Coolier - 新生・東方創想話

孔を操る程度の能力

2007/11/02 01:38:02
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~まえがき~

このSSは孤独からの生還の続きであり先にそちらを読んだほうが多分いいと思います。

~~~~~~


「ねぇ?お母さん」
10歳ぐらいの少女が母親に話しかける。
「何?」
「何でお外に出ちゃいけないの?」
それを聞いてはいけなかったのか母親の表情は暗くなった。
そして何かを呟いている様だ・・・
「じゃあ・・・・・」
「え?」
「じゃあお外に行ってみる?」
「本当!?」
「えぇ、いってらしゃい」
そう言い微笑んだ・・・しかしその表情はどこか悲しげであった。
「ありがとう!いってきまーす!」
少女は駆け足で外に向かった。
「気をつけるのよ」
「はーい!」
少女は知らない・・・それが最後の母親との会話になるとは。





「ただいまー」
少女は大声で言った。
・・・・・しかし返事は無い。
「お母さん?」
部屋のカーテンは閉めてあり暗かった。
「お母さんどこ?」
母親の姿はどこにも無い。
「おかーさーん?おかー・・・あれ?」
探し回っていると机に置手紙があるのに気づいた。

-美羽へ

お母さんとお父さんはすこし遠くへお出かけします。
お母さんたちが帰ってくるまで叔父さんに面倒見てもらいなさい。
叔父さんの家は家をでてまっすぐいった突き当たりを右に行けばすぐだから、
いい子にしてるのよ。

お母さんより-

「え?」
まだ幼い少女にはよく理解できなかった、
しかしここに両親はいないという事だけは解った。
「いつ帰ってくるのかな?」
それだけ呟いた・・・・・しかし両親は帰ってこなかった。



+++++++



目が覚めた、どうやら寝てしまっていたようだった。
部屋の明るさと蝉の鳴き声からして昼ごろのようだ。
おきようとした時隣の部屋から話し声らしきものが聞こえてきた。
「あの人間何者なんだ?」
私のことかな?
「解らない、紫みたいに突然出てきた」
ゆかり?
「でも妖怪じゃないんだろ?」
妖怪?何を言っているんだろう・・・
「あの子何かしら能力を持っているんだと思うんだけどね・・・」
え・・・?
「結界越えるほどだからかなり強力な能力じゃないのか?」
「でも紫がスキマから放り出したってことも考えられるし・・・」
「聞いたほうが早いな」
「それもそうね」
二人の足音が近づいてくる。
スッという音とともに障子があけられた。
「起きてるじゃないか、丁度いい」
金髪の変わった服装している少女が近づいてくる。
思わず後ずさりしてしまった・・・
「こら、怯えてるじゃないの」
「悪い悪い、でも聞き出すんじゃないのか?」
「こういうのは接し方が大切なの」
「そういうものなのか?」
「多分」
「多分かよ!・・・まぁいい、任せた」
金髪の少女は下がり、巫女らしきの少女が近づいてきて、
私の目の前に座った。
「目覚めはどう?」
「え・・・?あ、はい」
まともに喋るのは久しぶりなのですこし緊張してしまった・・・
「大丈夫そうね」
そういい少女は微笑むと会話を続けた。
「私の名前は博麗霊夢、霊夢でいいわ」
はくれいれいむ、覚えた。
「それとこれが霧雨魔理沙」
「ものかよ」
きりさめまりさ、二人とも少し変わった名前だ。
「ところであなたの名前は?」
「えっ・・・と佐々苗 美羽です」
「美羽ね、わかったわ」
「霊夢、本題に入らないか?」
「そうね」
本題?
「短刀直入に聞くわ、あなたどこから来たの?」
「え・・・・」
いきなり聞かれたので戸惑った。
「町からです・・・」
「(町?)町からどうやって?」
「歩いて・・・森には行って進んでいったら鳥居があったのでそこの階段を上ってきました」
「途中なにか不思議な力とか使ったりそれに巻き込まれたりしなかった?」
「えっと・・・あの・・・」
言うべきか迷った・・・しかし先ほどの会話を聞く限りでは言っても大丈夫そうだ。
「その・・・穴を開けて入りました」
「あな?」
「はい・・・すこし集中すれば空間にも開けられます」
「そういうことね」

「どういうことだ?」
「簡単なことよ、この子は幻想郷と外界を直結させたの」
「よくわからないが?」
「例えれば紫のスキマよ」
「なるほど」
「でもスキマとは全然違うわ、にてるけど」
「どういうことだ?」
「スキマは線、穴は面」
「そういわれると全然違うな」
二人は会話を始めた。
・・・自分の力のことを話したのに私を避けない、
ここなら・・・もしかして・・・
行く場所もないし・・・決めた。
「あの!」
「え?何!?」
「私をここに置いていただけませんか!?」
「へ?」
「は?」
あまりに唐突な質問、霊夢と魔理沙は固まった。
「だめ・・・ですか?」
「だめってことも無いんだけどねぇ・・・」
「お願いします!手伝いもしますし迷惑もかけません!どんなことでもします!」
キュピーン
霊夢が閃いた。
「じゃあ食料の確保してくれるのなら置いてもいいわよ」
「まじかよ」
「ありがとうございます!」
魔理沙がジト目で見ていた気がするがこの際気にしない。


ぐぅ~

「ぁ」
顔が真っ赤になった。
「そうね、お昼にしましょ」
霊夢は笑っていた。
「ごちそうになるぜ」
「あんた」
「なんだ?」
「もしかして昼飯目当てにきた?」
「・・・」
魔理沙が黙り込んだ。
「図星ね、まあいいわ」
「くっ」
どこか悔しそうだ。
そして魔理沙は居間へ向かっていった。
ずっと布団に入っているのもあれなので起き上がった。
そして厨房に向かった。
「霊夢さん何か手伝えませんか?」
「もうできるから大丈夫、布団畳んでそこの押入れに突っ込んどいて、それと」
「はい?」
「霊夢でいいわよ」
「はい!」
部屋にもどり布団を畳んだ、
そのあと魔理沙のいる居間へむかった。




+++++++




「ふぅ、くったくった」
「親父くさいわね」
「照れるぜ」
「ほめてないって」
「霊夢ー」
「レミリア?」
外から声がした、
そして見てみると絶句。
メイド服を着た人と幼い女の子が空を飛んでいた。
それに気づいた魔理沙が言った。
「あぁ、幻想郷じゃあんなのは普通だぜ」
「そうなんですか・・・」
この幻想郷と言う場所ではもとの場所の異常が普通らしい。
「遊びに来たわ」
そういいメイドとレミリアと呼ばれた女の子は着地した。
「あら?」
レミリアは私のほうを向いた、
その顔にはどこか威圧感が感じられた。
「どうしました?お嬢様」
「みない顔ね」
「あぁ」
「私ですか?」
「それ以外だれがいるのよ」
それもそうだ、心の中で苦笑いした。
「・・・・私は佐々苗 美羽です」
「そう、私はレミリア・スカーレットそして後ろにいるのが十六夜 咲夜」
「よろしく」
咲夜は軽く例をした、つられて自分も。
「レミリアさんと咲夜さんですか」
「そうよ・・・あなた、面白いわね」
「え・・・なにがですか?」
「いえ、なんでも・・・ところで」
ニヤっとレミリアは笑った。
「はい?」
「あなたうちで働かない?」
「えぇ!?」
「お嬢様?」
「だめよ」
霊夢が反対した。
「美羽はうちの神社の泊り込み食料調達係なの、だからだめ」
「本気だったのかよ」
魔理沙が何故かいじけた。
「なんですって!?」
レミリアが驚いた後一瞬こっちにむかってすごい殺気を放出した。
なんで私に・・・
「そんなに食料に困っているのであればお嬢様にお願いすればいいじゃない」
咲夜ナイス!といいたげなレミリア、しかし咲夜の内心では・・・
(くっ霊夢にお嬢様を渡すわけには・・・しかしここでこういわないと完璧では・・・霊夢・・・呪うわ)
ということも考えていたがそれは咲夜だけの秘密。
「やだ、だってその代わり血ちょうだいとか言われそうだし」
「う・・・」
もちろんそのつもりだったレミリア。
「血ですか?」
血をよこせって・・・
「あぁレミリアは吸血鬼よ」
「吸血鬼!?」
「あら、いい表情ね、吸っちゃおうかしら」
「やめなさい」
ペシーンと霊夢がレミリアの頭を叩いた。
「霊夢がぶったー咲夜ー」
レミリアが咲夜にすがりつく。
「私のお嬢様に手を上げるなんて許さないわ!この紅白!」
「そのまえに鼻血ふけ」
霊夢があきれて言った。
「そんなことより咲夜ー紅茶まだー?」
「そんなことって」
「そういえばそろそろ蒸しあがってるころですね」
すると五人の手元に紅茶のティーカップが置かれた・・・いや・・・おかれていた。
私は目を疑った。
「咲夜は時を操る程度の能力をもっているのよ」
レミリアがこっちを見ていった。
どうやら表に出るタイプのようだ、私は。
「やはり幻想郷はこれが普通なんですね・・・」
「あぁ普通だぜ」
「普通よ」
「普通ね」
「普通です」
四人が同じ反応をした。
「向こうで何があったかはしらないけど、ここではどんな力があろうが普通なのよ」
「お?ないてるのか?」
「あ・・・はい・・・・すいません」
いつの間にか泣いていたようだ・・・・
ここでは私は化け物ではない・・・普通なのだ・・・そう考えたら何故か涙が出た。
「・・・つらかったのね、外界での暮らしが」
何も言えずに頷いた。
「そういえば確か咲夜も同じなんだよな」
「えぇ、私もここに来る前は人から敬遠されていたわ」
「咲夜、帰りましょう」
「・・・・・はい、わかりました」
レミリアは気を使ってくれているようだ。
「じゃあ私も帰るぜ、じゃあな」
「また今度ね霊夢、美羽」
「では失礼」
皆飛んで行き霊夢と私が残された。
「大丈夫よ、」
そういい霊夢は私の背中をさすった。
私は霊夢にすがりつき、泣いた。
時間も忘れて泣いた。
ただ、ただ、泣き続けた。
霊夢は何も言わず背中をさすり続けた。




+++++++



泣き疲れたのか美羽は寝ていた。
「あした食料確保してもらわないとつらいかな?」
そういい霊夢はそっと畳みの部屋に連れて行き、枕を置いて寝かせた。





「・・・・・」

誰?

「・・・・・・」

よく聞こえないよ?

「・・・・・」

何ていっているの?

「た・・・・け・・」

助けて?

「そのちk「美羽ーおきなさーい」
美羽は霊夢に声で飛び起きた。

「あ・・・・はい」
また寝ていたのか。
「美羽ーちょっと薪切れそうだから拾ってきてくれないー?」
厨房辺りから声が響いた。
「はい、わかりました」
寝ぼけているのかちょっと発音がおかしい。
「できれば大き目ので」
了解。

外に出てみると綺麗な夕焼けだった、
でも立ち止まらず私は周辺の森の中に入った。
森の中は少し薄暗かった・・・
薪もなかなか落ちていない。
冬だったら楽なのに・・・
やはり大きめと言われたので枝で済ますのは失礼だ、
最低でも太さ5センチはほしいところ。
「わはー」
・・・・・・・わはー?
すぐさま振り返った。
そこにはまだ幼い金髪で片側に赤いリボンをした女の子がいた。
「ねぇそこのあなた」
話しかけられた。
「何?」
素っ気無く返事をした。
「貴方は食べられる人類?」
マズイ・・・
吸血鬼がいるくらいだ、人食いとかの妖怪がいてもおかしくは無い。
ましてやこんな薄暗い森だ、不自然はまったくない。
「い・・・いや・・・・私は貧弱だからもっと肉付きのいい人のほうがおいしいと思うよ」
「そーなのかー」
どうやら納得してくれたようだ。
そーなのかーといいながら振り返り明後日の方向へ飛んでいった・・・が、
何かに気づいたように止まり、ふりかえった。
「でもおいしいかまずいかって食べてみないとわからないよね?」
・・・しまった。
病気とかそういう風に言っておけばよかった。
しかしもう遅い・・・
「だから味見させてー」
食われる!
その一言が脳裏に浮かんだ。
左手に薪をもちもう片手に地面の土を握り・・・投げる!
「きゃっ」
どうやら当たったようだこれが砂だったら目潰しができたのに・・・
「ぺっぺっぺ・・・まずい・・・うぅ」
・・・結果オーライ、時間稼ぎはできた。
しかし、次の瞬間顔を何かが掠めた。
それは白く輝く弾だった・・・
「逃がさない」
立ち止まれば確実に殺される!
次は土ではなく石を投げた。
「痛い!痛い!」
たとえ妖怪だろうと逃げながら痛めつければ帰るだろう。
そう考えていたが逆効果だったようだ。
彼女は懐からカードのようなものを取り出し・・・
月符「ムーンライトレイ」
そう宣言した瞬間彼女の手からレーザーが発射された。
挟み込むように感覚は狭くなっていき、動きを最小限にまで封じられた。
能力を使おうにもこんな状態じゃ集中できない!
そして崖がせまり逃げ道は途絶えた。
そして・・・
「いただきまーす」
飛び掛ってきた・・・次の瞬間
霊符「夢想封印 集」
目の前に輝く七色の大弾が降り注いだ。
「霊夢?」
「大丈夫!?美羽!」
心配した様子で上空から降りてきた。
「うん、なんとか・・・でもどうしてここがわかったの?」
実に不思議だ、
何せ森は広い。
「そりゃあこんな暗い中でルーミアがレーザー出していたらいやでもわかるわよ」
そういえば暗くなっている、まだ時間はそんなにたっていないのに・・・
「もうそんなに時間がたっていたんですか?」
「ルーミアに近づくとあたりは暗くなるのよ」
「へぇ・・・」
そこでぼろぼろのルーミアが起き上がり。
「ひどいよれーむ」
知り合いだったのか、容赦ないですね・・・霊夢。
「友達の危機を見過ごすわけ無いでしょ」
「うぅ・・・おなかすいた・・・」
「霊夢霊夢」
「ん?どうしたの?美羽」
「この子・・・えっとルーミアだっけ?ルーミアにも晩御飯分けてあげませんか?」
ルーミアの目が途端に輝いた。
「はぁ、美羽が言うならいいわ」
「ありがとう!」
そういってルーミアは私に飛びついた。
「おっと」
勢いがよかったので危うく倒れそうになった。
「それじゃかえろっか」
そういい霊夢は飛ぼうとした。
「ちょっと待ってください」
「何?」
「私の力で神社まで空間に穴を開けるのでそこから帰りませんか?」
私の作った穴なら一瞬だ。
「べつにいいわよ」
「はい!」
返事をしまだ引っ付いているルーミアを引き剥がし目を閉じ集中した。
そしてグワっと聞こえそうな勢いで空間に等身大の穴が開き、すぐ向こう側に神社がみえた。
「先にどうぞ」
「悪いわね」
「わはー」
二人を先に通し最後に私がとおり、集中をカットした。
力の供給が無くなった穴は縮むように閉じた。
「ぎゃー!!!!!!」
霊夢の悲鳴だ!
「どうしたの!?」
全速力で厨房に向かい声をかけた。
「紫にやられた!おかず食い荒らされたぁ!」
「えぇーーー!?」
「そーなのかー!?」
なんと言う事であろうか、
紫という人に晩御飯を半分以上食べられてしまったそうだ。
「これじゃ三人で足りるわけが無いわ・・・」
「作り直しですか?」
「食材無い」
「・・・」
「そーなのかー・・・」

その晩神社には腹の虫の音と悲しげなルーミアの声が響いたという。





つづく
前回のアドバイスに従い、台詞等の違和感をできるだけ抜いてみました・・・
それと話が進むにつれ美羽が逞しくなっているのは仕様です('A`
それと結構長いのでシリーズにしたほうが自分の頭がついていけるので途中で区切りました。
今回ではちゃんと区切れてますよね?
まぁこんかいも辛口アドバイスお願いします。
それと評価悪いからといって書くのやめたらそこで終わりなんですよ。
ハチ
簡易評価

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コメント



0.180簡易評価
1.60名前が無い程度の能力削除
荒いと言えば荒いですが・・・。
個人的には楽しめましたよ。
次も、楽しみに待ってます。
2.70名前が無い程度の能力削除
前回と同じでまだ何とも。
もう少しまとめて出した方が良いように思います。
3.50名前が無い程度の能力削除
個人的には結構面白くていいですね
今後の展開に期待
5.30名前が無い程度の能力削除
話し言葉の違和感は取れてます。
こういう話は好きなので、言葉は悪いですがオナニーにならないようにがんばってください
7.50名前が無い程度の能力削除
いい雰囲気だと思います。
是非、次も頑張ってください^^
8.70名前が無い程度の能力削除
この後どうなるか続きがとても気になる・・・
次もこの調子でお願いします。
10.80名前が無い程度の能力削除
個人的にはいい感じだと思いますよ。
これからどう展開するのか気になりますね。
続きを楽しみにしています。
11.90名前が無い程度の能力削除
しっかり能力持ってるのであまり違和感はないです。
やる気になればこのキャラで長編作れそうですね。