Coolier - 新生・東方創想話

白と黒の小騒動 ~出会い~

2007/12/12 14:12:14
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※この話にはオリキャラが登場します故、苦手な方はブラウザバックをお勧めします

 大丈夫という方は、どうぞこのSSに付き合ってやってくださいませ






























「てゐ~?」

秋の名残もすっかり消え、肌寒い空気が包む永遠亭の庭を歩きながら
鈴仙はいつものようにいなくなったてゐのことを探し回っていた。

「まったく…これから屋敷の大掃除があるっていうのに…どこに行ったんだか」

誰に言うまでもなく、不機嫌な気分を露にしながら呟く。
だがその言い方には誤りがある。
彼女は大掃除があるのにではなく大掃除があるからこそいなくなったのだ。
無論、サボるために。

「はぁ~ぁ…お師匠様に怒られるのは私だっていうのに…勘弁してよ…」

部下の失態は上司の責任、ということでてゐが粗相をやらかした時に罰を受けるのは専ら鈴仙である。
ただ単に彼女の師匠である八意永琳が弟子を苛める事を楽しんでいるという噂もあるが、そこは定かではない。
そんな理不尽な状況におかれているのだ、愚痴の一つでもこぼしたくなるのは極々自然なことである。
最も、その愚痴を聞いてくれる相手は回りに誰一人としていないのだが。

「はぁ…」

もう何回目かもわからないため息を漏らしながら、鈴仙は静かに広い庭を後にした。





「まったく、大掃除なんて面倒なことやってられないわよ」

そう独り言を漏らしながら、屋敷から逃げ出してきたてゐは優雅に空の散歩を楽しんでいた。
今日は快晴、澄んだ空気と暖かな日差しの下、空を飛ぶのはとても気持ちがよかった。
暦は冬なので多少の寒さはあるが、その辺は我慢できない程でもないので問題はない。

「ん~…今日は本当にいい天気…久しぶりにちょっと遠出でもしてみようかなぁ」

天気がいいと気分もよくなる。
上機嫌そうに空中で伸びをした彼女は、そのまま飛行速度をあげて空を翔けていく。
目的地もなし、目的もなし。
ただ風まかせにする空の散歩も偶にはいいものだ、とてゐは心の中で静かに呟いた。

「あ、でも最近忙しくて運動不足だったし…」

はっ、とした表情でてゐは最近の自分の健康管理を思い出す。
そして数刻考えた後、彼女は地上へと足を下ろすことにした。
健康のために歩くことにしたのだが、まぁ何のことはない、
空の散歩から地上の散歩へと変わっただけである。

降り立った場所は人里から少し離れた場所にある小さな林。
凶悪な妖怪がいるわけでもなく、それといって何か採れる物があるわけでもないので
人気が全くといっていいほどない、寂しい場所である。
逆に言えば、静かに散歩をしたいに時や隠れたい時にはもってこいの場所なのだ。

「んー…相変わらずの人気の無さ…ここなら流石に鈴仙にも見つからないだろうし」

くすくす…と口元を手で隠しながら意地悪く笑ってみる。
今頃はお師匠様にお仕置きでも受けてるだろうか…
そんな事を考えると、少し気の毒ではあるがとても楽しい
多少はそういうことを期待して抜く出してきた甲斐もあるというものである。

「まぁ、お詫びに人参の一本や二本でも買っていって…ん?」

楽しそうに微笑みながら静かな林を歩いてると、てゐは不意にある気配を感じた。
自分と同じ、妖怪兎の気配を。

「家の兎も逃げ出してたのかな?それにしては少し感じが違うけど…」

てゐは妖怪兎のリーダーである故、勿論全ての兎達のことは把握している。
自分の管轄化である竹林の兎達の考えや行動などはある程度予想することもできる。
悪戯好きで身勝手な兎が自分同様逃げ出していても不思議ではないということもわかっていた。

だが自分が今追っている気配は、竹林の兎達とは似て非なる感じだった。
かといってこんな小さな林に妖怪兎が住んでいるというのも聞いたことがない。
彼女は頭の中で色々と考えながら、ゆっくりと気配のする方へと足を運んで行った。
そして…

「あ…」

気配の元にいたのは、切り株に座っている一人の少年。
髪は茶色がかった黒色で、小さな眼鏡を鼻にかけて、額には赤いスカーフを巻いている。
ぱっと見はただの人間の子供、だが頭から突き出している日本の兎耳が彼が妖怪であることを示していた。

「ん…?」

自分のことを見ている存在に気がついたのか、彼は静かにこちらに顔を向けた。

「あんた、見ない顔ね、どこの妖怪兎かしら?」

てゐは初めて見る顔だからって別段警戒することもなく、ゆっくりと近づきながら尋ねる。
その問いに彼は何も答えず、しばしの静寂…そして。

「Guten Tag」

「へ?」

目の前の兎が言い放った意味不明な一言に、てゐは思わず素っ頓狂な声をあげてしまう。
だがそんなことを気にする様子もなく、彼は冷静に言葉を続ける。

「グーテン・ターク。知りません?ドイツ語でこんにちはって意味ですけど」

「生憎私は日本産だから…って、そんなこと聞いてないよ!?あんたはどこの妖怪兎かって」

「挨拶は大事ですよ、会話の前にまず挨拶、あと、僕も日本産です」

緩やかな微笑を浮かべながら、マイペースに話す兎にてゐは小さく苦笑を浮かべる。
(苦手なタイプかも…)そう心の中でそう思いながら。

「ここはいい場所ですね、静かで…空気が澄んでて…リラックスするにはもってこいですよ」

「私もそう思う…じゃなくって…あんたは何者なの?少なくとも竹林の兎じゃあないよね」

「人の名前を尋ねる時は自分から名乗る、これも礼儀の一つですよ」

「………うぅ…」

やはり苦手なタイプだ…
てゐは心の中でそう再確認して、軽く唸り声をあげた。

「…私は因幡てゐ、竹林の兎達のリーダーだよ」

「…へぇ…貴女が…」

てゐの自己紹介を聞いた途端、彼は意外そうな表情でそう声をあげた。
恐らく噂に聞いていた兎のリーダーがこんな子供みたいな容姿だとは思ってなかったのだろう。

「自己紹介したんだから、あんたも早く名乗ってよ」

その事に気づいたてゐが、若干不満げに頬を膨らましながら相手からの自己紹介を催促する。

「おっと、これは失礼…僕の名前は」

彼は静かに切り株から立ち上がり、礼儀正しくお辞儀をしながら答えた。

「奄美 正蓮ただのしがない兎ですよ、因幡てゐさん」

こうして白兎である因幡てゐと、彼…黒兎と呼ばれている奄美正蓮は出会いを果たしたのである。
奄美 小蓮(あまみ しょうれん)

髪の色:茶っぽい黒
瞳の色:赤
能力その他もろもろは後の作品で


知ってる人はもう気づいてると思いますが、アマミノクロウサギをモデルにしています
その兎の名前を知った時に勢いで作っちゃいましたが…
クロウサギについて詳しくもないのに作ったことを今は反省している





と言うわけで読んでくださった皆さん、ありがとうございます
そして初めまして、紅月(あかつき)と申します
久しぶりのSSということと、まだ不慣れということもあって諸所に表現のおかしいところが
混じってるかもしれません
申し訳ない


後一番書くのが不得意なのがコメントだったりするのは内緒です(


コメント文が支離滅裂状態になってしまいましたが…;
感想または指摘など、お待ちしています
紅月
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コメント



0.110簡易評価
2.無評価名前が無い程度の能力削除
後書きでキャラ設定等書くのは正直いただけません
SSである以上描写に盛り込むべきかと
とりあえず何もないまま1話終了という感じですので0点の意味でフリー
3.無評価名前が無い程度の能力削除
導入なのでフリーにしておきます。
この子は私も苦手なタイプですね・・・・
別に、キャラをそのモチーフの動物の性質に忠実に似せようとする必要もないかと思いますが。
5.無評価名前が無い程度の能力削除
誤字ひどくね?
8.-30名前が無い程度の能力削除
他の方に同意ということで。
次に期待です。
12.100名前が無い程度の能力削除
話が始まっても終わってもないのにひとつの話としてあげるのはいかがなものかと。
ですが、押され気味なてゐは僕の好物です