―――寒い。
博麗 霊夢は頭の天辺から足の爪先まですっかりそんな気分に満ち溢れていた。
それでも腋を晒したままなのは、そもそも腋を隠すという発想が彼女に欠落しているからだろう。腋は頭部に首や陰部と並んで体温調節の出来ない部位。そんな所を晒しっぱにしておけばそりゃー寒いだろう常識的に考えて。
しかし霊夢はそんな事なぞ露知らず、ただただ寒い寒いと我が身を抱いて小刻みに震えていた。その都度頭のリボンも揺れていた。
こんな時は神社の境内でもざっと掃除して、集まった落ち葉で焚き火をすると一石二鳥だよしそうしよう今すぐに寒い。
「……って」
竹箒を手に勇んで境内に躍り出た霊夢だったが、彼女が目にしたのは随分と綺麗な境内の有様。
ぶっちゃけた話昨日掃除したばかりなのであった。
理由は寒いから。
つまり今日と一緒。
要するに昨日と今日はあんまり変わんないのだ。
……掃除をしようと考えた辺りまでは。
「むむむ……」
昨日と今日は似て非なるものであるという事を身を以って知りつつ、竹箒を片付けた霊夢は吹き寄せる北風に冬将軍の確かな猛威を感じていた。
差し迫った問題としては、このままだと死ぬという事だろう。それもゆっくりと時間をかけて、真綿で首を絞めるようにじっくりと死ぬ。
火鉢で温まろうにも炭が無い。これで練炭でもあれば小躍りするくらい嬉しいものだが、そうは問屋が卸さぬとばかりに何にも無いのだ。とにかく、博麗の巫女に暖を取らせてはならねぇとばかりにあれもこれもそれも無いのである。
「…………」
霊夢の視界に、枝振りの良い木々が立ち並ぶ神社の敷地外の景色が映った。
そう……ちょっと回りにたんと生えている雑木林で火遊びでもすればそれはそれは暖かくなるだろう。だが、後で他の住民から後ろ指差される事を考えると踏み切れたものじゃない。逆説的には、それさえなければとっくに神社の周りは禿山と化しているだろう。
しかし、覚醒剤でもキまってるかのような尋常じゃない眼差しを雑木林に送る霊夢は、なんていうか、こう、言うなれば精神鑑定に出せば無罪を狙える雰囲気を醸していた。
もっとも、そんな眼差しは十秒と続かなかったが。むしろ十秒も続いた時点で事態の深刻さを窺わせるというか何と言うか。
ともかく溜息を零した後、霊夢はぎこちない足取りで神社の外へと歩き出した。
飛ぶと寒いからだ。
飛ばなくても寒いからだ。
尚、霊夢の格好は生地が厚くなった程度で見た感じの季節感は変わっていない。腋は出ている。二の腕もやや出ている。そして首も晒していた。
前述の通り、首というのは腋と同様体温調節の出来ない部位である。そんな部位を寒空に晒しておけば、それはそれは快適に体温低下に貢献するだろう。
当然霊夢はそんな事知った事じゃないので、寒い寒いと歯の根も合わぬ様子で神社を後にしたのである。
ちなみに飛ぶと寒いとはいえ、飛ばない事で飛ぶよりもずっと長時間寒さに晒されるという状況なのだが、そんな所まで思考が至らない程度に霊夢の頭は凍っていた。
そうしてえっちらおっちら霊夢がやってきたのは古道具屋である。当然、人里離れた僻地に建ってるいつもの古道具屋だ。
「霖之助さーん、居るー?」
と、そう言って店に入ったつもりなのは霊夢だけ。
実際にはどれだけトンチキな氷界言語になっていたのか、勘定台の向こう、定位置でやる気の無い店番をしていた森近 霖之助は非常に珍しい事に目を丸くして硬直していた。
「霖之助さん?」
もちろん霊夢はそう言っているつもりである。
だが霖之助アイ&イヤーからすると、なんか見るからに寒々しい格好をした少女がガタガタ震えながら歯の根もロクに合わないのに無理して良く分からない言葉を発しているのであった。しかもそんなのが遠慮なく店に入って来ているのだ。
普通引く。もしくは固まる。
普通じゃなくても引く。もしくは固まる。
チルノならば興味くらい持つかもしれない。
だがそれ以外なら、例え永琳や幽香であっても引く。もしくは固まる。少なくとも一秒くらいは。
ともかく目の前で現在進行形となっている謎の怪奇現象に対し、霖之助は沈黙と共に〝それ〟を見守る事しかできなかった。
―――〝それ〟の正体が霊夢であるという事に霖之助が気付いたのは、ストーブに当たる〝それ〟が温まる事で人並みの存在感を取り戻したからだろう。
「……ああ、霊夢だったのか」
「は?」
「いや、なんでもない」
「どういう事?」
ほっと胸をなでおろす霖之助に、ストーブに抱き着かんばかりな霊夢は不機嫌そうに眉を寄せる。
「あぁ、いやなに、こっちの話だから」
「そっちの話って言ったって、ストーブに当たらせてって私ちゃんと言ったわよ? 挨拶もしたし」
霊夢の言葉に適当に曖昧な相槌を打ちつつ、霖之助はいつ霊夢がそんな事を言ったのか甚だ疑問に感じていた。なんかぢぎゃぢぎゃ言ってたのは良く覚えているのだが。ただ――成る程、改めて考えてみれば、確かに〝それ〟は間違いなく博麗 霊夢だった。
そうだと思えばそう見えて、そうだと思わなければそう見えない。そんなレベルで、霖之助は霊夢を霊夢だと認識できなかったのだ。つまりはそれだけついさっきまでの霊夢が物体Xじみていた訳だが。
「それで、霊夢」
「何?」
「寒いからだろうというのは勿論だけど、何故ここに来たんだい」
「寒いからよ」
「それは知ってる」
「じゃあ良いじゃない」
さっきから霖之助の方を一瞥すらしない霊夢は、ストーブの火に炙られてただただ強張っていた面を緩ませている。
「……ところで霊夢」
「何?」
「寒いのならせめて厚着をしようという発想は無いのかい」
「霖之助さん」
ここで初めて霊夢は霊夢として霖之助の方を振り返った。
心なしか不機嫌な顔で。
「私は博麗の巫女なのであって、巫女なら巫女らしい格好をしてなきゃならない。だから私はこの格好なの。知ってるでしょう」
「それは勿論。ただ、それでも防寒という発想の下で努力をする必要はあるんじゃないかな」
「例えば?」
霊夢は本気で言っていた。彼女にとって防寒上の努力は既にし尽くしているのである。何せこれ以上着込むと、どうも彼女の基準では巫女らしくなくなるだろうからだ。
「……マフラーとか。後はその装束の下に長袖を着込むとか」
霖之助としては至極常識的な意見を述べたつもりである。何せこの寒いのに首だの腋だのを晒している時点で、見ている方が寒気がするのだ。
だが。
「論外よ」
博麗の巫女は博麗の巫女としての本来なら無視すべき、堅牢強固なポリシーに背くつもりは無いらしい。そのせいで死に掛けようが人として認識されなかろうが関係ないようだ。
「大体、いつもより一枚多く着ているのよ? 本来なら着るべきじゃない所を寒さのせいで着ているっていうのに」
「もうちょっと寒さのせいにしてみようという気は?」
「ある訳ないわ」
「というか、装束の下に余分に一枚着込むのなら、何故それを長袖にしないんだい」
「長袖なんで気持ち悪いもの」
四六時中腋を晒しているのだから、成る程そういう感覚もあり得るのかもしれない。
霖之助は思わず納得していた。年中季節感の無い格好をしている彼自身、逆を思えば良い気分はしないからだ。
そして霖之助は霊夢に厚着をさせようという説得に時間を費やすのを諦めた。
「まぁその格好が良いなら良いとして。なんでわざわざここまで来るんだい」
「寒いからよ」
「それは知ってる」
「じゃあ良いじゃない」
この時、妙な徒労感が霖之助の心を侵食している。所謂それはデジャヴュというものだが。
霊夢に会話をしようという意志がないのかもしれない。これも寒さのせいだろうか。それとも意図的なものなのか。霖之助には分からなかった。
「……すると寒いなら寒いで毎度僕の所まで来るつもりなのかな?」
改めて話しかけると、霊夢は既にストーブへと顔を戻していた。
「いつもなら自力で暖を取るんだけど、色々無かったから」
そして振り返りもしない。
「補充のあては?」
「あるわ」
「なら良かった。うちをあてにされるのは構わないが、丸っきり頼られては堪らないからね」
「あら。扶養家族が一人増えたからってどうこうなるの?」
「この店は僕一人が運営し、僕一人を養う程度で精一杯だからね。恒常的な食い扶持が増えるのは困る」
「そう。たまになら良いのね」
言われ、霖之助はしまった、という顔になった。こういう所がやたら鋭いのが霊夢である。こうなると、今をたまにという事にして遠慮なく居座る為の材料にするだろうと覚悟した方が良さそうだ。
溜息を一つ零し、それから霖之助はある事に気が付いた。
本来ならもっと早く気付いても良さそうなものだが、当の霊夢があまりにも平然としているので気付くのが遅れたのである。というか気付いたという段階に至って尚、ちょっと信じ難いものがあった。
「ところで霊夢」
だから、声には半信半疑といったものが濃い。
「何?」
「燃えてないか」
それは酷く淡白な響きだった。
「……なにが?」
「……君を君たらしめている装束が」
極めて冷静に言われて、霊夢はゆっくりと我が身を顧みる。
成る程、どうやらストーブに近付き過ぎていたようだ。
二人は揺らめく赤と橙と青白い高熱で構成されたそれが袴を舐めるように侵食していく様を一瞬ほど眺めた後、片や悲鳴を上げ、片や慌てて消火に努めたのだった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
すったもんだの挙句、心なしか頬が上気したように見える霊夢は霖之助の古着を着ていた。首から下をすっぽり覆っている為、何処か不自由そうではある。
巫女装束についてはもはや言及するまい。頬に紅葉型の痕がある霖之助が苦労して直すだけの事であって、霊夢としては自身に火傷が無い事が幸いである。
少々ぶかつく古着を燃やさないようにストーブから距離を取りつつも、やはり彼女は暖を取っていた。寒いから仕方ない。
「霖之助さん」
炎を見ながら言った。
「ん?」
裁縫に精を出しながら霖之助は応える。
「取り敢えず責任取って」
「なんの?」
「服の」
「今こうして果たしているじゃないか」
そもそも何で僕がやらなきゃならないんだ。霖之助は純粋にそう思いつつ針を布に通していく。いっそ新調した方が早いだろうが、なにぶん生地が足りなかった。
「そうじゃなくて」
「ん?」
今度は霖之助の顔が上がる。
見れば、霊夢も彼を見ていた。
「それが無いと、今日はもう巫女として何も出来ないじゃない」
「別に格好がどうだというものでもないと思うんだが」
「それは霖之助さんの都合」
「……つまり何が言いたいんだい」
「今日は泊めて。というかそれが直るまで泊めて」
「袴がこうなったのは霊夢自身の過失だろうに。何でその責任を僕が取らなきゃならないんだ」
「霖之助さんの所にストーブがあるからよ」
「そんな暴論聞いた事も無い」
「でも霖之助さんの所にストーブが無ければ袴は焼けなかったし、そもそも私がここに来る事も無かったわ」
「常識として、火の近くに寄ればどうなるか分かるだろう。それを怠っておいて僕のせいにされてもね」
「仕方ないじゃない」
「何が」
「寒いのがいけないのよ」
「……すると寒いから僕は霊夢を泊めなきゃならないのかい」
「そうとも言えるわ」
霊夢はいたっていつも通りの様子である。それがかえって彼女の正気を表す事にもなり、要するに彼女は今正常な思考の下で暴論を吐いているのだ。冗談じゃない。どこの桶屋だ。
「あのね霊夢」
「大丈夫よ。どこに何があるかくらいは知ってるから」
「そういう問題じゃなくて」
「何? 誰か他に予定でもあるの?」
「いや、無いけど」
「ならいいじゃない。たまになら良いんでしょ?」
満面の笑みである。
それを見ながら霖之助は、嘘でもいいから誰か泊まる事にすればよかったな、と後悔した。男一人の気ままな生活に異分子が入り込むのはただでさえ歓迎できないというのに。まだ魔理沙よりはマシではあるが、人はそれを五十歩百歩と言うだろう。
まるで最初からこうする予定であったかのように思えてしまう程、霖之助にとって店に来てからの霊夢は流れるように事を運んでいた。半分とはいえ人間の感性を一応は持つ霖之助だ。よもやこの寒空に知人の凍える少女を外に追い出すような真似は、とてもじゃないが出来ない。
これ等が全て計算尽くの産物であれば恐ろしいのだが、より一層恐ろしく、且つ始末に終えない事に霊夢は何も考えていなかった。何もかも成り行きで、偶然という名の必然なのだ。
そして。
「……やれやれ」
溜息と共に、霖之助は霊夢に降参したのである。
その後、充分に暖を取った霊夢は、霖之助が袴にかかずらっている間に掃除やらお茶汲みやらと店の事をやっていた。
閑古鳥と契約しているような香霖堂の有様は、似たような状況である博麗神社で時間を持て余している霊夢にとってそう苦でもなく、言ってみれば神社で過ごす日常と変わる所が無いのである。掃除も自発的というよりは体が勝手に、とか無意識とかの域だった。ただしお茶については、彼女が一人で飲んでいるのに対し霖之助がさりげない嫌味を零した事と、お茶を淹れる手間が大した事では無いという二点に寄るが。
そして霖之助が袴に対し一段落付けた頃には、霊夢が来た時間がそう早いものでも無かった為夜になっていた。
当然のように霊夢は彼の視界に居り、いかにも幸福そうに饅頭を食べながらストーブを眺めている。ところでその饅頭は誰が何の為に買ったのかと霖之助は切々と語ってやりたかったが、どう考えても無駄なので止めておいた。無論、この手の思考結果による黙認が霊夢だけでなく魔理沙をも調子に乗せてしまっている。〝言っても無駄、言うだけ無駄〟は真理だが、時と場合と相手によるだろう。
「やれやれ」
頭を振って、霖之助は立ち上がる。
「霊夢、ご飯はどうするんだい」
「お構いなく」
「そうかい。ところでその饅頭、九つはあったと思うんだけど」
「みたいね」
「で、幾つ食べたんだい」
「見ての通りだけど」
空の皿と、手にある一つの饅頭を示して霊夢はしゃあしゃあと言ってのけた。
確かに、空腹だから勝手に霖之助の饅頭を食べているのだろう。ちゃんとしたご飯ではなく、菓子で空腹を満たしてしまう辺り、実に彼女は子供である。それにしても限度ってものがあるだろうに。
「霊夢」
名を呼ぶ声の調子が些か下がっていたとして、誰が霖之助を責めれるだろうか。
「何? あ、そうだ霖之助さん。晩御飯なら作っておいたから」
「……なんだって?」
「だから、霖之助さんの分の晩御飯なら作っておいたのよ。材料とかからして、一人分しかなさそうだから霖之助さんの分しかないわよ」
「そうだったかな……」
「大根の減り方を見れば大体分かるわ。この前里で買ってたでしょう」
たまたま目撃したのを目聡く覚えていたとでも言うのだろうか。
言うのだろう。
そうでもなければ霊夢の言葉と行動には説得力が無い。
何せ霊夢だから。
いつの間に作ったのかとも思ったが、黙って作る筈も無いから袴に集中し過ぎた事で聞き逃していたのだろう。
「それは……まぁ、ありがとう」
「どういたしまして」
何やら毒気を抜かれた思いで、霖之助は霊夢が用意した夕餉に手を付ける事にした。献立は、成る程。あり合わせという点で、或る程度料理が作れる者が居ればそう大差ないようだ。
ただ正直自分が作った方が美味いなと思いつつ、まさか饅頭欲しさにこれを作ったんだろうかと考え、すぐに思い直した。魔理沙じゃあるまいに、霊夢がそう小狡い知恵を働かせるとは考え難い。
猫か何かのような様子でストーブを溺愛する霊夢を見て、霖之助は少しばかり心が重くなった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
諸々を済ませ、さあ寝ようかと言う段階に至って霖之助は改めて後悔した。
何せ寒い夜の友である湯たんぽは一つしか無いのであり、男と少女でそれがどちらに優先されるかと言えば、健康状態が二人とも普通である以上男に優先される理由はどこにも無い。霖之助は潔く湯たんぽを諦めたのだが、思い掛けない事が起こった。
「霖之助さん」
行灯の灯りが揺れる中、手拭いで巻かれた湯たんぽを抱えた霊夢は霖之助の寝間で呟くように言う。
「一緒に寝ましょ?」
「は?」
敷いた布団に体を半分入れている霖之助としては、先程まで何故霊夢があてがわれた客間に行かないのが不思議に思ってすらいたのだが。
「だって湯たんぽはこれしか無いんでしょう? なら一人で使うより二人で使った方が良いに決まってるわ」
「それはそうだけど」
「ならそうしましょ? 霖之助さんだって寒いのは嫌でしょうに」
「……成る程、一理ある」
霖之助としても、この寒いのに湯たんぽ抜きは明日の風邪を覚悟していたのだ。霊夢の申し出は渡りに船と言えた。
「それじゃ、どうぞ」
身を横にずらし、布団をやや持ち上げて霖之助は霊夢を招く。
「おじゃまします」
律儀に会釈してから、霊夢は霖之助の布団の中にごそごそと潜り込んだ。
瞬間、石鹸の匂いが霖之助の鼻腔を満たしたが、そもそも彼も同様の匂いを纏っていたので特に気にしなかった。
霊夢が布団の中に入りきったのを確認し、霖之助は行灯の火を消す。途端、夜の帳が室内に降りてきて、暗闇の中彼もまた布団の中に身を埋めていった。
「あ」
真っ暗な中で霖之助が言う。そういえば枕が一つだけだからだ。霊夢の布団一式は別の部屋であり、取りに行くのも手だが……
どうしたものかなと思案したが、霊夢の行動によってその答えが出た。
彼女は枕を霖之助の方に押しやると、自分は彼の腕を取ってそこに頭を乗せたのである。
「いいのかい?」
これは単に枕と自分の腕との寝心地を比較し、自信の無さと、枕を独占する申し訳なさから来た台詞だ。
「いいの」
簡潔に答え、湯たんぽを抱く霊夢はその温もりを等しく共有しようと霖之助に抱き付くようにして密着する。
それが温かいものだから、自然と霖之助の方も霊夢を抱く形となった。
何せ外は寒くて寒くて寒いものだから、二人共湯たんぽの温もりを逃すまいとし、
「おやすみ」
「おやすみなさい、霖之助さん」
揃って眠りの園へ落ちていった。
―――翌朝。
霖之助の腕の中で目を覚ました霊夢は、体勢がずっとそのままだった事による背伸びの欲求を覚えたが、それよりも霖之助の寝顔を見てつい頬が緩んでしまっていた。何せ普段の無気力無感動で表情の変化に乏しい様しか見ていないものだから、この無防備な顔が彼の素の顔だと思うとおかしくておかしくて仕方が無い。
どうにか笑気を収め、一つ欠伸をした霊夢は二度寝に入った。どうせ霖之助の腕の中だ。背伸びなり動いたりして起こすのも忍びない。
それに霊夢のイメージだと、霖之助は決まった時間まで絶対起きそうにない類である。なら半端にがんばってもがくよりは、後どれくらいか分からないが寝ていた方が良い。何せここはとても温かいのだ。
といった理屈で、霊夢は再び眠りに落ちたのだった。
まあ、うん、だからこーりん殺す。
それはそうと、自分勝手で我が道を舗装しながら進んでいく様はとても霊夢らしいです。
意図してないだけに恐ろしいww
巫女、攻略自重。
何とも羨ましい因果応報だ。
だから大丈夫なはずだ、頼むからそうであってくれ!
むしろ和む、やたらと和む
よし、こーりん殺す。
髪……下ろしてんだよなあ……
今回ばかりは「こーりん殺す」が出来ないね。今回のは霖之助だから。
是非ピーピング天狗にフォーカスされて欲しい
かと思ったけどたまにはこーいうのもいいかな。なんか和む
と言わずに済むギリギリのラインだなこりゃ
中盤で また香霖が鈍感な恋愛物かよ とガックリしていましたが、安易に転ばずキャラクターと原作への愛情を感じました。
とても良い話だと思います。
何だこのいい兄妹風味は。すばらしいじゃないか
寒い日の温かいお話でした
とりあえずこれはいえる。
私は朴念仁こーりんの話が好きだ。
<ノノ从从iマ>
ノリi゚ヮ゚ノ!! こーりん、
つサつ 遊びに来たぜー。
兄妹らしく書き示したHodumiさんに感謝!
大好物であります
ありがとうございました
これは良い霊霖