幻想郷、そこは妖怪と人間が共存する楽園、
しかし楽園といえども争いごとはある、縄張り、食料、見え、誇り、
それによって血が流れたり……はしなかった、なぜなら争いはより合法的になったからである。
ではどのように争うのか?
その答えは「経済」だった、経済を制したものが幻想郷を制する、
その間違ったような間違っていないような観念はいつの間にか幻想郷中に広がり、
妖怪も人も我こぞって会社を設立し始めたのだ、今から百年ほど昔の話である。
このお話は、そんなパラレルワールド的な幻想郷を綴ったものである。
幻想郷の隅の隅、知ってる人しか知らない場所にひっそりと佇む小さな木造社屋、
入り口横の看板には博麗株式会社とある、この会社は見た目こそは小さいものの、
幻想郷が外界から隔離された頃から存在する由緒正しい会社である。
「ふぅ、今月もぎりぎり黒字だねぇ」
そしてちょうど社屋から何かをやり遂げた顔をしながら出てきた一人の女性こそが、
この会社の社長の魅魔様である、緑髪の似合う姉御肌な悪霊だ、当然足は無い。
「おはよー」
「魅魔様おはようございまーっす」
「……来たな、給料泥棒ども」
のんびりとのんきな顔で挨拶をしながらやってきたのは、今更説明するまでもなく、
霊夢と魔理沙のゴールデンコンビである、一応この会社の社員である。
「給料泥棒とはひどいぜ」
「魔理沙……今は何時だい?」
「えーと、太陽の位置からするに四時頃だな」
「で、我が社の出勤すべき時間は?」
「気が向いたとき」
「よーし、いい覚悟だ!」
「あだだだだだだ!!」
魅魔がぐわしと魔理沙の顔を鷲掴みにして握り締める、
魔理沙がいくら抵抗しようがびくともしない所が、社長と社員の差なのだろう。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」
「本当に反省してるかい?」
「してます! 明日から三時に出社したくなるぐらいしてます!」
「ならば良し……とでも言うと思ったかこのアンポンタンがー!!」
「ぎゃあああああ!!」
締め上げることおよそ一分、魔理沙の顔には五本の指の跡がくっきりと残る。
「うう、こんな顔じゃもうお嫁にいけないぜ……」
「お嫁に行きたかったらもう少しおしとやかにするんだね」
「……それはつまり、もう少しおしとやかになれたら魅魔様のお嫁に?」
「ぶっ! か、からかうんじゃないよ!」
「本気だぜ」
「こらっ!」
「二人とも、いい加減漫才やめて中に入らない?」
「ノリが悪いな霊夢」
「ノリが悪いねぇ霊夢」
「……夢想されるか、中に入るか、選べ」
『入ります』
ちょっといちゃついてただけなのに霊夢が少しキレ気味だった、そんな午後。
「まったく、庭の一角を勝手に社屋にしてるくせに何よもう」
「はいはい悪かったって……ほら家賃」
「これからも末永くよろしくね!」
でもすぐに機嫌がよくなった、それも午後。
「さて、皆が知ってる通り、我が社は妖怪退治等を仕事とする会社だ
他にも結界を張ったり、防壁を作ったりだの、警備紛いのこともするがね」
「魅魔様、なんかやけに説明臭く無いか?」
「それがどうかしたのかい、入社二年目の霧雨魔理沙平社員」
「いえ何でもありません、初代博麗の巫女だった当社の初代社長との死に別れ際に社長の座を
押し付けられてそのままズルズルと百年近く経営を続けている魅魔様」
「来月の給料5%カット」
「酷いぜ……」
十二畳程度の広さの部屋に机が四つ、今いる三人が使っているのと誰も使っていない机が一つ、
他に見当たるものは無く、一目で会社とは思えないほどだ。
「でも会社なんだよ!」
「いきなりどうしたのよ」
「いや、なんでもない……」
「魅魔様も苦労してるんだ、気にかけないでやってくれ」
「そうね、最近しわも増えてきたみたいだし」
「あんたらがしっかり働けばこんなに苦労しないですむんだよ!!」
『あだだだだ!!』
アイアンクローツイン。
「あーもう、前置きは抜き! 仕事があるからとっとと行ってきな!」
「お、めずらしい、仕事だ」
「仕事なんて何ヶ月ぶりかしら」
「わたしゃほとんど毎日やってるんだよ!!」
『あだだだだだだだだ!!』
怒った社長にそのまま投げ捨てるように放り出される二人、
見事に頭から地面に着地かと思えば悠然と空に飛び上がっていくのは慣れている証拠か。
「そんじゃ行ってくるぜー」
「ちゃっちゃと終わらせてきなー、三十行ぐらいでなー」
「それは無理よー」
「まったく……」
そのまま飛び去っていく二人を見えなくなるまで見送って、頭に手を当て深い深い溜息一つ、
過去も今もこれからも、ずっと苦労し続けるのだろうか、とでも考えてるのだろうか。
~少女営業中~
「で、今回の仕事はどんなのだ?」
「えーと……人里の近くにある森で人間が襲われる事件が多発、ですって」
「ふーん、まだ活動的な妖怪がいるんだな」
パラパラといつの間にか社長から渡されていた書類を確認。
「宵闇の妖怪ルーミア、常に身の回りに闇をまとっている」
「ああ、通勤途中によく見かけるあれか」
「食人衝動強し、過去に妖怪更生所歴有り」
「ほー、筋金入りだな」
妖怪更生所歴があるということは、過去に何らかの事をしでかしたという事
それが何をしたかまでは記されてはいなかった。
「一筋縄でいく相手だといいんだけどね」
「だな……お、見つけた、今日も派手に真っ暗だな」
眼下に広がり続ける広大な森、そのとある部分に球形上に広がる闇、
日は落ちかけ、やや薄暗くなってきた今の状態でもくっきりとわかるほどに。
「マスタースパークで一気にやるか?」
「近くに人がいたらどうするのよ」
「襲われるとわかってて近づく人間なんていないぜ」
「まあ、あれだけ目立てばねぇ」
しかしその球形の闇にもう少しでたどり着くといったところで二人の顔は歪んだ。
「……いるじゃない、沢山」
「いやいや、せいぜい二、三十人ぐらいだ」
「それを沢山って言うのよ」
下を見回せば森の合間合間に見える人間の姿、
皆一様に闇を見つめている、まるでこっちに来いと言わんばかりに。
「あー、何なんだ一体?」
「とりあえず聞いてみればいいんじゃない?」
「そうだな、おーい」
兎も角森に降り立って適当な人間を捕まえる二人、
外見は人里のどこにでもいる普通の青年、しかもその手にお菓子まで持っていた。
「あんたこんな所で何やってんのよ」
「何って……襲われに来たんだよ」
「襲われにって、あいつにか?」
「ああ、その通りさ」
魔理沙が闇を指差すと青年はうなずいた、
どうやら襲われに来たというのは本当らしい。
「あ、あんたねぇ、何があったのかは知らないけど、命を粗末に……」
「待て霊夢!」
「するものじゃ……何よ?」
「その襲われるってのは、もしかしてアレか?」
「勿論だよ、アレさ」
「あーそうか、やっぱりアレなのか……」
「ちょ、ちょっと二人とも! 何勝手に納得してるのよ!? 説明しなさいよ!!」
勝手に頷く二人と一人置いてけぼりの霊夢、
すると二人は霊夢を見つめ、親指を立ててこう言った。
『もちろん、性的な意味で』
直後に霊夢の右ストレートが魔理沙のこめかみを的確に捉え、体がぐるりと半回転、
青年には封魔針を突きつけて散々情報を脅し取った後、意識とついでにお菓子も奪った。
「これでよし、と……さあ行くわよ魔理沙」
「ど……どこに……」
「闇の中に決まってるじゃない、お菓子と一緒に放り込んであげるわ」
顔を引きつかせた霊夢が魔理沙の襟を引っ掴んでずりずりと引きずってゆく、
行き先は当然ながら闇の見える方向、魔理沙は抵抗するも体に力が入らない状態だ。
「ま、待て! 私が何をしたというんだ!」
「ほら、現地調査は大切って事よ」
「やめろー! 誰か助けてくれー!」
「とっとと行ってこーい!!」
「ひゃぁぁぁぁ……」
大きく振りかぶって全力で闇の中へと魔理沙を放り投げる、
続けてお菓子も放り込んで待つこと五秒。
「いてててて……尻から落っこちたぜ……」
「あなたが次の人? あー! 福寿堂の生肉饅頭ー!!」
「んおっ!? まま待て! 私は違うっ!」
「えへへー、一杯サービスしてあげるねー!」
「待ってくれ! 私の話を聞……」
「いただきまーす!!」
「ひゃーん!!」
新たな被害者、発生。
「やぁっ、そこは駄目っ……!」
「ふふ、首筋が弱点なのかー」
「成る程、暗闇の中では誰しもが受けに回る、それを利用した風俗ってわけね」
「邪魔な服はなくなったね~」
「ああっ! 返してっ!!」
「暗闇で何も見えないのが惜しいわ……、繰り返すけど本当に何も見えないのが惜しいわ」
「ふふ、それじゃぱっくりいっちゃうよ~?」
「や、や、や……いやぁぁぁぁぁぁ!!」
魔理沙の悲鳴が響き渡った途端、闇は跡形もなく消し飛んだ、
突如現れた天まで届きそうな太く長い光の帯、マスタースパークが発射されたのだ。
「……ちぇっ、もう少しだったのに」
「はぁ…はぁ…霊夢ーーー!!」
「はいはいお疲れ様」
「お疲れ様、じゃなーい!!」
魔理沙は脱がされた服を必死にかき集めて大事な場所を隠し、
顔を赤らめながらも目尻を吊り上げて霊夢を睨みあげた。
「訴えてやる! そして勝ってやる!」
「そんなに怒らなくてもいいじゃない、どうせスレスレで現行犯で捕まえる予定だったんだし」
「嘘つけ! どう考えても最後まで見る気満々だったじゃないか!」
「そんなわけないじゃない、このいつでも発射準備万端な御札と針が見えないの?」
「……それを発射するかどうかは霊夢の胸先三寸だろ」
「私を信じなさい、でないと刺す」
「それは脅しって言わないか?」
「むしろ襲う」
「私は霊夢を信じてるぜ!」
兎にも角にも妖怪は退治され、無事?に仕事は終わりを迎えた、
後は社長に報告するだけである、神社の鳥居の下で腕を組み、
溢れんばかりの威圧感を出しながら仁王立ちしている社長にだ。
「おかえり」
「た、ただいまだぜ……」
「どうしたの? やけに不機嫌そうだけど」
「そりゃ不機嫌にもなるねぇ」
社長は額に青筋を立てながら左手で社屋の方を指差した、
二人がその先に目を向けると、飛び散った破片と天井に大穴の開いた社屋、
そして大穴から漏れ出ている闇という見事なトリプルコンボを奏でていた。
「あらあら、とんでもない事になってるわね」
「わたしゃ襲う趣味はあっても襲われる趣味はないんだよ」
「襲われたのか!」
「まぁ、大人のテクニックをたっぷり教えてやったがね」
『襲い返したのか!』
そういえば不機嫌ながらにも魅魔の皮膚はてかてかしていた、
精力でも吸収したのだろうか、悪霊なので出来なくもないだろう。
「で、二人とも、何か言い訳はあるかい?」
「霊夢が悪い!」
「う、裏切る気!? マスタースパークを撃ったのはあなたでしょ!」
「だって本当だろ! 霊夢が私をあいつの所に放り込むから!」
「結論、二人とも悪い、いいね?」
『…………』
二人に反論の余地はなかった。
「よし、じゃあ残業として社屋の修理だ、いいね?」
「……いくぞ霊夢!」
「任せなさい!」
「ん!?」
「マジックミサイル!!」
「ホーミングアミュレット!」
「おおおおっ!?」
だが弾幕を放つ余地はあったようだ。
「残業なんて真っ平だぜ!」
「私達は私達の自由を掴むわ!!」
「いっ……たいねぇ!! そのノリはどこの世界の勇者だい!?」
「げっ、ピンピンしてる」
「そんなもんでしょ」
零距離で弾幕を放たれたというのに、数m吹き飛ばされただけで平然と二人を睨みつける魅魔、
額に浮かんでいた青筋が先程よりもさらに濃くはっきりとなっていた。
「覚悟は出来てるんだろうね! 霊夢っ! 魔理沙ぁぁ!!」
「出来てないぜ」
「逃げるに決まってるでしょ」
対する霊夢達はすでに空高く飛び上がった状態である。
「……この私から逃げれると思っているのかい!?」
「思ってないぜ」
「フェイクに決まってるでしょ」
「はっ!? ぶっ!!」
しかし続けて魅魔も飛び立とうとした途端、その周囲を結界が覆った、
前のめりになった所を突然遮られた為に、結界にその身を打ちつけ大きく体勢を崩す。
「い、痛ぁ……」
「い・く・ぜぇ! マスタースパァァァク!!」
「わわっ、ちょっと待――」
こうして悪霊は滅され、霊夢と魔理沙は自由を勝ち取った、
今頃は魔理沙の家でおいしいお茶を飲んでいる頃だろう、
そして残された魅魔は社屋の修理である、一人っきりでトントンと金槌の音を響かせて。
「私も手伝うよー」
「ん……ルーミア?」
いや、一人ではなかった、彼女の傍には温もりを分け合った友が、ルーミアがいたのだ、
魅魔は瞳に浮かんだ涙をぬぐうと、金槌をしっかりと握りなおして力強く振り下ろす。
「あだぁっ!!」
「大丈夫?」
あたりは夜、闇に包まれてさらに真っ暗、これでは作業がはかどるわけもなく、
今夜は徹夜になるねぇと思いながらもしょんぼりと釘を打ち続ける魅魔であった。
~少女?大工中~
「あー、それではあんた達に紹介するよ、今日から我が社の係長を務めるルーミアだ」
「よろしくねー」
『……は?』
さすがに昨日の件は悪いと思い、いつもより早めに、といっても午後二時頃に出社した霊夢達、
そしたらいつの間にか社員が増えていた、しかも自分より偉い立場で。
「いやいやいやいや! 待ってくれ! なんで私達より上なんだ!?」
「一応私達のほうが先輩よ?」
「我が社は実力主義だからねぇ」
幻想郷では年功序列制度の会社は少ない、妖怪が長生きするために弊害が大きいからである、
よって殆どの会社が実力主義なのだが、人間だけの会社やとある大企業などは年功序列の所もある。
「私や霊夢だって仕事さえすれば成功率百%だぜ!?」
「遅刻、無断欠勤、仕事先での破壊行動による賠償請求、マイナスのほうが大きくてねぇ」
「ごめんなさい、全部魔理沙が悪いんです、だから私だけは昇進させて! むしろ給料上げて!」
「霊夢!?」
「却下だね」
「やっぱり?」
当然といえば当然である、二人のこれまでの勤務態度といえば
クビになっていてもおかしくないぐらいのレベルだったのだから。
「しかもルーミアの話を聞くとね、これがもう泣けてくるんだよ……」
「でた、情に弱い魅魔様」
「さすが自他共に認める姉御肌ね」
「だからウチで雇ってあげることに決めたんだ」
ルーミアの話を要約すると、過去の経歴のせいでどこも雇ってくれずに
仕方なくあのような生活をしていたとの事、魅魔の心の涙腺直撃であった。
「しかも修理を手伝ってくれる健気ないい子だしねぇ」
「社長の為なら何でもするよ!」
「ああもういい子だねこの子は~!」
「えへへ~」
「でたぜ、魅魔様の可愛がりたい病」
「ロリコン?」
「いや、自分より見た目的に年下なら誰でも可なんだが……うう」
二十代前半か後半か、明確な所の言及は避けておくとして、
その彼女の胸の中でわはーと幸せそうな顔を浮かべている十台前半の少女、
傍ではあきれてみている霊夢と、なぜか体を震わせている魔理沙。
「やれやれね……魔理沙?」
「う……う……」
「ちょっと、どうしたのよ?」
「魅魔様ぁー!!」
「わわっ、なんだい? あんたもかい?」
「だってだって! ルーミアばっかり! 私だって!」
「はは、まったく魔理沙ったら、相変わらず甘えん坊だねぇ」
「魅魔様の胸あったかいぜ……」
「まったく、ほらよしよしよしよし……」
魔理沙も混じっての三人の抱き合い抱かれあい、
一人残された霊夢はなにやら思いつめたような顔をするとポツリと一言。
「夢想封印」
~少女仕事中~
「お茶が美味しいわ」
「今日も悪い天気だぜ」
お昼前、神社でちゃぶ台を囲んで今日ものんびり茶をすする霊夢と魔理沙、
季節は夏、蝉の音はせず、日差しが照ることもなく、良い天気でもなく、大豪雨であった。
「いやー、こんな畜生な天気のときはお茶を飲んでのんびりするに限るな」
「こんな日に出社したら風邪ひいちゃうわ」
「違うぜ霊夢、風邪をひいたから休むんだ、けほけほ」
「それもそうよね、ああのどが痛いわ、こほこほ」
わざとらしい咳をつきながら一休み二休み、
その最中も雨の音が障子の向こうから延々と流れ続ける、
時折強くなれば時折弱くならず、強いままに延々と。
「咳も酷いし今日は休むか!」
「はいはーい、風邪ひかないように帰ってね」
「この雨の中を帰れというのか?」
「来るときは平気だったじゃない」
「濡れたら寒いだろうな、風邪もひくし、もしかしたら道に迷ってのたれ死ぬかも」
「濡れて風邪ひいてのたれ死んだらいいんじゃない?」
互いにちらりと視線を合わせると、二人同時に茶をすする、
またも同時に湯飲みを置くと、それが始まりの合図である。
「炊事!」
「洗濯とお風呂沸かしもよ」
「……いや、炊事と洗濯で」
「お風呂沸かし」
「(うぅ……このままじゃ家事フルコースだぜ)」
「(とことん楽させてもらうわよ)」
「こうなれば……本シメジでどうだ!」
「なっ!?」
魔理沙が帽子の中から取り出したのは、大きさが20cmはあろうかという本シメジだった、
香りマツタケ、味シメジ、キノコの中ではもっとも美味と呼ばれる物である、
もはや外の世界では幻に近く、魔理沙の持っている大きさのものはまず見れないだろう。
「シメジだぜ、キノコの帝王シメジ様だ」
「し、シメジシメジシメジシメジ……」
「ほーらほーら、シメジが二本、シメジが三本、シメジが四本」
「シメジが一杯シメジが一杯……」
こうシメジシメジ連呼されてはシメジの文字ばかり見続けるために
シメジという文字がそろそろゲシュタルト崩壊を起こシメジ。
「で、提案だが……シメジと炊事でどうだ?」
「スメジとシイジね……わかったわ」
「いや、炊事とシメジだって」
「え? イメジとスシジ?」
「いやいや、ジメジとイシシ……あれ?」
「スイスとジメシでしょ?」
そのまま清水やらスイスイスースーやらつぶやき続けることおよそ五分。
「もうどうでもいいんじゃないか?」
「そうね、シメジもあることだしお昼ご飯にしましょ」
「おう、じゃ早速炊事してくるぜ」
「わかっててやってるんじゃないかー!!」
「魅魔!?」
「何で床下から!?」
畳もちゃぶ台も床板も盛大に跳ね上げて床下から現れる社長、
跳ね上げたものが自分の上に落ちてこないことを確かめ、畳に上がって軽くため息。
「ふー、しめじは平仮名じゃないと認めないよ」
『本当にどうでもいい!!』
「それよりもあんたら、仕事はどうしたのかねぇ?」
「おー、すごいぞ霊夢、ここまでトンネル掘ってきてる」
「わーすごーい」
「誤魔化そうとしなさんな」
穴を覗き込む二人の後頭部をがっしりと鷲掴み、
やはりアイアンクローは恐怖なのか、震えが掌を通じて魅魔へと伝わる。
「まあでも、今回のお仕置きは無し」
「え?」
「今日祝日だったか?」
「違うよ……霊夢、魔理沙、本業だ」
本業、その言葉を魅魔から聞いたとき、二人の目つきは急に厳しい物に変わった。
to be continued?
ここで俺の腹筋は崩壊しましたw
こんな社員だと魅魔様もこれから先苦労しっぱなしだろうなw
>まぁ、大人のテクニックをたっぷり教えてやったがね
いやはや、魅魔さまもまだまだお若い・・・何がとは言いませんが^^
まだ労災は幻想入りしてないのか・・・
魅魔様が社長ってことは、神社の神様は神棚にでも祀られてるのかな?
零細企業はどこも大変だなあ。
俺もルーミア係長が取り締まられる前に一度襲われとくべきだったか。うーむ。
しかし、無いんですよねえ、足…早く新作CD欲しいなあ。
幻想郷の歴史あさっ