この作品には少々ネタバレがあります、そこを踏まえて読んでください。
「藍様・・これから私達何処行くんですかぁ?」
自分の主でもある式神に興味津々で式神「橙」は尋ねた。
「わからない・・・・」
そういつもにまして険しい顔をし、九尾の尾を後ろに生やした式神は橙にその質問を答えた。
彼らが歩く道は周りが純血のような赤で染められた彼岸花が不気味なくらい一斉に咲き誇っていおり
空は少々オレンジ色が懸かって更にその彼岸花を不気味にさせていた。
「・・・・・・・・」
彼らの主は、前で優雅に歩いていた。
髪は金色で愛用の日傘を差し、いつも着ている少々紫色に繋った豪華なドレスを着てまるではたから見れば何処か貴族の
ような雰囲気をだしていた。
そう、この人物こそ外の世界と幻想郷の世界を唯一行き来できる存在とも言われるすきま妖怪で
そして幻想郷の数少ない人々はおろか、妖怪達や別の種族にまで恐れられている存在
「八雲 紫」
と呼ばれる大妖怪だった。
その偉大な妖怪の式神「八雲 藍」は主人である紫にさっき自分の式神「橙」が言ったような質問を主人に尋ねた。
「紫様・・何処に行かれるんです?・・」
藍がそう言うと紫は日傘を回し後ろに紫は首を向け止まった。
それに続いて自分達も止まる。
そして紫はいつものような怪しい笑みを口元に浮かべ
「「あの方」に呼び出されたのよ・・」
いつものような上品な口調で答えた。
でも藍は何故か今のその口調は、僅かだが少し緊張しているようにも聞こえた。
「「あの方」?・・」
「貴方も会えばわかるわ・・・・」
紫は、またくるっと傘を回し首を前に向けてまた歩みだした。
それに続いて自分達も歩く
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
藍はだてに何百年も紫の式神をやっているわけではない・・自分の主の感情や異変などわからないはずがない。
ーーあの紫様が緊張している・・それほどまでに強い妖怪なのか・・
更に険しい顔をし考えると、どっちみち時期に解る事だし疲れていたので考えるの止めて藍は黙々と歩き続けた。
紫達が歩いている道の先に、「楽園の最高裁判長」またわ「地獄の最高裁判長」とも呼ばれ霊達から恐れられている「閻魔」
「四季映姫・ヤマザナドゥ」
は、周りの彼岸花が見える一本の緑の葉が生えている木の下で木に寄りかかり立っていた。
エメラルドに近い鮮やかな髪が風に吹かれ靡いる。
顔は、先からずっと無表情のまんまだ。
「遅いですね・・・」
彼女の顔は無表情の顔から少し呆れ顔になりため息をついた。
「すいませんね・・遅くて・・・」
何の前触れも無くいつのまにか木の近くに居た紫は不敵な笑みで映姫を見ていた。
しかし、映姫は何も動じず木から体を離し紫をじっと見据えた。
「「閻魔」・・・ヤマザナドゥ・・!・・」
紫の傍に居た、藍はキッと鋭い瞳で狩をしているような肉食動物のように殺気を湧き立たせていた。
「藍さま・・こいつ誰ですか?」
橙はそんな藍の殺気を感じたのか自慢の鋭い爪をたたして藍に続いて橙も僅かだが闘志を燃やし始めた。
「止めなさい」
紫は、今にも映姫に襲い掛かりそうな式神二匹に少しキツメの声で命令を下した。
その命令を聞いた途端、最初に藍の殺気が薄れていきそれに続いて橙の闘志も薄れていった。
「しかし・・・紫様・・」
「私達は戦いに来たわけじゃありませんよ?それに今、無駄な力を使ってしまったら意味がないでしょう?それくらいいい加減に
考えなさい藍」
主である紫の命令は絶対だ。
紫のそんな言葉を聞くと藍はぐっと我慢をした。
はぁ・・・と紫はため息をつくと、今度は橙に向かって優しく微笑み
「せっかく、なんだから橙・・こんな所めったに行けるわけもないし・・どうせなら私が話している間、見学も含めて遊んで行きなさい・・終わったら迎えに行きますから」
「え?いいんですかぁ!」
橙は今にも飛び跳ねそうなうれしそうに満面な笑みを紫に浮かべた。
「紫様!」
「藍、貴方もついて行ってあげなさい・・橙一人で変な事やらかしたら私が怒られるんだから、それに私なら大丈夫よ」
「わかりました・・・・」
渋々、藍は頷くと嬉しそうな顔をしている橙を連れて彼岸花の方へ歩いていった。
「邪魔者は居なくなりましたわね、用件は何かしら?・・まあ、貴方の事だから、説教しに呼び出したんでしょう?」
紫はそう、言うと再び映姫に視線を戻し微笑んだ。
だがその笑みにも緊張は混じっている。
「流石ですね・・感が鋭いです」
「貴方も流石だわ、この私に説教させにわざわざこんな所まで呼ぶなんて」
「私はただ、貴方の犯した大罪を改めさせる為に呼び出したのです」
映姫は、そう言うと険しい顔になり紫に真正面に近づくと口を重々しく開いた。
「まず一言聞いてよろしいですか?」
「何かしら?」
「少し前まであった「神隠し」それは貴方がやった事ですか?」
一瞬、紫の眉がぴくりと動いた。
「貴方もわかっているでしょうが・・私に嘘は通じませんよ?」
「えぇ、わかってるますわ・・・貴方に嘘は通じないって事くらい、私がやりました・・それが何か?」
ーーだから私はこの方が苦手なのよ・・
人間は誰でも嫌いな人や苦手な人は人生にも一人や二人ぐらい居る、それは妖怪の「八雲 紫」にも同じ事だった。
どうしても、映姫は苦手だ。
「「神隠し」というのは貴方もご存知でしょうに人が消える事を言います」
「別にいいじゃないのかしら?ただこの世界の外の人間がこっちに飛ばされるだけで、その消えた人が死ぬわけでも
あるまいしね・・」
「はい、確かにその消された人は死ぬわけじゃありません、でも消された側は行き成り元居た世界から急に見覚えも無い世界に来てしまって死ぬほど心細いし怖いでしょうね・・それにその消された側の家族や友人や恋人はどうなるんでしょうかね?悲しいですよね」
長い言葉で疲れたのか映姫は一旦、そこで言葉をきるとまた続けて
「そして貴方は境界線を弄ったりすれば、どんな事になるのだろうかわかっていながら、面白半分で境界線をいじって「神隠し」を行っていた・・それは何とも許しがたい「罪」です。だから私は貴方をここに呼び出して警告する事にしました」
そんな、長い説教を聞き終わると紫は内心一瞬焦ったがそれを余裕の微笑みで隠し
「でも・・何で今更、そんな事注意するの?もうこれはとっくのとうに終わった事じゃない「忙しかったから言えなかった」
なんて変な言い訳でも言うかしら?」
紫の嫌味な反論にも映姫は動じず答え続けた。
「確かに、貴方の言った言い訳が理由です。それでも、罪というのは生きている時間は例え何十年、何百年、何千年時間が経過しても完全に消るものではない・・あと貴方にはその他にもまだたくさんの罪がある、だからそれも踏まえて警告をしようと貴方を呼びました」
映姫が喋るのを終えると紫は再びはぁ・・・とため息をついた。
「貴方には言い訳は通じないみたいね」
「当たり前です」
キッパリと映姫は言うと紫への視線をはずすと空をふいに見上げた。
先ほどまでは少ししか染まってなかった空が大分、赤くオレンジ色に染まっている。
「だから、私達・・「閻魔」は罪人を裁き・・まだ生きている者達には罪を犯さないようまたは罪を犯してもその罪をせめて軽くさせようと警告などしているのですよ」
ーーだから貴方も、もう罪を創る愚かしい行為は止めなさい
「私はそんなの、興味ありませんわ・・・・」
「そうですか、でも・・貴方はこのまま行けば後々亡くなったあと確実に地獄いきですよ」
「まぁ・・それはそれは怖いですわね」
「もっとも貴方が亡くなるのはまだまだ先のようですけど」
映姫は空を見るのをぴたっと止め再び視線を戻すと紫に唐突にこう言った。
「貴方はどうやら私が苦手みたいですね」
「・・・どこにそんな根拠が?」
図星をつかれた紫は、内心すごく焦りながらも再び微笑みを見せた。
「最初から今まで含めての態度、表情、言葉、すべて何処か緊張して焦ってますし・・わかりますよ」
映姫は皮肉っぽく美しく微笑んだ。
その瞬間、紫は映姫の顎を掴むとぐいっと強引にも自分の顔に近づけた。
本当はイライラしていたがぐっと我慢をして皮肉に近い微笑みをして
「えぇ・・貴方は苦手よ・・」
映姫はそれでも無表情のままだ。
「いや・・むしろ、消えてほしいわ・・貴方の存在はこれから起こる私の「宴」を邪魔する存在」
ーーそしていずれ私の前に立ちはだかる邪魔な存在
「だから貴方には消えて欲しいわ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
予想していた紫の言葉を聞き映姫はようやく、言葉を口にし始めた。
「そんなに、私が消えて欲しいのならば「賭け」をしませんか?」
「賭けですか?」
もう一度紫はそう聞くと映姫を掴んでいた顎を手を離し
「そうです」
映姫はさきほどと違った微笑みを顔にだした。
「私の賭けに貴方が勝ったら私の力も魂も肉体も貴方の好きにさせましょう、貴方が私を煮ようが焼こうが文句は
言いません・・しかし、もしも私が勝ったら・・」
「私を殺すってわけね」
「いや、殺しというのは「閻魔」として決してやってはいけない事です・・ただ、貴方には嫌という程のたくさんの生き地獄を
あじあわせてさしあげますよ」
「それは、それは、楽しみね」
紫の焦りの心はすでに静まっていて新たな余裕の心がでてきていた。
「それで、何の賭けをするの?」
「それは今からお話します」
すると映姫はすっと紫の耳元にその賭けの内容を伝えた。
「・・・面白そうね、その賭け・・のりますわ」
「そう言ってくれると有難いです」
その言葉を聞くと紫はくるっと後ろを向いて優雅に歩み始めた。
「帰るのですか?」
映姫の声を聞くとくるっと首だけを後ろに向き微笑んで
「えぇ・・見たところもう用件はないのでしょう?・・だったら帰ってもいいじゃないかしら?」
「まあそうですね、それではお気をつけて」
紫はその言葉に返事を返さずに歩み続けた。
空はもう赤はほとんど消えて暗くなり夜の空になり始めており、一面の彼岸花もあまり暗くて見えなくなっていた。
ーーその賭け、私にだした事を後悔するのね「閻魔」
先ほどは焦っていたが今は余裕の心になり紫は笑みを浮かべた。
「四季様、お迎えにあがりましたよー」
映姫の部下、死神の「小町」は自分の上司である映姫を迎えに来た。
「ご苦労様、小町」
「でも、一体・・四季様は何を話してたんですかぁ?」
ふっと、映姫は本当にわずかだが笑うと
「ちょっと・・・「ある方」とお話をしていました」
「ある方?」
「いずれ貴方もわかります、さ・・もう・・帰りましょう、まだ仕事は山ほど残っています」
小町はそんな言葉を聞くとえぇーーと残念そうにわめいた。
「ちょっと、映姫様ー!もう夜ですよーーーまだやるんですか????」
「もちろんですよ小町、今ので大幅に時間がロスしましたから今日は徹夜です」
「えぇー・・そんな」
「さ、行きますよ」
そんな・・っとまた呟きながらうなだれている小町をさっさと置いて映姫は先に歩み始めた。
「待ってください、映姫様!」
小町は映姫が歩いているのを気づくと映姫を慌てて追いかけ始めた。
映姫はそんな小町を見ているとついクスクス・・と笑ってしまった。
そしてその笑いを止めて今度は無表情になり紫が帰っていた方に振り向くと
「お手並み拝見ですね・・・・「八雲 紫」・・・」
そう映姫も余裕そうに呟いた。
はたして、賭けに勝つのはどちらだろう?
END
「藍様・・これから私達何処行くんですかぁ?」
自分の主でもある式神に興味津々で式神「橙」は尋ねた。
「わからない・・・・」
そういつもにまして険しい顔をし、九尾の尾を後ろに生やした式神は橙にその質問を答えた。
彼らが歩く道は周りが純血のような赤で染められた彼岸花が不気味なくらい一斉に咲き誇っていおり
空は少々オレンジ色が懸かって更にその彼岸花を不気味にさせていた。
「・・・・・・・・」
彼らの主は、前で優雅に歩いていた。
髪は金色で愛用の日傘を差し、いつも着ている少々紫色に繋った豪華なドレスを着てまるではたから見れば何処か貴族の
ような雰囲気をだしていた。
そう、この人物こそ外の世界と幻想郷の世界を唯一行き来できる存在とも言われるすきま妖怪で
そして幻想郷の数少ない人々はおろか、妖怪達や別の種族にまで恐れられている存在
「八雲 紫」
と呼ばれる大妖怪だった。
その偉大な妖怪の式神「八雲 藍」は主人である紫にさっき自分の式神「橙」が言ったような質問を主人に尋ねた。
「紫様・・何処に行かれるんです?・・」
藍がそう言うと紫は日傘を回し後ろに紫は首を向け止まった。
それに続いて自分達も止まる。
そして紫はいつものような怪しい笑みを口元に浮かべ
「「あの方」に呼び出されたのよ・・」
いつものような上品な口調で答えた。
でも藍は何故か今のその口調は、僅かだが少し緊張しているようにも聞こえた。
「「あの方」?・・」
「貴方も会えばわかるわ・・・・」
紫は、またくるっと傘を回し首を前に向けてまた歩みだした。
それに続いて自分達も歩く
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
藍はだてに何百年も紫の式神をやっているわけではない・・自分の主の感情や異変などわからないはずがない。
ーーあの紫様が緊張している・・それほどまでに強い妖怪なのか・・
更に険しい顔をし考えると、どっちみち時期に解る事だし疲れていたので考えるの止めて藍は黙々と歩き続けた。
紫達が歩いている道の先に、「楽園の最高裁判長」またわ「地獄の最高裁判長」とも呼ばれ霊達から恐れられている「閻魔」
「四季映姫・ヤマザナドゥ」
は、周りの彼岸花が見える一本の緑の葉が生えている木の下で木に寄りかかり立っていた。
エメラルドに近い鮮やかな髪が風に吹かれ靡いる。
顔は、先からずっと無表情のまんまだ。
「遅いですね・・・」
彼女の顔は無表情の顔から少し呆れ顔になりため息をついた。
「すいませんね・・遅くて・・・」
何の前触れも無くいつのまにか木の近くに居た紫は不敵な笑みで映姫を見ていた。
しかし、映姫は何も動じず木から体を離し紫をじっと見据えた。
「「閻魔」・・・ヤマザナドゥ・・!・・」
紫の傍に居た、藍はキッと鋭い瞳で狩をしているような肉食動物のように殺気を湧き立たせていた。
「藍さま・・こいつ誰ですか?」
橙はそんな藍の殺気を感じたのか自慢の鋭い爪をたたして藍に続いて橙も僅かだが闘志を燃やし始めた。
「止めなさい」
紫は、今にも映姫に襲い掛かりそうな式神二匹に少しキツメの声で命令を下した。
その命令を聞いた途端、最初に藍の殺気が薄れていきそれに続いて橙の闘志も薄れていった。
「しかし・・・紫様・・」
「私達は戦いに来たわけじゃありませんよ?それに今、無駄な力を使ってしまったら意味がないでしょう?それくらいいい加減に
考えなさい藍」
主である紫の命令は絶対だ。
紫のそんな言葉を聞くと藍はぐっと我慢をした。
はぁ・・・と紫はため息をつくと、今度は橙に向かって優しく微笑み
「せっかく、なんだから橙・・こんな所めったに行けるわけもないし・・どうせなら私が話している間、見学も含めて遊んで行きなさい・・終わったら迎えに行きますから」
「え?いいんですかぁ!」
橙は今にも飛び跳ねそうなうれしそうに満面な笑みを紫に浮かべた。
「紫様!」
「藍、貴方もついて行ってあげなさい・・橙一人で変な事やらかしたら私が怒られるんだから、それに私なら大丈夫よ」
「わかりました・・・・」
渋々、藍は頷くと嬉しそうな顔をしている橙を連れて彼岸花の方へ歩いていった。
「邪魔者は居なくなりましたわね、用件は何かしら?・・まあ、貴方の事だから、説教しに呼び出したんでしょう?」
紫はそう、言うと再び映姫に視線を戻し微笑んだ。
だがその笑みにも緊張は混じっている。
「流石ですね・・感が鋭いです」
「貴方も流石だわ、この私に説教させにわざわざこんな所まで呼ぶなんて」
「私はただ、貴方の犯した大罪を改めさせる為に呼び出したのです」
映姫は、そう言うと険しい顔になり紫に真正面に近づくと口を重々しく開いた。
「まず一言聞いてよろしいですか?」
「何かしら?」
「少し前まであった「神隠し」それは貴方がやった事ですか?」
一瞬、紫の眉がぴくりと動いた。
「貴方もわかっているでしょうが・・私に嘘は通じませんよ?」
「えぇ、わかってるますわ・・・貴方に嘘は通じないって事くらい、私がやりました・・それが何か?」
ーーだから私はこの方が苦手なのよ・・
人間は誰でも嫌いな人や苦手な人は人生にも一人や二人ぐらい居る、それは妖怪の「八雲 紫」にも同じ事だった。
どうしても、映姫は苦手だ。
「「神隠し」というのは貴方もご存知でしょうに人が消える事を言います」
「別にいいじゃないのかしら?ただこの世界の外の人間がこっちに飛ばされるだけで、その消えた人が死ぬわけでも
あるまいしね・・」
「はい、確かにその消された人は死ぬわけじゃありません、でも消された側は行き成り元居た世界から急に見覚えも無い世界に来てしまって死ぬほど心細いし怖いでしょうね・・それにその消された側の家族や友人や恋人はどうなるんでしょうかね?悲しいですよね」
長い言葉で疲れたのか映姫は一旦、そこで言葉をきるとまた続けて
「そして貴方は境界線を弄ったりすれば、どんな事になるのだろうかわかっていながら、面白半分で境界線をいじって「神隠し」を行っていた・・それは何とも許しがたい「罪」です。だから私は貴方をここに呼び出して警告する事にしました」
そんな、長い説教を聞き終わると紫は内心一瞬焦ったがそれを余裕の微笑みで隠し
「でも・・何で今更、そんな事注意するの?もうこれはとっくのとうに終わった事じゃない「忙しかったから言えなかった」
なんて変な言い訳でも言うかしら?」
紫の嫌味な反論にも映姫は動じず答え続けた。
「確かに、貴方の言った言い訳が理由です。それでも、罪というのは生きている時間は例え何十年、何百年、何千年時間が経過しても完全に消るものではない・・あと貴方にはその他にもまだたくさんの罪がある、だからそれも踏まえて警告をしようと貴方を呼びました」
映姫が喋るのを終えると紫は再びはぁ・・・とため息をついた。
「貴方には言い訳は通じないみたいね」
「当たり前です」
キッパリと映姫は言うと紫への視線をはずすと空をふいに見上げた。
先ほどまでは少ししか染まってなかった空が大分、赤くオレンジ色に染まっている。
「だから、私達・・「閻魔」は罪人を裁き・・まだ生きている者達には罪を犯さないようまたは罪を犯してもその罪をせめて軽くさせようと警告などしているのですよ」
ーーだから貴方も、もう罪を創る愚かしい行為は止めなさい
「私はそんなの、興味ありませんわ・・・・」
「そうですか、でも・・貴方はこのまま行けば後々亡くなったあと確実に地獄いきですよ」
「まぁ・・それはそれは怖いですわね」
「もっとも貴方が亡くなるのはまだまだ先のようですけど」
映姫は空を見るのをぴたっと止め再び視線を戻すと紫に唐突にこう言った。
「貴方はどうやら私が苦手みたいですね」
「・・・どこにそんな根拠が?」
図星をつかれた紫は、内心すごく焦りながらも再び微笑みを見せた。
「最初から今まで含めての態度、表情、言葉、すべて何処か緊張して焦ってますし・・わかりますよ」
映姫は皮肉っぽく美しく微笑んだ。
その瞬間、紫は映姫の顎を掴むとぐいっと強引にも自分の顔に近づけた。
本当はイライラしていたがぐっと我慢をして皮肉に近い微笑みをして
「えぇ・・貴方は苦手よ・・」
映姫はそれでも無表情のままだ。
「いや・・むしろ、消えてほしいわ・・貴方の存在はこれから起こる私の「宴」を邪魔する存在」
ーーそしていずれ私の前に立ちはだかる邪魔な存在
「だから貴方には消えて欲しいわ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
予想していた紫の言葉を聞き映姫はようやく、言葉を口にし始めた。
「そんなに、私が消えて欲しいのならば「賭け」をしませんか?」
「賭けですか?」
もう一度紫はそう聞くと映姫を掴んでいた顎を手を離し
「そうです」
映姫はさきほどと違った微笑みを顔にだした。
「私の賭けに貴方が勝ったら私の力も魂も肉体も貴方の好きにさせましょう、貴方が私を煮ようが焼こうが文句は
言いません・・しかし、もしも私が勝ったら・・」
「私を殺すってわけね」
「いや、殺しというのは「閻魔」として決してやってはいけない事です・・ただ、貴方には嫌という程のたくさんの生き地獄を
あじあわせてさしあげますよ」
「それは、それは、楽しみね」
紫の焦りの心はすでに静まっていて新たな余裕の心がでてきていた。
「それで、何の賭けをするの?」
「それは今からお話します」
すると映姫はすっと紫の耳元にその賭けの内容を伝えた。
「・・・面白そうね、その賭け・・のりますわ」
「そう言ってくれると有難いです」
その言葉を聞くと紫はくるっと後ろを向いて優雅に歩み始めた。
「帰るのですか?」
映姫の声を聞くとくるっと首だけを後ろに向き微笑んで
「えぇ・・見たところもう用件はないのでしょう?・・だったら帰ってもいいじゃないかしら?」
「まあそうですね、それではお気をつけて」
紫はその言葉に返事を返さずに歩み続けた。
空はもう赤はほとんど消えて暗くなり夜の空になり始めており、一面の彼岸花もあまり暗くて見えなくなっていた。
ーーその賭け、私にだした事を後悔するのね「閻魔」
先ほどは焦っていたが今は余裕の心になり紫は笑みを浮かべた。
「四季様、お迎えにあがりましたよー」
映姫の部下、死神の「小町」は自分の上司である映姫を迎えに来た。
「ご苦労様、小町」
「でも、一体・・四季様は何を話してたんですかぁ?」
ふっと、映姫は本当にわずかだが笑うと
「ちょっと・・・「ある方」とお話をしていました」
「ある方?」
「いずれ貴方もわかります、さ・・もう・・帰りましょう、まだ仕事は山ほど残っています」
小町はそんな言葉を聞くとえぇーーと残念そうにわめいた。
「ちょっと、映姫様ー!もう夜ですよーーーまだやるんですか????」
「もちろんですよ小町、今ので大幅に時間がロスしましたから今日は徹夜です」
「えぇー・・そんな」
「さ、行きますよ」
そんな・・っとまた呟きながらうなだれている小町をさっさと置いて映姫は先に歩み始めた。
「待ってください、映姫様!」
小町は映姫が歩いているのを気づくと映姫を慌てて追いかけ始めた。
映姫はそんな小町を見ているとついクスクス・・と笑ってしまった。
そしてその笑いを止めて今度は無表情になり紫が帰っていた方に振り向くと
「お手並み拝見ですね・・・・「八雲 紫」・・・」
そう映姫も余裕そうに呟いた。
はたして、賭けに勝つのはどちらだろう?
END
良かったのでは?
紫ならこういう煩わしいことは見えないとこで行いそうな感じが・・・
物語としてもどんな話になるのかなー?と思ったところで打ち切りのような終わり方で正直・・・。 続きが出来上がるのを楽しみにしております
話しは悪くないと思うので、どう内容を広げていくかで評価は上がるかもしれないですね。