Coolier - 新生・東方創想話

薬を飲ませた話 椛一片

2007/12/26 06:51:17
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こんにちは。

真実報道の為なら盗撮だって厭わない。がモットーの射命丸です。

いや~寒い季節になりましたね。幻想郷にも冬が来ましたよ。
個人的にはレティさんより、リリーさんを歓迎したいのですが、大自然の力にはいくら天狗でも及ばない、ということですね。
それにしてもこたつは偉大だなあ。
お茶とみかんがおいしいです。
天狗だって冬は寒いですよ。ズズズズ・・・・はあ、あったまる。
山は一面の銀世界です。
というか、降雪量が半端じゃないです。人里とは段違いです。
さっき少し休もうと雪面に降り立った時に
ズブッ、と雪に頭まで沈み込んでかなり焦りました。
まあ、約千年間毎年同じことを繰り返しているような気がしますが、気にしたら負けです。
それよりも。
それよりも気にしなくてはならない事態が起こっています。
最近椛の様子がおかしいんです。
妙に余所余所しいというか、何か避けられているんですよ。
上司いじめですか?椛さん。
そもそも椛は生真面目ないい子で通ってます。
故に同僚に相談しても、

「間違いなく原因はお前だな。」

「部下まで盗撮すんなよ。」

「変な奴が上司だと苦労するねぇ。あいつも」

「新聞の下書きは出来たのか?」

「つーかお前、仕事しろ。」

こんな感じですよ。散々な言われよう。一方的に私が悪いみたいな。最後のほう椛関係ないし。
くそ~。おぼえてろよ~。
特に下から二番目の編集長に至っては、会話すら成立してないです。
椛だってにとりさんと遊んだりしてサボってんのに・・・。

「・・ぃ・・・・・。射命丸様!」
「うわっと!椛!?い・・・何時からそこに!?」
「ついさっきです。一応ドアをノックしました。ボーっとして、寝不足ですか?」

背後に回られても気づかないなんて、なまってますねぇ。私。
そこにはいつもどうりの袴姿できちっ、と直立している椛がいました。
白狼天狗の特徴、犬耳がキラキラと輝く銀髪から生え、
背中には天狗なら大概生えてる黒い翼を畳んでます。
顔立ちは幼い男の子にも見えますね。女の子ですけど。
危ないお兄さんお姉さんに連れて行かれないか心配な私の部下です。

「いや、少し考え事を・・・」
「そうですか。あとお仕事の方溜まっていますよ。滝の防衛戦力の強化。それに伴う食料費の追加書類。
本山の警備、他山の見回り、部下への支持、新聞。あとは・・・・。」
「ま・・・待ってください!そんな一度に言われても・・・。」
「射命丸様が悪いんですよ。最近ぼんやりしてて仕事してないじゃないですか。」
「それは・・・・。」
「それに部下に敬語は使うなと大天狗様にも言われましたよね。」

敬語は良いじゃないですか。癖になってますし。
でもここまで言われるとムッとしますよね。少し脅かしてみましょうか。

「ふふふ、じゃあ・・・・」
「・・・・!射命丸様!!?」

さり気無くかつ思いっきり顔を近づけて、

「あなたは、こっちの私のほうがいいのかしら?クスッ。」
「な・・・・あ・・・・・・。」

手で軽く顎を持ち上げて、唇が重なる5センチ前位の所に固定します。
椛は硬直して全然動きません。可愛らしいですね。
実は私自身相当恥かしかったりしますが
緊張したり、顔を赤らめたりすると、効果なくなりますからね。これポイント。
カリスマを振りまくように!幽々子さんの受け売りでもあります。

「・・・・冗談ですよ~。」

ちょっとしたら離れます。うわ~顔が真っ赤です。よっぽど吃驚したようですね。
私は威圧する時に標準語を使うんですけど、その他の使い道もあるようです。

「驚かさないで・・・・ください。(心臓止まるかと思った・・・・・・。)」
「?椛・・・・・?」
「い・・いや!なんでもないです!」

どうやら相当怒っているご様子。多分今回のことだけじゃないでしょう。
やはり本人に直接聞いたほうがいいですよね。

「あの・・・。椛。私が何か・・・・」


私に非があるなら言ってほしい。そういうつもりでした。
こういうときは目を見て話すのが常識です。


「!・・じゃ・・・じゃあ私は見回りがあるので!!」
「ちょ・・・ちょっとまっ・・・。うう・・・ひどい・・・。」


目を逸らすとさっさと出て行ってしまいました。
話すら聞いてもらえないとは・・・・心がえぐられますよ。しくしく。












それから半日後です。早くも日が沈みかけ、闇が世界を塗りつぶしていく時間になりました。
一通りの仕事をこなしやっと一息つけるようになった私はぶらぶらと山の周りを低速飛行しています。
取材をするわけでもなく、予定があるわけでもなく。
寒いです。体も心も凍てついてますよ。
うう・・・。仕事柄、他人に好かれるような性格でないのは自覚していましたが、
部下にまで嫌われているとは・・・。くすん。
でもこのまま嫌な上司のレッテルを貼られたままじゃあ終われませんよ。
涙を拭いて立ち上がるんだ!私!こういうとき、自分で悩んでるだけじゃあ前に進めません。
下手したらL5になります。
まず誰かに相談することです。でも同僚は当てになりませんし、どうしたら・・・・。


立ち直りが早いのが私の長所。

しかし信用に足る友人は数少ないのです。


萃香さんはどこにいるのかわからないし大天狗様は忙しそうだし神社はドロドロの三角関係ですし
紅魔館は今からじゃ迷惑がられそうだし・・・・あ!永遠亭の永琳さんなら・・・!

「そうと決まれば一直線ですよ!『テイク・オフ・スピードフルバーニア!』このネタ知ってる人いますかね!?」



速度を一気に上げて、風を追い越し、暗い竹林の中に突入!ちょっと爽快だったりします。寒いけど。
永琳さんとは少し前に薬物の取材で知り合った仲です。
天狗の酒は薬の材料になるらしく、たびたび余った物を持って行っていたんですよ。
確かに、私には永遠亭の場所の見分けがつかないし天性の勘も無いですけど・・・・・


「はあはあ・・・。運がよければそろそろ・・・。」


だだっ広い竹林のおおよそ真ん中上空。
私はその機会を待ちます。
下方の竹が吹雪でざわざわと揺れて・・・・雹が降り始めてきましたね。
はあ・・・寒いなぁ・・・。
でも我慢です。忍耐力は必要不可欠ですよね。はは・・・お花畑見えてきた。
でもこれは修行時代の時よりは幾分マシです。サボってほとんど修行してなかったけど。


ガタガタと震えながら肩を抱きますが、あまり効果ないです。

その時広い竹林の一角が光りました。
七色の光と炎の鳥が激突しています。
遠めに見れば季節はずれの花火のようですね。綺麗だな~。
花火もお花畑も。って正気に戻れ!私!


「!あそこですね。見つかってよかった~。凍死する前に直行です!!痛たたたたた雹が顔に。」

わからない人はいないと思いますが、輝夜さんと妹紅さんの弾幕合戦です。
室内ゲームか弾幕戦かの分の悪い賭けでしたけど、何とかなりました。
疾風のごとく加速していきます。その間にも雹が顔に・・・。いたたたた。
幸い近くで、すぐに着きますね。いたたたた。


「はあ・・・はあ・・・。レイセンさんこんにちわ。いや、こんばんわかな」
「あ!文さん久しぶりです。」
「永琳さんはどちらに?」
「師匠なら実験室にいますよ。ここからあっちに真っ直ぐいけば永遠亭です。」
「ありがとうございます。それでは。」
「あははははは!どうだ輝夜!冬は私の独壇場だ。」
「自分だけ炎に包まるなんてずるいわよ!寒いからまりをカート64しよう?」
「やっとお前に勝てそうなんだ。だれがやめられるか!」
「・・・背に腹は変えられないわね。永遠と須臾の力を受けなさい!」
「お前それは使わない約束・・・・ぐはあ!!!」
「イナバ、もこたん担いで。屋敷に戻るわよ。あー寒い寒い。」
「ラジャー、姫様。」






やっと着きました。いつ来ても不思議な雰囲気です。こんなに長い廊下、
掃除するの大変ですよね。おっと、たしかこの部屋のはずです。いきなり入るのは失礼なのでノックしましょうね。

トントン。

「はーい。うどんげ?」
「いいえ。文です。お久しぶりです。」
「あやや?天狗も風邪を引くから気をつけなさいって言ったのに。」
「いえ。風邪じゃ無くて相談にのってほしいな~と。」
「仕事のことなら、ろくな相談相手になれないわよ。」
「対人関係のことです。」

ドア越しの話も失礼ですけど、少し前にひどい目に遭いましたからね。
用心に越したことはないです。ああ~思い出しただけで寒気が・・・・・。
てゐさんのブービートラップはさ○こ並なのですよ。み~。

ガチャリとドアが開き、永琳さんが顔を出しました。どうやら大丈夫みたいです。
むむ・・・相変わらずのビッグバストですね。少し羨ましい。

「へえ・・・。それはおもし・・・大変そうね。私でよかったら力になるわ。」
「ありがとうございます。」

明らかに面白そう言っていますが、今更気になりません。
もともと胡散臭い人ですからね。この人も。
多分暇つぶしなんだろうな~。

「まあ中に入りなさい。対人関係というと、友達とか?」
「いいえ、部下の様子が・・・。嫌われてるんでしょうか。最近・・・・・」

この頃の椛の様子を事細かに話します。
聞き出すのは慣れていますが、話すとなると少し苦手だったり。
でもこれも医者としての心得なのでしょうか。時々の相槌が絶妙でとても話しやすいです。
ああ、永琳さんは薬師でしたね。多才なのは良いことです。

「・・・な感じなんですよ。私はどうすれば・・・・。」
「フフン。要するに好感度を上げればいいのね?」
「ええ・・。まあ・・・。」
「まかせなさい!確かこの辺に・・・・。」

言いながら胸の谷間に手を突っ込みました。
むむむ・・・。富士山。いや、エベレストかな?確かこの辺に・・・て常にそこにあるんですか?

「あった!これよ!」

在りました。四次元谷間ですね、すごい。流石天才。
その手には目薬くらいの小瓶がひとつ。

「それは・・・なんですか?」
「これは『えーりん特製 朝雲暮雨』よ!」
「え~と・・。惚れ薬みたいな物ですか?流石にそこまでは・・・・。」

私に女性好きな趣味はありませんよ?
周りはガツガツやってますけど。

「似て非なるものよ。完成させるのに百年以上掛かったんだから。
用途は説明書をつけるからそれを見なさい。困ったことがあったらまた来てね。」

その小瓶と巻物を適当な箱に詰めて渡してくれました。ありがとう。永琳さん。少し怪しいけど。

「助かりました。ありがとうございます。ではまた!」

じゃあね。と手を振る永琳さんを背中に勢いよく部屋から飛び出しました。
この分なら見回り時間の前に家に着きそうです。

「説明書を読めば大丈夫よね。お茶でも出せばよかったかしら。」
「えーりんえーりん助けてえーりん。」
「どうしました?姫様。」
「もこたんとカラオケ合戦するから審査員お願い。」
「はいはい、今行きます。」






永遠亭からぶっ飛ばして戻ってきたおかげで、考えていたよりも早めに帰宅することができました。
大体、六時ころですね。

「はあ~寒かった~。」

暖房も付けてなかったので当然部屋も寒いんですが、
外に比べればパラダイスですよ。ハワイですよ。
コタツの電源を入れつつ、早速箱を開けます。
中には先ほど見たとおり、小さな小瓶と巻物。
取り出すとポロ・・・。と小さな紙が落ちました。何だろ?

「これは・・・。地図?」

そこには永遠亭までの道のりが書いてありました。
多分レイセンさんが里まで行っても迷わないように、だと思われます。
地図は箱に戻して、説明書を開いて見ましょう。巻物って、今時だれが使うんでしょうね。
うわ。何だこのマスコット。ヤゴコロ?天才の趣味は解らないです。

「え~となになに・・・・・。『えーりん特製 朝雲暮雨』の用途法・・・・。」






人間は一ヶ月程度効果が持続します。幽霊、妖怪、鬼、天狗は約三日程度しか効き目はありません。
当薬品は対象者に投与しないと効果はありません。あなたの血液と混ぜて摂取させてください。
効果が現れるのは最低十二時間後また効果が現れてからの連続使用は有効です。
好感度はもともと持っていたものに上乗せされます。一滴で10上がる物とします。
以下の表を参考にしてください。

1、1~10   存在を否定される程度

2、11~30  かなりうざがられる程度

3、31~60  ただの知り合い程度

4、61~80  友達だと思われる程度 または想われる程度 信頼○

5、81~90  親友だと思われる程度 または惚れさせる程度 信頼◎

6、91~100 かなりラブラブゾッコンな程度

7、101~   ヤンデレ化する程度 



※滴定する前に対象者の好感度を測ってください。好感度推量マニュアルをよく読んで使用してください。
 また、これに乗じて起こった如何なる負債も当薬局では一切弁済はいたしません。
                            ヤゴコロ薬局   
以下、好感度推量マニュアル・・・・・






ふむふむ、三日ですか。

確かに、これを使っただけでは根本的な解決にはなりません。
そこで!
とりあえず、好感度を友達程度に上げて、薬が効いてる間に良いとこ見せて椛の信頼を得ます。
そして私の悪いところを挙げてもらい、改善に努めます。
これなら薬が切れても、徐々に関係は回復するでしょう!よっしゃあ!

これから夕の見回りです。もちろん椛もです。区域も隣ですし。
好感度推量マニュアルを読みつつ、おにぎりをほうばりつつ、いざ!!
(ガッ!)
っっ!!!??
た・・・箪笥の角に小指がっ・・・・・・・!
死ねるっ・・・・!







・・・余所見はいけませんね。いたたた、まだ痛い。とりあえず椛の見回り区域です。
あ!いましたよ。ターゲットが!生真面目に規定速度で飛んでいますね。
それでは、マニュアルに合わせていきましょう。
1、あいさつの方法・・・。ふむふむ。
要約すると、声をかけられるのを待ち、そのリアクションを見て判断するわけです。三十点満点。

気づかない振りをしながら椛の前に行きます。良い気はしませんが仕方ありません。
普通に声をかけてくれるでしょうか。『うわ』とか言われたら死にたくなりそうです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・あれ?
いくらなんでも、おそ・・・・・・・・・・。

振り返ると、全力で引き返している椛が遠くに。
ははは・・・・・。死にたくなってきた。
椛の力は『千里先まで見通す程度の能力 』ですから気づかないはずありません。
声をかけられるどころか、逃げられました。0点。

でも諦めません。
全力で椛を追い上げます。
次は会話でのリアクション。これも三十点満点。
ほんとは『声をかけられる』から繋げるんですけどこの際仕方ないです。

「っっ・・・しゃあああ!!」
「うわ!射命丸様!?ここは私の見回り区域ですよ。」

幻想郷一番の俊足。自慢の翼です。すぐに追いつきました。
ていうか『うわ』っていわれた。
あはは・・・。ロープってどれ位の太さが良いんでしょう。

「いやあ、遠くに椛の姿が見えましたからね。挨拶がてらに・・・と。」
「わざわざ私の為に・・・・。」

・・・・・む?少し顔が赤いですね・・・。

!!もしや・・・!いや!そうに違いない!

「・・・・・椛、風邪を引いてたんですか?」
「・・・は?いいえ・・・・。」

そうだったんですよ。永琳さんも天狗でも風邪は引くって言ってたじゃないですか。

「そうなら早く言ってくれれば良いのに。どれどれ。」
「!!射命丸様!?」

だから苛々したり、声をかけるのが面倒だったりしたんですよ。
はあ。私の杞憂でよかった~。
体温計とか無いのでおでことおでこで測ります。

「ん、熱は無いようですね。」
「・・う・・あ・・・しゃ・・・めい・・・ 」

私の袴を弱々しく握ってきました。
顔も真っ赤です。
痛いところでもあるのでしょうか。
額を離して・・・・と。

「どうかしましたか?」
「!!///」
「っ!椛!!?」

あろうことか、突き飛ばされました。
まさかフルパワーでくるとは・・・。
なにゆえそこまで拒絶しますか・・・?
くるくると回りながらようやく体勢を整えます。

「・・あ!ごめんなさい!ごめんなさい!」

赤かった顔を青くして謝ってきました。

「いえ・・・いいですよ。ははは。ところで、練炭って香霖堂にも売ってますか?あはは。」
「・・・うう・・・ごめんな・・・い・・グスッ・・ごめん・・なさい。」
「ええ!?そんな・・泣かなくても!」

これまたびっくり。椛が泣くところなんて初めて見ました。
泣くほど嫌だったんですか?チクショー!!
泣きたいのはこっちですよ。




さめざめと泣く椛をあやしつつ、自宅へ連れて来ます。
嫌がるかと思いきやあまり抵抗ありませんでした。

「じゃあ・・お茶の用意をしてきますからね・・・。」
「いいえ。ここは部下の私が・・・」
「っ喝ーーーーー!!!」
「(ビクッ)!!」
「私に任せてください!それはもうこの世のものとは思えないようなお茶を持ってきますから!」
「え・・・お・・・・お願いします。」

そそくさと台所に入る私。
こうでも言わないと引き下がりませんからね。椛は。
さて、もう一度マニュアルを見ますが、多く見積もっても総計三十点にとどかず。
『かなりうざがられる程度』ですって、ははは・・・。あれ?目から汗が・・・。
大体、最初に逃げられた時点で好感度もくそもないですよね。
『友達だと思われる程度 信頼○』にもっていくには、最低四滴必要です。

「まずは・・・。」

指先を少し噛み切り、血を一滴お客様用の湯飲みに垂らします。
次に例の秘薬を四滴入れ
最後に沸かしたお茶を加えます。コポコポと。

「・・・これで・・・。」

完成です。
薬自体は無色透明、無臭。
味は確かめられませんよね。なんせ滴単位で効果がある薬ですから。
お茶の緑に溶けました。これなら大丈夫でしょう。

「自分の分を用意して・・・と。お茶が入りましたよ~。」

こぼさない様に運びましょう。ここでミスったら、吊る自信があります。

「ありがとうございます。射命丸様・・・。」
「さあどうぞどうぞ。熱いうちに。」
「いただきます・・・。」

熱いお茶なのに、コク、コクと音をたてて飲み干していきます。
緊張してたんでしょうか。よっぽど喉が渇いていたんですね。
ははは・・・・緊張って。どんだけ~。
なにがともあれ、これで作戦の50%が終了。は~。よかった。

「ふぅ、ご馳走様。射命丸様、明日のこと忘れてないですよね?」
「はあ?なんかありましたっけ?」
「とぼけないでください。明日は年に一度の・・・。」

そうでした。百年単位でサボり続けてきたので忘れていましたが、明日は実施演習がありました。
まあ、身体能力とか戦闘技術とか検査するあれです。別名新人いじめともいいます。
うわ~面倒くさいな~。スカウターとかあれば便利ですよね。

「いや・・・私は・・・」

そう言いかけて閃きました。椛にいいとこ見せるチャンス。

「よし!明日はがんばります!椛も私の雄姿を見ててください!!」
「私も出席ですよ。それに碌に修行もしてない上に、何百年も実施演習に参加してない射命丸様には負けませんよ!」
「うう・・・まあなんとか・・・・。」

返す言葉もありません。本当にありがとうございました。

「それより・・・あの・・・・射命丸様・・・。」
「なんですか?」
「あの・・・・。私・・・・。」

何でしょう。いつもの様にズバッと言えば良いのに。私の心をえぐるがごとく。

「私・・・・・・私・・射命丸様のことが(ボーン、ボーン・・・・・・)
「あ~、もう九時ですね。で、私がなにか?」
「も・・・もういいです!おやすみなさい!!」
「ええちょっと・・・。ええ~~~。」

物凄い勢いで出て行きました。
玄関からドアが閉められる音が響いてきます。
なんで・・・?
それなりにフレンドリーなつもりだったのに。

「くすん。でもいいですよ。そうしてられるのも今のうちです。」

お茶を片付けつつ今後の予定を考えます。
実施演習は午前六時から。薬の効果が出るのは今から十二時間後の午前九時。
いいとこ見せないと。
二日目、三日目はどうしましょうか・・・・。
明日は早く起きなければいけませんね。
今日はここまで、それではおやすみなさい。明日が楽しみだなあ。

・・・・・ところでヤンデレってなんでしょう?まあいいか。
好感度高いってことは悪くはないってことですよね。ツンデレみたいな感じですよ。きっと。
文←椛は僕のジャスティス・オヴ・ジャスティス
きっと文は自分への好意に鈍感なんですよ!そして常に敬語ですよ!仕事の建前とかじゃないんですよ!
椛は赤面症で恥ずかしがりなんですよ!
正直、主人公格よりもそれを取り巻く人たちが好きだったり。良いじゃないですか。
文は主人公だったけど。
うう・・・・れっどいんおれんじ書けてないのに、新しい前後編を・・・・・orz
しかたねえ。放置プレイ!いや、中途半端はよくないと思います。
と言いますか、一作目書いてから小説勉強したので悲劇的なズレが・・・。
なにやってんだよ。おれ・・・・。一様完結まで漕ぎ着けたいです。
ぼるS
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コメント



0.1010簡易評価
5.90名前が無い程度の能力削除
コレは素敵な文椛!!
一体文は次回以降どうなってしまうのか!楽しみにしております。
8.80名前が無い程度の能力削除
ヤンデレ好きなので超期待
9.80名前が無い程度の能力削除
>101~  ヤンデレ化する程度
やっぱり「過ぎたるは及ばざるが如し」ですか・・・
10.100名前が無い程度の能力削除
文←椛にはげしく同意!!待ってました文←椛!!しかし、まさか前後編になるとわ!!続きを早くください!!
11.80名前が無い程度の能力削除
好意に値するよプラス発情期
と思っていました
ヤンデレしかも装備www
15.70名前が無い程度の能力削除
ヤンデレ椛に超期待ww