このお話はどっからどう見てもフィクションで、登場人物は一応全員18歳以上(嘘)です。
設定に小学生とかいってても、ランドセルを背負っていても実際とは異なります。
全ては貴方と私の妄想の中でお留めてください。
なお、私たちの住む世界とは全くの別世界ですので、混同せぬようにご注意いただきたいです。
そして、下ネタがあってもエロはない!!ということなので、ガッカリした方は見ないで下さい。(ほぼ全てが読めねえ
あと、とりあえず今書いてあるような頭の悪い文章とか下ネタ、他作品混じりでのパロディが嫌いじゃ、という方は更に戻るを押すことを私は推します。
作品の設定は基本的に都合のいいモノとして扱われております。
前回は東方型月譚1です。
・ ・ ・
あの世とこの世の境はどちらだろうか。
とりあえず、この世にはあの世がどうなっているかは見えはしない。
だからこそ、人はあの世…死後の世界をよりよくしようと善行を積んでいた時もあった。
幻想郷は、あの世とこの世の境が曖昧だ。
少し迷ってしまえば、あっという間に三途の川までいける。
いや、そこにいけるからといって境が曖昧なわけではないのかもしれないがなんにせよ死と隣りあわせという現実が目に見えている分だけ強烈であった。
幻想郷には明確な悪という概念は無い。
これはまだ悪そのものが人の世から幻想へとなりえていないものである証拠であり。
膳もまた存在しないことを顕していた。
「小町、サボってないでしょうね?」
「あはは、四季さま。未練や魂の数はあの事件以降めっきりと減って働きたくても働けない状況ですよ」
「そう、まぁそれはおいておいて小町、外の世界への境界が薄くなっていることは感じている?」
「ええ、三途の川へ魂でなく形をもってくるものが多くなりましたし、幻想郷内部での魂が異常に減って……」
「そう、それはよかった。仕事が出来たわね小町」
「……え?」
「今の貴方に出来ることは少しでもこの幻想郷の異常を調査することです」
そういって、四季……四季映姫・ヤマザナドゥは勺を小町につきつけた。
得意げ…というほど子供ではないがそんな満足げな表情と共に小町へ仕事をおいて帰っていった。
「え、え?」
困惑する小町はとりあえず、心当たり……あの人の未練を断ち切る刀を持つ庭師を思い浮かべていた。
そう、小町の元へ来ない魂はそれくらいしか考えられないからだ。
思案にふけっているうちに小町は悠然と並ぶ大きな桜並木を見ていた。
この桜のように一箇所に佇んで、足元に一つ物を隠して生きていけたら、どれだけ幸せだろうか。
小町にはそんな余裕がかけていた。
自分でも自覚はしている、もっと自分は悠々と生きていくべき存在なの……
「仕 事 し ろ」
「きゃんっ」
後ろからの閻魔様のお説教に結局仕事時間が切り詰められ、今日もサボることが出来ない一日になりそうであった。
小町の受難の日々はまだ、続く。
・ ・ ・
明確な悪が無ければ、明確な善も存在できない。
比較対象を以って初めてそれははっきりとするからだ。
善が無い世界には、悪は存在できない。
であるから、幻想郷には明確な善行を積める人間などいなかった。
しかし、その均衡はこの春で崩れることになる。
紅い紅い、霧に囲まれる屋敷。
それは、もはや城ともいえる外観であった。
そんな中に此処にも一人、暇をしている門番がいた。
「はぁ~、平和っていいですねぇ」
霧に包まれた湖を眺める紅魔館の門番、紅 美鈴【ほん めいりん】。
「だいたい、追い返しても怒られるし、通しても怒られるし。誰も訪れないのが一番の平和です」
さりげなく、自分の主人と上司への愚痴をこぼし見回りに回るが、そこに異常は無い。
異常が在るはずは無い、異常が在るのならば真っ先に無かったことになる。
描いていた筋書き以外、全ては起こりうることの無いものだ。
当たり前のことだが、発言するのがこの館の主、レミリア・スカーレットの言葉であるならばそれは認識を変える必要が在るのだが。
「今年は、どんな桜が咲くんでしょうかねぇ……」
……この門番にいたっては、そんな言葉すら忘れていそうだった。
「中国、何をサボっているのかしら?」
「さ、咲夜さん?! サボってなんて、ほら見回りですよ、見回り!」
十六夜 咲夜【いざよい さくや】、この紅魔館のメイド長を勤める人間。
人間ながらに自分より上の立場にいるということはその相応に力を持っているということを美鈴は知っていた。
いや、人間には分不相応な力、そして立場に見合う力。
この人の場合、どちらが正しいか、なんてもう考えるのはやめた。
妖怪より強い、人間の気持ちなんてわからない。
人間の気持ちもわからないし、力が在る気持ちもわからない、それがこの紅魔館の門番の考えだった。
「言い訳はそれだけかしら?」
「えぇっ?!」
確かに見回りはしていたし、異常があれば働けるのだが門番というのはいつだって事後にしか動けない。
つまり、何も起こっていなければいないで働いていないのと同じなのだ。
……正確に言えばいるだけで意味はあるのだが、門番というポジションの話であって門番自体の話とは別になるのだが。
「…まぁ、いいわ。 それより、少し用事が出来たからここの門を任せるわ」
「あら? どちらにいかれるんですか?」
「ちょっと、この『異常』を戻しに」
「? 異常なんてありますか?」
「まるで今回の異常と鏡写しね、中国。 今回の異常は、まさか妖怪も対象にするのかしら……」
「? ? ?」
そういいながら湖の向こう側に去っていく咲夜。
美鈴は、ただ呆然と立っていることしか出来なかった。
「あ! ちゅ、中国といわれているのに全く気がつかなかった?!」
……今更である。
運命というのは如何にして決まるのか。
それの解がほしいのならば彼女に訊くといい。
彼女がその答えを知っている。
彼女だけが許された力なのだから。
初めに生まれたのは、どちらであっただろう。
……もしも、最初に生まれたのが悪であるなら。
生まれながらにして、何故自身の存在に疑問を問うことが出来ようか。
出来るはずは無い、悪は改善されずに次の悪に淘汰される。
悪にとっての悪、それが世界の善の存在となるだろう。
初めに生まれたのが善であるなら、どうだろう。
善という存在は消えるだろう。
そうして、悪が生まれ、善がはじめて生きるのだ。
人の中に必ず在る善の心。
人とは誰もが善の方向にあり、生まれながらに悪人はいない、という言葉が在る。
実によく似ている、悪を食いながら生き続けていく善という存在、概念と。
他者を食いながら生き続けていく人間は。
つまり、己が根底にある醜い本能、それを善と定めてしまったのだ。
……結局は、他者を排除することなのだ。
善という存在は排除という行為のみでしか生きられず、それは自身が定めた悪と同じなのだ。
初めから、他人のために行動はしていなかった。
自身の信念のみで行っていたのに、いつからかその行為は変わっていた。
とどのつまり、そんな理想は、幻想であった。
まるで電波状況が悪い無線機のような音が周囲を取り巻く。
音、では無い、これは意識だ。
これは、魂の震え、存在の歪み。
何もかもが自分にちょうどいい。
この、自分と同じ存在に取り囲まれるのがこうも心地よく…嫌悪できるものとは。
男は、そこにいた。
赤い外套を纏い、徒手空拳でその広い荒野に佇んでいた。
そこには、見慣れた丘が在る。
そこには、見慣れた剣が無い。
ただ、ただ。
あの時の少女がそこで耐えていた。
自身が築き上げた丘で、剣を立てて。
何度思ったことだろう。
せめて、彼女のそばに立っていることが出来たら、と。
そうして、希望を持ちながら近づいていく。
彼女と同じ景色を、見ようとした瞬間。
――そこでユメは途切れるのだ。
「全ては、俺の幻想だ」
確かめるように己に何度も投げかけた言葉を吐く。
「そうね、でも此処は幻想郷よ」
しかし、それを拾う人間がいた。
その言葉を、理解し拾い上げる人間がいた。
紅い、幼い姿をした悪魔。
彼女はそこに悠然と座っていた。
「やれやれ……今回もまたいきなり呼び出されたものだな」
「あら? 呼び出される側というのはいつだってそうでしょう? そうでないことは私以外にありえないわ」
そこにあるのは自分の能力に対する絶対の自信。
「これはまた、俺はよほどマスターに恵まれるらしいな。運は悪いと思っていたのだが……」
紅い外套を纏った男はやれやれと皮肉を交えていった。
「悪いわよ、安心しなさい。私に協力せざるを得ないのだからね」
風貌こそ幼い彼女だが、それを軽く受け流した彼女に男は軽く驚きを覚えた。
館の内は、光を通さずに暗いままであった。
「ふむ、しかし私が君に協力をするとは限らないぞ? 何しろ利害一致すら望めないのだからな」
協力とは、信頼関係に基づく関係。
信頼関係を築く初歩の関係は利害関係だ。
その利害関係が一致しないのであれば、協力というのはありえない。
しかし、その法則を無視する方法が在る。
「理想は幻想であるのなら、此処でこそ叶えなさい。それが貴方にとっての何よりの証明となる、そしてそれだけが貴方の望みを肯定するわ」
「む? 私の望みはともかくとしても、君は私に何を望む?」
それは、どちらかが損をして、どちらかが得をすればいい。
利害関係とは、一致しなければ合わせればいい話なのだから。
「私は……そうね、退屈しなければいいわ」
「……私にもう一度、自分を否定しろ、というのか?」
「違うわ、貴方を肯定するために、よ。その辺を違えれば同じことの繰り返しになるわ」
「承知した、マスター」
こうして、利害関係は一致した。
男は、自分の幻想を探し、理想を追い求める。
封印した、己の想いをもう一度この幻想郷で求める。
彼女は、男のその姿を見届ける。
「つーことで、幻想郷を守る正義の味方、誕生ね」
「は?」
紅い悪魔はうれしそうに、呼び鈴を鳴らした。
リィン、と澄み渡る音がすると同時に、彼女が現れた。
「どうかしましたか、お嬢様」
「ああ、咲夜。彼をパチェのところに案内してやって。それと貴方にお使いが一つ」
「かしこまりました、ところでお嬢様」
咲夜は男を横目に、
「彼の名前は?」
「ああ、私はエミ……」
「幻想郷を守る正義の味方よ、パチェがその手の話に詳しいようだから彼女に聞きなさい」
「なに?」
正義の味方、という言葉に嫌悪感を覚えるがそれよりもまず、自分の名前が認識されないまま話が終わってしまった。
「わかりました、それでは」
……正直なところ、自分が当事者であるのに自分なしで話を進められることほど厄介なことは無いという教訓を得たが大きすぎる代償だった。
咲夜が、パチュリーの元へ男を案内し、館を出た後。
暗い埃だらけの図書館で彼らは話し合っていた。
「とりあえず、サーヴァントであるのなら奴隷戦隊ドレンジャーなんていいんじゃないかしら。この世辞辛い世の中なら受けるわよきっと」
「いや待つんだ、それでは赤以外は語呂が悪くなってしまうな。ドレッドならいいとしてもドブルーとかドイエローとかはなにかの冗談としか思えん」
「冗談だもの」
「意地が悪いな君は」
……割とノリノリに決めていましたとさ。
設定に小学生とかいってても、ランドセルを背負っていても実際とは異なります。
全ては貴方と私の妄想の中でお留めてください。
なお、私たちの住む世界とは全くの別世界ですので、混同せぬようにご注意いただきたいです。
そして、下ネタがあってもエロはない!!ということなので、ガッカリした方は見ないで下さい。(ほぼ全てが読めねえ
あと、とりあえず今書いてあるような頭の悪い文章とか下ネタ、他作品混じりでのパロディが嫌いじゃ、という方は更に戻るを押すことを私は推します。
作品の設定は基本的に都合のいいモノとして扱われております。
前回は東方型月譚1です。
・ ・ ・
あの世とこの世の境はどちらだろうか。
とりあえず、この世にはあの世がどうなっているかは見えはしない。
だからこそ、人はあの世…死後の世界をよりよくしようと善行を積んでいた時もあった。
幻想郷は、あの世とこの世の境が曖昧だ。
少し迷ってしまえば、あっという間に三途の川までいける。
いや、そこにいけるからといって境が曖昧なわけではないのかもしれないがなんにせよ死と隣りあわせという現実が目に見えている分だけ強烈であった。
幻想郷には明確な悪という概念は無い。
これはまだ悪そのものが人の世から幻想へとなりえていないものである証拠であり。
膳もまた存在しないことを顕していた。
「小町、サボってないでしょうね?」
「あはは、四季さま。未練や魂の数はあの事件以降めっきりと減って働きたくても働けない状況ですよ」
「そう、まぁそれはおいておいて小町、外の世界への境界が薄くなっていることは感じている?」
「ええ、三途の川へ魂でなく形をもってくるものが多くなりましたし、幻想郷内部での魂が異常に減って……」
「そう、それはよかった。仕事が出来たわね小町」
「……え?」
「今の貴方に出来ることは少しでもこの幻想郷の異常を調査することです」
そういって、四季……四季映姫・ヤマザナドゥは勺を小町につきつけた。
得意げ…というほど子供ではないがそんな満足げな表情と共に小町へ仕事をおいて帰っていった。
「え、え?」
困惑する小町はとりあえず、心当たり……あの人の未練を断ち切る刀を持つ庭師を思い浮かべていた。
そう、小町の元へ来ない魂はそれくらいしか考えられないからだ。
思案にふけっているうちに小町は悠然と並ぶ大きな桜並木を見ていた。
この桜のように一箇所に佇んで、足元に一つ物を隠して生きていけたら、どれだけ幸せだろうか。
小町にはそんな余裕がかけていた。
自分でも自覚はしている、もっと自分は悠々と生きていくべき存在なの……
「仕 事 し ろ」
「きゃんっ」
後ろからの閻魔様のお説教に結局仕事時間が切り詰められ、今日もサボることが出来ない一日になりそうであった。
小町の受難の日々はまだ、続く。
・ ・ ・
明確な悪が無ければ、明確な善も存在できない。
比較対象を以って初めてそれははっきりとするからだ。
善が無い世界には、悪は存在できない。
であるから、幻想郷には明確な善行を積める人間などいなかった。
しかし、その均衡はこの春で崩れることになる。
紅い紅い、霧に囲まれる屋敷。
それは、もはや城ともいえる外観であった。
そんな中に此処にも一人、暇をしている門番がいた。
「はぁ~、平和っていいですねぇ」
霧に包まれた湖を眺める紅魔館の門番、紅 美鈴【ほん めいりん】。
「だいたい、追い返しても怒られるし、通しても怒られるし。誰も訪れないのが一番の平和です」
さりげなく、自分の主人と上司への愚痴をこぼし見回りに回るが、そこに異常は無い。
異常が在るはずは無い、異常が在るのならば真っ先に無かったことになる。
描いていた筋書き以外、全ては起こりうることの無いものだ。
当たり前のことだが、発言するのがこの館の主、レミリア・スカーレットの言葉であるならばそれは認識を変える必要が在るのだが。
「今年は、どんな桜が咲くんでしょうかねぇ……」
……この門番にいたっては、そんな言葉すら忘れていそうだった。
「中国、何をサボっているのかしら?」
「さ、咲夜さん?! サボってなんて、ほら見回りですよ、見回り!」
十六夜 咲夜【いざよい さくや】、この紅魔館のメイド長を勤める人間。
人間ながらに自分より上の立場にいるということはその相応に力を持っているということを美鈴は知っていた。
いや、人間には分不相応な力、そして立場に見合う力。
この人の場合、どちらが正しいか、なんてもう考えるのはやめた。
妖怪より強い、人間の気持ちなんてわからない。
人間の気持ちもわからないし、力が在る気持ちもわからない、それがこの紅魔館の門番の考えだった。
「言い訳はそれだけかしら?」
「えぇっ?!」
確かに見回りはしていたし、異常があれば働けるのだが門番というのはいつだって事後にしか動けない。
つまり、何も起こっていなければいないで働いていないのと同じなのだ。
……正確に言えばいるだけで意味はあるのだが、門番というポジションの話であって門番自体の話とは別になるのだが。
「…まぁ、いいわ。 それより、少し用事が出来たからここの門を任せるわ」
「あら? どちらにいかれるんですか?」
「ちょっと、この『異常』を戻しに」
「? 異常なんてありますか?」
「まるで今回の異常と鏡写しね、中国。 今回の異常は、まさか妖怪も対象にするのかしら……」
「? ? ?」
そういいながら湖の向こう側に去っていく咲夜。
美鈴は、ただ呆然と立っていることしか出来なかった。
「あ! ちゅ、中国といわれているのに全く気がつかなかった?!」
……今更である。
運命というのは如何にして決まるのか。
それの解がほしいのならば彼女に訊くといい。
彼女がその答えを知っている。
彼女だけが許された力なのだから。
初めに生まれたのは、どちらであっただろう。
……もしも、最初に生まれたのが悪であるなら。
生まれながらにして、何故自身の存在に疑問を問うことが出来ようか。
出来るはずは無い、悪は改善されずに次の悪に淘汰される。
悪にとっての悪、それが世界の善の存在となるだろう。
初めに生まれたのが善であるなら、どうだろう。
善という存在は消えるだろう。
そうして、悪が生まれ、善がはじめて生きるのだ。
人の中に必ず在る善の心。
人とは誰もが善の方向にあり、生まれながらに悪人はいない、という言葉が在る。
実によく似ている、悪を食いながら生き続けていく善という存在、概念と。
他者を食いながら生き続けていく人間は。
つまり、己が根底にある醜い本能、それを善と定めてしまったのだ。
……結局は、他者を排除することなのだ。
善という存在は排除という行為のみでしか生きられず、それは自身が定めた悪と同じなのだ。
初めから、他人のために行動はしていなかった。
自身の信念のみで行っていたのに、いつからかその行為は変わっていた。
とどのつまり、そんな理想は、幻想であった。
まるで電波状況が悪い無線機のような音が周囲を取り巻く。
音、では無い、これは意識だ。
これは、魂の震え、存在の歪み。
何もかもが自分にちょうどいい。
この、自分と同じ存在に取り囲まれるのがこうも心地よく…嫌悪できるものとは。
男は、そこにいた。
赤い外套を纏い、徒手空拳でその広い荒野に佇んでいた。
そこには、見慣れた丘が在る。
そこには、見慣れた剣が無い。
ただ、ただ。
あの時の少女がそこで耐えていた。
自身が築き上げた丘で、剣を立てて。
何度思ったことだろう。
せめて、彼女のそばに立っていることが出来たら、と。
そうして、希望を持ちながら近づいていく。
彼女と同じ景色を、見ようとした瞬間。
――そこでユメは途切れるのだ。
「全ては、俺の幻想だ」
確かめるように己に何度も投げかけた言葉を吐く。
「そうね、でも此処は幻想郷よ」
しかし、それを拾う人間がいた。
その言葉を、理解し拾い上げる人間がいた。
紅い、幼い姿をした悪魔。
彼女はそこに悠然と座っていた。
「やれやれ……今回もまたいきなり呼び出されたものだな」
「あら? 呼び出される側というのはいつだってそうでしょう? そうでないことは私以外にありえないわ」
そこにあるのは自分の能力に対する絶対の自信。
「これはまた、俺はよほどマスターに恵まれるらしいな。運は悪いと思っていたのだが……」
紅い外套を纏った男はやれやれと皮肉を交えていった。
「悪いわよ、安心しなさい。私に協力せざるを得ないのだからね」
風貌こそ幼い彼女だが、それを軽く受け流した彼女に男は軽く驚きを覚えた。
館の内は、光を通さずに暗いままであった。
「ふむ、しかし私が君に協力をするとは限らないぞ? 何しろ利害一致すら望めないのだからな」
協力とは、信頼関係に基づく関係。
信頼関係を築く初歩の関係は利害関係だ。
その利害関係が一致しないのであれば、協力というのはありえない。
しかし、その法則を無視する方法が在る。
「理想は幻想であるのなら、此処でこそ叶えなさい。それが貴方にとっての何よりの証明となる、そしてそれだけが貴方の望みを肯定するわ」
「む? 私の望みはともかくとしても、君は私に何を望む?」
それは、どちらかが損をして、どちらかが得をすればいい。
利害関係とは、一致しなければ合わせればいい話なのだから。
「私は……そうね、退屈しなければいいわ」
「……私にもう一度、自分を否定しろ、というのか?」
「違うわ、貴方を肯定するために、よ。その辺を違えれば同じことの繰り返しになるわ」
「承知した、マスター」
こうして、利害関係は一致した。
男は、自分の幻想を探し、理想を追い求める。
封印した、己の想いをもう一度この幻想郷で求める。
彼女は、男のその姿を見届ける。
「つーことで、幻想郷を守る正義の味方、誕生ね」
「は?」
紅い悪魔はうれしそうに、呼び鈴を鳴らした。
リィン、と澄み渡る音がすると同時に、彼女が現れた。
「どうかしましたか、お嬢様」
「ああ、咲夜。彼をパチェのところに案内してやって。それと貴方にお使いが一つ」
「かしこまりました、ところでお嬢様」
咲夜は男を横目に、
「彼の名前は?」
「ああ、私はエミ……」
「幻想郷を守る正義の味方よ、パチェがその手の話に詳しいようだから彼女に聞きなさい」
「なに?」
正義の味方、という言葉に嫌悪感を覚えるがそれよりもまず、自分の名前が認識されないまま話が終わってしまった。
「わかりました、それでは」
……正直なところ、自分が当事者であるのに自分なしで話を進められることほど厄介なことは無いという教訓を得たが大きすぎる代償だった。
咲夜が、パチュリーの元へ男を案内し、館を出た後。
暗い埃だらけの図書館で彼らは話し合っていた。
「とりあえず、サーヴァントであるのなら奴隷戦隊ドレンジャーなんていいんじゃないかしら。この世辞辛い世の中なら受けるわよきっと」
「いや待つんだ、それでは赤以外は語呂が悪くなってしまうな。ドレッドならいいとしてもドブルーとかドイエローとかはなにかの冗談としか思えん」
「冗談だもの」
「意地が悪いな君は」
……割とノリノリに決めていましたとさ。
・・・最初の小学生とかいってたから有間都古がでるかと思ってたのに(何
しかしまさかアーチャーがれみりゃ様のサーヴァントになるとは……
コレには驚き。
この調子でセイバーやらアルクェイドも出てきてほしいですね。
あなたの中では東方以外がメインにとなっているとしか私には思えません。
少なくとも東方のキャラ名にふりがなは殆んど必要ありません。寧ろクロスさせた方のキャラにふってください。
後、型月知らん人はサーヴァント知らん。てこと忘れないで下さいね。
なんだか文章が短い気がするからもっと長くしたほうがいいと思う。
次回に期待しますので。
文章としては、現段階で問題はなく十分良作の域に思えますが、今後の展開において東方キャラの影が薄くなる危険性を感じます。
期待はしていますが、それだけに言っておきます。中途半端にまとめるくらいなら最初から書かないほうがマシだと。
ここではクロスは極端に少ないので純粋にどこまでやれるのか楽しみです
ただひとつ言っておくと、クロスものは『書いてみたい』だけでは途中で力尽きて倒れるのは間違いないということ
昨今、異世界の人物がやってくるという形式の作品群が大量に生まれては停滞したままになっています
物語を書くということは、一つの世界を生み出すということ
努々、その事をお忘れになりませぬように・・・
というか題名でクロスって分かるんだから嫌なら読まなきゃいいのに
パチェのセンスに吹いたw
しかもアーチャーがリーダーか。似合いすぎるw
うーん、俺はクロスさせたキャラの方の説明がもう少し多くてもいいくらいだと思うんだが。『文章の説明が多い=メイン』じゃないと思う。
むしろ、説明がない方が読み物として不親切だよ。
ここは東方SSを書く場なんだからそれ以外は知らないのが前提だし。
感想を過剰に気にせずこのままでいいんじゃないかな。
東方キャラは皆が知ってるのが前提なので東方キャラに振り仮名はいらないかな。
物語はまだまだ序盤、これから更に広がる様子だけど…明確なモノが無いまま風呂敷を広げすぎると畳むのに苦労するので注意した方がいいですよ。いや、ホントに。
風当たりは強いと思うがガンバレ!
本当にその通りならいいんですよ、全く問題ない。
でも逆ですよね? ここは「東方の」SS投稿所ですからそりゃダメです。
あと、私TYPE-MOON作品の設定大体分かりますけど
>アーチャーとかキャスターとか居なくなったはずが記憶まで残してなんでいるのか
これについて「そこはそれ」とか、何の説明にもなってませんよね。
ご都合主義で設定捻じ曲げるくらいなら筆を折ってください。ホントお願いしますよ。
クロス嫌いな人ってクロス作品が嫌いだから批評する人が多いんで気にせずに自分の書きたい事書いていいと思いますよ。
面白くなかったです。以上。
実際クロスで1万点越えてる作品もありますしね
なにがいいたいかというと、つまんn(ry
なんでだろう……自分は東方も型月も好きなのに
あー……中国いじりはおもしろかった………か……?