香霖堂―――
魔理沙：あけましておめでとうっ
香霖：おや。あけましておめでとう
魔理沙：今年もよろしくなっ
香霖：僕はあんまりよろしくしたくないんだけどね･･･
魔理沙：まぁそう言うなって。よろしく頼むぜっ
香霖：やれやれ･･･ああそうだ、折角きたんだ、お年玉あげよう
魔理沙：えー、いらないよ。私もう子供じゃないぜ？
香霖：まぁそう言うなって。あって困るものじゃないだろう
魔理沙：それはそうだけど･･･
ていうか香霖、儲かってないのになんで毎年私にくれるんだ？
香霖：師匠の娘さんだからね
魔理沙：ふぅん･･･
香霖：他にはもう挨拶済ませたのかい？
魔理沙：あ、忘れてた･･･じゃ、ありがとなーっ
香霖：ああ、また
香霖：･･･ふぅ、行きましたよ
霧雨：いや悪いな。声を聞いて、つい隠れてしまった
香霖：いえ、仕方ないかと
霧雨：しかし、まぁ、なんだ。
ちゃんと毎年渡してくれてたんだなぁ
香霖：あ、当たり前でしょう。人をなんだと･･･
霧雨：だってお前、どう見ても儲かってないだろこの店･･･
香霖：はぁ･･･あなた方親子は本当、良く似てらっしゃいますよ
霧雨：おかげで喧嘩が堪えなくてなぁ
香霖：ま、なんでもいいんですけどね･･･
霧雨：今年は良い年になりそうだ。娘の声も聞けたしな
香霖：（後悔するなら勘当しなきゃ良かったのに）
霧雨：まぁ、とりあえず今日はもう帰るわ。
じゃ、元気にやれよ。人を騙すなよ？
香霖：騙されても騙しませんよ
霧雨：ばか、騙されてもだめだろうが
香霖：ははは
霧雨：じゃぁな
香霖：はい
扉の向こう側―――
魔理沙：お父様も素直じゃないよなー、くすくすくす
白玉楼―――
幽々子：妖夢～、妖夢、どこにいるの～？
妖夢：幽々子様、さっきから隣に居ますって
幽々子：･･･あら？
妖夢：はぁ･･･何の御用でしょうか
幽々子：あ、そうだったわ、えっとね･･･えっと･･･
妖夢：？
幽々子：ちょっと待ってね思い出すから･･･
妖夢：は、はぁ･･･（大丈夫なんだろうか冥界･･･）
幽々子：うーんとね、えーっと･･･
妖夢：･･････（せめて私だけでもしっかりしなくては！！）
幽々子：庭の宴会場の事なんだけどー
妖夢：宴会場ですか？
幽々子：そうそう、今宴会やってるじゃない？そこでね･･･
萃香：『もっとお酒もってきなさいよー、この屋敷にあるの全部―っ』
幽々子：って、あんな風に暴れてるのが見えてるんだけど。気づかなかった？
妖夢：わっ、わぁっ、私の桜がっ、折角今年一番で綺麗に整えたのにっ
幽々子：成敗していいわよ？
妖夢：うわーん、こ、この鬼がーっ、覚悟しなさいっ！！
って大きすぎますってこれっ！？
萃香：『うん？』
ぷちっ
妖夢：みょ～～～
幽々子：はぁ･･･
（頼りない･･･やっぱり私がしっかりしないとだめなのかしら）
魔法の森、某所―――
アリス：う･･･うぅ･･･こ、今年も･･･日の出見損なった･･･
上海：しゃんはーい
蓬莱：ほうらーい
アリス：大晦日の宴会にも呼ばれなかったし･･･
除夜の鐘の直前で寝ちゃうし･･･
上海：しゃんはーい
蓬莱：ほーらーい
アリス：おまけにお餅は焦がすし、お年玉は五百円だけだったし･･･
上海：しゃんはいはーい
蓬莱：ほうらいらーい
アリス：挙句に振袖を着てみたら転ぶって何なのよっ！！
魔理沙：ほんと、年を越しても相変わらず不幸の塊だなぁ
アリス：呑気に見てないで起こしなさいよっ
魔理沙：えー、自分で起きろよ、不幸が移りそうでなんかやだぜ･･･
アリス：足を捻ってて痛いのよっ、鼻緒まで切れてるし･･･
魔理沙：いよいよ不吉だぜ･･･
アリス：ほっといてよっ！！
魔理沙：泣くなよ･･･ほら
アリス：う･･･あ、ありがと･･･
魔理沙：にしても、なんだって和装なんだ？
アリス：･･･何故か実家から送られてきたのよ
魔理沙：よく着けられたなぁ。
私なんてとてもじゃないけど一人じゃ無理だぜ
アリス：あなたと違って器用だもの
魔理沙：足元の不注意で転んでちゃ世話無いぜ。
ほら、いろいろ汚れてる
アリス：うぅ･･･
魔理沙：それで、初詣は博麗神社か？
アリス：･･･知り合いに見られたらまた笑われそう
魔理沙：悪かったって。
あんまりに予想外だったからびっくりしちゃったんだよ
アリス：びっくりで爆笑はないでしょっ
魔理沙：いやいや似合ってるって。じゃ、別の神社行くか？
アリス：別の？他に何かあったかしら･･･まさかお寺･･･
魔理沙：いやいやいや、いくら私でもそんな間違いはしないぜ
アリス：そ、そう･･･
魔理沙：いいからついてこいよ。案内するから
アリス：うーん･･･何か不安だけど･･･ま、いいか･･･
そして―――
魔理沙：つ、ついたぜ･･･
アリス：はぁ･･･はぁ･･･っ
魔理沙、言いたいことが一つ二つあるんだけど･･･
魔理沙：後にしろよ、敵の前だぜ
アリス：なんで･･･
神奈子：信仰が失われた神社はただの小屋。
貴方は毎日のように小屋に通っているだけ―――
アリス：なんで私達弾幕ごっこやってるのよ！！
魔理沙：だって仕方ないだろ、他に神社って言ったらここしか･･･
アリス：異変解決してないのにつれてこないでよっ
魔理沙：もしかしたら解決してるかなって思ってたのに･･･
霊夢め、さぼったな
アリス：他人任せだったの！？
神奈子：―――人の話をきけぇぇぇぇぇっ！！！
アリス＆魔理沙：あっ･･･
ピチューン
山の麓―――
アリス：くすん･･･うぅ･･･ぐすっ･･･
魔理沙：な、泣くなよ･･･
アリス：お･･･お年玉が･･･私のお年玉がぁ･･･
魔理沙：五百円だろ･･･
アリス：五百円もあったら出店で綿菓子くらい買えたものっ
魔理沙：子供かよ
アリス：返しなさいよっ、私の五百円！！
魔理沙：お賽銭だったと思えば良いじゃないか
アリス：参拝客からお金奪い取る神様がどこにいるのよ！？
魔理沙：山に居ただろ
アリス：うわーんっ
魔理沙：ま、まぁ、ゲームオーバーになったらお金を失うのはよくあることだぜ？
アリス：あんたが言うなっ
魔理沙：さてと、気を取り直していつもの神社行こうぜ
アリス：そ、そうね･･･いつまでも泣いてても仕方ないものね。
前向きに、今年こそは前向きな私でっ
魔理沙：（一生無理だと思うぜ･･･）
そして博麗神社―――
魔理沙：おーい霊夢―っ、あけましておめでとうっ、だぜ
霊夢：んー？ああ、あけおめー、ことよろー
魔理沙：うわっ･･･すごく適当な言い方だなぁ･･･
アリス：･･･相変わらず新年早々寂れてるわねぇ
霊夢：うん？ああ、居たのねアリ―――
ぷっ、何その振袖、紅白にでも出るの？
アリス：うわぁぁぁぁぁぁんっ
魔理沙：あっ、アリスっ
霊夢：あーあ、泣いちゃった･･･
魔理沙：･･･ま、いっか
霊夢：そうね。で、何、初詣？
魔理沙：そうそう、初詣だ。ついでにたまにはお賽銭でもと
霊夢：え、あ、やだ。やめてよ。
友達同士でそういうの、なんか変でしょ
魔理沙：それはそうだけど･･･
霊夢：たとえ飢えても、友達からお金を取ったりしないわよ
魔理沙：･･････
霊夢：ど、どうしたの？
魔理沙：熱･･･はないよな。夢でもないし･･･うーん
霊夢：ちょ、どういう意味っ
魔理沙：いんや、なんでも･･･
霊夢：全く、失礼しちゃうわ
魔理沙：ははは、悪かったって
霊夢：まぁ、適当にお参りしていって。お茶いれてくるから
魔理沙：ああ、いつも悪いな
魔理沙：･･･何企んでるんだろう。気になるな
霊夢：おまちどうさま
魔理沙：ああ、ありがと
霊夢：･･･それにしても、やけにぼろぼろだけど、何かしたの？
魔理沙：ああ、山に行ってた
霊夢：山？何かあったっけ
魔理沙：いや、忘れるなよ･･･
霊夢：ていうか私最初の焼き芋くさい娘の所で追い返されてそれ以来ずっと行ってないわ
魔理沙：･･･いや、せめて河童の所くらいは行こうぜ？
霊夢：だって何回やっても倒せない･･･
魔理沙：どれだけ下手なんだよっ！？
霊夢：いやー、最近争いの場から離れて平穏に過ごすのも良いかなって･･･
魔理沙：巫女仕事しろよっ
霊夢：じゃあ、私がお仕事回すから、魔理沙が解決して。
それで、私は紹介料を貰うの
魔理沙：それ霊夢何もやってないよな
霊夢：えー、いいじゃない、お正月くらいゆっくりさせなさいよ
魔理沙：いつもゆったりしてるじゃないか･･･
霊夢：それはそうと―――
魔理沙：？
霊夢：ずっと前から思ってたんだけど、この紅い霧何なのかしら
魔理沙：･･･さぁ？出始めたのってもう何年も前だろ？
毒になるわけでもないし、もう気にならなくなってたぜ
霊夢：何だったのかしらねー
紅魔館―――
レミリア：･･･誰も来ないわね･･･
咲夜：忘れられてるのでは？
レミリア：どれだけ鈍感なのよ･･･
咲夜：そういえば、山に新しい神様が出たとか聞きましたよ？
レミリア：え･･･あ、あの･･･私の出番は？カリスマは？
咲夜：いや、私に言われましても･･･
（終）
ってか働けよ主人公'S
てるよたちは引篭ったまんまだし、春はいつまで経ってもこないけど夏が来るおかしい世界にｗｗ
ついでにあたりには花が咲き乱れてるわけかｗ
振袖が実家から送られてきたって事は神綺様は幻想郷に来てないんだろうし……
誰から５００円貰ったんだろう？