Coolier - 新生・東方創想話

ブレイクタイムに春庭羅を

2007/10/19 08:50:41
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 この話の発端は、私こと稗田阿求が九代目幻想郷縁起を編纂してから、およそ一年が経ったある日。
 日毎秋めく山や空、人里も今年の収穫に喜ぶ声が絶えず、幻想郷は今日も平和そのもの。
 ここ最近は特に事件らしい事件も起こらず、この日も穏やかな時間を私は紅茶を飲みながら、優雅に楽しんでいました。

 お茶請けは、今人里の女の子の間で評判の南蛮堂のカステラ。わざわざ朝早くから並んで手に入れてきた貴重品です。
 ミルクと砂糖たっぷりの甘い紅茶に、卵の風味が食欲をそそるふんわりカステラ。
 女中はみんなして「太りますよ」とか言ってくるけど、私はまだ年端もいかない女の子。
 甘い物だって大好きだし、太るなんて言われていい気がするわけありません。
 それでもこの至福の一時をやめるわけにはいきません。
 クルクルと白と紅が混ざっていく様を見つめながら、紅茶を少し冷ます間にカステラを一口。
「むむ、これはっ」
 ふんわり甘い芳香と、スポンジ生地の舌触りが口内に溶けて広がっていく……。
 それでいながらカステラ特有のべたつきも、ぱさぱさ感も無く、甘さだけが喉を通っていくじゃないですかっ。
 後味がくどく残ることもなく、風味だけが余韻になって次の一口を欲しくする。
 これは大変な美味です。飾る言葉なんか必要ないんです。美味しいものは美味しいで良いんです。
 
 私が覚えていられるのは目で見たものだけ。
 味も覚えていられたら、いつでもこの愉悦を楽しむことが出来るんですが。
 いやいや、こういうのはたまに食べるからこそ、その味が最高に美味しく感じられるものなのでしょう。
 それにしても、このカステラは評判になるだけのことはありますね。

「それじゃあもう一口――」
 
 銀のフォークを一刺ししたのとほぼ同時、玄関先から何やらざわめきが。
 屋敷の女中は皆恐がりで、ネズミ一匹にも騒ぐ始末。
 妖怪でも来ようものなら、いつもビクつきながら応対しています。
 私もあの黒くてガサガサ動くアレは苦手ですけど、そこまで怖がりじゃありません。
 それにここまでやって来る妖怪は殆どが紳士的。
 こちらも敬意と畏怖をもって応対すれば、何も怖がることはないのです。
 私は紅茶が冷めてしまうのを惜しく感じながら、どよめきの収まらない玄関へと足を運びました。


  ☆


 そこにいたのは、私が予想していたどの妖怪とも違う珍客でした。
 青いワンピースに青いリボン、私より頭二つ分ほど小さな背丈の背中には、氷でできた羽が三対。
 腰に手を当て偉そうに仁王立ちしていますが、背が低いので威圧感も何もあったものではありません。
「あら妖精のお客とは珍しい」
「あぁ、阿求様。実はこの妖精が突然やって来て、阿求様に会わせろと」
 この妖精は良く知っています。
 とは言っても話に聞いたものを、資料にまとめた程度ですけど。

 妖精チルノ。
 冷気を操る程度の能力をもった、妖精の中では極めて力の強い存在。
 しかしその分、頭の方が弱いので別に恐れる相手ではありません。
 普段は霧の湖周辺に出没し、遊んだり悪戯したりして日々を過ごしているようです。
 近づけば寒さで気づけるし、もし出くわしたとしてもなぞなぞ一つで簡単に対処できる妖精です。

 そんなチルノが、一体私になんの用があるというのでしょう。
 奥からやって来た私の姿を確認すると、チルノは汚れた裸足のまま上がり込んできたではありませんか。
 ただ敵意を見せるわけでもなく、まじまじと私の顔を見つめながら、指を指して徐にこう言いました。
「あんたがひ、ひえ……ひえのだあきゅーねっ」
「稗田阿求です。阿求で良いですよ」
「ねぇねぇ、あきゅー。ここにあたいのことが書かれてる本が有るって聞いたんだけど」
「幻想郷縁起のことですね。えぇありますよ」
「うん、そのなんとかえんぎってぇの? 見せてちょーだい」
 なんだそんな程度の用事だったんですか。
 妖精は人里でもよく見かける存在ですが、一様に人の話を聞かず悪戯ばかりする困った奴等です。
 それがわざわざ家を訪ねて来るなんて、一体何を企んでいるかと警戒していたのですが、どうやら杞憂で済みそうですね。
 とりあえず足を拭いてもらうことが先決ですけど。


 私はチルノを客間に案内し、すぐに持ってくるから待っていてと告げました。
 ただ妖精にとって人間の家は珍しいのか、チルノときたらあっちをキョロキョロこっちをキョロキョロ。
 興味のあるものはすぐに触ろうとするため、なかなか目が離せません。
 稗田家はこれでも名家です。色々価値のあるものがそこら中にあったりします。
 この部屋にチルノを置いていくのは、ほんの少しの時間であっても心配でなりません。
 何か他のもので気を逸らせれば……。

「…………」

 私はしばらく躊躇いました。
 あれはだいぶ並んで手に入れたもの。一日二十個の限定品。
 並んでも買えるかどうか分からないものを、三日目にしてようやく手に入れたのに。
 それを妖精相手に振る舞うなんて……ですが背に腹は替えられません。
「チルノさん。甘い物は好きですか?」
「甘い物? 山桃の実とか林檎は大好きよ」
「それなら良かった。実は今日、とっても美味しいカステラが手に入ったんです。待ってる間にどうですか?」
「か、すてら? それ美味しいの?」
「えぇ、とっても」
「じゃあ食べるっ」
 ああ私は今どんな顔をしているのかしら。泣きそうな顔で笑ってないかしら。
 それでもカステラはまた買えばいいんです。買えない物を壊される方がよっぽど大変だし。
 そう、また買えばいいんです。また、買えば……。
「すみません、カステラの残りをこの子に」
「わかりました」
 女中に頼んでカステラの残りを持ってきて貰うと、私はそれをチルノの前に差し出しました。
 でもチルノは、カステラを見たことがないのかしげしげと眺めるだけで、すぐには手をつけようとしません。
 毒でも入れているとか思ってるんでしょうか。食べないなら食べないで一向に構わないのですが。
「それじゃあ私は縁起を取りに行ってきますね」
「うーん……」
 カステラに気を取られっぱなしで、生返事しか返してこないチルノ。
 気を逸らす作戦はどうやら大成功。
 今の内にさっさと幻想郷縁起を取ってこないと。


  ☆


「お待たせしまし……た」
「あ、おかえりー。ねぇねぇっ、このかすてらだっけ? すんごく美味しいねっ。もうないの?」
 何も全部食べなくても……というか、全部出してこなくても。
 先程用件を頼んだ女中に目をやると、彼女はすまなさそうに頭を下げてきました。
 私の目がよっぽど恨みがましい視線を送っていたのでしょう。
 女中はさらに背を縮こませながら、チルノにせがまれ仕方なく出せる分を全て出したのだと、
 小声で告げ再び頭を下げました。
 ……えぇわかってます。大丈夫です。カステラくらいまた買えば良いんです。
 私がそう言うと、女中は何度も頭を下げながら部屋を出て行きました。
 そうですよ。今生の別れでもなし。あぁ、でも私のカステラ……。

 私もいつまでも拗ねていたって――いや拗ねていたわけでもないんですが――仕方がありません。
 そう気を取り直してチルノに向き合うと、フォークを咥えたまま首を傾げている彼女と目が合いました。
 その頬に付いている食べかすを見ると、なんとも言えない衝動が腹の底から湧き上がってきます。
 ……ここは我慢、我慢です。

「ちょ、ちょうど食べ終わったみたいですね。こちらがお目当ての幻想郷縁起です」
 チルノの前に幻想郷縁起を差し出すと、彼女は途端に顔をしかめました。
「うぇぇ、こんなに分厚いの~」
「別に全部読む必要はないですよ。何が知りたくて読みに来たんですか」
「あたいの事が知りたいの」
「あなたのことはあなたが一番知ってるのでは?」
 するとチルノは、そういうことではないのだと首を横に振ります。
 えぇ、わかってますよ。そのくらい。
「あたいのことがどんな風に書かれているのかが知りたいのっ」
「そうですね。チルノさんのページでしたら、妖精の項のこの辺り……あぁ、ありましたありました。これですね」
 私はチルノの資料をまとめたページを開いて、再び彼女の前に差し出しました。
 そこには私の描いたイラストと共に、目撃報告例、能力、対処法などが載っています。

 私はそこで致命的なことに気がつきました。
 そのページを書いていた頃は、どうせ氷の妖精は見に来ないだろうと思っていて、
 だったらどれだけひどく書いたとしても、何も言われないだろうと高を括っていたのです。
 あれから一年も経っていたので、すっかりそのことを蔑ろにしてしまっていました。
 対処法や、報告例の酷さを読んだチルノがいつ怒り出し、暴れ出さないとも限りません。
 読ませる前に気付いていれば何か対処できたかも知れませんが、もう読ませてしまった後。
 チルノは真剣に目を走らせ自身のことが書かれたページを読んでいます。
 その顔には不服そうな表情が色濃く浮かんでいて、怒り出すのも時間の問題か、そう私が観念しかけた時でした。

「ねぇ、あたいの絵は上手いんだけど。これって何が書いてあんの」

 思わず椅子から滑り落ちそうになったのは言うまでもありません。
 頭が弱いとは聞いていましたが。なるほど識字能力も持ち合わせていないんですね。
「あ、えっと。チルノさんの能力や、その湖周辺の妖精のリーダー格だということが書いてあります」
 私は嘘は言っていません。
 ただ聞かれて不都合なところを言ってないだけ。いわゆる黙秘権ってやつです。
 チルノは私の説明に納得がいってないのか、まだ不服そうな表情のままページと睨めっこを続けています。
「えっと、何か足りないことでも? 私のまとめた情報に誤りとか……」
「……さいきょーってことは?」
「はい?」
「だからぁ、あたいがさいきょーだっていう事は!? 書いてんの? 書いてないの?」
 そんなこと書いてるわけないじゃないですか。
 むしろなぞなぞ一つで対処できる、比較的対処しやすい妖精だとは書いてますけど。
 まぁそんなことを馬鹿正直に伝えるほど、私もバカじゃありません。
「えっと……まだ書いてないですね」
「何よそれっ!」
「あぁでも怒らないで。幻想郷縁起はまだまとめている最中なんです。
 あなたのページにそのことを付け足すくらい訳ないですよ」
 そこまで言うと、ようやくチルノの顔に納得した様子が浮かんできました。

 はぁ……。なんで私はこんなに疲れながら会話しなきゃならないんでしょう。
 ですが、これでチルノの目的は達せたはず。
 もうしばらくしたら、それとなく帰ってもらえるように言わないと。
 当のチルノは、自分のページには満足できたのか、パラパラと他の妖怪達のページを見ています。
 文字が読めなくてもイラストは楽しめるでしょうから。
 しかし一通り見終えた後、チルノはまたあの不服そうなふくれっ面を浮かべて、こう言ってきたのです。

「大妖精が載ってないんだけど」

 私は言われた意味をしばらく理解することができず、ただ困惑の笑みを浮かべることしかできませんでした。
 その様子が癇に障ったのか、チルノの不服そうな顔には、さらに苛立ちが混じり出します。
 このままじゃまずい。それだけは瞬時に理解できたのですが、どう返せば良いのか分からないのです。
 ですがこの場では「雄弁は銀、沈黙は金」という言葉が通用しないのもまた事実。
 私はチルノの気をこれ以上逆撫でしないように、言葉を選びながら尋ねました。
「今度は何が抜けているというのですか?」
「だから大妖精のことがどこにも載ってないのっ」
「大妖精、というのは誰のことなんです? っと、ここで怒らないでくださいね。
 私は会ったことがないから本当に知らないんです」
 私の、本当に大妖精のことを知らないという様子に、チルノの苛立ちは些か収まったように見えます。
 直情的であるが故に、怒りやすいけれどその熱の引きもまた早いタイプなんでしょう。単純な性格は助かります。
「大妖精は……あたいの友達よ」
「成る程。そのお友達のことが書かれていないと」
「そうよっ! ……あたいだけなんて、大妖精が可哀想じゃない」

 その刹那、私は思わず笑みを溢しそうになりました。
 勿論すんでの所で顔に出さずに済んだので、チルノに要らぬ誤解を与えることはありません。
 ただ別に、可笑しいとかそういう理由で笑ったわけではないのです。
 自分だけだと不公平、友達も一緒でなきゃ可哀想だ――なんて、なんとも微笑ましいじゃないですか。
 どうやらただの単純な性格の妖精というわけでもなさそうですね。

「わかりました。その大妖精という妖精のページも書き足しておきましょう」
「本当っ」
「ええ、そのくらいおやすいご用です」
「できたら大妖精と見に来ても良いっ?」
「……えぇ、勿論」
 少し逡巡が混じったのは、私の目にカステラの食べかすが残った皿が映ったからです。
 今度はこんな目に遭わないように、予め別のお菓子を用意しておかないと。

 今度こそ納得できたのか、チルノは幻想郷縁起を閉じると立ち上がりました。
 ようやく帰ってもらえるようです。
 そうしてホッと胸を撫で下ろしていると、突然チルノが私の元に寄ってきたので、慌てて表情を取り繕いました。
 内心は心臓ばくばくものです。驚かせないで欲しいですね、まったく。
 この期に及んでまだ何か注文があるんでしょうか。
 何を言われても対応できるように、私は固唾を呑みながら、チルノの小さな唇が次に紡ぐ言葉を待っていました。


 しかし、紡がれた言葉は、私の予想の遙か斜め上……どころのものではなかったのです。


  ☆


 耳を澄まして聞こえてくるのは、さざ波と細い風、それに呼応してざわめく木々の音。
 肌はしっとりと湿気の多い空気を感じ、鼻をくすぐるのは雨が降った後の土の臭い。
 目の前には霧に包まれた大きな湖が悠然とその姿を広げています。
 そして私は、その静謐な空気を大きく吸い込んで――
「はぁぁぁぁ……」
 深い深い溜息を一つ。

 ……どうして私はこんな所に来ているんでしょう。

 いえ、現実から逃避するのはやめて、冷静に現状を把握してこれからどうするかを考えないと。
 まずこの場所は、霧の湖で間違い有りません。
 この近辺を根城にしている者自らが案内してくれたのですから。
 次に私がここまで案内された理由ですが……思い出しただけでまた溜息が出そうに。

 私をここまで案内してきたのは勿論チルノです。
 そのチルノが屋敷で私に向けた言葉。

「それじゃあ今からそこに行こう」

 何を言われてももう絶対に呆気にとられたりしないと、覚悟をしていたのに私は三度ぽかんとせざるを得ませんでした。
 行くって何処に? そこって何処です? ていうか今からって何ですか?
 様々な疑問が浮かぶ中、私はいつの間にかチルノに手を引かれ、気付くと霧の湖の湖畔に佇んでいたのです。
 勿論我に返った私は、すぐにチルノに尋ねました。
 どうしてこな所に連れてきたのか、と。
 するとチルノは、まったく悪びれる様子もなくこう答えました。
「大妖精のこと知らなきゃ書けないんでしょ? だから大妖精の所に案内したげたの」
 そして感謝しろと言わんばかりに、平たい胸を精一杯張ってみせるチルノ。
 いえ私だって人のことは言えるほどのものではありませんが……じゃなくて。
 そんな理由で私は従者も付けず、妖精妖怪が跋扈する霧の湖へと連れてこられたのです。
 幻想郷の人間なら、無闇に襲われることは無いでしょうけど、
 それでも一人でこんな所にいるのはどうにも落ち着きません。

 ……一人。

 そう、私は今一人なのです。
 案内してきたチルノはどうしたのか。
 それが「大妖精の姿が見えない。探してくるから待っていて」と告げたきり、戻ってこないのです。

 周囲に人気はなく、私はどれだけの時間こうして待っているのでしょう。
 微かに湖に映る紅魔の館が幻想的で、その景色を見ている間は気が紛れました。
 ですがそれもすぐに飽きてしまい、特に暇潰しになる書物も持ってきていない私はすぐに手持ち無沙汰になる羽目に。

 仕方がないので今は、今までに読んできた書物を記憶から引っ張り出して暗読しながら時間を潰しています。
 それにしても、チルノはどこまで探しに行ったのやら。遅いにも程があります。
 私は頭の中で読んでいた本を閉じ、再び霧の湖に視線を移しました。
 依然として霧の消えない湖は、殆ど波を立てることなくシンと静まりかえったまま。
 そんな風景をぼーっと見ていると、私はふとある事を思い出しました。
 それは先代の御阿礼の子、稗田阿耶の編纂した幻想郷縁起の霧の湖についての記述。
 内容の殆どは私の幻想郷縁起と同じですが、私のには無い、阿耶の記述から省いたある記述があったのです。
 その内容はこのようなものでした。

『ちなみにこの湖には、怪物魚など足下にも及ばない、主たる存在が生息しているという。
 噂に流れる程度で真偽の程は定かではないが、その噂によると妖怪でも人間でも、
 近づく者は皆一口で食われるという凶暴さ。
 その上、見上げてもてっぺんが見えないほどの巨体を有しているとのことだ。
 目撃証言もなく、私も幾度も足を運んでみたが、普段の湖は凪そのもの。
 噂はやはり噂でしかないと思わされるほどの静けさだ。
 ただし火のない所に煙は立たず。湖の広さはそれなりなのだ。もしかするとも考えられる。
 あまり高を括りすぎていると、ばったり主と遭遇したとき後悔することになるだろう。
 それに主だけではない。他の妖怪の脅威も残っているため、不用意に近づくことはお勧めしない。』

 確かに霧の湖は一周を半刻程度で回れる広さですが、やはりそれなりの広さはあるのです。
 それに怪物魚が居るため、その正確な深さは誰も知らず、いないと断言することもできないのが実情です。
 それでも確固たる情報も無い以上、不安を煽るだけの記述はない方が良いだろうということで、
 私の縁起では載せることを止めたのです。
 だから今の世代の人間で、主の噂を知っているのは私だけ。
 それに私には求聞持の力があります。一度読んだ資料の内容は決して忘れることはありません。
 何も知らない方が、変な不安に駆られることも無かったのでしょうけど。
「主……まさか、ね。あはは、はは……」
 嫌な汗が背中を伝うのを感じながら、私は力なく笑うしかありませんでした。
 一旦気にしだしてしまうと、その不安が拭えないのは人として仕方のないこと。
 特殊な人間として生まれてきても、私は所詮一人の人間なのです。
 
 ですが私自身はその噂すら聞いたことはありません。
 阿耶の時代でも、居ないことの方が信用されていたみたいですし、そこまで不安がることもないはず。
 そんなことばかりを考えながら、私は必死に心を落ち着かせようとしました。
 時間が経つにつれてその濃さを増してくる霧。
 今帰ろうとすれば、まず間違いなく森の中でさまよい歩くことになってしまうはず。
 そうなったら、ここにいるより遙かに危険が増してしまいます。
 チルノが大妖精とやらを連れてきて、また案内してもらうほか私に帰る道は残されていないのです。
 道に迷うことを“妖精の悪戯”とはよく言ったものですが、その妖精の手を借りなければ帰れないなんて。
「はぁぁ……」
 迂闊に話に乗ってしまったばっかりに、こんな目に遭わされるとは。
 しかもカステラは全部食べられちゃうし。
 もしこの後、その主とやらが現れて私が食べられてしまったら、もうあのカステラも食べられないんですね。
 あぁ、そうでなくてももう一口くらい食べておくんだった……。

 そんな私の後悔の念が、更なる不幸を招いてしまったのでしょうか。
 そうかどうかは分かりませんが、時の流れを感じさせないこの場所に、突然変化が生じ始めたのです。

 今まで凪いでいた湖面が突然音を立て始め、さざ波が荒い波へと変わり出します。
 あまりにも唐突な変化に、私はすぐにその場を離れ木陰から様子を見ることしかできません。
 今ここで感情のままに逃げ出してしまっては、森の中で彷徨う結末が待っています。
 そうなってしまえば、どのみち助かる可能性は低いでしょう。
 ただほとぼりが冷めるのをじっと待ち、チルノが戻ってくるのを待つのが最善のはず。
 そう思いながら、私は荒れ狂う湖に視線を注いでいました。


 と、次の瞬間でした。


 湖面が丸く立ち上ってきたかと思うと、それは途端に波よりも高く立ち上がり、
 その中から黒く巨大な影が姿を現したのです。
 それは阿耶の記述にあったものと同じ、見上げてもそのてっぺんが見えないほどの巨体でした。
「ひぁっ……」
 小さな悲鳴が漏れ出ますが、私の口はそれ以上の言葉が紡げません。
 頭ではその正体を見極めようとしているのに、体は完全に恐怖に飲まれてしまっているのです。
 足はがくがく震えるだけで一歩も動けず、口はだらしなく開け放たれたまま声にならない声を上げるだけ。
 その巨大な影の正体は、霧に阻まれ知ることはできません。
 ただ一つ言えるのは、間違いなくこれがこの湖の主だということ。
 ということは、私の存在がばれた時、私は一口で食べられてしまうのでしょうか。
 私の体は誰が見ても瑞々しい少女そのもの。まだ少し肉付きは幼くても、妖怪達の餌としては申し分ないはず。
 そんなのちっとも嬉しくない! 私だってもっと成長したいんですっ。
 でも妖怪や怪物にとっては嬉しいことこの上ないものでしょう。

 その時、何やら上の方で二つのぎらりと光るものが見えました。
 それが主の目だと気付いたのはすぐのこと。
 そして直後に私は目が合ってしまったのだと理解しました。
 こちらからは見えなくても、あちらは気付いたかもしれません。
 心なしか影がこちらに近づいているように見えます。
「あ、う……ぁぁ」
 恐怖に震える体をどうにか立たせようとする中、私の頭に浮かんでいたのは、何故かあのカステラのことでした。
 何もこんな時まで考えなくてもいいのに。すでに頭も恐怖でどうにかなってしまっているのかもしれません。
 影が近づき大きくなるにつれ、私は今日食べたあの一口を必死に思い出しました。
 もう食べられないなら、せめて味を思い出すだけでも……。
 あぁもし生きて帰れるのなら、絶対に二本全部一人で食べてやる。

「何、あれ……」

 こんなわけの分からない思考に囚われた私の目に、その影とは別のものが映ったのはそんな中のこと。
 主の頭であろう場所をクルクルと舞う光。
 水色のような黄色のような緑のような。
 そんな不思議な色合いの光が、まるで主と話をしているかのようにその周囲を舞っているのです。
 しばらく私はその光の動きを目で追いながら、生と死の狭間を生きたまま彷徨っていました。


  ☆


 そして永遠にも思える時間が過ぎた頃、生か死かで揺れていた私の運命は、
 ようやく片方に着地することが出来ました。
 無論、こうして冷静でいられるということは、ヤマザナドゥ様のお世話にならずに済んだということ。
 主はあの光と戯れた後、湖の中へ静かにその姿を消していきました。
 湖はすっかり元の静寂を取り戻し、まるで主など始めから居なかったかのような風景が広がっています。
 緊張の糸が切れてしまった私は、立つこともできず座り込んだまま、今も動くことが出来ません。
 そしてチルノはまだ帰ってこない。
 日もだいぶ西に傾き始めたのか、霧の間を縫って届く光はオレンジ色を含み始めています。
 せっかく主の恐怖から生き延びることが出来たのに、このままここで夜を迎えてはまた命の危険が――
「おーいっ」
「噂をすれば、ですね」
 溜息と共に声のする方に首を動かすと、霧の向こうにチルノらしい青い影が見えました。
 そしてその隣には――隣には……
「あの光、は」
 見間違えようにも、私には見た物を忘れない求聞持の力があるのです。そんなわけがありません。
 だからこそ断言できるのです。
 チルノの後を追いかけて来ている、もう一つの光。
 それはあの主の周囲を飛び交い、主を再び湖の中へ去らせた光と同じものだと。
「いやぁお待たせお待たせ。大妖精がなっかなか見つからなくてさぁ」
「ごめんね。ちょっと用があって森の中にいたの」
 チルノの言葉に、謝罪の言葉を返す穏やかな声色。
 その声主はチルノより少しだけ――とは言っても私よりだいぶ低いですが――背の高い妖精の女の子でした。
 鮮やかな緑色の髪の毛を黄色いリボンで束ね、秋晴れの空のような水色の服に身を包んだ、
 チルノとは対照的に柔らかな印象を持つこの少女が大妖精なのでしょう。
 ということは、さっき助けてくれたのはこの子!?
「あ、あの」
「はい、なんですか? あぁ、あなたがチルノちゃんが言ってた人間さんですね。初めまして」
 大妖精はおそるおそる話しかけた私に向かって、可愛らしくお辞儀をしてきます。
 私も慌てて「稗田阿求です」と名乗ってお辞儀を返しました。
 こんなやり取りをしていると、どうしてもあの主と話が付けられるほどの力の持ち主だとは思えません。
 見た目もどこか頼りないし、チルノの方がまだ強そうに見えます。
 ですが私が見間違えることがないのは、私自身が一番分かっていることですし……。
「本題に入る前に、一つだけ聞いても良いですか?」
「な、なんでしょう」
 私の言葉に大妖精は警戒の色を伺わせながら首を傾げます。
 別に怖がらせようとしているわけではないと、その意思を見せるため微笑を浮かべながら私は言葉を続けました。
「大したことじゃないんです。さっきこの湖の主を説き伏せていたのはあなたなのかなって」
「はぁ。湖の主、ですか?」
「あれ、その様子だと主のことは知らない?」
「ええ。湖には沢山の生き物が住んでいますけど、主みたいな存在は居ませんよ」
 あれ? それじゃあ、あの黒い影はいったい何だったのでしょう。
 それに影を静めた大妖精と思しき光。
 その正体もまだ大妖精本人だと決まった訳じゃありません。
「ねぇねぇねぇ、そんなことより大妖精のことは聞かなくて良いの?」
「あ、えっと……そうですね。話はチルノさんから聞いていると思いますが、
 幾つか質問に答えてもらってもいいですか?」
 私がそう尋ねると、大妖精はふわりと笑みを浮かべ、快く承諾してくれました。
 疑問に残っていることも、ついでに聞いてしまいましょう。


  ☆


 次第に霧が消え始め、日が沈み、そろそろ妖怪の時間がやってくるという頃合い。
 粗方の質問を終えた私は、人里近くまで案内してくれるという大妖精に、最後にもう一つだけ尋ねました。
「あの、甘い物は好きですか」
「甘い物ですか? 花の蜜や石榴の実とか好きですよ」
「それは良かった」
 大妖精は私の意図していることが掴めず首を傾げていましたが、すぐに気に留めるのをやめ、
 当初の予定通り私の案内をするために先頭を歩き始めました。
 そんな妖精らしからぬ落ち着いた対応を見ていると、
 さっき聞いた話や今日見た出来事がまるで嘘のように思えてなりません。
 ですがそれと同時に、そんな特異な妖精だからこそ“あんな事”もできるのだと納得もしていたり。
 私は、次第に浴びる金色の光を強くしていく湖をもう一度振り返りました。
 その水面はここに着いたときと同じように、殆ど波も立てず静かに落ち着いた姿を広げています。
 そんな光景を目の当たりにしていると、この湖で“大妖精”と呼ばれる彼女が、
 どうしてあんな性格なのか、どうしてこの湖にいるのか、そんなことが理解できたような気がしました。



 それから数刻後。
 とっぷりと日が沈み、空には満点の星とお月様が出てきていましたが、
 私はなんとか人里まで戻ってくることができていました。
 まさか悪戯で人を迷わせるのが本領の妖精に、本当に助けてもらって帰ってくるなんて。
 大妖精と、暇だからという理由で着いてきたチルノは、森の出口で別れました。
 縁起に大妖精の項目とチルノの修正を書き足したものが出来上がったら、ちゃんと知らせると約束を交わして。
 そうそう。今度来るときは、今日のお礼も持って来なきゃいけませんね。

 そうして屋敷に着いた私は、女中達の嗜める言葉を背中に受けながら、すぐに自室へ向かいました。
 何がしたいって、まずは着替えたい。その前に湯浴みですか。
 とにかく森を歩き回り、土埃で汚れた体を綺麗にして、後はもう寝ることしかする気がありません。
 縁起に書きたいことは随分手に入りましたけど、それも明日で良いでしょう。
 ただ湯浴みだけは女の子としてはしておかないと。明日自分の臭いで起きるなんて真っ平ごめんですからね。

 私は疲労と睡魔で重い体を支えながら、着替えを取り出すためにタンスへと向かいました。
 その時ふと、私は机の上に残っていた“それ”を見つけたのです。
 私が帰ってこないことでそれどころじゃなかったのか、
 私の食べかけていたカステラと紅茶はまだ片付けられていませんでした。
 ですが外気に当たってから、もうどれだけの時間が過ぎてしまったのやら。
 紅茶はすっかり冷めていて、あれだけ柔らかだったカステラも随分固くなってしまっています。
 私はそんなカステラですが、一口だけ口へと運びました。
 やっぱり昼前に食べたときほどの感動はありません。
 ですが――

「……美味し」

 疲れた体に甘くて柔らかい生地が染み渡っていくように感じました。
 明日また買いに行こう。私の分は勿論ですが、それともう一つ。
 そう思いながら私は、湯浴みのために部屋を出て行きました。
 机の上には食べかけのカステラと、今日したためたメモ帳を残して。


  ☆


 後日。

 チルノが阿求を、湖まで無理矢理連れてきた日から数日が経った。
 あれからまだ阿求からの知らせは無い。
 しかし約束してくれたのだから、その日を待とうということで、
 チルノ達は今日も霧の湖でのほほんとした一日を過ごしていた。
 湖の上の小島の上で、おやつタイムを満喫している二人。
 二人が笑顔を浮かべながら食べている今日のおやつ。
 それは阿求も絶賛せざるをえなかった、例のカステラだった。
「ねー、あたいが言ったとおりでしょ?」
「うん。このカステラってお菓子、本当に美味しいねっ」
「でもよく手に入ったもんだね。里まで行って取ってきたの?」
「そんなことしないよ。なんかね、人間さん達が『大妖精さまへ』って置いていってくれたの」
「人間が? うっそだぁ~」
「嘘じゃないよ。どうしてかは私にも分からないけど」
 大妖精が困惑の表情を浮かべていると、まるでその心境に反応するかのように、二人の乗っている小島が震え始めた。
 慌ててしがみつくチルノと大妖精。
 すると小島の片側から、ざばぁっと湖面を割って長い長い首がその姿を露わにした。
 それは紛れもなく阿求が霧の中に見た影の主。
 しかし二人はまったく怯える様子も、逃げ出す素振りも見せずにいた。
 それどころかとても親しい友人のように、その首の上にある顔へと近づいて行くではないか。
 そして大妖精はその鼻先へ自分が食べていたカステラを差し出しながら優しく告げた。
「あ、あなたも食べる? 人間さんがくれたカステラ。凄く美味しいのよ」
「こいつはこんなもの食べないよ。湖の魚しか食べるところ見たこと無いじゃん」
「そうだけど……もしかしたら、ね?」
「食べない食べない。もし食べたってこんなおっきい体じゃ全然足りないわよ。
 大妖精が見つけてきたときはあたい達より小さかったのにさ」
 言いながらチルノは自分の膝小僧くらいを手の平で示す。

 確かにどこからか拾ってきた当初はその位だった。
 しかしこの怪物の成長は早く、今の大きさになるまでさほど時間は掛かっていない。
 ただ体は大きくなっても、拾って面倒を見てくれた大妖精の言うことは今でも良く聞き、
 他の生き物たちを怯えさせないよう、普段は湖の底で大人しくしている。
 それでもそんな巨体をずっと潜めていられるわけが無く、その姿は大妖精と、
 彼女と一緒に遊ぶことの多いチルノ以外の者にも見られたことがあった。
 まさかそれが人間の里で噂になっていたなど、大妖精達は知る由もない。
 しかし今回の一件で主の存在は確固たるものとなり、その飼い主である大妖精の存在もまた、
 人の間に知られることになったのである。

「あ、チルノちゃん。ほっぺに」
 カステラに夢中な余り、頬やら唇やらに付いた食べかすに気付かないチルノの口元を、
 世話焼きの姉宜しくハンカチで拭いてあげる大妖精。
 チルノも恥ずかしそうに頬に朱を差しながらも、されるがままになっている。
「んー……くすぐったい」
「はい、取れました。そんなにがっつくと喉に詰まるよ?」
「だって美味しいんだもん。あきゅーの家で食べて、なんじゃこりゃーってなったもんね」
 大袈裟に身振り手振りを交えながら、その時の感動を伝えようとするチルノ。
 大妖精はそんな光景を包み込むような穏やかな笑みを浮かべながら見つめていた。

 そんな微笑ましい姉妹のような二人に注がれる一対の視線。
 背中には少し重たそうな風呂敷を背負い、手には「春庭羅」と書かれた包み。
 肩の辺りで切り揃えられたおかっぱ頭を手櫛で整えると、その少女は二人の元へ向けて歩き始めた。

 彼女が背負っている風呂敷の中には一冊の書物――幻想郷縁起、その捕捉として付け加えられた大妖精の頁。
 そこには今回の件で彼女が見聞した資料が、こんな形でまとめられていた。


『大妖精。彼女は霧の湖周辺を縄張りにしている妖精の一匹だ。
 しかし妖精と言ってもその名に「大」が付くことから察せるとおり並の妖精とは格が違う。
 一見しただけでは、むしろ他の妖精よりも頼りなさそうにも見えるが、彼女の力を侮ってはいけない。
 かつて霧の湖にいるとされていた主の存在。
 その存在が最近になって、ようやく噂の中だけのものではないことが明らかとなった。
 そしてその主が大人しくしているのは、実はこの大妖精のおかげだということを我々は忘れてはならない。
 もし霧の湖に行くのであれば(1)、何か手土産でも持って行き(2)、大妖精宛に供えることをお勧めする。
 そうすれば主の恐怖から解放されるだけでなく、もし帰り道が分からなくなっても、彼女が助けてくれるだろう。

 (1) 最初から近づかないのが一番。
 (2) ちなみに甘い物が好き。個人的に南蛮堂のカステラがお勧め。』


《終幕》
コーヒーはブラックでは飲めない雨虎です。
今回、話の中心が何故カステラなのか。その理由は至極簡単。
この間食べたカステラがすごく美味しかったから。スーパーで安売りしていた大量生産の品ですけど……。
ちなみにタイトルの春庭羅は、まんま「カステラ」と読みます。当て字の中で一番綺麗だったので採用。

ところで作中に出てきた怪物。モチーフは勿論ネ○湖の○ッシー。
この作品では妖精だけにピクッシーとか。……失礼しました。

感想指摘誤字脱字などありましたらどうぞ。
雨虎
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コメント



0.960簡易評価
1.70三文字削除
紅魔湖だからコッシ―になるのか?
それはそうと、大ちゃん可愛いよ大ちゃん
4.90名前が無い程度の能力削除
やっぱり
チルノちゃんは
かわいい
なあ

和ませてもらいました
9.80名前が無い程度の能力削除
恥ずかしそうに頬に朱を差しながらも、されるがままになっているチルノがかわいくてかわいくてお持ち帰りいいいいいいいいいい

幻想郷縁起に大妖精と小悪魔が載ってなくて呆然とした。
アリスの項にも驚いたけどね
12.10074削除
幻想郷縁起に違和感がなくていい感じ。
大妖精のページが無かった事は辛かったので、この作品のおかげで
のどの魚の骨が取れたような気分です。
15.100時空や空間を翔る程度の能力削除
和ご見ました。
チルノは優しい妖精ですね~。
大ちゃんも書いてって。
18.90名前が無い程度の能力削除
最初は大蝦蟇の話かと思ったらまた違う展開で。

それはそうとカステラより春庭裸の方が原語に近い発音ですなぅ。
19.90名前が無い程度の能力削除
和ませてもらったので投票。
個人的にはかなりストライクな作品でした。
23.70名前が無い程度の能力削除
オンライン幻想郷縁起が欲しくなってくる今日この頃です。
頭の中だけじゃ処理し切れない!
24.無評価雨虎削除
亀レスですが、せっかくのコメントなのでレスさせてもらいます。
>三文字さん
明確な名前がなかったので、敢えて名前は付けてません。
大妖精ならどんな名前で可愛がっているんでしょう。

>名前が無い程度の能力さん(1人目)
チルノ相手に和む、というのもどこか変な気もしますけどねw
喜んでもらえたのなら幸いです。

>名前が無い程度の能力さん(2人目)
ですよね。大妖精と小悪魔ももしかして、と思って求聞史記を開いたあの時。
その時のことを思い出して、このネタが浮かんだのは事実です。

>74さん
違和感なく読んでもらえたとは嬉しい限りです。
それっぽく見られたら良いかなぁと思っていたものですから。

>時空や空間を翔る程度の能力さん
そんな事を言ったら、照れ隠しに凍らされますよw
……あぁ、それも良いですね(ぉぃ)

>名前が無い程度の能力さん(3人目)
入ってきた当時の発音は「かすてぃら」でしたっけ。
当て字とはいえ、綺麗な字を使っている辺りが好きですね。

>名前が無い程度の能力さん(4人目)
次もあなたのストライクがねらえるように努力します。

>名前が無い程度の能力さん(5人目)
「イザヨイネット」で検索すると少し幸せになれるかも。
後はいつも手元に求聞史記。そして脳内妄想で私はばっちりですw