何度目のナニカ
眠るは好きだった。
ただだらだらとしたいのではなく、うんざりしていたのだ。何度も咲いては散る桜等の花達、廻り続ける季節、生まれる命と消えゆく命達。
そんな当たり前の理だって自分の力を使えばいくらでも変えられる。しかし世界は誰もが思うほど当たり前に存在しているわけでもなく、少しでもナニカが崩れたらそこから布から解れ飛び出た糸のようにそこから世界は壊れていってしまう。
だからそんな世をいつまでも見ているのは退屈で辛い。だから寝ているのだ。
しかし、何か最近感じるものがある。命が命として生まれる前の魂が幻想郷の近くまでやってきているのだろう。でもいつもならそんなこと気にも止めないのだ、その魂はなにかが違う。時間の周期からすれば新しい代の博麗なのかもしれない。でも何かそれだけでは済ませないナニカが彼女にはあるのかもしれない。幸いにも災いなどの種にはならなそうなのは確かである。
しかし、その魂に惹かれているように他のたくさんの魂や命達が幻想郷に集まってきているのを微弱だが感じる。
その魂が気になって、少し起きてみようかと、自分の睡眠状態を弱めていく、水に浮いたような体に除々に重力がかかっていくのがわかる。目覚めは近い。
「紫様、おはようございます。良く眠れましたか?」
「ええ、ありがとう、藍、よく私が起きるのがわかったわね」
「それはまぁ、私は紫様の式神ですから」
紫の式神「八雲藍」はそう言って紫の着替えを紫の枕元に置いた。
「ふふ、それもそうね、家のことを全部任せちゃったけど大丈夫だったかしら?」
「ええ、もうこの生活も長いのでさすがに慣れますよ」
「せっかくだし貴方の猫の式神も連れて散歩でも行かない?私が寝ている間に外がどうなっているのかも知りたいし」
「ええ、喜んで」
「紫!?」
うるさいわねぇ
「紫さま!?みなさん待ちくたびれて向かえに来ちゃいましたよ!?」
そんな大声出さなくても聞こえてるわよ
「今日は宴会の日だぜ!?時間厳守って言ったのは紫じゃないか!!」
宴会・・・?・・・・・・あぁ、そうだ、私は今日も霊夢達と・・・
「んっ・・・ぉ、ぉはょ?」
一同「ちょwww寝ぼけてるwww」
「今日は宴会があったけど、少し時間があったから昼寝していたんだったわ・・・・・・、夢の中で夢を見るなんて・・・」
もう見慣れた光景だった、大量の酒が一夜にして無くなっていき、魔理沙が騒ぎ、霊夢が悪酔いして、鬼と文屋の天狗が飲み比べをして、吸血鬼や幽霊も妖怪も関係なくはしゃいでいる。
そんな彼女達を紫はぼーっと眺めていた。
「紫様、今日はあんまり元気がないみたいですけど具合でも悪いのですか?」
ふいに藍が話しかけてきた
「いや、そんなことはないけど・・・少し今日の私ヘンだったかしら?」
「私の気のせいだったのかもしれませんが・・・最近の紫様は前のように眠らなくなったので少し気になったもので・・・」
少し驚いたような顔をして紫は言った
「そういえば言われてみれば最近あんまり長い時間寝てないわね、でも心配しなくて大丈夫よ、特に具合も悪くないし落ち込んでいるわけでもないから」
「そうですか、ならよかったです」
そう言って藍はさっきまで一緒に飲んでいたグループの中に戻って行った。
「確かに最近眠らないわね」
人に言われて初めて気付くそれは紫にとっては大切な変化だった。
そうして紫は霊夢達のグループに混ざっていった。
「さぁ、今日は飲むわよー!」
「おー!」
紫は霊夢達にさっきのねぼけ顔と第一声をネタにされつつみんなと一緒に宴会を楽しみながらふと思った。
「こんな繰り返しなら何度見てもいいわね」
眠るは好きだった。
ただだらだらとしたいのではなく、うんざりしていたのだ。何度も咲いては散る桜等の花達、廻り続ける季節、生まれる命と消えゆく命達。
そんな当たり前の理だって自分の力を使えばいくらでも変えられる。しかし世界は誰もが思うほど当たり前に存在しているわけでもなく、少しでもナニカが崩れたらそこから布から解れ飛び出た糸のようにそこから世界は壊れていってしまう。
だからそんな世をいつまでも見ているのは退屈で辛い。だから寝ているのだ。
しかし、何か最近感じるものがある。命が命として生まれる前の魂が幻想郷の近くまでやってきているのだろう。でもいつもならそんなこと気にも止めないのだ、その魂はなにかが違う。時間の周期からすれば新しい代の博麗なのかもしれない。でも何かそれだけでは済ませないナニカが彼女にはあるのかもしれない。幸いにも災いなどの種にはならなそうなのは確かである。
しかし、その魂に惹かれているように他のたくさんの魂や命達が幻想郷に集まってきているのを微弱だが感じる。
その魂が気になって、少し起きてみようかと、自分の睡眠状態を弱めていく、水に浮いたような体に除々に重力がかかっていくのがわかる。目覚めは近い。
「紫様、おはようございます。良く眠れましたか?」
「ええ、ありがとう、藍、よく私が起きるのがわかったわね」
「それはまぁ、私は紫様の式神ですから」
紫の式神「八雲藍」はそう言って紫の着替えを紫の枕元に置いた。
「ふふ、それもそうね、家のことを全部任せちゃったけど大丈夫だったかしら?」
「ええ、もうこの生活も長いのでさすがに慣れますよ」
「せっかくだし貴方の猫の式神も連れて散歩でも行かない?私が寝ている間に外がどうなっているのかも知りたいし」
「ええ、喜んで」
「紫!?」
うるさいわねぇ
「紫さま!?みなさん待ちくたびれて向かえに来ちゃいましたよ!?」
そんな大声出さなくても聞こえてるわよ
「今日は宴会の日だぜ!?時間厳守って言ったのは紫じゃないか!!」
宴会・・・?・・・・・・あぁ、そうだ、私は今日も霊夢達と・・・
「んっ・・・ぉ、ぉはょ?」
一同「ちょwww寝ぼけてるwww」
「今日は宴会があったけど、少し時間があったから昼寝していたんだったわ・・・・・・、夢の中で夢を見るなんて・・・」
もう見慣れた光景だった、大量の酒が一夜にして無くなっていき、魔理沙が騒ぎ、霊夢が悪酔いして、鬼と文屋の天狗が飲み比べをして、吸血鬼や幽霊も妖怪も関係なくはしゃいでいる。
そんな彼女達を紫はぼーっと眺めていた。
「紫様、今日はあんまり元気がないみたいですけど具合でも悪いのですか?」
ふいに藍が話しかけてきた
「いや、そんなことはないけど・・・少し今日の私ヘンだったかしら?」
「私の気のせいだったのかもしれませんが・・・最近の紫様は前のように眠らなくなったので少し気になったもので・・・」
少し驚いたような顔をして紫は言った
「そういえば言われてみれば最近あんまり長い時間寝てないわね、でも心配しなくて大丈夫よ、特に具合も悪くないし落ち込んでいるわけでもないから」
「そうですか、ならよかったです」
そう言って藍はさっきまで一緒に飲んでいたグループの中に戻って行った。
「確かに最近眠らないわね」
人に言われて初めて気付くそれは紫にとっては大切な変化だった。
そうして紫は霊夢達のグループに混ざっていった。
「さぁ、今日は飲むわよー!」
「おー!」
紫は霊夢達にさっきのねぼけ顔と第一声をネタにされつつみんなと一緒に宴会を楽しみながらふと思った。
「こんな繰り返しなら何度見てもいいわね」
読み直すとわからなさが話の深さになっているような気がしてきました。
だからこそ幻想郷なのか。