Coolier - 新生・東方創想話

神様の依り代

2007/10/15 06:39:05
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風神録ネタです。























秋も深まり、山の紅葉も美しく舞い散る

紅葉狩りと称して天狗の郷にて、加奈子と天狗が宴会をしていたのであった。

それぞれが持ち寄った酒を飲み、芸をする、
そんな信仰(親交)を深めている中、
神奈子がこんな事を言った。

「この天狗の郷に、あたしの神社の分社を作ってもらえないか? ちっさいので良いからさ」

「何故か?」と天狗が聞いたところ、

「分社が在れば、すぐにココに来ることが出来る、それに、
貴方達も、宴会に誘う為に、いちいち家の神社まで来なくてよくなる、
分社に話しかければ、すぐにあたしに繋がるからね」

天狗も忙しい身である(主に新聞作りに)
簡単に連絡が取れるなら、それに越したことは無い、
「確かに、それならば」と長老は許可を出し分社を建てることになった。

建てられる分社は本当に小さな社だった。
30センチ四方程度の小さな社。
しかし、それで十分、分社とは大きさでは無く、名前が肝心なのである。
小さくても、神奈子の名前を冠するなら、それは神奈子の神社なのだから。

ほんの数日で社は建った、
しかし、天狗は困っていた。

「神社と言うものには御神体と言うものがある、御神体とはその神を表す物だ」
「何を御神体とすれば良いのか?」

その中、偶々郷に帰っていた、「射命丸 文」に白羽の矢が立った

「射命丸よ、先の件、お主も関与したゆえ御神体となる物を探してまいれ」

「あややや、私がですか?長老様?」
(先の件、関与て…命令したの長老じゃないですか…)
「うん?何か問題でもあるかの?」
「いえ…、射命丸、しかと命(めい)を受けました!!」
(コレも組織に殉ずるが故…、逆らえないのよね…トホホ)

そう心で呟きつつ文は、飛び立った。




文は空を飛びながら考えていた。
「う~ん…やはり、神奈子さんに何が良いか聞くべきでしょうか…?」

しかし、それでは面白くない、
そう考えつつ文は空を駆けていった。




「やはり、先ずはココですよね」
そう言い、到着した先は博麗神社、
博麗神社の御神体を参考にしようと考えたのだった。

「こんにちは、霊夢さん」
「あら、何か用かしら?カラスさん?」
「射命丸です…」
境内を掃除していた霊夢に挨拶をし
「早速ですが、お願いがあります」
「ん?なに?」
「博麗神社の御神体を見せてください」

「だめ」
「即答ですか…、お願いします、良いじゃないですか、減るものじゃないし」
「だめよ、御神体は見せ物じゃないわ、それに、何で見たいのよ?」

まさか、神奈子の分社の御神体の参考にしたいとは言えない…、
そんなことを言ったら、
「神奈子の神社を奉るくらいなら、うちの神社にお賽銭を入れなさい!!」
と言って退治されそうである

「え~と、ですね、最近ネタに困っていまして、名高い博麗神社特集などを組もうかと思いまして…」
「それは良い心掛けね、この神社の事を知ってくれる人が増えれば参拝客が増えてお賽銭が増えるかも…」
「そうですよ!!、ですからその為に、御神体を見せてください!!」
「それは、ダメ」
「あややや…、即答ですか…」
「御神体なんぞ撮らなくても、特集は組めるでしょ」
「やはり、信仰する以上は、なにを崇めているのか知りたいじゃないですか」
「この神社を信仰していればいいのよ」

どうもこうも博麗巫女は見せてくれる気は毛頭無いらしい

「あ~う~…、分かりました…諦めます…」
「そう、でも、博麗神社特集はしなさいよ」
「え~~!!、取材協力してくれないのに、特集を組めと言うのですか?」
「そうよ、神社特集を組む許可を出したのだから、しっかりやりなさい、そして博麗神社の知名度を上げるのよ!!」

(トホホ、余計な仕事が増えてしまいました…)
そう、心で呟き溜息を吐いた、
「うん?、なに溜息なんて吐いているの」

ギクッ
「い、いえ、何でもないです、それではコレで失礼しますね!!」

そう言い残し文は再び、空へと翔けた。





「ん~、参考にならなかったですね…」

一体何を用意すれば良いのか、頭を悩ませつつ飛んでいると、
一軒の建物が目に入った。

「アレは…良し!!、あそこにしましょう」


降り立ったさきは「香霖堂」

「ここなら色々ありますから良いのがあるかもしれません」

扉を開けると、店主である森近 霖之助が本を片手にくつろいでいた。

「こんにちは、霖乃助さん」
「やぁ、いらっしゃい、射命丸 文さん、だったかな」
「文でいいですよ」
「そうかい、いらっしゃい、文さん、今日は何の用かな?」
「霖乃助さん、相談があるのです」
「ん?なんだい?」
「実は、神社の御神体になるような物を探しています、何かありませんか?」

霖乃助は本をカウンターに置くと
「ふむ、神社の御神体ね…、僕の知識だと、主に「鏡、刀、玉、石、木」
他に一部に有名なのに「白い羽」かな、まぁ、祀る神様を表すモノだったりするけど」
「大きいのは無理ですね小さな社ですから」
「そうかい、この店には外の世界の物も有るから探してみるのも良いかもしれないよ」
「そうですね、面白い物が有るかもしれませんから、探させてください」
「面白さで決めるのかい?」
「もちろんです」
そう言い文は香霖堂を物色しだした




そうして30分程物色をしたが、余り大したものは出てこなかった
「う~ん、困りました、なかなか良いのが出てきません…他に何か有りませんか?霖乃助さん」
「ふむ、では、まだ店に並べていないコレはどうだろう?外の世界に詳しい妖怪に聞いたところ、
古いらしいが、いまだに外の世界でも信仰されている物らしい」
「!!、こ…これは……良いです!!、コレにします!!、何でコレを最初に出してくれなかったのですか!?」
「なぜって、用途が良く解らなかったからだよ、名前は解るのだけど、用途が多すぎて、よく解らない物なのだ」
「それだけ多目的に使えると言う事です!!、では、コレを貰っていきます!!、ところで、これ名前はなんですか?」
「毎度あり、名前は「      」だよ、では支払いの方は…」
「私の文々。新聞、一ヶ月購読無料で良いですね、では、さようなら」
そう言うと文は風の様に去った

「…、一ヶ月は焚き木に火を付ける紙に苦労はしなくてよさそうだ…orz」













天狗の里に帰ってきた文は、すぐに長老のところに向かった。

「長老様、射命丸、戻りました」
長老の前に膝を付いて頭を下げる

「射命丸、首尾はどうだったか?」
「はい、こちらです…ご検分を…」

そう言い文は長老にソレを差し出した。


「ふうぅむ、流石じゃ!!、神奈子殿を祀るに相応しい!!、良くやった!!、射命丸!!」
「ありがとうございます」

そうして、社に御神体が入り分社は完成した。

他の天狗も集まり、完成を祝い宴会をしようと長老が分社に向かって声をかけた。
「神奈子殿、社が完成しました、それを祝って宴会をいたしますが、こられませんか?」


そう声を掛けた瞬間に神奈子が現れた。
「や~すまないね~、長老、苦労を掛けたね」

そう言い神奈子は分社を見た。
「おっ、なかなか立派じゃないか!!、ど~れ中はっと」

神奈子、社の扉を開け中を覗き込むと、



そこに在るは、






「…………はい?」




「ギギギ」と音がするかの様に神奈子は振り向き

「これ……何…?」
神奈子にとって鬼物がそこにあった


そして文が素晴らしい笑顔で言霊を放った
「それが神奈子様の御神体としました、ガンプラ(ガ○キャノン)です!!」








流れる沈黙








沈黙を破ったのは神奈子だった

凍りついた顔のまま
「な…何故にコレ…?」


良い笑顔のまま、文が
「赤い体に、肩から生えている2本の柱、そっくりじゃないですか!!」





「これは!、これは!!、砲台じゃないのよーーーーー!!!!」


そう言い神奈子は砲台…もとい、柱を装備し

   砲符「一世葬者(いっせいそうしゃ)」を放った

そこらじゅうに降り注ぐ弾幕の嵐

直撃を食らった天狗達が断末魔を叫びながら宙を舞う

音的には

ザク!!(地面に弾が刺さった)ドム!!(直撃) 「グフゥ!!」(断末魔)

といった感じである


「よりによってガ○キャノン!!、赤くて砲台なら、セイバーガ○ダムの方が良かったーーー!!」


あ…そっちなんだ…

雨のように降り注ぐ弾幕の中、神奈子は泣いていた





一方、博麗神社

霊夢は神社の掃除をしていた

「なんだか、山の方が騒がしいわね…」

そう言い山の方へ視線を送りつつ神社の中に入る

「御神体ね………、こんなの見せたら、益々誰も来なくなるじゃない…」

神社の中、そこには掛け軸が奉ってあり、それには達筆で


        麦酒



と、書いてあった。

これが、博麗神社の御神体であった…




おわれ
名前 「ガンプラ(ガ○キャノン)」

用途 「組み立てる・見てニヤニヤする・部屋に飾る・ジオラマを作る・etc…」




どうも弐猫です

自分の拙い文章を読んでいただき感謝いたします。

絵板のガ○キャノン神奈子を見てこのネタを思いつきました。

アイディアを下さった絵板の方々ありがとうございます。この場にてお礼を申し上げます。

弐猫
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コメント



0.540簡易評価
2.70名前が無い程度の能力削除
そうきたか・・・
3.50名前が無い程度の能力削除
博麗神社のご神体に非常に納得が…。
4.無評価文月削除
博麗神社の御神体がソレなら祀ってる神様が浅間さまに変わっても何も問題ないなw
神奈子様はガンキャノンはお嫌ですかならばこれをどうぞ
つシャア専用ギャンキャノン
5.90文月削除
得点入れ忘れorz
11.30アズサ2号削除
ネタSSですね。波長が合わなかったのでこの点数になりました。