※オリキャラが嫌いだ、と言う方は是非とも戻ることをお勧めします。
↓この先幻想郷
人生は迷路である、と揶揄する人間もいる。
この世に生を受けし時に放り込まれ、この世を去るときに出口が開くという壮大な迷路。
つまり世界は迷路なのである。
その中で何回突き当たりにぶつかるかによって幸不幸が決まる、そういった論理。
かくいう私もそんな考えを持つ者の一人。
そして今、生涯最大の突き当りにぶつかったのかもしれない。
「五回目……」
私は目の前にある傷を負った木を見てうんざりしたように言った。
私――鴉間与一は迷っていた。
人生を迷っている、なんて哲学的な話をしているわけでもなく、正真正銘そのままの意味で道に迷っていた。
「この山ってこんなに広かったっけな……」
普段山奥に住んでいると山が庭のように見えてしまうがこれは間違い。
だが、不覚にも私にはそう見えてしまい、庭で育てた野菜を取りに行くような感覚で山に入ってしまった。
地図?
そんなものは持ってきていない。
方位磁針?
さっきから北がくるくる回ってます。
「まるで自然の迷路ですね。まったく、神様も意地悪な。こんなのを作っているなんて。まぁさっきの獣道よりかはましか」
そう、先ほどまで私は道なき道を彷徨っていたのだ。
人が歩けば道ができる――そう言ったのは魯迅だったけな?
と言うわけでここにはあまり人が来ないという事実は判明した。
「はは……絶望的だな」
仕方ないのでギリギリ道と呼べるような道を歩いていく。
すると道もだんだん開けてきて、階段が見えてきた。
「階段があるってことは、この上に何かあるってことですよね」
ここで上らない手は無い。
私は嬉々として一段目に足をかけた。
ガサリ。
後ろからそんな音が聞こえた。
少し気になり後ろを振り返ってみる。
すると、そこには今まで見たことの無い、そして怪物という単語がぴったり当てはまりそうな『何か』が存在していた。
「っ!――」
私は悲鳴を上げることも忘れ、全力で階段を駆け上がった。
後ろを見る余裕などない。
いや、後ろを見て『何か』が追っかけているのを確認するのが怖い、といったほうが的確なのかもしれない。
とにかく、全力で逃げたということが伝われば結構である。
階段を上りきるころには、息も切れ切れで今にも倒れそうな感じだった。
「ぜぇ……ぜぇ……さすがに、ここまで来れば、奴も、来れないだろう」
流し目で後ろを覗いてみる。
今まで上ってきた階段と、その下に広がる森しか見えなかった。
私は安堵の息をつくと、自分が置かれている状況を確認することに徹底した。
まず、ここはどこかという話。
目の前に鳥居があるので神社であるということは分かる。
しかし、どこの神社かはさっぱりだ。
「それにしてもでかいですね、この鳥居」
変な方に感心していると、鳥居の上を黒い影が通っていった。
「…………人?」
人型が見えたのである。
しかし、人がそのまま飛ぶなんてありえない。
だが、アレは確かに人の形を――
「考えるのやめ。要には見れば早いんですよ。見れば」
好奇心とは恐ろしいものである。
鳥居を潜り、少し歩くと神社の境内にたどり着いた。
あたりに人の気配はなく、殺風景な感じが引き出されている。
「やっぱり見間違いですね。参拝客すらいない」
「廃れた神社で悪かったわね」
今日は後ろをよく取られる日だ。
首だけで振り返ってみると、そこには巫女姿の少女が立っていた。
これが忘れもしない、私と霊夢のファーストコンタクトであった。
何が忘れられないって?
出会ってから二言目の台詞だよ。
「お賽銭を入れるならよし、冷やかしならさっさと帰ってね」
……リアルすぎだろ。
↓この先幻想郷
人生は迷路である、と揶揄する人間もいる。
この世に生を受けし時に放り込まれ、この世を去るときに出口が開くという壮大な迷路。
つまり世界は迷路なのである。
その中で何回突き当たりにぶつかるかによって幸不幸が決まる、そういった論理。
かくいう私もそんな考えを持つ者の一人。
そして今、生涯最大の突き当りにぶつかったのかもしれない。
「五回目……」
私は目の前にある傷を負った木を見てうんざりしたように言った。
私――鴉間与一は迷っていた。
人生を迷っている、なんて哲学的な話をしているわけでもなく、正真正銘そのままの意味で道に迷っていた。
「この山ってこんなに広かったっけな……」
普段山奥に住んでいると山が庭のように見えてしまうがこれは間違い。
だが、不覚にも私にはそう見えてしまい、庭で育てた野菜を取りに行くような感覚で山に入ってしまった。
地図?
そんなものは持ってきていない。
方位磁針?
さっきから北がくるくる回ってます。
「まるで自然の迷路ですね。まったく、神様も意地悪な。こんなのを作っているなんて。まぁさっきの獣道よりかはましか」
そう、先ほどまで私は道なき道を彷徨っていたのだ。
人が歩けば道ができる――そう言ったのは魯迅だったけな?
と言うわけでここにはあまり人が来ないという事実は判明した。
「はは……絶望的だな」
仕方ないのでギリギリ道と呼べるような道を歩いていく。
すると道もだんだん開けてきて、階段が見えてきた。
「階段があるってことは、この上に何かあるってことですよね」
ここで上らない手は無い。
私は嬉々として一段目に足をかけた。
ガサリ。
後ろからそんな音が聞こえた。
少し気になり後ろを振り返ってみる。
すると、そこには今まで見たことの無い、そして怪物という単語がぴったり当てはまりそうな『何か』が存在していた。
「っ!――」
私は悲鳴を上げることも忘れ、全力で階段を駆け上がった。
後ろを見る余裕などない。
いや、後ろを見て『何か』が追っかけているのを確認するのが怖い、といったほうが的確なのかもしれない。
とにかく、全力で逃げたということが伝われば結構である。
階段を上りきるころには、息も切れ切れで今にも倒れそうな感じだった。
「ぜぇ……ぜぇ……さすがに、ここまで来れば、奴も、来れないだろう」
流し目で後ろを覗いてみる。
今まで上ってきた階段と、その下に広がる森しか見えなかった。
私は安堵の息をつくと、自分が置かれている状況を確認することに徹底した。
まず、ここはどこかという話。
目の前に鳥居があるので神社であるということは分かる。
しかし、どこの神社かはさっぱりだ。
「それにしてもでかいですね、この鳥居」
変な方に感心していると、鳥居の上を黒い影が通っていった。
「…………人?」
人型が見えたのである。
しかし、人がそのまま飛ぶなんてありえない。
だが、アレは確かに人の形を――
「考えるのやめ。要には見れば早いんですよ。見れば」
好奇心とは恐ろしいものである。
鳥居を潜り、少し歩くと神社の境内にたどり着いた。
あたりに人の気配はなく、殺風景な感じが引き出されている。
「やっぱり見間違いですね。参拝客すらいない」
「廃れた神社で悪かったわね」
今日は後ろをよく取られる日だ。
首だけで振り返ってみると、そこには巫女姿の少女が立っていた。
これが忘れもしない、私と霊夢のファーストコンタクトであった。
何が忘れられないって?
出会ってから二言目の台詞だよ。
「お賽銭を入れるならよし、冷やかしならさっさと帰ってね」
……リアルすぎだろ。
とりあえず、今後の展開に期待してこの点数で。
最後までがんばってくださいね。