風神録ネタバレを含みます。
お気を付けください。
東風谷早苗は朝食を取っている途中、現人神、という単語を昨日社会の授業のとき耳にしたことをふと思い出した。社会の先生が説明した現人神、そして彼女自身が自負する現人神は少しずれていた。
早苗は風雨、つまり人が奇跡と称す術を操る事が出来る。それは彼女の一族が代々伝える一子相伝の秘術であり、一族が仕える祭神の徳から得られる力だ。早苗は幼い頃から巧みにそれらの術を操ることが出来、歴代の一族の中でもその能力は秀でていた。いわゆる“天才”だったのだ。
ただ、生まれてくる時代が遅すぎた。彼女の力を有益に使うことは今の時代では難しい。早苗自身そう思っていた。この奇跡の力を大々的に広告してもロクなことには使われないだろう、と。見世物になるもの嫌だし、奇妙なオカルトとして崇拝されるのも困る。妙な学者が挙って集まって来てもいい迷惑だ。
故に彼女の出した結論は、現状のままが一番、ということであった。
だが、現状は変化を迎えようとしていた。その発端は早苗が切り盛りする守矢神社の祭神、八坂神奈子の言葉だった。
「早苗、このままではまずいわ。信仰が足りない。私達の存在が消えてしまう」
信仰、それは人が神を信じる心である。そして、信仰を得られない神は、神として存在出来ない。
虫のいい話だが、日本人は宗教に疎い割に良く神に頼る。神頼みという言葉もあり、賽銭などがいい例だろう。
だけど実際、“神の存在”を本当に信じる人間は少ない。日本人はとにかく“神様”をその場限りで信じる者が多すぎるのだ。この国の神様が本当に八百万存在すると知る人間は殆どいないのだろう。
それでも神様達は人に手を貸す。神にはお人好しが多いのだ。だが人は、その恩恵や奇跡を神がもたらしてくれたものだと気付いていない。だから神の存在は朽ちてしまう。
……世界的に有名な神様達は、こんなことじゃ悩まないんでしょうね。
早苗はキリストやアッラーが羨ましいと切実に思い、溜め息を漏らした。朝食を一人取る時間は本当に静かで、つい思慮に浸ってしまう。
壁に掛けられた時計を眺めると五時半、いつも通りのサイクルだ。朝食を食べ終わり、手を合わせ、「ご馳走様」と言う。“ご馳走様”という言葉も“頂きます”も、大切な信仰の一つである。食器を片付け、軽く境内の掃除をする。境内から見渡す景色には秋の色が混ざり始めていた。早苗はそんな何気無い風景にそっと微笑み、竹箒で石畳を掃く。
掃除を終えて、居間に戻ると五時五十二分。いつもより少し早いことが多少気になりつつも、早苗は次に風呂場へと向かった。シャワーを浴びる為だ。早苗は脱衣所で、パジャマを脱いで浴場へと入る。始め、彼女はお湯ではなく、冷水を浴びた。清めの行水と言えば誇大表現だが、実際それほど大きな意味合いは無く、早苗はまだ少し寝ぼけている頭を覚醒させるために行なっている。正直、身体には悪いと彼女自身わかっているのだが、癖になってしまっていた。その後にお湯を浴びるので、冬場などとても危ない。
風呂から上がると、早苗は自室で制服に着替える。飾り気の無いセーラー服だが、田舎の公立高校などこんなものだと割り切ってしまえば愛着も沸く。スカートの丈は短すぎず、長すぎず。彼女の友達からは、もう少し短くてもいいんじゃないと言われたが、校則という言葉絡んできてどうなのだろうと、早苗は考えてしまう。早苗は真面目すぎる、とよく言われるが、やはりそうなのだろう。彼女自身、自分ではそんなつもりはあまり無かったが、人から言われるのだからと思った。
「って、さっきから何人の着替えを覗いてるんですか、神奈子様!?」
「いや、早苗の日々の成長をこの目で確認しようと、ね?」
早苗は呆れて、溜め息を一つ。返した言葉も辟易としていた。
「ね? じゃないでしょう、ね? じゃ。覗きは立派な犯罪ですよ」
「神に人が人の為に決めた法など無意味。覚えておきなさい、早苗」
「何ちょっとカッコいいでしょ、的な視線を送ってきてるんですか。覗きはいけないことなんですから……」
「失礼ね。下心なんて無いから覗きじゃないわよ。あるのはそう……、親心だけ」
神奈子は自信満々に胸を張って言うが、親心からだろうと覗きは覗きだ。親子だろうと、神と巫女だろうと、ある程度のプライバシーというのは大事である。
「それにもうちょっと反応してくれてもいいじゃないか。キャッ、何覗いてるんですかぁ、みたいな感じで」
神奈子は妙に高い声色で期待していた反応を実践したが、対する早苗はすでに呆れ返っていた。
「……神奈子様って朝強いですよね」
「神に朝も夜も無いわよ。全く、ノリが悪い……。それにしても、早苗」
「何ですか?」
「また胸おっきくなったのね。私、少しだけ興奮しちゃったわ」
「完全に下心じゃないですかっ!」
「こんなにも魅力的になって、大切な私の巫女に悪い虫が付かないか心配よ……」
こうして、いつものように朝の談笑を巫女と神は交わす。その会話は日常のこと、ただの雑談がほとんどだ。神奈子と早苗は神と巫女である以上の絆があった。それは親子のような心地良いものだ。
談笑は登校時間まで続き、そして時間に来れば早苗は、学校へと向かうのだ。
「いってらっしゃーい」
神奈子が手を振って早苗を見送る。神奈子の隣にはいつの間にかもう一人いた。神奈子よりも背は低く、容姿も幼く見える。守矢神社のもう一人の祭神、洩矢諏訪子だ。
「いってらっしゃい、早苗。帰ったら遊びましょうねー」
諏訪子は笑顔で言う。諏訪子の言葉に神奈子は少し不満気な口調で漏らした。
「私もちゃんと混ぜてね。いつも二人で盛り上がる」
神奈子の言葉に諏訪子は苦笑した。
「だって神奈子、ゲーム弱いんだもの」
「弱くない。常時酒が入ってないと手の調子悪いんだよ。震えるの」
「あはは、神奈子ってばダメ神様」
「冗談でもそういうこと言っちゃダメですってば! ……もう、仲良く遊びましょうね」
早苗はやれやれとした口調で二人の神様を説く。早苗の苦労を知ってか知らずか、二人の神様は笑っていた。
――私達の存在が消えてしまう。
夏休みのある晩、早苗と神奈子、二人は境内から星を眺めていた。雲は皆無で、下弦の月も輝いていた。美麗な夜空の下、神奈子が唐突に告げたのだ。早苗は返す言葉が見つからず、神奈子は静かに続ける。
「今、この国の神は危機に陥っているわ。人間は神を信じなくなった。神よりも確かに見て取れるものを信仰するようになった。それは科学であったり、社会であったり、自身であったり。だからこの国を古来より支え続けていた神はいずれいなくなるわ」
現代日本人の神に対する信仰心が、あまりにも希薄となっていることは昔から知っていた。それは神奈子が抑揚の無い声で、溜め息交じりに漏らしていたことが多々あるからだ。
そして何より早苗自身それを感じていた。早苗の力もまた、信仰を必要とするからである。神も信仰を集めるのに苦労する時勢、いくら風祝であろうとも、人間である早苗に信仰の収集など思うように出来るはずが無かった。それに彼女の力は他人に知られることもほとんど無かった為、尚更だ。早苗を信仰心を抱くのは、極一部の親類の人間だけだった。
いつもは表情に余裕と冗談が覗えた神奈子だったが、このときの彼女は真摯に早苗の瞳を直視していた。不満というよりも危殆を孕む表情に、早苗は神奈子の言葉を聞くことしか出来なかった。
「早苗。神よりも前に迷信とされ、この国から追放された者達がいるんだが、わかる?」
早苗は急な問いに驚いたが、すぐに思考を落ちつかせ考える。何だろうか、と沈潜しても一向に答えは見つからず、早苗は神奈子を見た。
「妖怪よ。物の怪と呼ばれ、かつて人から危惧された存在は、この国では既に忘れ去られている。でも妖怪は賢かったわ。自らの危機を糧と変えたの。常識の壁で里を囲い、理想郷を作った。その理想郷こそが幻想郷よ」
「幻想郷?」
「私はそこへ向かおうと思うわ。消えた信仰もきっとそこへ集まったはず。そして妖怪から信仰を得るの」
常識外れとされ、この国から消えた者が集まる地、幻想郷。早苗はその言葉を聞いたとき、心の奥底から湧き上がるものを感じた。湧き上がる感情は快く、どこか自身を不安にさせる。興奮にも似たその感情を、期待なのだろうと早苗は思う。十数年間培ってきた神徳の術を、彼女はようやく思う存分発揮することが出来るのだ。
……そして私の力があれば、幻想郷中の信仰が得られるはず……。
奇跡の世界を想うと、自然と胸が躍る。
だが、同時に何人かの顔が頭の中を過ぎった。学校の友達であったり、良く参拝に来る近所のお婆ちゃん、両親、親しい者達の顔だ。それこそ今生の別れになるのだ。それを悟ったのか、神奈子は、
「ゆっくり考えなさいな。早苗はこの世界の人間なんだから……」
と優しく、笑顔で言った。神奈子は早苗の頭を撫で、宵闇よりも沈んだ闇を忍ばせる本殿の中へ透き通るように入っていった。
しかし早苗の胸の内は、すでに答えを出していた。
「おはよー、こっちん」「早苗、おはよう」「おはよ、いいんちょ」
教室に入ると、早苗はクラスメイトから色々な呼び名で挨拶を交わされる。『委員長』は学級委員長をやっているのだから許せせるとしても、東風谷だから『こっちん』というのは少し許せないと、早苗は不満気に漏らす。
「こっちんは止めてくださいよぉ」
だが、現状の教室内ではこっちん派が優勢である。
「あはは、おはようこっちん」
早苗は窓側にある自分の席に着き、鞄を机の脇に掛け、声を掛けてきた後ろの席に座る少女へと振り返る。
「優希までこっちんって……」
「ゴメンゴメン、早苗ぇ。拗ねるなよぉ」
優希は苦笑しながら、早苗の頬を突っ突く。
「止めてください」
「もう、怒っちゃ嫌だよ。それにしても早苗のほっぺ柔らかいわぁー」
早苗は溜め息を一つ、早苗の心情を察しようとしない優希は悦に浸っている。優希と早苗は小中高ずっと同じ学校で、早苗の一番の親友である
「そういえば、早苗。一つ聞きたいことがあったんだけど」
「何ですか?」
「早苗ってさらし巻かないの?」
「一体私をいつの人間だと思ってるんですか。巻きませんよ」
「いやぁ、やっぱ巫女だし。さらしの方が、何ていうのかな、萌えじゃない?」
「言ってることがよくわかりません」
いつもと同じような談笑を早苗と優希が交わしていると、一人の男子生徒が近付いてきた。サッカー部のエースで、クラスのムードメーカーである鈴木だ。
「委員長、数学でわからないとこがあるんだけど教えてくれね?」
鈴木は数学の教科書を携えて、少し緊張した面持ちで早苗の席の隣に立つ。
「あっ、はい、いいよ。どこですか?」
早苗は鈴木の緊張を疑問に思った。鈴木には何度か教えたことがあるが、今日の鈴木はどこか落ち着きが無いように感じ取れたのだ。だが、早苗は気にしながらも了承をした。
「じゃあ、鈴木、私の席使っていいよ」
優希は少しだけにやけて席を立った。優希が向かう方を、早苗が一瞥すると数人の女子と男子が固まっているグループだった。気のせいか、そのグループは早苗の方を見ているように感じ取れた。ありがと、と鈴木は優希に礼を言い、彼女の席に掛ける。先ほどの早苗と優希同様、二人は向かい合う形となる。
「で、ここ何だけど……」
鈴木は教科書を開き、わからない箇所を指で示す。
「ああ、ここはこの公式を応用して使えばいいんですよ」
早苗はノートを開き、実際に解いて見せながら、細かな説明をした。教えている間、早苗は鈴木の表情を覗っていたが、相変わらず彼の表情はどこか固い。
「なるほど、そういうことか」
「はい、そういうことです。他にわからない箇所は無いですか?」
「いや、今のところ大丈夫だよ、ありがとう委員長」
鈴木は微笑むがやはりどこか不自然な笑みだった。早苗は調子が悪いのかとついに訊こうとしたが、その言葉は鈴木の表情の変化によって遮られた。彼は表情を改めて、
「……あのさ、東風谷。今度の日曜、遊びに行かない?」
そう、早苗に告げた。
「ついに、鈴木まで振ったか。難攻不落の無敵戦艦め」
「また意味のわからないことを。本当に用があったんですって」
別に早苗は振ったとは考えていなかった。それ以前に振ったと言われるまで遊びの誘いが告白の類だとは気付いていなかった。
今は午前の授業を終えた昼休みの時間である。それぞれが一喜一憂の表情を浮かべ昼食を取り、早苗は優希と一緒に食べていた。
「何人目よ、全く。流石に余裕の早苗さんは違いますね」
優希の卑屈な物言いに早苗はすかさず返す。
「私は優希だってモテるじゃないですか」
「否定しないんだ。やっぱ、自分でもモテてるって思ってるんだ」
「だから別にそんなんじゃありません」
「大体さぁ、鈴木のどこがいけないわけ?」
「いや、だから別に鈴木君が悪いわけじゃないです。カッコいいと思いますし、優しいですし」
じゃあ何で、と優希は心底不思議そうに早苗に訊く。問答される早苗は苦笑を交えて答えた。
「だから、用があるんですって。大切な用事が。それに私は正直、鈴木君を特別意識したこと無かったですし」
「早苗って男を好きなったこと無いの? それとも何、男に興味ないとか?」
優希はやれやれとした口調で問うた。対して早苗が出した答えは溜め息だった。優希は早苗の苦い笑みをじっと見詰め、ややあって自らの中で合点したのか、晴れた表情を見せた。そして、彼女は顔赤らめて、恥を覚悟するように言う。
「……私なら、その大丈夫よ? 早苗なら、受け止めてあげられるわ。早苗となら社会の荒波の中でも生きていける!」
「勝手に覚悟を決めないでください! 私にはそんなつもりは無いよぉ」
いつものように自分をからかう優希の顔を見ていると、早苗はあることを思い出した。そして、自分の鞄の中からあるものを取り出す。白い布に、ティッシュを丸い形に詰めて縛り、顔を描いた“それ”を窓の上方へ紐で括りつける。てるてる坊主、だ。
「何やってんの、早苗?」
「てるてる坊主です。来週の体育祭、雨が降らないように」
優希は笑いを堪えているようだった。早苗はそんな彼女の態度に少し不満気に言葉を漏らす。
「何ですか。何かいけないんですか?」
「いや、早苗って、くくっ……、本当に可愛いなって思ってさ。ははは、ゴメンゴメン。はは……、私が男だったら絶対、あんたに惚れてるわ、くく……。でもさ、実際てるてる坊主なんていらないでしょ? 早苗は究極の晴れ女なんだから。早苗がいると大事イベントのとき絶対雨降らないんだもん。かと言ってここら辺の地域、節水って言葉知らないくらい、水不足にならないし井戸水も綺麗だし、ホント早苗ってば都合のいい晴れ女よね。お天気の神様が味方してくれてるみたい」
優希の揚々とした言葉に、早苗は少しだけ苦味を持った笑みを浮かべた。そして優希から視線を移し、初めて自身で作ったてるてる坊主を眺めた。
本殿へと続く石畳の階段を早苗は上っていく。途中、何人かの参拝客とすれ違い、早苗は挨拶をする。何人か顔見知りの姿も見受けられた。その中に階段をゆっくりと一段ずつ上る腰の曲がった老婆の姿があった。早苗はその老婆に駆け寄る。
「石崎さん、今日もいらっしゃい」
「あら早苗ちゃん、おかえり。日課ですからねぇ、欠かさずに来んといけないわ」
早苗が石崎と呼んだ老婆はゆっくり受け答えをした。早苗は石崎の身体を支え、緩慢な彼女の歩調に合わせて階段を上る。
「ありがとうねぇ、早苗ちゃん。年を取ると身体が全然言うこと聞かんくなる」
「何言ってるんですか、お婆ちゃんはまだまだ元気じゃないですか。毎日参拝に来ていただいているのなんて、石崎のお婆ちゃんくらいですよ?」
早苗の言うとおり、石崎は何か用事でもない限り、毎日参拝に来てくれていた。他にも週に何度か来てくれる人間や早苗によくしてくれる人間も沢山いる。そんな人達の何気ない会話を思い出すと胸が苦しくなる。
「守矢の神様はよくしてくださるからよ。曾孫が病気になってしまってね、治してもらわんとねぇ」
早苗は笑みを作った。精一杯作ったつもりだったが、その笑みは悄然としたものになってしまったと彼女自身感じていた。
「きっと、神様は助けてくださいますよ。神様はとってもお優しい方ばかりですから……」
早苗は参拝を終えた石崎と階段を一緒に降りる。最後の段を降り切るところまで、しっかりと支えて手伝った。
「いつもありがとうね、早苗ちゃん」
「いえいえ、こちらこそ、いつもありがとうございます」
早苗は言って、深く頭を下げた。
……お婆ちゃんから今までどれだけの信仰が得られたのかな……?
目の前の老婆から得た信仰の大きさを感じ、早苗の胸は感謝の念で押し潰されそうになった。だけども早苗は堪える。押し潰されてはいけない、と。
「どうしたんだい、早苗ちゃん? そんな急に改まって」
石崎は早苗の行動に慌てた。早苗は出来る限り一番の笑顔で彼女を落ち着かせる。心中では苦虫を百匹噛み潰しても、早苗は必死に笑顔を務めた。
「……曾孫さん、お元気に成られるよう、私からも神様にお願いしておきますね。さようなら、石崎さん」
「ありがとう。それじゃあね、早苗ちゃん」
石崎は踵を返し、神社を背にする。その老婆の背に早苗はもう一度、別れを告げた。
「さようならー、お婆ちゃーん!」
大きな声で、仰ぐように手を振り。
……勝手にいなくなってしまって、ごめんなさい。
今週の日曜には姿を消すこの神社の参拝者を、早苗は見送った。
神は信仰が無いと存在できない。だが、信仰は神の為だけにあるのではない。信仰とは、極論を言ってしまえば神に何らかの見返りを求める浅ましい行為と言える。
――信仰は儚き人間の為に。
人が神への信仰心を忘れたとき、きっと古き良きこの国は無くなっているのだろう。
だが早苗は思う。人間は儚い存在だが、そこまで愚かではない、と。
お気を付けください。
東風谷早苗は朝食を取っている途中、現人神、という単語を昨日社会の授業のとき耳にしたことをふと思い出した。社会の先生が説明した現人神、そして彼女自身が自負する現人神は少しずれていた。
早苗は風雨、つまり人が奇跡と称す術を操る事が出来る。それは彼女の一族が代々伝える一子相伝の秘術であり、一族が仕える祭神の徳から得られる力だ。早苗は幼い頃から巧みにそれらの術を操ることが出来、歴代の一族の中でもその能力は秀でていた。いわゆる“天才”だったのだ。
ただ、生まれてくる時代が遅すぎた。彼女の力を有益に使うことは今の時代では難しい。早苗自身そう思っていた。この奇跡の力を大々的に広告してもロクなことには使われないだろう、と。見世物になるもの嫌だし、奇妙なオカルトとして崇拝されるのも困る。妙な学者が挙って集まって来てもいい迷惑だ。
故に彼女の出した結論は、現状のままが一番、ということであった。
だが、現状は変化を迎えようとしていた。その発端は早苗が切り盛りする守矢神社の祭神、八坂神奈子の言葉だった。
「早苗、このままではまずいわ。信仰が足りない。私達の存在が消えてしまう」
信仰、それは人が神を信じる心である。そして、信仰を得られない神は、神として存在出来ない。
虫のいい話だが、日本人は宗教に疎い割に良く神に頼る。神頼みという言葉もあり、賽銭などがいい例だろう。
だけど実際、“神の存在”を本当に信じる人間は少ない。日本人はとにかく“神様”をその場限りで信じる者が多すぎるのだ。この国の神様が本当に八百万存在すると知る人間は殆どいないのだろう。
それでも神様達は人に手を貸す。神にはお人好しが多いのだ。だが人は、その恩恵や奇跡を神がもたらしてくれたものだと気付いていない。だから神の存在は朽ちてしまう。
……世界的に有名な神様達は、こんなことじゃ悩まないんでしょうね。
早苗はキリストやアッラーが羨ましいと切実に思い、溜め息を漏らした。朝食を一人取る時間は本当に静かで、つい思慮に浸ってしまう。
壁に掛けられた時計を眺めると五時半、いつも通りのサイクルだ。朝食を食べ終わり、手を合わせ、「ご馳走様」と言う。“ご馳走様”という言葉も“頂きます”も、大切な信仰の一つである。食器を片付け、軽く境内の掃除をする。境内から見渡す景色には秋の色が混ざり始めていた。早苗はそんな何気無い風景にそっと微笑み、竹箒で石畳を掃く。
掃除を終えて、居間に戻ると五時五十二分。いつもより少し早いことが多少気になりつつも、早苗は次に風呂場へと向かった。シャワーを浴びる為だ。早苗は脱衣所で、パジャマを脱いで浴場へと入る。始め、彼女はお湯ではなく、冷水を浴びた。清めの行水と言えば誇大表現だが、実際それほど大きな意味合いは無く、早苗はまだ少し寝ぼけている頭を覚醒させるために行なっている。正直、身体には悪いと彼女自身わかっているのだが、癖になってしまっていた。その後にお湯を浴びるので、冬場などとても危ない。
風呂から上がると、早苗は自室で制服に着替える。飾り気の無いセーラー服だが、田舎の公立高校などこんなものだと割り切ってしまえば愛着も沸く。スカートの丈は短すぎず、長すぎず。彼女の友達からは、もう少し短くてもいいんじゃないと言われたが、校則という言葉絡んできてどうなのだろうと、早苗は考えてしまう。早苗は真面目すぎる、とよく言われるが、やはりそうなのだろう。彼女自身、自分ではそんなつもりはあまり無かったが、人から言われるのだからと思った。
「って、さっきから何人の着替えを覗いてるんですか、神奈子様!?」
「いや、早苗の日々の成長をこの目で確認しようと、ね?」
早苗は呆れて、溜め息を一つ。返した言葉も辟易としていた。
「ね? じゃないでしょう、ね? じゃ。覗きは立派な犯罪ですよ」
「神に人が人の為に決めた法など無意味。覚えておきなさい、早苗」
「何ちょっとカッコいいでしょ、的な視線を送ってきてるんですか。覗きはいけないことなんですから……」
「失礼ね。下心なんて無いから覗きじゃないわよ。あるのはそう……、親心だけ」
神奈子は自信満々に胸を張って言うが、親心からだろうと覗きは覗きだ。親子だろうと、神と巫女だろうと、ある程度のプライバシーというのは大事である。
「それにもうちょっと反応してくれてもいいじゃないか。キャッ、何覗いてるんですかぁ、みたいな感じで」
神奈子は妙に高い声色で期待していた反応を実践したが、対する早苗はすでに呆れ返っていた。
「……神奈子様って朝強いですよね」
「神に朝も夜も無いわよ。全く、ノリが悪い……。それにしても、早苗」
「何ですか?」
「また胸おっきくなったのね。私、少しだけ興奮しちゃったわ」
「完全に下心じゃないですかっ!」
「こんなにも魅力的になって、大切な私の巫女に悪い虫が付かないか心配よ……」
こうして、いつものように朝の談笑を巫女と神は交わす。その会話は日常のこと、ただの雑談がほとんどだ。神奈子と早苗は神と巫女である以上の絆があった。それは親子のような心地良いものだ。
談笑は登校時間まで続き、そして時間に来れば早苗は、学校へと向かうのだ。
「いってらっしゃーい」
神奈子が手を振って早苗を見送る。神奈子の隣にはいつの間にかもう一人いた。神奈子よりも背は低く、容姿も幼く見える。守矢神社のもう一人の祭神、洩矢諏訪子だ。
「いってらっしゃい、早苗。帰ったら遊びましょうねー」
諏訪子は笑顔で言う。諏訪子の言葉に神奈子は少し不満気な口調で漏らした。
「私もちゃんと混ぜてね。いつも二人で盛り上がる」
神奈子の言葉に諏訪子は苦笑した。
「だって神奈子、ゲーム弱いんだもの」
「弱くない。常時酒が入ってないと手の調子悪いんだよ。震えるの」
「あはは、神奈子ってばダメ神様」
「冗談でもそういうこと言っちゃダメですってば! ……もう、仲良く遊びましょうね」
早苗はやれやれとした口調で二人の神様を説く。早苗の苦労を知ってか知らずか、二人の神様は笑っていた。
――私達の存在が消えてしまう。
夏休みのある晩、早苗と神奈子、二人は境内から星を眺めていた。雲は皆無で、下弦の月も輝いていた。美麗な夜空の下、神奈子が唐突に告げたのだ。早苗は返す言葉が見つからず、神奈子は静かに続ける。
「今、この国の神は危機に陥っているわ。人間は神を信じなくなった。神よりも確かに見て取れるものを信仰するようになった。それは科学であったり、社会であったり、自身であったり。だからこの国を古来より支え続けていた神はいずれいなくなるわ」
現代日本人の神に対する信仰心が、あまりにも希薄となっていることは昔から知っていた。それは神奈子が抑揚の無い声で、溜め息交じりに漏らしていたことが多々あるからだ。
そして何より早苗自身それを感じていた。早苗の力もまた、信仰を必要とするからである。神も信仰を集めるのに苦労する時勢、いくら風祝であろうとも、人間である早苗に信仰の収集など思うように出来るはずが無かった。それに彼女の力は他人に知られることもほとんど無かった為、尚更だ。早苗を信仰心を抱くのは、極一部の親類の人間だけだった。
いつもは表情に余裕と冗談が覗えた神奈子だったが、このときの彼女は真摯に早苗の瞳を直視していた。不満というよりも危殆を孕む表情に、早苗は神奈子の言葉を聞くことしか出来なかった。
「早苗。神よりも前に迷信とされ、この国から追放された者達がいるんだが、わかる?」
早苗は急な問いに驚いたが、すぐに思考を落ちつかせ考える。何だろうか、と沈潜しても一向に答えは見つからず、早苗は神奈子を見た。
「妖怪よ。物の怪と呼ばれ、かつて人から危惧された存在は、この国では既に忘れ去られている。でも妖怪は賢かったわ。自らの危機を糧と変えたの。常識の壁で里を囲い、理想郷を作った。その理想郷こそが幻想郷よ」
「幻想郷?」
「私はそこへ向かおうと思うわ。消えた信仰もきっとそこへ集まったはず。そして妖怪から信仰を得るの」
常識外れとされ、この国から消えた者が集まる地、幻想郷。早苗はその言葉を聞いたとき、心の奥底から湧き上がるものを感じた。湧き上がる感情は快く、どこか自身を不安にさせる。興奮にも似たその感情を、期待なのだろうと早苗は思う。十数年間培ってきた神徳の術を、彼女はようやく思う存分発揮することが出来るのだ。
……そして私の力があれば、幻想郷中の信仰が得られるはず……。
奇跡の世界を想うと、自然と胸が躍る。
だが、同時に何人かの顔が頭の中を過ぎった。学校の友達であったり、良く参拝に来る近所のお婆ちゃん、両親、親しい者達の顔だ。それこそ今生の別れになるのだ。それを悟ったのか、神奈子は、
「ゆっくり考えなさいな。早苗はこの世界の人間なんだから……」
と優しく、笑顔で言った。神奈子は早苗の頭を撫で、宵闇よりも沈んだ闇を忍ばせる本殿の中へ透き通るように入っていった。
しかし早苗の胸の内は、すでに答えを出していた。
「おはよー、こっちん」「早苗、おはよう」「おはよ、いいんちょ」
教室に入ると、早苗はクラスメイトから色々な呼び名で挨拶を交わされる。『委員長』は学級委員長をやっているのだから許せせるとしても、東風谷だから『こっちん』というのは少し許せないと、早苗は不満気に漏らす。
「こっちんは止めてくださいよぉ」
だが、現状の教室内ではこっちん派が優勢である。
「あはは、おはようこっちん」
早苗は窓側にある自分の席に着き、鞄を机の脇に掛け、声を掛けてきた後ろの席に座る少女へと振り返る。
「優希までこっちんって……」
「ゴメンゴメン、早苗ぇ。拗ねるなよぉ」
優希は苦笑しながら、早苗の頬を突っ突く。
「止めてください」
「もう、怒っちゃ嫌だよ。それにしても早苗のほっぺ柔らかいわぁー」
早苗は溜め息を一つ、早苗の心情を察しようとしない優希は悦に浸っている。優希と早苗は小中高ずっと同じ学校で、早苗の一番の親友である
「そういえば、早苗。一つ聞きたいことがあったんだけど」
「何ですか?」
「早苗ってさらし巻かないの?」
「一体私をいつの人間だと思ってるんですか。巻きませんよ」
「いやぁ、やっぱ巫女だし。さらしの方が、何ていうのかな、萌えじゃない?」
「言ってることがよくわかりません」
いつもと同じような談笑を早苗と優希が交わしていると、一人の男子生徒が近付いてきた。サッカー部のエースで、クラスのムードメーカーである鈴木だ。
「委員長、数学でわからないとこがあるんだけど教えてくれね?」
鈴木は数学の教科書を携えて、少し緊張した面持ちで早苗の席の隣に立つ。
「あっ、はい、いいよ。どこですか?」
早苗は鈴木の緊張を疑問に思った。鈴木には何度か教えたことがあるが、今日の鈴木はどこか落ち着きが無いように感じ取れたのだ。だが、早苗は気にしながらも了承をした。
「じゃあ、鈴木、私の席使っていいよ」
優希は少しだけにやけて席を立った。優希が向かう方を、早苗が一瞥すると数人の女子と男子が固まっているグループだった。気のせいか、そのグループは早苗の方を見ているように感じ取れた。ありがと、と鈴木は優希に礼を言い、彼女の席に掛ける。先ほどの早苗と優希同様、二人は向かい合う形となる。
「で、ここ何だけど……」
鈴木は教科書を開き、わからない箇所を指で示す。
「ああ、ここはこの公式を応用して使えばいいんですよ」
早苗はノートを開き、実際に解いて見せながら、細かな説明をした。教えている間、早苗は鈴木の表情を覗っていたが、相変わらず彼の表情はどこか固い。
「なるほど、そういうことか」
「はい、そういうことです。他にわからない箇所は無いですか?」
「いや、今のところ大丈夫だよ、ありがとう委員長」
鈴木は微笑むがやはりどこか不自然な笑みだった。早苗は調子が悪いのかとついに訊こうとしたが、その言葉は鈴木の表情の変化によって遮られた。彼は表情を改めて、
「……あのさ、東風谷。今度の日曜、遊びに行かない?」
そう、早苗に告げた。
「ついに、鈴木まで振ったか。難攻不落の無敵戦艦め」
「また意味のわからないことを。本当に用があったんですって」
別に早苗は振ったとは考えていなかった。それ以前に振ったと言われるまで遊びの誘いが告白の類だとは気付いていなかった。
今は午前の授業を終えた昼休みの時間である。それぞれが一喜一憂の表情を浮かべ昼食を取り、早苗は優希と一緒に食べていた。
「何人目よ、全く。流石に余裕の早苗さんは違いますね」
優希の卑屈な物言いに早苗はすかさず返す。
「私は優希だってモテるじゃないですか」
「否定しないんだ。やっぱ、自分でもモテてるって思ってるんだ」
「だから別にそんなんじゃありません」
「大体さぁ、鈴木のどこがいけないわけ?」
「いや、だから別に鈴木君が悪いわけじゃないです。カッコいいと思いますし、優しいですし」
じゃあ何で、と優希は心底不思議そうに早苗に訊く。問答される早苗は苦笑を交えて答えた。
「だから、用があるんですって。大切な用事が。それに私は正直、鈴木君を特別意識したこと無かったですし」
「早苗って男を好きなったこと無いの? それとも何、男に興味ないとか?」
優希はやれやれとした口調で問うた。対して早苗が出した答えは溜め息だった。優希は早苗の苦い笑みをじっと見詰め、ややあって自らの中で合点したのか、晴れた表情を見せた。そして、彼女は顔赤らめて、恥を覚悟するように言う。
「……私なら、その大丈夫よ? 早苗なら、受け止めてあげられるわ。早苗となら社会の荒波の中でも生きていける!」
「勝手に覚悟を決めないでください! 私にはそんなつもりは無いよぉ」
いつものように自分をからかう優希の顔を見ていると、早苗はあることを思い出した。そして、自分の鞄の中からあるものを取り出す。白い布に、ティッシュを丸い形に詰めて縛り、顔を描いた“それ”を窓の上方へ紐で括りつける。てるてる坊主、だ。
「何やってんの、早苗?」
「てるてる坊主です。来週の体育祭、雨が降らないように」
優希は笑いを堪えているようだった。早苗はそんな彼女の態度に少し不満気に言葉を漏らす。
「何ですか。何かいけないんですか?」
「いや、早苗って、くくっ……、本当に可愛いなって思ってさ。ははは、ゴメンゴメン。はは……、私が男だったら絶対、あんたに惚れてるわ、くく……。でもさ、実際てるてる坊主なんていらないでしょ? 早苗は究極の晴れ女なんだから。早苗がいると大事イベントのとき絶対雨降らないんだもん。かと言ってここら辺の地域、節水って言葉知らないくらい、水不足にならないし井戸水も綺麗だし、ホント早苗ってば都合のいい晴れ女よね。お天気の神様が味方してくれてるみたい」
優希の揚々とした言葉に、早苗は少しだけ苦味を持った笑みを浮かべた。そして優希から視線を移し、初めて自身で作ったてるてる坊主を眺めた。
本殿へと続く石畳の階段を早苗は上っていく。途中、何人かの参拝客とすれ違い、早苗は挨拶をする。何人か顔見知りの姿も見受けられた。その中に階段をゆっくりと一段ずつ上る腰の曲がった老婆の姿があった。早苗はその老婆に駆け寄る。
「石崎さん、今日もいらっしゃい」
「あら早苗ちゃん、おかえり。日課ですからねぇ、欠かさずに来んといけないわ」
早苗が石崎と呼んだ老婆はゆっくり受け答えをした。早苗は石崎の身体を支え、緩慢な彼女の歩調に合わせて階段を上る。
「ありがとうねぇ、早苗ちゃん。年を取ると身体が全然言うこと聞かんくなる」
「何言ってるんですか、お婆ちゃんはまだまだ元気じゃないですか。毎日参拝に来ていただいているのなんて、石崎のお婆ちゃんくらいですよ?」
早苗の言うとおり、石崎は何か用事でもない限り、毎日参拝に来てくれていた。他にも週に何度か来てくれる人間や早苗によくしてくれる人間も沢山いる。そんな人達の何気ない会話を思い出すと胸が苦しくなる。
「守矢の神様はよくしてくださるからよ。曾孫が病気になってしまってね、治してもらわんとねぇ」
早苗は笑みを作った。精一杯作ったつもりだったが、その笑みは悄然としたものになってしまったと彼女自身感じていた。
「きっと、神様は助けてくださいますよ。神様はとってもお優しい方ばかりですから……」
早苗は参拝を終えた石崎と階段を一緒に降りる。最後の段を降り切るところまで、しっかりと支えて手伝った。
「いつもありがとうね、早苗ちゃん」
「いえいえ、こちらこそ、いつもありがとうございます」
早苗は言って、深く頭を下げた。
……お婆ちゃんから今までどれだけの信仰が得られたのかな……?
目の前の老婆から得た信仰の大きさを感じ、早苗の胸は感謝の念で押し潰されそうになった。だけども早苗は堪える。押し潰されてはいけない、と。
「どうしたんだい、早苗ちゃん? そんな急に改まって」
石崎は早苗の行動に慌てた。早苗は出来る限り一番の笑顔で彼女を落ち着かせる。心中では苦虫を百匹噛み潰しても、早苗は必死に笑顔を務めた。
「……曾孫さん、お元気に成られるよう、私からも神様にお願いしておきますね。さようなら、石崎さん」
「ありがとう。それじゃあね、早苗ちゃん」
石崎は踵を返し、神社を背にする。その老婆の背に早苗はもう一度、別れを告げた。
「さようならー、お婆ちゃーん!」
大きな声で、仰ぐように手を振り。
……勝手にいなくなってしまって、ごめんなさい。
今週の日曜には姿を消すこの神社の参拝者を、早苗は見送った。
神は信仰が無いと存在できない。だが、信仰は神の為だけにあるのではない。信仰とは、極論を言ってしまえば神に何らかの見返りを求める浅ましい行為と言える。
――信仰は儚き人間の為に。
人が神への信仰心を忘れたとき、きっと古き良きこの国は無くなっているのだろう。
だが早苗は思う。人間は儚い存在だが、そこまで愚かではない、と。
あと病気などは『直す』じゃなく『治す』の方がいいですよ
よって続編希望。
内容も面白そうだっただけにとんでもなく惜しいわ。
あれほどの才能をお持ちの御仁は早々いないでしょう。
最初東方プロジェクト作品を見たとき、まさか個人サークルだとは思いもしませんでした。
曲名に関しても、あそこまでセンスの良いタイトルは、少なくとも私には無理です。
出来るなら続編お待ちしています。
内容自体はとっても良かったと思いますよー。
例えばオリキャラ一つを取っても
>サッカー部のエースで、クラスのムードメーカーである鈴木だ。
この辺りはあまりにもテンプレ過ぎていかがなものかと。