オリジナルキャラクターが出ます。お嫌いな方はご注意ください。
ここはどこなのだろうか・・・。
よく分からない。
そもそも、自分は誰だったか?
それすらも分からない。
季節は冬。
朝靄に埋もれる深い森の中。
辺りはそういう風景ばかりだ。
幸い道はある。
しかし、どっちから来たのか良くわからない。
方角も分からない。
「ふむ、これは参ったな・・・」
口に出してみる。
しかし、事態は解決するわけもなく。
寒い。暗い。見通しは利かない。
悪い条件ばかりだ。
記憶を辿ってみるものの、突然この世に生まれたかのように、
ここに立っているより前の記憶がすっぽり抜けている。
身なりを確認してみた。
黒いコート、黒いキャップ、茶色いハイネック、ジーパン、
黒いハイカットの靴、茶色いソックス・・・。
どうやら、自分は黒と茶がすきだったようだ。
手荷物を確認。
携帯電話に財布、あとシルバーの飾り気の無いジッポとタバコ・・・。
持っていたのはそれぐらい。
持ち物の名称や使い方が分かる辺り、どうやら知識だけは生きているらしい。
字も分かる。
と、財布の中にあったカードに名前が書いてあった。
「薄ヶ原・・・薙?」
ススキガハラナギ。
どうやら、これが自分の名前らしい。
自分の状況を冷静に判断できる辺り、前はそういう人間だったようだ。
手荷物が少ないところから見るに、
旅行とか探索とか、大きなことをしていたわけでもないようだ。
「・・・・・・ん?」
何か、声が聞こえたような。
相変わらず、森は朝靄に沈んでいる。
と、さっきまで無かったのに、目の前に黒い物体が現れた。
子供一人が入るぐらいの球体で、真っ黒。おまけに少し浮いている。
「・・・・・・見るからに怪しいな」
怪しい。どう見たって怪しすぎる。
「アナタは食べていい人類?」
黒い物体がしゃべった。確定。危険である。
声は子供のようだが・・・。
「ちょっとまて。食うって俺をか?」
「ほかに誰がいるのよ。アナタ、外の人間でしょ?」
「は?」
意味が分からない。
外・・・よそ者のことだろうか。
「確かに俺はよそ者かも知れんが・・・
だからって食うというのは穏やかじゃあないな」
「アナタだって、お腹すいたらご飯食べるでしょ?
それと同じよ。同じ」
左足を一歩引く。
逃げる体制に入った。
「ひとつ言って置く。俺を食うと腹壊すぞ」
「そーなのかー。でも私には関係ないね。
お腹壊したこと無いもん」
「毒があるんだ」
「ふーん、メランコリみたいなこというのね。
でも、妖怪に効く毒じゃないと意味無いよ」
まあバレバレな嘘なんだが。
「妖怪にも良く効くぞ。三日は寝たきりになる」
「そんな毒だったら自分の体がもたないよ。
そもそも、人間に毒があるなんて聞いたこと無い」
あー、ダメっぽいなこりゃ。
「そうかい?実は新種かも知れないじゃないか。・・・というわけで」
左足に体重をかけ
「トンズラ!」
体を回転させて一気に駆け出す。
「あ、まてー!」
球体も追ってくる。
「・・・じょおだんじゃねえぞおおおおおお!」
すごいスピードで。
そもそも浮いている時点で気づくべきだった。
浮く=空が飛べる=速い
という方程式そのままだ。
「ちくしょー!さすが妖怪!追いつかれる・・・」
ん?妖怪?
「自分で言っといてなんだが妖怪ってなんだああああああ!」
「だからよーかいだってばぁ、よーかい」
「うお!?」
すぐ隣に金髪の女の子が浮いていた。
声からするにさっきの球体の中身らしい。
「外にはもうよーかいっていないみたいね、その様子からするに」
一人感心している。
「ところでさ」
「なんだよっ!おにーさんは君から逃げるので忙しいのっ」
「下下。もしくは足元」
「ん?」
ヒュオオオオオオオォォォォ・・・
足元に広がっていたもの。
それは、断崖から飛び出した自分の体と、そのはるか下に見える、
谷間を流れる川。
高さはとりあえず10mはろうか。
「まぁ、なんというか、アレだな。こーいう時のこーいう展開って」
頭の中にある知識から、適当な言葉を選ぶ。
「?」
「ベタだよねええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・・・・!」
かくして彼は、激しいドップラー効果とともに谷川へ転落していったのでありました。
で、その後彼はどうなったのかというと。
彼はそのまま谷川に流されて下流へ下流へと流されるわけなんですが、
川といえば、やっぱり付き物は滝。
-死ぬって!
クロール、平泳ぎ、バタフライととにかく覚えている泳ぎを試してみたものの、
川の冷たさに体力を著しく奪われているため、思うように泳げない。
そして、彼はそのまま滝から勢いよく吐き出されるように飛び出し、
その3mほど下にある川に全身を強く打ちつける形で着水。
服を着ているとはいえ衝撃が体中を襲うため、内臓に振動が伝わり、
肺から空気が抜け、それを補おうと呼吸をしようとする。
しかし、それがかえってよくなかった。
思いっきり水を飲んでしまったのである。
「が・・・!」
苦悶に喘ぐが時すでに遅し。
呼吸もままならず、パニック状態に陥ってしまった彼はそのまま意識を失ってしまう。
後は、流れに任せて下流へ下流へと流されていくばかり。
一方そのころ、彼、薄ヶ原薙が最初に立っていた場所には、
別の人物が立っていた。
「ふむ・・・おかしいな。この辺りに大きな揺らぎは無かったはずなんだが・・・」
九本の長い尻尾を持つ、女性が一人。
顔立ちから見て、18~20代始めのころ、といった感じだ。
「ん?」
振り返った先、森の中から三人の少女が談笑しながら飛んでくる。
背中には羽根。
妖精だ。
「おいお前たち」
「うわっ!?」
彼女は、一瞬で背後へ回り、妖精たちの羽根を摑んでいた。
「や、八雲藍!?何であんたがこんなとこにいるのよっ」
三人のうちの一人、金の短髪を持つ妖精が声を上げる。
「私がどこにいようと私の勝手だ。
それより、ここに居たはずの人間はどうした」
「さ、三人でルーミア見せて追いかけたらあっという間に逃げてったよ。
それで」
「で?」
「近くの川に落とした」
「・・・あーーーもう!」
言うが早いか、彼女「八雲藍」は妖精達を放り出し森の中へと走った。
-揺らぎが観測されてそんなに経ってない・・・無事だといいけど。
近くの谷川へたどり着くと、10mある高さを躊躇なく飛び降り、
ところどころに点在する岩場を、飛び移りながら下流へ。
彼女が、薙を見つけたのはそれからほんの五分後。
滝よりさらに下流で、彼は中州に打ち揚げられていた。
「はぁ・・・見事にずぶ濡れだな・・・」
溺れていたのだから仕方ない。
打ち揚げられた際に、どうやら水を自分で吐き出したようだ。
そもそも、息があるだけでも運がいい。
「これでは、博麗に連れて行くわけにもいかないか・・・」
本来は、見つけ次第博麗神社に連れて行かなければならないが。
「・・・はぁ。しかたない」
当の本人が意識不明ではどうしようもない。
おそらく体もあちこち打ち身だらけ・・・ひょっとしたら骨も折れているかもしれない。
「帰ったら矢意殿にお願いしに行かないと」
直で連れて行っても良いのだが、あそこへいくには時間がかかる。
けが人を連れて動き回りたくも無い。
「紫様がなんと言うか・・・」
考えるだけでも憂鬱だ。
だが、彼には聞かなければならないことがある。
八雲藍は、薄ヶ原薙を抱えてとんでいく。
自分の家、「マヨヒガ」へと。
彼の奇妙な物語はこうして幕を開けることになるのだが、
当の彼はまったく気がついてないわけで。
まあそれは、別のお話。
ここはどこなのだろうか・・・。
よく分からない。
そもそも、自分は誰だったか?
それすらも分からない。
季節は冬。
朝靄に埋もれる深い森の中。
辺りはそういう風景ばかりだ。
幸い道はある。
しかし、どっちから来たのか良くわからない。
方角も分からない。
「ふむ、これは参ったな・・・」
口に出してみる。
しかし、事態は解決するわけもなく。
寒い。暗い。見通しは利かない。
悪い条件ばかりだ。
記憶を辿ってみるものの、突然この世に生まれたかのように、
ここに立っているより前の記憶がすっぽり抜けている。
身なりを確認してみた。
黒いコート、黒いキャップ、茶色いハイネック、ジーパン、
黒いハイカットの靴、茶色いソックス・・・。
どうやら、自分は黒と茶がすきだったようだ。
手荷物を確認。
携帯電話に財布、あとシルバーの飾り気の無いジッポとタバコ・・・。
持っていたのはそれぐらい。
持ち物の名称や使い方が分かる辺り、どうやら知識だけは生きているらしい。
字も分かる。
と、財布の中にあったカードに名前が書いてあった。
「薄ヶ原・・・薙?」
ススキガハラナギ。
どうやら、これが自分の名前らしい。
自分の状況を冷静に判断できる辺り、前はそういう人間だったようだ。
手荷物が少ないところから見るに、
旅行とか探索とか、大きなことをしていたわけでもないようだ。
「・・・・・・ん?」
何か、声が聞こえたような。
相変わらず、森は朝靄に沈んでいる。
と、さっきまで無かったのに、目の前に黒い物体が現れた。
子供一人が入るぐらいの球体で、真っ黒。おまけに少し浮いている。
「・・・・・・見るからに怪しいな」
怪しい。どう見たって怪しすぎる。
「アナタは食べていい人類?」
黒い物体がしゃべった。確定。危険である。
声は子供のようだが・・・。
「ちょっとまて。食うって俺をか?」
「ほかに誰がいるのよ。アナタ、外の人間でしょ?」
「は?」
意味が分からない。
外・・・よそ者のことだろうか。
「確かに俺はよそ者かも知れんが・・・
だからって食うというのは穏やかじゃあないな」
「アナタだって、お腹すいたらご飯食べるでしょ?
それと同じよ。同じ」
左足を一歩引く。
逃げる体制に入った。
「ひとつ言って置く。俺を食うと腹壊すぞ」
「そーなのかー。でも私には関係ないね。
お腹壊したこと無いもん」
「毒があるんだ」
「ふーん、メランコリみたいなこというのね。
でも、妖怪に効く毒じゃないと意味無いよ」
まあバレバレな嘘なんだが。
「妖怪にも良く効くぞ。三日は寝たきりになる」
「そんな毒だったら自分の体がもたないよ。
そもそも、人間に毒があるなんて聞いたこと無い」
あー、ダメっぽいなこりゃ。
「そうかい?実は新種かも知れないじゃないか。・・・というわけで」
左足に体重をかけ
「トンズラ!」
体を回転させて一気に駆け出す。
「あ、まてー!」
球体も追ってくる。
「・・・じょおだんじゃねえぞおおおおおお!」
すごいスピードで。
そもそも浮いている時点で気づくべきだった。
浮く=空が飛べる=速い
という方程式そのままだ。
「ちくしょー!さすが妖怪!追いつかれる・・・」
ん?妖怪?
「自分で言っといてなんだが妖怪ってなんだああああああ!」
「だからよーかいだってばぁ、よーかい」
「うお!?」
すぐ隣に金髪の女の子が浮いていた。
声からするにさっきの球体の中身らしい。
「外にはもうよーかいっていないみたいね、その様子からするに」
一人感心している。
「ところでさ」
「なんだよっ!おにーさんは君から逃げるので忙しいのっ」
「下下。もしくは足元」
「ん?」
ヒュオオオオオオオォォォォ・・・
足元に広がっていたもの。
それは、断崖から飛び出した自分の体と、そのはるか下に見える、
谷間を流れる川。
高さはとりあえず10mはろうか。
「まぁ、なんというか、アレだな。こーいう時のこーいう展開って」
頭の中にある知識から、適当な言葉を選ぶ。
「?」
「ベタだよねええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・・・・!」
かくして彼は、激しいドップラー効果とともに谷川へ転落していったのでありました。
で、その後彼はどうなったのかというと。
彼はそのまま谷川に流されて下流へ下流へと流されるわけなんですが、
川といえば、やっぱり付き物は滝。
-死ぬって!
クロール、平泳ぎ、バタフライととにかく覚えている泳ぎを試してみたものの、
川の冷たさに体力を著しく奪われているため、思うように泳げない。
そして、彼はそのまま滝から勢いよく吐き出されるように飛び出し、
その3mほど下にある川に全身を強く打ちつける形で着水。
服を着ているとはいえ衝撃が体中を襲うため、内臓に振動が伝わり、
肺から空気が抜け、それを補おうと呼吸をしようとする。
しかし、それがかえってよくなかった。
思いっきり水を飲んでしまったのである。
「が・・・!」
苦悶に喘ぐが時すでに遅し。
呼吸もままならず、パニック状態に陥ってしまった彼はそのまま意識を失ってしまう。
後は、流れに任せて下流へ下流へと流されていくばかり。
一方そのころ、彼、薄ヶ原薙が最初に立っていた場所には、
別の人物が立っていた。
「ふむ・・・おかしいな。この辺りに大きな揺らぎは無かったはずなんだが・・・」
九本の長い尻尾を持つ、女性が一人。
顔立ちから見て、18~20代始めのころ、といった感じだ。
「ん?」
振り返った先、森の中から三人の少女が談笑しながら飛んでくる。
背中には羽根。
妖精だ。
「おいお前たち」
「うわっ!?」
彼女は、一瞬で背後へ回り、妖精たちの羽根を摑んでいた。
「や、八雲藍!?何であんたがこんなとこにいるのよっ」
三人のうちの一人、金の短髪を持つ妖精が声を上げる。
「私がどこにいようと私の勝手だ。
それより、ここに居たはずの人間はどうした」
「さ、三人でルーミア見せて追いかけたらあっという間に逃げてったよ。
それで」
「で?」
「近くの川に落とした」
「・・・あーーーもう!」
言うが早いか、彼女「八雲藍」は妖精達を放り出し森の中へと走った。
-揺らぎが観測されてそんなに経ってない・・・無事だといいけど。
近くの谷川へたどり着くと、10mある高さを躊躇なく飛び降り、
ところどころに点在する岩場を、飛び移りながら下流へ。
彼女が、薙を見つけたのはそれからほんの五分後。
滝よりさらに下流で、彼は中州に打ち揚げられていた。
「はぁ・・・見事にずぶ濡れだな・・・」
溺れていたのだから仕方ない。
打ち揚げられた際に、どうやら水を自分で吐き出したようだ。
そもそも、息があるだけでも運がいい。
「これでは、博麗に連れて行くわけにもいかないか・・・」
本来は、見つけ次第博麗神社に連れて行かなければならないが。
「・・・はぁ。しかたない」
当の本人が意識不明ではどうしようもない。
おそらく体もあちこち打ち身だらけ・・・ひょっとしたら骨も折れているかもしれない。
「帰ったら矢意殿にお願いしに行かないと」
直で連れて行っても良いのだが、あそこへいくには時間がかかる。
けが人を連れて動き回りたくも無い。
「紫様がなんと言うか・・・」
考えるだけでも憂鬱だ。
だが、彼には聞かなければならないことがある。
八雲藍は、薄ヶ原薙を抱えてとんでいく。
自分の家、「マヨヒガ」へと。
彼の奇妙な物語はこうして幕を開けることになるのだが、
当の彼はまったく気がついてないわけで。
まあそれは、別のお話。
にならないことを切に願います。評価はまだオープニングっぽいのでフリーレスで。
あと誤字、
矢意→八意
それに短すぎて評価のつけようが無い。
ですが言えることはあります。
くっ…!静まれ俺の邪気眼よ…!
・オリキャラが嫌われるのは、そのオリキャラに魅力がないからです。現時点ではまだこの薙くんがどんな子かもわかりませんが、非常にヤバ気な匂いがしています。注意しましょう。
・足元だけじゃなく、もう少し周りも見ましょう。
キャラじゃなく、貴方が。
あと短すぎの気がするのでもう少しまとめて投稿しましょう。
あまり良い反応を期待しない方が良いと思います。
ご意見頂いた皆様、ありがとうございます。
いろいろと勉強不足でした。
次回はタイトル変更、内容の煮詰めなおしなども行います。
丁寧に注意をしてくださってありがとうございます。
勉強しなおしてきます。
それとオリキャラを使う場合はU-1にならないよう気をつけないといけませんよ次に期待しているという意味を込めてこの点数で
最近のオリキャラが出る作品やたら短いのが多いですね?