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またしても雨の日の憂鬱の続きなので先にそっちを見ることをお勧めします。
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「あぅ~眠い・・・」
今日もまたすがすがしい朝という訳でもなかった。
「あと5・・・・・・・50分・・・・・」
50分、それだけ寝れれば大丈夫であろうと思った矢先に・・・
「美羽ー!おきなさーい!!」
居間から霊夢の声が響いてくる。
「くっ・・・・」
あんたが原因だ、あんたが・・・・。
かれこれ昨日の晩の事。
霊夢に魅魔と玄爺のことを話したらそう・・・っといっただけであったが、
そこから半刻ぐらいしたあとが大変だったのである。
その時の神社は外が晴れたのですべての障子を全開にしていた。
「すー すー すかー」
美羽が気持ちよさそうに寝ているときであった・・・・
「すーすーす(ガン!)・・・んごぉ!」
相当な衝撃だったのだろうか、瞬時に頭を抑える美羽。
「いったぁ・・・・何何々!?」
とはいっても何も見当たらなかった。
「なんだたんだろう・・・・気持ちよく寝ていたのに・・・」
そして勢い良く布団に倒れこむ美羽。
ゴン!
「・・・・・(涙目」
見つからないと思ったら枕の上にあったのだ、灯台下暗しとはよく言ったものである。
そして先ほどと同じく頭を抑える美羽であった。
「あぅあぅぅ・・・何これ?」
美和が手にしたものは白色と黒色が波打つように分けてある球体、それぞれの色の大きいところに点が対になるように二つずつ書いてある。
それは陰陽玉と呼ばれているものであった。
「霊夢のかな?」
そういい隣の部屋を見ると物凄い格好をした霊夢が寝ていた。
霊夢の寝苦しそうに唸りながら右へ左へ上へ下へなんとも理解しがたい動きをとっている。
当然寝ながらなので床を這うように。
そのせいか寝巻きは半分はだけていてあまり機能していない。
どこぞの魔法使いや吸血鬼が見たら我が人生に一片の悔い無し!とでもいいながら宇宙の彼方まで赤いアーチを描きつつ飛んで行きそうな場面であった。
なぜなら、
「つ・・・・・・」
まともな方の人間まで鼻血をだしながらうずくまるのだから。
まだ全部取れていたならいいだろう。
しかし、後ほんの数ミリ・・・いや、数ミクロンで見えるあれやこれなどは男女人妖問わずに本能を擽られてしまうだろう。
「いやいやいいや・・・私は女!そして霊夢も女!そう、同性!同棲?私は正常!」
意味不明になりつつある言葉を小声で叫びもう一度霊夢を見る。
「・・・だめでした」
どこぞのメイド長ほどではないがポタポタと血が滴る・・・鼻から。
「あぁ・・・もぅ・・・寝巻きを直せばいいんだ」
そして霊夢に近寄る美羽、その目は捕食者のそれであった。
美羽は霊夢のすぐそばで停止すると両手を無意識にわきわきしながら素晴らしい笑顔と素晴らしい目つきで霊夢の寝巻きに触れる。
霊夢はそんな貞操のピンチのときでも相変わらず寝苦しそうにうーうー唸っている。
「霊夢、今楽にしてあげますよ」
いろいろと危ない台詞を吐き手に力を入れた矢先に・・・
「んー」
スパァン!
「グハ!」
お払い棒が美羽のわき腹を直撃した。
「つつつつ・・・は!私は何をしようと!」
どうやら先ほどの一撃で目が完全に覚めたようである。
「あぁ、これじゃ霊夢風邪引いちゃうって」
そういい霊夢の寝巻きを直す、目線をそらしながら。
そしてその部屋に陰陽玉を置きまた布団に入った。
「陰陽玉につぶされるー」
何の夢を見ているんだという疑問を持ちながら。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「あのときはなかなか寝付けなかった・・・」
そして美羽はしぶしぶ布団をたたみ居間へ向かう。
「おはようございます霊夢」
「おはよう、遅いわよ」
ちゃぶ台の上には既に朝食が用意されていた。
「まぁちょっといろいろありまして・・・いただきます」
「そぅ、いただきます」
霊夢は知らない、夜中に貞操を死守していたことを。
「そうそう、きょう霖之助さんの所に行くんだけど美羽もくる?」
「霖之助さんって誰ですか?」
美羽が知るはずも無い、ましてや里の人間さえ知るものはほとんどいない。
「魔法の森で栄えない店開いている変わった人よ」
変わった人と言うのであれば変態なんだろうか・・・。
そういう不安が美羽の頭を過ぎった。
「店というのであれば買い物ですか?・・・賽銭一度も見たことが無いんですけど・・・」
「ん、お茶葉をもらいにいくだけよ」
なんと、幻想郷にはお茶をただでもらえる店があるのか!
っと間違った知識を覚えた美羽であった。
「あぁ、たしかにもうそこが見えていますしね」
「ついでにお昼もそこで食べるから昼前には行くわよ」
お昼もご馳走してくれるのか、そーなのかー。
ますます曲がった知識を覚えてしまう美羽、将来が不安である。
「なら私も行きます、晴れていますし」
今日は雲一つ無い空であった、美羽にとっては一番好ましい天気である。
「ついでに冷房もっていこうかな・・・」
「冷房ですか?」
「そう、冷房」
「冷房・・・ですよね?」
「生意気な冷房」
「・・・」
「ここであったが百年目!今日はあたいから縄張りを荒らしに来たぞ!どうだ!まいったか!紅白!」
「噂をすれば何とやら」
「これが冷房ですか!?」
神社に突如飛んできたのは紅魔館の周辺の湖に出没するチルノという幻想郷1、2位を争うバカであった。
「バカっていうな!」
「だれにいってんの?」
「さぁ・・・?」
チルノは何故か地団駄を踏む。
「うぅー!・・・あれ?誰?そこの黒一色」
「私?」
黒い髪、黒いTシャツ、黒い長ズボン・・・すべてに置いて外に出たら炭化しそうな人物。
「そう、そこの地味なあんた」
「地味ゆーな!それにこの服は私の趣味じゃないの」
美羽は元の世界では勝手に外に出れなかったため服はすべて買って貰ったのしかなかった。
といっても本当に買ったのかどうか怪しいところである。
「まぁどうでもいいし」
「・・・」
美羽の表情は一見笑っているが頭に青筋が浮かんでいた。
「美羽」
「あ、はい」
「適当に縛り上げておいて、もっていくから」
「はい!」
そういい残し霊夢は厨房へと歩みだす。
「あ、まてー!紅白!逃げるのか!」
庭でチルノがなにやらギャーギャー騒いでいる。
「手っ取り早く終わらせよう」
美羽は立ち上がりチルノの方へと歩き出す。
無論、思考の半分は能力のためのスタンバイ済みである。
「ん?何?あんたがあたいと勝負するの?」
「乗り気じゃないけど」
「へぇんだ、あたいを捕まえようなんてあと100年はやいよ!氷符・・・・」
チルノがスペルを唱えようとした瞬間美羽がパチッっと指を鳴らした。
その瞬間チルノの足元に穴が開く。
「へ?あ?あぁぁぁぁぁ!?」
気が動転しているのか羽があるのに穴に落ちていった。
「しばるのめんどくさいなぁ・・・まぁしかたないか」
見た目とは裏腹にやる事が酷い美羽であった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
一方そのころ魔法の森の境目にある店の香霖堂にて。
「ふむ」
店の中に居たのは眼鏡をかけた青年であった。
彼が霖之助である。
「なかなかあたっているかもな」
霖之助の読んでいるものは外の世界の魔道書である。
なんでもその薄い本の中に良くあたる占いが書いてあるとか。
しかも表紙には定価400¥と書いてある。
「ん?」
あるページで霖之助の目が止まった、そこは霖之助の占い結果が書いてある場所であった。
「何々?今日は新たな出会いがあるでしょう、ラッキーカラーは青」
たった一行であった。
「新たな出会いといわれてもそれが吉と出るのか凶とでるのかも書いてほしかったな」
霖之助は本から目線をあげた。
「その新たな出会いが客でありますように」
その時、店の扉が勢い良く開いた。
「なんだ、また君か」
そこに居たのは魔理沙であった。
「なんだとはなんだ、この店は客にそんないやな顔をするのか」
魔理沙に気づかれないように机の中に本をしまう。
「商品を勝手に持っていく人は客じゃないと何度いったら解るんだ?」
呆れた様子で霖之助は言った。
実際に略奪は最近始まったことではない。
「私とこーりんの仲じゃないか」
「親しき仲にも礼儀ありという言葉をしっているか?魔理沙」
「何回も聞いたが私の辞書の中には無いな」
「そうかい・・・」
霖之助は深くため息をついた。
この店の半分ぐらいの品物は魔理沙から譲り受けたものなのであまり強くいえないのである。
「兎に角、ただでさえ儲からないのに最近はいつも以上に赤字で経営破たんしそうなんだ」
「それは大変だな、それじゃこれをもらっていくぜ」
ひょいっと魔理沙は棚から商品を取り出す。
「君には耳が無いのか?」
「冗談だぜ」
やれやれっといった感覚で霖之助が椅子にもたれ掛かる。
「本当は宴会の誘いだぜ」
「君が僕を誘うなんてどういう風の吹き回しだい?」
霖之助は実際宴会にはあまり誘われない。
一番の理由は彼自身が男だからであろう。
「その言い方はまるで私が薄情みたいじゃないか」
「これのどこが薄情じゃないんだ?」
心底あきれた様子で言った。
「むぅ・・・まぁ神社に新入りがきてな」
「妖怪か何かかい?」
「違う、外の世界の人間だ」
「それはそれで珍しいな、君たちが仲間と認識するなんて」
外の世界から来た人間は大体は妖怪に食われるかここの里で暮らすことになる。
外から来て魔理沙達の仲間入りということはやはり特異能力持ちなのだろうか。
「あいつはなかなか面白い奴だぜ?なんせ外の人間なのに妖怪とすぐに打ち解けるなんてそうできることじゃないからな」
「それはなかなか興味深いね・・・で?その人の名前は?」
「美羽だぜ」
「そうか、それじゃ僕は芋焼酎でも持っていくことにするよ」
「たのんだぜ」
そういい魔理沙は出口へと向かう。
「あとどこに行くんだい?」
「紅魔館と白玉楼と博麗神社だぜ、じゃあな」
そして魔理沙は返事を待たずに飛び去っていった。
「ふぅ・・・」
一人になって気が緩んだのか全身の力を抜く。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「すっかり忘れていたわ」
「何をですか?」
「む~」
霊夢と美羽が横に並びその後ろに美羽と手をつないだチルノがいる。
縛ろうとしたところ触れたとたんそのヒンヤリ感に心奪われた美羽がチルノを離そうとしないため縛らずにそのまま連れて行くことになった。
チルノ事態ももう観念した様子である。
「あなたが飛べないこと」
「はぁ・・・」
現状霊夢たちは魔法の森で森林浴している、不本意だが。
しかしチルノがいるだけマシであろう、
もとより魔法の森は湿度が高いため気温事態が外より低くても夏はかなり蒸し暑くなる。
「このままじゃ日が暮れちゃうわ・・・」
「はぁ・・・すいません・・・」
縮こまる美羽。
「別に気にしなくていいわよ」
「うぅ・・・」
霊夢に気を使ってもらってさらに縮む美羽。
「あ、そうだ」
「・・・何ですか?」
霊夢がポンっと手をたたく。
「美羽の能力でいけばいいんだわ」
穴を通るというすばらしい提案であった・・・が。
「無理です」
即答。
「へ?なんで?」
あまりの速さの返答に霊夢も面食らったようだ。
「この能力は場所を特定して発生させるのではなくそこにできる結果を予め導き出してそれを実行する感覚なんです」
「というと?」
「どこに行きたいではなくそこに穴を開けるとどうなるって発想が大事なんです、結論から言えば知っている場所にしかいけないんです」
「そういうことね」
そして霊夢は大きくため息を吐く。
「まぁあと一時間ぐらいで着くし歩きましょう」
霊夢が開き直るが・・・。
「徒歩で2時間ぐらいですか」
実際は神社から歩いても日は暮れない。
そして相変わらずチルノは唸りながらさっきの美羽の話で頭の中が混乱している。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「さて・・・と」
霖之助はパタンっと本を閉じた。
「もうそろそろ昼か・・・」
そして立ち上がろうとした途端、
ギィっと音がして扉が開く。
「いらっしゃ・・・なんだ霊夢か」
「いきなりいやそうな顔しないでよ」
霊夢が(略奪に)来るのはよくあることだがいやな顔をするのはあんまりない。
「二人ともタイミングが悪すぎる・・・」
「ん?何か言った?」
「いや、空耳だろう」
さらっと流すところこの手のやり取りは慣れているのであろう。
「ところで今日は何の用だい?」
「お茶をもらいにきたの」
「また付けでか・・・」
がっかりしたように言った。
「それと新入りの紹介」
「新入りって・・・例の外の人間かい?」
「あら?知っていたの?」
すこし驚いた様子で霊夢が問う。
「あぁ、すこし前に魔理沙から聞いたよ、宴会もやるんだってね」
「へ?宴会!?」
今度は本当に驚いた様である。
「知らなかったのかい?紅魔館とか白玉楼とかも行くって言っていたからかなり集まると思うんだが・・・」
「まったく聞いてないわ・・・まぁいいわ、あの子の紹介もついでにしとくわ」
「そうそう、それでその外の世界の子はどこにいるんだい?」
「ん・・・今呼ぶわ」
そういって扉から出る。
「妖怪とすぐ仲良くなれる人間ってやっぱり妖怪並にすごい人なんだろうか・・・」
その間霖之助は勝手な想像をしまくっていた。
しばらくしてギィっという音がしてさらに大きく扉が開いた。
「あぁいらっ・・・」
「しー」
霊夢が人差し指を口に当てていた。
その後ろに並んで現れたのは長めの髪の黒毛と黒い服装に身を包んだ少女・・・とその背中で寝ている氷精。
「君が美羽か、やれやれ・・・魔理沙の言ったとおりのようだな」
「はじめまして、佐々苗美羽です。
よろしくおねがいします」
「僕は森近霖之助、よろしく」
小声で自己紹介を済ませる。
「ところで、なんでチルノが君の背中で寝ているんだい?」
「私は飛べないのでここまで歩いてきたんですよ」
「それはご苦労様」
「それでチルノがもう歩きたくないって駄々こねちゃいまして・・・」
普段飛び回っている物にとって地上を歩くのは結構な労働なのであろう。
「そして私が鉄拳制裁しようと思ったら美羽がおんぶするっていいだしてね」
「それでそのままねちゃったって訳か」
「そうです」
「なかなかやさしい子なんだね」
「いえいえ、ありがとうございます」
真意はやはりチルノ独自のヒンヤリ感である。
「んぅ・・・」
チルノが目を覚まし、ごしごしと目をこすりはじめる。
「あ、起こしちゃった?」
「ここどこぉ?」
チルノはまだ寝ぼけているのかぽけ~っとしながら言う。
「ここは僕の店だ」
霖之助が言う。
前にもチルノはここにきた(連行された)ことがあるのでこの言葉で十分なのである。
「美羽の寝心地はどうだった?チルノ」
すこしニヤっとしながら霊夢が聞く。
「きもちよかった・・・」
寝起きのチルノは素直らしい。
そのとき美羽は。
(か・・・かぁいい!・・・お持ち帰りしたい!)
などと考えていたが放って置く。
そして次第にチルノが覚醒していく。
「・・・・・!」
急にチルノの顔が赤くなり美羽から飛ぶ。
「こ・・・子供あつかいするな!」
そして微妙にずれた発言をする。
「だれもして無いわよ、それに子供じゃん」
「なんだよー!紅白の馬鹿ー!」
「まあまあ二人とも落ち着いて下さい」
「僕からもお願いする、ここで弾幕ごっこやられたらたまらないからな」
そしてチルノが不満そうな顔をする。
「だってこの紅白が!」
「チルノ、いいかげんにしなよ。また穴の中に落としちゃうよ?」
「ごめんなさい!ごめんなさい!もうしません!」
チルノが急に震えだし涙目になる。
「美羽」
「なんでしょうか」
「あの穴の中ってどうなっているのよ・・・」
「良くわかりませんが真っ暗だったと思います、あと得体の知れないものがごろごろと」
この時霖之助がピクっと反応した。
「ますます紫みたいね・・・」
紫のスキマも得体の知れないものがごろごろしている。
「なぁ美羽?」
「はい?」
霖之助がそわそわしながら美羽に話しかける。
「そのー得体の知れないものと言うのを見せてもらいたいんだ」
「私もきになるわ」
「はぁ・・・いいですけど何が出るか解りませんよ?」
「それでもいい、まぁ何が出てもいいように表に行こうか」
「はい」
「えっと・・・あたいも」
そして4人は表に出る
「それじゃあけますよ」
「あぁ、いつでも」
美羽が目を閉じる、すると巨大な穴が空中に出現し・・・。
(ガラガラドンガラガシャンズドドドドドドン)
物凄い音が魔法の森に響く。
(からん)
最後にやかんが降って来た。
「すこしですけど」
「すこしなの!?」
「これはすごいな・・・」
「うわぁ・・・・」
皆唖然としている。
「・・・美羽がここまでためたの?」
「いえ、自分が入れたのもほんの少し混ざっていますがその他はいつの間にか入っていたものや、もともと入っていたものです」
そして霖之助がそのガラクタの山に近寄り。
「ちょっといろいろ見せてもらって構わないかい?」
「えぇ、もっていってもいいですよ」
霖之助の目が光った。
「わかった、それじゃ遠慮なく」
霖之助がガラクタの山を崩しにかかる。
そこに。
「ちょっとー!あんた達何やってんのよ!」
そう叫びながら金髪であり青と白の服を着た少女が飛んできた。
「あら?アリスじゃない、どうしたの?」
「アリスさんですか」
「そ、それでその後ろで飛んでいる小さい人形が上海人形と蓬莱人形よ」
「人形が動いているんですか!?」
「アリスは魔法使いであって人形使いだからね」
どうこう話しているうちにアリスが着地した。
「なによさっきの音、おかげで人形たちがパニック起こして大変だったんだからね」
「あの・・・すいません」
美羽が申し訳なさそうに謝る。
「それにしてもすごいガラクタの山ね」
「美羽が全部出したのよ紫みたいに」
そのときであった。
「こ・・・これは!かつてアーサー王が使っていたとされる聖剣エクスカリバー!」
霖之助が大声で叫んだ。
「なんですって!美羽・・・といったかしら!私もちょっと物色させてもらっていいかしら!」
焦ったようにアリスが聞く。
「あ、はい・・・どうぞ」
「ありがとう!貴方とはいい関係になれそうだわ!」
そしてダッシュでガラクタ山へと向かう。
「三人で店内に戻りましょ」
「はい」
「うん」
残された三人は店内に戻る。
相変わらず外では・・・
「紫水晶の結晶じゃないか!ここまで完璧なのははじめて見たぞ・・・」
「上海!蓬莱!手分けしてマジックアイテムを探すわよ!」
「シャンハーイ」「ホラーイ」
「これは・・・いったいなんだ」
「シャンハーイ」
「これグリモワールじゃない!でかしたわ!上海!」
「ホラーイ」
「これは・・・何かしら」
「それは・・・その槍は・・・ロンギヌスの槍じゃないか!」
「なんですってぇ!?」
といった叫びが今も響き渡っている。
「長くなりそうね」
お茶をすすりながら霊夢が言った。
一方そのころ。
「うぅ」
上空を飛んでいる白黒の魔法使い。
「何故だ・・・急に香霖の所に戻らなくちゃいけない気がしてきた・・・」
これは魔理沙の本能なのであろうか、つづく。
またしても雨の日の憂鬱の続きなので先にそっちを見ることをお勧めします。
/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「あぅ~眠い・・・」
今日もまたすがすがしい朝という訳でもなかった。
「あと5・・・・・・・50分・・・・・」
50分、それだけ寝れれば大丈夫であろうと思った矢先に・・・
「美羽ー!おきなさーい!!」
居間から霊夢の声が響いてくる。
「くっ・・・・」
あんたが原因だ、あんたが・・・・。
かれこれ昨日の晩の事。
霊夢に魅魔と玄爺のことを話したらそう・・・っといっただけであったが、
そこから半刻ぐらいしたあとが大変だったのである。
その時の神社は外が晴れたのですべての障子を全開にしていた。
「すー すー すかー」
美羽が気持ちよさそうに寝ているときであった・・・・
「すーすーす(ガン!)・・・んごぉ!」
相当な衝撃だったのだろうか、瞬時に頭を抑える美羽。
「いったぁ・・・・何何々!?」
とはいっても何も見当たらなかった。
「なんだたんだろう・・・・気持ちよく寝ていたのに・・・」
そして勢い良く布団に倒れこむ美羽。
ゴン!
「・・・・・(涙目」
見つからないと思ったら枕の上にあったのだ、灯台下暗しとはよく言ったものである。
そして先ほどと同じく頭を抑える美羽であった。
「あぅあぅぅ・・・何これ?」
美和が手にしたものは白色と黒色が波打つように分けてある球体、それぞれの色の大きいところに点が対になるように二つずつ書いてある。
それは陰陽玉と呼ばれているものであった。
「霊夢のかな?」
そういい隣の部屋を見ると物凄い格好をした霊夢が寝ていた。
霊夢の寝苦しそうに唸りながら右へ左へ上へ下へなんとも理解しがたい動きをとっている。
当然寝ながらなので床を這うように。
そのせいか寝巻きは半分はだけていてあまり機能していない。
どこぞの魔法使いや吸血鬼が見たら我が人生に一片の悔い無し!とでもいいながら宇宙の彼方まで赤いアーチを描きつつ飛んで行きそうな場面であった。
なぜなら、
「つ・・・・・・」
まともな方の人間まで鼻血をだしながらうずくまるのだから。
まだ全部取れていたならいいだろう。
しかし、後ほんの数ミリ・・・いや、数ミクロンで見えるあれやこれなどは男女人妖問わずに本能を擽られてしまうだろう。
「いやいやいいや・・・私は女!そして霊夢も女!そう、同性!同棲?私は正常!」
意味不明になりつつある言葉を小声で叫びもう一度霊夢を見る。
「・・・だめでした」
どこぞのメイド長ほどではないがポタポタと血が滴る・・・鼻から。
「あぁ・・・もぅ・・・寝巻きを直せばいいんだ」
そして霊夢に近寄る美羽、その目は捕食者のそれであった。
美羽は霊夢のすぐそばで停止すると両手を無意識にわきわきしながら素晴らしい笑顔と素晴らしい目つきで霊夢の寝巻きに触れる。
霊夢はそんな貞操のピンチのときでも相変わらず寝苦しそうにうーうー唸っている。
「霊夢、今楽にしてあげますよ」
いろいろと危ない台詞を吐き手に力を入れた矢先に・・・
「んー」
スパァン!
「グハ!」
お払い棒が美羽のわき腹を直撃した。
「つつつつ・・・は!私は何をしようと!」
どうやら先ほどの一撃で目が完全に覚めたようである。
「あぁ、これじゃ霊夢風邪引いちゃうって」
そういい霊夢の寝巻きを直す、目線をそらしながら。
そしてその部屋に陰陽玉を置きまた布団に入った。
「陰陽玉につぶされるー」
何の夢を見ているんだという疑問を持ちながら。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「あのときはなかなか寝付けなかった・・・」
そして美羽はしぶしぶ布団をたたみ居間へ向かう。
「おはようございます霊夢」
「おはよう、遅いわよ」
ちゃぶ台の上には既に朝食が用意されていた。
「まぁちょっといろいろありまして・・・いただきます」
「そぅ、いただきます」
霊夢は知らない、夜中に貞操を死守していたことを。
「そうそう、きょう霖之助さんの所に行くんだけど美羽もくる?」
「霖之助さんって誰ですか?」
美羽が知るはずも無い、ましてや里の人間さえ知るものはほとんどいない。
「魔法の森で栄えない店開いている変わった人よ」
変わった人と言うのであれば変態なんだろうか・・・。
そういう不安が美羽の頭を過ぎった。
「店というのであれば買い物ですか?・・・賽銭一度も見たことが無いんですけど・・・」
「ん、お茶葉をもらいにいくだけよ」
なんと、幻想郷にはお茶をただでもらえる店があるのか!
っと間違った知識を覚えた美羽であった。
「あぁ、たしかにもうそこが見えていますしね」
「ついでにお昼もそこで食べるから昼前には行くわよ」
お昼もご馳走してくれるのか、そーなのかー。
ますます曲がった知識を覚えてしまう美羽、将来が不安である。
「なら私も行きます、晴れていますし」
今日は雲一つ無い空であった、美羽にとっては一番好ましい天気である。
「ついでに冷房もっていこうかな・・・」
「冷房ですか?」
「そう、冷房」
「冷房・・・ですよね?」
「生意気な冷房」
「・・・」
「ここであったが百年目!今日はあたいから縄張りを荒らしに来たぞ!どうだ!まいったか!紅白!」
「噂をすれば何とやら」
「これが冷房ですか!?」
神社に突如飛んできたのは紅魔館の周辺の湖に出没するチルノという幻想郷1、2位を争うバカであった。
「バカっていうな!」
「だれにいってんの?」
「さぁ・・・?」
チルノは何故か地団駄を踏む。
「うぅー!・・・あれ?誰?そこの黒一色」
「私?」
黒い髪、黒いTシャツ、黒い長ズボン・・・すべてに置いて外に出たら炭化しそうな人物。
「そう、そこの地味なあんた」
「地味ゆーな!それにこの服は私の趣味じゃないの」
美羽は元の世界では勝手に外に出れなかったため服はすべて買って貰ったのしかなかった。
といっても本当に買ったのかどうか怪しいところである。
「まぁどうでもいいし」
「・・・」
美羽の表情は一見笑っているが頭に青筋が浮かんでいた。
「美羽」
「あ、はい」
「適当に縛り上げておいて、もっていくから」
「はい!」
そういい残し霊夢は厨房へと歩みだす。
「あ、まてー!紅白!逃げるのか!」
庭でチルノがなにやらギャーギャー騒いでいる。
「手っ取り早く終わらせよう」
美羽は立ち上がりチルノの方へと歩き出す。
無論、思考の半分は能力のためのスタンバイ済みである。
「ん?何?あんたがあたいと勝負するの?」
「乗り気じゃないけど」
「へぇんだ、あたいを捕まえようなんてあと100年はやいよ!氷符・・・・」
チルノがスペルを唱えようとした瞬間美羽がパチッっと指を鳴らした。
その瞬間チルノの足元に穴が開く。
「へ?あ?あぁぁぁぁぁ!?」
気が動転しているのか羽があるのに穴に落ちていった。
「しばるのめんどくさいなぁ・・・まぁしかたないか」
見た目とは裏腹にやる事が酷い美羽であった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
一方そのころ魔法の森の境目にある店の香霖堂にて。
「ふむ」
店の中に居たのは眼鏡をかけた青年であった。
彼が霖之助である。
「なかなかあたっているかもな」
霖之助の読んでいるものは外の世界の魔道書である。
なんでもその薄い本の中に良くあたる占いが書いてあるとか。
しかも表紙には定価400¥と書いてある。
「ん?」
あるページで霖之助の目が止まった、そこは霖之助の占い結果が書いてある場所であった。
「何々?今日は新たな出会いがあるでしょう、ラッキーカラーは青」
たった一行であった。
「新たな出会いといわれてもそれが吉と出るのか凶とでるのかも書いてほしかったな」
霖之助は本から目線をあげた。
「その新たな出会いが客でありますように」
その時、店の扉が勢い良く開いた。
「なんだ、また君か」
そこに居たのは魔理沙であった。
「なんだとはなんだ、この店は客にそんないやな顔をするのか」
魔理沙に気づかれないように机の中に本をしまう。
「商品を勝手に持っていく人は客じゃないと何度いったら解るんだ?」
呆れた様子で霖之助は言った。
実際に略奪は最近始まったことではない。
「私とこーりんの仲じゃないか」
「親しき仲にも礼儀ありという言葉をしっているか?魔理沙」
「何回も聞いたが私の辞書の中には無いな」
「そうかい・・・」
霖之助は深くため息をついた。
この店の半分ぐらいの品物は魔理沙から譲り受けたものなのであまり強くいえないのである。
「兎に角、ただでさえ儲からないのに最近はいつも以上に赤字で経営破たんしそうなんだ」
「それは大変だな、それじゃこれをもらっていくぜ」
ひょいっと魔理沙は棚から商品を取り出す。
「君には耳が無いのか?」
「冗談だぜ」
やれやれっといった感覚で霖之助が椅子にもたれ掛かる。
「本当は宴会の誘いだぜ」
「君が僕を誘うなんてどういう風の吹き回しだい?」
霖之助は実際宴会にはあまり誘われない。
一番の理由は彼自身が男だからであろう。
「その言い方はまるで私が薄情みたいじゃないか」
「これのどこが薄情じゃないんだ?」
心底あきれた様子で言った。
「むぅ・・・まぁ神社に新入りがきてな」
「妖怪か何かかい?」
「違う、外の世界の人間だ」
「それはそれで珍しいな、君たちが仲間と認識するなんて」
外の世界から来た人間は大体は妖怪に食われるかここの里で暮らすことになる。
外から来て魔理沙達の仲間入りということはやはり特異能力持ちなのだろうか。
「あいつはなかなか面白い奴だぜ?なんせ外の人間なのに妖怪とすぐに打ち解けるなんてそうできることじゃないからな」
「それはなかなか興味深いね・・・で?その人の名前は?」
「美羽だぜ」
「そうか、それじゃ僕は芋焼酎でも持っていくことにするよ」
「たのんだぜ」
そういい魔理沙は出口へと向かう。
「あとどこに行くんだい?」
「紅魔館と白玉楼と博麗神社だぜ、じゃあな」
そして魔理沙は返事を待たずに飛び去っていった。
「ふぅ・・・」
一人になって気が緩んだのか全身の力を抜く。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「すっかり忘れていたわ」
「何をですか?」
「む~」
霊夢と美羽が横に並びその後ろに美羽と手をつないだチルノがいる。
縛ろうとしたところ触れたとたんそのヒンヤリ感に心奪われた美羽がチルノを離そうとしないため縛らずにそのまま連れて行くことになった。
チルノ事態ももう観念した様子である。
「あなたが飛べないこと」
「はぁ・・・」
現状霊夢たちは魔法の森で森林浴している、不本意だが。
しかしチルノがいるだけマシであろう、
もとより魔法の森は湿度が高いため気温事態が外より低くても夏はかなり蒸し暑くなる。
「このままじゃ日が暮れちゃうわ・・・」
「はぁ・・・すいません・・・」
縮こまる美羽。
「別に気にしなくていいわよ」
「うぅ・・・」
霊夢に気を使ってもらってさらに縮む美羽。
「あ、そうだ」
「・・・何ですか?」
霊夢がポンっと手をたたく。
「美羽の能力でいけばいいんだわ」
穴を通るというすばらしい提案であった・・・が。
「無理です」
即答。
「へ?なんで?」
あまりの速さの返答に霊夢も面食らったようだ。
「この能力は場所を特定して発生させるのではなくそこにできる結果を予め導き出してそれを実行する感覚なんです」
「というと?」
「どこに行きたいではなくそこに穴を開けるとどうなるって発想が大事なんです、結論から言えば知っている場所にしかいけないんです」
「そういうことね」
そして霊夢は大きくため息を吐く。
「まぁあと一時間ぐらいで着くし歩きましょう」
霊夢が開き直るが・・・。
「徒歩で2時間ぐらいですか」
実際は神社から歩いても日は暮れない。
そして相変わらずチルノは唸りながらさっきの美羽の話で頭の中が混乱している。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「さて・・・と」
霖之助はパタンっと本を閉じた。
「もうそろそろ昼か・・・」
そして立ち上がろうとした途端、
ギィっと音がして扉が開く。
「いらっしゃ・・・なんだ霊夢か」
「いきなりいやそうな顔しないでよ」
霊夢が(略奪に)来るのはよくあることだがいやな顔をするのはあんまりない。
「二人ともタイミングが悪すぎる・・・」
「ん?何か言った?」
「いや、空耳だろう」
さらっと流すところこの手のやり取りは慣れているのであろう。
「ところで今日は何の用だい?」
「お茶をもらいにきたの」
「また付けでか・・・」
がっかりしたように言った。
「それと新入りの紹介」
「新入りって・・・例の外の人間かい?」
「あら?知っていたの?」
すこし驚いた様子で霊夢が問う。
「あぁ、すこし前に魔理沙から聞いたよ、宴会もやるんだってね」
「へ?宴会!?」
今度は本当に驚いた様である。
「知らなかったのかい?紅魔館とか白玉楼とかも行くって言っていたからかなり集まると思うんだが・・・」
「まったく聞いてないわ・・・まぁいいわ、あの子の紹介もついでにしとくわ」
「そうそう、それでその外の世界の子はどこにいるんだい?」
「ん・・・今呼ぶわ」
そういって扉から出る。
「妖怪とすぐ仲良くなれる人間ってやっぱり妖怪並にすごい人なんだろうか・・・」
その間霖之助は勝手な想像をしまくっていた。
しばらくしてギィっという音がしてさらに大きく扉が開いた。
「あぁいらっ・・・」
「しー」
霊夢が人差し指を口に当てていた。
その後ろに並んで現れたのは長めの髪の黒毛と黒い服装に身を包んだ少女・・・とその背中で寝ている氷精。
「君が美羽か、やれやれ・・・魔理沙の言ったとおりのようだな」
「はじめまして、佐々苗美羽です。
よろしくおねがいします」
「僕は森近霖之助、よろしく」
小声で自己紹介を済ませる。
「ところで、なんでチルノが君の背中で寝ているんだい?」
「私は飛べないのでここまで歩いてきたんですよ」
「それはご苦労様」
「それでチルノがもう歩きたくないって駄々こねちゃいまして・・・」
普段飛び回っている物にとって地上を歩くのは結構な労働なのであろう。
「そして私が鉄拳制裁しようと思ったら美羽がおんぶするっていいだしてね」
「それでそのままねちゃったって訳か」
「そうです」
「なかなかやさしい子なんだね」
「いえいえ、ありがとうございます」
真意はやはりチルノ独自のヒンヤリ感である。
「んぅ・・・」
チルノが目を覚まし、ごしごしと目をこすりはじめる。
「あ、起こしちゃった?」
「ここどこぉ?」
チルノはまだ寝ぼけているのかぽけ~っとしながら言う。
「ここは僕の店だ」
霖之助が言う。
前にもチルノはここにきた(連行された)ことがあるのでこの言葉で十分なのである。
「美羽の寝心地はどうだった?チルノ」
すこしニヤっとしながら霊夢が聞く。
「きもちよかった・・・」
寝起きのチルノは素直らしい。
そのとき美羽は。
(か・・・かぁいい!・・・お持ち帰りしたい!)
などと考えていたが放って置く。
そして次第にチルノが覚醒していく。
「・・・・・!」
急にチルノの顔が赤くなり美羽から飛ぶ。
「こ・・・子供あつかいするな!」
そして微妙にずれた発言をする。
「だれもして無いわよ、それに子供じゃん」
「なんだよー!紅白の馬鹿ー!」
「まあまあ二人とも落ち着いて下さい」
「僕からもお願いする、ここで弾幕ごっこやられたらたまらないからな」
そしてチルノが不満そうな顔をする。
「だってこの紅白が!」
「チルノ、いいかげんにしなよ。また穴の中に落としちゃうよ?」
「ごめんなさい!ごめんなさい!もうしません!」
チルノが急に震えだし涙目になる。
「美羽」
「なんでしょうか」
「あの穴の中ってどうなっているのよ・・・」
「良くわかりませんが真っ暗だったと思います、あと得体の知れないものがごろごろと」
この時霖之助がピクっと反応した。
「ますます紫みたいね・・・」
紫のスキマも得体の知れないものがごろごろしている。
「なぁ美羽?」
「はい?」
霖之助がそわそわしながら美羽に話しかける。
「そのー得体の知れないものと言うのを見せてもらいたいんだ」
「私もきになるわ」
「はぁ・・・いいですけど何が出るか解りませんよ?」
「それでもいい、まぁ何が出てもいいように表に行こうか」
「はい」
「えっと・・・あたいも」
そして4人は表に出る
「それじゃあけますよ」
「あぁ、いつでも」
美羽が目を閉じる、すると巨大な穴が空中に出現し・・・。
(ガラガラドンガラガシャンズドドドドドドン)
物凄い音が魔法の森に響く。
(からん)
最後にやかんが降って来た。
「すこしですけど」
「すこしなの!?」
「これはすごいな・・・」
「うわぁ・・・・」
皆唖然としている。
「・・・美羽がここまでためたの?」
「いえ、自分が入れたのもほんの少し混ざっていますがその他はいつの間にか入っていたものや、もともと入っていたものです」
そして霖之助がそのガラクタの山に近寄り。
「ちょっといろいろ見せてもらって構わないかい?」
「えぇ、もっていってもいいですよ」
霖之助の目が光った。
「わかった、それじゃ遠慮なく」
霖之助がガラクタの山を崩しにかかる。
そこに。
「ちょっとー!あんた達何やってんのよ!」
そう叫びながら金髪であり青と白の服を着た少女が飛んできた。
「あら?アリスじゃない、どうしたの?」
「アリスさんですか」
「そ、それでその後ろで飛んでいる小さい人形が上海人形と蓬莱人形よ」
「人形が動いているんですか!?」
「アリスは魔法使いであって人形使いだからね」
どうこう話しているうちにアリスが着地した。
「なによさっきの音、おかげで人形たちがパニック起こして大変だったんだからね」
「あの・・・すいません」
美羽が申し訳なさそうに謝る。
「それにしてもすごいガラクタの山ね」
「美羽が全部出したのよ紫みたいに」
そのときであった。
「こ・・・これは!かつてアーサー王が使っていたとされる聖剣エクスカリバー!」
霖之助が大声で叫んだ。
「なんですって!美羽・・・といったかしら!私もちょっと物色させてもらっていいかしら!」
焦ったようにアリスが聞く。
「あ、はい・・・どうぞ」
「ありがとう!貴方とはいい関係になれそうだわ!」
そしてダッシュでガラクタ山へと向かう。
「三人で店内に戻りましょ」
「はい」
「うん」
残された三人は店内に戻る。
相変わらず外では・・・
「紫水晶の結晶じゃないか!ここまで完璧なのははじめて見たぞ・・・」
「上海!蓬莱!手分けしてマジックアイテムを探すわよ!」
「シャンハーイ」「ホラーイ」
「これは・・・いったいなんだ」
「シャンハーイ」
「これグリモワールじゃない!でかしたわ!上海!」
「ホラーイ」
「これは・・・何かしら」
「それは・・・その槍は・・・ロンギヌスの槍じゃないか!」
「なんですってぇ!?」
といった叫びが今も響き渡っている。
「長くなりそうね」
お茶をすすりながら霊夢が言った。
一方そのころ。
「うぅ」
上空を飛んでいる白黒の魔法使い。
「何故だ・・・急に香霖の所に戻らなくちゃいけない気がしてきた・・・」
これは魔理沙の本能なのであろうか、つづく。
そのうち英霊たちも出てくるに違いないな
服装とお持ち帰りがレナですな。
それならゲイボルクもあるはずだッ!!