カラリと晴れた寒空の下、ポツンと黒い点が一つ。
その点は次第に大きさを増すと、黒白の魔法使いの姿となって博麗神社の境内に降り立った。
「よっと。――う~、さむさむっ、流石に冬場に全速で飛ばすのは自重するべきだったな。指先はかじかむし、顔の筋肉がゴワゴワするしで大変だぜ……」
首に巻いたマフラーに顔を埋めながら、手袋越しに指をゴシゴシと擦る魔理沙。
「早いところ霊夢の所に行って、コタツに潜り込ませて貰うとするか」
一応、境内をぐるりと見回してみる。
誰の姿もない。
まあ、流石の霊夢も、あの腋丸出しの格好で寒風吹きすさぶ中掃除をするほどの根性はなかったと見えて、枯れ葉がわずかに落ちているだけの閑散としたものだった。
ちょっと賽銭箱の中も覗いてみる。
こちらも閑散としたいつもの姿を見せていた。
……それどころか蜘蛛の巣が張っていた。
ピュ~ッと木枯らしが通りすぎる中、ホロリと零れそうになった涙をズズッと鼻水と一緒に堪える。
「まぁ、中に入るか……」
箒を小脇に抱えながら、背中を丸めて縁側へと向かう魔理沙。そろそろ鼻水が限界突破しそうなのだ。一応うら若き乙女として、その事態は色々とマズイ。ちり紙をうっかり忘れたのもマズイ。
霊夢に会ったら、まずはちり紙を貰うかな……などと考えつつ、縁側に箒を立てかけ、魔理沙は家の中へと入り込んだ。
目の前にある障子、境内や縁側に居ない時は、霊夢はいつもこの部屋の中でお茶を飲んだりゴロゴロしたり、グデッと脱力していたりお茶を飲んだり、ボーっとしたりお茶を飲んだりしているはずだ。
「霊夢ー、邪魔するぜッ!」
腰に手を当てつつ、スパーンと勢い良く障子を開け放つ。
「………………」
半纏を着込んで、モキュモキュとミカンの皮を囓っている霊夢と目が合った。
「…………邪魔したぜッ!」
ピシャッと障子を閉める。
「いやいやいや、ちょっと待ちなさいよ」
踵を返したところで、スーッと開いた障子の隙間から伸びてきた霊夢の手にガシッと肩を掴まれた。
「ヒィッ!」
「人の顔を見るなりいきなり帰るなんてどういう了見かしら?」
振り向けば笑顔の霊夢。
「……取り敢えず、くわえているミカンの皮をどうにかしてほしいんだが……」
なんだか切なくなるから。
あと、障子の隙間から覗いているその姿が、ちょっと怖い。
霊夢はパクリとミカンの皮を口の中に放り込むと、障子を大きく開け、魔理沙に背を向ける。
「取り敢えず中に入りなさい。寒いでしょ。一応コタツは点いているわ」
言われた通り部屋の中に入り、後ろ手に障子を閉める。
コタツに足を入れると、冷え切っていたつま先がジワリと痺れるような感覚と共に暖まっていくのを感じる。
「それで? 何しに来たのよ。と言っても、いつも通り暇だから遊びに来たって所なんでしょうけど……」
「おう、その通りだぜ!」
身体の前半分をコタツに突っ込むようにして背を丸めながら、ニカッと笑ってその言葉を肯定する魔理沙。
「はぁ……やっぱりなのね」
「しかし、来て早々あまりにも極貧な食生活を目の当たりにしてしまった所為で、危うくそのまま帰りそうになったけどな」
「極貧言うなっ!」
「いやミカンの皮は流石に……アレじゃないか?」
「い、良いじゃないっ、食べられるんだし……。食べ物を無駄にしないって事なのよ」
微妙に視線を逸らしつつ、霊夢がモジモジと身体を動かして言う。ちょっと顔が赤かった。
「まあ、そんな霊夢にだ。私が素敵なプレゼントを持ってきてやったんだぜ」
「素敵なプレゼントよりも、素敵なお賽銭箱に幾らかお金を入れてくれた方が私としては嬉しいんだけど……」
コツンとコタツの上に顎を乗せながら、気怠げに言う霊夢。
半ば諦めが入っている辺り、一体どの位の間賽銭が入っていないのかを伺うことが出来て、ちょっぴり涙を誘う。
「生憎と私は小銭は持たない主義なんだ」
多分嘘だ。いや、香霖堂でのツケや様々な物の蒐集癖&窃盗癖を見るに案外本当なのかもしれないが。寧ろ金自体持ってないと言う可能性もなきにしもあらず。
「それでだな、相変わらず霊夢がひもじい思いをして居るんじゃないかと思って、こいつを持ってきてやったんだぜ」
そう言いつつ、傍らに置いたトレードマークのとんがり帽子に手を伸ばし、中に腕を突っ込む。
「っと……結構重いな……。よいしょっと」
ドサッと言う音と共に、霊夢の視界が大きな袋に占領された。
「いや、ちょっと待ちなさいよっ! 帽子の中に入れていたという点にもツッコミたいけど、何より明らかに帽子の容積よりもこの袋の方が大きいじゃないのっ。どうやって収めていたのよ!」
ビシッと袋にツッコミを入れて脇にどかしつつ、返す手で魔理沙の帽子をビシリと指す。
「最近空間を操る術を完成させたんだぜ。まだ精々帽子の中くらいの空間しか弄れないけどな」
何処かのメイド長がちょっと涙目になりそうな術だった。
他にも色々とツッコミたい部分はあったのだが、何となく面倒になったのでやめておく。
「……まあ、良いわ。それで、この袋の中身は何なのよ?」
ちらりとコタツの横に落ちた袋に視線を向けながら訊いてみる。
「キノコなんだぜ」
ニンマリと笑う魔理沙。
「あからさまに怪しい物じゃない……」
「言っておくが、全部食用だぞ」
「その根拠は?」
「私が実際に食べて確かめた」
丸めていた身体を伸ばしエッヘンと自慢げに胸を張る魔理沙。だが寒かったらしく、慌てたように再びコタツの中へと身体を潜り込ませる。
霊夢は、身体をズリズリとコタツの端の方へとずらすと、なるべくコタツから身体が出ないようにしながら袋に手を伸ばす。
紐を解いて中を覗き込んでみた。
大きいのから小さいのまで様々なキノコが詰め込まれている。
あからさまに毒々しいのは見当たらないが、かと言って地味な物が毒を持っていないと言う保証が有る訳でもない。
「……まあ、良いわ。一応貰っておく」
もし危険なキノコが有れば、勘が働くなんなりして判るだろう。
酷くアバウトな信用の仕方をしながら、もう一度紐を結んでコタツの脇に放置しておく。
「ありがたく受け取ってくれよ。結構集めるの大変だったんだからな?」
「どうせ実験で使うキノコを採るついでに集めたんでしょうが……。でもまあ、気持ちとしてはありがたく貰っておくわよ。私の為に集めてくれた事には変わりないしね」
「おうっ、取り敢えずはこれで有る程度は食いつなげるだろ? もうミカンの皮とか囓らなくても平気だぜ」
ニパッと顔を綻ばせながら、身体を揺らす魔理沙。
「いや、流石に毎日キノコ尽くしは勘弁して欲しい所だけど……」
「気にしないことだぜ。それよりもだ霊夢、表面的には大分身体も暖まってきたんで、そろそろお茶なんぞで今度は中から体を暖めたいと思うんだが……」
微妙な上目遣いになって霊夢を見る魔理沙。
「はいはい。出涸らしで良いんならね。今お湯を沸かし直してくるからちょっと待ってなさいな」
霊夢はそう言うと、コタツの上に乗っていた急須を持って立ち上がる。
「頼んだぜ。あとお茶請けなんかが有れば言うことないんだけどな」
「図々しいわね……」
「まあ、キノコ分サービスって言うことで、な」
やれやれといった風にため息をつくと、台所の方へと消えていく霊夢。
そして少し経って戻ってきた時には、その手に持つお盆の上には急須と共にミカンと煎餅が乗っていた。
バリバリと煎餅を囓りながら、ズズッとお茶を啜る魔理沙。
「前から思っていたんだが、此処で出るお茶って割と良い物だよな。貧乏なくせにお茶には拘ってるのか?」
「お茶のない人生なんて考えられないもの。そりゃ拘るわよ。良いお茶は出涸らしになっても美味しいのよ」
物事に対して拘りや執着をほとんど見せない霊夢が例外的にそれを見せるのがお茶だ。
「そうか。まあ私としてもお茶が美味いって言うのは歓迎するとこだけどな」
だから納得した。
「巫女は食わねど高楊枝って言うやつよ」
それは何か違うと魔理沙は思ったが、取り立てて何も言わずに煎餅をもう一口バリッと囓ったのだった。
「じゃあな、霊夢。また来るぜーっ」
そんな言葉を残しつつ、魔理沙が空に消えていく。
帽子を手で押さえながら飛んでいくその姿は、アッと言う間に遠くなり、やがて点となって消えていく。
それを縁側で寒さに身を縮こまらせながら見送った霊夢は、魔理沙の姿が見えなくなったのを確認すると、部屋の中へと歩いて行き魔理沙が置いていったキノコの袋を手に取る。
「ふぅ……いつまでこんな生活が続くのかしらねぇ……」
そうひとりごちる霊夢は、キノコの袋を持ったまま台所の方へと足を進める。
そして、その奥にある小さな扉の前に立つと、懐から札を取り出して前にかざした。
扉には小さなものだが結界と封印が張られており、普通の方法では開けられないようになっていた。
パチッと小さな音がした後、霊夢は扉に手をかけゆっくりと中へと入る。
その部屋に有るものは、米や人参大根胡瓜白菜と言った野菜の山。更には酒樽やら魚の干物や塩漬けやらなども見て取れる。
「さて……またしても増えたわけだけれど、いったいどうしようかしらねぇ……」
入り口近くにキノコの袋を置くと、部屋の中を見回してため息をつく霊夢。
そこにある食材はまず一人では食べきれないほどの量がある。
「みんな来る度に何かしら食料を置いて行くけど、私実はそこまで貧乏って言うわけでもないのよねぇ……。確かにお賽銭は全然入らないけど」
そもそも別に賽銭を糧に生活している訳ではないのだ。賽銭はあくまで信仰の現れとして欲しいのであって、生きていくためという意味合いで有れば別になくても問題はない。
「里に行けば米やら野菜やら色々貰えるし……」
幻想郷を守る博麗の巫女と言うことで、割と里では敬われているのだ。
はっきり言って二~三人なら軽く養えるくらいの食料が手に入る。
「何で私が貧乏で日々食べるものにも困っていると言うことになっているのかしら? しかもみんなそれを信じているし」
レミリアが遊びに来た時には肉やらお菓子やらを、魔理沙やアリスもやって来る時には何かしらの食料を持ってきてくれることが多々ある。
「おかげでどうにも本当の事を言い出し辛くなっちゃって、貧乏な振りをする内に本当に貧乏生活が板に付いてミカンの皮を囓るようになるし……」
別に豪奢な生活をしたい訳ではないので質素なのは別に構わないのだが、貧乏くさいのは流石に避けたい。
「あー、なんだか考えていると悲しくなってくるわね……」
ちなみに霊夢がお茶好きだと言うことは割と知られているようで、お茶の葉を貰う事も良くある。
だから、せめてもと言うことでそれだけは隠さずに使うことにしていた。そこまで我慢させられたのでは流石にやってられないし。
「近々魔理沙にそれとなく宴会を開くように仕向けて、さっさと溜まっている食材を使うことにしましょうかね」
冬であると言うこと、それと結界によってなるべく食材が悪くなるのを防いでいるとは言え、いつまでも保つというものでもない。最低限の食料だけを残して使い切ってしまうのが良い。
宴会ともなれば各々が料理や酒を持ち寄るのだが、毎回混沌となる上に多少料理が増えていても気にするような連中ではない。誰か他の者が持ってきたものだと勝手に思ってくれるだろう。
実際に今まで何回かそうやって食材を使い切ってきた。
「問題はそうやって宴会を開く度に、妖怪が居るって言う噂が広がって、ますます神社に参拝客が来なくなるって言う事なのよねぇ。ハァ……頭が痛いわ」
そんな事をぼやきつつ、部屋を出て再び扉に結界を張る霊夢。
「う~、さむっ。やっぱり冬はコタツに入ってお茶を飲みながらボーっと過ごすのが一番よね。……そろそろ出涸らしじゃなくて新しい葉っぱに変えようかしら……?」
半纏の前を合わせながらコタツへを戻っていく霊夢。
そんなこんなで今日も博麗の巫女の一日は過ぎていくのだった。
◆
〈おまけっぽいもの〉
暗闇に浮かぶ赤い提灯。
ミスティアのヤツメウナギの屋台である。
霊夢がその暖簾をくぐると、そこには先客が三人ほど居た。
「あら、霊夢。遅かったわね」
「先に飲んでるわよ~~」
「さっさと座りなさいな。さて、ようやくこれで全員そろったわね」
それぞれ咲夜、幽々子、輝夜の順である。
この四人、時々このように集まって屋台で飲んでいたりする。
一見あまり交流のなさそうなこの四人であるが、とある共通の悩みを持っていた。
しばらくはそれなりに和気藹々と飲んでいた面々であるが、やがてポツポツとそれぞれの鬱憤が口から出始める。
「妖夢がねぇ……妖夢が、相変わらず私にご飯を沢山食べさせようとするのよぉ~」
今日まず最初に酒気でほんのりと頬を染めながら話し始めたのは幽々子だった。
「朝はドンブリに山盛りご飯をよそうし、しかもそれが最低三杯よぉ? 朝からそんなに食べられないって言うの。一杯でやめたりするとこの世が終わるような顔で取り乱して『幽々子様っ!! ど、何処かお加減でも悪いのですかっ!!』って物凄い勢いで詰め寄ってくるし。更に一日五食は当たり前ですよねと言わんばかりにお昼前と夕食前にもご飯を作って来て私の前にドンッと置くのよ……。その後ニコニコと幸せそうな笑顔で私のことを見るものだから、やっぱり食べないわけにも行かなくて……。いくら私が亡霊でもいい加減太ってしまいそうだわ」
「亡霊って太るものなのかしら……?」
そう言って首を傾げる咲夜に、パタパタと着物の袖を振りながら答える幽々子。
「太るわよぉ~。亡霊だって生きて居るんですもの体重の10キロや20キロくらい……」
「いや、生きてないから……」
ビシリと霊夢がツッコミを入れる。
「今日も良い感じに酔ってきてるわねぇ」
チビチビと酒をあおりながら、苦笑する輝夜。
「何で私ったらそんなに食いしん坊キャラだと思われているのかしらねぇ……。何処かで得体の知れない大きな力が働いているとしか思えないわ。これじゃカリスマも何もないじゃないの」
フゥ……と色っぽくため息をつきながら、幽々子が一気にコップの酒を飲み干す。
「もしかして、あなたに冗談で言った小骨発言がいけなかったのかしら……?」
トロンとした目で、ヤツメウナギを焼いている店主のミスティアを見る。
「さ、さあ、どうなのかしらねぇ……?」
あさっての方向を見ながら答えるミスティア。
「まあ、妖夢ったら頑固で融通が利かないところもあるし、思いこんだら一直線って感じなんじゃないの?」
「更にひたすら主人に忠義を尽くす性格よね」
かつて妖夢と戦ったことのある霊夢と咲夜がそう言って頷き合う。
「む~、もう少し弄りまくって柔らかくしてあげた方がいいのかしら……?」
それはやめておけと心の中で言う他三人。
「カリスマと言えば私もねぇ……」
輝夜が虚ろな目で宙を見ながら呟く。
「みんなが私のことニートニートって言うのよ……」
「ずっと引き篭もっていたからじゃないの?」
「引き篭もっていたんじゃなくて隠れていたのよっ!」
霊夢の言葉に、拳を振り上げながら反論する輝夜。
「それに、あの事変以降永遠亭は病人や怪我人を治療したりと開かれているし、私だって月の万象展とかを開催して色々と働いたし……」
そう言ってグビッと酒を飲む。
「その事実はどこに行っちゃっているわけ? 永琳も永琳で、『姫……ネットばっかりではなくそろそろ……』とか、言い辛そうにしながら私の部屋に来るし! 更にいつの間にかパソコンとか言う外の世界の機械が机の上に鎮座しているし! 私はそんな物の使い方知らないわよ? 私千年以上前の人間だしずっと隠れていたんだし、どうやったらそんな物の使い方知ることが出来るのよ?」
「あら、そんなに興奮しちゃダメよ~。さあ、飲んで飲んで」
幽々子が輝夜のコップに酒をつぎ足す。
ちなみに不老不死である輝夜は、死を操る幽々子にとって天敵ともいえる存在なのだが、今この場に於いてはそんな事は関係なし。単なる飲み仲間、それ以上でも以下でもないのである。
「ともかく……私のキャラクターが一人歩きしているのよ、うん。私が外を出歩いているだけで、信じられないような物を見たような目で動揺するのはやめて欲しいわよね、ホント。もう引き篭もってなんか居ないって言うの、全く……」
そう締め括るように言って、輝夜は再びチビチビと酒をあおり始めるのだった。
「ところで、咲夜。あなたは最近どうなのよ? 相変わらず?」
霊夢が咲夜の方を見ながら訊く。
「そうねぇ……いつも通りよ」
自嘲するような笑みを浮かべて、それだけを言う咲夜。
「いつも通りというと……」
「美鈴を中国と呼びながら頭にナイフを刺し、レミリアお嬢様にハァハァしながら鼻血を出している。――と思われているという事ね」
「あんたも大概難儀よねぇ。疲れない?」
「フッ……もう慣れたわ……」
屋台の電灯をグラスに透かしながら、疲れたような目で応える咲夜。
「私は瀟洒で完全な従者、ならばそのイメージすら完全に演じてみせるまでの事よ。フフ……フフフ……」
ちょっと危ない笑いが漏れていた。
「ただ最近ちょっと困っているのは、お嬢様の着替えやお風呂の度に鼻血を流さなければいけないから、慢性的に貧血気味だという事なのよね。毎日ほうれん草とレバーは欠かせないわ。そろそろお嬢様の食事用とは別に私の輸血用の血液が必要かもしれないわね。……ハァ」
「まぁ……程々に頑張りなさいよ……」
物憂げに息を吐く咲夜を見ながら、そう言葉をかけるしかない霊夢だった。
やがて夜も更け、それぞれ酒も進み、酔い、解散という時間になる。
「それじゃ、また暇が合ったらあいましょ」
霊夢が三人に向かって声をかける。
「ああ、そうそう。言われていた胃腸薬、永琳に頼んで作ってもらってきたわよ」
輝夜がそう言って、幽々子に紙袋を手渡す。
「わぁ、助かるわ~。これが有れば色々と大分楽になりそうだもの」
ふわふわとした笑みを浮かべながら、幽々子がその薬が入った袋を胸に抱く。
「まあ、お互いめげずに頑張りましょう。それでは、またいつか」
輝夜がフワリと宙に浮かんで暗闇の中へと消えていく。
「では、また近い内に飲みましょう~~」
続いて幽々子が闇に溶けるように姿を消す。
「さて、私もそろそろ紅魔館に戻るわ。今日はお休みを貰ったとは言え、明日の朝からはまたビッシリ仕事が入っていることだし」
そう言った次の瞬間、咲夜の姿はもう其処にはなかった。
恐らく時を止めて移動したのだろう。
「ふわぁ……っと、私もさっさと帰って寝ましょ」
小さくあくびをしながら、神社の方へと向かってフワッと身体を浮かべる。
――明日がもし良い天気だったら境内の掃除でもしましょうかね。
そんな事を思いながら、霊夢もまた静かに帰路に就く。
そんな訳で、幻想郷は今日もそれなりに平和なのだった。
キャラ作りのために自分で鼻血だせる咲夜さんがスゲェw
ファンには辛いぜ
アンリアルって言うもんだからキーボードクラッシャーの子供ネタかと思った
ギャグの定番設定をネタにした小説とは面白かった。次の作品にも期待!
アリスもいつのまにか魔理沙好きがあたりまえになってるし。
久々の東方分、ゴチでした~
何処から沸いて出てきたのでしょうね~。
でも、その設定をつけた人はある意味見抜いてますよねwww。
ついつい二次設定に偏りがちになるので、
原作になるべく忠実になるように心がけたいですね。
シリアスか二次設定かに偏ってる中で気付かなかった部分に気付けました
そんな意味で感謝の満点を
とりあえず、二次設定に付き合わされる彼女達に合唱。
ひょっとしたら、他の人達も二次設定に振り回されてたりしてw
レティのフトマしいとか、ヘタレミリアとか・・・
ルーミア(食い意地)しかり映姫様(ちっちゃい)しかり。
全部あげたらきりが無いですが・・・
そう考えると出番がすごい多いのにあまりぶれていない魔理沙ってある意味すごいんだな・・・
つい、原作ファンとニコニコから来た新規ファンの揉め事を思い出してしまいました。
いい意味で二次を逆手に取ったいい作品だと思います。
ありがとうございました。
レスをレスで返すような事をしてすいません
逆に考えると、原作設定にもファンのイメージを覆される部分があるって事になりますよね…。例えば
・永淋が輝夜に対して姫様と呼んでいるが、実際は呼び捨てでタメ口で話している
・大妖精がチルノを始めとした妖精達のお姉さん的存在というイメージが強いが、神主様の本来のキャラ付けはそれとはまったく異なる
・射命丸文が普段から敬語で話していると思いきや、実際はそうではない
・カップリングなんて存在しない etc.…
原作設定にも怖いというものがあったりします
二次設定は嫌いなほうでは無いですが、好きなキャラに対してイメージを壊される設定というのはやはりきついと感じます
でも、ある程度二次設定がないと、二次創作を作るのは難しいと思います
こうして考えてみると、二次設定が一番多く使われているのはフランな気がします…
そういえば、ある御方が(プチ作品集20参照。ネタバレ防止の為、名前は伏せさせて貰います)二次設定無しの原作に忠実な作品をクーリエに投稿して、皆に叩かれていたという話があるのを思い出しました
二次設定について考えさせる良い作品だと思います
ありがとうございました
ほとんどのボスにスペカ宣言より先に食べる宣言してるし
変態やらツンデレヤンデレばかりで大好きな永夜チックサドアリスの少ない事少ない事…
たまには原点回帰もいいですね
自分にとってもやはりそういった受け入れがたい二次設定はあるので、グッとくるものがありました。
まあそういったネタを用いた二次創作自体が咎められる筋合いはないのでしょうけど、マイナスイメージに近い二次設定が
一定多数のファン層にとって原作のキャラクター像を侵食しはじめると辛いです。輝夜のニートネタや咲夜・アリスの変態ネタなどはまさにそうですね。