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神 蝶 華~ZIN CHO GE~ 泥濘の章

2007/10/09 09:02:57
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----------------------ご注意----------------------------

このSSは以前投稿させて頂いた神蝶華シリーズの続編です。
以前の作品は作品集15に
神蝶華~ZIN CHO GE~ 序章
神蝶華~ZIN CHO GE~ 迷いの章
神蝶華~ZIN CHO GE~ 絶望の章

がありますので、そちらをご一読頂いてからお読みになる事をお勧めします。
でないと話が繋がらず、高確率で「何ぞコレ?」になります。

以前のSSは下記SS以下のクオリティですが、平にご容赦の程をorz

また、本編のラスト付近からオリジナルキャラが出ますので、
「その手のSSはNG」と言う方にはお勧め出来ません。

上記ご了承頂ける方は以下の本編をどうぞ↓
--------------------------------------------------------
































 ―何故、助けられなかった

 ―何故、間に合わなかった

 ―何故、失ってしまうのか

 ―何故?

 ―何故…?

 ―…もう嫌だ

 ―もうこんな世界は真っ平だ

 ―もうこんな世界は大嫌いだ

 ―世界が私を拒絶するのなら

 ―私もこの世界を拒絶しよう

 ―もう誰も愛さない

 ―もう何も信じない

 ―もう何も…

 ―何も…



      神 蝶 華
  ~ZIN CHO GE~

      泥濘の章



 永遠亭の廊下を包帯を巻かれた少女が一人歩いている。
 傍らには同じく、包帯を巻いた人魂らしきモノも浮いている。

 その少女の名は魂魄妖夢といった。

 白玉楼の爆発事件から既に三日が経過していた。
 あの大爆発で、妖夢と紫はかなりの距離を飛ばされたらしく、気が付いた時には既に永遠亭付近の竹林に墜落していた後だった。
 その後、二人は永遠亭の面々に回収され、治療を受けている今に至るのだが…

 墜落時に打ち所が悪かったのか、妖夢の左腕にはひびが入っており、
 妖夢は永琳に『完治するまでは永遠亭から外出禁止』を申し付けられてしまった。
 
「…これでは幽々子様の仇討ちすら出来ないじゃないか…」

 己の不甲斐無さに、妖夢は己の無事を呪わずには居られなかった。
 後悔、自責、不実、不忠…
 あらゆる負の感情が胸に溢れ、俯いた目から涙をこぼさせた。
 
「ぃよぅ!みょん助ェ!!大分沈んでるなァ!」

 荒い声と同時に、妖夢の背中にこれまた荒い張り手が打ち据えられる。

「っっ!!!!げほっ!けほけほ!」

 間の悪い張り手で強かに背中を叩かれ、妖夢が思わず咽る。
 自称普通の魔『砲』使い、霧雨魔理沙である。
 張り手をくれた魔理沙本人はああしまった、と慌てて妖夢の背中をさすった。
 
「悪ィ悪ィ、みょん助は一応怪我人だったな、自棄酒ならここに3升程日本酒があるぜ?」

「みょん助って呼ばないでよ魔理沙、その呼び名は嫌いなんだから。何かにつけて『みょんちゃん』やら『みょん助』と…」

「あー?気に入らねェか?私は可愛いと思うんだがなァ」

 酒瓶三本を担ぎ直しながら、魔理沙はむくれる妖夢をなだめた。

「…所で魔理沙…八雲…紫様は…」

 妖夢は魔理沙に気がかりだった事を聞いた。
 永遠亭に回収されて三日、紫の様子を伺う事はおろか、容態すら答えて貰えず終いだったのだ。

「…あァ、私もさっき見て来たんだが…ありゃァ酷ェなんて生易しい次元じゃ無ェな…」

 そう言って、魔理沙は後ろの閉ざされた座敷を見やる。

 数刻前、文句の一つでも言ってやろうと殴り込んだが、その景色を目の当たりにし、魔理沙は絶句した。
 そこにはマヨヒガから急ぎ駆けつけた藍と、主治医である八意永琳、そして車椅子に座っている八雲紫…

 否、八雲紫『だった者』がそこに居た。

 美しかった金髪は振り乱され、怪しい輝きと魅力は見る影も無く、
 目は病的に見開かれ、焦点の定まらぬ瞳孔がゆらゆらと揺れている。
 口はだらしなく開かれたまま、言葉が発せられる事は無い。
 車椅子に座らされ、ただ虚空を見つめるその姿は
 あたかも壊れ、ゴミ捨て場に放り投げられた人形の様であった。

「私も話半分でしか聞いちゃ居ねェがよ、何つーか…『魂そのものがブッ壊れた』っつーのかな。
 永琳の話じゃァ植物状態の一歩手前、辛うじて心肺機能が生きてるだけで、後はまるで人形か抜け殻と同じだそうだぜ…アイツ」

「…紫様…」

 先程の負の概念が再び湧き上がったのか、妖夢の眼から大粒の涙が零れ落ちた。

「…まァ…ああなるのもムリ無ェよな…目の前で、しかも同じ状況で、手前の惚れた女の死に様を二度も見せられちゃァ…あ…」

 魔理沙は『やっちまった』と頭を抱えた。
 その死んだ女は妖夢の主だ。
 幾ら他人の話とはいえ、己の主を失った本人の前でその事をべらべら話して良い訳が無い。
 
「…す…済まねェ…私…その…」

「いや…気にせずに居て頂戴、魔理沙…貴女が謝る事ではないから…」

 妖夢の見せる精一杯の笑顔、その笑顔を作る辛さが、より一層魔理沙の胸を締め付けた。

「…………!!」

「………!!」

 ふと、後ろの座敷が騒がしくなっている。
 何やらばたばたと騒ぎ、暴れる様な音が聞こえている。

「何呆けてンのよこの馬鹿!!さっさと目ェ醒ましなさいよ!!!」

 聞き覚えのある怒声に続けてずしんという衝撃の後、物が壊れ瓦解する轟音が障子越しに響く。

「れ…霊夢殿!!落ち着かれよ!!主は今酷い怪我で…」

「五月蝿い!!腰巾着の猫バカ狐は黙ってなさい!!」

「なっ!?こ…腰巾ちゃ…猫バ…っ~~~~!!?」

 どうやら誰かが『一番呼んではならない人物』である博麗霊夢を呼び寄せたらしい。

 霊夢は唯一、紫を己の好敵手と認め、頼れる相棒とも紫を目していた。
 それ故に、こうなってしまった紫を見せるのは霊夢にとっても相当なショックを与え、激昂させるには十分過ぎる理由である

「ったくよォ…何処の馬鹿だよ!霊夢呼んだ奴h」

 そう言い掛けた魔理沙の意識を数瞬、前方から飛来したモノに殺ぎ落とされた。 

 目の前に飛ぶ自分のトレードマークを眺めながら、状況を把握しようと情報を集める。
 結果、どうやら自分の意識を殺ぎ落としたのは、霊夢に投げ飛ばされた紫であったと判明した。

「い゛…い゛ででで…一体何がどうなっt」
「魔理沙!邪魔ァッ!!」

 鈍い衝撃音の後、砂利と相応に重量があるモノが互いにぶつかり、またも魔理沙の意識を数瞬削る。

 破れた障子の奥からやってきた霊夢に蹴飛ばされ、魔理沙は枯山水に頭から突っ込んだからだ。
 当の霊夢は紫の胸倉を掴み、近くの柱に叩き付ける。
 大きく肩で息をし、その顔は憤怒の形相を露にしていた。

 何時ものお気楽巫女の顔(かんばせ)なぞ微塵も無い、ただ怒りにのみ染め上げられた表情だ。

「ホラぁ!起きろ寝坊助!!起きろォ!!起きて私と弾幕(や)んなさい!!今すぐに!!
 でなきゃ…今ここでアンタも!アンタの式も殺すわよ!!?それでも良いの!?答えなさいよォ!!」

 紫の頬に幾度も平手を喰らわせ、前後に揺さぶり、詰り、罵倒する。
 ありとあらゆる手段を用い、必死に紫を覚醒させようと霊夢は叫んだ。

 そんな霊夢の姿は何故か痛々しくもあり、何処か哀れでもあった。
 しかし、そんな霊夢の必死の行動も虚しく、紫は糸の切れたマリオネットの様に、力無くしな垂れるだけだった。

「……あぁそう…そうやって自分の殻に篭って、助けられるものも助けないままいじけてるの!!?
 今のアンタ見たら、幽々子は何て言うかしらね!!」

 霊夢はそう吐き捨て、紫を廊下へとかなぐり捨てた。
 しかし、紫は霊夢の叱咤にも反応せず、打ち付けられた痛みにうめき声をあげる事も無かった。

「…もういいわ、こんな雑魚妖怪に一目置いてたなんて…どうやら私もヤキが回ってたみたいね!!
 アンタはそうやって、一生後悔と自己満足しかない世界で…寝くたばったままで過ごしてなさい!!!」

 息を荒げながらそう吐き捨てた霊夢は踵を返し、永遠亭の出口へと向かって行く。

 が、しかし

「…一寸待てや…このヤロウ!!もう我慢なんねぇ!表ェ出ろ!霊夢!!私がブッ飛ばしてやらぁ!!」

 今一つ状況を飲み込めなかった魔理沙であったが、霊夢の言動は魔理沙の逆鱗に触れる事を容易に許した。

 顔面に張り付いた砂利を気に出来ない程激昂しているのだろう。
 被りかけた帽子を砂利に叩きつけ、枯山水を踏み躙り、その怒りを露にする。

 そんな魔理沙を尻目に霊夢は一瞬驚きを見せたものの、その驚きは直ぐに冷笑へと変わった。

「はぁ?何でアンタがキレなきゃならないのよ?
 まぁ蹴り飛ばしたのは悪かったけど…
 アンタが怒る道理が、蹴った事以外の何処にあるのかしらね?」

 魔理沙の言葉を鼻で笑い、嘲る。
 その態度が更に魔理沙を激昂させ、怒りを爆発させる。

「…イラつくぜ…テメェがこんなに嫌な奴たァ思った事ァ無ェ!!
 よくも手前の相棒にンな台詞が吐けるな!!それでも博麗の巫女かよ!!」

「クッ…ククク…っはははははははは!!
 アンタからそんな台詞が出るとはね!紫の壊れた姿見てアンタも壊れた?
 っははははは!!!」

 高らかな嘲笑、だが何故だろうか、嘲笑する霊夢の方が辛そうにも見える。
 
「ックク…良いわ、じゃあこうしましょう、紫が自分を取り戻し、この事件を収めるならば良し、
 さっきの事は全部取り消して、紫に土下座でも何でもして謝ってあげる、でも…」

「…でも何だよ」

 霊夢の冷淡な顔を睨みつけ、魔理沙が拳を握り込む。
 この先の霊夢の言動一つでは、その拳が霊夢に打ち下ろされるのは明白。
 その事実を誰もが容易に予想し、身構える。

 そんな空気を読んだのか、霊夢は科白を吐く前に一つ大きく息を吐いた。

「このまま自分の殻に篭り続けて『こちら』に帰って来れないその時は…
 所詮紫はその程度の器、見限って『消す』までの事よ。
 …これでもまだ文句があるなら聞くわよ、魔理沙」

 魔理沙は暫く考え、怒りでオーバーヒートした脳天を冷ます。
 事実、これ以上自分が怒って騒いだ所でいつもの紫が帰って来る訳が無い。
 しかも、赤の他人である自分がこれ以上八雲一家の事柄に首を突っ込むのは些か筋違いでもある。
 だが霊夢のあの態度は許せるものではない。

「藍、アンタもそれで良いわね?文句があるなら抱えボムじゃあるまいに、
 腹に抱えてないで全部ぶちまけなさい、そっちの方が私も清々するわ」

 魔理沙が言葉を紡ぐ前に、霊夢は藍へその矛先を向けた。
 霊夢も魔理沙もこれから起こる事態を予測し、自分の得物へと手を沿わせる。
 その様相を悟ったか、藍は暫し沈黙し、伏せた顔を上げて口を開いた。

「否、我からは何も無い…霊夢殿、我が主の為の一喝、有難く思う。
 そして魔理沙殿…こんな主の為の激昂と憤怒、感謝する。
 主が斯様な醜態をお見せする事を、どうか御二方共に平に御容赦願いたい…」

 そう一通り述べると藍はその場に正座し、深々と頭を下げた。

 意外。

 その場に居合わせた誰もが、この藍の行動に驚愕し、その言葉を思い浮かべた。

 今までの罵倒や嘲りで、真っ先に怒るのは彼女の筈である。
 が、怒りに顔を歪める事も無く、声を荒げて否定する事も無く、
 主の不始末は己の不始末とばかりに二人への陳謝と謝礼を述べ、頭を垂れた。
 文句や弾幕の一つでも飛んで来ると踏んでいた霊夢と魔理沙は、この行動によって完全に毒気を抜かれてしまった。

「…中間管理職は辛いわね、何時も上と下の尻拭いをさせられるんだから…
 …まぁ…私もちょっと冷静さを欠いて居たのは確かだけど…
 …ちょっとアレは無いわよね…藍、魔理沙…ごめんね」

 やっと冷静さを取り戻したのか、霊夢はばつが悪そうに頭を掻いた。

「…どうやら私も藍を見習わなきゃァいけねェみてェだぜ…
 私もその…色々とアレで済まんかったな、霊夢、藍」

 魔理沙も漸く顔に張り付いた砂利を払い除け、気恥ずかしそうにかりかりと鼻の頭を掻く。

 各々が己を省み、今更ながら醜態を晒していた事を詫びる。
 八雲紫という存在がなまじ大きかった分、この変貌による衝撃は尋常ではない。
 此度の事件で自分の受けたショックが想像以上に大きかった物だと二人は改めて確信した。

「御理解頂き光栄だ、だが…我が主がこのまま『此方』に帰らずでは、色々と厄介な事になる…」

 一瞬安堵の表情を見せた藍であったが、その表情は再び強張り、厳しい顔つきへと変わる。

 藍の言を受け、確かに、と霊夢は続けて言葉を紡ぐ。

「幸い『そちら側』でこの事を知るのは藍、貴女と橙ちゃん位でしょうし…
 早々に手を打たないと、私達が思っている以上に事が大きくなるでしょうね。」

 そもそも、紫は幻想郷を覆う結界の保守、監視を担う妖怪であり、妖(あやかし)側の支配、調停を司る者でもある。
 妖の中には、今が好機とばかりに『幻想郷を乗っ取ってやろう』などと馬鹿げた考えを抱く輩も居ないとは限らない。

「しかし、幽々子は光になって消えちゃったって言うし、その後すぐに白玉楼は何処かに消え失せるし…
 どうやって紫を元に戻せば良いのや…っ!!!!」

 霊夢が言葉を詰まらせたその刹那、突然大気と地面が共振し、地鳴りが響き渡る。
 何か巨大な物が地面を這いずり、遠くを移動している気配。
 そして、その気配は恐ろしい速度で此方に迫ってくる。
 しかも、尋常ならざる殺気と妖気を放ちながらである。

 三人は咄嗟に魔力、霊力、妖力を放出し、擬似的な結界を展開する。
 その刹那、凄まじい殺気と妖気が渦を成し、永遠亭の建物や霊夢達を襲った。
 永遠亭には永琳によって強固な密室化結界が施されているにも拘らず、
 妖気と殺意は結界をすり抜け、巨大な奔流となって辺りを暴れ回る。

「ぐぅぅおぉっ!!な…なンだよ…こりゃぁ…っ!!体がねじ切れっちまいそう…だぜっ!!」

 奔流は3人の擬似結界を捕らえ、押し潰そうと迫り、大蛇の如く締め上げる。

「凄い…妖気と殺気の圧力…!並みの妖怪や人間なら…潰れて死ねるわね…!」

 霊夢の言葉通り、周辺の命は急速に失われていた。
 植物は枯れ果て、虫や小動物は弾け飛び、ある者はその場で朽木の如く倒れ、そのまま動かなくなった。
 命あるものの悉くが死に魅入られ、その命を奪われ、朽ち果ててゆく。

「くっ…!局所結界を展開する!!皆私の後ろに回れ!!この気の圧力…並の妖怪変化ではない!!」

 藍が九つの尾を展開し、小規模ながらも強力な結界を一帯に張り巡らせる。
 しかし、押し寄せる妖気の圧力が高過ぎるのか、それとも急拵えの結界故なのか、結界がみしみしと音を立てて軋む。

「おっ…おい!藍!大丈夫なのかよ!何かこの結界腐った吊橋みたいに嫌な音立てて歪んでンぞ!?」

 護って貰う立場ながら、魔理沙は青い顔で野次を飛ばす。

「心許無いと思うなら、結界の維持を手伝ってくれんか!?これでも妖気の出力はめ一杯上げてあるんだ…っ!」

「…いや…まさかそんな…でも…でもこの力は…!」

 妖夢は呆然としながら、何かをぶつぶつと呟いている。

「ちょっとみょんちゃん!貴女も手伝ってくれない!?私と藍だけの力じゃ永遠亭全体に結界が…」

 妖夢が『何か』を呟き、否定する。

 しかし

 今自分達を襲う力の奔流を見て、またその『何か』を呟く。
 あり得ない、否、あってはならない名を繰り返し呟く。

「……幽々子様…ですか…?」

 意を決して、妖夢は奔流の源泉へとその言葉を投げかける。
 その瞬間、殺意と妖気の奔流はピタリと止まり、代わって巨大な影が霊夢達の足元へと伸びて行く。

「……こりゃァ…洒落で済むなら済ませたいぜ…」

「成る程…『それごと乗っ取った』って訳ね…」

「…こんな事が…有り得て…たまるか…!たかが一介の妖怪桜にこれ程の芸当が…っ!!」

 その言葉を最後に、場に居合わせた者達全員が絶句する。

 先ず目に入ったのは、咲き誇る桜の林。
 
 巨大な桜に取り込まれた、見覚えのある楼閣。

 半分近く削ぎ取られた、長い石造りの階段。

 足の様に動き、その巨躯を引き摺る無数の根。

 それは三日前まで、白玉楼と呼ばれていたモノだった。

「…そんな…じゃあ…じゃあ幽々子様は…幽々子様は何の…為に…あんな…」

 妖夢はその場にへたり込んだ。

 己の主が魂と存在の全てを賭けて挑んだ事が、何の意味も成さずに終わったのか。

 その為に、主の親友の紫は抜け殻と化し、自我すら奪われたのか。

 自分の思い出も、記憶も、日常も、こんな『たかが妖怪桜』に奪われたのか。

 その瞬間、妖夢の中で何かが爆ぜた

(………憎い……)

 そうだ、主も、住処も、友人も、思い出も、全て『コイツ』が奪った。
 
(…憎い…!)

 返せ、全てを返せ、私から奪ったモノ全てを返せ。

「憎い!!」

 殺してやる
 殺してやる!
 殺してやる!!
 殺してやる!!!
 殺してやる!!!!
 ころしてやる!!!!!
 コロシテヤル!!!!!!

「憎 い ぞ ォ ォ ! ! 西 行 妖 ィ ィ ィ ィ ! ! ! 」 

 藍の結界を突き破り、妖夢は憎しみの対象へと翔けた。
 楼観剣を右腕で、白楼剣を半身で抜き放つ。
 襲い掛かる枝の悉くを切り伏せ、巨大な幹へと猛進する。

「斬り捨ててやる!
 斬り刻んでやる!!
 斬り倒してやる!!!
 叩き斬ってやる!!!!
 細斬れにしてやる!!!!
 切って斬ってきってキッテ斬って切ってキッテ…

 斬 り 潰 し て 跡 形 も ォォォォォォォォォォ!!!!!」

 怒りと憎しみを剣に乗せ、西行妖の幹目掛けて二つの刃を振り下ろす。

 が、刀が幹に触れる前に、何か壁の様なものに遮られたのか、二振りの刀は数寸手前で静止する。

「あ…あ…ゆ…ゆゆ……」
 
 そこには己の主の顔が在ったからだ。

 無数の枝と幹に捕らえられ、俯く人の姿が眼前に現れる。
 顔は俯いてよく見えず、意識も確認出来ない、が、間違い無い、幽々子だ。

「ゆゆさ…幽々…様」

 刀を納め、幽々子に触れようと手を伸ばす。
 しかし、妖夢は突然後方に引き寄せられ、体が幽々子から遠ざかる。
 その刹那

 無数の風切り音、少し遅れて乾いた衝突音が前方に集中する。

 今まで妖夢の浮いていた空間に無数の枝が突き刺さっていたのだ。
 引き戻されるのが一瞬でも遅ければ、あの空間には串刺しになった自分が居たに違いない。
 そう理解した瞬間、妖夢に恐怖が津波の様に押し寄せた。

「バカヤロウ!呆けてるンじゃァねェ!!串焼きになりてェなら夜雀ンとこ行けよな!!」

 頭の上から魔理沙のきつい檄が飛ぶ。
 妖夢は何とか自分を取り戻し、改めて西行妖とそこに囚われている己の主を見やる。

 どうやら木の幹と枝は幽々子と同化しているらしく、ちょっとやそっとでは引き剥がせそうに無い。

「ヘェ…流石自称『幻想郷一はしっこい魔『砲』使い』ね、枝と弾幕をかわしつつみょんちゃんを掻っ攫うなんて」

「ハッ!煽てた所で無い袖は振れないぜ、霊夢?しかし…ああしっかり同化されてちゃァ、打つ手が無ェな
 無理に引っぺがしたらどうなるか判ったもんじゃねェぜ」

 木の幹と幽々子は何かの根の様な物で繋がっており、腕や足に絡み付いた根は幽々子の肌と同化している。
 この根が幽々子にとっての命綱なのか、それとも単に逃がさぬ為の縛鎖なのか。
 現状で何も判らない以上、迂闊に手は出せない。

 その時、最初に異変を感じ取ったのは霊夢だった。

「…そう言えば…さっきから何で動かないのかしら、魔理沙とみょんちゃんを狙った枝と弾幕も無いし…」

 先刻まで高速で駆動し、激しい攻撃を見せた西行妖の枝だが、今は何事も無かったかの様に静まり返っている。

「あー?そう言えば静かな事この上ないな…いきなり静かになるとえらく気味が悪いぜ…」

 現に西行妖は、時折痙攣の様に枝を震わせる程度の動きしかせず、先程までの妖気と殺意は微塵も感じられなくなっている。
 しかし西行妖は意思を持つ妖怪桜、何か策を講じているとも考えられる。
 3人は付かず離れず、西行妖の間合いの外を警戒しながら飛行を続けた。

「…戦ってるんだ…」

 ふと、妖夢が一人ごちる。

「あー?当然だろ?戦わなきゃこっちが死寝る事になるぜ…ってまさか、お前も紫みたいに壊れたンじゃあるめぇな?」

「違う!私達の事じゃない!!」

 突然の怒声に思わず魔理沙はたじろいだ。

「いや、その、まぁ落ち着け、私達にも判り易く教えてくれよ、な?」

 妖夢の推論曰く、幽々子の幽体は身動き出来ないものの、
 精神はまだ健在であり、西行妖の意識と戦っているのではないか
 というものだった。

 その推論が正しかったとすれば、この西行妖の静止も合点がいく。

「だとすると、とんでもなく面倒臭い事になるわね…」

「肉体つうか霊体が同化してるから、西行妖の受けたダメージは幽々子にもフィードバックされちまうって寸法か…」

 事実、妖夢が斬り捨てた枝のダメージなのだろうか、幽々子の腕の辺りには小さな斬り傷が幾つも浮かんでいる。

「…御三方、一つ提案があるのだが、一寸宜しいか?」

 突然、魔理沙のすぐ後ろからよく通る声が響く。

「ぶるぁ!?…って藍かよ、脅かしやがって…」

「済まぬ」

 藍は紫と西行妖に目配せし、改めて3人へと向き直る。

「この算段が正しければ、我が主上と幽々子殿を一度に戻す事が出来るやも知れん」

「「「本当か!?」なの!?」ですか!?」

 3人、殊更妖夢の目に光明が差し込む。

「…確証は無い、まだ論理演算が終了しただけに過ぎぬのでな。
 だが…打開策が見出せぬ以上、試す価値はあろ…うっ!?」

 言いかけた藍の胸倉を掴み、妖夢が詰め寄る。

「どうすれば!?どうすればいいんですか!!教えて下さい!!」

「落ち着かれよ妖夢殿、しかしこの方法は非常に危険を伴う方法だ。
 それに、これは私では出来ぬ事故『彼女』の助けを借りる。」

「ま、かなり難しいんですけどね。
 こちらも命と住処の存続がかかってますから」

 何時の間に居たのだろうか。
 藍の隣には鋭角的な兎の耳とブレザー姿、何よりも真紅の瞳を持つ女性。

 背に紫を背負った月の兎、鈴仙・優曇華院・イナバがそこに居た。

「しかし藍さんも無茶言ってくれますね、確かに出来なくもないですけど…
 私の狂気の瞳は十徳ナイフやモンキーレンチじゃないんですからね?」

 と、困り顔と厭味を飛ばす。 

「無理難題を依頼しているのは重々承知の上だ。しかし、今となってはこの方法しか思いつかぬでな…勘弁してくれ」

「んで、私達はどうすりゃァいいんだ?勿体ぶってるヒマがあるとも思えないんだが」

 失敬、と藍は一つ咳払いをした。

「簡潔に言おう。妖夢殿と主上の意識と西行妖の意識を同調させ、幽々子嬢の意識を強制的に霊体へ引き戻す。
 その間、我らは同調している3人の守護に当たる。
 意識が戻った所で我らが幽々子嬢の霊体を引き剥がし、救出。
 後は煮るなり焼くなり吹き飛ばすなり、貴君らの好きにすれば宜しかろう。」 

「私はチューニングを行っている間、完全に無防備になってしまいます。
 何せ別々の精神、それを3つもを同調させる訳ですから、かなりの集中を要します。
 それに、同調出来る時間は保って5分か6分程度…これが限界です。」

「大博打…だな、しかし何故私や霊夢が同調する事を除外するんだ?」

 魔理沙が当然の質問を投げかける。
 精神力や魔力の強さなら、霊夢や魔理沙の方が高い。
 殊更精神世界での戦闘ともなれば、巫女である霊夢に一日の長がある筈である。

「貴女方2人では私のチューニングに対しての抵抗力が高過ぎるので除外しました、
 その点で言えば、みょんちゃんは一度狂気の瞳となってますから、
 私のチューニングに対しての親和性が高くなっているんですよ。
 紫さんは現状がアレですから…言うまでも無いですね。」

 紫が忘我となった要因は『幽々子が死んだと思い込んだ』事に端を発する。
 精神を同調させ、幽々子が健在である事を知れば、元に戻るかもしれない。
 と、藍は踏んだのであろう。
 しかしこれはかなりの荒療治である。

「ま、守護面においては私も自信あるし、あの寝坊助を叩き起こすにも丁度いいわ。
 魔理沙、あんたの八卦炉で鈴仙ちゃんのサポートしてあげて頂戴、
 大出力の魔力の供給があれば、もう2~3分同調してる時間が確保出来るでしょ」

「ヘッ!上等だ。出力馬鹿の底力、とことんまで見せてやろうじゃねェか。
 応、ウサギのお嬢ちゃん。霧雨印、ヒヒイロカネ式強化八卦炉、
 この大出力にビビってチビんじゃねーぜ?」

 不謹慎ながら、魔理沙はさも楽しそうに口の端を歪める。
 この切羽詰った状況下で笑える余裕が作れる、それが霧雨魔理沙の本領なのだろう。

「結界に関しては我が助勢しよう。これでも結界妖『八雲紫』一番の式、遅れは取らぬ所存だ」

 藍は袖からぞろぞろと符付きの苦無を吐き出し、周囲に浮遊させる。

「所で藍、成功する確率は?」

 藍は霊夢の言葉を迦々と笑う。

「我の算出結果では5割8分6厘の確率で成功すると出ている」

 霊夢も藍の科白を受け、にやりと口の端を釣り上げる。

「この状況なら上等な数字よ、藍。西行妖までの道作り、宜しくね」

「なれば…八蜘蛛権現が一の式!白面金毛九尾狐『八雲藍』!!推して参る!!」

 勇ましい声の名乗り口上が響くが早いか、藍は苦無と共に翔けていた。

「白玉楼庭師兼西行寺家奉公!魂魄妖夢!!いざ参る!!」

「永遠亭薬師手習い、月の頭脳が一番弟子!鈴仙・優曇華院・イナバ!参る!!」

 続いて妖夢、鈴仙と名乗りを上げ、藍の後に続く。

「えーっと…博麗神社の巫女、博麗霊夢よ。
 …あんたたち、その名乗り口上恥ずかしくない?」

「私だよ、中々面白そうだから…フルスロットルでトバすぜっ!!」

 五者五様の得物と名乗り口上を掲げ、西行妖へと猛進する。





 そんな状況を他所に、永琳は5人と真逆の方向へと鋭い視線を送っていた。




 ご丁寧に『殺意』までたっぷりと乗せて。

 ----------------------------------------



「…ほう、誰か気が付いたらしいな…」

 無数、数にして六本三対の腕を器用に組み、明らかに人ではないその影は嬉しそうに呟いた。

「さて、さて、さて。それはさて置き、先ずはお手並みを拝見と征こうか。」

 巨大な殺意を軽くあしらい、影は再び遥か彼方の戦場に目を向ける。



 永遠亭から二十里半程離れた小高い丘、そこからは巨大な妖怪桜さえ豆粒程にしか見えない。

 丘の上には立ち上がっている大きな影と、横たわる小さな影が一つづつ。
 横たわる影は呪符で体と能力を拘束された半獣の女性、上白沢慧音であった。

「…~~~…~~…~~~~~~!!」

 何事かをのたまう慧音、恐らく罵声か説法の類であろうが、声は聞こえない。
 口元の呪符がもごもごと動きはすれど、呪符の力でそれらは表に出る事は無いからだ。

「まぁそう興奮するな白沢(ハクタク)の。実力を推し測るには実戦を診るのが一番手っ取り早い。
 しかしお前さんの能力で『無かった事』にされちゃァ『値踏み』が難しくなるんでな、
 そう思ってこうして窮屈な思いをして貰っている。悪く思わんでくれ。」

 声が出ないと理解した慧音は、凄まじい形相と視線を影に突き刺す。

「安心しろ、別に此処の支配や殲滅を望んでこんな茶番を仕組んだ訳じゃない。
 俺の同胞(はらから)を預けるに相応しいか、それを見極めさせて貰うだけさ。
 事が済めば全て何事も無く元に戻してやる、そうおっかない眼で睨んでくれるな。」

 どうやら大きな影は男性らしく、その大きさは3メートルを裕に超えている。

 この幻想郷に居る男性は力を持たぬ通常の村人と、古道具屋の店主程度。
 そのどちらにも、慧音を縛れる程の力も、斯様な巨躯も持ち合わせていない。

 然るに、この男は明らかに幻想郷の外の住人であり、相応の実力者である事は容易に推測出来る。

「ん?だとしてもやり方に不満がある眼つきだな。
 生憎とこれしか方法が思いつかんもんでな。
 ま、俺の性分と言う奴だ、許せよ白沢の」

 それに、だ、と男は付け加える。

「俺は強い力を持つ奴、特に力在る『人間』はどうにも信用出来なくてなァ…
 奴らの本性をきっちりと見据えんと、どうにも気が納まらんのさ…」

 赤い光二つと金色の光二つ、男の持つ四つの目がぎらりと光った。




 この泥濘の中、出づるは希望か

 それとも更なる絶望か…
さて、さて、さて。

ン年ぶりの投稿になります、不破龍馬です。

以前書きかけだったコレを見つけ、無い頭を絞って推敲してみたりしてみました。

もっと文を読み易く、感嘆符、疑問符以外の感情表現文字の使用削減。
状況描写の細分化、表現強化
一部を除いての展開のスピードダウン

いろいろやってみて、この形となりました。

因みに、本編最後付近で登場したオリジナルキャラは
不破の知人or古代中国神話を知っている人ならすぐ判ると思います。
さて、さて、さて、如何な物でしょう?

投稿する機会が出来れば次でラスト、最悪+後日談で留まると思います。

さて、さて、さて。
不破龍馬
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コメント



0.250簡易評価
2.-10名前が無い程度の能力削除
 ここまで原作と乖離した各キャラの口調と性格を見るのは久しぶりです。というかギャグでならばともかく、シリアスでここまで原作のキャラを感じさせないという事には戦慄を隠せません。
 またストーリー展開も唐突で強引で、“何か凄い事になってるんだろうな”という程度の漠然とした感想しか持てませんでした。忌憚無く申し上げれば全く話に付いて行けません。
 本当にこれは上海アリス弦樂団は東方シリーズの二次創作作品なのでしょうか。少なくとも私には全く違う別の何かに見えて仕方ありませんでした。
3.-10名前が無い程度の能力削除
正直東方のキャラの名前を使っただけの別物にしか見えません
これならオリジナルで話を作った方が良いのでは?
と思えてしまいます
6.40名前が無い程度の能力削除
勢いはあるんだがなぁ・・・どうしても口調に違和感を感じるな
それのせいでキャラの性格にも違和感が出てきているように見える
口調を不自然でない程度になおせばいけると思うな
16.-30名前が無い程度の能力削除
オリジナルで書くと全面的に否定されるし・・・
そうだ!!東方キャラ使おう!!
とでも思ったんでしょうか?
小説としての構成云々考える前に読者って存在を考えたほうがよろしいかと。
17.無評価名前が削除
削除しろとかは読み手が言うべき言葉ではない。
18.-30名前が無い程度の能力削除
これはひどい
19.-30名前が無い程度の能力削除
いくら二次創作とはいえ、ここまで原作を無視するのは無理がありすぎると感じました。
今度からはせめて、「この作品ではキャラの性格が壊れています。それでもいい方のみ読んでください。」などの注意書きをしておくことをお薦めします。
20.-30名前が無い程度の能力削除
えー、正直に言うと罵詈雑言になるだろうから、細かくは言いませんが。

文章そのものはけっこうマシだと思います。まだいまいちテンポが悪いのですが、少なくとも日本語で書けと言いたくなるほど低レベルではありません。
ではなぜ-30が並ぶのか、なぜ前の投稿時より評価が低いのか?
現時点においてご自分で理由が分かっていないなら、点数が高い作品をたくさん読んでみるといいと思います。そうして更なる上達を遂げ、また新たに作品を公開していただけるなら、読み手として幸いです。
しかし、どれだけやっても理由が分からないなら、残念ながらあなたには他者に公開する二次創作作品を作るための能力が欠けている、と言わざるをえません。どうぞご自分でHPなりブログなり用意して一次創作に励んでください。
文字通り、次以降に期待させていただきます。
21.-30名前が無い程度の能力削除
なんだかな~…
22.10名前が無い程度の能力削除
物語自体は悪くないですね。
でもこの物語は他の物語より、口調やらなにやらが浮いてしまっているため違和感を拭いきれないところがあります。
独特な言い回しは好きですが…。
次に期待しています。
23.20名前が無い程度の能力削除
東方は作家各個人のオリジナル設定もまた楽しめる場合が多いのですが・・・・今回のは自己設定(口調等)が強すぎてキャラのイメージに重ならなくなっているように感じられました。
もう少し東方よりのイメージを強くして欲しかったといったところでしょうか。
24.-30名前が無い程度の能力削除
削除しろとかは読み手が言うべき言葉ではない。

が、これは明らかな 原  作  レ  イ  プ
25.-30名前が無い程度の能力削除
オリ設定はだめとは言わない
というか、いいものなら公式設定でもオリ設定でもどんとこいな感じ
でも、この話はだめだった

>霧雨印、ヒヒイロカネ式強化八卦炉
ミニ八卦炉は香霖堂
霧雨印より、香霖印だと思う
まあ、自分でも弄くってるという事なら別にいいんだけど、そこら辺どうか分からんし
26.無評価名前が無い程度の能力削除
なんかお茶頼んだらめんつゆ出された気分。
台詞で無理にキャラの個性を出そうとして失敗してる気がする。
例えば魔理沙なら『一人称私+軽い男言葉(~ぜ)』で事足りるところをカタカナとか「ん」とか「っ」を混ぜてるせいで違和感が出てきてる。
他のキャラにも似たようなことが言えるんだよね。
下手に変な喋り方させるよりも普通に話させたほうがずっとそれらしくなると思う。
あと、台詞関連では
>妖夢の推論曰く、幽々子の幽体は身動き出来ないものの、精神はまだ健在であり、西行妖の意識と戦っているのではないか(本文より引用)
こここそ台詞にしろよって思った。

地の文も問題あるけど、台詞に比べたら大したことないかな。
次回に期待。どれだけ成長するのかと思うとちょっとわくわくする。
がんばれ。
29.-30名前が無い程度の能力削除
貴方がJOJO好きな事はわかりました。
でも残念ながら、あの喋り方は文章だけだとシリアス展開には合わない馬鹿な喋り方にしか見えないです。
途中から読んでいるものが東方の二次創作だと忘れてしまった。他の皆さんも仰っていますが、
オリジナルの方がいいと思います。まあ、
幽々子の様なキャラを作るにはそれ以前にいくつか話を書く必要があるでしょうが。
話は完結させるべきだと思うので、次に一応期待しています。