「ふぅ・・・流石に冷えるようになってきたわね」
神社の境内を掃除していた霊夢がそんな事を呟く。
残暑が続いた今年の秋はまるで遅れを取り戻すかのように急ぎ足で冬へと向かっている。
つい最近まで暖かかった気温も日に日に冬の寒さへと変わっていく。
「今年は秋が短かったわね~」
そんな事をいいながら霊夢は境内をぐるりと見渡す。
赤く染まった葉が残すとこ僅かとなった紅葉、風の影響か葉を全て落としてしまった銀杏などその姿は秋というより冬に近い。
そんな風に短かった秋を偲んでいると霊夢の視界にあるものが映った。
「あら?あんな所に落ち葉集めたかしら?」
そこにはなんだか妙に積み上げられた落ち葉の山があった。
そのサイズは小柄な人一人をすっぽりと包み込めるぐらいの大きさだ。
「風の吹き溜まりみたいだし偶然集まったのかしら?・・・そう言えば慧音にもらった薩摩芋まだ残ってたわね。今日のおやつは焼き芋にしましょ」
霊夢は竹箒を物置へと片付けると焼き芋の準備を始めた。
「今日は風もないし絶好の焼き芋日和ね。さて、半分を先に燃やして灰を作らないとね~」
焼き芋を作るのに焚き火の中に芋を直接入れてはいけない。
これをやると見事に芋炭が出来上がるので当然だが食べられなくなる。
おいしい焼き芋を焼くにはまず落ち葉を適度に燃やし、できた灰の中に芋をいれ、灰をかぶせ、さらに上で火を燃やして蒸し焼きにするのだ。
ただし上で火を燃やしすぎると焦げるので注意が必要である。
後火の始末はちゃんとしましょう。
少女焼芋中
「さ~て、そろそろできたかな~?」
霊夢は木の枝を使って芋を灰から掘り出す。
そして湿らせた布で灰をふき取る。
「いっただっきま~す!」
霊夢は芋の皮を剥くと早速食べる。
「ん~、暖かくて甘くて美味しい~」
一口食べて霊夢は満面の笑みを浮かべた。
あまりの美味しさに最初の一個を早々と食べ終えると二個目に取り掛かる。
その二個目も食べ終えようかという時だった。
「あ~~~~~~~~~!!!!!!!!」
「んぐぅ!!」
背後から突然聞こえてきた悲鳴に霊夢は驚いて芋を喉に詰まらせてしまった。
「んぐぅ~!(水ぅ~!)」
「わ!ちょっと待ってて!」
どうやらかなり大きな塊を喉に詰まらせてしまったのか真っ赤な顔をしてもがく霊夢に悲鳴を上げた主のほうがびっくりして慌てて水を汲みに飛んでいった。
「むぐ~!(死ぬ~!)」
「はい水!水持ってきたから!」
悲鳴の主、リグルが湯のみに水を汲んで大慌てで持ってきた。
「ゴクゴクゴクゴクッ!プハァ・・・あ~熱いし息出来ないし死ぬかと思った~・・・」
「大丈夫だった?」
肩で息をする霊夢をリグルが心配そうに見つめる。
「何とかね・・・助かったわ。それよりリグル。急に悲鳴を上げてどうしたのよ」
霊夢はリグルにお礼を言いつつ悲鳴を上げた理由を尋ねる。
「ああ~!そうだった!霊夢!なんで僕のお布団燃やしちゃったの!?」
「布団?」
リグルの言葉に霊夢は首をかしげる。
「僕蟲だから冬はこうして落ち葉のお布団で冬を越すの。実は去年まで使ってた場所が他の妖怪に荒らされちゃって使えなくなっちゃって・・・。偶然見つけたここはちょうど風の吹き溜まりだし落ち葉も沢山あるしどっかに飛んでかないと思ったんだ」
「あ~・・・だからあんなに沢山落ち葉があったのね」
霊夢は落ち葉が山になっていた理由がリグルが布団にするために集めたのだと分かった。
「ごめんね、自然に溜まった物だとばかり思ってたしまさか貴方がそんな風にして冬を越してるなんて知らなかったものだから・・・」
「ううん、僕が霊夢に何も言わなかったのが悪いんだ。よく考えればここ神社の境内だもんね」
リグルがそういって力なく微笑む。
「それでどうするの?いくら山でも落ち葉をまた集めに行くのは大変よ?」
いくらリグルが小柄な体系とはいえ全身をすっぽりと包み込む量を集めるのはかなり大変だ。
「もう無理だよ・・・人間にとってはまだ涼しいくらいの気温でも僕にとっては寒すぎるんだ・・・今の僕じゃ毛玉一匹でも辛い相手なんだ・・・」
リグルはそういって首を横に振る。
「そう・・・なら今年は私の神社で冬を越すといいわ」
「え?」
リグルは顔を上げて霊夢を見つめる。
「知らなかったとは言え燃やしちゃったのは私だし・・・知らん振りも出来ないでしょ。部屋も布団もあるし、少なくとも落ち葉の布団よりは温かいはずよ」
「いいの?」
「リグルが良ければ・・・だけれども」
「ありがとう霊夢!」
リグルは満面の笑みで霊夢に抱きついた。
霊夢は少し苦笑しつつも冬の間の相手が出来てどこか嬉しそうだった。
そして冬・・・
「う~・・・今日も冷えるわね~」
「火鉢と火燵だけじゃ足りないね・・・」
夏の暑さの反動なのか今年の冬はとても寒かった。
元々雪深い博麗神社だが今年はさらに大雪で一日に2回、多い時では3回も雪下ろしをしないといけないほどだった。
「そろそろ雪下ろしと雪掻きしないといけないわね・・・あんまり遅いと日も暮れちゃうし」
「僕も手伝えればいいんだけど・・・」
「どうせいつも一人でやってるんだから気にしないで。その代りにご飯作って貰ってるんだし」
リグルでは寒すぎて外に出たとたん冬眠しかねない。
その為に外に出れるのは霊夢だけなので雪下ろしも雪掻きも必然的に霊夢一人で行わなければならない。
リグルはそれでは心苦しいと家事を買って出たのだ。
意外とリグルは料理が上手で霊夢は驚いた。
どうやら仲のいいミスティアに料理のコツを教わったのだそうだ。
「今日は何がいい?」
「そうね、味噌煮込みうどんなんていいんじゃないかしら?」
「オッケー」
霊夢は雪掻きの準備を整えると外へと出て行く。
リグルはそれを見送ると食事の準備に取り掛かった。
「んっしょっと!まったく面倒ね」
いつもの巫女服にマフラーだけの姿は見ているほうが寒くなりそうな格好である。
しかし霊夢は結界で寒さを遮断しているので霊夢自身は寒くない。
それに霊夢は元々寒さには強いので冬でもあまり厚着をしない。
「早く終わらせてリグルと暖かい味噌煮込みうどんを食べたいわ」
そんな事を言いながら霊夢は屋根の雪を次々と下ろしていく。
「んっとこれで最・・・きゃ!」
霊夢は足を滑らせて下ろした雪と一緒に地面に落ちてしまった。
しかも打ち所が悪く気絶してしまう。
ただ雪だけがシンシンと降り続けている。
「遅いなあ・・・」
リグルは準備の出来た味噌煮込みうどんの入った土鍋を前に座っている。
まるで時計か何かで測ったかの様に毎日同じ時間で雪掻きを終えるはずの霊夢が今日に限って戻ってこない。
遅れているのならば一声かけそうなものなのだがその様子もない。
「もしかして何かあったのかな?・・・でも外に出れないし・・・」
確かめたくても確かめれないもどかしさにリグルはうろうろと視線を彷徨わせる。
「やっぱり気になる!」
リグルは布団をかぶると外へ飛び出した。
「霊夢!しっかりして!」
リグルは外に出てすぐに気絶した霊夢を見つけた。
気絶してから時間がたっている証拠に霊夢の上には雪が積もっている。
リグルは急いで霊夢から雪を払い落とすと室内へと運び入れた。
「体が冷え切ってる!早く暖めないと!まずは服を脱がせなくちゃ!」
リグルは雪で濡れてしまった霊夢の服を脱がせると自分がかぶっていた布団をかぶせる。
「これだけじゃすぐ冷えちゃうか・・・だったら!」
リグルは布団の中に入ると霊夢に抱きついた。
「うう・・・つ、冷たい・・・でも暖めないと・・・霊夢が・・・霊夢が・・・!」
冷え切った霊夢の体はリグルには冷たすぎる。
しかし霊夢を助けようとリグルは自分が凍えそうになるのを必死で耐えながら霊夢を抱き続けた。
「う・・・?」
「あら?気がついた見たいね」
霊夢が目を開けると永琳がいた。
「あれ・・・?なんで永琳が・・・?」
「魔理沙が貴方とリグルが大変だって大慌てで永遠亭に飛び込んできたのよ」
永琳が言うには魔理沙が夕食をたかり・・・もといご馳走になろうと神社に押しかけると凍えた霊夢と霊夢を体温で暖めようとして冬眠状態に陥ってしまったリグルを発見したらしい。
「魔理沙とリグルに感謝しなさい。二人がいなかったら貴方助からなかったわよ」
そう言って永琳が指差した先には毛布に包まって眠るリグルと泣き疲れたのか目を赤く腫らして眠る魔利沙がいた。
「そっか・・・私雪掻きしてて足を滑らせて屋根から落ちたんだ・・・」
霊夢は自分がなぜこうなったのかを思い出した。
「念のために全身チェックしておいたけれど異常は見当たらなかったわ。熱が出ると思うから暫くはおとなしくしてなさい」
「雪掻きしないと神社が潰れちゃうんだけど・・・」
霊夢は現実的な問題に頭を悩ませる。
「看病と食事の世話に優曇華を来させるわ。後雑用に誰かをこさせるからそれでいいでしょ?」
「そう・・・助かるわ」
霊夢は永琳にお礼を言うと一眠りする事にした。
「霊夢さん38.7℃、リグルさん38.3℃っと」
「風邪引くのは初めてだわ・・・」
「僕も・・・」
霊夢もリグルも熱で顔を赤く染めている。
「私も蟲の風邪なんて始めてですよ。さて、今からご飯作りますから食べたらちゃんとお薬飲んでくださいね」
「「は~い」」
二人はそろって返事をした。
一方外では・・・。
「え゛~り゛ん゛え゛~り゛ん゛寒゛い゛よ゛え゛~り゛ん゛」
輝夜が鼻水を垂らしながら必死に雪掻きをしていた。
end
神社の境内を掃除していた霊夢がそんな事を呟く。
残暑が続いた今年の秋はまるで遅れを取り戻すかのように急ぎ足で冬へと向かっている。
つい最近まで暖かかった気温も日に日に冬の寒さへと変わっていく。
「今年は秋が短かったわね~」
そんな事をいいながら霊夢は境内をぐるりと見渡す。
赤く染まった葉が残すとこ僅かとなった紅葉、風の影響か葉を全て落としてしまった銀杏などその姿は秋というより冬に近い。
そんな風に短かった秋を偲んでいると霊夢の視界にあるものが映った。
「あら?あんな所に落ち葉集めたかしら?」
そこにはなんだか妙に積み上げられた落ち葉の山があった。
そのサイズは小柄な人一人をすっぽりと包み込めるぐらいの大きさだ。
「風の吹き溜まりみたいだし偶然集まったのかしら?・・・そう言えば慧音にもらった薩摩芋まだ残ってたわね。今日のおやつは焼き芋にしましょ」
霊夢は竹箒を物置へと片付けると焼き芋の準備を始めた。
「今日は風もないし絶好の焼き芋日和ね。さて、半分を先に燃やして灰を作らないとね~」
焼き芋を作るのに焚き火の中に芋を直接入れてはいけない。
これをやると見事に芋炭が出来上がるので当然だが食べられなくなる。
おいしい焼き芋を焼くにはまず落ち葉を適度に燃やし、できた灰の中に芋をいれ、灰をかぶせ、さらに上で火を燃やして蒸し焼きにするのだ。
ただし上で火を燃やしすぎると焦げるので注意が必要である。
後火の始末はちゃんとしましょう。
少女焼芋中
「さ~て、そろそろできたかな~?」
霊夢は木の枝を使って芋を灰から掘り出す。
そして湿らせた布で灰をふき取る。
「いっただっきま~す!」
霊夢は芋の皮を剥くと早速食べる。
「ん~、暖かくて甘くて美味しい~」
一口食べて霊夢は満面の笑みを浮かべた。
あまりの美味しさに最初の一個を早々と食べ終えると二個目に取り掛かる。
その二個目も食べ終えようかという時だった。
「あ~~~~~~~~~!!!!!!!!」
「んぐぅ!!」
背後から突然聞こえてきた悲鳴に霊夢は驚いて芋を喉に詰まらせてしまった。
「んぐぅ~!(水ぅ~!)」
「わ!ちょっと待ってて!」
どうやらかなり大きな塊を喉に詰まらせてしまったのか真っ赤な顔をしてもがく霊夢に悲鳴を上げた主のほうがびっくりして慌てて水を汲みに飛んでいった。
「むぐ~!(死ぬ~!)」
「はい水!水持ってきたから!」
悲鳴の主、リグルが湯のみに水を汲んで大慌てで持ってきた。
「ゴクゴクゴクゴクッ!プハァ・・・あ~熱いし息出来ないし死ぬかと思った~・・・」
「大丈夫だった?」
肩で息をする霊夢をリグルが心配そうに見つめる。
「何とかね・・・助かったわ。それよりリグル。急に悲鳴を上げてどうしたのよ」
霊夢はリグルにお礼を言いつつ悲鳴を上げた理由を尋ねる。
「ああ~!そうだった!霊夢!なんで僕のお布団燃やしちゃったの!?」
「布団?」
リグルの言葉に霊夢は首をかしげる。
「僕蟲だから冬はこうして落ち葉のお布団で冬を越すの。実は去年まで使ってた場所が他の妖怪に荒らされちゃって使えなくなっちゃって・・・。偶然見つけたここはちょうど風の吹き溜まりだし落ち葉も沢山あるしどっかに飛んでかないと思ったんだ」
「あ~・・・だからあんなに沢山落ち葉があったのね」
霊夢は落ち葉が山になっていた理由がリグルが布団にするために集めたのだと分かった。
「ごめんね、自然に溜まった物だとばかり思ってたしまさか貴方がそんな風にして冬を越してるなんて知らなかったものだから・・・」
「ううん、僕が霊夢に何も言わなかったのが悪いんだ。よく考えればここ神社の境内だもんね」
リグルがそういって力なく微笑む。
「それでどうするの?いくら山でも落ち葉をまた集めに行くのは大変よ?」
いくらリグルが小柄な体系とはいえ全身をすっぽりと包み込む量を集めるのはかなり大変だ。
「もう無理だよ・・・人間にとってはまだ涼しいくらいの気温でも僕にとっては寒すぎるんだ・・・今の僕じゃ毛玉一匹でも辛い相手なんだ・・・」
リグルはそういって首を横に振る。
「そう・・・なら今年は私の神社で冬を越すといいわ」
「え?」
リグルは顔を上げて霊夢を見つめる。
「知らなかったとは言え燃やしちゃったのは私だし・・・知らん振りも出来ないでしょ。部屋も布団もあるし、少なくとも落ち葉の布団よりは温かいはずよ」
「いいの?」
「リグルが良ければ・・・だけれども」
「ありがとう霊夢!」
リグルは満面の笑みで霊夢に抱きついた。
霊夢は少し苦笑しつつも冬の間の相手が出来てどこか嬉しそうだった。
そして冬・・・
「う~・・・今日も冷えるわね~」
「火鉢と火燵だけじゃ足りないね・・・」
夏の暑さの反動なのか今年の冬はとても寒かった。
元々雪深い博麗神社だが今年はさらに大雪で一日に2回、多い時では3回も雪下ろしをしないといけないほどだった。
「そろそろ雪下ろしと雪掻きしないといけないわね・・・あんまり遅いと日も暮れちゃうし」
「僕も手伝えればいいんだけど・・・」
「どうせいつも一人でやってるんだから気にしないで。その代りにご飯作って貰ってるんだし」
リグルでは寒すぎて外に出たとたん冬眠しかねない。
その為に外に出れるのは霊夢だけなので雪下ろしも雪掻きも必然的に霊夢一人で行わなければならない。
リグルはそれでは心苦しいと家事を買って出たのだ。
意外とリグルは料理が上手で霊夢は驚いた。
どうやら仲のいいミスティアに料理のコツを教わったのだそうだ。
「今日は何がいい?」
「そうね、味噌煮込みうどんなんていいんじゃないかしら?」
「オッケー」
霊夢は雪掻きの準備を整えると外へと出て行く。
リグルはそれを見送ると食事の準備に取り掛かった。
「んっしょっと!まったく面倒ね」
いつもの巫女服にマフラーだけの姿は見ているほうが寒くなりそうな格好である。
しかし霊夢は結界で寒さを遮断しているので霊夢自身は寒くない。
それに霊夢は元々寒さには強いので冬でもあまり厚着をしない。
「早く終わらせてリグルと暖かい味噌煮込みうどんを食べたいわ」
そんな事を言いながら霊夢は屋根の雪を次々と下ろしていく。
「んっとこれで最・・・きゃ!」
霊夢は足を滑らせて下ろした雪と一緒に地面に落ちてしまった。
しかも打ち所が悪く気絶してしまう。
ただ雪だけがシンシンと降り続けている。
「遅いなあ・・・」
リグルは準備の出来た味噌煮込みうどんの入った土鍋を前に座っている。
まるで時計か何かで測ったかの様に毎日同じ時間で雪掻きを終えるはずの霊夢が今日に限って戻ってこない。
遅れているのならば一声かけそうなものなのだがその様子もない。
「もしかして何かあったのかな?・・・でも外に出れないし・・・」
確かめたくても確かめれないもどかしさにリグルはうろうろと視線を彷徨わせる。
「やっぱり気になる!」
リグルは布団をかぶると外へ飛び出した。
「霊夢!しっかりして!」
リグルは外に出てすぐに気絶した霊夢を見つけた。
気絶してから時間がたっている証拠に霊夢の上には雪が積もっている。
リグルは急いで霊夢から雪を払い落とすと室内へと運び入れた。
「体が冷え切ってる!早く暖めないと!まずは服を脱がせなくちゃ!」
リグルは雪で濡れてしまった霊夢の服を脱がせると自分がかぶっていた布団をかぶせる。
「これだけじゃすぐ冷えちゃうか・・・だったら!」
リグルは布団の中に入ると霊夢に抱きついた。
「うう・・・つ、冷たい・・・でも暖めないと・・・霊夢が・・・霊夢が・・・!」
冷え切った霊夢の体はリグルには冷たすぎる。
しかし霊夢を助けようとリグルは自分が凍えそうになるのを必死で耐えながら霊夢を抱き続けた。
「う・・・?」
「あら?気がついた見たいね」
霊夢が目を開けると永琳がいた。
「あれ・・・?なんで永琳が・・・?」
「魔理沙が貴方とリグルが大変だって大慌てで永遠亭に飛び込んできたのよ」
永琳が言うには魔理沙が夕食をたかり・・・もといご馳走になろうと神社に押しかけると凍えた霊夢と霊夢を体温で暖めようとして冬眠状態に陥ってしまったリグルを発見したらしい。
「魔理沙とリグルに感謝しなさい。二人がいなかったら貴方助からなかったわよ」
そう言って永琳が指差した先には毛布に包まって眠るリグルと泣き疲れたのか目を赤く腫らして眠る魔利沙がいた。
「そっか・・・私雪掻きしてて足を滑らせて屋根から落ちたんだ・・・」
霊夢は自分がなぜこうなったのかを思い出した。
「念のために全身チェックしておいたけれど異常は見当たらなかったわ。熱が出ると思うから暫くはおとなしくしてなさい」
「雪掻きしないと神社が潰れちゃうんだけど・・・」
霊夢は現実的な問題に頭を悩ませる。
「看病と食事の世話に優曇華を来させるわ。後雑用に誰かをこさせるからそれでいいでしょ?」
「そう・・・助かるわ」
霊夢は永琳にお礼を言うと一眠りする事にした。
「霊夢さん38.7℃、リグルさん38.3℃っと」
「風邪引くのは初めてだわ・・・」
「僕も・・・」
霊夢もリグルも熱で顔を赤く染めている。
「私も蟲の風邪なんて始めてですよ。さて、今からご飯作りますから食べたらちゃんとお薬飲んでくださいね」
「「は~い」」
二人はそろって返事をした。
一方外では・・・。
「え゛~り゛ん゛え゛~り゛ん゛寒゛い゛よ゛え゛~り゛ん゛」
輝夜が鼻水を垂らしながら必死に雪掻きをしていた。
end
働け、ニート。
魔利沙→魔理沙
霊夢が焼き芋を焼こうとしたシーンで、誰かが落ち葉の中に隠れていて、火を付けたら「ギャー!!」というような展開かと思ってしまいましたwww
他の作家さんでリグルの一人称が僕になってたんですけど気になりましたか?う~ん難しいラインですね・・・。
名前って美味しいの?さん
笑っていただければ幸いです。
二人目の名前が無い程度の能力さん
どうやら辞書登録時に誤字をしたまま登録していたようです。ご指摘感謝。誤字修正及び辞書登録をしなおしました。
>霊夢が焼き芋を焼こうとしたシーンで、誰かが落ち葉の中に隠れていて、火を付けたら「ギャー!!」というような展開かと思ってしまいましたwww
実はそんな展開も考えたのですがありきたりかな~と思ってあえてスルーしてみました。
オチはよかった。非常に、
リグルだからなのか「僕」は気になりませんでした。そんなに。
題名どおりで、面白かったです。読みやすかったし、流れも良かった。ラストの輝夜の台詞はいらなかったかな。有名な二次ネタのようなので、単なる好き嫌いですけど。
とてもよかったですよ
2人の口調と性格に少し違和感を感じましたが、まぁこういうのもアリかなと。
最後に一句・・・
カリスマが どんどん無くなる 月の姫(笑)
そして姫カワイソス……
>他の作家さんでリグルの一人称が僕になってたんですけど
これが何故“一人称を勝手に変えても良い”理由になるのかどうしても理解できません。神主はリグルに「私」としか言わせたことはない筈ですが…。作者さんの意見をお聞かせ願えないでしょうか。
理由については以上です。
ご指摘に関してはありがたいのですが別に「勝手に」変えるつもりはなく、あくまで二次制作の設定であり、深い意味を持つわけではないので個人的に気に入らないという理由であったのであればただのクレームに過ぎません。
それを言うのであれば他の作家さんの設定などもあくまで個人的な設定であり別にこれが東方である!と言うものではありません。
一人称云々に関しては神主さんがどういった解釈をするのか私には理解できませんのでもし私の作品の一人称が気になるのであれば神主さん本人にお尋ねになっていただかなければどうしようもありません。
個人的に気に入らないからなどという理由では失礼ですがあまり貴方の忠告を受け入れる気にはなりません。
他の方々のコメントを見る限り一人称僕に関して全く受け入れられないという人はいません。気にはなったがまあこういうのもありかな?程度ですので逆にではありますが、なぜ「一人称僕のリグル」が駄目なのかをお聞きしたいです。
長文失礼いたしました。
ちょっと目に止まったので勝手ながら意見を言ってみるテスト。
自分も“僕”っ子リグルは素敵だと思います。“私”よりも好きです。魔理沙だって、どちらかといえば“私”よりも“俺”のほうが、私的には間違いなく似合ってます。
しかし東方Projectに登場するキャラクター像があまり一貫していない部分(チルノの一人称が文花帖の“私”から花映塚の“あたい”になったり、妖夢は登場作品によってキャラクターそのものが変わったり)のせい、更には数少ない会話シーンから想像せざるを得ないため、SS作家のイメージは個人個人でかなり違います。そのため、多くの登場キャラクターを見分けるにあたって、読者は他の二次創作より性格や口調などによく注目し、自然と一人称は登場人物を書き分ける中でも重要視される要素になります。作品やキャラクターを愛している読者にとって、一人称の違いが大きな分かれ目となり、評価も厳しくなります。
例が極論になりますが、私は天然かつ優雅な幽々子が好きです。たまたま目にしたSSでもぽけぽけっぷりが遺憾なく発揮されてるとしましょう。ストーリーもぼろっぼろに泣ける感動ものだとしましょう。素晴らしいです。が、幽々子の一人称がもし“あたい”だったらどうでしょう?しかも理由が、「そっちのほうが似合ってるから」なんて理由で勝手に書かれていたとしたら。キャラクターぶち壊しで私は躊躇なく低評価をします。
神主や作者が気にしなくても、評価をするのは他人です。気にしない人ならいいのです。私も気にならない、むしろ「私リグル」より「僕リグル」の方が自然なんじゃないか、と思う事さえあります。が、せっかくの作品が一人称ひとつで台無しになったら、お互いに残念な気分になります。読者のために書けとは言いませんが、我を通していい部分、通してはいけない部分はきっちりつけたほうがいいのではないでしょうか。
以上、長文、お目汚し、失礼しました。
>我を通していい部分、通してはいけない部分はきっちりつけたほうがいいのではないでしょうか
なるほど、と納得させられました。しかし難しい問題ですね。今回私の作品において一人称問題が浮き彫りとなったわけなのですが当然ながら個人個人で想像しているものが違います。幽々子の「あたい」は流石に大げさな話ではありますが魔理沙の一人称、「私(あたし派、わたし派の二つがあるかと)」「俺」問題も出てくるでしょう。これまた個人的には橙も「僕」と言いそうな気がしている(どうも小柄でボーイッシュな女の子は一人称僕というのが私の個人的な思い込みのようなので)これらの一人称をどう使い分けるか非常に難しい問題だと思います。
どこまでが我を通しているのかの判断もやはり個人に任せるしかないのでこれからは一人称云々に関しては全て私はオリジナル設定として冒頭部分に注意書きを記すことにいたします。
19日の名前が無い程度の能力さんへ
返事が無いのはどういう事なのでしょうか?心無いクレームだったのかそれとも一読者としてご忠告してくださったのか判断が出来ません。返事をお待ちしております。