自分が風邪引いたほうがマシって言ったの」

今度はハッキリとした口調でそう言った。

「だって貴女・・・最近ずっと調子悪そうだったじゃない。咳は酷いし、いつもに増してぼーっとしてたし・・・」
「確かにそうだったけど・・・どうして知ってるのよ・・・」

ここ最近コイツに会った覚えはない。
それなのに・・・どうして知っているのか。

「私この間言ったわよね。貴女の事を一番知ってるのは私だって」

神様騒動の時に、確かにそんなことを言っていた気がする。
でもそれって天狗達の中でって意味じゃ・・・

「私ね、新聞のネタを捜している時、いつも自然と神社に向かっちゃうのよ・・・。神社の木から、縁側にいるあなたを眺めてた」

突然のことに、私は何も言えない。
文は、そのまま話し続ける。

「最初はホントに、神社に行けばスクープ見つかるかなーとしか考えてなかった。けど最近は、もっと別の目的のために神社に向かってることに気づいたのよね」

文はそこで一度言葉を区切った後、私の目を真っ直ぐと見据えながら言った。


「スクープなんて関係無しに、単に貴女のことを見ていたかったんだって」

急なことに頭が正常に働いてくれない。
えっと・・・つまりはどういうこと・・・?
上手く理解してはいないくせに、なんか顔が熱くなってくるのはどういうことか。

「あー・・・えっと・・・つまりはですねぇ・・・」

なんか急に記者モードの口調が入り混じってるし。
それからしばらく言葉を迷った後、一度深呼吸してから口を開いた。

「いつからかは分からないけど、私にとって貴女は特別になっていたのよ」

頬を紅く染め、とても穏やかな笑顔でそう言った。
私はというと・・・なんか突然のことに何も言えない。
ただ分かることは、熱が上がっただろうなぁ・・・という感覚だけ。
そんな私の様子に、文は困ったような笑顔。

「急にこんなこと言って悪かったわね。けど・・・なんか良い機会かなって思って。自分の気持ち隠しておくのも嫌だったし」

文は自分の頬を掻きながら、苦笑混じりに言う。
私は、未だ混乱している頭を少し整理してみようとした。
私の事をいつも見ていたと言う文。
調子の悪そうな私の様子に、気づいてくれていた。
今日だって、もしかしたら私の事が心配で来たのかもしれない。
そして・・・私の事を特別だと言った。
つまり・・・これは・・・

「あ・・・ははは・・・!ホントゴメンね!今のは忘れて!か、風邪に障るかもしれないし、私そろそろ帰るから!」

文は私が黙ってるのを困ってると判断したのか、急に立ち上がると、そのまま踵を返す。

「あ、ちょっと・・・!」

私は反射的に、文の腕を掴んでいた。
けれど熱のせいで身体を上手く支えられない。

「ひゃっ・・・」

走り出そうとしていた文に引っ張られるような感じで、私の体が前に倒れる。
多分このままいくと畳に顔面からぶつかるだろうなぁ・・・
けど今の私にすばやく腕を伸ばすような体力は無い。

「あっ・・・」

文の驚いた声が聞こえる。
私はそのまま床に倒れこんだ。

「・・・あれ・・・?」

痛くない・・・
畳の硬い感触すらない。
それどころか、柔らかな、そして温かな感覚。

「は・・・ぁ・・・もう・・・気をつけなさいよね・・・」

すぐ近くから聞こえた、文の声。
畳に倒れる間一髪のところで、私は文に助けられたようだ。
文に、抱きしめられるような体勢で。

「ぁ・・・ありがと・・・」

取り合えずお礼は言っておく。
けど、なんか分からないけど文の顔が見れない。
熱が上がるばかりか、鼓動も速い。

「き・・・急に掴んだりしたら・・・危ないわよ・・・」
「アンタこそ・・・勝手に帰ろうとするんじゃないわよ・・・。あんなこと言っといて・・・」
「だから・・・アレは忘れてって・・・」

ああもうコイツはさっきから勝手なことばかり・・・
私は顔を上げ、文の顔をじっと見る。
その瞬間文は顔を逸らし、私と視線を合わせようとしない。
まぁ目を合わせられら今度は私が何も言えなくなりそうだから、このまま続けよう。

「そのままで良いから質問に答えて・・・答えられないことなら答えなくても良いから」

文は少し迷った後、こくりと頷いた。

「じゃあ最初の質問。今日来たのって、私の風邪が心配だったから?」

文は頷く。
どうやら肯定らしい。

「じゃあ次の質問。さっきの薬の口移しは、からかってたワケじゃないのね?」

またしても肯定。
文の頬が真っ赤に染まっているのが分かる。
嘘は吐いてないみたいね。
それじゃそろそろ・・・確信的な質問いってみるか。
そろそろ頭ぼーっとしてきたし・・・

「それじゃあ最後の質問。・・・特別っていうのは・・・その・・・そういう意味で受け取って良いわけ?」

敢えて言葉を濁して言ってみる。
そりゃ私だって恥ずかしいし・・・
文は、中々頷かない。
その代わりに、今までの比じゃないくらいに顔を真っ赤にしていた。
これは・・・肯定と捉えて良いわよね。

「ん、分かった」

言ってから、私は文の顔に手を添え、無理やりこっちに向かせた。
こうでもしないとずっとそっぽ向いてそうだったし。
文の顔はこれ以上にないってくらい真っ赤に染まっていて、瞳にはうっすらと涙すら浮かんでいた。
ったく・・・これじゃ私がいじめてるみたいじゃないのよ。

「えーっと・・・まず何から言おうかしら・・・」

向かせたは良いけど、まだ考えが纏まっていなかった。
うーん・・・取りあえず思ってること全部言ってみるか。

「取りあえずね・・・からかってるわけじゃなくても、口づけはいきなりしないこと」
「はい・・・ゴメンなさい・・・」

怒られてる子犬のようにしょぼくれてる文。
これじゃまるで椛のようだ。

「けど、今日来てくれたことにはホント感謝してるわ。ありがとね」

今度は無言。
どんな反応して良いのか分からないご様子。

「それから・・・えっと・・・急に特別とか言われても、何とも言えないわよ・・・」

うわぁ・・・見事な落胆っぷり。
全く・・・ちゃんと最後まで聞きなさいよ。

「そういう反応は、話を最後まで聞いてからにしなさい」
「ふぇ・・・?」

文の額を軽く指で弾いてやる。
文はキョトンとした表情で、ようやく私と目を合わせた。
う・・・こうやって見られてると今度は私が言いにくい・・・
けど今更視線外せないしなぁ・・・
あぁもう・・・しっかりしろ私・・・!

「けどね・・・特別って言われた時、正直、嬉しかった」

文の目を真っ直ぐ見据えながら、私は言った。
文は、よっぽど私の言葉が予想外だったのか、何も言わずキョトンとしてる。

「口付けられた時もね、驚いたりはしたけど、嫌だとは感じなかった」

もしあの時、嫌悪感を抱いていたのなら、多分私は文の事を引っ叩くか突き放したりしていただろう。
でも、そうしなかった。
あの時感じたのは嫌悪感じゃなくて、頬が熱くなる感覚と速くなる鼓動。
そして、微かな甘さ。
博霊の巫女として、誰かを特別だなんて思ったことは無い。
人間妖怪問わず、同じ用に接してきた。
だから急に特別だと言われても、正直実感が湧いてこない。
けど・・・嫌じゃないって事は嬉しいんだろうか。

「うーん・・・だからね・・・、貴女の言ってる『特別』と同じかは分からないけど、私も貴女のこと・・・ってうわぁっ・・・!?」

そこまで言った瞬間、文に抱きしめられた。
というか抱きつかれた。
いや・・・しがみつかれたと言った方が正しいかも。

「・・・嬉しい・・・です・・・」
「そりゃどうも。でも言った通り、貴女の感情とは違うかもしれないわよ?」
「それでも嬉しいんです・・・ありがとうございます・・・」

さっきから記者モードの口調連発。
慌てたり動転すると口調が入り混じるのか。
しがみついたまま胸に顔をうずくめて顔をあげないから、取りあえず頭を撫でておく。
しばらくこうしてれば落ち着くだろう。

「・・・できれば抱きしめてくれると嬉しいんだけどねぇ・・・」
「却下。っていうかもう大丈夫そうじゃないのよ」

視線だけ上げてそう言った文の口調は、すっかりいつも通りだった。
私は軽くため息を吐きながら、文を引き剥がす。
文は「ちぇー」とか言いながらも、素直に私から離れた。

「あはは・・・いやぁ・・いきなり悪かったわねぇ」

うーん・・・見る限り嬉しそうだなコイツ。
さっきまでのしょぼくれた様子は何処に行ったのやら。
でもまぁ、こんな表情されて悪い気はしないか。
ふぅ・・・なんか気が抜けてきた・・・
気を抜いたら、さっきまで気にならなかった熱が急にぶり返してくる。
うわ・・・だる・・・
そんな様子を見た文は、なんか苦笑してるし。

「風邪、悪化したかしらね?」
「かんっぜんにアンタのせいだ。よって、治るまでの間私を不自由な生活させないように看病する事。アンタに拒否権はないわよ?」

そう言ってやると、文は少しキョトンとした表情をした後、満面の笑みを浮かべて言った。

「はい、喜んで♪」





文×霊夢のSSが見つからなかったんで、自分で書きました(笑)
最後のほうかなりやっつけ仕事です・・・
当初は、もっとラブラブっぷりを書こうと思ってたんですが、どこをどう間違ったらこうなったんだ・・・?w
まぁこういう性格の方が霊夢らしい気がするんですけどね^^
このSSは風神録での「貴女のことを一番良く知ってるのは私だから」っていう文の台詞を見たら書きたくなったSSですw
いや、まぁあの台詞はそういう意味じゃないことは分かってますけどね!
天狗の集団の中でって意味だと思いますけどね!
でも・・・やっぱり妄想は広がるじゃないですか?v
まぁそんなわけで、文×霊夢にハマリきってしまいましたとさ♪
文の口調が敬語じゃないと欠いててすっごい違和感ありました・・・^^;
でも書きたかったんだもの・・・w
あと、最初の方と後のほうで文が別人みたいですが、勘弁してください;
それでは、こんなに長々と読んでくださってありがとうございましたー♪

こゆき
http://www.geocities.jp/snowfantasy0030
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コメント



0.620簡易評価
2.50名前が無い程度の能力削除
カップリングはともかく、ネタとしてはあり。……だと思うのでキャラ作りをもっと練りこんでいればいいかなぁ、と。
前書き通り前(読み始め)と後で文のセリフの変化に微妙に違和感があったし。
5.無評価名前が無い程度の能力削除
文の口調に微妙な違和感が……
6.70名前が無い程度の能力削除
後半でなぜ記者口調がまじったのかよくわからなかったけど全体的には良いと思う
7.-10名前が無い程度の能力削除
8.50名前が無い程度の能力削除
最初はニヤニヤできて単純に楽しかったんですが、仰るとおり途中から変わり過ぎますね。
正直ここまで急に変わっちゃうと、読者としては置き去りにされた感が強いです。
通常、このような展開の場合、霊夢が気付かないのは良いとしても、読者には「ん?文もしかして(ニヤリ)」と思わせる伏線を予めいくつか仕込んであったら良かったんじゃないかと思います。
11.70創製の魔法使い削除
あぁ・・・久しぶりにストレートなSSを読みました。
たまにはこんなSSも良いですねw

甘くて素晴らしいSSだと思います


私も文の口調に少し違和感を感じました^^;
12.70名前が無い程度の能力削除
ラブラブですね
14.無評価名前が無い程度の能力削除
自分はこんなSSは好み♪
少しあやちゃんの口調に違和感を感じましたがいい小説かなと。

後下のコメ欄で … て書いて-10点されている方、理由を言いましょうよ