Coolier - 新生・東方創想話

ああ言えば交友

2007/10/01 02:43:21
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喧騒とは無縁の魔法の森で、アリスは朝食後のコーヒーを楽しんでいた。
これは彼女にとって一日の始まりを告げるものであり、少なくともここ1ヶ月の間、欠かしたことはない。
そこに玄関のドアを打ち鳴らす、けたたましいノックの音が響いた。

普通の感性なら嫌な顔をしてもおかしくない場面ではあるが、
アリスの場合は特別だった。

「(こんな時間に来るなんて…アイツぐらいよね)」

早起きしておいて良かったわ、と逆に少し幸せな気持ちになるアリス。
しかしそれを決して表情には出さずに、一度咳払いをしてからゆっくりとドアを開けた。

「もう、まだ朝早いんだからもうちょっと静かに…?」

何度言っても無意味であることを分かりながら、
アリスはいつもと同じように注意をしようとした。
だが、そこにいたのは予想だにしない人物だったのである。

「お友達になってください」

「…は?」

頭を下げているため顔は見えないが、
緑を基調とした服に、普通の人間には珍しい銀髪。
背丈は魔理沙より一回り小さい、というところだろうか。

しかしそんなところに注目せずとも、ふよふよと浮かぶ半霊を見れば、
彼女を知っている人間なら一目瞭然である。

「ですから、お友達になってください」
「え、ちょっと…どういうことよ??」

一度上げた頭を、彼女はもう一度下げなおす。
半人半霊の庭師、魂魄 妖夢は同じ台詞を繰り返した。

「(なんとしても友達を作らなければ…)」

未だに状況を把握できないアリスとは裏腹に、妖夢の瞳は真っ直ぐだった。
しかし妖夢がそう決意したのは、ほんの数刻前の出来事である。















「昨日の宴会は楽しかったわねぇ~」
「そうですね、幽々子さま」

早朝の白玉楼で、幽々子と妖夢は談笑していた。
せかせかと朝食の準備をする妖夢を、すでに卓についた幽々子が眺めている。

長い冬の異変があってからというもの、幽々子と妖夢は
巫女やら魔法使いやら吸血鬼やらの宴会に参加することが習慣のようになっていた。
しかしたまには以前のような宴会をしてみようと、冥界の住人だけでの宴会を開いたのである。

「いつも同じ顔ぶれじゃ物足りないものね。
 それに久しぶりに聞く演奏は最高だったわ~」 
「ああ、プリズムリバー三姉妹の話ですか」

ライブやコンサートに宴会まで、賑やかな場所にはどこでも駆けつける彼女たちだったが、
何故か博麗神社の宴会に呼ばれることは少なかった。
そのため久々に聴くことになった演奏が、幽々子の心によく響いたのだ。

「やっぱりなにか催しものがあるといいわね~。
 また誰かを呼んでこようかしら」
「誰かって…思い当たる節でもあるんですか?」

茶碗、もとい丼に白飯を山盛りにしながら、妖夢がそう答える。
あまりに尤もな意見に、幽々子はう~んと考える仕草を見せた。
が、すぐに何かを思いついたような顔に変わる。

「そうだわ、魔法の森の人形遣いはどうかしら。
 彼女ならおもしろいものを見せてくれそうね」
「成る程、人形劇ですか」
「でも、わざわざこんな所まで来てくれるかしらね。
 もちろん報酬は用意するつもりだけど…彼女にも都合があるでしょうし」

魔法の森と白玉楼は決して近いとはいえない。
白玉楼から地上へ降りる帰り道ならともかく、
空を昇るにはそれなりの時間がかかってしまうだろう。
客として招くなら、その日は丸一日空けてもらわなければならないのだが。

「その点なら心配いらないと思いますよ」
「あら、どうして?」

妖夢は緑茶を湯呑みに注ぎながら、幽々子の心配をあっさりと否定した。

「アリスには友人なんてほとんどいませんから。
 行くところなんてせいぜい図書館ぐらいじゃないですか?」

その言葉を聞いて、幽々子の視線が一瞬鋭くなる。
…が、すぐにいつもの調子に戻り、扇で口元を隠すようにしながら微笑んだ。

「ふふっ、そうね。確かにあの子は友達が少ないわ。
 ―でも妖夢ほどじゃないわね」
「えっ?」

主人の思わぬ言葉に、妖夢は素っ頓狂な声をあげる。

「い、今なんとおっしゃいましたか、幽々子様?」
「あなたには友達がいないわね、って言ったのよ」

微妙に辛口になりながら、幽々子は答えた。

「え、いや、そんなことは…」
「じゃあ妖夢、聞くけど…あなたの友達ってだぁれ?」
「それは、えっと…霊夢とか、魔理沙とか…」
「二人は私と宴会に行くついでに会うだけじゃないの?
 あなた一人で遊びに行ったりするかしら?」
「うぅ…」

それっきり妖夢は口ごもってしまった。
ちょっとやりすぎかしら、と思いながらも、幽々子はさらに追い討ちをかける。

「あなたももう子供じゃないんでしょ?
 その年になってお友達もいないなんて…なんだか心配だわ~」

素直で純粋な性格ゆえに思わず本音が出てしまったのだろうが、
人を馬鹿にするような発言はよくない。
幽々子は妖夢にそう伝えたかったのだ。
…伝えたかったのだが。

「すみませんでした…幽々子様」
「ううん、分かればいいのよ」
「幽々子様が私の交友関係をそんなに気になさっていたなんて…」
「えっ?」

今度は幽々子が素っ頓狂な声をあげる番だった。

「確かに今まで私は…暇をもらった時も剣の修行ばかりでした。
 己を磨くことが第一だと信じていたし…今だってそう考えています。
 でも、幽々子様に心配をかけているのなら話は別です!」
「いやいや妖夢。私が言いたかったのは…」

ちゃぶ台に両手を突き、勢いよく立ち上がる妖夢。

「申し訳ありませんでした、幽々子様。
 確かに今の私に肩を並べられるような盟友はいません。
 ですが…今から必ずその盟友を探してきます!」
「いやいや妖夢、っていうか今からすぐっていうのは…」
「それでは、行って参ります!」

幽々子の言葉には目も、いや耳もくれず妖夢は駆け出した。

「よおむぅうう!廊下は走っちゃダメよおぉ…」

最後の幽々子の叫びは、何かがズレていた。
こうして妖夢の珍道中が始まったのである。















「(なんで突然庭師が来るのよ。
 また亡霊嬢に何か吹き込まれたのかしら…?)」

頭を下げたままの妖夢の前で、アリスは困惑していた。
いざ弾幕勝負となれば冷静な頭脳をフルに使うことができる彼女だったが、
こういうタイプの人間(?)は得てしてプライベートな場面で不測の事態に弱いものである。

二人の間にしばらくの沈黙が続いたが、
何も言わないアリスの様子に気づき、おずおずと妖夢が頭を上げた。

「あの…どうしてもダメですか…?」

微妙に上目遣いになり、身長差の関係でアリスを見上げる形になる妖夢。
アリスは自分の心がときめくのを感じた。

「(何よコイツ…よく見ればけっこう可愛いじゃない)」

普段から人形作りに励むなど、アリスは可愛いものが好きだった。
それは当然生き物にも当てはまることであり、目の前の半人半霊の少女についても、である。

「あの、何か…?」
「あ、いや、なんでもないわ」

思わず妖夢を見つめていたアリスは、ようやく冷静に事態を把握し始めた。

「(そうよね、コイツは別に悪いやつじゃないし、急に暴れたりするとも思えないし…
 とにかく事情くらいは聞いてあげようかしら。
 それに友達が増えるのも、悪くない、かも…)」

そんなことを考えながら、アリスは半歩身を引いた。

「よくわからないけど…とりあえずお茶でも飲んでく?
 別にそれくらいなら構わないわよ」
「本当ですか?」

妖夢の表情が明るくなる。
無邪気に喜ぶ姿を見ると、とても悪巧みをしているようには思えない。
自分の意思でわざわざこんなところまで来たのだろう。
アリスは安心して、珍客を迎え入れようとした。

が、一つ気になることがあった。

「あなた、友達になってください、って言ったわよね?」
「あ、はい。言いました」
「なんでわざわざ私のところに来たの?
 幻想郷には他にもいろんな連中がいるじゃない」
「ああ、それはですね」

妖夢は満面の笑顔で答えた。

「元から友達の少ない人のほうが、
 断られることがないかな、って思って…」

その瞬間、二人の周りの空気が凍りつく。
「はっ!」と妖夢が気づいたが、時すでに遅し。
アリスは穏やかな表情はそのままに、目だけをしっかりと座らせていた。

「ふぅん、そう…つまり私を笑いにきたのね」
「いえ、あの、今のは失言でし―」
「魔操『リターンイナニメトネス』!!」

喧騒とは無縁の魔法の森に、蒼い轟音が響き渡った。















「うう…酷い目にあった…」

妖夢は魔法の森上空をふらふらと飛んでいた。
自信の相棒、半霊も同じくふよふよとくっついてくる。

「そうよね、人が気にしてることを言っちゃダメに決まってる…」

未来で成功するために、過去の失敗を次に生かす。
これは妖夢が剣術の鍛錬をする時と同じ考えだった。
最初の挑戦は大失敗に終わったが、まだまだチャンスはあるのだから。

妖夢の次なる目的地は、博麗神社。
あそこならいろんな人妖が集まるし、悪くても霊夢くらいはいるだろう。
こうなったら片っ端から当たってみるしかないか、とそう思って速度を上げようとしたその時。

「あれっ、妖夢さんじゃないですか!
 こんな所にいるなんて珍しいですねー」

妖夢の視界に一瞬にして飛び込んできたのは幻想のブン屋、射命丸 文だった。
予想外の人物との遭遇だったが、こんな時でも妖夢は決して慌てない。
すぐさま先ほどの反省を思い出す。

「(この人は年中ネタを探してるみたいだから、
 ネタがないんですか?って聞くのは厳禁ね…)」
「幽々子さんにお使いでも頼まれたんですか?
 それとも休暇でぶらぶらしてるとか」

現れるなり矢継ぎ早に質問を浴びせる文を無視して、
妖夢は頭の中で反省会を続ける。

「(さっきは突然頭を下げたりしたからアリスも驚いたのかな。
 でも事情を説明するにしても、幽々子様のためとは言いにくいし…)」
「ぶらぶら、というよりふらふらでしたけどね。
 そういえばあちこち傷ついてるような…って妖夢さん聞いてますー?」
「(それにこの人が友達になってくれるかも問題よね。
 でもそういえば、文さんはいつも一人でいるような…)」
「あれれ、妖夢さん電池切れですかー?
 なんなら私がひとっ飛びして香霖堂まで行ってきましょうか…なーんてね」
「(そうか、ネタがなくて困ってるなら逆に助けてあげればいいんだ。
 助け合うのも友情っていうし、いつも一人なら尚更ね)」
「もしもーし、妖夢さん?
 ボケたんだからツッコんでくださいよ…って本当に大丈夫ですか…?」

いよいよ本気で心配しはじめた文に対して、妖夢はおもむろに顔をあげた。
突然の動きに文がびくっと反応したが、それに構わずしゃべり始める。

「あの、文さんはお友達とかいないんですか?」
「え、あ、お友達、ですか?」

質問していたはずなのに逆に質問で返され、文はわずかに動揺した。
しかしそこは新聞記者、アドリブでしゃべるのはお手の物である。

「そうですねー、確かにこれといった友人はいませんね。
 いろんな人とたびたび会うには会うんですが…」
「じゃあ、私とお友達になりませんか?」
「ふぇ?」

本日三度目の素っ頓狂ボイス。
あまりの急展開にさすがの文も思考がついていかなかったのか、
二人の間に一瞬だけ沈黙が流れた。

「お友達、ですか。う~ん、妖夢さんと仲良くするのは悪くないんですが…
 やはり新聞記者という立場上、誰にでも公平でなければならないというか…」

まだ何か思うところがあるのか、文ははっきりとした結論を下さない。
そこで妖夢は考えていた通り、文に提案をした。

「私と友達になってくれれば、
 文さんに会うたびにおもしろいネタを提供できるんですが…」
「! 本当ですか!?」

妖夢の思惑通り、文は『ネタ』という言葉に過剰反応を見せた。

「そういうことなら大歓迎です!
 じゃあこれから仲良くしましょうね、あくしゅあくしゅ」
「あ、はい」

にこにこと上機嫌になりながら、握手を求める文。
あっさりと交渉が成立したことに、妖夢はほっと胸を撫で下ろした。
これで幽々子様に合わせる顔ができたな、と
妖夢もその手を取ろうとしたが―ふと考える。

「(これって、ネタの提供を餌にして文さんを釣っただけじゃ…?)」

もし妖夢がネタの話をしなければ、あまり乗り気には見えなかった文と
友達になれたかどうかは些か怪しい。
それに、自分の新しい友達に対して『交渉が成立した』なんてことを考えるものなのか。

「(幽々子様には、『盟友を探して参ります』って言ったのに…)」

これも一種の友情の形なのかもしれないが、少なくとも今の妖夢が求めている形ではない。
何の気なしに毎日顔を合わせられるような、そんな人物でなければ意味がないのだ。

妖夢は一度上げかけた手を、下げた。

「あれ?妖夢さん?」
「ごめんなさい、文さん。
 今の話は忘れてください」
「え?え?」

それだけ言い残すと妖夢は一気に高度を下げ、
博麗神社を目指して魔法の森を駆け出した。

「(友達ってこんな風に無理矢理作るものじゃないんだ。
 でも友達の多い霊夢なら何か知ってるかも…)」

気の合う友人の多い彼女なら、きっと何かを知っているはず。
そう信じて妖夢は走り続けた。


「な、なんだったんでしょうか…」

一人ぽつんと空に残された文は、ただ茫然とその姿を眺めるしかなかった。















程なくして博麗神社に辿りついた妖夢は、三つの人影を確認した。
いつものようにのほほんとお茶を飲んでいる霊夢と、
神社の廊下にごろんと横になっている魔理沙。
そしてもう一つの影は宴会の異変を起こした張本人、伊吹 萃香のものだった。

鳥居をくぐったところで速度を落とし、歩きながら呼吸を整える。
寝転がっていた魔理沙は「お?」と珍しそうに起き上がったが、
霊夢は妖夢のほうを一瞥しただけで、落ち着き払っていた。
どうやら妖夢が接近していたことに気づいていたらしい。

「珍しい参拝客ね。今日は一人?」
「そうか、妖夢。ついにあの大飯食らいに愛想を尽かしたんだな」
「まだ何も言ってないわよ」

妖夢はそう言って懐から小銭を取り出し、賽銭箱に投げ入れた。
神社の境内に乾いた音が響く。

「へえ、なかなかいい心がけじゃない。
 何か悩みでもあるの?話し相手ぐらいにはなってあげるわよ」

さすがに霊夢は察しがいい。
勘を頼りに白玉楼までたどり着くくらいなのだから、これくらいは当然なのかもしれないが。

「そうなの、ちょっと二人に聞きたいことがあって…
 少し長くなるけどいいかしら」
「あー?ダメだダメだ、私は忙しいからな。
 火が出るほどの忙しさだぜ」
「どういう忙しさなのよ。
 こいつはほっといていいから、とりあえず話してみなさい」

ずびし、と魔理沙の側頭部に手刀をお見舞いする霊夢。
いつも通りの二人であることに安心しながら、妖夢はこれまでのいきさつをこと細かに説明した。





「成る程ねえ…あんたらしいわ」
「ホントに少し長かったな…たっぷり10分はあったぜ」

呆れたように苦笑する霊夢と、なんだかんだで話を聞いていた魔理沙。
妖夢は真剣な眼差しで二人の言葉を待っている。
何を言えばいいものやら、と霊夢は困ったような顔をしたが、
魔理沙が先に口を開いた。

「あのな、妖夢。友達ってのは『作る』ものじゃなくて『できる』ものなんだ。
 気の合う友達、っていうんなら尚更だな」
「作るじゃなくて、できる…?」
「そういうことだ。私と霊夢と萃香だって、
 誰かから『友達になろう』って言い出したわけじゃないからな」

ふと隣に目をやると、萃香がぐうぐうと眠っていた。
さっきから反応が無いと思ったら意識が無かったのか。

「あんたにしちゃなかなかいいこと言うじゃない。
 魔理沙、なんか変なものでも食べたんじゃないの?」
「ほら、妖夢はこんな風に軽口を叩き合うような友達、それが欲しいんだろ?」

妖夢は黙ってこくこくと頷いた。
的確な魔理沙の意見には、口を挟む余地もなかったからだ。

「じゃあ、少し話が難しくなるな。
 こういう私と霊夢みたいな関係は、いきなりできるもんじゃない。
 もっと時間をかけてゆっくりと、いつの間にかできあがってるもんだぜ」
「そんな…」

幽々子が心配している以上、妖夢はあまり時間をかけたくなかった。
しかししょんぼりとする妖夢を見て、魔理沙はこう続けた。

「まま、そんなに悲観するなよ。
 妖夢だってなにも幻想郷のやつら全員と初対面、ってわけじゃないだろ?
 お前がしょっちゅう会ってる連中のなかでも、気が合いそうなのがいるじゃないか」
「? えっと…」

妖夢は考え込んだ。
気が合いそうな人物。
気軽に話ができて、同じような境遇で、しょっちゅう顔を合わせるのは…。

「咲夜に決まってるでしょ」
「あっ…」

妖夢の思考を遮るように、霊夢が助け舟を出した。
っていうか他にいないじゃない、と霊夢はもう一度苦笑する。

「そういえば、宴会のときもよく話すかも…」
「咲夜と妖夢は従者同士だもんな。
 お互い同じような苦労もしてるんじゃないか?」
「積もる話もできるでしょ。
 二人で主人の愚痴でも言い合えばいいじゃない」
「そうか…」

なんでもっと早く気がつかなかったんだろう。
完璧で瀟洒な彼女が友達なら、幽々子様も安心するに違いない。

「二人とも、ありがとう。
 今から紅魔館へ行ってみることにするわ」

思い立ったら即行動。
これも妖夢の幼い頃からの性分だった。
人はそれを、せっかちとも呼ぶ。

「おうおう、下手こいてメイド長の機嫌を損ねないようにな」
「でもなんとなくだけど、咲夜は妖夢には甘そうね。
 甘くなったとしても激辛だけど」

霊夢の『なんとなく』ほど信頼できる言葉もないだろう。
今度こそ失敗をしませんようにと、妖夢はもう一度賽銭を入れた。

「それじゃ、行ってきます!」
「いってらっしゃい」
「気をつけてなー」
「上手くいくといいね~」

あっという間に妖夢の姿は見えなくなり、境内には三人の声だけが響いた。

「あら萃香、やっと目が覚めたの?」
「ん~ん、ずっと起きてたよ。
 あの庭師もなかなかおもしろい悩みを持ってるねー」
「ま、私のアドバイスのおかげでなんとかなるだろ」

魔理沙は誇らしげに薄い胸を張った。
しかし、萃香の胸中は魔理沙とは異なるものだった。

「(確かに魔理沙の助言は的を得てたけど、
 咲夜と妖夢には決定的な違いがあるからね…)」

萃香は瓢箪を取り出し、一口だけ酒を飲んだ。

「…萃香、あんた今何考えてた?」
「べっつに~。
 ただ人の上に立つ人間は大変だね、と思っただけさ」
「急に何を言ってるんだ、お前は。
 寝ぼけてるなら魔理沙さんがもう一度寝かせてやるぜ」
「誰が寝ぼけてるってー?
 それじゃ、寝起きの運動でもしようかな!」
「弾幕ごっこなら他所でやってよね…」

勢いよく廊下から飛び出し、鳥居の前で構えを取る魔理沙と萃香。
昼食の準備でもしましょうかと、霊夢は奥に引っ込んでいった。















「(やっと見えてきた…)」

神社を飛び出し氷精のいる湖を越え、ようやく妖夢は紅魔館の見える位置まで来た。
飛ぶより走るほうが得意な妖夢にとっては、湖を越えるのには少し時間がかかるのだ。

まだ日が傾くような時間ではないとはいえ、妖夢としてはできることなら時間を無駄にしたくなかった。
しかしいきなり他人の領地に走りこんでいくのは、いくらなんでも印象が悪い。
まず咲夜に会って何を話すかを考えるためにも、ここは歩いて時間を作るべきだろう。
妖夢はゆっくりと高度を落として地面に着地し、歩き始めた。

「(この時間、咲夜って何をしてるんだろう。
 今はちょうどお昼過ぎぐらいだから、昼食の片付けとか?
 いや、それには遅すぎるか。
 …そういえば、朝から何も食べてないな)」

一瞬妖夢の帰り、というかご飯を心待ちにする幽々子の姿が脳裏をよぎったが、
今はそんなことを考えている場合ではない。
咲夜と親しくなることが先決だ。

「(いきなり会って『お友達になってください』っていうのは
 やっぱりまずいかな…アリスも文さんも驚いてたし。
 ああ、霊夢と魔理沙に聞いておけばよかったかな)」

弱気な思想が頭を支配しそうになったが、
妖夢はぶんぶんと首を振った。

「(自分の友達を作るんだから、それくらい自分で考えなきゃ。
 とにかく会ってみて、世間話でもしてみよう)」

そうこう考えているうちに、妖夢は紅魔館の門前までたどり着いた。
紅い館の名に恥じない、立派な紅い門がそびえ立っている。
妖夢は意を決して門内に歩を進めようとしたが、門の前に立っている人物に気がついた。

「ちょ、ちょっとあなた!
 今私のこと無視しようとしたでしょ」

紅魔館の門番、紅 美鈴が妖夢を制止する。

「(そっか、紅魔館にはこの人もいるんだ…)」
「…今すごく失礼なこと考えてませんでした?」

いくら紅魔館が有名になったとはいえ、
宴会に顔を出すのは当主であるレミリアと、メイド長の咲夜だけ。
妖夢も幽々子と紅魔館に来たことぐらいはあるが、
いわゆるアポ無しで来たのはこれが初めてだったため、今まで呼び止められるようなことは無かった。

「とりあえず、ご用件をお伺いしましょうか?妖夢さん」

美鈴に問われ、妖夢もそれに応対した。

「あの、私は咲夜に会いたいんだけど…」
「咲夜さんにご用事ですか?
 お届けものとか伝言とか、会わなくても済む用件なら私が承りますが」
「いや、直接本人に会って話さなくちゃいけないの」
「直接、ですか…」

なぜか美鈴は嫌そうな顔をした。

「話すだけなら、私から伝言するんじゃダメですか…?」
「私が咲夜に会うと何かまずいことでもあるの?」
「いえ、そういうわけではなくてですね…」

美鈴の言葉は、どうにも歯切れが悪い。
自分が咲夜や紅魔館に悪いことをしたような覚えは無いが、
このままでは埒があかないと、妖夢は思い切って尋ねた。

「私に問題があるのなら、はっきり言ってください」
「いやいや、そうじゃないんです。
 妖夢さんに全く非はないんですよ。
 …ちょっとだけ話を聞いてくれますか?」

どうやら妖夢が何かをした、というわけではないらしい。
込み入った事情があるのだろう。
妖夢は素直に美鈴の言葉に耳を傾けた。

「あのですね、紅魔館っていろんなお客さんが来るんですよ。
 宴会のお知らせとか、本を借りに来るとか、理由はさまざまですけど…
 それで、何かと咲夜さんを呼ぶ人が多いんですよね。
 知ってると思いますけど、咲夜さんって忙しいじゃないですか」

紅魔館でまともに働くメイドは実質咲夜の一人だけ。
そういう話は妖夢も知っていた。

「だから、大した用事でもないのに咲夜さんを呼んだりすると
 すごく怒られるんです。
 かといって私があまり詳しい話を聞くわけにもいかないし、
 まともにお客さんの話を聞けるのって咲夜さんぐらいなので…」
「成る程ね…」
「うちのお嬢様がもうちょっとしっかりしてくれればいいんですけどね。
 咲夜さんがもう少し落ち着ければ、私も痛い目に遭わずに済むし…
 有無を言わさずナイフを投げられる身にもなってほしいです」

はぁ、と美鈴が深くため息をついた、その時。

「言いたいことはそれだけかしら?」

唐突に、ここにいないはずの第三者の声がした。
いつの間にか、向かい合って話をしていた二人の隣で咲夜が腕組みをしている。

「さ、咲夜さん、どうしてここへ?」
「珍しく妖夢の姿が見えたから、何事かと思ったのよ。
 そうしたらあなたが無駄口を叩いてるじゃない」

妖夢からすればただ説明を聞いていただけなのだが、
話半分の咲夜にとっては無駄口、と受け止められたらしい。
霊夢が『甘くなっても激辛』と言った意味がよくわかった気がした。

「…いつから聞いてたんですか?」
「『お嬢様が』っていう所から全部聞いてたわよ。
 仕事中にお客様に向かって愚痴をこぼすなんてね…
 あなたも随分偉くなったじゃない」
「え…ち、違いますよ咲夜さん!それは誤解です!」
「その上お嬢様を悪く言うなんて…
 その行為、万死に値するわ」

何処からか無数のナイフを取り出す咲夜。
有無を言わさず、という表現はあながち間違っていなかったらしい。

「ごめんなさいね、妖夢。
 うちの門番が迷惑をかけて…」
「え、あの」
「すぐ終わらせるからちょっと待ってて」
「話を聞いてください、咲夜さん!」
「問答無用。しばらく眠ってるといいわ」

咲夜は手にしていたナイフを全て投げ放った。
常識では在りえない軌道で、銀の刃が美鈴に迫る。
もう覚悟を決めてしまったのか、美鈴は頭を抱えてしゃがみ込んだ。

―が、一本のナイフも美鈴に届くことは無かった。
全てのナイフが地面に叩き落とされる。

「…どういうつもりかしら、妖夢?」
「ちょ、ちょっと待つのはあなたの方よ!」

楼観剣と白楼剣を手にし、二人の間に割り込んだ妖夢が叫んだ。
しかし咲夜はそれに臆することなく、美鈴に向けていた殺気を妖夢に向ける。

「邪魔をするっていうんなら、いくら貴女でも容赦しないわ」

表情こそ変わらないものの、咲夜の瞳は敵意に満ちている。
妖夢はぞくり、と背筋が寒くなるのを感じた。
だがここで引き下がれば、美鈴が再び危険に晒されてしまう。
両の腕にぎゅっと力を込め、妖夢はしっかりと咲夜の瞳を見据えた。

「違うの、咲夜!美鈴さんは私に愚痴をこぼしてたんじゃなくて、
 その、紅魔館の事情を説明してたのよ!
 普段忙しくしてる咲夜を呼ぶのは申し訳ないから、って」

咲夜が攻撃に移る前にと、妖夢は慌てて捲し立てた。
美鈴の話を全く聞かなかった咲夜が聞く耳を持つとは思えなかったが、
せめて事実ぐらいは伝える必要があるだろう。

しかし意外なことに、その場の空気が明らかに軽くなった。

「…美鈴が、私を?」
「そ、そうなの」

ちらりと横に目をやる咲夜。
その視線の先では、しゃがみ込んだままの美鈴がうんうんと頷いている。

「何かと咲夜を呼ぶ人が多いから、
 できる範囲なら私が承りますって言われたの。
 美鈴さんは咲夜を気遣ったのよ」
「…」

黙ったまま美鈴を見つめる咲夜。
その頬が少しだけ紅く染まったのを、妖夢は見逃さなかった。

「…美鈴」
「は、はひっ」
「今日のところは妖夢に免じて、許してあげるわ」

刹那、足元に落ちていたはずのナイフが消える。
咲夜はそのまま踵を返し、足早に門の内側へと消えていった。


「(こわかった…)」

思わず肩の力が抜ける。
妖夢は楼観剣と白楼剣を鞘に収めた。
咲夜がすぐに姿を消したのは、美鈴が自分を気遣ってくれていたことと、
話を聞かずに勘違いをしてしまったという二つの気恥ずかしさのためだろう。

でも、これでやっと美鈴と交渉ができる。
まさかいきなり剣を抜くことになるとは、と妖夢は考え―

「…あっ」

そこでようやく、紅魔館へ来た目的を思い出した。

「(私、咲夜と話をするつもりだったんだ…)」

世間話から始めて仲良くなるつもりだったのに、
あろうことか会っていきなり剣を振るってしまった。
咲夜に傷をつけたわけではないとはいえ、
さすがに今からもう一度会いに行くのはためらわれる。

それに、今日は普段見かけない咲夜の一面を見た。
いつも宴会のときはレミリアの傍らで大人しくしているが、
やはり紅魔館を仕切っているだけのことはあり、部下に対して厳しい一面も持っている。

「(私と咲夜は、違うのかな…)」

妖夢は少しだけ、咲夜との間に距離を感じた。


「…えっと、妖夢さん?」

うつむいていた妖夢に、美鈴が声をかける。

「さっきは助けてくれて、ありがとうございました。
 私っていつもあんな感じで怒られてるけど、
 普段は一人だけなので、誰かに助けてもらうのって初めてで…
 危険を冒してまで助けに入ってくれるなんて、いい人なんですね」

えへへ、と嬉しそうに笑って見せる美鈴。
その笑顔を見て、沈んでいた妖夢の心が少しだけ晴れた。

「ううん、いいの。
 話を聞かないで誤解しちゃう咲夜が悪いのよ。
 でもさっきの様子だと、いつも苦労してるみたいね」
「うう、分かってくれますか…」

顔は笑ったままで、美鈴はほろりと涙をこぼした。
その涙には計り知れないほどの苦労が詰まっているのだろう。
そして美鈴は、両手で妖夢の右手を取った。

「こんな風にお話できるのって、妖夢さんが初めてです…
 これからも仲良くしてくださいね」
「あ…」

『これからも仲良く』―
何気なく言った美鈴の一言が、妖夢の心の中で繰り返された。

「(こんなに簡単なことだったんだ…)」

突然人の家を訪ねたり、会った人物に片っ端から声をかけようとしたり、
友達の作り方を相談しに行ったり…
それらの行為は全て、友達を『作る』ためのものだった。
しかし結果として親しくなれたのは、窮地を救った美鈴だけ。
妖夢は友達って『できる』ものなんだな、と再認識した。

「やっぱり魔理沙の言うとおりだったな…」
「え!魔理沙さんが私のことを何か?」
「ううん、そうじゃないのよ。
 …そんなに驚くなんて、美鈴さんはよっぽど魔理沙が苦手なのね。
 克服できるように私が手伝ってあげようか?」
「そんなぁ。妖夢さんまで咲夜さんみたいなこと言わないでくださいよ~」

手を取り合ったまま笑い合う二人。
その時美鈴が、妖夢の後ろの人影に気付いた。

「あれ、咲夜さん…まだそこに居たんですか?」

先ほど姿を消したはずの咲夜が、門の内側からこちらを覗いている。
しかし先ほどまでの威圧感はどこへやら、
しきりに視線を泳がせたりと、どこか落ち着きがない。

「何かご用ですか?」
「うん、ちょっと…聞きたいことがあってね…」

美鈴の前まで歩み寄り、いつものように腕を組む咲夜。
だが今はその姿も、どこか威厳が無かった。
相変わらずもじもじとした様子で、美鈴と目を合わせようとしない。

「聞きたいことってなんですか?」
「あ、うん…それなんだけどね…」

たっぷり10秒は間を置いてから、咲夜は言った。

「その…私と美鈴も、お友達、よね…?」

…もしかして、いやもしかしなくても、
今までの会話を全部聞かれてたのか、と妖夢は思った。
一方の美鈴は、小首をかしげて咲夜に答える。

「…それはちょっと違うんじゃ?」
「!!!!」

咲夜は「がーん!!」という効果音を体全体で表現した。
後ろに一歩よろめき、手の甲で口元を押さえ涙目になっている。

「そ…そうよね、当たり前よね…
 いつもあんなに酷いことしてきたのに、
 今更お友達だなんて、都合が良すぎる、わよね…」

視線を落とし、消え入りそうな声で自虐的に呟く咲夜。
自業自得であるとはいえ、妖夢もさすがに咲夜が哀れに思えてきた。
何かフォローできないものかと口を開きかけたが、
美鈴の言葉にはまだ続きがあったらしい。

「私たちは『家族』ですよ。
 レミリア・スカーレットお嬢様の、ね」
「あ…」

妖夢はてっきり美鈴が咲夜を突き放すものだと思っていたが、
美鈴の人の良さは妖夢の想像をはるかに超えていたらしい。
その言葉を聞いて安心したのか、咲夜は倒れこむようにして美鈴によりかかった。

「さ、咲夜さん?」
「ばか…」

咲夜の突然の行動に驚きながらも、ぎゅっとその体を支える美鈴。
その姿は、まるで仲の良い姉妹のようにも見えた。

「…!」

そして二人のやりとりの一部始終を見ていた妖夢は、
すっきりとした表情で咲夜と美鈴に向き直り、

「二人とも、ありがとう」

一礼をしてからこう言った。

「大事なことに気付かせてもらったわ」















妖夢が白玉楼に戻った頃には、すっかり日が暮れてしまっていた。
いつも幽々子と食事をする居間へ向かうと、
ちゃぶ台に突っ伏した幽々子の姿が目に入る。

妖夢はその隣に正座した。

「ただいま戻りました、幽々子様」
「おかえり、ようむ…
 わたしはおなかがすいたわ」

首だけを妖夢のほうに向け、幽々子が返事をする。
その目はどこか遠くを見ているようだった。
しかしそれに構わず、妖夢は幽々子に一日の報告を始めた。

「今日はいきなり白玉楼を飛び出してしまって、申し訳ありませんでした。
 ですがそのおかげで、たくさん勉強になることがありました」

呆けていた幽々子も起き上がり、真剣に妖夢の話を聞き始める。

「それで、お友達はできたのかしら?」
「はい、気の合う友人ができました。
 気軽に話せる人がいるっていうのは、なかなかいいものですね」

幽々子が妖夢を見つめると、妖夢も幽々子をしっかりと見つめ返してくる。
嘘偽りの無い、いつもの妖夢であることを確認すると、幽々子は優しく微笑んだ。

「それは良かったわね。
 私も今日一日放っておかれた甲斐があったってものよ」

まるで自分のことであるかのように喜ぶ幽々子。
主人の喜ぶ姿を見て妖夢も嬉しくなったが、まだ表情は崩さない。

「ですが、それよりももっと大事なことに気がつきました」
「あら、何かしら?」

妖夢は膝の上に置いた手を、硬く握り締めた。

「私の一番大切な人は、幽々子様です。
 幽々子様を想う気持ちなら、誰にも負けない自信があります」

常人なら恥ずかしくて言えないような台詞を、妖夢は本人の目の前で言ってのけた。
そして幽々子も逃げることなく、真正面から妖夢の言葉を受け止める。

「…嬉しいわ、妖夢。私も同じ気持ちよ。
 妖夢を想う気持ちなら、誰にだって負けないんだから」
「幽々子様…!」

幽々子が両手を広げると、その胸に妖夢が飛び込んでくる。
まだ小さな背中を優しく抱きしめながら、幽々子は目を細めた。

「今日は妖夢のお話をもっと聞きたいわ。
 もちろん聞かせてくれるわよね?」
「は、はい!喜んで!」

威勢のいい返事とともに、妖夢は立ち上がった。

「それでは、先に夕餉の仕度をしてきますね!
 ご飯を食べながらゆっくりお話しますから」
「そうね、そうしましょう。
 今日はとびっきりのごちそうにしてね、私を待たせた罰よ、ふふふ」
「わかりました、腕によりをかけて作ります」

そのまま妖夢はぱたぱたと台所へ駆けていった。

居間には一人、幽々子だけが残された。
まだ少しだけ体に残っている、妖夢の温もり。
幽々子は少し名残惜しそうな顔をしたが、乱れた衣服を整えた。
襖の向こうの夜空に目をやれば、すでに満天の星が輝いている。

「こうやって少しずつ、大人になっていくのね…」

妖夢の成長を喜びながらも、どこか寂しい気持ちになる自分。
誰に向かって言ってるのかしら、と幽々子は一人苦笑した。

こうしてわずかな変化と共に、今日も幻想郷の一日が終わる。




ほとんどの方、はじめまして。gomaという者です。
プチでは一度投稿していたので、それに続いて2度目の投稿となります。

妖夢の真っ直ぐさって見ていて気持ちがいいですよね。
感受性が強くて、とっても素直。
そんな彼女の性格がしっかりと表現できていればいいのですが…

プチのほうの作品は登場人物のセリフだけで構成されていたので、
地の文を含む小説をまともに書いたのは、実はこの作品が初めてです。
そのため、まだまだ至らない部分が多数あるかと思われます。

感想だけでなく誤字訂正・アドバイスも頂ければ幸いです。

※誤字の指摘、ありがとうございました。
 どうやら射と写を勘違いして覚えていたようです。
goma
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コメント



0.2560簡易評価
3.100名前が無い程度の能力削除
( ;∀;)臆陛疾淌ー
5.80三文字削除
やっぱり咲夜さんはかわいいなぁ
6.90道端から覗く程度の能力削除
妖夢が何かしらの経験をして成長する、という話はよく目にする気がしますが、この物語は特に秀逸でした。GJ!!
8.無評価名前が無い程度の能力削除
読みやすかったし、面白かったです。妖夢はどんなことにも全力なイメージそのままで、嬉しかった。
9.100BBL削除
妖夢の真っ直ぐさに・・・
咲夜のいじらしさに・・・
美鈴の人(?)の良さに・・・
感動したッ!!!(TДT)
10.90名前が無い程度の能力削除
面白かったっす。
咲夜さんも気にしているなら問答無用でナイフとか投げなきゃいいのに。

誤字:写命丸→射命丸
12.100時空や空間を翔る程度の能力削除
親友・・・
大切な宝ですよね。
19.80名前が無い程度の能力削除
自信の相棒・・・一種の自画自賛
34.80流れる風削除
自分の抱く妖夢のイメージとかなり近かったのでさくさくと読めました。
何事にも全身全霊。それが愚直でもいい、大きく育って欲しいです。
37.70須達龍也削除
作るものじゃなくて、できるものっていうのが、いい台詞でした。
38.100名前が無い程度の能力削除
面白かったです。これぞ妖夢って感じで。
44.100名前が無い程度の能力削除
いい話だなー