Coolier - 新生・東方創想話

好き?嫌い?食べる?食べない?

2008/01/10 14:22:35
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すでに正月も過ぎ

いまだ肌寒い夜が続く幻想郷

ただ1箇所を除いて…




マイペースで暢気で少しお金にうるさい巫女が住む場所

博麗神社

ここだけは肌寒い夜なのにぬくもりを感じる

そんな雰囲気が漂ってくる

境内に明かりが灯り

ところかしこで騒ぎ声が聞こえる

人間、妖怪、魔法使い、吸血鬼、幽霊、神

種族関係なく酒を飲み交わし

騒ぎ

笑い

潰れる

今宵もまた神社は正月が過ぎたというのに賑やかだった

ある者は音楽を奏で
ある者は料理を振る舞い
ある者は世間話を聞かせ
ある者は説教
ある者は酔いつぶれ
ある者は人に絡み
ある者は酒の飲み比べをしている

恐らく誰が見ても混ざりたい気分になるに違いない

そんな光景が広がる



それを少し離れた場所で笑顔で傍観し
酒をゆっくりと口に運ぶ神がいた
彼女は厄神
鍵山 雛

自分が留めている厄が移らない様にと宴会ではいつも離れて飲んでいる
雛はそれで十分満足だった
楽しい光景を見つつ酒を飲む
そして何より

ここにいる人はそれを気にしなかった

いや、言い方を変えれば

普通に接してくるのだ

離れていても必ず毎回誰かが絡みに来る
もちろんタダではすまないが来る人は気にせず絡む

だからここでも雛は満足なのだ


「まだ寒いのに皆元気ね」

神社の厨房にいるスキマ妖怪の式神に温めて貰ったお酒をお猪口で少しづつ飲む
騒がしい光景を眼にして自然に笑みが漏れる

「はぁい」
「ん?」

雛に歩み寄ってきたのは妖怪
笑顔だがどこか不気味さを出し
おぞましい妖力を持つ大妖怪
手には愛用の傘とお酒の入ったコップを持ち
ゆっくりと雛に近づいてくる

風見 幽香

花の妖怪と恐れられている大妖怪

「あら、珍しい人が私に何の用かしら」
「神ってどんなものか興味がわいただけよ」

少し酔っているのか頬が赤く眼がトロンとしている

「神なら私よりあっちにいる神のほうがいいんじゃないかしら?」
「あっちはあっちで忙しそうなのよ。だからアナタにした」
「あらそう」
「んじゃお隣お邪魔するわね」

そういうと幽香は雛の隣に腰掛ける
その瞬間

ゴワン

幽香の頭に金ダライが落ちる

「ぐぅ…」
「何が起きても責任持たないわよ?」
「なめるんじゃないわよ、これぐらいなんともないわ」
「そ、でお話って?」
「ん~…」

酔っているせいか幽香の口調が鈍る
が、すぐに目つきが鋭くなり雛に顔を向け口を開く

「アナタは厄神、忌み嫌われる存在。なのになぜ人間を守るのかってね」
「なぜって?いけないことなのかしら」
「人間の厄をその身に受け止め神々に返す、実に献身的で感動的だわ」
「なにかいいたそうね」
「回りくどいことは嫌いだから単刀直入に言うわね」

幽香は息をスゥっと吸うと
不気味な笑顔を浮かべ言葉を放った

「その人間がアナタを殺そうとしたら、どうする?くくく」

この言葉を聞き雛は目を丸くする

「所詮、人間なんてそんなものよ。都合のいいように神を利用し拝め
 いらなくなればポイ。これが人間よ?それなのになぜアナタは
 そこまで人間に尽くすのか不思議でね…ふふふ」

幽香は雛に顔を近づけ笑い声をこぼす

「いったいアナタは何が望みで何の見返りがあって、そんなことしているのかしら?
 いっそ止めてしまったほうが楽じゃない?宴会のたびに離れて飲むこともなくなる
 自由に動ける、自由に遊べる。なのになぜアナタはそんなことを?」

内容は重いものだが幽香の口調は笑い声が混じる
雛は少し目を瞑り口を開いた

「忘れたわ」
「は?」

思いもよらない言葉に幽香の笑顔が崩れた

幽香本人の予想では何か反論してくるだろうと踏んでいた
それを種にいじめてやろうと考えていたのだが
予想もしない言葉が返ってきて唖然としてしまった

「忘れた?」
「そ、忘れた」
「…嘘ついてるとか?」
「神は嘘は言わないわ」

今度は雛の顔に笑みが浮かぶ

「別に見返りがほしいとか望みとかそんなの考えたことないし
 ずっと生きているけれど考えたこともないし
 もしかしたら考えたことあったかもしれないけど
 忘れた」

笑顔で淡々と語る雛

「…じゃあ厄神様は人間が襲ってきたらどうするのかしら?」
「そんなアナタはどうするの?」
「もちろん殺す」
「そ、じゃあ私は殺さない」
「は?」
「アナタが殺すなら私は殺さない。それだけよ」
「…もしかして考えるのがめんどくさいから単に私の答えの反対言っただけじゃない?」
「正解」
「この…」

あまりにも舐められた態度をとられ幽香は徐々に妖力をあげていく
しかし雛はものともしない表情で言葉を放つ

「じゃあ私からアナタに質問」
「ん?」
「アナタは花の妖怪、花が好きよね」
「そうね」
「じゃあ」
「?」










「花を愛している人間を殺すことが出来るかしら?」







この言葉に幽香の体が固まる

「人間といっても中身は様々、一途に悪と決め付けることは出来ない
 私たちから見ればまだ赤子のようなものよ人間てね」

笑顔で語る雛
それを聞いていた幽香は高めていた妖力を沈めた

「だからその時になってみないとわからないのよ
 逆に考えふけるとそれこそ楽しくないわね」

そういうとお猪口を口に運ぶ

「…食えない神ね」
「あら、食べると体に毒よ?あ、厄か」
「ふん…時間の無駄だったわ」
「あらそう」

不機嫌そうな顔をして幽香は立ち上がり
まだ宴会が続いている境内に体を向ける

「…最後に1つ」
「ん?」
「神は人間が好きなの?」
「人間だけじゃないわよ」
「…そう。邪魔したわ」

そういうと幽香は歩き始める
数歩歩くと後ろから声が聞こえた

「あなたも好きでしょ?」

笑い声が混じった雛の声
幽香は振り向き笑顔で答える


「殺したいほどね」

そう言い放つと境内の集団の中に消えた

1人残された雛はお猪口に酒を注ぐ

「殺したいほどねぇ…
 じゃあ私の場合、祟りたいほど好きなのかしら
 あ、これは祟り神のほうになるか」

そういうとお猪口に入った酒を飲み干す
飲み干すと同時に何か思い出す表情をする雛

「…あ、忘れてた」

雛はそういうと境内の宴会集団に眼を向ける






















そこには全員に今にも襲われそうになっている花の妖怪が涙目になって拘束されていた

















「回収…見てからでいっか」

今宵も厄神様は笑顔でございます
笑符「くすぐり地獄耐久24時間」
幻想郷の牛乳
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コメント



0.970簡易評価
1.80名前が無い程度の能力削除
オチがそれですかwwww
ていうか、幽香ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
3.90名前が無い程度の能力削除
雛、偉大なり

あと確かに「何が起きても~」だなwww
4.90名前が無い程度の能力削除
あ、そうか、厄ね。
哀れなりゆうかりん
5.80名前が無い程度の能力削除
厄・・ねww
人柄以前にちかずけねぇやww
9.90名前が無い程度の能力削除
ゆうかりん死亡フラグwwww
厄神様実は幻想郷最強じゃね?
11.90卯月由羽削除
なかなか珍しい組み合わせで……そして幽香りん南無
13.80司馬貴海削除
あとがきみたいな内容のAVがシリーズになっていた気が。
あれ、辛いんですよね……耐えろ、ゆうかりん!(無理
19.80名前が無い程度の能力削除
娼婦「ゆうかりん恥獄耐久24時間」
さて妄想妄想。カァイイヨ。
21.80名前が無い程度の能力削除
厄神様と幽香の会話の雰囲気にイイとか思ってたら
意外な落ちにフイタw
そして厄神様+金ダライは最早定着なのだろうかw
29.100名前が無い程度の能力削除
幽香も雛も良い味出してるなあ。

さて、ゆうかりん!今俺が助けに行(金ダライ