東方怪奇談
「そこで神主はその日云十本目の酒瓶に手を付けたのよ・・・、すると酒瓶を持っただけでみるみると酒瓶の中のお酒が無くなっていってしまったの・・・」
ガタッ
「ひぃやぁ!」
ただ窓が風に揺らされただけだったが悲鳴を上げたのは黒白魔法使い霧雨魔理沙だ。
「なによ、このくらい大したことないじゃない、案外魔理沙って怖がりなのね」
「うるさいな!少し驚いただけだぜ・・・・・・、それにお前だってさっきから私の手を握ったままだぜ?」
「!!」自分から怪談を話し始めておきながら魔理沙の手をさりげなく握っていたのはアリス・マーガトロイド。
「もう・・・、やめようか・・・」
「そうね・・・」
何故二人こんなことをしていたのかというと、時間帯は夕方にあたるのだが、天気は曇り、さっきまで雨が降っていたが、二時間程前に止み、その雲のせいで外は薄暗く且つ魔理沙の家が木に囲まれた魔法の森ということも重なって異様に不気味な雰囲気を醸し出しているのである。そこでアリスが悪ノリしてさっきのエセ怪談話を持ちかけたのである。
「それにしても本当に不気味ね、これなら何が出てもおかしくないわ」
「だーかーらー!もうそういうのやめ!」
「私は妖怪だから幽霊なんかちっとも怖くなんてないわ」
そんなことを言いつつもアリスの声は震えている。
「お前・・・・・・ジェットコースターとか苦手だけど乗っちゃうタイプだろ・・・」
「なによそれ」
「さぁな」
説明するのが面倒だったのか魔理沙はそうやって会話を終わらした。そうこうしてる内に多少二人の心臓の鼓動も落ち着いてきた。
ふと魔理沙の足に何かが当たった、部屋は散らかっていたので特に驚くこともなくその障害物を見た。
黒髪の人形だった
「な、なぁ・・・アリス・・・?」
魔理沙は本能で感じた「死亡フラグだぜ」と。
「なによ、そんなに改まって」
会話を投げやりに終わらされた事で少しアリスの反応は冷たかった。
「お前・・・黒髪の人形なんて持ってたっけ?」
「なによいきなり、ないわよ」
「はははははh・・・・・・おかしいぜ・・・・・・嫌な冗談はよしてくれよ・・・」
そう言うと魔理沙は腰が抜けて床に転がってしまった。
「アリス!まずい!とにかくまずい!ダメだって!これ!!ダメだって!・・・・・・・ぁ!ぎゅって!!今こいつ足をぎゅっ!!てした!!!」
明らかに魔理沙の気は動転している、多分本人も何を言っているのかよくわかってないだろう。
「うるさいわね、どうしたっていうのよ・・・・・・」
アリスはさすがにおかしいと思って魔理沙の方を見た。
どうみてもやばい空気を出しまくっている日本人形です。本当にありがとうございました。
「・・・・・・で、ウチに来たって訳ね」と、迷惑そうに言ったのは博麗神社の巫女博麗霊夢。
「うん・・・・・・」
「それで?なんでウチの神社なのよ・・・・・・」
「いや、だってアレじゃない、こういうのとか専門分野じゃないの?」
「本の読み過ぎよ!!私は結界とかが得意なの!」
「だって、気を失ってからずっと目を覚まさないのよ!このままじゃ魔理沙が・・・ううっう・・・」
「いい歳して泣くんじゃないわよ」
霊夢もさすがに泣いている友人に帰れと言えるほどサバサバはしていない、仕方なく魔理沙の状態を見た。
「顔色は悪いけど脈も正常、熱もなし、呼吸もおかしくないし・・・これ、ただ気絶してるだけじゃないの?」
冗談まじりで霊夢は言った。
「ちょ、ちょっと!もっと真面目にやってよ!」
「はいはい」
とりあえず霊夢は魔理沙の周りに結界を張ってみた、結界は軽い破邪の力を含んだものだ、もし魔理沙に霊やらの類の者が憑いているとしたらこれでなにかしらの反応を見せるだろう。
「どう!?わかった?魔理沙は大丈夫なの?」
アリスは心配そうに霊夢に聞いた。
「ちょっと落ち着きなさいよ、まだどうとも言えないわ」
その瞬間だった。魔理沙は飛び上がって霊夢達をふっ飛ばし、外へ走って言った。
霊夢達はすぐに起き上がって魔理沙を追いかけた
「どうやら当たりだったみたいね」
「そ、そんな・・・」
「とにかく今の魔理沙が外に出たらまずいわ、一気に追いついて捕まえるわよ!」
霊夢はそう言って体にかかる重力から開放され一気に飛んで行った。
「は、速すぎよ!」
アリスは誰に聞こえるわけでもない言葉を発して霊夢の後を追って飛んで行った。
魔理沙は神社から里への道に出る階段をエクソシストスタイルで駆け下っていた。
ガガガガガガガガガガガガガガガ
そこに鬼が一匹。鬼の名は伊吹萃香。
「宴会♪宴会ぃ♪・・・?何か音がする?気のせいか!」
「気のせいじゃないわ!魔理沙を捕まえて!」上空から霊夢が叫んだ。
「ふぇ」
萃香は上空の霊夢を見上げた。だがそれが彼女の運の尽きだった。
「霊夢―!なんだってー!?よく聞こえなtぐあふうっ!!!!!」
萃香はエクソシストスタイルで階段を駆け下りる魔理沙に衝突、魔理沙もろとも空中に綺麗な弧を描いて彼女の体は舞った。
「びゃああああ!!」萃香と魔理沙の声がシンクロした。
「萃香!いきなりで悪いけど魔理沙を捕まえて!」
「!?いてて・・・、よくわからないけどわかった!」
萃香はすぐ倒れた体を起こし服についた砂を払い、少し息を吸ってそれをすぐに吐き出した、するとその息は瞬く間に彼女の何人もの分身になって魔理沙に向かっていった。
「いっけぇー!みんなで協力して魔理沙を捕まえるのよ!」
「アイアイサー!」
多勢に無勢で無数の萃香達はすぐに魔理沙を押さえ込んだ。
しかし、魔理沙もおとなしく捕まりはしない。
ガリッ、ガブッ
「ちょwwやだっ!!らめぇ!!」
魔理沙を押さえ込んでいる萃香の一人に魔理沙は噛みついた。いわゆる本気噛みだ。
「あぁあ!!私の分身食べちゃだめー!!こらぁ霊夢!早くなんとかしなさい!!」
「わかってるわよ!少しかするかもしれないけど我慢してね!夢想封印!」
「だからぁ、何度もごめんなさいって言ってるじゃない」
「ふん」
舞台は博麗神社に戻り、多少強引であったが暴走する魔理沙を捕獲するころに成功した霊夢達は今後について話あっていた。萃香の怪我の手当てもしつつ。
「もう霊夢も謝ってるし、そのくらいで許してあげたら?」
「お前はなにもしてないくせに」
「う・・・、まぁ霊夢もなにか事件があるとすぐになんでも誰でも構わずおもいっきり夢想封印する癖は問題よ!」
「反省してます・・・」
「で、魔理沙はどうするのよ?」
術を施した縄で縛られている魔理沙は相変わらず暴れていた。
「くぁwせdrftgyふじこlp!!!!」
「全く魔理沙が何を言っているか理解できないわ」
アリスは馬鹿真面目に言った
「いや、あれは言葉じゃないと思うけど・・・。」
萃香は呆れながら言った。
「くぁwせdrftgyふじこlp!!!!」
一同「・・・・・・・・・・・」
その後の短い沈黙の後、その沈黙を破ったのは霊夢だった。
「冷静に考えれば幽霊とかそういう類のものなら同じ幽霊に聞けばいいんじゃない?」
「!!!」
「言われてみれば・・・そうね」
もうすっかり当事者の仲間入りをした萃香は言った。
「これで魔理沙は元に戻るのね!」
「アリス・・・まだそうとは決まったわけじゃないわ。」
「!! もっとあんたはポジティブに考えられないの!?」
「二人とも、何でもいいから早く話を進めようよ・・・」
「それもそうね、幽霊といったら幽々子よね、そうとなったら早速白玉楼に行きましょう!」
見た目の一番幼い萃香のもっともな意見に本題から脱線しそうになった霊夢達は本来の目的、魔理沙に憑き者をなんとかするため白玉楼に足早に向かった。
白玉楼について初めに霊夢達を向かい出てくれたのは綺麗に整備された庭だった。
「いつきてもここは落ち葉ひとつないわね、あんな庭師がウチにも欲しいわ」
「全部私の力に頼って萃めさめて私任せなくせに」
「う」
「いらっしゃいませ、幽々子様になにか御用でしょうか」
そう言って美しい庭の次に霊夢達を迎えてくれたのは魂魄妖夢、この白玉楼の庭師兼幽々子の剣術指南役の彼女だった。
「ちょっと!変な生き物を館に持ち込まないでくださっ・・・って魔理沙さん!?」
「くぁwせdrftgyふじこlp!!!!」
「ちょっと、訳ありなのよ・・・」
少し申し訳なさそうにアリスは言った。
「なるほど・・・今案内するんで少し待っていてください」
なにかを感じ取った妖夢は自分の仕事を軽くきりのいいところで終わらせて霊夢達を幽々子のいる部屋へと案内した。
「ここです。幽々子様は今お食事中なのであんまり騒がないようにお願いします」
「わかったわ」「了解ぃ」「はいはい」
「ありがとね、妖夢」
「いえいえ」
そう言って彼女は自分の仕事に戻って行った。
ガラッ
「お邪魔するわ」
「話は聞いているわ、いらっしゃい」
穏やかな表情から想像できるように彼女、この白玉楼の主、幽々子は穏やかに霊夢達を迎えた。
少し魔理沙を見て幽々子は表情を変えた、さっきの飄々した雰囲気は今はない。
「あなた達の予想通り、憑き物が魔理沙には憑いてるわ、それも大分昔の霊ね、ほとんど怨霊と言っても過言ではないわね」
「さすが冥界の姫ね、一瞬で分かっちゃうのね」
萃香が見直したように言う。
「ふふっ、褒めるようなことじゃないわよぉ」
もう幽々子はさっきの真剣な表情を崩して笑っている。能ある鷹はなんとやらというやつだろう。
「で、なんとかなりそう?」
霊夢が切り出した。
「そうねぇ、少しこの子とお話してみてもいいかしら?」
「お話って今の魔理沙が何を言ってるかなんてわかるの?」
アリスが驚いたように聞いた。
「どうかしら、こういうのは気持ちの問題よ?」
にこにこしながら幽々子は言った。
幽々子は魔理沙に近づいて挨拶をした。
「こんにちわぁ、私この館の主の西行寺幽々子っていいます、あなたお名前は?」
「くぁwせdrftgyふじこlp!!!!!」
言葉にならない叫び
「あらあら、まぁまぁ、ふじこちゃんっていうのー」
霊夢達は段々不安になってきた「本当にこいつ大丈夫なのか」と。
そんなやりとりが半刻程続いた。
「なるほどね、いやいや!なにも謝ることないのよぉ」
「くぁwせdrftgyふじこlp!!!!」
「本当に会話が成立してるのかしら・・・」
アリスが少し不満を漏らした。
「少し怪しいわね・・・」
相槌を打つ萃香。
「幽々子で話にならなかったらもうお手上げかしら・・・」
霊夢がそんなことを言った直後。
「みんなー、成仏してくれるみたいよー」
幽々子はさっきと全く変わらない笑顔で言った。
「おおおお!!!!」
さっきまで異様な空気の流れていた部屋に歓声が挙がった。
「女の怨念は怖いもの、本人も知らないうちに魔理沙に吸い寄せたれちゃったみたい、なんかまた怪しい研究でもしていたのかしら?」
「う」
アリスは思い当たる節があったが口には出さないことにした。
「ふじこちゃんが''正直すまんかった''だってぇ」
幽々子はふじこ(仮)の最後の言葉を霊夢達に伝えてふじこ(仮)を三途の川の死神の所に送った。
「えらく軽いなぁ」
三人ともそう感じた。
「これでもう大丈夫だと思います。明日の朝には目覚めるでしょう。」
魔理沙に処置を施したのは仕事を終えた妖夢だった。
「なにからなにまで悪いわね、ありがとう妖夢、幽々子」
「二人とも本当にありがとう、私、なんてお礼を言ったら」
霊夢達は幽々子達に重ねて感謝の言葉を言った。
「やぁね、お互いさまじゃない!それより今度の宴会、楽しみしてるわよ~」
「そうよ霊夢!とびっきりおいしいお酒用意しておきなさいよ!」
悪食の姫と悪飲の鬼が言った。
「う」
ふと霊夢の脳裏に食費と言う現実が浮かんだ。
その後、アリスと魔理沙の間では怪談はタブーとなったのでした。
「そこで神主はその日云十本目の酒瓶に手を付けたのよ・・・、すると酒瓶を持っただけでみるみると酒瓶の中のお酒が無くなっていってしまったの・・・」
ガタッ
「ひぃやぁ!」
ただ窓が風に揺らされただけだったが悲鳴を上げたのは黒白魔法使い霧雨魔理沙だ。
「なによ、このくらい大したことないじゃない、案外魔理沙って怖がりなのね」
「うるさいな!少し驚いただけだぜ・・・・・・、それにお前だってさっきから私の手を握ったままだぜ?」
「!!」自分から怪談を話し始めておきながら魔理沙の手をさりげなく握っていたのはアリス・マーガトロイド。
「もう・・・、やめようか・・・」
「そうね・・・」
何故二人こんなことをしていたのかというと、時間帯は夕方にあたるのだが、天気は曇り、さっきまで雨が降っていたが、二時間程前に止み、その雲のせいで外は薄暗く且つ魔理沙の家が木に囲まれた魔法の森ということも重なって異様に不気味な雰囲気を醸し出しているのである。そこでアリスが悪ノリしてさっきのエセ怪談話を持ちかけたのである。
「それにしても本当に不気味ね、これなら何が出てもおかしくないわ」
「だーかーらー!もうそういうのやめ!」
「私は妖怪だから幽霊なんかちっとも怖くなんてないわ」
そんなことを言いつつもアリスの声は震えている。
「お前・・・・・・ジェットコースターとか苦手だけど乗っちゃうタイプだろ・・・」
「なによそれ」
「さぁな」
説明するのが面倒だったのか魔理沙はそうやって会話を終わらした。そうこうしてる内に多少二人の心臓の鼓動も落ち着いてきた。
ふと魔理沙の足に何かが当たった、部屋は散らかっていたので特に驚くこともなくその障害物を見た。
黒髪の人形だった
「な、なぁ・・・アリス・・・?」
魔理沙は本能で感じた「死亡フラグだぜ」と。
「なによ、そんなに改まって」
会話を投げやりに終わらされた事で少しアリスの反応は冷たかった。
「お前・・・黒髪の人形なんて持ってたっけ?」
「なによいきなり、ないわよ」
「はははははh・・・・・・おかしいぜ・・・・・・嫌な冗談はよしてくれよ・・・」
そう言うと魔理沙は腰が抜けて床に転がってしまった。
「アリス!まずい!とにかくまずい!ダメだって!これ!!ダメだって!・・・・・・・ぁ!ぎゅって!!今こいつ足をぎゅっ!!てした!!!」
明らかに魔理沙の気は動転している、多分本人も何を言っているのかよくわかってないだろう。
「うるさいわね、どうしたっていうのよ・・・・・・」
アリスはさすがにおかしいと思って魔理沙の方を見た。
どうみてもやばい空気を出しまくっている日本人形です。本当にありがとうございました。
「・・・・・・で、ウチに来たって訳ね」と、迷惑そうに言ったのは博麗神社の巫女博麗霊夢。
「うん・・・・・・」
「それで?なんでウチの神社なのよ・・・・・・」
「いや、だってアレじゃない、こういうのとか専門分野じゃないの?」
「本の読み過ぎよ!!私は結界とかが得意なの!」
「だって、気を失ってからずっと目を覚まさないのよ!このままじゃ魔理沙が・・・ううっう・・・」
「いい歳して泣くんじゃないわよ」
霊夢もさすがに泣いている友人に帰れと言えるほどサバサバはしていない、仕方なく魔理沙の状態を見た。
「顔色は悪いけど脈も正常、熱もなし、呼吸もおかしくないし・・・これ、ただ気絶してるだけじゃないの?」
冗談まじりで霊夢は言った。
「ちょ、ちょっと!もっと真面目にやってよ!」
「はいはい」
とりあえず霊夢は魔理沙の周りに結界を張ってみた、結界は軽い破邪の力を含んだものだ、もし魔理沙に霊やらの類の者が憑いているとしたらこれでなにかしらの反応を見せるだろう。
「どう!?わかった?魔理沙は大丈夫なの?」
アリスは心配そうに霊夢に聞いた。
「ちょっと落ち着きなさいよ、まだどうとも言えないわ」
その瞬間だった。魔理沙は飛び上がって霊夢達をふっ飛ばし、外へ走って言った。
霊夢達はすぐに起き上がって魔理沙を追いかけた
「どうやら当たりだったみたいね」
「そ、そんな・・・」
「とにかく今の魔理沙が外に出たらまずいわ、一気に追いついて捕まえるわよ!」
霊夢はそう言って体にかかる重力から開放され一気に飛んで行った。
「は、速すぎよ!」
アリスは誰に聞こえるわけでもない言葉を発して霊夢の後を追って飛んで行った。
魔理沙は神社から里への道に出る階段をエクソシストスタイルで駆け下っていた。
ガガガガガガガガガガガガガガガ
そこに鬼が一匹。鬼の名は伊吹萃香。
「宴会♪宴会ぃ♪・・・?何か音がする?気のせいか!」
「気のせいじゃないわ!魔理沙を捕まえて!」上空から霊夢が叫んだ。
「ふぇ」
萃香は上空の霊夢を見上げた。だがそれが彼女の運の尽きだった。
「霊夢―!なんだってー!?よく聞こえなtぐあふうっ!!!!!」
萃香はエクソシストスタイルで階段を駆け下りる魔理沙に衝突、魔理沙もろとも空中に綺麗な弧を描いて彼女の体は舞った。
「びゃああああ!!」萃香と魔理沙の声がシンクロした。
「萃香!いきなりで悪いけど魔理沙を捕まえて!」
「!?いてて・・・、よくわからないけどわかった!」
萃香はすぐ倒れた体を起こし服についた砂を払い、少し息を吸ってそれをすぐに吐き出した、するとその息は瞬く間に彼女の何人もの分身になって魔理沙に向かっていった。
「いっけぇー!みんなで協力して魔理沙を捕まえるのよ!」
「アイアイサー!」
多勢に無勢で無数の萃香達はすぐに魔理沙を押さえ込んだ。
しかし、魔理沙もおとなしく捕まりはしない。
ガリッ、ガブッ
「ちょwwやだっ!!らめぇ!!」
魔理沙を押さえ込んでいる萃香の一人に魔理沙は噛みついた。いわゆる本気噛みだ。
「あぁあ!!私の分身食べちゃだめー!!こらぁ霊夢!早くなんとかしなさい!!」
「わかってるわよ!少しかするかもしれないけど我慢してね!夢想封印!」
「だからぁ、何度もごめんなさいって言ってるじゃない」
「ふん」
舞台は博麗神社に戻り、多少強引であったが暴走する魔理沙を捕獲するころに成功した霊夢達は今後について話あっていた。萃香の怪我の手当てもしつつ。
「もう霊夢も謝ってるし、そのくらいで許してあげたら?」
「お前はなにもしてないくせに」
「う・・・、まぁ霊夢もなにか事件があるとすぐになんでも誰でも構わずおもいっきり夢想封印する癖は問題よ!」
「反省してます・・・」
「で、魔理沙はどうするのよ?」
術を施した縄で縛られている魔理沙は相変わらず暴れていた。
「くぁwせdrftgyふじこlp!!!!」
「全く魔理沙が何を言っているか理解できないわ」
アリスは馬鹿真面目に言った
「いや、あれは言葉じゃないと思うけど・・・。」
萃香は呆れながら言った。
「くぁwせdrftgyふじこlp!!!!」
一同「・・・・・・・・・・・」
その後の短い沈黙の後、その沈黙を破ったのは霊夢だった。
「冷静に考えれば幽霊とかそういう類のものなら同じ幽霊に聞けばいいんじゃない?」
「!!!」
「言われてみれば・・・そうね」
もうすっかり当事者の仲間入りをした萃香は言った。
「これで魔理沙は元に戻るのね!」
「アリス・・・まだそうとは決まったわけじゃないわ。」
「!! もっとあんたはポジティブに考えられないの!?」
「二人とも、何でもいいから早く話を進めようよ・・・」
「それもそうね、幽霊といったら幽々子よね、そうとなったら早速白玉楼に行きましょう!」
見た目の一番幼い萃香のもっともな意見に本題から脱線しそうになった霊夢達は本来の目的、魔理沙に憑き者をなんとかするため白玉楼に足早に向かった。
白玉楼について初めに霊夢達を向かい出てくれたのは綺麗に整備された庭だった。
「いつきてもここは落ち葉ひとつないわね、あんな庭師がウチにも欲しいわ」
「全部私の力に頼って萃めさめて私任せなくせに」
「う」
「いらっしゃいませ、幽々子様になにか御用でしょうか」
そう言って美しい庭の次に霊夢達を迎えてくれたのは魂魄妖夢、この白玉楼の庭師兼幽々子の剣術指南役の彼女だった。
「ちょっと!変な生き物を館に持ち込まないでくださっ・・・って魔理沙さん!?」
「くぁwせdrftgyふじこlp!!!!」
「ちょっと、訳ありなのよ・・・」
少し申し訳なさそうにアリスは言った。
「なるほど・・・今案内するんで少し待っていてください」
なにかを感じ取った妖夢は自分の仕事を軽くきりのいいところで終わらせて霊夢達を幽々子のいる部屋へと案内した。
「ここです。幽々子様は今お食事中なのであんまり騒がないようにお願いします」
「わかったわ」「了解ぃ」「はいはい」
「ありがとね、妖夢」
「いえいえ」
そう言って彼女は自分の仕事に戻って行った。
ガラッ
「お邪魔するわ」
「話は聞いているわ、いらっしゃい」
穏やかな表情から想像できるように彼女、この白玉楼の主、幽々子は穏やかに霊夢達を迎えた。
少し魔理沙を見て幽々子は表情を変えた、さっきの飄々した雰囲気は今はない。
「あなた達の予想通り、憑き物が魔理沙には憑いてるわ、それも大分昔の霊ね、ほとんど怨霊と言っても過言ではないわね」
「さすが冥界の姫ね、一瞬で分かっちゃうのね」
萃香が見直したように言う。
「ふふっ、褒めるようなことじゃないわよぉ」
もう幽々子はさっきの真剣な表情を崩して笑っている。能ある鷹はなんとやらというやつだろう。
「で、なんとかなりそう?」
霊夢が切り出した。
「そうねぇ、少しこの子とお話してみてもいいかしら?」
「お話って今の魔理沙が何を言ってるかなんてわかるの?」
アリスが驚いたように聞いた。
「どうかしら、こういうのは気持ちの問題よ?」
にこにこしながら幽々子は言った。
幽々子は魔理沙に近づいて挨拶をした。
「こんにちわぁ、私この館の主の西行寺幽々子っていいます、あなたお名前は?」
「くぁwせdrftgyふじこlp!!!!!」
言葉にならない叫び
「あらあら、まぁまぁ、ふじこちゃんっていうのー」
霊夢達は段々不安になってきた「本当にこいつ大丈夫なのか」と。
そんなやりとりが半刻程続いた。
「なるほどね、いやいや!なにも謝ることないのよぉ」
「くぁwせdrftgyふじこlp!!!!」
「本当に会話が成立してるのかしら・・・」
アリスが少し不満を漏らした。
「少し怪しいわね・・・」
相槌を打つ萃香。
「幽々子で話にならなかったらもうお手上げかしら・・・」
霊夢がそんなことを言った直後。
「みんなー、成仏してくれるみたいよー」
幽々子はさっきと全く変わらない笑顔で言った。
「おおおお!!!!」
さっきまで異様な空気の流れていた部屋に歓声が挙がった。
「女の怨念は怖いもの、本人も知らないうちに魔理沙に吸い寄せたれちゃったみたい、なんかまた怪しい研究でもしていたのかしら?」
「う」
アリスは思い当たる節があったが口には出さないことにした。
「ふじこちゃんが''正直すまんかった''だってぇ」
幽々子はふじこ(仮)の最後の言葉を霊夢達に伝えてふじこ(仮)を三途の川の死神の所に送った。
「えらく軽いなぁ」
三人ともそう感じた。
「これでもう大丈夫だと思います。明日の朝には目覚めるでしょう。」
魔理沙に処置を施したのは仕事を終えた妖夢だった。
「なにからなにまで悪いわね、ありがとう妖夢、幽々子」
「二人とも本当にありがとう、私、なんてお礼を言ったら」
霊夢達は幽々子達に重ねて感謝の言葉を言った。
「やぁね、お互いさまじゃない!それより今度の宴会、楽しみしてるわよ~」
「そうよ霊夢!とびっきりおいしいお酒用意しておきなさいよ!」
悪食の姫と悪飲の鬼が言った。
「う」
ふと霊夢の脳裏に食費と言う現実が浮かんだ。
その後、アリスと魔理沙の間では怪談はタブーとなったのでした。
ただ、「そのとき○○は××して・・・」
「××する○○」など、その情景を説明しなくてもわかるような、
そんな次作に期待して二十点。
毎度のことながらおもしろいです。
>「ちょwwやだっ!!らめぇ!!」
・・・・鼻血噴いた
この後、同じ場面の違うverが繰り返されたとしかおもえない場面になるんですが
これも本ネタがあるんでしょうか?